JP2020049406A - ガス配管装置、ガス処理システムおよび管の洗浄方法 - Google Patents

ガス配管装置、ガス処理システムおよび管の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な設備かつ簡易な方法によって管内に付着した炭素化合物の除去を可能にする。【解決手段】ガス配管装置40は、炭素化合物を含むガスが通過する41と、炭素化合物を含むガスが通過した後の管41に、管に付着した炭素化合物を管から除去する除去液CLを管内に供給する除去液供給部42と、管41から分岐し、管から除去された炭素化合物を除去液とともに管から回収する除去液回収部44と、を有する。除去液供給部は、水蒸気を管内に供給する水蒸気供給部42Bと、水蒸気とともに除去液をなす水を管内に供給する水供給部42Aと、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、ガスが流れるガス配管装置、ガス処理システムおよび管の洗浄方法に関する。
炭素化合物を含むガスを移送するガス配管装置が、種々の分野で利用に供されている(例えば特許文献1)。このようなガス配管装置では、炭素化合物の成分や温度等の移送条件に応じて、炭素化合物の液状物や固形物が管の内壁に付着することもある。炭素化合物が管内に付着して堆積すると、ガス配管装置内を流れるガスの品質に悪影響を及ぼすだけでなく、流量、流速、流体圧にも影響を与え得る。
特開2009−66530号公報
本発明の目的は、簡易な設備かつ簡易な方法によって管内に付着した炭素化合物の除去を可能にすることを目的とする。
本発明によるガス配管装置は、
炭素化合物を含むガスが通過する管と、
前記炭素化合物を含むガスが通過した後の前記管に、前記管に付着した炭素化合物を前記管から除去する除去液を前記管内に供給する除去液供給部と、
前記管から分岐し、前記管から除去された前記炭素化合物を前記除去液とともに前記管から回収する除去液回収部と、を備え、
前記除去液供給部は、水蒸気を前記管内に供給する水蒸気供給部と、前記水蒸気とともに前記除去液をなす水を前記管内に供給する水供給部と、を含む。
本発明によるガス配管装置において、前記管は、前記ガスを供給される導入管部と、前記導入管部が分岐した複数の分岐管部と、前記複数の分岐管部が合流した合流管部と、を含むようにしてもよい。
本発明によるガス配管装置において、前記除去液供給部は、前記導入管部に接続し、前記導入管部に前記水および前記水蒸気を供給するようにしてもよい。
本発明によるガス配管装置において、前記除去液回収部は、前記合流管部から分岐し、前記合流管部から前記除去液とともに前記炭素化合物を回収するようにしてもよい。
本発明によるガス配管装置が、前記管の前記複数の分岐管部を冷却する冷却部を更に備えるようにしてもよい。
本発明によるガス配管装置が、前記管を冷却する冷却部を更に備えるようにしてもよい。
本発明によるガス配管装置において、
前記管に供給される前記ガスは、気体の前記炭素化合物を含み、
前記冷却部は、前記管の温度を前記炭素化合物の固化温度以下の温度に冷却するようにしてもよい。
本発明によるガス配管装置において、前記管に供給される前記ガスが、固体の前記炭素化合物及び液体の前記炭素化合物の少なくとも一方を含んでいてもよい。
本発明によるガス配管装置が、前記管内の水位を計測する水位センサを更に備えるようにしてもよい。
本発明によるガス処理システムは、
炭素化合物を含むガスを生成するガス生成装置と、
上述した本発明によるガス配管装置のいずれかであって、前記ガス生成装置で生成されたガスが通過するガス配管装置と、
前記ガス配管装置を通過したガス中の水素ガス及び一酸化炭素ガスを原料として有機物質を生成する有機物質生成装置と、を備える。
本発明による管の洗浄方法は、
炭素化合物を含むガスが通過した後の管に水蒸気および水を供給し、前記水蒸気および前記水から得られた除去液によって前記管に付着した炭素化合物を前記管から除去する工程と、
前記管から除去された前記炭素化合物を前記除去液とともに前記管から回収する工程と、を備える。
本発明による管の洗浄方法の前記除去する工程は、前記管内に前記水蒸気および前記水を供給する工程と、前記水蒸気および前記水から得られた前記除去液を前記管内に貯め置く工程と、を含むようにしてもよい。
本発明による管の洗浄方法において、
前記管は、前記ガスを供給される導入管部と、前記導入管部が分岐した複数の分岐管部と、前記複数の分岐管部が合流した合流管部と、を含み、
前記水蒸気及び前記水を、前記導入管部に供給するようにしてもよい。
本発明による管の洗浄方法において、
前記管は、前記ガスを供給される導入管部と、前記導入管部が分岐した複数の分岐管部と、前記複数の分岐管部が合流した合流管部と、を含み、
前記炭素化合物を前記除去液とともに前記合流管部から回収するようにしてもよい。
本発明による管の洗浄方法の前記管に水蒸気および水を供給する工程において、前記水および前記水蒸気を順に前記管内に供給するようにしてもよい。
本発明による管の洗浄方法において、前記管内に供給される前記水蒸気の量および前記管内に供給される前記水の量は、前記除去液の前記管内での水位及び前記除去液の前記管内での温度に基づいて、調節されるようにしてもよい。
本発明による管の洗浄方法において、前記管に前記水蒸気および前記水を供給する工程および前記炭素化合物を前記除去液とともに回収する工程は、繰り返し複数回実施されるようにしてもよい。
本発明によれば、簡易な設備かつ簡易な方法によって管内に付着した炭素化合物を除去することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、ガス配管装置が適用されたガス処理システムの概略構成を説明するためのブロック図である。 図2は、図1のガス処理システムに含まれ得るガス処理装置の概略構成を説明するためのブロック図である。 図3は、図1のガス処理システムに含まれ得るガス配管装置を模式的に示す図である。 図4は、図1のガス処理システムに含まれ得る有機物質生成装置を模式的に示す図である。 図5は、図3に示されたガス配管装置の洗浄方法の一例を説明するためのフローチャートである。 図6は、図5のフローチャートに示された前処理工程を説明するための図であって、ガス配管装置を示している。 図7は、図5のフローチャートに示された洗浄工程の除去工程の一例を説明するためのフローチャートである。 図8は、図7のフローチャートに示された水供給工程を説明するための図であって、ガス配管装置を示している。 図9は、図7のフローチャートに示された水蒸気供給工程を説明するための図であって、ガス配管装置を示している。 図10は、図5のフローチャートに示された後処理工程を説明するための図であって、ガス配管装置を示している。 図11は、図7に対応するフローチャートであって、除去工程の一変形例を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
以下に説明する一実施の形態において、ガス配管装置は、ガスが通過する配管を含んだ装置である。このガス配管装置は、簡易な設備かつ簡易な方法によって管内に付着した炭素化合物の除去を可能とするための工夫を施されている。以下、このガス配管装置を、炭素化合物を含んだ廃棄物をガス化してなる原料ガスから有機物質を生成するガス処理システムに適用した例について、説明する。しかしながら、本実施の形態によるガス配管装置は、ガス処理システムへの適用に限られず、ガスが通過する配管を含んだ種々の装置へ適用可能である。
まず、ガス処理システム10の全体構成について説明する。図1に示すように、原料ガスを生成する原料ガス生成装置12と、原料ガス生成装置12で生成されたガスを処理するガス処理装置14と、ガス処理装置14で処理されたガスを反応させて有機物質を生成する有機物質生成装置16と、有機物質生成装置16で生成された有機物質を精製する有機物質精製装置18と、を有している。
このうち、原料ガス生成装置12は、炭素源をガス化させることによって原料ガスを生成する装置とすることができる。原料ガス生成装置12として、炭素源を燃焼(不完全燃焼)させるガス化炉、例えば、シャフト炉、キルン炉、流動床炉、ガス化改質炉等を用いることができる。原料ガス生成装置12をなすガス化炉は、廃棄物を部分燃焼させることにより、高い炉床負荷、優れた運転操作性が可能となるため、流動層炉式であることが好ましい。廃棄物を低温(約450〜600℃)かつ低酸素雰囲気の流動床炉中でガス化することにより、ガス(一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン等)および炭素分を多く含むチャーに分解することができる。さらに廃棄物に含まれる不燃物が炉底から、衛生的でかつ酸化度の低い状態で分離されるため、不燃物中の鉄やアルミニウム等といった有価物を選択回収することが可能である。従って、このような廃棄物のガス化は、効率の良い資源リサイクルが可能となる。
ガス化炉としての原料ガス生成装置12において、ガス化の温度は、通常100℃以上1500℃以下、好ましくは200℃以上1200℃以下である。ガス化炉としての原料ガス生成装置12において、ガス化の反応時間は、通常2秒以上、好ましくは5秒以上である。
原料ガス生成装置12に投入される炭素源は、特に限定されず、例えば、製鉄所のコークス炉、高炉(高炉ガス)、転炉や石炭火力発電所に用いる石炭、焼却炉(特にガス化炉)に導入される一般廃棄物および産業廃棄物、各種産業によって副生した二酸化炭素等、リサイクルを目的として種々の炭素含有材料も好適に利用することができる。より詳しくは、炭素源には、プラスチック廃棄物、生ゴミ、都市廃棄物(MSW)、廃棄タイヤ、バイオマス廃棄物、布団や紙等の家庭ごみ、建築部材等の廃棄物や、石炭、石油、石油由来化合物、天然ガス、シェールガス等が挙げられ、その中でも各種廃棄物が好ましく、分別コストの観点から未分別の都市廃棄物がより好ましい。
炭素源をガス化して得られる原料ガスは、後述する有機物質生成装置16との組み合わせにおいて、一酸化炭素および水素を必須成分として含む。とりわけ後述する有機物質生成装置16との組み合わせにおいて、炭素源を燃焼(不完全燃焼)させる熱処理(通称:ガス化)を行うことにより、即ち、炭素源を部分酸化させることにより、一酸化炭素を、特に制限はないが、0.1体積%以上、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上含む原料ガスを生成することが好ましい。原料ガスは、二酸化炭素、酸素、窒素をさらに含んでもよい。さらにその他の成分として、原料ガスは、スス、タール、チャー、窒素化合物、硫黄化合物、リン系化合物、芳香族系化合物等の成分をさらに含んでもよい。
次に、原料ガス生成装置12で生成されたガスを処理するガス処理装置14について説明する。ガス処理装置14は、原料ガス生成装置12で生成された原料ガスを、下流側となる有機物質生成装置16での使用に適するよう処理する。より具体的には、ガス処理装置14は、原料ガス生成装置12で製造された原料ガスから様々な汚染物質、ばいじん粒子、不純物、好ましくない量の化合物等の特定の物質を除去ないし低減する。ガス処理装置14は、例えば、ガスチラー(水分分離装置)、低温分離方式(深冷方式)の分離装置、サイクロン、バグフィルターのような微粒子(スス)分離装置、スクラバー(水溶性不純物分離装置)、脱硫装置(硫化物分離装置)、膜分離方式の分離装置、脱酸素装置、圧力スイング吸着方式の分離装置(PSA)、温度スイング吸着方式の分離装置(TSA)、圧力温度スイング吸着方式の分離装置(PTSA)、活性炭を用いた分離装置、銅触媒またはパラジウム触媒を用いた分離装置等のうちの1種または2種以上を含むようにしてもよい。
図2に示された例において、ガス処理装置14は、スクラバー30、水分分離装置として構成されたガス配管装置40及び吸着装置50を含んでいる。
スクラバー30は、ガス中の汚染物質等を除去するために用いられ、その目的に応じて、湿式洗浄法または乾式洗浄法のいずれも用いることができる。このうち、粒子状の物質が洗浄液と接触することにより行われる湿式洗浄法を好適に用いることができ、一例として、いわゆるウォーターカーテンを用いた洗浄法を用いることができる。湿式洗浄法を使用した場合、洗浄液は、例えば、水、酸性溶液、アルカリ性溶液等が挙げられ、水であることが好ましい。また、洗浄液の液温は、通常40℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは15℃以下である。
水分分離装置として機能するガス配管装置40は、スクラバー30で処理された原料ガスを冷却して、原料ガス中から水分を除去する。すなわち、ガス配管装置40は水分分離装置として機能する。図3に示すように、ガス配管装置40は、原料ガスが通過する管41と、管41を冷却する冷却部46と、を有している。管41は、冷媒が供給される冷却部46内を通過している。管41内を移送されるガスは、冷却部46を通過する際に冷却される。この際、原料ガス中の水蒸気が凝縮する等により、原料ガスから水分が除去される。冷却部46は、冷媒が供給される冷媒供給口46aと、冷媒が排出される冷媒排出口46bと、を有している。一方、管41は、原料ガスを供給される導入管部411と、導入管部411が複数に分岐した分岐管部412と、複数の分岐管部412が合流した合流管部413と、を含んでいる。このうち、複数の分岐管部412が、冷却部46内を通過している。各分岐管部412は、導入管部411よりも小径である。したがって、分岐管部412内を通過する原料ガスと冷却部46内の冷媒との熱交換効率を向上させることができる。この管41は、復水器と同様の構成を採用することができる。
吸着装置50は、原料ガス中の一酸化炭素および水素以外の成分を吸着する性能があればよく、吸着のみを目的とした設備としては、例えば、脱硫槽、脱酸素槽を挙げることができる。このうち、後述の有機物質生成装置16との組み合わせにおいて、脱硫槽は、硫黄分を除去することができれば特に限定されることはない。脱硫槽で硫黄分を十分に除去ないし低減できず、硫黄分が多いままであると、後段で吸脱着装置が存在する際に、そこで悪影響を及ぼすおそれがある。また、脱酸素槽、酸素成分を除去することができれば特に限定されることはない。脱酸素槽で酸素成分を十分に除去ないし低減できず、酸素成分が多いままであると有機物質生成装置16において用いられる微生物、特に嫌気性微生物が死滅してしまうおそれがある。
また、吸着装置50に代えて又は吸着装置50に加えて、吸脱着装置を設けてもよい。その場合、PSA,TSA、PTSAのいずれも好適に用いることができる。さらに不要な不純物を除去するため、他の装置を任意に設けてもよい。吸脱着装置に用いる吸脱着材としては、活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブズ等の多孔質材や、アミン溶液等の水溶液を用いることが出来る。中でも、芳香族化合物および硫黄化合物を吸着出来る活性炭またはゼオライトが好ましく用いられる。なお、上記したように、原料ガス中の硫黄分が多いままであると、吸脱着材に悪影響を及ぼすおそれがあることから、吸脱着装置は脱硫槽の後に設けると良い。
次に有機物質生成装置16について説明する。有機物質生成装置16は、原料ガスを微生物発酵又は金属触媒と接触させて有機物質を製造する。原料ガスの微生物発酵又は金属触媒反応により得られる有物物質として、例えば、メタノール、エタノール、2,3−ブタンジオール、酢酸、乳酸、イソプレン、ブタジエン等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルコールまたはジオール類であり、より好ましくはエタノールを含むことが好ましい。得られる有機物質の用途は、特に限定されない。得られた有機物質は、例えば、プラスチックや樹脂等の原料として用いてもよいし、各種溶媒、殺菌剤、または燃料として用いてもよい。高濃度のエタノールは、ガソリン等に混合する燃料エタノールとして用いることができる他、例えば、化粧品、飲料、化学物質、燃料(ジェット燃料)等の原材料、食品等の添加物として用いることができ、汎用性が極めて高い。
有機物質生成装置16は、例えば、図4に示すように、微生物(種)を含む発酵槽161を有している。発酵槽161は、微生物種の他に培地(培養液)162を含んでもよい。有機物質生成装置16には、原料ガスを供給する供給管163と、得られた有機物質を回収する回収管164と、有機物質の生成に用いられなかったガスを排出する排出管165とが接続している。
ある種の嫌気性微生物は、発酵作用によって、合成ガス等の基質ガスから、エタノール等の有価物である有機物質を生成することが知られており、この種のガス資化性微生物は、液状の培地で培養される。例えば、培養液とガス資化性細菌とを供給して収容しておき、この状態で培養液を撹拌しつつ、発酵槽内に原料ガスを供給してもよい。これにより、培養液中でガス資化性細菌を培養して、その発酵作用により原料ガスから有機物質を生成することができる。培養液は、主成分の水と、この水に溶解または分散された栄養分(例えば、ビタミン、リン酸等)とを含有する液体である。このような培養液の組成は、ガス資化性細菌が良好に成育し得るように調製される。
原料ガスを微生物発酵させる微生物(種)は、一酸化炭素を主たる原料として原料ガスを微生物発酵させることによって所望の有機物質omを製造できるものであれば、特に限定されない。例えば、微生物(種)は、ガス資化性細菌の発酵作用によって、原料ガスから有機物質を生成するものであることが好ましい。ガス資化性細菌のなかでも、クロストリジウム(Clostridium)属がより好ましく、クロストリジウム・オートエタノゲナムが特に好ましいが、これに限定されるものではない。以下、さらに例示する。
ガス資化性細菌は、真性細菌および古細菌の双方を含む。真性細菌としては、例えば、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、ムーレラ(Moorella)属細菌、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、カルボキシドセラ(Carboxydocella)属細菌、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属細菌、ユーバクテリウム(Eubacterium)属細菌、ブチリバクテリウム(Butyribacterium)属細菌、オリゴトロファ(Oligotropha)属細菌、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属細菌、好気性水素酸化細菌であるラルソトニア(Ralsotonia)属細菌等が挙げられる。
一方、古細菌としては、例えば、Methanobacterium属細菌、Methanobrevibacter属細菌、Methanocalculus属、Methanococcus属細菌、Methanosarcina属細菌、Methanosphaera属細菌、Methanothermobacter属細菌、Methanothrix属細菌、Methanoculleus属細菌、Methanofollis属細菌、Methanogenium属細菌、Methanospirillium属細菌、Methanosaeta属細菌、Thermococcus属細菌、Thermofilum属細菌、Arcaheoglobus属細菌等が挙げられる。これらの中でも、古細菌としては、Methanosarcina属細菌、Methanococcus属細菌、Methanothermobacter属細菌、Methanothrix属細菌、Thermococcus属細菌、Thermofilum属細菌、Archaeoglobus属細菌が好ましい。
さらに、一酸化炭素および二酸化炭素の資化性に優れることから、古細菌としては、Methanosarcina属細菌、Methanothermobactor属細菌、またはMethanococcus属細菌が好ましく、Methanosarcina属細菌、またはMethanococcus属細菌が特に好ましい。なお、Methanosarcina属細菌の具体例として、例えば、Methanosarcina barkeri、Methanosarcina mazei、Methanosarcina acetivorans等が挙げられる。
以上のようなガス資化性細菌の中から、目的とする有機物質の生成能の高い細菌が選択されて用いられる。例えば、エタノール生成能の高いガス資化性細菌としては、クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・ユングダリイ(Clostridium ljungdahlii)、クロストリジウム・アセチクム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)、ムーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)等が挙げられる。
上記した微生物(種)を培養する際に用いる培地は、菌に応じた適切な組成であれば特に限定されない。例えば、微生物にクロストリジウム属を用いる場合の培地は、米国特許出願公開2017/260552号の「0097」〜「0098」等を参考にすることができる。
発酵槽において、培地(培養液)の温度(培養温度)は、任意の温度を採用してよいが、好ましくは30〜45℃程度、より好ましくは33〜42℃程度、さらに好ましくは36.5〜37.5℃程度とすることができる。また、培養時間は、好ましくは連続培養で12時間以上、より好ましくは7日以上、特に好ましくは30日以上、最も好ましくは60日以上であり、上限は特に設定されないが設備の定修等の観点から720日以下が好ましく、より好ましくは365日以下である。なお、培養時間とは、種菌を培養槽に添加してから、培養槽内の培養液を全量排出するまでの時間を意味するものとする。
また、反応装置に金属触媒を用いる場合は、合成ガスから目的の有機物質を得るために使用される公知の金属触媒が適用可能であり、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金から選択される1種以上の白金族元素を含む金属触媒がCO転化率を高める観点から好ましい。
次に、有機物質精製装置18について説明する。有機物質精製装置18は、有機物質生成装置16での微生物発酵を経て得られた有機物質含有液を、精製する装置である。例えば有機物質精製装置18は、得られた有機物質含有液を、精製部において、目的の有機物質の濃度を高めた留出液と、目的の有機物質の濃度を低下させた残留液とに分離する。このような有機物質精製装置18として、例えば、蒸留装置、浸透気化膜を含む処理装置、ゼオライト脱水膜を含む処理装置、有機物質より沸点の低い低沸点物質を除去する処理装置、有機物質より沸点の高い高沸点物質を除去する処理装置、イオン交換膜を含む処理装置等が挙げられる。これらの装置は単独でまたは2種以上を組み合わせてもよい。単位操作としては、加熱蒸留や膜分離を好適に用いてもよい。
加熱蒸留では、蒸留装置を用いることができる。有機物質(特に、エタノール)の蒸留時における蒸留器内の温度は、特に限定されないが、100℃以下であることが好ましく、70〜95℃程度であることがより好ましい。蒸留器内の温度を前記範囲に設定することにより、必要な有機物質とその他の成分との分離、即ち、有機物質の蒸留(精製)をより確実に行うことができる。
有機物質の蒸留時における蒸留装置内の圧力は、常圧であってもよいが、好ましくは大気圧未満、より好ましくは60〜95kPa(絶対圧)程度である。蒸留装置内の圧力を前記範囲に設定することにより、有機物質の分離効率を向上させること、ひいては有機物質の収率を向上させることができる。有機物質の収率(蒸留後に得られた有機物質の濃度)は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは99重量%以上、特に、99.5重量%以上とすることが好ましい。
膜分離では、公知の分離膜を適宜用いることができ、例えばゼオライト膜を好適に用いることができる。
以上のようにして、ガス処理システム10において、原料ガスから有機物質を製造することができる。
ところで、ガス処理システム10は、ガスが通過する配管を含んだ装置である。背景技術の欄でも説明したように、このようなガス処理システム10では、炭素化合物の成分や温度等の移送条件に応じて、炭素化合物の液体や固体が管の内壁に付着することもある。炭素化合物が管内に付着して堆積すると、ガス配管装置内を流れるガスの品質に悪影響を及ぼすだけでなく、流量、流速、流体圧にも影響を与え得る。
とりわけ、上述してきた例において、ガス処理システム10の管路を移送されるガスは、ガス化炉として構成された原料ガス生成装置12で生成された原料ガスである。ガス化炉としての原料ガス生成装置12で得られる原料ガスは、とりわけ、液体または固体の炭素化合物、例えばチャー、スス、タールを含むようになる。このような液体または固体の炭素化合物は、配管の内壁に非常に付着しやすくなる。一方、本実施の形態では、簡易な設備かつ簡易な方法によって管内に付着した炭素化合物の回収を可能とするための工夫が施されている。
以下、この工夫を、ガス処理装置14のガス配管装置40に対して適用した例について説明する。上述したように、ガス配管装置40は、小径の分岐管部412を含んでいる。したがって、管41に供給されるガスが固体または液体の炭素化合物を含んでいる場合には、当該炭素化合物が管41の内壁に付着しやすくなる。加えて、分岐管部412は冷却部46によって冷却される。すなわち、管41に供給されたガスが固体または液体の炭素化合物を含んでいなくとも、冷却部46が、炭素化合物の液化温度以下の温度、さらには固化温度以下の温度までガスを冷却し、管41内で液体または固体の炭素化合物が生じることも想定される。すなわち、分岐管部412内を通過するガス中の炭素化合物が液化または固化しやすく、且つ、液化または固化した炭素化合物が小径の分岐管部412に付着し易くなっている。したがって、ガス配管装置40では、炭素化合物が内壁に付着するといった不具合が顕著に生じ易くなっていると言える。
図3に示すように、ガス配管装置40は、上述した管41及び冷却部46に加え、除去液供給部42及び除去液回収部44をさらに有している。上述したように、管41は、ガスを供給される導入管部411と、導入管部411が複数に分岐した分岐管部412と、複数の分岐管部412が合流した合流管部413と、を有している。導入管部411、分岐管部412及び合流管部413は、例えば、金属製または樹脂製の管により構成されている。導入管部411上には、導入管部411の開放および閉鎖を切り替える上流側弁414が設けられている。また、合流管部413上には、合流管部413の開放および閉鎖を切り替える下流側弁415が設けられている。
除去液供給部42は、管41の内壁に付着した炭素化合物を内壁から除去するための除去液を管41に充填する。すなわち、除去液供給部42は、管41に付着した炭素化合物を管41から除去する除去液を管41内に供給する。図示された除去液供給部42は、水を管41内に供給する水供給部42Aと、水蒸気を管41内に供給する水蒸気供給部42Bと、を含んでいる。本実施の形態において、除去液は、水供給部42Aから供給される水と、水蒸気供給部42Bから供給される水蒸気と、を混合して得られる。
除去液供給部42は、管41の導入管部411に接続している。この除去液供給部42は、導入管部411に水及び水蒸気を供給する。図3に示すように、除去液供給部42は、導入管部411のうちの上流側弁414が設けられた位置のすぐ下流側となる位置に接続した合流供給管421を、更に有している。
水供給部42Aは、合流供給管421に一端において接続した水供給管42A1と、水供給管42A1上に設けられた水供給弁42A2と、を有している。水供給管42A1の他端は、例えば、ガス処理システム10が設置される工場等の設備として設けられた水源S1に接続している。ただし、この例とは異なり、水供給部42Aが、水を貯留したタンク等からなる水源S1を、その構成要素として含むようにしてもよい。水供給弁42A2は、水供給管42A1の開放および閉鎖を切り替える。水供給弁42A2が水供給管42A1を開放すると、水源S1からの水を管41内に供給することができる。
水蒸気供給部42Bは、合流供給管421に一端において接続した水蒸気供給管42B1と、水蒸気供給管42B1上に設けられた水蒸気供給弁42B2と、を有している。水蒸気供給管42B1の他端は、例えば、ガス処理システム10が設置される工場等の設備として設けられた水蒸気源S2に接続している。ただし、この例とは異なり、水蒸気供給部42Bが、水蒸気を収容したタンク等からなる水蒸気源S2を、その構成要素として含むようにしてもよい。水蒸気供給弁42B2は、水蒸気供給管42B1の開放および閉鎖を切り替える。水蒸気供給弁42B2が水蒸気供給管42B1を開放すると、水蒸気源S2からの水蒸気を管41内に供給することができる。
なお、図示された例において、ガス配管装置40は、管41に窒素を供給する窒素供給部48を更に有している。窒素供給部48は、管41の導入管部411に窒素を供給する。図示された例において、窒素供給部48は、導入管部411のうちの上流側弁414が設けられた位置のすぐ下流側となる位置に、窒素を供給する。より具体的には、窒素供給部48は、除去液供給部42の合流供給管421に接続し、合流供給管421を介して管41に窒素を供給する。
図示された窒素供給部48は、水供給部42A及び水蒸気供給部42Bと同様の構成を有している。すなわち、図示された窒素供給部48は、合流供給管421に一端において接続した窒素供給管481と、窒素供給管481上に設けられた窒素供給弁482と、を有している。窒素供給管481の他端は、例えば、ガス処理システム10が設置される工場等の設備として設けられた窒素源S3に接続している。ただし、この例とは異なり、窒素供給部48が、窒素ガスを収容したタンク等からなる窒素源S3を、その構成要素として含むようにしてもよい。窒素供給弁482は、窒素供給管481の開放および閉鎖を切り替える。窒素供給弁482が窒素供給管481を開放すると、窒素源S3からの窒素を管41内に供給することができる。
除去液回収部44は、管41の合流管部413から分岐している。この除去液回収部44は、合流管部413から除去液を排液する。図3に示すように、除去液回収部44は、合流管部413のうちの下流側弁415が設けられた位置のすぐ上流側となる位置に接続した回収管441と、回収管441上に設けられた回収弁442と、を有している。回収弁442は、回収管441の開放および閉鎖を切り替える。回収弁442が回収管441を開放すると、回収管441内の除去液を管41から排出することができる。
なお、除去液供給部42、除去液回収部44及び窒素供給部48に含まれる管や、合流供給管421、回収管441は、金属製または樹脂製の管により構成されている。
次に以上のような構成からなるガス配管装置40の管41の洗浄方法について説明する。
洗浄を開始する前、原料ガス生成装置12で生成された原料ガスが管41内を流れている。原料ガス生成装置12は、炭素化合物を含んでいる。液体または固体の炭素化合物が原料ガスによってガス配管装置40に持ち込まれ、或いは、冷却部46での冷却により原料ガス中の炭素化合物が液化または固化する。そして、液体または固体の炭素化合物は、管41の内壁、とりわけ小径の分岐管部412の内壁に付着する。
以下に説明する洗浄方法は、管41内に付着した炭素化合物を除去および回収する。図5に示すように、洗浄方法は、前処理工程S1と、洗浄工程S2と、後処理工程S3と、を有している。
まず、前処理工程について説明する。最初に、上流側弁414を閉鎖し、管41内への原料ガスの流入を停止させる。また、下流側弁415を閉鎖し、回収弁442を開放する。これにより、管41の内部が、除去液回収部44の回収管441を介して外部に通じる。その後、図6に示すように、窒素供給部48の窒素供給弁482を開放して、導入管部411から管41内に窒素ガスN(G)を流入させる。管41内に流入した窒素ガスは、除去液回収部44をから流出する。このとき、除去液供給部42の水供給弁42A2及び水蒸気供給弁42B2は閉鎖している。すなわち、図6に示された前処理工程では、管41を窒素ガスでパージして、原料ガスから除去されて管41内に残留した水分や、管41に残留した炭素化合物等の異物を、管41内から排出する。水分や異物が排出されなくなったところで、窒素供給弁482を閉鎖し、窒素ガスの供給を停止する。
なお、冷却部46の運転は、窒素ガスによるパージの終了とともに停止するようにしてもよいし、窒素ガスによるパージが開始する前や窒素ガスによるパージ中に停止するようにしてもよい。
以上のようにして、前処理工程S1が実施される。次に、洗浄工程S2が実施される。図5に示すように、洗浄工程S2は、除去工程S21および回収工程S22を含んでいる。なお、図6、及び、以下で参照する図8〜図10は、冷却部46を省略してガス配管装置40を示している。
除去工程21では、水および水蒸気を混合してなる除去液が管41内に供給される。なお、本明細書で用いる「除去液を管41内供給する」といった表現は、除去液そのものを管内に供給することの他、後述するように除去液を構成するようになる要素、つまり水および水蒸気を管内に別々に供給し、管内で水および水蒸気を混合することによって管内に除去液を充填することも含む。
上述したように、ガス配管装置40の管路は、冷却部46内を流れる冷媒との熱交換効率を高めるため、複数の小径の分岐管部412に分岐されている。この小径の分岐管部412は、ガス処理システム10に含まれる他の管路と比較して、低剛性となっている。また、ガス配管装置40の管41を洗浄する際には、上流側弁414が閉鎖され、高温の原料ガスの流入が停止している。したがって、前処理工程後に洗浄工程を実施する際、ガス配管装置40の管41の温度は或る程度低下している。この状態から高温の水蒸気を除去液として管41内に供給すると、熱応力により分岐管部412が変形、更には損傷する虞がある。その一方で、低温の水を除去液として管41内に供給した場合、管41の内壁に付着した炭素化合物の除去効率は低くなってしまう。そこで、本実施の形態では、水および水蒸気を混合してなる除去液を用いて、管41の洗浄を行う。
図7に示された例においては、除去工程S21は、水供給工程S211と、水蒸気供給工程S212と、貯留工程S213と、を含んでいる。水供給工程S211では、図8に示すように、水供給部42Aの水供給弁42A2が開放して、導入管部411から管41内に水HO(L)を流入させる。このとき、上流側弁414、下流側弁415、水蒸気供給部42Bの水蒸気供給弁42B2、除去液回収部44の回収弁442及び窒素供給部48の窒素供給弁482は、閉鎖している。したがって、管41内に水が貯留されていく。管41内への水HO(L)の供給は、管41内における水の水位が一定高さとなるまで、例えば図8に点線で示す高さまで実施される。図示された例において、ガス配管装置40は、管41内の水位を計測する水位センサ422を有している。水供給工程S211は、この水位センサ422の計測結果に基づき、管41内に一定水量の水が貯留されるまで実施される。
次に、水蒸気供給工程S212が実施される。水蒸気供給工程S212では、図9に示すように、水蒸気供給部42Bの水蒸気供給弁42B2が開放して、導入管部411から管41内に水蒸気HO(G)を流入させる。このとき、上流側弁414、下流側弁415、水供給部42Aの水供給弁42A2、除去液回収部44の回収弁442及び窒素供給部48の窒素供給弁482は、閉鎖している。水蒸気供給工程S212に先だって実施される水供給工程S211により、管41内には水HO(L)が貯留されている。したがって、管41内に供給された高温の水蒸気は、管41内の水と接触し、熱を奪われて液化する。このようにして、水と水蒸気の混合物としての除去液CLが管41内に充填される。
水蒸気供給工程S212では、水蒸気の液化にともない、管41内の水位が上昇する。そして、水蒸気供給工程S212は、水位センサ422の計測結果に基づき、管41内に予め設定された量の水が貯留されるまで実施されるようにしてもよい。或いは、温度センサ423を管41に設置しておき、温度センサ423の計測結果に基づき、管41内貯留された除去液CLが予め設定された温度となるまで水蒸気供給工程を実施するようにしてもよい。
水供給工程S211における水の供給量と、水蒸気供給工程S212における水蒸気の供給量とは、適温の除去液CLが得られるように調節される。すなわち、管41に過度な熱応力が発生せず且つ管41に付着した炭素化合物の除去に有効な温度となるように、混合量比を設定される。そして、図7に示された洗浄工程のように、水蒸気供給工程S212に先立って水供給工程S211を実施することで、管41の熱応力による変形や損傷を効果的に回避することができる。
次に、貯留工程S213が実施される。貯留工程S213では、管41内に除去液CLを予め定めた一定時間に亘って貯め置く。一定時間に亘って管41内に除去液CLを充填しておくことで、管41の内壁に付着した炭素化合物の除去、例えば炭素化合物の管41からの剥離や炭素化合物の溶解を促すことができる。以上により、除去工程S21が終了する。
次に、図5に示すように、回収工程S22が実施される。図10に示すように、回収工程S22では、窒素供給部48の窒素供給弁482を開放して、導入管部411から管41内に窒素ガスN(G)を流入させる。また、除去液回収部44の回収弁442を開放する。このとき、上流側弁414、下流側弁415、水供給部42Aの水供給弁42A2及び水蒸気供給部42Bの水蒸気供給弁42B2は、閉鎖している。したがって、管41内に貯留された除去液CLは、窒素ガスN(G)に押し出され、管41から除去された炭素化合物とともに除去液回収部44から排出される。このようにして、回収工程S22が実施され、洗浄工程S2が終了する。
なお、除去工程S21及び回収工程S22を含む洗浄工程S2は、複数回繰り返し実施されるようにしてもよい。洗浄工程S2の実施回数は、一例として、除去液回収部44から回収される除去液が透明となるまでとしてもよい。
次に、図5に示すように、後処理工程が実施される。後処理工程では、ガス配管装置40を原料ガスの処理に適した状態とする。一例として、水供給部42Aから管41内に水を供給して、ガス配管装置40の管41の温度を調節する。この処理は、水供給部42Aの水供給弁42A2を開放して、管41内に水を供給する。管41の温度が十分に低下するまで管41内に水を貯留した後、除去液回収部44の回収弁442を開放して、管41内から水を排出する。この処理の間、上流側弁414、下流側弁415、水蒸気供給部42Bの水蒸気供給弁42B2および窒素供給部48の窒素供給弁482は閉鎖した状態に維持される。
管41の温度を低下させて管41内から水を排出した後、窒素供給部48から管41内に窒素ガスを供給して管41内の水分を除去する。この処理は、窒素供給部48の窒素供給弁482及び除去液回収部44の回収弁442を開放した状態で実施される。一方、この処理の間、上流側弁414、下流側弁415、水供給部42Aの水供給弁42A2および水蒸気供給部42Bの水蒸気供給弁42B2は閉鎖した状態に維持される。
さらに、管41の温度調節および管41内からの水分の除去の後、或いは、管41の温度調節および管41内からの水分の除去と並行して、冷却部46を立ち上げ操作を実施し、冷却部46を再稼働可能な状態とする。
以上のようにして、後処理工程S3が終了する。後処理工程S3が終了すると、上流側弁414及び下流側弁415を開放して、ガス配管装置40での原料ガスの処理が再開される。
以上のような本実施の形態において、ガス配管装置40は、炭素化合物を含むガスが通過する管41と、炭素化合物を含むガスが通過した後の管41に、管41に付着した炭素化合物を管41から除去する除去液を管41内に供給する除去液供給部42と、管41から分岐し、管41から除去された炭素化合物を除去液CLとともに管41から回収する除去液回収部44と、を有している。除去液供給部42は、水蒸気を管41内に供給する水蒸気供給部42Bと、水蒸気とともに除去液をなす水を管41内に供給する水供給部42Aと、を含んでいる。そして、このガス配管装置40の洗浄方法は、炭素化合物を含むガスが通過した後の管41に水蒸気および水を供給し、水蒸気および水から得られた除去液CLによって管41に付着した炭素化合物を管41から除去する工程と、管41から除去された炭素化合物を除去液CLとともに管41から回収する工程と、を有している。すなわち、このような一実施の形態では、水と水蒸気を管41内に供給することで、管41内に除去液CLを供給している。水と水蒸気とを混合してなる除去液CLの温度は、水の供給量および水蒸気の供給量を調節することで、容易且つ柔軟に制御することができる。したがって、除去液CLが高温となり過ぎることに起因した熱応力の発生による設備負荷を抑制しながら、除去液CLが低温となり過ぎることに起因した除去効率の低下を回避することが可能となる。
上述した一具体例において、管41は、ガスを供給される導入管部411と、導入管部411から分岐した複数の分岐管部412と、複数の分岐管部412が合流した合流管部413と、を含んでいる。分岐管部412は、細径となる傾向にあり、したがって、炭素化合物が固着し易い管路をなす。その一方で、細径化し易い分岐管部412は、熱応力が生じ易く破損しやすい管路となる。上述した一実施の形態は、このような分岐管部412からの炭素化合物の除去に好適である。
上述した一具体例において、除去液供給部42は、導入管部411に接続し、導入管部411に水および水蒸気を供給する。このような例によれば、分岐管部412の上流側となる導入管部411に水蒸気及び水を供給することで、炭素化合物が付着し易い分岐管部412を洗浄することができる。
上述した一具体例において、除去液回収部44は、合流管部413から分岐し(複数に枝分かれし)、合流管部413から除去液とともに炭素化合物を回収する。このような例によれば、分岐管部412の下流側となる合流管部413から除去液回収部44が分岐することで、炭素化合物が付着し易い分岐管部412を洗浄することができる。
上述した一具体例において、ガス配管装置40が、管41の複数の分岐管部412を冷却する冷却部46を更に有している。このような例によれば、分岐管部412が冷却部46によって冷却されることで、炭素化合物が分岐管部412に付着し易くなる。上述した一実施の形態は、このような分岐管部412からの炭素化合物の除去に好適である。
上述した一具体例において、ガス配管装置40は、管41を冷却する冷却部46を更に有している。管41が冷却部46によって冷却されることで、炭素化合物が管41に付着し易くなる。上述した一実施の形態は、このような管41からの炭素化合物の除去に好適である。
上述した一具体例において、管41に供給されるガスは気体の炭素化合物を含み、冷却部46は管41の温度を炭素化合物の固化温度以下の温度に冷却する。すなわち、冷却部46による冷却によってガスに含まれる炭素化合物が管41内で固化するので、炭素化合物が管に付着し易くなる。上述した一実施の形態は、このような管41からの炭素化合物の除去に好適である。
上述した一具体例において、管41に供給されるガスは、固体の炭素化合物及び液体の炭素化合物の少なくとも一方を含んでいる。固体または液体の炭素化合物が管41を通過する場合、炭素化合物が管41に付着し易くなる。上述した一実施の形態は、このような管41からの炭素化合物の除去に好適である。
上述した一具体例において、ガス配管装置40は管41内の水位を計測する水位センサ422を更に有している。水位センサ422によって、管41内に供給された水の量だけでなく、液化した水蒸気の量も検出することができる。したがって、水および水蒸気を含んでなる除去液CLの温度を正確に制御することが可能となる。これにより、熱応力による管41の負荷を抑制し、且つ、炭素化合物を管41から効率的に除去することが可能となる。
上述した一具体例において、除去工程S21(図5参照)は、管41内に水蒸気および水を供給する工程と、水蒸気および水から得られた除去液CLを管41内に一定時間に亘って貯め置く工程と、を含んでいる。除去液CLを管41内に一定時間に亘って貯め置くことで、管41の内壁に付着した炭素化合物の剥離や溶解を促進することができる。
上述した一具体例では、管41に水蒸気および水を供給する工程において、水および水蒸気を順に管41内に供給している。したがって、除去液供給部42の操作が簡単となる。また、水蒸気に先立って水を管41に先に供給することで、管41の急激な温度上昇を効果的に抑制することができる。すなわち管41への熱応力の発生を効果的に抑制することができる。
上述した一具体例において、管41内に供給される水蒸気の量および管41内に供給される水の量は、除去液CLの管41内での水位及び除去液CLの管41内での温度に基づいて、調節される。したがって、十分な量かつ十分な温度の除去液CLを管41内に供給することができる。これにより、熱応力による管41の負荷を抑制し、且つ、炭素化合物を管41から効率的に除去することが可能となる。
上述した一具体例では、管41に水蒸気および水を供給する工程および炭素化合物を除去液CLとともに回収する工程は、繰り返し複数回実施される。したがって、炭素化合物を管41から高い除去効率で除去することができる。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
例えば、上述した一具体例の洗浄工程S2の除去工程S21において、水供給工程S211と、水蒸気供給工程S212および貯留工程S213が順に実施されていたが、この例に限られない。例えば、水供給工程及び水蒸気供給工程が、順に、それぞれ複数回実施され、その後に、貯留工程が実施されるようにしてもよい。また、図11に示すように、水と水蒸気が同時に管41内に供給されるようにしてもよい。言い換えると、水供給工程S211および水蒸気供給工程S212が並行して実施されるようにしてもよい。さらに、洗浄工程S2が複数回実施される場合には、各洗浄工程の除去工程S22において、互いに異なる方法で、管41内に除去液CLを充填するようにしてもよい。
10 ガス処理システム
12 原料ガス生成装置
14 ガス処理装置
16 有機物質生成装置
18 有機物質精製装置
30 スクラバー
40 ガス配管装置
50 吸着装置
41 管
411 導入管部
412 分岐管部
413 合流管部
414 上流側弁
415 下流側弁
42 除去液供給部
42A 水供給部
42A1 水供給管
42A2 水供給弁
42B 水蒸気供給部
42B1 水蒸気供給管
42B2 水蒸気供給弁
421 合流供給管
422 水位センサ
423 温度センサ
44 除去液回収部
441 回収管
442 回収弁
46 冷却部
48 窒素供給部
481 窒素供給管
482 窒素供給弁
S1 水源
S2 水蒸気源
S3 窒素源

Claims (17)

  1. 炭素化合物を含むガスが通過する管と、
    前記炭素化合物を含むガスが通過した後の前記管に、前記管に付着した炭素化合物を前記管から除去する除去液を前記管内に供給する除去液供給部と、
    前記管から分岐し、前記管から除去された前記炭素化合物を前記除去液とともに前記管から回収する除去液回収部と、を備え、
    前記除去液供給部は、水蒸気を前記管内に供給する水蒸気供給部と、前記水蒸気とともに前記除去液をなす水を前記管内に供給する水供給部と、を含む、ガス配管装置。
  2. 前記管は、前記ガスを供給される導入管部と、前記導入管部が分岐した複数の分岐管部と、前記複数の分岐管部が合流した合流管部と、を含む、請求項1に記載のガス配管装置。
  3. 前記除去液供給部は、前記導入管部に接続し、前記導入管部に前記水および前記水蒸気を供給する、請求項2に記載のガス配管装置。
  4. 前記除去液回収部は、前記合流管部から分岐し、前記合流管部から前記除去液とともに前記炭素化合物を回収する、請求項2又は3に記載のガス配管装置。
  5. 前記管の前記複数の分岐管部を冷却する冷却部を更に備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載のガス配管装置。
  6. 前記管を冷却する冷却部を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス配管装置。
  7. 前記管に供給される前記ガスは、気体の前記炭素化合物を含み、
    前記冷却部は、前記管の温度を前記炭素化合物の固化温度以下の温度に冷却する、請求項5又は6に記載のガス配管装置。
  8. 前記管に供給される前記ガスは、固体の前記炭素化合物及び液体の前記炭素化合物の少なくとも一方を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガス配管装置。
  9. 前記管内の水位を計測する水位センサを更に備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガス配管装置。
  10. 炭素化合物を含むガスを生成するガス生成装置と、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載されたガス配管装置であって、前記ガス生成装置で生成されたガスが通過するガス配管装置と、
    前記ガス配管装置を通過したガス中の水素ガス及び一酸化炭素ガスを原料として有機物質を生成する有機物質生成装置と、を備える、ガス処理システム。
  11. 炭素化合物を含むガスが通過した後の管に水蒸気および水を供給し、前記水蒸気および前記水から得られた除去液によって前記管に付着した炭素化合物を前記管から除去する工程と、
    前記管から除去された前記炭素化合物を前記除去液とともに前記管から回収する工程と、を備える、管の洗浄方法。
  12. 前記除去する工程は、前記管内に前記水蒸気および前記水を供給する工程と、前記水蒸気および前記水から得られた前記除去液を前記管内に貯め置く工程と、を含む、請求項11に記載の管の洗浄方法。
  13. 前記管は、前記ガスを供給される導入管部と、前記導入管部が分岐した複数の分岐管部と、前記複数の分岐管部が合流した合流管部と、を含み、
    前記水蒸気及び前記水を、前記導入管部に供給する、請求項11又は12に記載の管の洗浄方法。
  14. 前記管は、前記ガスを供給される導入管部と、前記導入管部が分岐した複数の分岐管部と、前記複数の分岐管部が合流した合流管部と、を含み、
    前記炭素化合物を前記除去液とともに前記合流管部から回収する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の管の洗浄方法。
  15. 前記管に水蒸気および水を供給する工程において、前記水および前記水蒸気を順に前記管内に供給する、請求項11〜14のいずれか一項に記載の管の洗浄方法。
  16. 前記管内に供給される前記水蒸気の量および前記管内に供給される前記水の量は、前記除去液の前記管内での水位及び前記除去液の前記管内での温度に基づいて、調節される、請求項11〜15のいずれか一項に記載の管の洗浄方法。
  17. 前記管に前記水蒸気および前記水を供給する工程および前記炭素化合物を前記除去液とともに回収する工程は、繰り返し複数回実施される、請求項11〜16のいずれか一項に記載の管の洗浄方法。
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