JP7112247B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents
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(A)数平均粒子径0.05~4μmの酸化鉄被覆酸化チタン 0.1~10質量%、
(B)フッ素変性シリコーン樹脂 0.1~10質量%、
(C)疎水化処理された無機着色顔料 1~30質量%、
(D)揮発性油 10~60質量%、
(E)水
を含有する油中水型乳化化粧料に関する。
ここで用いる酸化チタンは、数平均粒子径が0.05~4μmであり、0.1~3μmが好ましく、0.15~2μmがより好ましく、0.2~1μmがさらに好ましい。
なお、酸化チタンの数平均粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)等による観察から得られた写真を用い、その写真を画像解析することにより算出される数平均粒径である。
なお、本発明で用いられる他の粉体の数平均粒子径に関しても、同様の方法で測定される。
酸化チタンの形状は、球状、板状、針状等のいずれでも良い。具体的には、MP-25、MP-1133(テイカ社製)、ST-710、ST-750(チタン工業社製)等の市販品を用いることができる。
成分(A)は、このような酸化チタンを酸化鉄で被覆処理したものである。
酸化鉄の処理量は、塗布した後の肌の乾燥感を低減し、化粧直しをした際の均一な仕上がりを向上させる観点から、酸化鉄被覆酸化チタン中の酸化チタンの質量に対して、0.5~5質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましく、1.5~4質量%がさらに好ましい。
疎水化処理としては、シリコーン処理、フッ素処理、脂肪酸処理、N-アシルアミノ酸処理等が挙げられる。シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、アルキルアルコキシシラン処理としては、トリエトキシカプリリルシラン処理等が挙げられる。フッ素処理としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理としては、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン処理等が挙げられる。脂肪酸処理としては、ステアリン酸処理、ミリスチン酸処理等が挙げられ、N-アシルアミノ酸処理としては、ラウロイルリジン処理、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa処理、ステアロイルグルタミン酸2Na処理、ラウロイルアスパラギン酸Na処理等が挙げられる。
疎水化処理としては、仕上がりの粉っぽさを低減し、化粧直しをした際の均一な仕上がりを向上させる観点から、シリコーン処理、フッ素処理が好ましく、フッ素処理がより好ましく、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理がさらに好ましく、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン処理がよりさらに好ましい。
なお、酸化鉄被覆酸化チタンを疎水化処理した場合、成分(A)の含有量や数平均粒子径は、疎水化処理した剤を含めての含有量や数平均粒子径を意味する。
R1 gSiO(4-g)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1~8の炭化水素基、フェニル基、水酸基又は一般式-R2-Rf(R2は炭素数2~6の2価のアルキレン基を示し、Rfは炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を示す)であって、水酸基及び一般式-R2-Rfを必須とする官能基から任意に選ばれ、gは平均数で1.0≦g≦1.8である。尚、R1は、同じであっても、異なっても良い)
で表される構造を有するものが好ましい。
溶剤としては、シリコーン油が挙げられ、シリコーン油としては、製造時の配合のしやすさの観点から、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン(2cs)、ジメチルポリシロキサン(10cs)から選ばれる1種または2種以上が好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン(10cs)から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンがさらに好ましい。
無機着色顔料としては、成分(A)を除く、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等が挙げられる。
着色顔料としては、肌をきれいなメイクアップ効果で仕上げる観点から、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましい。
疎水化処理としては、化粧直し後の均一な仕上がりを向上させる観点から、シリコーン処理が好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がより好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、トリエトキシカプリリルシラン処理がさらに好ましい。なお、成分(C)の含有量は、疎水化処理した剤を含めての質量を意味する。
揮発性油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、シリコーン油、炭化水素油、エーテル油等が挙げられる。
シリコーン油としては、鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。鎖状ジメチルポリシロキサンとしては、直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、直鎖のものとしては、ジメチルポリシロキサン(1cs)、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、ジメチルポリシロキサン(2cs)等が挙げられ、分岐鎖のもとしては、メチルトリメチコン、トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等が挙げられる。環状ジメチルポリシロキサンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
炭化水素としては、イソドデカン、イソトリデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等が挙げられ、エーテル油としては、エチルパーフルオロブチルエーテル等が挙げられる。
なお、成分(D)は、成分(B)を溶解する溶剤としても使用することができる。
エステル油は、25℃で液状のものが好ましく、液状とは流動性を有するもので、クリーム状やペースト状のものも含まれる。
エステル油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、安息香酸アルキル(C12-15)等のモノエステル油;リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル等のジエステル油;トリイソステアリン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリルのトリエステル油などが挙げられる。
具体的には、例えば、25℃程度の所定の温度において、混合した油相成分(成分(B)、(D)及びその他の油性成分)に、粉体相(成分(A)、(C)及びその他の粉体成分)を添加して、分散する。その後、水相成分(成分(E)及びその他の水性成分)を添加し、撹拌することにより油中水型乳化化粧料を得ることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、単品のみの使用においても、リキッドファンデーションやパウダーファンデーション・白粉等の粉体化粧料の重ね付けにおいても使用することができる。
水に数平均粒子径が0.25μmのルチル型酸化チタン(テイカ社製、MP-1133)100kgを分散させ、ポリ硫酸第二鉄(Fe2O3として、酸化チタンの質量に対して、1.75質量%)を投入し、60℃に加熱した。アンモニア水にてpH7.5へ中和し、水酸化鉄(酸化鉄)を酸化チタン表面に析出させた。得られた複合化物を水洗し、110℃で10~12時間乾燥させた。乾燥物を590℃で焙焼させたのち、粉砕し、酸化鉄1.75質量%被覆酸化チタンを得た。
その後、得られた酸化鉄1.75質量%被覆酸化チタン1kgに対して5質量%のトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン(デグサ社製、DYNASYLAN F8261)のイソプロピルアルコール溶液を作製し、攪拌層で攪拌されている前記酸化鉄1.75質量%被覆酸化チタン1kgと混合し、イソプロピルアルコールを加熱除去して攪拌層から粉体を取り出した。この後、100℃にて6時間加熱処理を行い、粉砕してトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5質量%処理酸化鉄1.75質量%被覆酸化チタンを得た。
得られたトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5質量%処理酸化鉄1.75質量%被覆酸化チタンは、数平均粒子径0.25μmであった。
表1に示す組成の油中水型乳化化粧料(リキッドファンデーション)を製造し、乾燥感のなさ、べたつきのなさ、粉っぽくない仕上がり及び化粧直しをした後の均一な仕上がりを評価した。結果を表1に併せて示す。
25℃程度の温度において、成分(A)及び(C)を含む粉体相を混合粉砕し、別途混合した成分(B)、(D)及び(F)を含む油相に添加し、ディスパー(2000rpm)で10分間撹拌した。その後、成分(E)を含む水相を添加し、ディスパー(800rpm)で10分間撹拌し、さらにホモミキサー(3000rpm)で5分間撹拌して、油中水型乳化化粧料を得た。
(1)乾燥感のなさ:
専門評価者5人が各油中水型乳化化粧料を肌に塗布した後、5分後において、肌を触ったときの乾燥感について、以下の5段階で評価した。結果を、専門評価者5人の合計点で示した。
5;乾燥感が全くない。
4;乾燥感がほとんどない。
3;乾燥感が少しある。
2;乾燥感がある。
1;乾燥感がかなりある。
専門評価者5人が各油中水型乳化化粧料を肌に塗布した直後において、肌を触ったときのべたつきについて、以下の5段階で評価した。結果を、専門評価者5人の合計点で示した。
5;べたつきが全くない。
4;べたつきがほとんどない。
3;べたつきが少しある。
2;べたつきがある。
1;べたつきがかなりある。
専門評価者5人が各油中水型乳化化粧料を肌に塗布した後、5分後において、肌を目視して、粉っぽくない仕上がりについて以下の5段階で評価した。結果を、専門評価者5人の合計点で示した。
5;粉っぽさが全くない。
4;粉っぽさがほとんどない。
3;粉っぽさが少しある。
2;粉っぽさがある。
1;粉っぽさがかなりある。
専門評価者5人が各油中水型乳化化粧料を肌に塗布し、4時間後に油取り紙を用いて皮脂を取り除き、おしろい(ソフィーナアルブラン 潤白美肌ルースパウダー(花王社製))を塗布したとき、仕上りの均一さを、以下の5段階で評価した。結果を、専門評価者5人の合計点で示した。
5;肌がとても均一に見える。
4;肌が均一に見える。
3;肌がやや均一に見える。
2;肌があまり均一に見えない。
1;肌があきらかに均一に見えない。
Claims (4)
- 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)数平均粒子径0.05~4μmの酸化鉄被覆酸化チタン 0.1~10質量%、
(B)25℃で固体状のフッ素変性シリコーン樹脂 0.1~10質量%、
(C)疎水化処理された無機着色顔料 1~30質量%、
(D)揮発性油 10~60質量%、
(E)水
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.05~5である油中水型乳化化粧料。 - 成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、0.005~1である請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
- さらに、(F)エステル油を含有する請求項1又は2記載の油中水型乳化化粧料。
- 成分(A)が疎水化処理されている請求項1~3のいずれか1項記載の油中水型乳化化粧料。
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