JP7107873B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に関する。
従来、この種の車両としては、バッテリと外部電源に接続される受電コネクタとが電力ラインを介して接続されると共に電力ラインに充電用リレーが設けられた車両において、バッテリの外部充電の完了後に充電用リレーの診断が正常に完了しなかったときには、起動指示が行なわれて起動したときに、受電コネクタへの接触が不能な状態にあることを条件に充電用リレーの診断を実行し、診断結果に応じて車両を走行可能状態または走行禁止状態に移行させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-101032号公報
こうした車両において、充電用リレーの再診断を実行する際には、安全性を考慮して、シフトレバーの駐車ポジションからの変更が禁止される。このため、充電用リレーの再診断が正常に完了しないと、シフトポジションを駐車ポジションからニュートラルポジションなどに変更することができない。この場合、車両を移動させることができないから、レッカー車などにより車両を牽引することができない。
本発明の車両は、充電用リレーの再診断が正常に完了しなかったときでも車両を移動可能にすることを主目的とする。
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
蓄電装置と、
外部電源装置からの電源側接続部を接続可能な車両側接続部と、
前記車両側接続部を覆うように設けられると共に開閉可能なリッドと、
前記蓄電装置と前記車両側接続部とを接続する電力ラインに設けられた充電用リレーと、
前記外部電源装置からの電力を用いて前記蓄電装置を充電する外部充電の完了後に、シフトレバーの駐車ポジションからの変更を禁止して前記充電用リレーの診断を実行し、前記充電用リレーの診断が正常に完了しなかったときには、前記リッドが閉状態でシステム起動したときに、前記シフトレバーの駐車ポジションからの変更を禁止して前記充電用リレーの再診断を実行する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、前記充電用リレーの再診断が正常に完了しなかったときには、システム起動状態を保持しつつ前記シフトレバーの駐車ポジションからニュートラルポジションへの変更を許可する、
ことを要旨とする。
この本発明の車両では、外部電源装置からの電力を用いて蓄電装置を充電する外部充電の完了後に、シフトレバーの駐車ポジションからの変更を禁止して充電用リレーの診断を実行し、充電用リレーの診断が正常に完了しなかったときには、リッドが閉状態でシステム起動したときに、シフトレバーの駐車ポジションからの変更を禁止して充電用リレーの再診断を実行する。そして、充電用リレーの再診断が正常に完了しなかったときには、システム起動状態を保持しつつシフトレバーの駐車ポジションからニュートラルポジションへの変更を許可する。これにより、充電用リレーの再診断が正常に完了しなかったときでも、ユーザがシフトポジションを駐車ポジションからニュートラルポジションに変更することができるから、車両を移動可能にすることができる。
こうした本発明の車両において、前記制御装置は、前記充電用リレーの再診断が正常に完了したときには、自動でシステム停止するものとしてもよい。また、前記制御装置は、システム起動指示が走行意思のある起動指示であり且つ前記充電用リレーの再診断が正常に完了したときにおいて、前記充電用リレーが正常または片極異常であるときには、走行可能にし、前記充電用リレーが両極異常であるときには、システム停止するものとしてもよい。
本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 メインECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、モータ32と、インバータ34と、蓄電装置としてのバッテリ36と、高電圧側電力ライン38と、システムメインリレーSMRと、補機バッテリ40と、低電圧側電力ライン42と、補機用リレー46と、DC/DCコンバータ48と、充電用電力ライン50と、車両側接続部としての車両側インレット52と、充電用リッド54と、充電用リレーDCRと、パーキングロック装置60と、メイン電子制御ユニット(以下、「メインECU」という)70と、電源用電子制御ユニット(以下、「電源ECU」という)80とを備える。
モータ32は、同期発電電動機として構成されており、回転子コアに永久磁石が埋め込まれた回転子と、固定子コアに三相コイルが巻回された固定子とを備える。このモータ32の回転子は、駆動輪22a,22bにデファレンシャルギヤ24を介して連結された駆動軸26に接続されている。インバータ34は、モータ32に接続されると共に高電圧側電力ライン38に接続されている、このインバータ34は、6つのトランジスタと6つのダイオードとを有する周知のインバータ回路として構成されている。モータ32は、メインECU70によってインバータ34の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
バッテリ36は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、高電圧側電力ライン38に接続されている。高電圧側電力ライン38の正極母線と負極母線とには、コンデンサ39が接続されている。
システムメインリレーSMRは、高電圧側電力ライン38に設けられている。このシステムメインリレーSMRは、高電圧側電力ライン38の正極母線に設けられた正極側リレーSMRBと、高電圧側電力ライン38の負極母線に設けられた負極側リレーSMRGと、負極側リレーSMRGをバイパスするようにプリチャージ用リレーSMRPとプリチャージ用抵抗Rとが直列に接続されたプリチャージ回路とを有する。
補機バッテリ40は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池、鉛蓄電池として構成されており、補機44やDC/DCコンバータ48、メインECU70と共に低電圧側電力ライン42に接続されている。補機44には、各種ライトや各種センサ、オーディオシステム、パワーウィンドウ、ナビゲーション装置、レディランプ89などが含まれる。
補機用リレー46は、低電圧側電力ライン42における補機バッテリ40やDC/DCコンバータ48、メインECU70側と補機44側との間に設けられている。DC/DCコンバータ48は、高電圧側電力ライン38と低電圧側電力ライン42とに接続されており、高電圧側電力ライン38の電力を降圧して低電圧側電力ライン42に供給する。
充電用電力ライン50は、一端部が高電圧側電力ライン38におけるシステムメインリレーSMRよりもインバータ34側に接続されており、他端部が車両側インレット52に接続されている。この充電用電力ライン50は、外部直流電源装置100に充電用電力ライン102を介して接続される外部側コネクタ104が車両側インレット52に接続されたときに、外部直流電源装置100に接続される。外部直流電源装置100は、図示しないが、商用電源に接続されており、商用電源からの交流電力を直流電力に変換して充電用電力ライン102を介して外部側コネクタ104(電気自動車20)に供給する。充電用リッド54は、車両側インレット52を覆うように設けられる(図示しない車体に取り付けられる)と共に開閉可能となっている。
充電用リレーDCRは、充電用電力ライン50に設けられている。この充電用リレーDCRは、充電用電力ライン50の正極母線に設けられた正極側リレーDCRBと、充電用電力ライン50の負極母線に設けられた負極側リレーDCRGとを有する。
パーキングロック装置60は、パーキングギヤとパーキングポールとを備える。パーキングギヤは、外歯歯車として構成され、駆動軸26と一体に回転するように駆動軸26に取り付けられる。パーキングポールは、パーキングギヤとの噛み合いによりパーキングギヤをロックする。このパーキングポールは、メインECU70によって図示しないアクチュエータが駆動制御されることによってパーキングギヤと噛合可能に作動する。パーキングロック装置60は、シフトポジションSPが駐車ポジション(Pポジション)およびそれ以外のポジションのときの、パーキングポールによるパーキングギヤとの噛合および噛合の解除により、駆動軸26ひいては駆動輪22a,22bのロック(以下、「パーキングロック」という)およびその解除を行なう。
メインECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、データを記憶保持するフラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを備える。このメインECU70は、補機バッテリ40(低電圧側電力ライン42)からの電力の供給を受けて作動する。
メインECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。メインECU70に入力される信号としては、例えば、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ(例えばレゾルバ)32aからの回転位置θmや、バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサ36aからの電圧Vb、バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサ36bからの電流Ibを挙げることができる。また、コンデンサ39の端子間に取り付けられた電圧センサ39aからのコンデンサ39(高電圧側電力ライン38)の電圧VHや、充電用電力ライン50における充電用リレーDCRよりも車両側インレット52側に取り付けられた電圧センサ50aからの充電電圧Vchg、充電用リッド54に取り付けられた開閉センサ54aからの開閉信号も挙げることができる。シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPや、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速Vも挙げることができる。なお、シフトレバー81の操作位置(シフトポジションセンサ82により検出されるシフトポジションSP)としては、駐車ポジション(Pポジション)、後進ポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、前進ポジション(Dポジション)などがある。
メインECU70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。メインECU70から出力される信号としては、例えば、インバータ34のトランジスタへの制御信号や、システムメインリレーSMRへの制御信号、DC/DCコンバータ48への制御信号、充電用リレーDCRへの制御信号、レディランプ89への点灯信号を挙げることができる。
メインECU70は、電源ECU90と通信ポートを介して通信可能に接続されている。また、メインECU70は、通信ポートに接続された通信ラインが車両側インレット52および外部側コネクタ104を介して外部直流電源装置100からの外部側通信ラインに接続されることにより、外部直流電源装置100と通信可能に接続される。
電源ECU90は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、データを記憶保持するフラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを備える。電源ECU90には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電源ECU90に入力される信号としては、例えば、パワースイッチ92からのスタート信号や、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPを挙げることができる。電源ECU90は、上述したように、メインECU70と通信ポートを介して通信可能に接続されている。
電源ECU90は、メインECU70に送信するイグニッション信号がオフのときに、ブレーキペダル85が踏み込まれていない状態でパワースイッチ92が操作されるイグニッションオン操作が行なわれると、イグニッション信号をオフからオンに切り替えることにより、メインECU70にイグニッションオン指示(走行意思のないシステム起動指示)を行なう。
また、電源ECU90は、イグニッション信号がオフのときに、ブレーキペダル85が踏み込まれている状態でパワースイッチ92が操作されるスタート操作が行なわれると、イグニッション信号をオフからオンに切り替えると共に所定時間(短時間)に亘ってスタート信号をメインECU70に送信することにより、メインECU70にスタート指示(走行意思のあるシステム起動指示)を行なう。
さらに、電源ECU90は、イグニッション信号がオンのときに、パワースイッチ92が操作されるイグニッションオフ操作が行なわれると、イグニッション信号をオンからオフに切り替えることにより、メインECU70にイグニッションオフ指示(システム停止指示)を行なう。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで、シフトポジションSPが駐車ポジションで且つシステム停止状態のときに、充電用リッド54が開けられて外部側コネクタ104が車両側インレット52に接続されると、メインECU70は、システムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオンにする。すると、外部直流電源装置100からの電力を用いてバッテリ36を充電する外部充電が行なわれる。こうして外部充電が完了すると、メインECU70は、充電用リレーDCRの診断を行なう。
充電用リレーDCRの診断は、システムメインリレーSMRがオンのときに、シフトレバー81の駐車ポジションからそれ以外のポジションへの変更を禁止して、例えば、以下のように行なわれる。最初に、正極側リレーDCRBがオンで且つ負極側リレーDCRGがオフになるように充電用リレーDCRに指令を出力して電圧センサ50aからの充電電圧Vchgを判定用閾値Vrefと比較し、充電電圧Vchgが判定用閾値Vref未満のときには負極側リレーDCRGが正常であると判定し、充電電圧Vchgが判定用閾値Vref以上のときには負極側リレーDCRGが異常(溶着)であると判定する。
続いて、正極側リレーDCRBがオフで且つ負極側リレーDCRGがオンになるように充電用リレーDCRに指令を出力して電圧センサ50aからの充電電圧Vchgを判定用閾値Vrefと比較し、充電電圧Vchgが判定用閾値Vref未満のときには正極側リレーDCRBが正常であると判定し、充電電圧Vchgが判定用閾値Vref以上のときには正極側リレーDCRBが異常(溶着)であると判定する。
このようにして充電用リレーDCRが正常、片極異常、両極異常のうちの何れであるかを判別する。ただし、充電用リレーDCRの診断で充電用リレーDCRが正常、片極異常、両極異常のうちの何れであるかを判別できない場合がある。この場合としては、例えば、補機バッテリ40と低電圧側電力ライン42との一時的な接触不良が生じたときや、プリチャージ用リレーSMRPに一時的な異常が生じたときなどを挙げることができる。
したがって、実施例では、充電用リレーDCRの診断(後述の再診断を含む)が正常に完了したとき(正常、片極異常、両極異常のうちの何れであるかを判別できたとき)には、診断完了フラグFに値1を設定し、充電用リレーDCRの診断が正常に完了しなかったとき(正常、片極異常、両極異常のうちの何れであるかを判別できなかったとき)には、診断完了フラグFに値0を設定するものとした。この診断完了フラグFは、充電用リレーDCRの診断(後述の再診断を含む)が行なわれると、更新(上書き)される。充電完了フラグFを設定すると、システムメインリレーSMRをオフにする。なお、その後に、外部側コネクタ104が車両側インレット52から外されて、充電用リッド54が閉じられる。
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、充電用リッド54が閉状態でシステム起動指示が行なわれたときの動作について説明する。図2は、メインECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、充電用リッド54が閉状態でシステム起動指示が行なわれた(イグニッションオン操作またはスタート操作が行なわれて電源ECU90からのイグニッション信号がオフからオンに切り替わった、即ち、電源ECU90によりイグニッションオン指示またはスタート指示が行なわれた)ときに実行される。
図2の処理ルーチンが実行されると、メインECU70は、最初に、システム起動処理として、補機用リレー46をオンにする(補機バッテリ40と補機44とを接続する)などの補機系起動処理を実行して(ステップS100)、イグニッションオン(システム起動状態)にする(ステップS102)。続いて、診断完了フラグFの値を調べる(ステップS110)。そして、診断完了フラグFが値1のときには、充電用リレーDCRの診断が正常に完了していると判断し、充電用リレーDCRの診断結果に応じた処理を実行して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。
ここで、充電用リレーDCRの診断結果に応じた処理について説明する。システム起動指示がイグニッションオン指示であり、且つ、充電用リレーDCRの診断結果が正常または片極異常のときには、イグニッションオン(システム起動状態)を保持する。
システム起動指示がスタート指示であり、且つ、充電用リレーDCRの診断結果が正常または片極異常のときには、システムメインリレーSMRをオンにするなどの走行系起動処理を実行して、レディオン(走行可能状態)にすると共にレディランプ89を点灯させる。なお、レディオンにすると、バッテリ36からDC/DCコンバータ48を介して低電圧側電力ライン42ひいては補機バッテリ40に電力を供給できるから、補機バッテリ40の電圧低下を抑制することができる。また、充電用リレーDCRが片極異常のときには、レディオンで充電用リッド54が開けられると、安全のために、システムメインリレーSMRをオフにするなどの走行系停止処理や、補機用リレー46をオフにする(補機バッテリ40と補機44との接続を解除する)などの補機系停止処理を実行して、イグニッションオフにする(システム停止状態にする)。
充電用リレーDCRの診断結果が両極異常のときには、システム起動指示がイグニッションオン指示であるかスタート指示であるかに拘わらずに、イグニッションオン(システム起動状態)を保持すると共に、シフトレバー81の駐車ポジションからニュートラルポジションへの変更である所定シフト操作を許可する。そして、ユーザにより所定シフト操作が行なわれる(シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPが駐車ポジションからニュートラルポジションに変更される)と、パーキングロック装置60にパーキングロックを解除させる。これにより、レッカー車などにより車両を移動させることができる。
ステップS110で診断完了フラグFが値0のときには、充電用リレーDCRの診断が正常に完了していないと判断し、シフトポジションSPの駐車ポジションからそれ以外のポジションへの変更を禁止する(ステップS130)。そして、システムメインリレーSMRをオンにして(ステップS140)、充電用リレーDCRの再診断を行なって(ステップS142)、診断完了フラグFを設定し(ステップS144)、システムメインリレーSMRをオフにする(ステップS146)。充電用リレーDCRの再診断は、上述の充電用リレーDCRの診断と同様に行なわれる。そして、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了したか否かに応じて、診断完了フラグFに値1または値0が設定される。
続いて、診断完了フラグFの値を調べる(ステップS150)。診断完了フラグFが値1のときには、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了したと判断し、ユーザによりイグニッションオフ操作が行なわれていなくても(電源ECU90からのイグニッション信号がオンでも)、上述の補機系停止処理を実行し(ステップS160)、イグニッションオフ(システム停止状態)にして(ステップS162)、本ルーチンを終了する。すると、メインECU70は、電源ECU90にイグニッション信号をオフにさせる。この場合、その後に充電用リッド54が閉状態でシステム起動指示が行なわれて本ルーチンが実行されると、ステップS110で診断完了フラグFが値1であるから、ステップS120で充電用リレーDCRの診断結果に応じた処理を実行して、本ルーチンを終了する。
ステップS150で診断完了フラグFが値0のときには、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了しなかったと判断し、イグニッションオン(システム起動状態)を保持すると共に(ステップS170)、所定シフト操作を許可する(ステップS180)。
そして、ユーザにより、イグニッションオフ操作が行なわれる(電源ECU90からのイグニッション信号がオンからオフに切り替わる)、または、所定シフト操作が行なわれる(シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPが駐車ポジションからニュートラルポジションに変更される)のを待つ(ステップS190)。
ユーザによりイグニッションオフ操作が行なわれると、上述の補機系停止処理を実行し(ステップS200)、イグニッションオフ(システム停止状態)にして(ステップS202)、本ルーチンを終了する。
ユーザにより所定シフト操作が行なわれると、パーキングロック装置60にパーキングロックを解除させて(ステップS210)、本ルーチンを終了する。これにより、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了しなかったときでも、レッカー車などにより車両を移動させることができる。
以上説明した実施例の電気自動車20では、外部充電の完了後に、シフトレバー81の駐車ポジションからそれ以外のポジションへの変更を禁止して、充電用リレーDCRの診断を実行する。そして、充電用リレーDCRの診断が正常に完了しなかったときには、充電用リッド54が閉状態でシステム起動指示(イグニッションオン指示またはスタート指示)に応じてイグニッションオンにしたときに、シフトレバー81の駐車ポジションからそれ以外のポジションへの変更を禁止して、充電用リレーDCRの再診断を実行する。そして、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了しなかったときには、イグニッションオンを保持して、シフトレバー81の駐車ポジションからニュートラルポジションへの変更である所定シフト操作を許可する。これにより、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了しなかったときでも、ユーザが所定シフト操作を行なうことができるから、車両を移動可能にすることができる。
実施例の電気自動車20では、メインECU70は、充電用リッド54が閉状態でシステム起動指示が行なわれたときに、図2の処理ルーチンを実行するものとしたが、これに代えて、図3の処理ルーチンを実行するものとしてもよい。図3の処理ルーチンは、ステップS300~S360の処理を追加した点を除いて、図2の処理ルーチンと同一である。したがって、同一の処理については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
図3の処理ルーチンでは、メインECU70は、ステップS110で診断完了フラグFが値0のときには、システム起動指示がイグニッションオン指示およびスタート指示のうちの何れであるかを判定し(ステップS300)、システム起動指示がスタート指示であるときには、その旨を図示しないRAMに記憶し(ステップS310)、レディランプ89を点滅させる(ステップS320)。
そして、上述のステップS130~S146の処理を実行し、診断完了フラグFの値を調べ(ステップS150)、診断完了フラグFが値1のときには、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了したと判断し、システム起動指示がスタート指示である(RAMにその旨が記載されている)か否かを判定する(ステップS330)。
ステップS330でシステム起動指示がスタート指示でない即ちイグニッションオン指示であると判定したときには、補機系停止処理を実行し(ステップS160)、イグニッションオフにして(ステップS162)、本ルーチンを終了する。イグニッションオフにすることにより、補機バッテリ40の電圧低下を抑制することができる。
ステップS330でシステム起動指示がスタート指示であると判定したときには、充電用リレーDCRの再診断結果が充電用リレーDCRが正常、片極異常、両極異常のうちの何れであるかを判定する(ステップS340)。そして、充電用リレーDCRが両極異常であると判定したときには、補機系停止処理を実行し(ステップS160)、イグニッションオフにして(ステップS162)、本ルーチンを終了する。補機系停止処理により、レディランプ89も点滅から消灯する。
ステップS340で充電用リレーDCRが正常または片極異常であると判定したときには、上述の走行系起動処理を実行し(ステップS350)、レディオンにすると共にレディランプ89を点灯させて(ステップS360)、本ルーチンを終了する。これにより、充電用リレーDCRの再診断で正常または片極異常であるときに、一旦イグニッションオフすることなく、走行可能にすることができる。なお、レディオンにすると、バッテリ36からDC/DCコンバータ48を介して低電圧側電力ライン42ひいては補機バッテリ40に電力を供給できるから、補機バッテリ40の電圧低下を抑制することができる。また、充電用リレーDCRが片極異常のときには、レディオンで充電用リッド54が開けられると、安全のために、上述の走行系停止処理や補機系停止処理を実行して、イグニッションオフにする(システム停止状態にする)。
ステップS150で診断完了フラグFが値0のときには、充電用リレーDCRの再診断が正常に完了しなかったと判断し、レディランプ89を点滅させているときには消灯させて(ステップS360)、ステップS170~S210の処理を実行して、本ルーチンを終了する。
実施例の電気自動車20では、蓄電装置として、バッテリ36を用いるものとしたが、これに代えて、キャパシタを用いるものとしてもよい。
実施例では、走行用のモータ32を備える電気自動車20の構成としたが、走行用のモータに加えてエンジンも備えるハイブリッド自動車の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、バッテリ36が「蓄電装置」に相当し、車両側インレット52が「車両側接続部」に相当し、充電用リッド54が「リッド」に相当し、充電用リレーDCRが「充電用リレー」に相当し、メインECU70および電源ECU90が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
20 電気自動車、22a,22b 駆動輪、24 デファレンシャルギヤ、26 駆動軸、32 モータ、34 インバータ、36 バッテリ、36a 電圧センサ、36b 電流センサ、38 高電圧側電力ライン、39 コンデンサ、39a 電圧センサ、40 補機バッテリ、42 低電圧側電力ライン、44 補機、46 補機用リレー、48 DC/DCコンバータ、50 充電用電力ライン、50a 電圧センサ、52 車両側インレット、54 充電用リッド、54a 開閉センサ、60 パーキングロック装置、70 メインECU、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、89 レディランプ、90 電源ECU、92 パワースイッチ、100 外部直流電源装置、102 充電用電力ライン、104 外部側コネクタ、DCR 充電用リレー、DCRB 正極側リレー、DCRG 負極側リレー、R プリチャージ用抵抗、SMR システムメインリレー、SMRB 正極側リレー、SMRG 負極側リレー、SMRP プリチャージ用リレー。

Claims (1)

  1. 蓄電装置と、
    外部電源装置からの電源側接続部を接続可能な車両側接続部と、
    前記車両側接続部を覆うように設けられると共に開閉可能なリッドと、
    前記蓄電装置と前記車両側接続部とを接続する電力ラインに設けられた充電用リレーと、
    前記外部電源装置からの電力を用いて前記蓄電装置を充電する外部充電の完了後に、シフトレバーの駐車ポジションからの変更を禁止して前記充電用リレーの診断を実行し、前記充電用リレーの診断が正常に完了しなかったときには、前記リッドが閉状態でシステム起動したときに、前記シフトレバーの駐車ポジションからの変更を禁止して前記充電用リレーの再診断を実行する制御装置と、
    を備える車両であって、
    前記制御装置は、前記充電用リレーの再診断が正常に完了しなかったときには、システム起動状態を保持しつつ前記シフトレバーの駐車ポジションからニュートラルポジションへの変更を許可する、
    車両。
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