JP7113559B1 - 断面形状測定方法及び両面研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さ測定センサのワーク上の通過経路がワークの中心を通過しない場合においても、精度の高いワーク断面形状を取得する。【解決手段】下定盤と、上定盤と、下定盤及び上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置における断面形状測定方法であって、厚さ測定工程S1と、次いで、位置データ演算工程S2と、次いで、写像直線算出工程S7と、次いで、第1変域置換工程S8と、により、ワークの中心のデータ欠落部を補完し、断面形状を測定する。【選択図】図5

Description

本発明は、例えばウェハのようなワークの断面形状を測定する断面形状測定方法及び両面研磨装置に関する。
キャリアによって保持されたワークを、上下の定盤によって挟み込んで研磨する両面研磨装置が知られている。当該両面研磨装置においては、特許文献1、2に示すように、ワークの研磨中、ワークの断面形状、特にワークの厚さをリアルタイムで測定可能なワークの断面形状測定方法が開示されている。
特許文献1(特開2017-204609号公報)に開示されている断面形状測定方法では、厚さ測定手段が測定する厚さと、位置算出手段によって求められる、測定した厚さのワークの面内位置と、をそれぞれ複数取得する。次いで、各面内位置における厚さを、ワークの中心から各面内位置までの径方向距離に対応するワークの所定の径方向の各位置における厚さに変換処理する。次いで、所定の径方向のワークの断面形状を多項式近似曲線として求めている。所定の径方向としては、X軸、Y軸の他に、X軸やY軸からの任意の角度の径方向が挙げられる。
特許文献2(特開2017-207455号公報)に開示されている断面形状測定方法では、定盤の回転により計測孔がワークの面上を通過する期間中に、厚さ検出手段の検出により連続して得られ、且つ、計測孔の通過軌跡上のワークの各面内位置の厚さのデータからなるデータ列を少なくとも一つ取得する。次いで、取得されたデータ列のうちデータ数の多いデータ列を抽出する。次いで、この抽出された抽出データ列のデータの順番を示す行番号と、これら行番号にあるデータと、をワークの直径に基づいて、ワークの一端から他端の方向に径方向に沿った各面内位置の厚さを演算処理によって求めてワークの断面形状を多項式近似曲線として求めている。
特開2017-204609号公報 特開2017-207455号公報
特許文献1、2に例示される断面形状測定方法では、取得したデータを用いて断面形状の近似曲線を算出しているが、ワークの中心のデータに欠落がある場合(ワークの中心付近を通過する厚さ測定センサの通過軌跡がワークの中心を通らない場合)には、欠落部の推定精度が低くなるという課題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、ワークの中心のデータに欠落がある場合の欠落部の推定精度が低くなるという課題を解決し、従来よりも精度の高い断面形状測定を行うことにある。
本発明に係る断面形状測定方法は、下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置における断面形状測定方法であって、前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定工程と、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算工程と、次いで、前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、所定の方法によって、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出工程と、次いで、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離に変換する第1変域置換工程と、を有しており、前記所定の方法は、前記位置の時系列データのうち前記ワークの一方の外周に最も近いデータから前記ワークの中心位置に最も近い前記位置の時系列データまでを第1データ群として、二点以上となるように、前記第1データ群のうち前記ワークの外周に最も近いデータから順に、第2データ群として取得して、前記第2データ群のデータに隣り合う前記位置の時系列データを前記第2データ群に追加して、前記第2データ群に対する近似直線及び前記第2データ群と前記近似直線との残差を算出して、前記残差が増加するまで前記第2データ群に前記位置の時系列データを追加して、前記残差が増加し、且つ前記第2データ群のデータ数が前記第1データ群の全体のデータ数の所定の割合以上になったら、データを追加する直前の前記近似直線を写像直線として定め、データを追加する直前の前記第2データ群を線形区間として定め、前記線形区間外の前記第1データ群を非線形区間として定める方法であることを要件とする。
また、本発明に係る断面形状測定方法は、下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置における断面形状測定方法であって、前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定工程と、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算工程と、次いで、前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、所定の方法によって、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出工程と、次いで、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離に変換する第1変域置換工程と、を有しており、前記所定の方法は、前記位置の時系列データを前記ワークの中心位置に最も近い位置で2分割して、一方を第1分割データとし、他方を第2分割データとし、前記第2分割データを前記時刻又は前記順番の軸に対して反転させて、前記第1分割データ及び反転させた前記第2分割データに対して、最小二乗法によって、写像直線を定める方法であることを要件とする。
また、本発明に係る両面研磨装置は、下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置であって、前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定部と、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算部と、前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出部と、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離の値に変換する第1変域置換部と、を有しており、前記写像直線算出部は、前記位置の時系列データのうち前記ワークの一方の外周に最も近いデータから前記ワークの中心位置に最も近い前記位置の時系列データまでのデータを第1データ群として、二点以上となるように、前記第1データ群のうち前記ワークの外周に最も近いデータから順に、第2データ群として取得して、前記第2データ群のデータに隣り合う前記位置の時系列データを前記第2データ群に追加して、前記第2データ群に対する近似直線及び前記第2データ群と前記近似直線との残差を算出して、前記残差が増加するまで前記第2データ群に前記位置の時系列データを追加して、前記残差が増加し、且つ前記第2データ群のデータ数が前記第1データ群の全体のデータ数の所定の割合以上になったら、データを追加する直前の前記近似直線を写像直線として定め、データを追加する直前の前記第2データ群を線形区間として定め、前記線形区間外の前記第1データ群を非線形区間として定める構成であることを要件とする。
また、本発明に係る両面研磨装置は、下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置であって、前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定部と、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算部と、前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出部と、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離の値に変換する第1変域置換部と、を有しており、前記写像直線算出部は、前記位置の時系列データを前記ワークの中心位置に最も近い位置で2分割して、一方を第1分割データとし、他方を第2分割データとし、前記第2分割データを前記時刻又は前記順番の軸に対して反転させて、前記第1分割データ及び反転させた前記第2分割データに対して、最小二乗法によって、写像直線を定める構成であることを要件とする。
本発明によれば、ワークの中心付近を通過する厚さ測定センサの通過経路がワークの中心を通らない場合でも、写像直線を算出して、位置の時系列データにおけるワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における写像直線上のワークの中心からの距離に変換することによって、データ欠落部のデータを補完することができ、ワークの中心の厚さデータを高精度で推定して、ワークの断面形状を取得することが可能な断面形状測定方法及び両面研磨装置の実現が可能となる。
本発明に係る断面形状測定方法に用いられる両面研磨装置の主本体部の例を示す正面断面図(概略図)である。 図1のキャリアの配置例を示す平面図(概略図)である。 図1の両面研磨装置の厚さ測定部の例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る両面研磨装置の記憶部、及び制御部のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る断面形状測定方法のフローチャートである。 図3の厚さ測定部による、ワーク上の厚さ測定センサの通過経路を示すシミュレーション図である。 本発明の第1実施形態、第2実施形態に係る断面形状測定方法及び両面研磨装置によって得られたワークの断面形状概略図である。 本発明の第1実施形態、第2実施形態に係る断面形状測定方法及び両面研磨装置によって得られたワークの断面形状概略図である。 図6の通過経路の時系列データを示した説明図である。 図9の時系列データの写像直線算出を示した説明図である。 図9の時系列データの写像直線算出を示した別の説明図である。 図9の時系列データの写像直線算出を示したフローチャートである。 第2変域置換後に取得した、ワークの断面形状を示した説明図である。 本発明に係る移動平均処理を示した説明図である。 本発明の第2実施形態に係る両面研磨装置の記憶部、及び制御部のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る断面形状測定方法のフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る両面研磨装置の記憶部、及び制御部のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る断面形状測定方法のフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は本実施形態に係る両面研磨装置10の例を示す正面断面図(概略図)である。図2は、図1におけるキャリア20及びワークWの配置例を示す平面図(概略図)である。図3は、図1の両面研磨装置10における厚さ測定部30の例を示すブロック図である。図4は、図1の両面研磨装置10における記憶部50、及び制御部40の例を示すブロック図である。図5は、本実施形態に係る断面形状測定方法のフローチャートである。なお、本実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(両面研磨装置)
本実施形態に係る両面研磨装置10は、図1、図3、及び図4に示すように、ワークWを両面研磨する主本体部12と、研磨中のワークWの厚さの時系列データD1を測定する厚さ測定部30と、記憶部50と、厚さの時系列データD1及び位置の時系列データD2からワークWの断面形状測定を行う制御部40と、を備えている。なお、本実施形態に係る厚さの時系列データD1及び位置の時系列データD2は、厚さ測定センサ34がワークW上を通過した時刻又は通過した順番を横軸とする時系列データである。本実施形態では、横軸を当該時刻とする時系列データの場合で説明するが、横軸を当該順番(すなわち、厚さ測定センサ34による測定ポイント)としても構わない。各時系列データD1、D2の横軸を通過時刻又は通過の順番(測定ポイント)とするのは、後述する(断面形状測定方法)においても同様である。横軸を時刻とする場合には、各データD3~D6の横軸も時刻であり、横軸を順番とする場合には、各データD3~D6の横軸も順番である。
一方、研磨対象のワークWは、ウェハ(例えば、シリコンウェハ)等の平板状(特に、円板状)であり、外径や厚さは特に限定されるものではない(一例として、外径数cm~数十cm程度、厚さ数μm~数mm程度)。
本実施形態に係る両面研磨装置10の主本体部12は、一例として、下定盤13と、上定盤14と、下定盤13及び上定盤14の外周側に配置されたインターナルギア15と、下定盤13と上定盤14との中心部の間に回転自在に配置された太陽ギア16と、下定盤13及び上定盤14の間に配置されたキャリア20と、を備える構成となっている。また、下定盤13の上面と上定盤14の下面とには研磨パッド17、18が貼付されている。
次に、本実施形態に係る下定盤13は、図1に示すように、金属材料(一例として、ステンレス合金等)を用いて平面視円形状に形成されており、定盤受け26上に回転自在に載置されている。定盤受け26は、ベアリング51を介して基台52によって支持されている。また、定盤受け26は、動力電動ギア53及び筒状シャフト54を介して伝達される回転駆動装置(一例として、電気モータを備えた駆動装置)55によって回転駆動される構成となっている。定盤受け26が回転されることによって、下定盤13も回転される。
次に、本実施形態に係る上定盤14は、図1に示すように、金属材料(一例として、ステンレス合金等)を用いて平面視円形状に形成されており、ロッド25を介して、円盤24によって回転自在に吊持されている。円盤24は、吊り支柱23を介して、門型支柱27に上下動且つ回転自在に支持されている。吊り支柱23は、図示しない上下動駆動装置(一例として、電気モータを備えた駆動装置)、及び図示しない回転駆動装置(一例として、電気モータを備えた駆動装置)によって上下動且つ回転駆動される構成となっている。吊り支柱23及び円盤24が回転されることによって、上定盤14も回転される。なお、上定盤14と下定盤13とは互いに反対方向に回転される。
次に、本実施形態に係るインターナルギア15は、図1に示すように、金属材料(一例として、ステンレス合金等)を用いて、下定盤13及び上定盤14と軸心を一致させて、下定盤13の外周側に形成されている。インターナルギア15は、動力電動ギア56及び筒状シャフト57を介して伝達される回転駆動装置(一例として、電気モータを備えた駆動装置)58により回転される。
次に、本実施形態に係る太陽ギア16は、図1に示すように、金属材料(一例として、ステンレス合金等)を用いて、下定盤13及び上定盤14と軸心を一致させて、下定盤13の中心側上部、且つ、上定盤14の中心側下部に形成されている。太陽ギア16は、インターナルギア15と同様に、動力電動ギア59及び筒状シャフト60を介して伝達される回転駆動装置(一例として、電気モータを備えた駆動装置)61により回転される。
ここで、本実施形態に係るキャリア20は、図2に示すように、金属材料(一例としてステンレス合金等)を用いて、一例として、インターナルギア15と、太陽ギア16との間に、両者に噛合され、周方向に一定の間隔をおいて配置されている。また、キャリア20には、内部にワークWを保持するための透孔22が設けられている。キャリア20は、インターナルギア15及び太陽ギア16に噛合される遊星機構の構造となっており、キャリア20は、インターナルギア15及び太陽ギア16が回転されることによって、太陽ギア16の周りに回転(公転)され、キャリア20は、自身の軸心を中心として回転(自転)される。また、下定盤13と上定盤14とが互いに反対方向に回転されることによって、各研磨パッド17、18と、ワークWの表面とが互いに摺接される。これにより、ワークWの両面を研磨することができる。ただし、本実施形態では、一例として、インターナルギア15と太陽ギア16との間に、3個の透孔22が設けられた5個のキャリア20が配設される構成としているが、これに限定されるものではない。また、キャリア20とインターナルギア15と太陽ギア16とは、それぞれに設けられたギア同士が噛合される構造に限定されるものではない。
また、本実施形態に係る主本体部12は、スラリーの供給を行うスラリー供給装置を備える構成としている(不図示)。これによれば、ワークWの材質や加工条件に応じて、加工工程におけるスラリーの供給(非供給を含む)について適宜、設定することができる。
さらに、主本体部12は、一例として、公知のキャリア検出センサを後述する測定孔35内に備える構成としてもよい(不図示)。これによれば、研磨時にキャリア20を検出し、キャリア20とワークWとの実測境界部を厚さ測定センサ34が通過する時刻として検出することができる。したがって、厚さ測定センサ34がワークW上を通過する瞬間の正確な時刻と、後述する位置の時系列データD2とのずれを補正することができる。また、キャリア20上にスラリーの膜が形成されていたとしても、キャリア20を検出することにより、それがキャリア20上のスラリー厚さであることを判断することができる。
本実施形態に係る厚さ測定部30は、図3に示すように、一例として、レーザ光源31と、サーキュレータ32と、ロータリージョイント33と、厚さ測定センサ34としてレーザセンサ(一例として、プローブ)34と、上定盤14に設けられた測定孔35と、フォトダイオード36と、データ収集器37と、を備える構成となっている。厚さ測定部30は、レーザ光源31から測定孔35を通じて研磨中のワークWに対してレーザ光が照射され、後述のようにワークWの表面及び裏面からの干渉光を電気信号(以下、干渉光信号と称する)として観測することによって、ワークWの厚さの時系列データD1を取得することができる。なお、厚さの時系列データD1は、横軸を通過時刻、縦軸をワークWの厚さをとした時系列データである。また、厚さ測定部30において、厚さの時系列データD1におけるワークWの厚さが局所的に増加又は減少する時刻を通過時刻(以下、測定開始端通過時刻t1及び測定終了端通過時刻t2と称する)として取得することができる。
次に、本実施形態に係るレーザ光源31は、一例として、公知の波長掃引型のレーザ光源である。また、一例として、レーザ光源31は、波長掃引速度1~50kHz、波長可変範囲1200~1400nmの全部又は一部分を同じ波長範囲で繰り返し波長掃引する。レーザ光源31から放出されるレーザ光は、サーキュレータ32、ロータリージョイント33、及びプローブ34を通じて、ワークWの被測定部位に照射される。ロータリージョイント33は、上定盤14の回転中心となる吊り支柱23に配設されている。
次に、本実施形態に係るプローブ34は、上定盤14上に固定して設けられ、上定盤14と共に回転される。プローブ34から、上定盤14に設けられた測定孔35を通じてレーザ光がワークW上に照射される。なお、測定孔35は、一例として、キャリア20の径方向の中央部(上定盤14の中心から上定盤14の半径の4/5に相当する位置)に対応する上定盤14の位置に設けられるのが好ましい。その理由として、この位置に測定孔35を設けることにより、レーザ光が各ワークWの中心から外周までを万遍なく通過するからである。ただし、測定孔35の位置はこれに限定されるものではない。
なお、プローブ34は下定盤13側に固定して設けられ(不図示)、下定盤13に設けられた測定孔(不図示)からワークWに向けてレーザ光が照射されるように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るレーザ光の特徴について説明する。ワークWの表面及び裏面で反射されたレーザ光とは互いに干渉し、所要位相を有する干渉光として観測される。この干渉光は、測定孔35、プローブ34、ロータリージョイント33及びサーキュレータ32を介してフォトダイオード36で検出され、フォトダイオード36で干渉光信号に変換され、さらにこの干渉光信号が増幅器(不図示)で増幅される。
なお、ワークWを透過するレーザ光は、ワークWの裏面で反射し、さらに表面で反射して裏面側に透過するレーザ光の干渉光を観測するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る干渉光信号について説明する。干渉光信号は、A/D変換器及びFFT(Fast Fourier Transform)処理器を備えるデータ収集器37でデジタル信号に変換され、さらにFFT処理がなされ、干渉波形のピーク値のデータがワークWの厚さの時系列データD1として、後述する制御部40内の位置データ演算部41に出力される。
なお、厚さ測定部30は、レーザ光によるものに限定されるものではない。他の例として、レーザ光源31の代わりに拡散光源や超音波発生源を採用し、厚さ測定センサ34を光電センサや超音波センサとしてもよい。なお、超音波センサを採用した場合には、レーザセンサや光電センサを採用した場合に比べて、ワークWの材質や色の影響を受けずにワークWの厚さを測定することができる。
本実施形態に係る記憶部50は、下定盤13と、上定盤14と、インターナルギア15と、太陽ギア16と、のワークW研磨時の回転数(以下、事前データPRDと称する)が記憶されている。この事前データPRDは、制御部40内に設けられた位置データ演算部41に出力され、測定開始端通過時刻t1及び測定終了端通過時刻t2と対応付けられることによって、位置の時系列データD2が演算される。なお、位置の時系列データD2は、横軸を通過時刻、縦軸を通過経路のX-Y座標や極座標から算出されるワークWの中心からの距離とした時系列データである。
本実施形態に係る制御部40は、図4に示すように、位置データ演算部41と、通過経路判別部42と、異常値除外部43と、移動平均処理部44と、第1厚さ演算部45と、写像直線算出部46と、第1変域置換部47と、第2変域置換部48と、を備える構成となっている。制御部40では、位置データ演算部41、通過経路判別部42、異常値除外部43、移動平均処理部44、第1厚さ演算部45、写像直線算出部46、第1変域置換部47、第2変域置換部48における処理が順になされる。これによれば、本発明に係るワークWの断面形状測定をすることができる。なお、ここでは制御部40の各部における詳しい演算方法については省略し、(断面形状測定方法)にて詳しく説明する。
次に、本実施形態に係る位置データ演算部41では、測定開始端通過時刻t1及び測定終了端通過時刻t2と、事前データPRDと、が対応付けられることによって、通過経路の位置の時系列データD2が演算され、位置の時系列データD2は通過経路判別部42に出力される。なお、位置の時系列データD2は、図6のワークW上のレーザ光の通過経路の例を示すシミュレーション図に示すように、ワークWを横切り、直線に近似される通過経路として取得される。
次に、本実施形態に係る通過経路判別部42では、位置の時系列データD2がワークWの中心から所定の範囲内を通過したかどうかが判別され、通過したと判別された場合には、異常値除外部43に各データD1、D2がそれぞれ出力される。これにより、後述する位置の時系列データD5(位置の時系列データD2を異常値除外部43により処理したもの)の後述する非線形区間Aの区間幅が長すぎることにより、本発明に係るワークWの断面形状測定ができなくなることを防止することができる。
なお、本実施形態に係る制御部40は、厚さの時系列データD1の異常値を除外する異常値除外部43を備える構成としている。これにより、異常値を除外した厚さの時系列データD3と、厚さの時系列データD3の同時刻に対応する位置の時系列データD5を取得することができる。各データD3、D5は、移動平均処理部44に出力される。
また、本実施形態に係る制御部40は、第1厚さ演算部45での多項式近似曲線の演算をする前に厚さの時系列データD3を移動平均処理する移動平均処理部44を備える構成としている。移動平均処理部44では、厚さの時系列データD3に対して移動平均処理がなされることによって、滑らかな厚さの時系列データD4を取得することができる。なお、ここでの移動平均処理は、後述のように、一例として、隣り合う各前記位置の時系列データのうち先の時刻の位置座標を始点として、後の時刻の位置座標を終点とする平面上のベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は当該ベクトルのノルムに基づく移動平均処理である。後の時刻の位置座標を始点として、先の時刻の位置座標を終点とする平面上のベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は当該ベクトルのノルムに基づく移動平均処理としてもよい。
次に、本実施形態に係る第1厚さ演算部45では、厚さの時系列データD4から横軸を時刻、縦軸をワークWの厚さとする多項式近似曲線が演算される。また、当該多項式近似曲線、及び位置の時系列データD5は、写像直線演算部46へ出力される。ここでの多項式近似曲線は、図7のワークWの断面形状の概略図に示すような、横軸にワークの中心からの距離を取った多項式近似曲線ではなく、図8のワークW上の断面形状の概略図に示すような、横軸に時刻を取った多項式近似曲線である。
次に、本実施形態に係る写像直線算出部46について説明する。横軸を時刻、縦軸をワークWの中心からの距離とする位置の時系列データD5は、ワークWの中心を通過しない場合、図9の説明図のように、下に凸のデータ群となっている。写像直線演算部46は、位置の時系列データD5に対応する直線を写像直線として定める処理を行う。具体的には、写像直線算出部46では、位置の時系列データD5がワークWの中心に最も近い位置で二分割される。分割された二つのデータ群のうち、データの末端がワークWのエッジに近い方が選択される。選択された当該データ群を第1データ群とする。写像直線算出部46において、第1データ群は、所定の区間区分方法により、非線形区間Aと線形区間Bとに区分される。また、線形区間Bにおける近似直線が写像直線として算出されて、写像直線、多項式近似曲線、及び位置の時系列データD5は第1変域置換部47に出力される。位置の時系列データD5の分割方法、所定の区間区分方法、写像直線の算出方法は、(断面形状測定方法)にて詳述する。
次に、本実施形態に係る第1変域置換部47では、写像直線によって、位置の時系列データD5におけるワークWの中心からの距離が、同時刻における写像直線上のワークWの中心からの距離に置換される。これを位置の時系列データD6とする。
次に、本実施形態に係る第2変域置換部48では、多項式近似曲線の時刻を、第1変域置換部47によって変換したワークWの中心からの距離に変換する。これにより、図13の説明図に示すような、多項式近似曲線を取得することができる。
以上、本実施形態に係る両面研磨装置10について説明した。両面研磨装置10によれば、ワークの中心付近を通過する厚さ測定センサの通過経路がワークの中心を通らない場合でも、写像直線を算出して、位置の時系列データにおけるワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における写像直線上のワークの中心からの距離の値に変換して、データ欠落部のデータを補完することによって、ワークの中心の厚さデータを高精度で推定することが可能な両面研磨装置の実現が可能となる。
(断面形状測定方法)
続いて、上記構成を用いた、本実施形態に係る断面形状測定方法について説明する。図5に示すように、断面形状測定方法は、厚さ測定工程S1と、位置データ演算工程S2と、次に、通過経路判別工程S3と、次に、異常値除外工程S4と、次に、移動平均処理工程S5と、次に、第1厚さ演算工程S6と、次に、写像直線算出工程S7と、次に、第1変域置換工程S8と、第2変域置換工程S9と、を備える構成となっている。
先ず、本実施形態に係る、厚さ測定部30によって厚さの時系列データD1と、測定開始端通過時刻t1と、測定終了端通過時刻t2と、を取得する厚さ測定工程S1を行う。次に、本実施形態に係る、記憶部50、及び位置データ演算部41によって、位置の時系列データD2を取得する位置データ演算工程S2を行う。厚さ測定部30、記憶部50、及び位置データ演算部41の具体的な説明については上述した通りなのでここでは省略する。
次に、本実施形態に係る、各データD1、D2を判別する通過経路判別工程S3を行う。なお、判別は、通過経路の位置の時系列データD2がワークの中心の所定の範囲内を通過しているかどうかを基準とする。所定の範囲の好適な数値範囲は、0mm≦(ワークの中心からの所定の範囲)≦10mmであり、さらに好適には、0mm≦(ワークの中心からの所定の範囲)≦5mmであり、さらに好適には、0mm≦(ワークの中心からの所定の範囲)≦3mmである。位置の時系列データD2がこれらの範囲内を通過する場合、D1及びD2を次工程以降に出力する。なお、通過経路がこれらの範囲内を通過しない場合、それよりも進んだ時刻の通過経路の位置の時系列データD2について、再度の判別を行う。これによれば、位置の時系列データD5の非線形区間Aの区間幅が長すぎることにより、本発明に係るワークWの断面形状測定ができなくなることを防止することができる。
ところで、研磨されるワークWの断面形状は、研磨段階に応じて刻々と変化することが知られている。すなわち、研磨初期では、ワークWの断面形状は上に凸の形状であり、ワークW外周では大きな変形部分(いわゆる"ダレ"形状)が見られる。研磨が進むと、ワークWの全面形状は、平坦な形状となり、ワークW外周のダレ量が小さくなる。その後、研磨を進めると、ワークWの形状がだんだんと中心部が凹んだ形状となり、ワークW外周が切り上がり形状となる。本実施形態に係る断面形状測定方法は、これらの特徴から外れる厚さの時系列データD1を異常値として除外する異常値除外工程S4を備える構成としている。これにより、異常値を除外した厚さの時系列データD3及び同時刻に対応する位置の時系列データD5を取得することができる。
ここで、本実施形態に係る断面形状測定方法は、第1厚さ演算工程S6を行う前工程として、移動平均処理工程S5を備える構成としている。特許文献1、2に示す断面形状測定方法において、ウェハ中心からの距離におけるワークの厚さの多項式近似曲線は複雑な曲線となってしまうため、平滑化処理がなされることが求められていた。しかしながら、厚さ測定手段の通過経路である各測定位置の間隔は、場所によって異なるため、周知の移動平均処理(所定のデータ数ごとに行う移動平均処理)では、データが疎な箇所はデータが密な箇所に比べて、曲線の形状が大幅に変化してしまうという課題があった。そこで、上記課題を解決するために、発明者らは、次のような手段に想到した。
移動平均処理工程S5は、所定のデータ数の厚さの時系列データD3に対して適用するのではなく、位置の時系列データにおけるワークWの中心からの距離に対応するX-Y平面上又は極座標を取得して、隣り合う座標間を結ぶベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は前記ベクトルのノルムを利用する。具体的には、図14のように、移動平均処理部44において、記憶部50にあらかじめ記憶されている、ワークWの通過経路のX-Y平面上の座標又は極座標(位置の時系列データにおける、ワークWの中心からの距離に対応するX-Y平面上の座標又は極座標)を取得する。以降、本実施形態においては、X-Y平面上の座標を取得した場合で説明する。次に、隣り合う二点の座標のうち、ワークWの一方の外周に近い座標(一例として、先の時刻に対応する座標)を始点として、ワークWの他方の外周に近い座標(一例として、後の時刻に対応する座標)を終点とするベクトルを定める。すなわち、ワークWの一方の外周に近い点から順に二点を選択して、当該二点によるベクトルを求める。次に、当該ベクトルの所定方向の成分(一例として、通過経路が直線であれば、当該直線の方向)や当該ベクトルのノルム(すなわち、互いに異方向の各ベクトルのノルム)を算出する。以降、本実施形態においては、ベクトルのノルムを採用した場合で説明する。次に、ベクトルのノルムの間隔となるように、各X-Y平面上の座標を数直線上に並べる。そして、先の時刻の座標から順に、所定の区間幅に含まれるように、当該区間幅を数直線の方向に沿って移動させる。好適な所定の移動平均幅としては、0mm<(所定の移動平均幅)≦4mmであり、さらに好適には、0mm<(所定の移動平均幅)≦3mmであり、さらに好適には、0mm<(所定の移動平均幅)≦2mmである。当該区間幅にデータが含まれる度に、当該区間幅内のデータに対応する厚さの時系列データに対して、平均処理を行う。なお、最初の一点のみ、最後の一点のみの場合には、平均処理を行わず、データそのものを除外する。また、移動平均幅に含まれるデータ数が奇数個の場合には、中央のデータに対応する厚さのデータを平均値に置き換えて、当該平均値を中央のデータに対応する厚さの時系列データD3の厚さの値に返す。さらに、移動平均幅に含まれるデータ数が偶数個の場合には、その次に含まれるデータも含めて、移動平均幅内のデータ及びその次に含まれるデータの中央のデータに対応する厚さのデータを平均値に置き換えて、当該平均値を中央のデータに対応する厚さの時系列データD3の厚さの値に返す。本実施形態に係る移動平均処理工程S5によって得られたデータを厚さの時系列データD4とする。本実施形態に係る移動平均処理工程S5によれば、厚さの時系列データD3の特徴を保持し、且つ、位置の時系列データD5の粗密を考慮して、厚さの時系列データD3を滑らかにすることができる。すなわち、滑らかな多項式近似曲線を得ることができる。
次に、本実施形態に係る、ワークWの厚さの時系列データD4による多項式近似曲線を演算する第1厚さ演算工程S6を行う。多項式近似曲線は、例えば10次から30次程度の関数である。第1厚さ演算工程S6では、一例として、最小二乗法などの公知の近似手法によって、多項式近似曲線の係数及び定数を演算する。
上述の通り、厚さ測定工程S1と、位置データ演算工程S2と、通過経路判別工程S3と、異常値除外工程S4と、移動平均処理工程S5と、第1厚さ演算工程S6を行うことによって、ワークWの断面形状の多項式近似曲線を取得した。しかしながら、通過経路がワークの中心を通過せず、データに欠落がある場合の欠落部の推定精度が低くなるという本発明の課題は解決されていない。そこで、本実施形態に係る写像直線算出工程S7及び第1変域置換工程S8により写像直線を求めて、データ欠落部のデータを補完する。
発明者らは、位置の時系列データD5の径方向位置の関係に着目した。そうすると、図9の説明図のように、直線的に変化している区間とそうではない区間とがあることを見出した。これは、厚さ測定センサ34がワークの中心を通過しないことに起因する。特に、直線的に変化している区間においては、ワークの径方向の位置が時間経過と共に一定の割合で変化していることを示している。
上述した特徴を利用して、本実施形態に係る写像直線算出工程S7を行う。写像直線算出工程S7は、所定の方法により、位置の時系列データD5に対応する直線を写像直線として定める工程である。当該所定の方法は、一例として、図10の説明図及び図12のフローチャートのように、位置の時系列データD5をワークWの中心に近い位置で二分割し、分割した二つのデータ群のうち、データの末端がワークWのエッジに近い方を選択し、これを第1データ群とする。次に、第1データ群を非線形区間(A区間に該当)と線形区間(B区間に該当)とに区分する。具体的な区分方法として、公知の最小二乗法を用いる。第1データ群のうち、二点以上となるように、ワークWの外周に最も近い当該第1データ群のデータから順に、第2データ群として取得する。次に、第2データ群のデータに隣り合う位置の時系列データD5を当該第2データ群に追加する。一例として、第2データ群のうち、ワークWの外周に最も近いデータが、先の時刻のデータである場合には、第2データ群には、後の時刻のデータを追加する。次に、当該第2データ群に対する近似直線を最小二乗法により求めて、同時に当該近似直線と第2データ群との残差も算出する。当該残差の算出式は、s(x)を残差、Nを第2データ群のデータ数、fを近似直線におけるワークWの中心からの距離、yを位置の時系列データD5におけるワークWの中心からの距離として、以下の数式1により算出される。
Figure 0007113559000002
すなわち、第2データ群へのデータの追加(すなわち、データ数Nを増加させる)をして、その都度、近似直線及び残差s(x)を求める。残差s(x)が増加して、且つ前記第2データ群のデータ数が前記第1データ群の全体のデータ数の所定の割合以上になったら、第2データ群にデータを追加する直前までの第2データ群を線形区間Bとして定め、線形区間外の第1データ群を非線形区間Aとして定め、近似直線を写像直線として定める。所定の割合とは、好適には、10%以上であり、さらに好適には、20%以上であり、さらに好適には、30%以上である。
なお、所定の方法として、図11(a)、図11(b)に示すような写像直線を求めてもよい。具体的には、図11(a)のように、横軸を時刻、縦軸をワークWの中心からの距離とした位置の時系列データD5、又は、図11(b)のように、横軸をワークWの中心からの距離、縦軸を時刻とした位置の時系列データD5をワークWの中心位置に最も近い位置で2分割する(これを第1分割データC、第2分割データDとする)。次に、第2分割データDのワークWの中心からの距離を-側と規定する。次に、第2分割データDを時刻の軸に対して反転(対称移動)させる。次に、反転後の第2分割データDも含めた両データC、Dに対して、最小二乗法によって、写像直線を求める。これによれば、両データC、Dの直線部を利用するため、第1データ群、第2データ群を規定した上記の写像算出工程よりも少ない工程で写像直線を求めることができる。後述する第1変域置換工程S8は、第1分割データC、第2分割データDのいずれかについてのみ行ってもよいし、両データC、Dの全体に対して行ってもよい。
次に、本実施形態に係る第1変域置換工程S8を行う。第1厚さ演算部45により求めた多項式近似曲線は、横軸を時刻、縦軸をワークWの厚さとした多項式近似曲線である。当該時刻を、位置の時系列データD5におけるワークWの中心からの距離に置換しても、中心が欠落した多項式近似曲線のままである。そこで、本実施形態に係る第1変域置換工程S8を行う。具体的には、写像直線によって、位置の時系列データD5におけるワークWの中心からの距離を、同時刻における写像直線上のワークWの中心からの距離の値に変換する。これを位置の時系列データD6とする。
非線形区間Aの時刻は、写像直線の同時刻においては、ワークの中心位置の値まで対応しているため、第1変域置換工程S8の後、第2変域置換工程S9によって、多項式近似曲線の時刻を対応する位置の時系列データD6におけるワークWの中心からの距離に変換する。これにより、図13の説明図に示すような、ワークWの中心からの距離ごとの断面形状の多項式近似曲線(欠落部の厚さの値を補った多項式近似曲線)を取得することができる。これによれば、ワークの中心付近を通過する厚さ測定センサの通過経路がワークの中心を通らない場合でも、データ欠落部のデータを補完することによって、ワークの中心の厚さデータを高精度で推定することが可能となる。したがって、従来よりも高精度のワークの断面形状測定を行うことができる。なお、ワークの中心の厚みであれば、多項式近似曲線におけるワークの中心からの距離が0の時の値を取得すればよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態との違いを中心に説明する。第2実施形態に係る両面研磨装置は、第1実施形態に係る両面研磨装置の構成とは異なり、図15のような構成となっている。すなわち、第1厚さ演算部45、第2変域置換部48を備えておらず、第1変域置換部47の処理の後、第2厚さ演算部49によって多項式近似曲線を求める構成であるという点で異なる。したがって、第2実施形態に係る断面形状測定方法も、第1実施形態に係る両面研磨装置の構成とは異なり、図16のようなフローチャートで説明されるものである。すなわち、第1厚さ演算工程S6、第2変域置換工程S9を備えておらず、第1変域置換工程S8によって、時刻をワークWの中心からの距離に変換した後に、第2厚さ演算工程S10によって、横軸をワークWの中心からの距離、縦軸をワークWの厚さとする多項式近似曲線を求める構成であるという点で異なる。
(両面研磨装置)
第1変域置換部47によって、位置の時系列データD5におけるワークWの中心からの距離を、同時刻における写像直線上のワークWの中心からの距離の値に変換して、位置の時系列データD6を取得した後、第2厚さ演算部49によって、横軸をワークWの中心からの距離、縦軸をワークWの厚さとする多項式近似曲線を求める。
(断面形状測定方法)
第2実施形態に係る両面研磨装置の場合と同様に、第1変域置換工程S8によって、時刻をワークWの中心からの距離に変換した後、第2厚さ演算工程S10によって、多項式近似曲線を求める。具体的には、第1変域置換工程S8によって、位置の時系列データD6を取得して、位置の時系列データD6におけるワークWの中心からの距離と、同時刻における厚さの時系列データD4におけるワークWの厚さと、によって、多項式近似曲線を求めればよい。この場合も、第1実施形態に係る断面形状測定方法と同様に、非線形区間Aの時刻は、写像直線の同時刻においては、ワークWの中心位置の値まで対応しているため、図13の説明図に示すような、ワークWの中心からの距離ごとの断面形状の多項式近似曲線(欠落部の値を補った多項式近似曲線)を取得することができる。
以上のように、本実施形態に係る断面形状測定方法及び両面研磨装置によれば、ワークの中心付近を通過する厚さ測定センサの通過経路がワークの中心を通らない場合でも、ワークの中心の厚さデータを高精度で推定するという本発明の課題を解決し、従来よりも高精度のワークの断面形状測定を行うことができる。一例として、本実施形態で得られた多項式近似曲線の形状全体の特徴から、両面研磨工程が設定通りに行われているかどうかを把握することができる。
なお、以上説明した二つの実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、移動平均処理工程S5、移動平均処理部44は、ベクトルの所定方向の成分の大きさやベクトルのノルムに基づくものではなく、単に、データ数を基準とした移動平均処理工程S5、移動平均処理部44であってもよい。また、断面形状測定方法は、通過経路判別工程S3、異常値除外工程S4、移動平均処理工程S5のいずれかを有する構成(いずれも有さない場合も含む)としてもよく、両面研磨装置は、通過経路判別部42、異常値除外部43、移動平均処理部44のいずれかを有する構成(いずれも有さない場合も含む)としてもよい。さらに、多項式近似曲線は、三角関数や指数・対数関数など既知の関数を含んだ近似曲線であってもよい。
(第3実施形態)
(両面研磨装置)
次に、本発明の第3実施形態に係る両面研磨装置について、説明する。本実施形態に係る両面研磨装置10は、図1、図3、及び図17に示すように、ワークWを両面研磨する主本体部12と、研磨中のワークWの厚さの時系列データD1を測定する厚さ測定部30と、記憶部50と、厚さの時系列データD1及び位置の時系列データD2の移動平均処理を行う制御部40と、を備えている。主本体部12、厚さ測定部30、記憶部50は、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成である。制御部は、位置データ演算部41と移動平均処理部44とから構成されている。各部における処理は、第1実施形態、第2実施形態における各部の処理と同様である。
本実施形態に係る両面研磨装置によれば、厚さの時系列データの特徴を保持し、且つ、位置の時系列データの粗密を考慮して、厚さの時系列データを滑らかにすることができる。
(断面形状測定方法)
続いて、第3実施形態に係る両面研磨装置の構成を用いた断面形状測定方法について説明する。図18に示すように、断面形状測定方法は、厚さ測定工程S1と、位置データ演算工程S2と、次に、移動平均処理工程S5と、を備える構成となっている。厚さ測定工程S1、位置データ演算工程S2、移動平均処理工程S5における各処理は、第1実施形態、第2実施形態に係る各工程における各処理と同様である。
本実施形態に係る断面形状測定方法によれば、厚さの時系列データの特徴を保持し、且つ、位置の時系列データの粗密を考慮して、厚さの時系列データを滑らかにすることができる。
なお、以上説明した第3実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、第1実施形態、第2実施形態のように、通過経路判別工程S3、異常値除外工程S4のいずれかを有する構成(いずれも有さない場合も含む)としてもよく、両面研磨装置は、通過経路判別部42、異常値除外部43のいずれかを有する構成(いずれも有さない場合も含む)としてもよい。
(付記)
また、本実施形態は以下の技術思想を包含するものである。
(1)
下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置における断面形状測定方法であって、
前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定工程と、
前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算工程と、
次いで、前記ワークの厚さの時系列データの移動平均処理を行う移動平均処理工程を含むこと
を特徴とする断面形状測定方法。
(2)
前記移動平均処理工程は、
前記位置の時系列データの各位置をX-Y平面上の座標又は極座標として取得して、
隣り合う二つの座標について、前記ワークの一方の外周に近い座標を始点として、前記ワークの他方の外周に近い座標を終点とするベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は前記ベクトルのノルムを算出して、
前記成分の大きさ又は前記ノルムの間隔となるように、数直線上に前記位置の時系列データに対応する数直線上の座標データを順に並べて、
前記数直線上の座標データに対して所定の区間幅を前記数直線上の方向に移動させて、
前記区間幅内に座標データが含まれる度に、各前記区間幅内の座標データに対応する前記厚さの時系列データに対して移動平均処理を行う移動平均処理工程であること
を特徴とする(1)記載の断面形状測定方法。
(3)
下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置であって、
前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定部と、
前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算部と、
前記ワークの厚さの時系列データの移動平均処理を行う移動平均処理部を有すること
を特徴とする両面研磨装置。
(4)
前記移動平均処理部は、
前記位置の時系列データの各位置をX-Y平面上の座標又は極座標として取得して、
隣り合う二つの座標について、前記ワークの一方の外周に近い座標を始点として、前記ワークの他方の外周に近い座標を終点とするベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は前記ベクトルのノルムを算出して、
前記成分の大きさ又は前記ノルムの間隔となるように、数直線上に前記位置の時系列データに対応する数直線上の座標データを順に並べて、
前記数直線上の座標データに対して所定の区間幅を前記数直線上の方向に移動させて、
前記区間幅内に座標データが含まれる度に、各前記区間幅内の座標データに対応する前記厚さの時系列データに対して移動平均処理を行う移動平均処理部であること
を特徴とする(3)記載の両面研磨装置。
10 両面研磨装置
12 主本体部
13 下定盤
14 上定盤
20 キャリア
30 厚さ測定部
34 厚さ測定センサ(プローブ)
40 制御部
41 位置データ演算部
42 通過経路判別部
43 異常値除外部
44 移動平均処理部
45 第1厚さ演算部
46 写像直線算出部
47 第1変域置換部
48 第2変域置換部
49 第2厚さ演算部
50 記憶部
S1 厚さ測定工程
S2 位置データ演算工程
S3 通過経路判別工程
S4 異常値除外工程
S5 移動平均処理工程
S6 第1厚さ演算工程
S7 写像直線算出工程
S8 第1変域置換工程
S9 第2変域置換工程
S10 第2厚さ演算工程
W ワーク
t1 測定開始端通過時刻
t2 測定終了端通過時刻

Claims (19)

  1. 下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置における断面形状測定方法であって、
    前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定工程と、
    前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算工程と、
    次いで、前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、所定の方法によって、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出工程と、
    次いで、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離に変換する第1変域置換工程と、を有しており、
    前記所定の方法は、
    前記位置の時系列データのうち前記ワークの一方の外周に最も近いデータから前記ワークの中心位置に最も近い前記位置の時系列データまでを第1データ群として、
    二点以上となるように、前記第1データ群のうち前記ワークの外周に最も近いデータから順に、第2データ群として取得して、
    前記第2データ群のデータに隣り合う前記位置の時系列データを前記第2データ群に追加して、
    前記第2データ群に対する近似直線及び前記第2データ群と前記近似直線との残差を算出して、
    前記残差が増加するまで前記第2データ群に前記位置の時系列データを追加して、前記残差が増加し、且つ前記第2データ群のデータ数が前記第1データ群の全体のデータ数の所定の割合以上になったら、データを追加する直前の前記近似直線を写像直線として定め、データを追加する直前の前記第2データ群を線形区間として定め、前記線形区間外の前記第1データ群を非線形区間として定める方法であること
    を特徴とする断面形状測定方法。
  2. 前記所定の割合は、10%以上であること
    を特徴とする請求項1記載の断面形状測定方法。
  3. 下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置における断面形状測定方法であって、
    前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定工程と、
    前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算工程と、
    次いで、前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、所定の方法によって、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出工程と、
    次いで、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離に変換する第1変域置換工程と、を有しており、
    前記所定の方法は、
    前記位置の時系列データを前記ワークの中心位置に最も近い位置で2分割して、
    一方を第1分割データとし、他方を第2分割データとし、
    前記第2分割データを前記時刻又は前記順番の軸に対して反転させて、
    前記第1分割データ及び反転させた前記第2分割データに対して、最小二乗法によって、写像直線を定める方法であること
    を特徴とする断面形状測定方法。
  4. 前記写像直線算出工程の前工程として、前記ワークの厚さの時系列データにおける時刻又は順番と前記ワークの厚さとから前記ワークの厚さの多項式近似曲線を求める第1厚さ演算工程を有し、
    前記第1変域置換工程の後工程として、前記多項式近似曲線の時刻又は順番を前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離に変換する第2変域置換工程と、を有すること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の断面形状測定方法。
  5. 前記第1変域置換工程の後工程として、前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離と、同時刻又は同順番の厚さの時系列データにおける前記ワークの厚さと、から前記ワークの厚さの多項式近似曲線を求める第2厚さ演算工程を有すること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の断面形状測定方法。
  6. 前記位置データ演算工程の後工程として、前記通過経路がワークの中心から所定の範囲内を通過するかどうかを判別し、前記所定の範囲内を通過する経路のみを取得する通過経路判別工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載の断面形状測定方法。
  7. 前記位置データ演算工程の後工程として、前記ワークの厚さの時系列データの移動平均処理を行う移動平均処理工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載の断面形状測定方法。
  8. 前記通過経路判別工程の後工程として、前記ワークの厚さの時系列データの移動平均処理を行う移動平均処理工程を含むことを特徴とする請求項6記載の断面形状測定方法。
  9. 前記移動平均処理工程は、
    前記位置の時系列データの各位置をX-Y平面上の座標又は極座標として取得して、
    隣り合う二つの座標について、前記ワークの一方の外周に近い座標を始点として、前記ワークの他方の外周に近い座標を終点とするベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は前記ベクトルのノルムを算出して、
    前記成分の大きさ又は前記ノルムの間隔となるように、数直線上に前記位置の時系列データに対応する座標データを順に並べて、
    前記数直線上の座標データに対して所定の区間幅を前記数直線上の方向に移動させて、
    前記区間幅内に座標データが含まれる度に、各前記区間幅内の座標データに対応する前記厚さの時系列データに対して移動平均処理を行う移動平均処理工程であること
    を特徴とする請求項7又は請求項8記載の断面形状測定方法。
  10. 前記厚さ測定センサは、レーザセンサ、光電センサ、又は超音波センサであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項記載の断面形状測定方法。
  11. 下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置であって、
    前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定部と、
    前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算部と、
    前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出部と、
    前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離の値に変換する第1変域置換部と、を有しており、
    前記写像直線算出部は、
    前記位置の時系列データのうち前記ワークの一方の外周に最も近いデータから前記ワークの中心位置に最も近い前記位置の時系列データまでのデータを第1データ群として、
    二点以上となるように、前記第1データ群のうち前記ワークの外周に最も近いデータから順に、第2データ群として取得して、
    前記第2データ群のデータに隣り合う前記位置の時系列データを前記第2データ群に追加して、
    前記第2データ群に対する近似直線及び前記第2データ群と前記近似直線との残差を算出して、
    前記残差が増加するまで前記第2データ群に前記位置の時系列データを追加して、前記残差が増加し、且つ前記第2データ群のデータ数が前記第1データ群の全体のデータ数の所定の割合以上になったら、データを追加する直前の前記近似直線を写像直線として定め、データを追加する直前の前記第2データ群を線形区間として定め、前記線形区間外の前記第1データ群を非線形区間として定める構成であること
    を特徴とする両面研磨装置。
  12. 前記所定の割合は、10%以上であること
    を特徴とする請求項11記載の両面研磨装置。
  13. 下定盤と、上定盤と、前記下定盤及び前記上定盤の間に配置されたキャリアを具備する両面研磨装置であって、
    前記上定盤もしくは前記下定盤のいずれかの定盤に設けられて前記定盤と共に回転し、前記定盤に設けられた測定孔を通じて前記キャリアに保持されたワークの厚さを取得する厚さ測定センサにより、前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過時刻又は通過の順番と対応付けて前記ワークの厚さの時系列データを測定する厚さ測定部と、
    前記ワークにおける前記厚さ測定センサの通過経路を前記ワークの中心からの距離として、前記通過時刻又は前記通過の順番と対応付けて、位置の時系列データとして演算する位置データ演算部と、
    前記通過経路が前記ワークの中心を通過しない場合には、前記位置の時系列データに対応する直線を写像直線として定める写像直線算出部と、
    前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離を、同時刻又は同順番における前記写像直線上の前記ワークの中心からの距離の値に変換する第1変域置換部と、を有しており、
    前記写像直線算出部は、
    前記位置の時系列データを前記ワークの中心位置に最も近い位置で2分割して、
    一方を第1分割データとし、他方を第2分割データとし、
    前記第2分割データを前記時刻又は前記順番の軸に対して反転させて、
    前記第1分割データ及び反転させた前記第2分割データに対して、最小二乗法によって、写像直線を定める構成であること
    を特徴とする両面研磨装置。
  14. 前記ワークの厚さの時系列データにおける時刻又は順番と前記ワークの厚さとから前記ワークの厚さの多項式近似曲線を求める第1厚さ演算部を有し、
    前記多項式近似曲線の時刻又は順番を、前記第1変域置換部によって変換した後の前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離に変換する第2変域置換部と、を有すること
    を特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項記載の両面研磨装置。
  15. 前記第1変域置換部によって変換した後の前記位置の時系列データにおける前記ワークの中心からの距離と、同時刻又は同順番の厚さの時系列データにおける前記ワークの厚さと、から前記ワークの厚さの多項式近似曲線を求める第2厚さ演算部を有すること
    を特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項記載両面研磨装置。
  16. 前記通過経路がワークの中心から所定の範囲内を通過するかどうかを判別し、前記所定の範囲内を通過する経路のみを取得する通過経路判別部を有することを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか一項記載の両面研磨装置。
  17. 前記ワークの厚さの時系列データの移動平均処理を行う移動平均処理部を有することを特徴とする請求項11から請求項16のいずれか一項記載の両面研磨装置。
  18. 前記移動平均処理部は、
    前記位置の時系列データの各位置をX-Y平面上の座標又は極座標として取得して、
    隣り合う二つの座標について、前記ワークの一方の外周に近い座標を始点として、前記ワークの他方の外周に近い座標を終点とするベクトルの所定の方向の成分の大きさ又は前記ベクトルのノルムを算出して、
    前記成分の大きさ又は前記ノルムの間隔となるように、数直線上に前記位置の時系列データに対応する座標データを順に並べて、
    前記数直線上の座標データに対して所定の区間幅を前記数直線上の方向に移動させて、
    前記区間幅内に座標データが含まれる度に、各前記区間幅内の座標データに対応する前記厚さの時系列データに対して移動平均処理を行う移動平均処理部であること
    を特徴とする請求項17記載の両面研磨装置。
  19. 前記厚さ測定センサは、レーザセンサ、光電センサ、又は超音波センサであることを特徴とする請求項11から請求項18のいずれか一項記載の両面研磨装置。
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