JP7108699B2 - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンをキック始動するキックスタート部を備えた車両に好適な車両用エンジンの始動装置に係り、特に、エンジンをキック始動する際のケッチンを防止する車両用エンジン始動装置に関する。
エンジンをキック始動する際、発電機兼始動機を用いた車両(例えばスクータ)であれば、クランク軸が圧縮上死点近傍の位置に到達したときの瞬間エンジン回転数が低く、このタイミングで点火が実行されると、クランク軸が逆転することがある。このような現象は一般に"ケッチン"と呼ばれ、様々な条件が揃うことで稀に発生する。
特許文献1には、エンジンの点火装置に点火指令を出力する所定のクランク角信号とその直前に出力されるクランク角信号の間の時間が所定値以上であるとき、点火指令の出力を禁止するエンジンの点火制御装置において、点火指令が出力される直前の機関回転数と比較されるべき閾値を、機関回転数の低下の始点である下死点近傍の機関回転数に基づいて設定する技術が開示されている。
特許文献1によれば、機関回転数の低下の度合いを正確に反映した判定に基づいてケッチンが発生するか否かを判断することができるので、ケッチンが発生するか否かを精度良く判断でき、結果としてケッチンの発生をより効果的に防止できる。
特許第5148530号公報
特許文献1では、クランク軸の下死点近傍におけるクランク軸の回転数が所定値以下の場合には、点火制御しない構成となっている。しかしながら、実際にケッチンが生ずるのか否かは圧縮上死点近傍におけるクランク軸速度を計測する必要があり、必要な対応が望まれる。
また、特許文献1ではクランク軸の回転数をセンサで計測する構造をとるため、クランク軸の回転数を検知する専用センサを設けなければならない。そのため、構造が複雑化し、組み立て工数の増加や車重の増加を招き、ひいてはコストアップにもつながるという課題があった。
一方、エンジンの燃料ガスが点火されて燃焼指圧が発生すると、これがエンジンのクランキングトルクに対する抗力となる。そのため、クランク角度が圧縮上死点(TDC)を超えるよりも前に燃焼指圧が発生すると、エンジンのクランキングトルクが燃焼指圧に抗しきれずにケッチンが発生し得る。したがって、燃焼指圧が発生するよりも前にクランク角度がTDCを超えるようなタイミングでエンジン点火を実行することが望ましい。
ここで、発明者等の実験結果によれば、エンジンの燃焼指圧は点火コイルにより燃料ガスが点火されても直ぐには上昇せず、一定の遅れ時間後に上昇を開始することが確認され、さらにこの遅れ時間が略一定値を示すことが判明した。
本発明の第1の目的は、上記の技術課題を解決し、クランク軸の回転数を検知する専用センサを設けることなく、簡単な構造でケッチンを防止できる車両用エンジン始動装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記の技術課題を解決し、エンジンの燃焼指圧がエンジン点火から一定の遅れ時間後に上昇し始めることを考慮して、ケッチン防止に固有の点火タイミングを設定する車両用エンジン始動装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンのクランク軸に連結されて同期回転する発電機兼始動機と、エンジンをキックスタートさせるキックスタート部と、エンジンを点火させる手段とを具備したエンジン始動装置において、以下の手段を更に具備した点に特徴がある。
(1) 発電機兼始動機の回転角度を代表するステージを判別する手段と、ステージの変化に基づいてエンジンの逆転を検知する手段と、エンジンの逆転が検知されるとエンジンの点火を禁止する手段とを具備した。
(2) 発電機兼始動機が3相ブラシレスモータであり、前記ステージを判別する手段は、U,V,Wの各相の検出値に基づいてステージを判別するようにした。
(3) 発電機兼始動機にロータセンサが取り付けられ、ロータセンサの出力の状態によって発電機兼始動機の各相の電流の向きを判別するようにした。
(4) モータステージに基づいてクランク軸が圧縮上死点近傍の所定の角度範囲にあるか否かを判別する手段と、クランク軸が所定の角度範囲にあるときの発電機兼始動機の回転数に基づいてエンジンの点火を禁止する点火禁止手段とを具備した.
(5) 回転数を瞬間回転数とした。
(6) 圧縮上死点近傍の所定の角度範囲を圧縮上死点手前とした。
(7) 所定の角度範囲が点火タイミング前であり、点火禁止手段は、当該角度範囲の通過時間、および点火タイミングから指圧が上昇するまでの着火遅れ時間に基づいてエンジンの点火を禁止するようにした。
(8) 着火遅れ時間を定数とした。
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1) 本発明は、エンジンのクランク軸に連結されて同期回転する発電機兼始動機と、エンジンをキックスタートさせるキックスタート部と、エンジンを点火させる手段とを具備したエンジン始動装置において、発電機兼始動機の回転角度を代表するステージを判別する手段と、ステージの変化に基づいてエンジンの逆転を検知する手段と、エンジンの逆転が検知されると前記点火を禁止する手段とをさらに具備した。したがって、本発明によれば、クランク軸の角度を検知する専用センサを別途に設けることなく、クランク軸の逆転を検知することが可能となり、これによりケッチンの発生する可能性の高い状況を認識できるようになるので、ケッチンを簡単かつ安価な構成で防止できるようになる。
(2) 本発明では、発電機兼始動機が3相ブラシレスモータであり、前記ステージを判別する手段は、ロータセンサにおけるU,V,Wの各相の検出値(H/L)に基づいて判別する。したがって、本発明によれば、クランク軸の角度を検知する専用センサを別途に設けることなく、ステージの変化を監視するだけで、ケッチンの発生する可能性の高い状況を認識できるようになる。
(3) 本発明では、発電機兼始動機にロータセンサが取り付けられ、前記ロータセンサの出力の状態によって前記発電機兼始動機の各相の電流の向きを判別する。したがって、本発明によれば、3相ブラシレスモータの各相に流れる電流の向きを簡単に検知できるようになる。
(4) 本発明は、モータステージに基づいてクランク軸が圧縮上死点近傍の所定の角度範囲にあるか否かを判別する手段と、クランク軸が所定の角度範囲にあるときの発電機兼始動機の回転数に基づいてエンジンの点火を禁止する点火禁止手段(803)とを具備した。したがって、本発明によれば、圧縮上死点近傍におけるクランク軸の速度に基づいてエンジン点火の許可または禁止を決定することができ、エンジンの状態に応じて適切なタイミングで点火を行うことができるので、所謂ケッチンを防止することが期待できる。
(5) 本発明では、回転数を瞬間回転数としたので、瞬間回転速度に基づいて点火するか否かを判断することができ、ケッチンの防止をより一層期待できる。
(6) 本発明では、圧縮上死点近傍の所定の角度範囲を圧縮上死点手前としたので、正転中のエンジン点火でもケッチンが発生しうる角度範囲での回転数を正確に計測することが可能となり、計測結果に基づいて、正転中のエンジン点火によるケッチンの発生を効果的に防止することが期待できる。
(7) 本発明では、所定の角度範囲が点火タイミング前であり、点火禁止手段は、当該角度範囲の通過時間、および点火タイミングから指圧が上昇するまでの着火遅れ時間に基づいてエンジンの点火を禁止するようにした。したがって、本発明によれば、より一層ケッチンが生じやすい状況を把握しやすくなる。
(8) 本発明では、着火遅れ時間を定数としたので、着火遅れ時間の都度の算出処理が不要となる。
本発明の一実施形態に係る二輪車の側面図である。 エンジンの側面断面図である。 エンジンの断面図である。 エンジンのアイドルストップ制御系の概略ブロック図である。 アイドルストップ許可判定制御のフローチャートである。 アイドルストップ制御のフローチャートである。 コンビネーションメータの正面図である。 ケッチン防止部(80B)の機能ブロック図である。 相電流に基づいてステージを判別する方法を示した図である。 相電流の組み合わせとステージとの関係を示した図である。 点火制御のタイムチャートである。 点火制御の手順を示したフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るケッチン防止装置を備えた二輪車の側面図であり、図2は、当該二輪車に搭載されたエンジンの断面図である。
車体フレームは、ヘッドパイプ2から後方斜め下向きにメインフレーム3が1本延出し、メインフレーム3の後端部に左右一対のピボットプレート4,4が下方に垂設され、メインフレーム3の後部から後方斜め上向きに左右一対のリヤフレーム5,5が延び、メインフレーム3とリヤフレーム5,5との間にサブフレーム6,6が架設されている。ヘッドパイプ2には、ハンドル7がフロントフォーク8を操舵自在に取り付けられ、フロントフォーク8の下端に前輪9が軸支されている。
ピボットプレート4にはスイングアーム11がピボット軸10で前端を軸支されて上下に揺動自在に連結され、同スイングアーム11の後端に後輪12が軸支されている。このスイングアーム11と上方のリヤフレーム5との間にリヤクッション13が介装されている。左右一対のリヤフレーム5,5の前部に収納ボックス14が取り付けられ、この収納ボックス14からリヤフレーム5,5の後部にかけて燃料タンク15が支持され、この収納ボックス1および燃料タンク15の上に開閉自在にシート16が取り付けられている。
メインフレーム3の中央より後部寄りから下方に突設されたエンジンハンガー17とピボットプレート4に支持されてエンジン20が懸架されている。エンジン20は、4ストロークサイクル1気筒の空冷式エンジンであり、遠心クラッチ51を備えている。
エンジン20は、クランク軸40を左右方向に指向させた横置き姿勢で、前方へ略水平にシリンダを配置して車体フレームに搭載されている。すなわち、クランクケース21から前方にシリンダブロック22,シリンダヘッド23,シリンダヘッドカバー24が順に重ねられて突出している。
クランクケース21の後部にミッション室から出力軸であるカウンタ軸73が左方に突出し、その端部にドライブスプロケット26が嵌着され、後輪12の車軸に嵌着されたドリブンスプロケット27との間にドライブチェーン28が巻き掛けられ、エンジン20の動力が後輪12で伝達されるようになっている(図参照)。
前方へ略水平に配置されたシリンダヘッド23の上面からは吸気管30が上方に延出し、同吸気管30は燃料噴射弁95を一体に備えるスロットルボディ31を介してメインフレーム3に取り付けられたエアクリーナ32に接続されている。シリンダヘッド23の下面から下方へ延出する排気管33は、屈曲して後方に延び、クランクケース21より後方で車体右側に配置されたマフラ34に接続されている。
図3を参照して、エンジン20は、クランク軸40がクランクケース21に左右一対の主軸受41,41を介して回転自在に支持され、シリンダブロック22のシリンダボア内に摺動自在に嵌合されたピストン42の往復動が、コンロッド43を介してクランク軸40の回転動に変換される。ピストン42の頂面がシリンダヘッド23の天井面との間に形成する燃焼室23aには、シリンダヘッド23の天井壁に嵌入された点火プラグ44が先端の電極を臨ませている。
クランク軸40の左側主軸受41から左方に延びる左軸側部には、主軸受41側から左方に向かって駆動スプロケット45、ドリブンギヤ46、スタータモータおよびジェネレータの機能を兼ね備えた始動機兼発電機としてのACGスタータモータ48が順次設けられる。クランク軸40と一体に結合された駆動スプロケット45と、シリンダヘッド23に回転自在に支持された動弁系のカム軸35に一体に嵌着されたカムスプロケット36との間には、タイミングチェーン38が巻き掛けられて、カム軸35がクランク軸40の1/2の回転数で回転駆動され、カム軸35の吸気カム35iと排気カム35eに各々接して揺動する吸気ロッカアーム38iと排気ロッカアーム38eが吸気バルブ39iと排気バルブ39eを所定のタイミングで開閉駆動してエンジン20の吸排気を行う。
クランク軸40にニードル軸受を介して回転自在に軸支されたドリブンギヤ46は、一方向クラッチ47を介してクランク軸40に一体に結合されたACGスタータモータ48のアウタロータ48rに連結される。ACGスタータモータ48のインナステータ48sは、ジェネレータカバー49に固定支持されている。
一方、クランク軸40の右側主軸受41から右方に延びる右軸側部には、右端部に発進用の遠心クラッチ51が設けられ、遠心クラッチ51と主軸受41との間に筒状部材56が回転自在に軸支される。
遠心クラッチ51は、クランク軸40と一体に回転するドライブプレート52と、ドライブプレート52の外側に位置して筒状部材56と一体に回転する椀状のクラッチアウタ53とを有し、ドライブプレート52に固定された3つの支持軸52aには、3つの遠心ウェイトからなるクラッチシュー54が、それぞれ揺動自在に支持され、外側面に摩擦材からなるライニングを有する各クラッチシュー54は、クラッチシュー54の重心が支持軸52aの位置よりもクランク軸40の回転方向で遅れ側に位置するように配置されて、クランク軸40の回転とともに旋回して遠心力によりクラッチスプリング(図示せず)に抗して径方向外側に揺動し、所定の回転数を越えると、クラッチシュー54がクラッチアウタ53に接して摩擦力により遠心クラッチ51が接続する。
筒状部材56の左端には駆動ギヤ57が一体に形成されている。したがって、クランク軸40の回転は、所定の回転数を越えるまでは、遠心クラッチ51が切断状態で下流の筒状部材56以降に伝達されないが、所定の回転数を越えると、遠心クラッチ51が接続して筒状部材56および駆動ギヤ57に伝達される。
駆動ギヤ57と噛合する被動ギヤ58は、ギヤ常時噛み合い式の多段変速機70のメイン軸71に回転自在に支持され、該被動ギヤ58は、メイン軸71の、クランクケース21から右方に突出した右端部に設けられた変速クラッチ60のクラッチアウタ61にダンパを介して駆動連結される。
変速クラッチ60は、運転者により操作されるリレーズ機構により摩擦接合または接合解除がなされる多数のクラッチ板を有する摩擦式多板クラッチであり、多数のクラッチ板がスプリング力により摩擦接合したとき、クラッチアウタ61のトルクが、メイン軸71と一体に結合されたクラッチインナ62に伝達されて、変速クラッチ60が接続状態となり、多数のクラッチ板の摩擦接合が解除されたとき、クラッチアウタ61からクラッチインナ62へのトルクの伝達が断たれて、変速クラッチ60が切断状態となる。
クランクケース21内でクランク軸40の後方に配置される多段変速機70は、マニュアル変速機であり、メインギヤ群72が軸支されたメイン軸71およびカウンタギヤ群74が軸支されたカウンタ軸73を備え、変速操作機構によりシフトドラム79(図2参照)が回転されると、シフトドラム79のカム溝に係合したシフトフォーク(図示せず)が支持軸上のシフタギヤを左右方向に適宜移動して、隣り合うギヤと係合して変速操作に対応したメインギヤ群72の1ギヤとカウンタギヤ群74の1ギヤとの噛み合いが有効に動力を伝達するように選択されて変速が行われる。カウンタ軸73が出力軸であり、クランクケース21を左方に貫通した左端にドライブスプロケット26が嵌着されている。
なお、カウンタ軸73の近傍にカウンタ軸73と平行にキック軸75がクランクケース21に回転自在に軸支され、キック軸75の回動は、該キック軸75のドグクラッチ76を介してカウンタ軸73に回転自在に軸支されたアイドルギヤ77を経てメイン軸71に形成されたギヤ78に伝達され、さらに変速クラッチ60を介してクランク軸40まで伝達されて、エンジン20がキック操作で始動できる。
図2および図3を参照して、カウンタギヤ群74の後方を覆うクランクケース21の後壁21bには、カウンタギヤ群74のうち左端のカウンタ軸73と一体に回転する変速被動ギヤ74aの後方箇所に車速センサ82が取り付けられている。車速センサ82は、検出部を変速被動ギヤ74aの歯に対向させて、後壁21bに突設されている。
そのため、図2に示すように、左右一対のピボットプレート4,4を連結するガセット4c(図2の破線部)は、エンジン取付部とともに、車速センサ82を避けるように凹部を形成して斜め上後方からひさし状に覆い、車速センサ82を保護している。
図4は、以上のように概ね構成された二輪車におけるアイドルストップおよびケッチン防止の各機能を説明するためのブロック図であり、エンジン20は、ECU(エンジン制御ユニット)80により制御される。ECU80は、アイドルストップ制御部80Aおよびケッチン防止部80Bを含む。
ECU80には、車速センサ82により検出された車速V、エンジン回転数センサ83により検出されたクランク軸40の回転数であるエンジン回転数NE、スロットル開度センサ84により検出されたスロットル弁の開度であるスロットル開度θ、油温センサ85により検出された潤滑油の油温T、シフトポジションセンサ86により検出された多段変速機70のシフトポジションSP、その他のエンジン20の運転状態を示す検出情報が入力される。
さらに、ECU80には、スタートスイッチ91やアイドルストップスイッチ92などの運転者が操作するスイッチ類の操作情報も入力される。スタートスイッチ91は、エンジン20を始動するときに操作される。アイドルストップスイッチ92は、運転者がアイドルストップの実行を希望するときにはオンとされ、アイドルストップは不要とするときにオフとされるものである。
ECU80は、スロットルボディ31に一体に設けられた前記燃料噴射弁95、スロットルボディ31の内部のスロットル弁96、点火プラグ44および前記ACGスタータモータ48、その他機器を駆動制御する。
次いで、アイドルストップ制御部80Aによるアイドルストップ制御について、図5および図6のフローチャートに従って説明する。
図5に示すアイドルストップ(IS)許可判定ルーチンにおいて、ステップS1では、アイドルストップを許可するアイドルストップ許可モードに入っているか否かの判定を行う。本実施形態では、アイドルストップスイッチ92に基づいてアイドルストップが許可されているか否かを判別する。アイドルストップスイッチ92がオフ状態であればステップS5に進み、アイドルストップ許可を解除状態としてアイドルストップ許可フラグFを「0」とする。アイドルストップスイッチ92がオン状態であればステップS2に進む。
ステップS2では、油温Tが45度以上か否かを判別し、45度未満であれば、ステップS5へ進んでアイドルストップ許可解除状態としてアイドルストップ許可フラグFを「0」とする。油温Tが45度以上であればステップS3に進む。
ステップS3では、車速Vが10Km/h以上か否かを判別し、10Km/h未満のときは、ステップS5へ進んでアイドルストップ許可解除状態としてアイドルストップ許可フラグFを「0」とする。車速Vが10Km/hであればステップS4に進み、アイドルストップ許可モードとしてアイドルストップ許可フラグFに「1」を立てる。
本実施形態では、ステップS1において、運転者がアイドルストップを要求しているかを判別し、ステップS2,S3では、二輪車が停車しようとしている状態にあるかを判別する。その結果、アイドルストップを希望してアイドルストップスイッチ92がオンにしていて、停車しようとしている状態にあるときにのみアイドルストップを許可し、アイドルストップ許可フラグFを「1」とする。
図6に示すアイドルストップ制御ルーチンでは、ステップS11でアイドルストップ許可モードになっているかを、アイドルストップ許可フラグFから判別する。アイドルストップ許可解除状態であれば(F=0)、アイドルストップを実行せずに本ルーチンを抜けてステップS11へ戻り、上記の各処理が繰り返される。アイドルストップ許可モードであれば(F=1)、ステップS12に進む。
ステップS12では、車速Vが3Km/h未満(0Km/hも含む)か否かを判別し、3Km/h以上であれば、アイドルストップを実行せずに本ルーチンを抜ける。車速Vが3Km/h未満であればステップS13に進み、エンジン回転数NEがアイドル回転数であるか否かを判別する。アイドル回転数でなければ、アイドルストップを実行せずに本ルーチンを抜ける。エンジン回転数NEがアイドル回転数であればステップS14に進む。
ステップS14では、シフトポジションSPがニュートラルになったか否か、すなわちニュートラルにギヤチェンジされたか否かを判別し、ニュートラルにギヤチェンジされていなければ、アイドルストップを実行せずに本ルーチンを抜ける。ニュートラルにギヤチェンジされていればステップS15に進み、ニュートラルにギヤチェンジされてから0.5秒が経過したかを判別する。0.5秒経過するまでは本ルーチンを抜け、0.5秒経過したときにステップS16に進む。ステップS16では、点火プラグ44の点火および燃料噴射弁95の燃料噴射を禁止するなどしてアイドルストップが実行される。
ステップS11ないしステップS16の制御は、アイドルストップ許可モードであることを前提として、車速Vが3Km/h未満(0Km/hも含む)であって、エンジン回転数NEがアイドル回転数にあれば停車または停車寸前と判断し、このときに、ニュートラルにギヤチェンジされると、僅か0.5秒後にアイドルストップを実行するものである。
本実施形態によれば、運転者がニュートラルにギヤチェンジする意図的な操作により、信号の継続を確認するような予定時間の経過を待たず、0.5秒という極めて短い時間でアイドルストップに入るため、アイドルストップする前のアイドル時間を極力短くして燃料消費を抑えることができる。
アイドルストップは、多段変速機がニュートラルにギヤチェンジされてから0.5秒後に実行されるので、ニュートラルにギヤチェンジして即時にアイドルストップするよりも、運転者にとって違和感なく、より自然な感覚でアイドルストップに入ることができる。
なお、ニュートラルにギヤチェンジして即時にアイドルストップすることによる違和感は微妙な感覚なので、ニュートラルにギヤチェンジされてから0.5秒を待たずに、即時にアイドルストップに入るようにしてもよい。
また、運転者のニュートラルに入れる意図した操作でアイドルストップに入るので、停車後すぐに発進したいときは、ニュートラルにギヤチェンジしなければよく、意図せずにアイドルストップになって再始動のために時間を要するような事態は避けることができる。
ステップS16でアイドルストップが実行された後はステップS17に進み、シフトポジションSPがニュートラル以外のインギヤにギヤチェンジされたか否かを判別する。インギヤにギヤチェンジされず、ニュートラル状態のままであれば、本ルーチンを抜けてアイドルストップ状態が維持される。
ステップS17で、インギヤにギヤチェンジがなされたと判別されると、ステップS18に進み、スロットル開度θが閉状態にあるか否かを判別する。スロットル開度θが閉状態にあればステップS19に進み、エンジン20を自動始動して本ルーチンを抜ける。
アイドルストップに入るときには、既に遠心クラッチ51は切断状態にあるので、アイドルストップ後、多段変速機70のシフトポジションSPがニュートラル以外のインギヤにギヤチェンジされた直後に、エンジン20が自動始動したとしても発進したい。したがって、簡単な構成で支障なく自動始動することができる。
運転者によるギヤチェンジという意図した操作によりアイドルストップに入り、かつギヤチェンジという意図した操作によりエンジン20の自動始動を行うことになるので、運転者の意思に沿ったアイドルストップ制御を行うことができる。
また、本実施形態では、インギヤにギヤチェンジがなされ(ステップS17)、ステップS18でスロットル開度θが閉状態でなく開状態にあると判別されるとステップS20へ進み、アイドルストップ許可フラグFを「0」としてアイドルストップ許可モードを解除し、更にステップS21に進んでエンジン20の自動始動を禁止して本ルーチンを抜ける。
したがって、アイドルストップ後に、二輪車1の発進を防止することができ、アイドルストップ許可状態を解除することで、アイドルストップでない通常のエンジンの停止状態とすることができる。
エンジン20の自動始動を禁止された状態では、アイドルストップ許可状態が解除されており、アイドルストップでない通常のエンジン20の停止状態にあるため、スタートスイッチ91またはキックペダルによる始動操作によってエンジン20が始動できる。
以上の実施の形態とは別に、アイドルストップ制御ルーチンにおいて、ステップS13のエンジン回転数NEがアイドル回転数であるか否かの判別とステップS14のシフトポジションSPがニュートラルになったか否かの判別を、スロットル開度θが閉状態か否かの判別に変更してシフトポジションの判別はせず、スロットル開度θが開状態であれば本ルーチンを抜け、スロットル開度θが閉状態でステップS15に進むようにしてもよい。
この場合、ステップS15の0.5秒経過の判別を3秒経過の判別に変更してもよい。3秒経過後は、シフトポジションがいずれのギヤであっても、アイドルストップに入り、アイドルストップ中は、噴射カットし、ヘッドライトを減光し、アイドリングストップインジケータを点灯するようにしてもよい。
また、前記実施の形態のアイドルストップ制御ルーチンにおけるステップS13とステップS14との間に、スロットル開度θが閉状態か否かの判別を追加して、スロットル開度θが開状態であれば本ルーチンを抜け、スロットル開度θが閉状態でステップS15に進むようにしてもよい。
そして、アイドルストップ中に、スロットル開度θが開くと、スタータリレーをオンしてエンジンを自動始動し、ヘッドライトの減光を解除し、スタンバイインジケータをオフとする。
また、サイドスタンドスイッチを設け、サイドスタンドが起立した状態になったら、アイドルストップに入り、サイドスタンドが倒伏して格納状態になると、エンジンを自動始動するようにしてもよい。以上の種々のアイドルストップ制御を切換えスイッチにより選択できるようにしてもよい。
図7には、二輪車のハンドルカバーに設けられるコンビネーションメータ100が図示されている。
コンビネーションメータ100は、中央に円形に大きく占めているのがアナログスピードメータ101であり、その周囲に各種インジケータが配置されている。コンビネーションメータ100の左半部にアナログスピードメータ101の外周に沿ってニュートラルインジケータ102、1速インジケータ103、2速インジケータ104等が配置され、右半部にアナログスピードメータ101の外周に沿って3速インジケータ105、4速インジケータ106およびアイドルストップスイッチのオン・オフ状態を示すアイドルストップ許可インジケータ107等が配置されている。
前記シフトポジションがいずれのギヤであっても、アイドルストップに入ることができるアイドルストップ制御の場合、アイドルストップスイッチがオン状態で、図7のコンビネーションメータ100のアイドルストップ許可インジケータ107が点灯しており、多段変速機が3速(または4速)レンジにあって3速インジケータ105が点灯しているときに、アイドルストップに入ると、1速インジケータ103と2速インジケータ104が点滅するようになっている。
多段変速機が3速(または4速)レンジにあるときは、アイドルストップに入るのは、適切ではなく、1速インジケータ103と2速インジケータ104を点滅させて、発進トルクを確保し易い1速または2速へシフトダウンをするように、運転者に注意を喚起させるものである。
図8は、前記ケッチン防止部80Bの構成を示した機能ブロック図であり、モータステージ判別部801,逆転検知部802および点火禁止部803を主要な構成としている。
モータステージ判別部801は、ACGスタータモータ48の各相に流れる電流の向きに基づいて当該ACGスタータモータ48の角度範囲をモータステージ(MSTAGE)として判別する。本実施形態では、ACGスタータモータ48として3相交流モータを採用し、図9、10に示したように、U,V,Wの各相を流れる電流の向きの組み合わせに基づいてモータステージが第0ステージから第5ステージのいずれかに判別される。
本実施形態では、ACGスタータモータ48のインナロータに装着された永久磁石を検知するためのロータセンサとして、例えば複数のホール素子を備え、各相を流れる電流の向きがホール素子の出力信号として検知される。そして、例えばU相がLoレベル、V相およびW相がいずれもHiレベルであれば、モータステージは「0」と判別される。同様に、例えばU相がHiレベル、V相およびW相がいずれもLoレベルであれば、モータステージは「3」と判別される。
逆転検知部802は、モータステージの変化に基づいて、クランク軸40の回転方向が正転から逆転に転じたことを検知する。本実施形態では、正転時にはモータステージが0→1→2→3→4→5→0と変化するところ、逆転時には3相のうち2相で電流の向きが入れ替わるため、モータステージが例えば2→3→4→5→4→3→2と変化する。前記逆転検知部802は、モータステージがこのような逆転時に固有の変化を示すと、ACGスタータモータ48の回転方向すなわちエンジンの回転方向が正転から逆転に転じたと判断する。
点火禁止部803は、エンジンが正転する限りは通常の点火タイミングでエンジン点火を実施し、前記逆転検知部802により逆転が検知されるとエンジン点火を禁止する。
図11は、ACGスタータモータ48のモータステージおよび回転数に基づいてエンジン点火の方法および要否を決定する点火制御のタイムチャートであり、図12は、その制御手順を示したフローチャートである。
ステップS31では、各ロータセンサの出力信号が取得される。ステップS32では、前記モータステージ判別部801により、各ロータセンサの出力信号の組み合わせに基づいて、ACGスタータモータ48の現在のモータステージが判別される。ステップS33では、今回のエンジン点火タイミングを演算点火タイミングおよび固定点火タイミングのいずれとするかを決定するモータステージに到達したか否かが判断される。
本実施形態では、エンジンの圧縮上死点(TDC)の手前50°に相当するモータステージが点火タイミング決定ステージであり、時刻t1において、モータステージが点火タイミング決定ステージであるとステップS34へ進む。
ステップS34では、TDC手前50°から40°までの角度範囲での回転数NEが瞬間回転数NEaとして計測される。本実施形態では、第31モータステージが当該角度範囲に相当するので、第31モータステージにおける回転数が瞬間回転数NEaとして計測される。ステップS35では、瞬間回転数NEaが所定の基準回転数NErefと比較され、NEa<NE refでなければ所定の演算点火処理へ進む。
これに対して、NEa<NE refであればステップS36以降へ進む。なお、前記ステップS33において、現在のモータステージが点火タイミング決定ステージではないと判断された場合も、同様にステップS36以降へ進む。
ステップS36では、前記ステップS32におけるステージ判別の結果に基づいて、現在ステージが今回の点火コイルへの通電開始タイミングであるか否かが判断される。図11の時刻t2において、今回通電開始タイミングと判断されると、ステップS43へ進んで点火コイルへの通電が開始/継続される。
一方、前記ステップS36において、今回通電開始ステージではないと判断されるとステップS37へ進み、点火コイルを点火する今回点火ステージであるか否かが判断される。本実施形態では、固定点火の点火タイミングがTDC手前10°に設定されており、時刻t3において、モータステージが当該角度に対応した第35ステージに到達すると、今回点火ステージと判断してステップS38へ進む。
ステップS38では、前記逆転検知部802により、モータステージの変化に基づいてエンジンが逆転しているか否かが判断される。モータステージが逆転時に固有の変化を示していれば、ステップS41へ進んで今回のエンジン点火が中止される。エンジンが逆転していないと判断されるとステップS39へ進み、TDC直近ステージ(本実施形態では、TDC手前10°から20°の第34モータステージ)の通過時間Δtが計測される。ステップS40では、前記直近ステージの通過時間Δtがケッチン判定閾値Δtrefと比較される。
本発明者等の実験によれば、エンジン点火から燃料指圧が実際に上昇し始めるまでの着火遅れ時間Δdはほぼ一定であり、ケッチンを発生させないためには、点火指圧が上昇し始める前の着火遅れ時間Δd内にクランク角度がTDCを超えることが望ましい。そこで、本実施形態では前記ケッチン判定閾値Δtrefを前記着火遅れ時間Δdに設定する。そして、点火タイミングとなるTDC手前10°からTDCに到達するまでの通過時間Δtをケッチン判定閾値Δtrefと比較し、Δt<Δtrefであれば、ケッチンの発生する可能性が低いので、ステップS42へ進んで固定点火が実行される。これに対して、Δt≧Δtrefであれば、ケッチンの発生する可能性が低くないのでステップS41へ進み、前記点火禁止部803により今回のエンジン点火が禁止される。
なお、前記ステップS40の判断はエンジン回転数に基づいて行っても良い。例えば、点火タイミングがTDC手前10°であり、着火遅れ時間Δdが2.5ms固定の場合、点火タイミングからTDCまでの10°を2.5msで通過できるエンジン回転数は666.7rpmとなる。したがって、TDC手前10°での瞬間エンジン回転数が670rpm未満であれば点火を禁止し、670rpm以上であれば点火を許可する、という制御に代替できる。
1…二輪車、2…ヘッドパイプ、3…メインフレーム、4…ピボットプレート、5…リヤフレーム、8…フロントフォーク、20…エンジン、40…クランク軸、41…主軸受、42…ピストン、48…ACGスタータモータ、51…遠心クラッチ、80…ECU、80A…アイドルストップ制御部、80B…ケッチン防止部、82…車速センサ、83…エンジン回転数センサ、84…スロットル開度センサ、85…油温センサ、86…シフトポジションセンサ、91…スタートスイッチ、92…アイドルストップスイッチ、95…燃料噴射弁、96…スロットル弁

Claims (9)

  1. エンジンのクランク軸に連結されて同期回転する発電機兼始動機(48)と、
    エンジンをキックスタートさせるキックスタート部(75)と、
    エンジンを点火させる手段(44)とを具備した車両用エンジン始動装置において、
    前記発電機兼始動機(48)の回転角度を代表するモータステージを判別する手段(801)と、
    前記モータステージに基づいてクランク軸が圧縮上死点近傍の所定の角度範囲にあるか否かを判別する手段と、
    前記クランク軸が前記所定の角度範囲にあるときの前記発電機兼始動機(48)の回転数に基づいてエンジンの点火を禁止する点火禁止手段(803)とを具備し、
    前記所定の角度範囲が点火タイミング前であり、前記点火禁止手段(803)は、当該角度範囲の通過時間判定閾値(Δtref)以上であるとエンジンの点火を禁止することを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  2. 前記回転数が瞬間回転数であることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン始動装置。
  3. 前記圧縮上死点近傍の所定の角度範囲が圧縮上死点手前であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エンジン始動装置。
  4. 前記判定閾値(Δtref)が、点火タイミングから指圧が上昇するまでの着火遅れ時間(Δd)であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用エンジン始動装置。
  5. 前記着火遅れ時間(Δd)が定数であることを特徴とする請求項4に記載の車両用エンジン始動装置。
  6. 前記着火遅れ時間(Δd)が2.5 msであることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用エンジン始動装置。
  7. 前記モータステージの変化に基づいてエンジンの逆転を検知する手段(802)を具備し、
    前記点火禁止手段(803)は更に、エンジンの逆転が検知されるとエンジンの点火を禁止することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用エンジン始動装置。
  8. 前記発電機兼始動機(48)が3相ブラシレスモータであり、
    前記モータステージを判別する手段(801)は、U,V,Wの各相の検出値の組み合わせに基づいてモータステージを判別することを特徴とする請求項7に記載の車両用エンジン始動装置。
  9. 前記発電機兼始動機(48)にロータセンサが取り付けられ、
    前記モータステージを判別する手段(801)は、前記ロータセンサの出力の状態によって前記発電機兼始動機(48)の各相の電流の向きを判別することを特徴とする請求項8に記載の車両用エンジン始動装置。
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