JP7116165B2 - 新生物および癌のリスク決定 - Google Patents

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Description

本発明は、新生物の組織病理学的徴候を示さない、すなわち形態学的変化(異形成)を示さない患者の組織において、新生物を発症するリスクを決定する方法に関する。特に、この方法は、患者から得られた生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定することを含み、試料中で遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連する1つ以上の領域がメチル化されている場合、患者は組織において新生物を発症するリスクが高い。
子宮頸部の癌(子宮頸癌)は、世界中で女性で2番目に多い悪性癌性疾患である。いわゆるハイリスクヒトパピローマウイルス(hr-HPV)による感染の過程で、子宮頸部上皮内新生物(CIN)と称される前段階を経てしばしば発症する。これらの段階は、関与の重症度に従って3つのレベルに分けられる:
CIN1=軽度の異形成、基底部から最大で上皮の高さの3分の1に及ぶ;
CIN2=中等度の異形成、最大で上皮の高さの3分の2に及ぶ;および
CIN3=高度の異形成、ほぼ上皮の全層を貫通する。
これらの様々な異形成に関連して、それらが子宮頸癌へと進展する重大なリスクがある。しかし、CIN1異形成の約90%は一定期間内に消散し、根底にあるhr-HPV感染はもはや検出不能となるが、CIN2異形成の約30%およびCIN3異形成の30~50%は、治療せずにおいた場合、子宮頸癌に進展する。言い換えると、すべてのCIN1,CIN2またはCIN3異形成が悪性腫瘍、すなわち子宮頸癌に進展するわけではないが、多くは進展する(例えばCuzickら,2006,Int J Cancer 119:1095-1101参照)。
子宮頸癌およびその前段階(CIN)を検出するための既存の検査は、細胞形態学的方法(パップテスト)に基づく。しかし、パップテストは、癌性であるかまたは異形成に関与することが疑われる少数の細胞を、顕微鏡検査によって他の数千個の異なる細胞のバックグラウンドに対して認識しなければならないため、非常に誤りを生じやすい。さらに、細胞の形態の評価は極めて主観的である。これらの弱点の結果として、パップテストの感度は、前癌段階のCIN2、CIN3、および癌の検出については53%、特異性は96.3%である(Cuzickら,2006,Int J Cancer 119:1095-1101)。
分子生物学検査は、多くの分野で癌治療を有意に改善してきた。いくつかの例外を除いて、すべての子宮頸癌およびその前駆体にはhr-HPV DNAが含まれているため、HPV DNAの検出は癌の検出のための理想的な方法と考えられる。CIN2を検出するためのHPV DNA検出は、95%を超える感度と90%を超える特異性を有することが、公表されている様々な試験で示されている。しかし、感染した女性のごく小さな割合しか癌の発症に進むことはなく、HPVに感染した女性の大部分は癌前駆体/異形成を有さないため、HPV検査が陽性の場合、多くの女性を不必要に心配させることになる(Cuzickら,2006,Int J Cancer 119:1095-1101)。
多くの公表文献は、メチル化マーカーが子宮頸癌の早期発見の分野における分子診断に一般的に適することを示している。例えば、Wangら,2008,Cancer Res.68:2489は、子宮頸癌における新しいメチル化マーカーの同定を記載している。さらに、Huangら,2008,Abstract #50,99th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,サンディエゴ,カリフォルニア州,米国は、CIDEAおよびRXFP3の過剰メチル化が卵巣癌の潜在的なエピジェネティックマーカーであると記載している。
欧州特許第2 478 117 B1号は、CIN3および子宮頸癌の検出のためのASTN1およびZNF671遺伝子のプロモータ/5'領域の過剰メチル化の検出を記載し、Hanselら,2014,PLoS ONE 9(3):e91905は、ハイリスクパピローマウイルスDNA陽性女性のトリアージのためのDNAメチル化マーカーの使用を記載しており、このメチル化マーカーはDLX1、ITGA4、RXFP3、SOX17、およびZNF671である。
欧州特許第2 478 117 B1号明細書
Cuzickら,2006,Int J Cancer 119:1095-1101 Wangら,2008,Cancer Res.68:2489 Huangら,2008,Abstract#50,99th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,サンディエゴ,カリフォルニア州,米国 Hanselら,2014,PLoS ONE 9(3):e91905
観察された新生物が癌に進展する可能性、または観察された新生物が実際に悪性癌であるかどうかを判定するのに役立つ多くの診断方法がある。それにもかかわらず、組織に新生物の組織病理学的徴候がまだ存在しない患者において、新生物および/または癌を発症するリスクを決定するための方法が当技術分野で依然として必要とされている。以下に説明する本発明は、この必要性を満たすものである。
本発明は、少なくとも一部には、患者から得られた生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2の1つ以上に関連するゲノムDNA配列のメチル化状態が、例えば試料が得られた時点で患者の組織が新生物の組織病理学的または細胞形態学的徴候を示さない場合に、患者の組織が新生物、特に癌に進展する有意な可能性を有する高悪性度新生物を発症するかどうかを予測するという本発明人の発見に基づく。
本発明は、患者から得られた生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定することを含む、新生物の組織病理学的徴候を示さない患者の組織において新生物を発症するリスクを決定する方法を対象とする。一実施形態では、生物学的試料中で1つ以上の領域がメチル化されている場合、患者は組織において新生物を発症するリスクが高い。一実施形態では、好ましくは、遺伝子ZNF671に関連するゲノムDNAの領域のメチル化状態を決定することができる。特定の実施形態では、高いリスクとは、癌に進展する有意な可能性を有する中等度または重度の形態の新生物、すなわちHSIL/CIN3が、メチル化状態を決定するのに使用される生物学的試料が得られてから3~6ヶ月以内、または7~12ヶ月以内、または13~24ヶ月以内、または24~36ヶ月以内に組織で発症するリスクであり得る。
本発明の文脈において、メチル化状態を決定することは、遺伝子(1つまたは複数)内のコード配列と非コード配列の両方を含む、ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/もしくはDLX2遺伝子に関連するゲノムDNA配列、またはそのような配列の一部のメチル化状態を決定することを包含する。また、遺伝子(1つまたは複数)の転写開始部位の5'側に位置する配列、すなわち遺伝子の発現を制御するプロモータ/エンハンサー配列、ならびにコードDNA領域の3'側に位置する非コード配列も包含される。一実施形態では、ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/もしくはDLX2のゲノムDNAの1つ以上のコードエクソン配列またはその一部のメチル化状態を決定することができる。一実施形態では、ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/もしくはDLX2のゲノムDNAの1つ以上の非コードイントロン配列またはその一部のメチル化状態を決定することができる。一実施形態では、ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/もしくはDLX2のプロモータ領域または前記プロモータ領域の一部のメチル化状態を決定することができる。好ましい実施形態では、メチル化状態を決定しようとする特定の遺伝子に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域は、CpGアイランドを含む。一実施形態では、メチル化状態を決定しようとする特定の遺伝子に関連するゲノムDNAは、前記特定の遺伝子の配列の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35または40キロベース上流および/または下流(5'側および/または3'側)内のゲノムDNA配列を含む。
一実施形態では、メチル化状態は、対照試料のメチル化状態と比較することができる。対照試料は、ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連する(それぞれの)ゲノム配列の少なくとも1つ、2つ、3つもしくはすべてがメチル化されていないこと、またはメチル化の公知の値もしくは状態を反映する標準であり得ることが公知である組織から得られた試料であり得る。対照試料は、異なる患者から得られた生物学的試料であってもよく、ここで、その患者の組織は新生物を発症しなかった、例えば異なる患者からの試料が得られてから3年以内またはそれ以降に新生物を発症しなかったことが決定されている。
一実施形態では、新生物は上皮内新生物であり得る。好ましくは、新生物は肛門性器の新生物、より好ましくは子宮頸部または子宮の新生物であり得る。一実施形態では、子宮頸部の新生物は、HSIL/CIN3子宮頸部新生物または子宮頸癌であり得る。好ましい実施形態では、本発明の方法は、例えば子宮頸部組織または直腸組織などの肛門性器組織において高悪性度の上皮内病変またはCIN3新生物を発症するリスクを決定することを対象とする。
一実施形態では、患者から得られる生物学的試料は、組織の細胞を含み得る。一実施形態では、生物学的試料は、子宮頸部または直腸の細胞を含む子宮頸部または直腸の塗抹標本、例えばパップスミアであり得る。一実施形態では、生物学的試料は、血液、痰、気管支吸引液、尿、便、胆汁、消化管分泌物、またはリンパ液であり得る。
一実施形態では、組織は、子宮頸部、膣、尿道、肛門性器、直腸、咽喉、口、鼻、胃、皮膚、肝臓、膵臓または筋肉の組織であり得る。一実施形態では、生物学的試料は、新生物を発症するリスクを決定しようとする組織から直接得ることができる。
一実施形態では、組織の組織病理学的状態は、膣鏡によって決定することができる。
本発明の一実施形態では、患者から得られる生物学的試料は、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定するため、および組織の組織病理学的状態を決定するために使用することができる。別の実施形態では、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定するために使用される、患者から得られる生物学的試料は、組織の組織病理学的状態を決定するために使用される生物学的試料とは異なる、患者から得られる生物学的試料であり得る。異なる生物学的試料は、同じもしくは類似の方法で得ることができ、および/または同じもしくは類似の性質のものであり得、例えば2つの試料は、どちらも子宮頸部組織の塗抹標本であり得る。また、異なる生物学的試料は、異なる方法で得ることができ、および/または異なる性質のものであり得、例えば一方の試料は子宮頸部組織の塗抹標本であり、他方は子宮頸部組織の生検であり得る。
一実施形態では、メチル化状態を決定するために使用される、患者から得られる生物学的試料は、組織の組織病理学的状態が決定された後に得ることができる。一実施形態では、メチル化状態を決定するために使用される、患者から得られる生物学的試料は、組織の組織病理学的状態が決定される前に得ることができる。
一実施形態では、患者は、パピローマウイルスに感染していてもよく、またはパピローマウイルスに感染していなくてもよい。
一実施形態では、メチル化状態はメチル化特異的PCR(MSP)によって決定することができ、ここで、好ましくは、MSPは定量的MSP(QMSP)であり、好ましくは、QMSPは蛍光プローブの使用に基づく。一実施形態では、メチル化状態は、ナノポアシーケンシングによって決定することができる。
本発明の一実施形態では、組織が新生物を発症するリスクが高いと決定された後、本発明の方法は、組織の組織病理学的状態を決定することをさらに含む。さらなる決定は、例えば新生物を発症するリスクが高いと決定された後、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または12ヶ月以内に行うことができる。例えば、組織の組織病理学的状態のさらなる決定は、リスクが高いと決定された後に患者から得られた組織の試料を組織病理学的にスクリーニングすることによって行うことができる。組織の試料は、例えば新生物のリスクが高いと決定された後、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または12ヶ月以内に得ることができる。
別の実施形態では、組織が新生物を発症するリスクが高いと決定された後、本発明の方法は、組織における新生物または癌の発症を予防する薬剤を患者に投与することをさらに含み得る。新生物を予防するのに適した当技術分野で公知のそのような薬剤は、新生物を発症するリスクが高い患者に投与することができる。一実施形態では、薬剤は抗炎症薬、好ましくは非ステロイド性抗炎症薬であるか、または薬剤は、アザシチジンもしくはデシタビンなどのメチル化阻害剤である。一実施形態では、組織が肛門性器組織、例えば子宮頸部または直腸組織である場合、新生物を発症するリスクが高い患者は、パピローマウイルス、例えばヒトパピローマウイルスに対して患者にワクチン接種することによって治療することができる。一実施形態では、ワクチン接種されるパピローマウイルスは、好ましくは、HPV株16および18などの、癌を引き起こすまたは引き起こす一因となることが公知のウイルスの株であり得る。
本発明はまた、患者から得られた生物学的試料中で遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域がメチル化されている患者を選択することを含む、組織において新生物のより頻繁なスクリーニングを行うために、組織で新生物の組織病理学的徴候を示さない患者を選択する方法を対象とする。一実施形態では、より頻繁なスクリーニングは、同じ組織の組織病理学に基づくスクリーニングであり得る。好ましくは、より頻繁なスクリーニングは、3~12ヶ月ごと、好ましくは6ヶ月ごと、より好ましくは3ヶ月ごとに行うことができる。
本発明は、新生物の組織病理学的徴候を示さない組織において新生物を発症するリスクを決定する方法であって、(i)患者の組織の組織病理学的状態を決定する工程;ならびに(ii)工程(i)の前または後に同じ患者から得られた生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定する工程を含む方法を対象とする。一実施形態では、組織の組織病理学的状態が新生物の非存在を示す場合、ならびに遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連する1つ以上の領域が生物学的試料中でメチル化されている場合、患者は組織において新生物を発症するリスクが高い。
1番染色体上に位置する遺伝子ASTN1およびBRINP2に関連するゲノムDNAの表示である。 2番染色体上に位置する遺伝子METAP1D、DLX1およびDLX2に関連するゲノムDNAの表示である。 2番染色体上に位置する遺伝子METAP1D、DLX1およびDLX2に関連するゲノムDNAの表示である。 19番染色体上に位置する遺伝子ZNF671、ZNF154およびZNF776に関連するゲノムDNAの表示である。 子宮頸部組織で新生物の組織病理学的/細胞形態学的徴候を示さないが、後にこの組織についてHSIL/CIN3の組織病理学的所見と診断された患者のある時点で得られた子宮頸部塗抹細胞におけるメチル化マーカーの検出率(パーセント)を示す。
本発明を以下で詳細に説明するが、本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されず、これらは異なり得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は付属の特許請求の範囲によってのみ限定されることも理解されるべきである。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
以下において、本発明の要素を説明する。これらの要素を具体的な実施形態と共に列挙するが、それらは、追加の実施形態を創製するために任意の方法および任意の数で組み合わせてもよいことが理解されるべきである。様々に説明される例および好ましい実施形態は、本発明を明確に記述される実施形態のみに限定すると解釈されるべきではない。この説明は、明確に記述される実施形態を任意の数の開示される要素および/または好ましい要素と組み合わせた実施形態を支持し、包含すると理解されるべきである。さらに、本出願において記述されるすべての要素の任意の並び替えおよび組合せは、文脈上特に指示されない限り、本出願の説明によって開示されているとみなされるべきである。
好ましくは、本明細書で使用される用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)」,H.G.W.Leuenberger,B.Nagel,and H.Kolbl,Eds.,(1995)Helvetica Chimica Acta,CH-4010バーゼル,スイスに記載されているように定義される。
本発明の実施は、特に指示されない限り、当技術分野の文献(例えばMolecular Cloning:A Laboratory Manual,4th Edition,J.Sambrookら編,Cold Spring Harbor Laboratory Press,コールド・スプリング・ハーバー2012参照)で説明されている生化学、細胞生物学、免疫学、および組換えDNA技術の従来の方法を用いる。
本明細書および以下の特許請求の範囲全体を通して、文脈上特に必要とされない限り、「含む」という語および「含むこと」などの変形は、記述される成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群の包含を意味するが、いかなる他の成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群の排除も意味しないと理解され、しかしいくつかの実施形態では、そのような他の成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群が排除され得る、すなわち主題は、記述される成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群の包含に存する。本発明の説明に関連して(特に特許請求の範囲に関連して)使用される「1つの」および「その」という用語および同様の言及は、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内に属する各々別々の値を個別に言及することの簡略方法として機能することが意図されている。本明細書で特に指示されない限り、各個別の値は、本明細書で個別に列挙されているかのごとくに本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的言語(例えば「など」)の使用は、単に本発明をより良く説明することを意図し、特許請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な、特許請求されていない要素を指示すると解釈されるべきではない。
本明細書の本文全体を通していくつかの資料を引用する。本明細書で引用される資料(すべての特許、特許出願、科学出版物、製造者の仕様書、指示書等を含む)の各々は、上記または下記のいずれでも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明のためにそのような開示に先行する権利を有さないことの承認と解釈されるべきではない。
本発明は、とりわけ、新生物の組織病理学的徴候を示さない組織において新生物、特に高悪性度新生物を発症するリスクが高い患者の同定を可能にする。そのような患者の同定は、新生物の徴候を示さないが、患者から得られた生物学的試料中でZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2遺伝子の1つ以上に関連するゲノムDNA配列がメチル化されている組織では、その組織に新生物、例えばHSIL/CIN3を発症する有意に高いリスクが存在するという事実による。組織で新生物を発症するリスクが高い患者が同定されると、そのような患者を、組織における新生物の早期発見の可能性を高めるために、標準的な組織病理学的方法を使用して組織の新生物の出現についてより頻繁に監視することができ、および/または組織の新生物の発症を予防するために処置することができる。
本発明に従ってメチル化状態が決定されるゲノムDNA配列に関連する遺伝子には、以下が含まれる:
ASTN1(アストロタクチン1、GenBankアクセッション番号NM_0043.1、NM_207108、NC_000001.9に含まれる)、これは神経細胞の移動に重要な役割を果たす接着タンパク質である;
BRINP2(骨形成タンパク質/レチノイン酸誘導性神経特異的タンパク質;GenBankアクセッション番号NM_021165.3、NC_000001.11に含まれる);
ZNF671(GenBankアクセッション番号NM_024883、NC_000019.9に含まれる)、これは典型的なジンクフィンガーモチーフを有する転写因子である;
ZNF154(GenBankアクセッション番号NP_001078853.1、NC_000019.10に含まれる)、これは典型的なジンクフィンガーモチーフを有するタンパク質である;
ZNF776(GenBankアクセッション番号NP_775903.3、NC_000019.10に含まれる)、これは典型的なジンクフィンガーモチーフを有するタンパク質である;
DLX1(ディスタルレスホメオボックス1;GenBankアクセッション番号NM_178120、NM_001038493、NC_000002.11に含まれる)、これは転写因子であり、細胞分化に影響を及ぼし得る;
DLX2(ディスタルレスホメオボックス遺伝子2a;GenBankアクセッション番号NP_004396.1、NC_000002.12に含まれる)、これは発生に役割を果たすと仮定されている;および
METAP1D(GenBankアクセッション番号NM_001322279.1、NM_199227.2、NM_001322278.1、NR_136276.1、NR_136273.1、NC_000002.12に含まれる)、メチオニルアミノペプチダーゼ1D型。
被験体が非ヒト被験体である本発明の特定の実施形態では、メチル化状態が決定される配列に関連する遺伝子は、それぞれの非ヒト被験体のそれぞれの相同遺伝子である。非ヒト被験体に関する実施形態では、ゲノムDNAは、それぞれの遺伝子および/またはその任意の部分のヒト配列と最も強い相同性/同一性を有する非ヒト染色体(1つまたは複数)内の領域である。
一実施形態では、メチル化状態を決定しようとする特定の遺伝子に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域は、前記特定の遺伝子の少なくとも1つの配列の約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35または40キロベース上流および/または下流(5'側および/または3'側)内のゲノムDNA配列を含む。本発明の一実施形態では、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNA配列の1つ以上の領域には、およそヌクレオチド177,132,585からおよそヌクレオチド177,152,584までのヒト1番染色体の一部、およそヌクレオチド172,943,500からおよそヌクレオチド172,974,289までのヒト2番染色体の一部、および/またはおよそヌクレオチド58,217,499からおよそヌクレオチド58,262,501までのヒト19番染色体の一部、ならびにそのような配列の部分または断片が含まれる(図1、図2A、図2Bおよび図3参照)。本明細書に列挙されるヌクレオチド番号(位置)は、2009年2月のHuman Genome Assembly(GRCh37/hg19)からのものである。
好ましくは、前記配列の一部は、より大きな配列内に含まれるCGリッチ領域および/またはCpGアイランドを含む。したがって、一実施形態では、特定の遺伝子に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域は、上記で特定した染色体配列の1つ以上の部分であり、この1つ以上の部分はCGリッチ領域および/またはCpGアイランドを含む。特定の実施形態では、ASTN1および/またはBRINP2に関連するゲノム配列の部分には、ヒト1番染色体のおよそヌクレオチド177,140,121からおよそヌクレオチド177,140,323までの領域、METAP1D、DLX1、および/またはDLX2に関連するゲノム配列の部分には、ヒト2番染色体のおよそヌクレオチド172,945,912からおよそヌクレオチド172,946,212までの領域、ならびにZNF154、ZNF671、および/またはZNF776に関連するゲノム配列の部分には、ヒト19番染色体のおよそヌクレオチド58,238,586からおよそヌクレオチド58,239,028までの領域、ならびにそのような領域の部分または断片が含まれる。
ゲノムDNA配列のこれらの領域またはその部分のメチル化状態を決定する際に、これらの配列内に含まれる単一の、例えば単離されたシトシンのメチル化状態、ならびにこれらの配列内に含まれるCGリッチ領域およびCpGアイランドのシトシンのメチル化状態を決定することができる。好ましい実施形態では、特定の遺伝子に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態は、そのようなゲノム配列内に含まれる1つ以上のCpGアイランドのシトシンのメチル化状態を測定することによって決定される。一実施形態では、メチル化状態を決定しようとする特定の遺伝子の1つ以上に関連するゲノムDNA配列の領域は、図1~3のいずれかに示されるCpGアイランドの少なくとも1つまたはその一部を含む。
本明細書で使用される「一部」、「断片」および「部分」という用語は互換的に使用され、画分、特により大きなヌクレオチドまたはアミノ酸配列の画分を指す。また、より大きな分子の複数の不連続部分を含む分子、例えば染色体配列などの異なるヌクレオチド配列の1つ以上の不連続部分を含むヌクレオチド配列も、これらの用語に包含される。特定の実施形態では、ヌクレオチド配列の一部は、約10、20、30、40、50、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000、または約10,000ヌクレオチド以上の長さであり得る。別の実施形態では、1番、2番または19番染色体の染色体配列の一部は、少なくとも1つのCpGアイランドまたはCpGアイランドの一部を含む。本発明に包含される例示的なCpGアイランドは図1~3で同定されており、場合によりCpGアイランドの上流および/または下流の最大1000ヌクレオチドの配列を含む。
本発明に従って新生物を発症するリスクが決定される組織は、患者の任意の組織であり得る。例示的な組織には、子宮頸部、膣、尿道、肛門性器、直腸、陰茎、咽喉、口、鼻、胃、腸、皮膚、肝臓、膵臓、肺、神経/ニューロンおよび筋肉の組織が含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、組織は肛門性器組織、例えば子宮頸部、膣、または直腸組織である。
「新生物」および「異形成」という用語は異なる意味を有するが、これらの用語はどちらも組織および/または組織の細胞の形態学的または組織学的変化を指すので、本明細書では互換的/同義的に使用される。新生物は、腫瘍または癌組織の発生を指す。異形成は、未熟な細胞の数の増加および細胞間のより大きな変動性などの、細胞および組織の形態的特徴および/または機能の変化を指す。異形成は、必ずしも細胞が癌化したことを示すものではなく、むしろ、根底にある変化が癌の素因になり得ることを示す。
異形成は、関与の重症度に従って様々なレベルに分類することができ、例えば、(i)軽度の異形成、変化は組織の基底層から最大で上皮層の高さの3分の1まで広がる;(ii)中等度の異形成、変化は上皮の高さの3分の2まで広がる;および(iii)高度の異形成、変化は組織の上皮のほぼ全層内で認められる。軽度の異形成は低悪性度上皮内病変(LSIL)とも称され得、中等度または重度の異形成は高悪性度上皮内病変(HSIL)とも称され得る。
子宮頸部組織に関連して、異形成は子宮頸部上皮内新生物(CIN)と称され得、関与の重症度に従って異なるレベルに分類することができる:CIN1=軽度の異形成;CIN2=中等度の異形成;およびCIN3=高度の異形成。CIN1は低悪性度上皮内病変(LSIL)とも称され得、CIN2/CIN3は高悪性度上皮内病変(HSIL)とも称され得る。
本発明の文脈において、LSILはCIN1と互換的に使用され、HSILはCIN2および/またはCIN3と互換的に使用される。
組織が新生物の徴候を示すかどうかは、顕微鏡下または膣鏡下などの、組織または組織内の細胞の組織病理学的または細胞形態学的状態を決定するための当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して決定することができる。例えば、患者から得られた組織の試料を、例えばホルマリンおよびヘマトキシリンとエオシンの組合せを使用して組織の試料を固定および染色することによって、顕微鏡下で見るために処理することができる。ヘマトキシリンは核を青く染色するために使用され、エオシンは細胞質および細胞外結合組織マトリックスをピンクに染色する。組織切片を着色するために使用される他の化合物には、サフラニン、オイルレッドO、コンゴレッド、銀塩および人工染料が含まれる。抗体、例えばp16またはKi67に対する抗体も、細胞の特定のタンパク質、脂質および炭水化物を染色するために使用できる。これらの同じ方法を、新生物を発症するリスクが高いと決定された患者からの組織の分析に使用することができる。
「被験体」、「個体」、「生物」または「患者」という用語は互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物に関する。例えば、本発明の文脈における哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長動物、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ウマなどの飼いならされた動物、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどの実験動物、ならびに動物園の動物などの捕らわれている動物である。「動物」という用語にはヒトも含まれる。好ましくは、「被験体」、「個体」、「生物」または「患者」という用語は、雄性および雌性の哺乳動物、特に男性および女性のヒトを指す。被験体は任意の年齢であり得るが、成体であることが好ましい。一実施形態では、被験体は30歳以下である。別の実施形態では、被験体は30歳より上である。一実施形態では、被験体は、ヒト女性、好ましくは12~30歳のヒト女性である。一実施形態では、被験体は性的に活動性であるかまたは性的に活動性であった。特定の実施形態では、被験体はパピローマウイルスに感染していてもよく、またはパピローマウイルスに感染していなくてもよい。
「インビボ」という用語は、被験体における状況に関する。
本明細書で使用される場合、「生物学的試料」には、患者から得られる任意の生物学的試料が含まれる。そのような生物学的試料の例には、血液、細胞の塗抹標本、痰、気管支吸引液、尿、便、胆汁、消化管分泌物、リンパ液、骨髄、器官吸引液、およびパンチ生検を含む組織生検が含まれる。場合により、生物学的試料は患者の粘膜から得ることができる。細胞を含む塗抹標本が好ましい。生物学的試料は、好ましくは新生物を発症する高いリスクを決定しようとする組織からの細胞を含み得る。好ましくは、生物学的試料は、DNAまたはその一部のメチル化状態を決定することができるように、DNA、例えばゲノムDNAを含む。生物学的試料は、新生物を発症するリスクを決定しようとする組織から得られるものであり得る。
生物学的試料を得ることができる患者の組織には、子宮頸部、膣、尿道、肛門性器、直腸、陰茎、咽喉、口、鼻、胃、腸、皮膚、肝臓、膵臓、肺および筋肉が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、生物学的試料は、特定の組織/器官、例えば患者の子宮頸(子宮の頸部)から直接得られる。一実施形態では、生物学的試料は患者の直腸から得られる。患者からおよび/または適切な組織から生物学的試料を得るための任意の適切な方法を、本発明に関連して使用することができる。
「リスクがある」または「リスクが高い」とは、一般集団と比較して、疾患、特に新生物または癌を発症する可能性が通常よりも高いと同定される被験体、すなわち患者を意味する。一実施形態では、高いリスクとは、試料が得られてから1~3ヶ月以内に新生物を発症することを意味する。一実施形態では、高いリスクとは、試料が得られてから3~6ヶ月以内に新生物を発症することを意味する。一実施形態では、高いリスクとは、試料が得られてから7~12ヶ月以内に新生物を発症することを意味する。一実施形態では、高いリスクとは、試料が得られてから13~24ヶ月以内に新生物を発症することを意味する。一実施形態では、高いリスクとは、試料が得られてから24~36ヶ月以内に新生物を発症することを意味する。一実施形態では、高いリスクとは、試料が得られた後36ヶ月、例えば42、48、52、60ヶ月またはそれ以降に新生物を発症することを意味する。
本発明に従って、試料中に存在するゲノムDNAを、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2の1つ以上に関連するゲノムDNA配列のメチル化状態を決定するために何らかの方法で処理することができる。例えば、ゲノムDNAを生物学的試料から抽出することができ、DNAの特定領域のメチル化状態は、当業者に公知の任意の方法を使用して、例えばフェノール/クロロホルムまたは市販のキットで抽出し、次に亜硫酸水素ナトリウム法を使用してまたはEZ-DNA Methylation-Gold(商標)キット(Zymo Research,アーバイン,カリフォルニア州California)などの市販のキットによってメチル化を決定することを用いて、決定することができる。別の実施形態では、メチル化状態は、試料からのDNA単離の準備工程を必要とせずに決定することができる。
「メチル化状態」という用語は、一般に、ゲノムDNAまたはその領域がメチル化ヌクレオチド残基、特にメチル化シトシン残基、すなわち5-メチルシトシンを含むかどうかを指す。一実施形態では、メチル化状態が決定されるゲノムDNAの領域は、グアニンおよびシトシン残基が豊富な領域、特にCG-ジヌクレオチドが豊富な領域であり、すなわち領域は1つ以上のCpGアイランドを含む。メチル化状態は、以下で論じるように、公知の方法によって決定することができる。メチル化はしばしば遺伝子のプロモータ領域で起こるため、関連遺伝子のメチル化状態の検出方法は、通常これらの領域に集中している。しかし、CpGアイランドを含む領域などのGCリッチ領域は遺伝子の他の領域にも位置し得るので、遺伝子はプロモータ領域以外の領域でもメチル化され得る。遺伝子のそのような他の領域のメチル化状態の検出も本発明に包含される。
本発明による方法では、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNA中の、好ましくはCGリッチ領域、例えばCpGアイランドのメチル化状態を決定する。「メチル化」という用語は、分子生物学で一般的に公知の「過剰メチル化」という用語と同義であるとみなされる。これは、DNAの明確なメチル化状態、すなわちDNA内の、好ましくはCpGアイランドまたはGCヌクレオチドが豊富な他の領域内の5-メチルシトシンの存在を指す。
上記で論じたように、メチル化状態が決定されるゲノムDNAの領域は、特定の遺伝子の1つのエクソン、イントロン、または5'プロモータ/エンハンサー領域に位置し得る。本明細書で使用される場合、「メチル化された」という用語は、少なくとも、DNA配列が5-メチルシトシンヌクレオチドを含むことを意味する。一実施形態では、新生物を発症する高いリスクは、試験されるDNA配列(そのメチル化状態が決定された)中の5-メチルシトシンヌクレオチドの存在によって決定される。一実施形態では、新生物を発症する高いリスクは、試験されるDNA配列中の5-メチルシトシン(メチル化)の量の増加によって決定される。メチル化の量の増加は、生物学的試料のメチル化の量を、対照試料で測定されたメチル化の量と比較することによって決定できる。一実施形態では、メチル化の増加が対照試料で測定されたメチル化の量を少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、50%、75%、100%、150%、または200%以上上回る場合、新生物を発症するリスクが高いと決定される。一実施形態では、メチル化の増加が対照試料で測定されたメチル化の量の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、または50倍以上である場合、新生物を発症するリスクが高いと決定される。一実施形態では、メチル化レベルの増加は、生物学的試料中のメチル化レベルが所定の閾値レベルを超えるかどうかによって決定される。対照試料は、メチル化または非メチル化のいずれかであることが公知の遺伝子/配列であり得るか、または患者から得られた生物学的試料で試験された同じ配列であり得るが、この同じ配列は別の患者から得られたものであり、この別の患者の組織は、この患者から試料が得られた後の特定の期間内に新生物を発症しないと決定された。特定の実施形態では、特定の期間は、少なくとも24ヶ月、30ヶ月、36ヶ月、または48ヶ月以上であり得る。
一実施形態では、DNAのメチル化状態は、単一のDNA分子がナノメートルサイズのタンパク質細孔を通過するときに観察されるイオン電流の変化を読み取る、ナノポアシーケンシングを使用して決定される。さらに、ナノポアシーケンシングは、DNA鎖のヌクレオチドだけでなく、5'-メチル化シトシンなどの単一塩基修飾も識別することができる。これらの能力を考慮して、配列同一性とシトシンのメチル化の同時分析を実施することができ、例えばEuskirchenら,2017,Acta Neuropathol,epub prior to publication,DOI 10.1007/S00401-017-1743-5参照。
DNAのメチル化状態は、亜硫酸水素法による非メチル化シトシン残基の先行修飾後に、適切なプライマー対を使用したいわゆるメチル化特異的PCR反応(MSP)によって決定することもできる。亜硫酸水素塩法では、亜硫酸水素ナトリウムを使用して非メチル化シトシン残基をウラシルに変換するが、メチル化シトシン残基(5-メチルシトシン)はこの変換から保護される。ウラシルはシトシンとは異なる対合特性を有するため、すなわちアデノシンとチミンの対合のように挙動するため、ウラシルはチミンに結合し、シトシンはチミンに結合しないという事実に基づいて、特別に設計されたプライマーを使用して変換を検出することができる。MSPは、DNAメチル化を検出するための当技術分野で公知の確立された技術である。
本発明の文脈において、メチル化状態の検出に使用されるPCR増幅プライマーの設計は、メチル化状態を決定しようとする遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2の1つ以上に関連するゲノムDNA配列内の配列の位置に依存する。例えば、特定のシトシンがプライマー結合部位内でメチル化されている場合、そのような配列のメチル化特異的プライマーは、亜硫酸水素塩で修飾された試料DNAだけに結合するように設計することができる。これらの領域が亜硫酸水素塩処理の前にメチル化されていなかった場合、プライマーは結合せず、PCR反応産物は形成されない。したがって、本発明の文脈において、PCR反応の存在は、特定の遺伝子の特定のDNA領域がメチル化されていること、したがって、患者が組織で新生物を発症するリスクが高いことを示す。
メチル化の定性的検出だけでなく、メチル化DNA領域の定量化も可能にするリアルタイムPCR法(QMSP)が特に好ましい。このMSPは、蛍光色素、例えばSYBR(登録商標)-Green IもしくはII(ThermoFisher Scientific,ウォルサム,マサチューセッツ州)またはEVA-Green(登録商標)(Biotium,Inc.,フリーモント,カリフォルニア州)の取り込みによってメチル化特異的産物の形成が検出される、蛍光ベースのリアルタイム法で実施することができる。これらの方法は、非メチル化DNAの大きなバックグラウンドでメチル化DNAの領域を検出することができ、組織試料のスクリーニングに特に適したハイスループット法である(Shamesら,2007,Cancer Lett,251:187-198)。
あるいは、MSPによるPCR産物の生成は、PCRの完了後に、例えば結果として生じたPCR産物が結合する、したがって検出できる固定プローブを有するストリップまたはアレイを使用して、ハイブリダイゼーション法によって検出することもできる。その他の手法には、メチル化DNAと非メチル化DNAを識別するためのメチル化感受性DNA制限酵素の使用、またはメチル化DNAを検出するために亜硫酸水素塩で化学的に処理したDNAのハイスループットシーケンシングが含まれる。
別の好ましい方法は、「MethyLight」技術に基づくQMSP法であり、この方法では、メチル化について試験されるDNAのそれぞれの領域について蛍光プローブが使用される。好ましい例では、プローブは5'末端に蛍光色素マーカーを、3'末端に消光剤を担持し、このプローブは2つの特異的増幅プライマー間のPCR反応産物に結合する(例えばEadsら,2000,Nucleic Acids Research 28:e32参照)。蛍光色素は、プローブが、標的配列への結合後にDNAポリメラーゼの5'-3'-エキソヌクレアーゼ活性によって分解されると直ちに放出され、測定される蛍光は形成された産物の量を反映する。いくつかのオリゴヌクレオチドおよびプローブを使用することによって、この方法で調べられる試料について実施されるべき反応の数をそれに応じて減らすことができる(Shamesら,2007,Cancer Lett 251:187-198)。適切な蛍光色素および消光剤は当技術分野で公知であり、例えばATDBio Ltd.,サウサンプトン,イギリスまたはLGC Biosearch Technologies,シュタイナハ,ドイツから入手可能な、例えばフルオロフォアFAM(商標)、HEX(商標)、NED(商標)、ROX(商標)、TexasRed(登録商標)など、および消光剤TAMRA(商標)またはBlack Hole Quencher(登録商標)がある。
特に好ましい実施形態では、メチル化状態の決定は、多重実験として実施することができる。そのような多重実験は、単一のアッセイで、新生物を発症する高いリスクと相関することが公知の、試料中のゲノムDNAのいくつかの領域のメチル化状態の分析を可能にする。多重法は、試験されるDNA領域(1つまたは複数)のメチル化状態を試料ごとに1つまたは2つの反応で決定できるため、いくつかの利点を提供する。これによって、かなりの時間、試料材料および材料コストが節約される。特定の多重実験では、最大5つの遺伝子のメチル化状態を決定することができる。さらに、各遺伝子についてそれぞれさらに1つの特異的オリゴヌクレオチド、「プローブ」が使用される。プローブは、一方の末端に蛍光色素を担持し、形成されたPCR反応産物にプローブが特異的に結合するまで蛍光シグナルが検出されないように設計されている。異なるプローブは異なる蛍光基を担持するため、各蛍光シグナルを同時に検出することができる。そのような方法は、「マイクロアレイ」技術によっても実施できる。
メチル化状態を決定するための当技術分野で公知の他の方法、例えば蛍光による特定の産物の量の直接測定に基づく方法を本発明に従って使用することができる。例えば、分子ビーコン技術も本明細書で使用できる。分子ビーコンは、レポーターフルオロフォアおよび消光剤の両方に連結されたオリゴヌクレオチドである。プローブの5'末端のヌクレオチドは3'末端のヌクレオチドに相補的であり、分子ビーコンに特徴的な二次構造を形成する。ヘアピンまたはループ構造と称されるこの状態では、フルオロフォアが消光剤に近接しているため、蛍光は検出されない。フルオロフォアと消光剤の間の距離は、PCR中に生成される相補的なDNA配列へのループ構造の結合の結果として増加し、したがって蛍光を観察することができる。
別の適切な技術には、「スコーピオン」技術が含まれる。スコーピオンプローブは、リアルタイムPCRプローブとPCRプライマーの特性を1つの分子(単一スコーピオン)または2つの分子(バイスコーピオン)に組み合わせた複雑なオリゴヌクレオチドである。分子ビーコンと同様に、それらは、レポーターフルオロフォアと消光剤で末端が修飾された自己相補的領域を有する特徴的な二次構造を含む。さらに、これらのプローブはPCRプライマーとして使用することができる。PCRサイクル中に、結合によって消光剤とレポーターフルオロフォアの間の距離が増加するため、相補的なDNA配列にループ構造が付着することによってレポーター蛍光が観察できる。異なるプローブの結合を検出するために、異なるプローブは異なるレポーターフルオロフォアを有することができる。
さらに、陽性および/または陰性対照DNA、例えばDNAの非メチル化対照領域を同時増幅し、PCR反応を制御するため、ならびに/またはメチル化の存在および/もしくは非存在を制御するために使用できる。
さらに、ゲノムDNAの領域のメチル化は、メチル化遺伝子のコードされたタンパク質が発現されないように、しばしばこれらの(メチル化)DNAの領域に近接する遺伝子の転写遮断に関連することが公知である。したがって、一実施形態では、ゲノムDNAの特定の領域の1つ以上のメチル化状態の間接的な決定は、ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2遺伝子の1つ以上のコードされたRNAおよび/またはタンパク質の濃度を測定することによって達成できる。その検出は、当技術分野で公知の任意の適切な方法、例えば、(RNAの場合は)ノーザンブロット分析、RT-PCRなど、および(タンパク質の場合は)抗体に基づく方法または発現されたタンパク質の生物学的活性の測定に基づく方法によって行うことができる。
説明のための例として、本発明による方法は以下の工程を含む:(a)患者から得られた生物学的試料、例えば新生物を発症するリスクを決定しようとする組織の細胞を含む塗抹標本から標準的な方法に従って、例えばQiaAmp DNA-Miniキット(QIAGEN,ヒルデン,ドイツ)を使用してDNAを単離する工程;(b)亜硫酸水素ナトリウムでの処理とそれに続くアルカリ加水分解によってDNA試料中の非メチル化シトシンをウラシルに変換する、亜硫酸水素塩法に従って、例えばEZ-DNA Methylation-Gold(商標)キット、Zymo Researchアーバイン,カリフォルニア州)などの市販のキットによって、単離されたDNAを化学的に変換する工程;(c)DNAのメチル化形態の特異的PCRプライマーによって関連するDNAを増幅する工程;および(d)得られた試料中でDNAがメチル化されたことを示す、PCR産物の存在を検出する工程。
遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2の1つ以上に関連するゲノムDNAの領域のメチル化が、メチル化特異的PCRまたはQMSPプロトコルを使用して決定される場合、場合により潜在的な増幅産物を検出するための例示的なプローブオリゴと共に、以下の例示的なメチル化特異的増幅プライマーを使用することができる。
Figure 0007116165000001
しかしながら、本発明による方法は、ゲノムDNAの領域のメチル化状態の検出のためのこれらのプライマーに限定されない。これらの遺伝子に関連するゲノムDNAの他の領域を増幅/検出する他のプライマーを、これらの遺伝子のメチル化状態を検出するために使用できる。一実施形態では、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態の定量化は、必須ではないまたは必ずしも重要ではない;ただし、メチル化されていないDNAの同じ領域を有する1000個の細胞のバックグラウンドで、メチル化領域を有する少なくとも1つの細胞が検出できることが望ましい。
本発明を以下の図面および実施例によって詳細に説明するが、これらは例示目的のみに使用されるものであり、限定することを意図しない。説明および実施例によって、同様に本発明に含まれるさらなる実施形態が当業者にアクセス可能である。
以下、実施形態の例を付記する。
1. 新生物の組織病理学的徴候を示さない患者の組織において新生物を発症するリスクを決定する方法であって、前記患者から得られた生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定することを含む、方法。
2. 前記生物学的試料中で前記1つ以上の領域がメチル化されている場合、前記患者は前記組織において新生物を発症するリスクが高い、1.に記載の方法。
3. 遺伝子ZNF671に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定することを含む、1.または2.に記載の方法。
4. 遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2の1つ以上のプロモータ領域のメチル化状態を決定する、1.~3.のいずれかに記載の方法。
5. 前記メチル化状態を対照試料のメチル化状態と比較する、1.~4.のいずれかに記載の方法。
6. 前記新生物が上皮内新生物である、1.~5.のいずれかに記載の方法。
7. 前記新生物が肛門性器の新生物、好ましくは子宮頸部または子宮の新生物である、1.~6.のいずれかに記載の方法。
8. 前記子宮頸部の新生物がHSIL/CIN3子宮頸部新生物または子宮頸癌である、7.に記載の方法。
9. 前記生物学的試料が前記組織の細胞を含む、1.~8.のいずれかに記載の方法。
10. 前記生物学的試料が子宮頸部または直腸の塗抹標本である、1.~9.のいずれかに記載の方法。
11. 前記生物学的試料が、血液、痰、気管支吸引液、尿、便、胆汁、消化管分泌物、またはリンパ液である、1.~10.のいずれかに記載の方法。
12. 前記組織が、子宮頸部、膣、尿道、肛門性器、直腸、咽喉、口、鼻、胃、皮膚、肝臓、膵臓または筋肉の組織である、1.~11.のいずれかに記載の方法。
13. 前記生物学的試料が前記組織から直接得られる、1.~12.のいずれかに記載の方法。
14. 前記組織の組織病理学的状態が膣鏡によって決定される、1.~13.のいずれかに記載の方法。
15. 前記患者から得られる前記生物学的試料が、遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定するため、および前記組織の組織病理学的状態を決定するために使用される、1.~14.のいずれかに記載の方法。
16. 遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定するために使用される、前記患者から得られる前記生物学的試料が、前記組織の組織病理学的状態を決定するために使用される生物学的試料とは異なる、前記患者から得られる生物学的試料である、1.~14.のいずれかに記載の方法。
17. メチル化状態を決定するために使用される前記患者から得られる前記生物学的試料が、前記組織の組織病理学的状態が決定された後に得られる、1.~16.のいずれかに記載の方法。
18. 前記患者がパピローマウイルスに感染している、1.~17.のいずれかに記載の方法。
19. 前記患者がパピローマウイルスに感染していない、1.~17.のいずれかに記載の方法。
20. 前記メチル化状態がナノポアシーケンシングによって決定される、1.~19.のいずれかに記載の方法。
21. 前記メチル化状態がメチル化特異的PCR(MSP)によって決定され、好ましくは前記MSPが定量的MSP(QMSP)である、1.~19.のいずれかに記載の方法。
22. 前記QMSPが蛍光プローブの使用に基づく、21.に記載の方法。
23. 前記組織が新生物を発症するリスクが高いと決定された後に、前記組織の組織病理学的状態を決定することをさらに含む、1.~22.のいずれかに記載の方法。
24. 前記さらなる決定が、新生物を発症するリスクが高いと決定されてから3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または12ヶ月以内に行われる、23.に記載の方法。
25. 前記組織が新生物を発症するリスクが高いと決定された後に、前記組織における新生物の発症を予防する薬剤を前記患者に投与することをさらに含む、1.~24.のいずれかに記載の方法。
26. 組織において新生物のより頻繁なスクリーニングを行うために、組織で新生物の組織病理学的徴候を示さない患者を選択する方法であって、患者から得られた生物学的試料中で遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域がメチル化されている患者を選択することを含む方法。
27. 前記のより頻繁なスクリーニングが組織病理学に基づくスクリーニングである、26.に記載の方法。
28. 前記のより頻繁なスクリーニングが12ヶ月ごと、好ましくは6ヶ月ごと、より好ましくは3ヶ月ごとである、26.または27.に記載の方法。
29. 新生物の組織病理学的徴候を示さない組織において新生物を発症するリスクを決定する方法であって、(i)患者の組織の組織病理学的状態を決定する工程;ならびに(ii)工程(i)の前または後に前記患者から得られた生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定する工程を含む方法。
30. 前記組織の組織病理学的状態が新生物の非存在を示す場合、および前記生物学的試料中で1つ以上の領域がメチル化されている場合、前記患者が前記組織において新生物を発症するリスクが高い、29.に記載の方法。
本明細書で使用される技術および方法は、本明細書に記載されているか、またはそれ自体公知の方法で、例えばGreen,Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th Edition(2012)Cold Spring Harbor Laboratory Press,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク州に記載されているように実施される。キットおよび試薬の使用を含むすべての方法は、特に指示がない限り、製造者の情報に従って実施される。
子宮頸部塗抹標本を女性から入手し、19番染色体上のZNF671/ZNF154/ZNF776(「ZNF671」と称される)、1番染色体上のASTN1/BRINP2(「ASTN1」と称される)、および2番染色体上のDLX1/METAP1D/DLX2(「DLX1」と称される)の各マーカー遺伝子のそれぞれに近接するゲノムDNA領域(マーカー領域)のメチル化状態を決定した。子宮頸部塗抹標本は、患者の子宮頸部組織のHSIL/CIN3の組織病理学的診断に先立つ時点で採取した。言い換えると、子宮頸部塗抹標本を採取した30人の女性のそれぞれについて、少なくとも1つの子宮頸部塗抹標本を採取し、その後に重度異形成(HSIL/CIN3)の存在を判定し、この少なくとも1つの塗抹標本を使用してマーカー遺伝子のメチル化状態を決定した。したがって、マーカーDNA領域のメチル化状態は、子宮頸部組織がその時点で新生物の組織病理学的徴候を示さなかったが、その後に得られた子宮頸部組織試料に基づいて子宮頸部の高悪性度異形成(HSIL/CIN3)を有すると後に診断された患者から得られた子宮頸部組織細胞を含む生物学的試料で決定された。
塗抹標本材料から細胞ペレットを得て、試験前に-80℃で保存した。標準的なDNA単離の通常手順を使用して、これらの細胞ペレットからDNAを単離した。3つのマーカー領域の特異性の対照として、それらのメチル化状態を、新生物の組織病理学的徴候を示さなかった552人の女性の子宮頸部塗抹標本試料(液体ベースの細胞診標本)でも決定した(細胞診結果Pap I)。
次いで、単離されたDNAを、亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸水素アンモニウムのいずれかを用いて、すべての非メチル化シトシン残基の化学変換に使用し、続いて標準的な方法に従ってDNAを精製した。この化学変換は、メチル化DNA配列と非メチル化DNA配列を区別するための前提条件であり、したがって目的のゲノム領域において非メチル化DNAのバックグラウンドでメチル化DNAを検出するために必須である。分析される生物学的試料は通常、細胞物質の混合物で構成されるため、これは最も重要であり、この方法の目的は、組織の潜在的な前癌細胞および癌細胞のサブセットに由来する少数のメチル化DNA分子を検出することである。
分析用PCRに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーは、前癌性および癌性子宮頸部組織細胞においてメチル化されていることが以前に示されたマーカー遺伝子から目的のDNA領域を増幅するように設計した。この例では、以下に記載するプライマーだけが、目的のDNA領域がメチル化された増幅産物の生成を可能にする。以下のPCRプライマーを分析用PCRで使用した:
Figure 0007116165000002
30人の患者のうちそれぞれ9人(30%)、12人(40%)、および15人(50%)において、HSIL/CIN3組織病理学診断の前に採取された試料の3つのマーカー領域からPCR産物が生成されたことが観察された。これらの結果のグラフ表示については、図4参照。全体として、30人の患者のうち19人(63.3%)について、少なくとも1つの試料で3つのマーカーの少なくとも1つがメチル化されていると決定された。これら19人の患者のうち14人で少なくとも2つのマーカー、およびこれら14人の患者のうち7人で3つすべてのマーカーがメチル化されていた。
さらに、3つのマーカー領域は、それぞれ、後に別途に採取された試料がHSIL/CIN3の組織病理学結果を示す3~31ヶ月前、3~75ヶ月前、および3~30ヶ月前に採取された試料でメチル化されていると決定された。対照的に、同じ3つのマーカー領域は、Pap Iの細胞診所見を有する女性からの552の対照試料のうち、それぞれ20(3.6%)、61(11.1%)、および5(0.9%)においてのみ検出可能であった。
表1は、異形成/新生物の徴候は検出されなかったが、マーカー遺伝子の1つがメチル化されていた子宮頸部塗抹標本が採取された時点と、HSIL/CIN3異形成を示す患者から別の試料が採取された時点との時間間隔を示す。
Figure 0007116165000003
表2は、試験された塗抹標本が得られた後の月数による、HSIL/CIN3異形成を発症した30人の試験患者の割合、すなわち各マーカー遺伝子のメチル化状態の決定によってHSIL/CIN3異形成の早期発見が行われた患者の割合を示す。
Figure 0007116165000004
全体としてこれらの結果は、患者から得られた試料中のマーカー遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2の少なくとも1つに関連するゲノムDNA配列のメチル化状態の決定が、癌に進行する有意な可能性がある高悪性度子宮頸部病変(HSIL/CIN3)を発症する高いリスクの早期判定のための有用なツールを提供することを示す。これらの結果から、これら3つの遺伝子のメチル化状態が高悪性度の上皮内病変、特にCIN3を発症するリスクの時宜を得た評価を可能にすることが明らかになる。これらのマーカー遺伝子に関連するゲノムDNA配列は、細胞診が正常な(Pap I)患者からの試料ではまれにしかメチル化されていないという事実は、マーカー遺伝子ZNF671、ZNF154、ZNF776、ASTN1、BRINP2、DLX1、METAP1Dおよび/またはDLX2に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態に基づく試験の高い診断的価値を強調する。

Claims (17)

  1. 子宮頸部の新生物の組織病理学的徴候を示さない子宮頸癌患者の子宮頸部組織において子宮頸部の新生物を発症するリスクを決定する方法であって、前記患者から得られた子宮頸部細胞を含む生物学的試料中の遺伝子ZNF671、ASTN1、および/またはDLX1に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定することを含む、方法。
  2. 前記生物学的試料中で前記1つ以上の領域がメチル化されている場合、前記患者は子宮頸部の新生物を発症するリスクが高い、請求項1に記載の方法。
  3. 遺伝子ZNF671に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 遺伝子ZNF671、ASTN1、および/またはDLX1の1つ以上のプロモータ領域のメチル化状態を決定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記メチル化状態を対照試料のメチル化状態と比較する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記子宮頸部の新生物がHSIL/CIN3子宮頸部新生物または子宮頸癌である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記生物学的試料が子宮頸部の塗抹標本である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記患者から得られた前記生物学的試料が、遺伝子ZNF671、ASTN1、および/またはDLX1に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定するため、および前記組織の組織病理学的状態を決定するために使用されるか、または遺伝子ZNF671、ASTN1、および/またはDLX1に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域のメチル化状態を決定するために使用される、前記患者から得られた前記生物学的試料が、前記組織の組織病理学的状態を決定するために使用される生物学的試料とは異なる、前記患者から得られた生物学的試料である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  9. メチル化状態を決定するために使用される前記患者から得られた前記生物学的試料が、前記組織の組織病理学的状態が決定された後に得られた試料である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記患者がパピローマウイルスに感染しているか、または前記患者がパピローマウイルスに感染していない、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記メチル化状態がナノポアシーケンシングによって決定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記メチル化状態がメチル化特異的PCR(MSP)によって決定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記MSPが定量的MSP(QMSP)である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記QMSPが蛍光プローブの使用に基づく、請求項13に記載の方法。
  15. 子宮頸部組織において新生物のより頻繁なスクリーニングを行うために、患者から得られた子宮頸部細胞を含む生物学的試料で新生物の組織病理学的徴候を示さない患者選択を補助する方法であって、患者から得られた子宮頸部細胞を含む生物学的試料中で遺伝子ZNF671、ASTN1、および/またはDLX1に関連するゲノムDNAの1つ以上の領域がメチル化されている患者を選択することを補助する工程を含む方法。
  16. 前記のより頻繁なスクリーニングが組織病理学に基づくスクリーニングである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記のより頻繁なスクリーニングが12ヶ月ごと、または6ヶ月ごと、または3ヶ月ごとである、請求項15または16に記載の方法。
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