JP7106118B2 - 三輪車及び三輪車の設計方法 - Google Patents
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Description
このため、前記想定よりも小さな体格の幼児の場合、三輪車をこぐ体力や運動能力が備わっていたとしても、ペダルに足が届かずにこぐことができないという問題が生じる場合がある。
また、幼児が成長して前記想定よりも大きくなると、臀部(尻)がサドルからはみ出し、三輪車全体の加重バランスが崩れ、走行し難くなったり、相対的に長くなった脚部のためにペダルを踏む操作や地面を蹴る操作がし難くなったりするおそれがある。
そして、前者の場合、三輪車自体を小型のものに変更する必要が生じ、後者の場合には、三輪車自体を大型のものに変更する必要が生じる。
前後方向へわたる車体フレーム部と、前記車体フレーム部の前端側に交差状に接続されて上下に延設された前フレーム部と、前記前フレーム部の下端側に回転自在に支持された前輪と、前記前フレーム部の上端側に接続されて車幅方向へ延設されたハンドル部と、前記車体フレーム部の後端側で下方へ延設された後フレーム部と、前記後フレーム部の下端側に接続されて車幅方向へ延設された後輪軸部と、前記後輪軸部の両端側で回転自在な後輪と、前記車体フレーム部に支持されたサドルとを備えた三輪車であって、前記サドルは、前記後輪軸部の中心よりも前側に、前後方向へ連続する長尺状の着座部を有するとともに、前記着座部よりも後側に、前記後輪軸部よりも上方で前記後輪軸部を前後に跨る長さの非着座部を有し、前記着座部は、前部寄りに幼児を跨らせて着座させる前側着座領域と、後部寄りに幼児を跨らせて着座させる着座領域であって前記前側着座領域よりも前後方向に長い後側着座領域とを確保してその全長が設定されていることを特徴とする三輪車。
第1の特徴は、前後方向へわたる車体フレーム部と、前記車体フレーム部の前端側に交差状に接続されて上下に延設された前フレーム部と、前記前フレーム部の下端側に回転自在に支持された前輪と、前記前フレーム部の上端側に接続されて車幅方向へ延設されたハンドル部と、前記車体フレーム部の後端側で下方へ延設された後フレーム部と、前記後フレーム部の下端側に接続されて車幅方向へ延設された後輪軸部と、前記後輪軸部の両端側で回転自在な後輪と、前記車体フレーム部に支持されたサドルとを備えた三輪車であって、前記サドルは、前記後輪軸部の中心よりも前側に、前後方向へ連続する長尺状の着座部を有するとともに、前記着座部よりも後側に、前記後輪軸部を前後に跨る長さの非着座部を有し、前記着座部は、前部寄りに幼児を跨らせて着座させる前側着座領域と、後部寄りに幼児を跨らせて着座させる着座領域であって前記前側着座領域よりも前後方向に長い後側着座領域とを確保してその全長が設定されている(図1~図5参照)。
なお、この構成によれば、上記した第一~第三の特徴を一部含まない独立した発明とした場合でも、省スペースな収納性を得ることが可能である。
なお、この構成によれば、上記した第一~第四の特徴を一部含まない独立した発明とした場合でも、誤操作の少ない良好な折畳み操作性を得ることが可能である。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明では、同一または相当する構成要素について同一符号を付することで、重複する説明を省略する。
この車体フレーム部10の後端側には、後フレーム部50が一体に接続されている。なお、他例としては、後フレーム部50を車体フレーム部10とは別体の部材とすることも可能である。
この構成によれば、前記係止状態が解除されると、水平状フレーム部11の前部側が回動可能になり、これに伴って前輪30も回動可能になる。
前輪30は、前記回動をすると、車体フレーム部10と後フレーム部50の間の内角α側の空間S1に入り込む(図6~図8参照)。
ロック機構Dは、ハンドル部40の上部側にダイヤル状に構成され、回転操作されることで、前フレーム部20上部側を回動不能にロックしたりそのロック状態を解除したりする。
これら第二の折曲機構C及びロック機構Dは、同様の機能を有するものであれば、図示例以外の機構を用いることが可能である。
言い換えれば、後フレーム部50は、後輪軸部60の中央側から上方へ突出しながら前方へ傾き、着座部81の後側着座領域81bの下方側で車体フレーム部10に連結されている。
この後フレーム部50と車体フレーム部10の水平状フレーム部11との成す角度αは、本実施の形態の好ましい一例によれば、100~110度の範囲内に設定されている(図2参照)。この構成によれば、車体フレーム部10の後端側に加わる荷重を、後フレーム部50によって効果的に支えることができる上、後フレーム部50と車体フレーム部10の内角側の空間S1に、折り畳まれた前輪30を効果的に収納することができる。
なお、図中、符号51は、例えば、施錠用チェーンの装着や、牽引用ロープの接続、小物入れの装着等、多用途に用いられるU字状の係止部である。
車幅方向の両側の後輪70,70は、図示例によれば、前輪30よりも小径に形成される。
なお、このサドル80は、単一の一体の部材から構成してもよいし、硬質部材と、該硬質部材を覆う軟質のクッション部材等の複数の部材から構成してもよい。
具体的に説明すれば、着座部81は、例えば、以下の二つの方法(図3及び図4参照)により設計することが可能である。
なお、図示例によれば、前側着座領域81aは、着座部81全体の長さL1の中心よりも前側に位置する。
なお、図示例によれば、重なり代cは、着座部81全体の長さL1の中心を含むように位置する。
後側着座領域81bは、前記年齢よりも高い所定の年齢(例えば、4.5歳)の平均的な体格の幼児が着座部81に跨って着座した際に前後方向にわたって占領される領域であり、その前後方向の長さbは実験的に求めることが可能である。
着座部81全体の長さL1を前記範囲の下限よりも小さくした場合は、1.5歳の幼児が成長して平均的な体格の5歳の幼児になった場合に、この幼児の臀部が着座部81からはみ出たり、脚部がペダルまでの距離に相対し長すぎたりして、バランスの良い着座が困難になるおそれがある。
着座部81の全体の長さL1を前記範囲の上限よりも大きくした場合には、二人の幼児が同時に前後に跨って座ってしまう可能性が著しく高くなる。
なお、着座部81全体の長さL1は、より好ましくは286~348mmの範囲内とされ、本実施の形態の一例では、着座部81全体の長さL1を317mm、サドル80の全長L0を409mmに設定している。
この非着座部82には、着座部81よりも上方へ突出する側面視略山形状の隆起部82aが設けられる。この隆起部82aの頂部は、後輪軸部60の中心よりも前側に位置する。着座部81は、この頂部よりも更に前側に位置することになる。
幼児は、サドル80に着座する際、隆起部82aを有する非着座部82を避けて、その前側の着座部81に着座する。すなわち、幼児の着座位置を、着座部81側へ自然に促すことができる。
このため、例えば、低年齢で体格の小さい幼児は、図5(a)に示すように、着座部81の前側着座領域81aに着座し、足をペダル31に掛けたり、足で床を蹴ったり等の動作を自然に行うことができる。
また、高年齢で体格の大きい幼児は、図5(b)に示すように、着座部81の後側着座領域81bに着座するため、比較的長い脚部を余らせることなく、足をペダル31に掛けたり、足で床を蹴ったり等の動作を自然に行うことができる。
このため、三輪車1をコンパクトな収納態様にすることができる。
さらに、ハンドル部40を後方へ回動させるようにして、前フレーム部20を折り畳めば、高さ寸法が小さくなり、よりコンパクトな収納態様にすることができる。
10:車体フレーム部
11:水平状フレーム部
12:傾斜フレーム部
15:被覆部材
17a:操作部
20:前フレーム部
30:前輪
40:ハンドル部
50:後フレーム部
60:後輪軸部
70:後輪
80:サドル
81:着座部
81a:前側着座領域
81b:後側着座領域
82:非着座部
82a:隆起部
A:第一の折曲機構
C:第二の折曲機構
D:ロック機構
S1:空間(収納空間)
X:被載置面
Claims (8)
- 前後方向へわたる車体フレーム部と、前記車体フレーム部の前端側に交差状に接続されて上下に延設された前フレーム部と、前記前フレーム部の下端側に回転自在に支持された前輪と、前記前フレーム部の上端側に接続されて車幅方向へ延設されたハンドル部と、前記車体フレーム部の後端側で下方へ延設された後フレーム部と、前記後フレーム部の下端側に接続されて車幅方向へ延設された後輪軸部と、前記後輪軸部の両端側で回転自在な後輪と、前記車体フレーム部に支持されたサドルとを備えた三輪車であって、
前記サドルは、前記後輪軸部の中心よりも前側に、前後方向へ連続する長尺状の着座部を有するとともに、前記着座部よりも後側に、前記後輪軸部よりも上方で前記後輪軸部を前後に跨る長さの非着座部を有し、
前記着座部は、前部寄りに幼児を跨らせて着座させる前側着座領域と、後部寄りに幼児を跨らせて着座させる着座領域であって前記前側着座領域よりも前後方向に長い後側着座領域とを確保してその全長が設定されていることを特徴とする三輪車。
- 前記非着座部には、前記着座部よりも上方へ突出する隆起部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の三輪車。
- 前記後フレーム部が、前記後輪軸部から上方へ突出しながら前方へ傾き、前記後側着座領域の下方側で前記車体フレーム部に連結していることを特徴とする請求項1又は2記載の三輪車。
- 前記着座部の前後方向の長さが、前記サドルの全長の70~85%の範囲内であって、且つ285~350mmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の三輪車。
- 車幅方向両側の前記後輪と前記サドルの後端とが被載置面に三点で接触して自立するように、前記サドルの後端位置が設定されていることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の三輪車。
- 操作部に対する操作によって前記車体フレーム部の折り曲げを可能にする三輪車であって、前記操作部が、前記サドルにおける前記着座部よりも後側に設けられていることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の三輪車。
- 請求項1~6何れか1項に記載の三輪車の設計方法であって、
所定の年齢の平均的な体格の幼児によって占領されるように前記前側着座領域を想定し、前記前側着座領域よりも後側に前記後側着座領域を想定し、これら前側着座領域の長さと後側着座領域の長さを合計して、前記着座部全体の長さを求めることを特徴とする三輪車の設計方法。 - 請求項1~6何れか1項に記載の三輪車の設計方法であって、
所定の年齢の平均的な体格の幼児によって占領されるように前記前側着座領域を想定し、前記前側着座領域の後端側に前端側の重なり代を重ね合わせるように前記後側着座領域を想定し、前記前側着座領域の長さと前記後側着座領域の長さの合計から前記重なり代を減じて、前記着座部全体の長さを求めることを特徴とする三輪車の設計方法。
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