JP7108231B2 - 回転角度検出装置及び電動機駆動システム - Google Patents
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Description
レゾルバには、励磁コイルがロータと一体的に回転するものや、励磁コイル及び検出コイルの両方をステータ側に配置したものなど、各種の構造があるが、何れにしても、検出コイルに鎖交する磁束の周期的変化をレゾルバ信号Vsin,Vcosとして検出し、その振幅(ピーク値)から回転角度θを検出している。
同図において、11は直流電源、12はコンデンサ、15はインバータの入力電圧Vinvを検出する電圧検出器、S1~S6はインバータを構成する半導体スイッチング素子、G1~G6はゲート駆動回路、16v,16wはインバータのV相及びW相出力電流iv,iwをそれぞれ検出する電流検出器、60は発電動機MGに取り付けられたレゾルバ、50Aはインバータ制御部、g1~g6は駆動信号である。
従来では、励磁信号Vrefの周波数は固定されているのが一般的であるが、特許文献1では、上述したスイッチング周波数成分のノイズがレゾルバ信号Vsin,Vcosに重畳されるのを防ぐため、インバータ制御部50Aが、励磁信号Vrefの周波数をインバータのスイッチング周波数に対してずらすことにより、レゾルバ信号Vsin,Vcosへのノイズの重畳を抑制して回転角度検出精度を高めている。
しかし、レゾルバの変換比(励磁信号Vrefとレゾルバ信号Vsin,Vcosとの振幅比)には個体差があり、温度変化や経年変化等によって各信号の振幅が変化すると、S/Nの悪化による角度検出精度の低下や信号処理回路の入力範囲からの逸脱を招き、検出異常の原因になる。
従って、角度検出精度を向上させるためには、励磁信号Vrefやレゾルバ信号Vsin,Vcosの振幅を適切に調整可能であることが求められている。
図13は、この位相検出装置の構成図である。同図において、71は、レゾルバ等による角度検出信号(位相検出信号)SIG1,-SIG1に基づいて、振幅の増幅率が異なる増幅信号a1~anと基準信号ref1とを生成する増幅部、71a,71b,71c,71dは比較器、72は基準値生成部、72aは基準信号ref1のピーク値を検出するレベル検出部、72bは上記ピーク値を基準レベルとして出力する基準レベル出力部、73は増幅信号a1~anと前記基準レベルとを比較する複数の比較器からなる比較部、74は比較部73の出力から回転角度(位相差)を得る位相情報取得部である。
この従来技術では、位相情報取得部74が、増幅信号a1~anと前記基準レベルとが一致するときの比較部73の出力に基づいて回転角度を検出している。
また、特許文献2に記載された従来技術では、角度検出信号の振幅を増幅する増幅部として多数の比較器や抵抗が必要であるため、部品数が多く、回路構成の複雑化や高コスト化を招くという問題があった。
前記励磁信号の励磁周波数を調整する機能と、前記第1,第2のレゾルバ信号をAD変換して取り込んだ信号から前記回転角度を演算する機能と、を少なくとも有するレゾルバ制御回路と、
前記励磁周波数に応じて、前記励磁信号の振幅を調整する振幅調整手段と、
を備え、
前記レゾルバ制御回路は、前記励磁周波数を増減させることによって前記第1,第2のレゾルバ信号をAD変換するタイミングを調整する機能を備えたことを特徴とする。
前記電動機が車両駆動用の電動機であることを特徴とする。
図1において、11は直流電源、12はコンデンサ、13は開閉器、14はリアクトル、20はコンバータ、21は半導体スイッチング素子Q11,Q12が直列接続された上下アーム部、30はU相アーム部30u、V相アーム部30v、W相アーム部30wを備えたインバータ、40は直流中間回路のコンデンサ、50はインバータ制御部、60は電動機Mに取り付けられたレゾルバである。なお、各相のアーム部30u,30v,30wは、半導体スイッチング素子Q1,Q2をそれぞれ直列接続して構成されている。
図2は、インバータ制御部50の第1実施例を示すブロック図である。図2において、レゾルバ制御回路51はCPU等により構成され、所定周波数の矩形波信号を生成してディジタル出力端子DOから出力する。上記の矩形波信号は、請求項に記載した振幅調整手段を構成するフィルタ回路52に入力されて正弦波信号に変換される。この正弦波信号は後続の増幅回路53により増幅され、励磁信号Vrefとして図1のレゾルバ60の励磁コイルに供給される。
なお、振幅調整手段としてのフィルタ回路52には、ハイパスフィルタ(HPF)を用いても良い。
レゾルバ制御回路51では、前述したように、レゾルバ信号Vsin,Vcosの包絡線波形sinθ,cosθに基づいてロータの回転角度θを演算し、この回転角度情報を用いて、インバータ30から電動機Mに所定の電流を供給するための制御演算を実行する。
フィルタ回路52では周波数が変化すると励磁信号Vrefの振幅が変化する一方で、図4(b)から判るように励磁信号Vrefの位相が遅れ、その位相遅れ量は周波数に依存する。
このようにフィルタ回路52を通すことで励磁信号Vrefの位相が変化するにも関わらず、レゾルバ信号Vsin,Vcosをレゾルバ制御回路51に取り込むタイミング(AD変換のタイミング)について何ら手当てしない場合には、励磁信号Vrefとレゾルバ信号Vsin,Vcosとの同時性が保たれなくなり、回転角度の検出誤差が生じてしまう。
フィルタ処理によって励磁信号Vrefの位相がΔtdだけ遅れた場合、理想的には、レゾルバ信号Vsin,Vcosを取り込むタイミングがフィルタ処理後の励磁信号Vrefのピークに合うように調整することが必要である。しかし、この調整を行わない場合には、レゾルバ信号Vsin,Vcosの波形における○印のタイミング(励磁信号Vref(原信号)のピークのタイミング)のデータを取り込んでしまい、これが誤差の原因となる。
図6において、51Xはレゾルバ制御回路、51aは励磁周波数調整機能、51bはAD変換タイミング調整機能である。なお、図7は、励磁周波数調整機能51a及びAD変換タイミング調整機能51bを詳しく示したブロック図であり、励磁信号を生成する励磁信号生成機能51cも併せて示してある。
AD変換回路55,57では、入力されたタイミング信号を用いてノイズ除去/振幅調整回路54,56の出力信号をそれぞれAD変換し、レゾルバ信号Vsin,Vcosのピークから回転角度を演算する。
図7において、励磁信号生成機能51cの励磁周波数タイマ514は、タイマ設定値及び内部クロック513を用いて図8(a)の矩形波信号を出力し、この矩形波信号は図7の正弦波生成回路515(図6のフィルタ回路52に相当)に入力される。ここで、理想的には、正弦波生成回路515から図8(b)のように位相遅れのない正弦波信号(図5のVref(原信号))が得られるはずであるが、実際には、図8(c)のように励磁周波数に応じて位相が遅れた正弦波信号(図5のVref(フィルタ処理後))が出力される。
これにより、フィルタ回路52による励磁信号Vrefの位相遅れの影響を除去することができ、回転角度検出精度の向上が可能である。
レゾルバ制御回路51Xは、上述した励磁信号Vrefのピークに対応するタイミングでAD変換回路55,57からレゾルバ信号Vsin,Vcosを取り込み、これらの信号のピーク値を用いて回転角度θを演算する(ステップS1,S2)。
これらの処理を、図6における励磁周波数調整機能51a及びAD変換タイミング調整機能51bによって実行することにより、適切な励磁周波数frefによる励磁信号Vrefに応じてレゾルバ信号Vsin,VcosをAD変換し、回転角度θを正確に演算することができる。
M:電動機
11:直流電源
12:コンデンサ
13:開閉器
14:リアクトル
20:コンバータ
21:上下アーム部
30:インバータ
30u:U相アーム部
30v:V相アーム部
30w:W相アーム部
31u,31v:電流検出器
40:コンデンサ
50:インバータ制御部
51,51X:レゾルバ制御回路
51a:励磁周波数調整機能
51b:AD変換タイミング調整機能
52:フィルタ回路
53:増幅回路
54,56:ノイズ除去/振幅調整回路
55,57:AD変換回路
60:レゾルバ
61:回転軸
62:ロータ
63:励磁コイル
64,65:検出コイル
Claims (5)
- 電動機に取り付けられたレゾルバの励磁コイルに励磁信号が供給され、前記レゾルバの第1,第2の検出コイルから出力される第1,第2のレゾルバ信号の振幅に基づいて前記電動機のロータの回転角度を検出する回転角度検出装置において、
前記励磁信号の励磁周波数を調整する機能と、前記第1,第2のレゾルバ信号をAD変換して取り込んだ信号から前記回転角度を演算する機能と、を少なくとも有するレゾルバ制御回路と、
前記励磁周波数に応じて、前記励磁信号の振幅を調整する振幅調整手段と、
を備え 、
前記レゾルバ制御回路は、前記励磁周波数を増減させることによって前記第1,第2のレゾルバ信号をAD変換するタイミングを調整する機能を備え たことを特徴とする回転角度検出装置。 - 請求項1に記載した回転角度検出装置において、
前記振幅調整手段が、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタであることを特徴とする回転角度検出装置。 - 請求項1に記載した回転角度検出装置において、
前記振幅調整手段が、前記励磁周波数を有する矩形波信号を正弦波状の励磁信号に変換するローパスフィルタであることを特徴とする回転角度検出装置。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の回転角度検出装置により検出した回転角度を用いて、前記電動機を駆動するための電力変換装置を制御することを特徴とする電動機駆動システム。
- 請求 項4に記載した電動機駆動システムにおいて、
前記電動機が車両駆動用の電動機であ ることを特徴とする電動機駆動システム。
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