JP7109083B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
大当たり遊技中に開放される特定領域に遊技球を進入させる(V入賞させる)ことにより、大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者に有利なものとなる遊技機(「V確変機」等と称される)が知られている。下記特許文献1には、特定領域に遊技球を進入させることが困難であった(いわゆるショート開放であった)にも拘わらず、特定領域に遊技球が入賞したことを、表示領域に表示される画像により報知する遊技機が開示されている。
特開2017-209526号公報
本発明が解決しようとする課題は、特定領域に遊技球を進入させることが困難な状態であったにも拘わらず当該特定領域に遊技球が進入した場合の報知を簡便に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技球が進入することが、遊技者に有利な事象の発生の条件となる特定領域と、当否判定結果が当たりとなったときに実行されるものであって、前記特定領域を遊技球が進入容易な進入容易状態とするか進入困難な進入困難状態とする期間を含む特定期間と、当該特定期間の後に設定される終末期間とを含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、前記特定期間において前記特定領域が前記進入困難状態とされたにも拘わらず当該特定領域に遊技球が進入したときの前記終末期間である異常時終末期間は、前記特定期間において前記特定領域が前記進入容易状態とされた上で当該特定領域に遊技球が進入したときの前記終末期間である正常時終末期間よりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、特定領域に遊技球を進入させることが困難な状態であったにも拘わらず当該特定領域に遊技球が進入した場合の報知を簡便に行うことが可能である。
本実施形態にかかる遊技機の全体図である。 表示領域に表示された識別図柄を示した図である。 大当たり遊技の流れを示した図である。 大当たり遊技の流れを示した図(図3の続き)である。 正常時(特定領域が進入容易状態とされた上で当該特定領域に遊技球が進入した場合)と異常時(特定領域が進入困難状態とされたにも拘わらず当該特定領域に遊技球が進入した場合)の終末期間の違いを説明するための図である。 第一具体例を説明するための図である。
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかるぱちんこ遊技機1(以下、単に遊技機と称する)の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。
表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。なお、一部の図においては、遊技盤90に覆われずに露出する表示領域911の形状を簡略化して記載する(方形状に記載する)が、当該部分の大きさや形状は適宜変更可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄80(図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80(識別図柄80群)の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄70が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、保留図柄70として、対応する当否判定結果を報知する識別図柄80の変動が開始されているものの、報知が完了していない当否判定情報の存在を示す変動中保留図柄71と、対応する当否判定結果を報知する識別図柄80の変動が開始されていない当否判定情報の存在を示す変動前保留図柄72が表示される(図2参照)。保留図柄70を表示する専用の表示装置が設けられていてもよい。保留図柄70の態様は常に同じであってもよいし、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高まったことを示唆する通常の保留図柄70とは異なる態様の一または複数種の特殊図柄が設定されていてもよい。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
当否判定結果が大当たりとなった場合、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、所定条件が成立するまで大入賞口906(本実施形態では、特定領域10が開放されることもある)が開放される単位遊技を複数回繰り返すものである。所定条件としては、大入賞口906に所定数の遊技球が入賞したこと(以下、入賞条件と称することもある)や、大入賞口906が開放されてから所定の開放時間が経過したこと(以下、時間条件と称することもある)が設定される。単位遊技は一般的に「ラウンド」と称されるものである。以下の説明においては、N回目の単位遊技を、Nラウンド(遊技)と称することもある。
大入賞口906は、遊技領域902の右側(いわゆる右打ちによって発射された遊技球が進入可能な領域)に設けられている(図1参照)。したがって、遊技者が右打ちを行えば開放した大入賞口906に遊技球が比較的容易に入賞することになる。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている。特別遊技状態は、大当たりに当選する確率(当否判定(抽選)確率)が、通常遊技状態に比して高い状態である。つまり、少なくともかかる点において、特別遊技状態は通常遊技状態に比して有利な状態である。特別遊技状態は通常遊技状態に比して始動入賞口904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(いわゆる時短状態)であってもよい(本実施形態における特別遊技状態は高ベース状態である)。また、いわゆる「連チャン」を目指す遊技性はどのようなものであってもよい。例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる大当たりに当選することにより「連チャン」が発生する確変ループ機であってもよいし、所定回数の当否判定が実行されるまでの間に大当たりに当選することにより「連チャン」が発生するST機であってもよい。また、確変ループ機とST機を組み合わせたようなゲーム性(所定回数の当否判定が実行されるまでの間に、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる大当たりに当選することにより「連チャン」が発生するゲーム性)であってもよい。
通常遊技状態においては、遊技者は遊技領域902の左側に遊技球が進入するよう、いわゆる左打ち遊技を行う。具体的には、第一始動入賞口904a(いわゆる特図1の始動口)に遊技球が入賞することを契機とした当否抽選(以下、特図1抽選と称することもある)により大当たりに当選することを目指して遊技する。特別遊技状態においては、遊技者はいわゆる右打ち遊技を行う。具体的には、第二始動入賞口904b(いわゆる特図2の始動口)に遊技球が入賞することを契機とした当否抽選(以下、特図2抽選と称することもある)により大当たりに当選することを目指して遊技する。本実施形態における特別遊技状態は、いわゆる高ベース状態であり、普通始動領域905(いわゆるスルー)に遊技球が進入することを契機とした第二始動入賞口904bの開放抽選に高確率で当選する状態であるため、右打ちを行っていれば第二始動入賞口904bが頻繁に開放する。すなわち、第二始動入賞口904bに容易に遊技球が入賞する状態である。なお、本実施形態では、第一始動入賞口904aに遊技球が入賞することで取得された当否判定情報(特図1保留)と、第二始動入賞口904bに遊技球が入賞することで取得された当否判定情報(特図2保留)の両方が存在する場合、特図2抽選の方が優先的に実行される(特図2優先消化である)。
本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるV確変機である。大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる大当たり(以下、特別大当たりと称することもある)に当選したとき、当該大当たり遊技中に特定領域10(V領域)が開放される。当該特定領域10に遊技球を進入させる(厳密には、特定領域10内に設けられたセンサにより遊技球が検出される)ことにより、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる。なお、特定領域10に遊技球が進入しなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態は通常遊技状態となる。ただし、特別大当たりに当選したときの大当たり遊技中に発生する特定領域10が開放される時間は比較的長く(いわゆる「ロング開放」;以下、進入容易状態と称することもある)、当該特定領域10を狙って遊技球を発射させていれば(本実施形態ではいわゆる右打ちを行っていれば)、ほぼ100%の確率で遊技球が特定領域10に進入する。このように、ほぼ100%の確率で遊技球が特定領域10に進入することになるという点で、特別大当たりは大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる大当たりとして設定されているということである。
一方、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となる大当たり(以下、通常大当たりと称することもある)に当選したときには、大当たり遊技中に特定領域10が開放される時間が極めて短く(いわゆる「ショート開放」;以下、進入困難状態と称することもある)となり、特定領域10に遊技球を進入させることが極めて困難となるように設定されている。具体的には、極めてイレギュラーな事象が発生するか、または、不正行為等を行わなければ特定領域10に遊技球が進入することは起こり得ない。このように、通常通り遊技を行っていれば遊技球が特定領域10に進入することは実質的に不可能であるという点で、通常大当たりは大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となる大当たりとして設定されているということである。
上記の通り、特別大当たりおよび通常大当たりのいずれに当選した場合であっても、大当たり遊技中に特定領域10が開放される(上記の通り、特別大当たりであるか通常大当たりであるかに応じて、特定領域10の開放時間が異なるということである)。当該特定領域10が開放されることも1ラウンド分の単位遊技として設定されている。例えば、10ラウンド大当たりであれば、9ラウンド分は大入賞口906が開放される単位遊技であり、1ラウンド分は特定領域10が開放される単位遊技(以下、特定単位遊技と称することもある)となる。本実施形態では、全ての大当たりが5ラウンド以上の大当たりであり、4ラウンド目の単位遊技が特定単位遊技とされている(図3参照)。いわゆる「大当たり振り分け」(ラウンド数の振分、特別大当たりの割合等)はどのようなものであってもよいから説明を省略する。
なお、特定領域10は、大入賞口906の内部に設けられた構成としてもよい。各単位遊技は大入賞口906が開放されるものとし、特定単位遊技において大入賞口906内部の特定領域10が長い時間開放されるものとする。
2)異常報知
進入困難状態であるにも拘わらず、遊技球が特定領域10に進入するという事象(イレギュラーな入賞)は、不正行為等によって生じている可能性があるため、当該事象が発生したことを異常として報知するようにしている。以下、当該異常報知について説明する。
上記異常報知は、大当たり遊技に設定される終末期間を利用したものである。各大当たり遊技は、複数の単位遊技が実行される期間である単位遊技期間(図3(a)~図4(a)参照)と、当該単位遊技期間後の期間である終末期間(図4(b-1)、(b-2)参照)を含む。単位遊技期間と終末期間は連続するものである。また、複数の単位遊技のうちのいずれかは、特定領域10が開放される特定単位遊技とされているものであるため、特定領域10が開放される期間(特定領域10が進入容易状態または進入困難状態とされる期間)を特定期間(図3(b)参照)とすれば、単位遊技期間に特定期間が含まれる(単位遊技期間の一部は特定期間でもある)ということになる。したがって、終末期間は、特定期間の後に設定される期間であるということもできる。
単位遊技期間(図3(a)~図4(a)参照)は、大入賞口906に遊技球を入賞させることでいわゆる出玉を獲得する期間であるため、大当たり遊技を構成する実質的な部分であるということができる。一方、終末期間(図4(b-1)、(b-2)参照)は、いわゆる出玉を獲得した後の期間であり、大当たり遊技が終了したこと(終了に向かっていること)を示す期間であるといえる。端的にいえば、終末期間は「エンディング」演出用の期間であるといえる。終末期間中は、大当たり遊技が終了したことを示すような画像(以下、終末画像20と称することもある)が表示される。なお、図示しないが、当該終末画像20とともに、大当たり遊技にて得られた出玉数や、いわゆる連チャン回数等を示す利益表示29がなされるようにしてもよい。当然、利益表示29は都度内容が変化するものであり、終末画像20を背景として表示されることになる。本実施形態における終末期間に表示される終末画像20とは、かかる利益表示29のような都度内容が変化しうる部分を除いたものとする。つまり、終末期間に表示される画像の異同は、出玉状況等に応じて内容が変化しうる部分を除いた部分についての異同をいうものとする。
本実施形態では、終末画像20として、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となる場合に表示される終末画像20(通常終末画像20n)(図4(b-1)参照)と、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる場合に表示される終末画像20(特別終末画像20s)(図4(b-2)参照)が設定されている。特別終末画像20sは、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態であることを示すような部分を含むものであること(例えば、「〇〇RUSH突入」(〇〇RUSHは特別遊技状態を指す)といった文字を含む画像とする)が好ましい。また、本実施形態における終末画像20は静止画ではなく、動画である。
本実施形態では、終末期間の長さは一定ではない。具体的には、特定期間において特定領域10が進入困難状態とされたにも拘わらず当該特定領域10に遊技球が進入したとき(以下、単に異常時と称することもある)の終末期間である「異常時終末期間」と、特定期間において特定領域10が進入容易状態とされた上で当該特定領域10に遊技球が進入したとき(以下、単に正常時と称することもある)の終末期間である「正常時終末期間」の長さは異なる。「異常時終末期間」および「正常時終末期間」は、いずれも特定領域10に遊技球が進入した後の終末期間であるため、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となるケースの終末期間であるものの、「正常時終末期間」よりも「異常時終末期間」の方が長く設定されている(図5参照)。
本実施形態では、正常時終末期間の長さは5秒であり、異常時終末期間の長さは10分である。つまり、正常時には、単位遊技期間が終了した後、秒単位で大当たり遊技が終了して特別遊技状態に移行するものの、異常時には、単位遊技が終了した後、分単位の時間が経過しても大当たり遊技が終了せず、特別遊技状態にも移行しない。このように、異常時終末期間は、正常時終末期間よりも極端に長く設定されているため、異常発生(特定期間において特定領域10が進入困難状態とされたにも拘わらず当該特定領域10に遊技球が進入したこと)に遊技店が気付く蓋然性が高まる。
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機1は、異常時終末期間を正常時終末期間よりも長くするという簡便な手法により、進入困難状態であるにも拘わらず遊技球が特定領域10に進入するという事象が発生したことを報知することが可能である。
正常時終末期間および異常時終末期間は、いずれも大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態に移行するものであるため、終末画像20として特別終末画像20s(図4(b-2)参照)が表示されることは共通する。ここで、正常時終末期間の長さをT時間(本実施形態ではT時間=5秒である)とすれば、正常時終末期間においては、T時間の長さの特別終末画像20s(動画)が表示されるということになる。一方、異常時終末期間の長さをU時間(U時間>T時間;本実施形態ではU時間=10分である)とした場合、少なくとも当該期間の開始からT時間が経過するまでは特別終末画像20sが表示されるものとされる。つまり、特別終末画像20sは、正常時終末期間に対応させて作成されたT時間の長さを有する動画であるため、異常時終末期間においてもT時間が経過するまでは当該動画がそのまま表示されるようにする。端的に言えば、正常時終末期間において当該期間の開始から終了までのT時間が経過するまでの間表示される画像の態様と、異常時終末期間において当該期間の開始からT時間が経過するまでの間表示される画像の態様とは同じであるということである。
このようにすることで、特定領域10への遊技球の進入の有無を判別する回路(上位の制御回路)が、表示領域911に表示する画像を制御する画像制御回路(下位の制御回路)に対し、特別終末画像20s(動画)を表示すべき旨の命令(コマンド)送るということは、正常時・異常時のいずれにおいても変わりはないということになる。仮に、異常時のコマンドを正常時のコマンドと異ならせた場合、異常時のコマンドのみを無効化するような不正行為(例えば、異常時のコマンドを無効化するようなICを搭載したハーネスに付け替えるようなゴト行為)により当該コマンドが表示に反映されないようにすることが可能であるところ、本実施形態では当該コマンドの内容は正常時と異常時とで変わりはない(時間Tの特別終末画像20sを表示するというコマンドであって同じである)ため、異常時のコマンドのみを無効化することはできないといった利点がある。つまり、本実施形態にかかる遊技機1に対し、異常時のコマンドを無効化するような不正行為を行うことは、正常時のコマンドも無効化することに繋がるため、不正行為がすぐに露顕してしまう(不正行為を隠蔽することが困難)ということになる。
本実施形態では、異常時終末期間において、当該期間の開始から時間Tが経過すること(すなわち、特別終末画像20sの表示が終了すること)を契機として、表示領域911に異常である旨の表示(以下、異常表示30と称する)がなされる。異常表示30の態様はどのようなものであってもよい。異常表示30の内容を遊技者が把握できなくてもよい。遊技店側が把握できるような内容であればよい。特別終末画像20sに重ねるようにして異常表示30がなされてもよいし、図5に示すように特別終末画像20sが消去された上で異常表示30がなされてもよい。
なお、異常時終末期間において、当該期間の開始から時間Tが経過しても、特別終末画像20sの表示が継続される構成としてもよい。例えば、時間T経過後も、動画である特別終末画像20sがループして出力され続けるような構成としてもよい。また、動画である特別終末画像20sが固まって(フリーズして)静止画となり、当該静止画が表示され続けるような構成としてもよい。
また、特別終末画像20sは静止画であってもよいが、特別終末画像20sが動画である場合に上記のように制御することが、送信されるコマンドを同じにするという観点から特に有効である。
3)以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
異常時終末期間を無限(時間の長さが「∞」である)とする。つまり、正常時終末期間は、所定時間(上記実施形態では5秒)経過により自動的に終了するもの、すなわち有限であるが、異常時終末期間は、所定の解除操作を行わない限り、無限に続くものとする(図6参照)。上記実施形態に則していえば、異常時終末期間においては、所定の解除操作を行わない限り、特別終末画像20sが無限に表示され続けるものとなる。なお、「無限の異常時終末期間は有限の正常時終末期間よりも長い」という関係であるとする。また、上記所定の解除操作は、どのような態様の操作であってもよいが、遊技者が行うことは不可能な操作である(遊技店側が行うことが可能な操作である)とする。
このような構成とすれば、異常時には、異常終末期間が無限に続くことになるから、異常発生を見逃してしまうおそれはほぼない。
なお、異常時であっても、特定領域10に遊技球が進入したことは事実であるから、解除操作が行われたことを契機として、特別遊技状態に移行するものとする。遊技店側は、解除操作時に不正行為がなかったかどうかを確認した上で、そのまま継続して遊技者に遊技させるかどうかを判断すればよい。
〇第二具体例
特定期間において特定領域10が進入容易状態とされたにも拘わらず当該特定領域10に遊技球が進入しなかったときを異常時と、特定期間において特定領域10が進入困難状態とされた上で当該特定領域10に遊技球が進入しなかったときを正常時として、上記実施形態と同様の制御を行ってもよい。つまり、本来であれば特別遊技状態に移行する状況であったにも拘わらず移行しないような状況を異常とし、当該異常が発生したときにおける終末期間(異常時終末期間)の長さを、正常時における終末期間(正常時終末期間)の長さよりも長くする。
このようにすることで、進入容易状態に関して生じた異常(例えば、特定領域10を開閉する開閉部材が動作しない異常等)を簡便に報知することが可能である。
〇第三具体例
異常時終末期間を正常時終末期間よりも長くすることによる異常報知以外の報知が実行されるようにしてもよい。例えば、異常時には、スピーカ50から所定の警告音が出力されるようにする。つまり、異常時には、報知の態様が異なる複数の異常報知が実行されるものとし、そのうちの一つを上記実施形態のようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1
遊技球が進入することが、遊技者に有利な事象の発生の条件となる特定領域と、当否判定結果が当たりとなったときに実行されるものであって、前記特定領域を遊技球が進入容易な進入容易状態とするか進入困難な進入困難状態とする期間を含む特定期間と、当該特定期間の後に設定される終末期間とを含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、前記特定期間において前記特定領域が前記進入困難状態とされたにも拘わらず当該特定領域に遊技球が進入したときの前記終末期間である異常時終末期間は、前記特定期間において前記特定領域が前記進入容易状態とされた上で当該特定領域に遊技球が進入したときの前記終末期間である正常時終末期間よりも長いことを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、異常時終末期間を正常時終末期間よりも長くするという簡便な手法により、進入困難状態であるにも拘わらず遊技球が特定領域に進入するという事象が発生したことを報知することが可能である。
○手段2
前記正常時終末期間において当該期間の開始から終了までのT時間が経過するまでの間表示装置に出力される画像の態様は、前記異常時終末期間において当該期間の開始から前記T時間が経過するまでの間前記表示装置に出力される画像の態様と同じであることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
画像を制御する回路(画像制御手段)に送信されるコマンドを、正常時と異常時で変わらないものとすること(異常時終末期間においてT時間経過まで正常時と同じ画像が表示されるものとすること)で、異常時のコマンドのみを無効化して隠蔽を図ることが困難になる。
○手段3
前記異常時終末期間において当該期間の開始から前記T時間が経過した後、前記表示装置に異常である旨の表示がなされることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
異常時終末期間において時間Tが経過した後(正常時終末期間と同じ画像が表示された後)は、具体的に異常の発生が示されるようにすることも可能である。
○手段4
前記異常時終末期間が設定された場合、遊技者は行うことができない所定の解除操作がなされなければ、当該異常時終末期間が終了しないことを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このように、所定の解除操作がなされない限り異常時終末期間が無限に続くようにすることで、異常の発生が見逃されてしまうことが防止される。
1 遊技機
10 特定領域
20 終末画像(20n通常終末画像、20s特別終末画像)
30 異常表示
91 表示装置
911 表示領域

Claims (1)

  1. 遊技球が進入することが、遊技者に有利な事象の発生の条件となる特定領域と、
    当否判定結果が当たりとなったときに実行されるものであって、前記特定領域を遊技球が進入容易な進入容易状態とするか進入困難な進入困難状態とする期間を含む特定期間と、当該特定期間の後に設定される終末期間とを含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、
    を備え、
    前記特定期間において前記特定領域が前記進入困難状態とされたにも拘わらず当該特定領域に遊技球が進入したときの前記終末期間である異常時終末期間は、前記特定期間において前記特定領域が前記進入容易状態とされた上で当該特定領域に遊技球が進入したときの前記終末期間である正常時終末期間よりも長く、
    前記正常時終末期間において当該期間の開始から終了までのT時間が経過するまでの間表示装置に出力される画像の態様は、前記異常時終末期間において当該期間の開始から前記T時間が経過するまでの間前記表示装置に出力される画像の態様と同じであり、
    前記異常時終末期間において当該期間の開始から前記T時間が経過した後、前記表示装置に異常である旨の表示がなされる
    ことを特徴とする遊技機。
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