JP7105724B2 - 検査システムおよび検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ピン端子のピン曲りを検査する検査システムおよび検査方法に関する。
基板上に配置されたピン端子のピンにコネクタを勘合するロボットがある。このロボットは、コネクタを把持して移動させ、基板に形成されたピンにコネクタを嵌合させる。基板に形成されたピンの中には、加工不良などによってピン曲りがある場合があるので、ピンにコネクタを嵌合させる際には、ピン曲りの有無を検査しておくことが望まれる。
特許文献1に記載の製造装置では、ピンをプリント基板のスルーホールに押圧するための複数の押圧部材に応力センサが取付けられており、それぞれの応力センサによる応力の測定値に基づいてピン曲りの有無を判定している。
特開2011-065845号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ピン曲りの有無を判定するための治具に、多数のセンサを設ける必要があるので、治具が高価になるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ピン曲りの有無を低コストで判定することができる検査システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の検査システムは、検査対象のピンを挿入可能な挿入穴が設けられた検査治具と、ピンの位置に対する検査治具の位置を相対的に移動させてピンを挿入穴に挿入するロボットアームと、を備える。また、本発明の検査システムは、検査治具とロボットアームとの間に配置されて、ピンを挿入穴に挿入する際に、検査治具に対する、ピンの挿入穴への挿入方向成分の荷重を検出する荷重検出センサと、荷重を示す荷重値に基づいて、ピンのピン曲りの有無を判定し判定結果を出力する判定部と、を備える。
本発明によれば、ピン曲りの有無を低コストで判定することができるという効果を奏する。
実施の形態にかかる検査システムの構成を示す図 実施の形態にかかる検査システムが備える検査治具の配置位置を説明するための図 実施の形態にかかる検査システムが備える検査治具と、コネクタとの配置関係を説明するための図 実施の形態にかかる検査治具の検査穴と、ピン端子のピンとの位置関係を説明するための図 ピン曲りが無いピンを図4に示した検査穴に挿入する際の、ピンと検査穴との位置関係を説明するための図 ピン曲りが有るピンを図4に示した検査穴に挿入する際の、ピンと検査穴との位置関係を説明するための図 実施の形態にかかる検査システムによるピン曲り検査の検査処理手順を示すフローチャート 実施の形態にかかる検査システムが備える検査治具の配置位置の別例を説明するための図 実施の形態にかかる検査システムが備える判定部の第1のハードウェア構成例を示す図 実施の形態にかかる検査システムが備える判定部の第2のハードウェア構成例を示す図
以下に、本発明にかかる検査システムおよび検査方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる検査システムの構成を示す図である。図2は、実施の形態にかかる検査システムが備える検査治具の配置位置を説明するための図である。図3は、実施の形態にかかる検査システムが備える検査治具と、コネクタとの配置関係を説明するための図である。以下の説明では、Z方向が鉛直方向に平行であり、XY平面が水平面に平行な場合について説明する。
検査システム100は、基板6上に配置されたピン端子5aのピン曲りを判定するシステムである。なお、ピン端子5aは、基板6上に配置される場合に限らず、筐体などにモールドされていてもよい。検査システム100は、ロボット50と、ロボットコントローラ9と、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)10とを備えている。
図1では、-Y方向から+Y方向に向かってロボット50を見た場合の、ロボット50の側面図を示している。図2では、-X方向から+X方向に向かってロボット50の先端部55を見た場合の、先端部55の側面図を示している。図2に示す先端部55の側面図は、図1の矢視A1から見た先端部55の側面図に対応している。図3では、-Z方向から+Z方向に向かって先端部55を見た場合の、先端部55の底面図を示している。図3に示す先端部55の底面図は、図1の矢視C1から見た先端部55の底面図に対応している。なお、図1から図3および後述する図4では、図面を見やすくするためにハッチングを付した箇所がある。
ロボット50は、ロボットアームであるアーム部1と、力覚センサ2と、コネクタ把持ハンド3とを備えている。ロボット50では、力覚センサ2およびコネクタ把持ハンド3によって先端部55が構成されている。
力覚センサ2は、アーム部1の先端に配置されている。力覚センサ2は、一方の端部(上面側)がアーム部1の先端に接続され、他方の端部(底面側)がコネクタ把持ハンド3に接続されている。また、コネクタ把持ハンド3には、外周部にピン曲りを検査する治具である検査治具(ピン曲り検査治具)7が取り付けられている。
アーム部1は、回転軸を有しており、先端部55を種々の位置に移動させる。コネクタ把持ハンド3は、コネクタ4を把持する。コネクタ4は、例えば、基板状部材の上面に設けられている。コネクタ4には、ピン端子5aに設けられた複数のピン5bに嵌合させるための複数の穴(嵌合穴11)が設けられている。コネクタ4には、ピン端子5aが有するピン5bのピン数と同じ数の嵌合穴11が設けられている。各嵌合穴11の位置は、各ピン5bの位置に対応しており、嵌合穴11とピン5bとが1対1で嵌合される。
基板6は、ピン端子5aのピン5bが鉛直線の上側を向くよう載置される。基板6の例は、プリント基板である。コネクタ把持ハンド3は、コネクタ4を基板6に取り付ける組み立て作業を行う際には、嵌合穴11が鉛直線の下側(鉛直方向)を向くようコネクタ4を把持し、ピン5bの位置と嵌合穴11の位置とが合致するよう、ピン端子5aの上側からコネクタ4をピン端子5aに嵌め合わせる。すなわち、コネクタ把持ハンド3は、コネクタ4を基板6へ取り付ける際には、嵌合穴11が鉛直線の下側を向いたコネクタ4を下方向に移動させることによって、嵌合穴11にピン5bを挿入する。
また、コネクタ把持ハンド3は、基板6とコネクタ4との組み立てを行う前に、ピン5bの位置と、検査治具7に設けられた検査穴8の位置とが合致するよう、ピン端子5aの上側から検査治具7をピン端子5aに近付ける。すなわち、コネクタ把持ハンド3は、検査穴8が鉛直線の下側を向いた検査治具7を下方向に移動させることによって、検査穴8にピン端子5aを挿入する。
検査穴8は、ピン端子5aのピン曲りを検査する際にピン5bが挿入される穴である。すなわち、検査穴8は、検査対象のピン5bを挿入可能な挿入穴である。検査治具7には、嵌合穴11と同様の配置位置で同数の検査穴8が設けられている。したがって、検査穴8の穴数は、ピン5bのピン数と同数であり、各検査穴8の位置は、各ピン5bの位置に対応している。各検査穴8へは、ピン5bが1対1で挿入される。
検査治具7は、ピン曲りが無い場合には、ピン5bが検査穴8に挿入された際に、ピン5bがコネクタ4に接触しない形状を有している。すなわち、検査穴8の深さは、ピン曲りが無いピン5bが検査穴8に挿入された際に、ピン5bの先端が検査穴8の底面(穴底)に到達しない深さである。また、検査穴8の直径は、嵌合穴11の直径よりも大きい。嵌合穴11は、ピン5bに嵌め合せる必要があるので、嵌合穴11の内径とピン5bの外径とはほぼ同じであるが、検査穴8は、ピン5bを挿入することができればよいので、検査穴8の内径は、ピン5bの外径よりも大きくしておく。検査穴8の内径は、ピン曲りの許容値に応じて決定される。すなわち、ピン曲りの許容値が大きいほど、検査穴8の内径を大きくしておく。
このように検査穴8を構成しておくことで、ピン曲りが無い場合には、ピン5bが検査穴8に挿入されても、ピン5bは検査治具7に接触しないので、検査治具7に対する、ピン5bの挿入方向成分の反力(荷重反力)は発生しない。一方、許容値よりも大きなピン曲りが有る場合、曲がったピン5bが検査治具7に接触することによって、検査治具7に対する、ピン5bの挿入方向成分に反力が発生する。
図3に示すように、コネクタ把持ハンド3を下側から見た場合に、検査治具7は、コネクタ把持ハンド3の外周部に取り付けられており、コネクタ4は、コネクタ把持ハンド3の中央部で把持されている。ロボット50は、ピン曲りを検査する際には、検査治具7を基板6の上部に移動させ、コネクタ4を基板6に嵌合する際には、コネクタ4を基板6の上部に移動させる。
力覚センサ2は、検査治具7にかかる力(荷重)を検出するセンサ(荷重出センサ)の一例である。したがって、力覚センサ2の代わりに応力検出センサが用いられてもよい。力覚センサ2は、検査穴8にピン5bが挿入される際の、検査治具7にかかる力を、コネクタ把持ハンド3とアーム部1との間で検出する。コネクタ把持ハンド3とアーム部1との間にかかる力は、検査穴8に対するピン5bの挿入方向の荷重に対応している。力覚センサ2は、検出結果である荷重の測定値(以下、荷重値という)を、ロボットコントローラ9に送る。
力覚センサ2は、基板6とコネクタ4との組み立てが行なわれる際にも、コネクタ把持ハンド3とアーム部1との間にかかる力を検出する。この場合の力覚センサ2は、組み立ての失敗、位置ずれなどが原因で発生する力を検出する。このときの検出結果は、嵌合穴11に対するピン5bの挿入方向の荷重に対応している。この場合も、力覚センサ2は、コネクタ4の挿入方向の荷重を示す情報を、ロボットコントローラ9に送る。
ピン端子5aのピン曲りが許容値以下であれば、力覚センサ2は、閾値以下の荷重値をロボットコントローラ9に送ることになる。ピン端子5aのピン曲りが許容値を超えている場合、力覚センサ2は、閾値を超えた荷重値をロボットコントローラ9に送ることになる。
ロボットコントローラ9は、PLC10からの指示に従ってロボット50を制御する。ロボットコントローラ9は、力覚センサ2から送られてくる荷重値をPLC10に送る。
PLC10は、ロボットコントローラ9に、ロボット50を制御するための指示を送る。PLC10は、判定部20を有している。判定部20は、荷重値に基づいて、ピン曲りを判定するコンピュータなどである。
判定部20は、ピン曲りが有ると判定した場合には、コネクタ4の組立を中止させる指示である組立中止信号(中止指示)をロボットコントローラ9に送信する。判定部20は、ピン曲りが無いと判定した場合には、コネクタ4の組立を開始させる指示である組立開始信号(開始指示)をロボットコントローラ9に送信する。
図4は、実施の形態にかかる検査治具の検査穴と、ピン端子のピンとの位置関係を説明するための図である。図4では、+Y方向から-Y方向に向かって先端部55を見た場合の、先端部55の側面図を示している。図4に示す先端部55の側面図は、図2の矢視B1から見た先端部55の側面図に対応している。
ロボット50は、ピン曲りを検査する際には、検査穴8の位置と、検査穴8に対応するピン5bの位置とが、同じ鉛直線上に並ぶよう、検査治具7を基板6の上部に移動させる。この後、ロボット50は、検査治具7を下降させ、ピン5bを検査穴8に挿入する。
図5は、ピン曲りが無いピンを図4に示した検査穴に挿入する際の、ピンと検査穴との位置関係を説明するための図である。図6は、ピン曲りが有るピンを図4に示した検査穴に挿入する際の、ピンと検査穴との位置関係を説明するための図である。図5および図6では、+Y方向から-Y方向に向かって先端部55を見た場合の、先端部55の側面図を示している。図5および図6に示す先端部55の側面図は、図2の矢視B1から見た先端部55の側面図に対応している。なお、図5および図6では、コネクタ把持ハンド3の図示を省略している。
ロボット50は、検査治具7の底面(ピン端子5aに対向する面)と、ピン端子5aの先端とが接触しないよう、検査穴8にピン5bを挿入する。ロボット50が検査穴8にピン5bを挿入させた際に、ピン端子5aにピン曲りが無ければ、図5に示したように、ピン5bは検査穴8の中に納まり、ピン5bは、検査治具7に接触しない。したがって、検査治具7には、ピン5bの挿入方向成分の反力は発生しない。
一方、ロボット50が検査穴8にピン5bを挿入させた際に、ピン端子5aにピン曲り(曲がっているピン15)が有れば、図6に示したように、ピン5bは、検査穴8の中に納まらず、ピン5bの先端は、検査治具7の底面に接触する。したがって、検査治具7には、ピン5bの挿入方向成分の反力が発生する。本実施の形態では、図5に示した状態または図6に示した状態を、力覚センサ2を用いて検出する。
図7は、実施の形態にかかる検査システムによるピン曲り検査の検査処理手順を示すフローチャートである。ロボットコントローラ9は、PLC10からの指示に従って、ロボット50を制御する。ロボット50は、検査穴8の位置と、検査穴8に対応するピン5bの位置とが、同じ鉛直線上に並ぶよう、検査治具7を基板6の上部に移動させる。そして、ロボット50は、検査治具7を下降させる(ステップS10)。
力覚センサ2は、検査治具7を下降させている間、検査治具7に対する、ピン5bの挿入方向成分の荷重を検出する(ステップS20)。ピン端子5aにピン曲りが無い場合には、ピン端子5aのピン5bが検査治具7に設けられた検査穴8に納まるので、力覚センサ2からロボットコントローラ9を介して判定部20に送られてくる荷重値に変化は無い。一方、ピン端子5aにピン曲りが有る場合、ピン5bは検査治具7に設けられた検査穴8に納まらず、ピン5bが検査治具7に衝突し、検査治具7に対する、ピン5bの挿入方向成分の反力(荷重)が生じるので力覚センサ2の荷重値に変動が発生する。
力覚センサ2は、検出した荷重の値を示す荷重値をロボットコントローラ9に送る。ロボットコントローラ9は、受信した荷重値をPLC10の判定部20に送る。
判定部20は、荷重値が閾値を超えているか否かを判定する(ステップS30)。すなわち、判定部20は、力覚センサ2によって検出された荷重値が予め定めておいた閾値を超えていないかを監視する。
荷重値が閾値を超えていない場合(ステップS30、No)、判定部20は、検査治具7が高さの基準値に到達したか否かを判定する(ステップS40)。判定部20は、例えば、ロボット50の制御に用いられる制御プログラムの進行状況に基づいて、検査治具7が高さの基準値に到達したか否かを判定する。ここでの制御プログラムは、ピン曲り検査が行われる際にアーム部1の移動制御に用いられるプログラムであり、アーム部1の移動位置を指定した情報が含まれている。したがって、判定部20は、アーム部1の移動位置を指定した情報に基づいて、検査治具7が高さの基準値に到達したか否かを判定する。検査治具7の高さは、ピン5bの検査穴8への挿入深さに対応している。
高さの基準値は、ピン5bを検査穴8に挿入した場合に、検査治具7の底面と、ピン端子5aの上面とが接触しない高さである。したがって、ロボット50は、荷重値が閾値を超えていなければ、検査治具7の底面と、ピン端子5aの上面とが接触しない高さまで検査治具7を移動させる。
なお、ロボット50に、検査治具7の高さを検出するセンサを設けておいてもよい。この場合、判定部20は、センサによる高さの検出値に基づいて、検査治具7が高さの基準値に到達したか否かを判定する。
検査治具7が高さの基準値に到達していなければ(ステップS40、No)、判定部20は、検査治具7の移動を継続させる。すなわち、検査システム100では、ステップS10からS40までの処理が行われる。
検査治具7が高さの基準値に到達すると(ステップS40、Yes)、判定部20は、ピン端子5aにはピン曲りが無いと判定する(ステップS50)。そして、判定部20は、コネクタ4の組立を開始させる組立開始信号をロボットコントローラ9に送信する(ステップS60)。これにより、ロボットコントローラ9は、コネクタ4を基板6に嵌め合せる処理を実行する。
ステップS30の処理において、荷重値が閾値を超えている場合(ステップS30、Yes)、判定部20は、ピン端子5aにピン曲りが有ると判定する(ステップS70)。そして、判定部20は、コネクタ4の組立を中止させる組立中止信号をロボットコントローラ9に送信する(ステップS80)。これにより、ロボットコントローラ9は、検査治具7の移動を停止して、基板6から検査治具7を離し、コネクタ4の基板6への取り付けを中止する。
このように、判定部20は、受信した荷重値が閾値を超えた時点でロボットコントローラ9へ異常信号である組立中止信号を送信し、コネクタ4とピン端子5aとの組立嵌合作業を中止させる。
ところで、検査治具7が導電材料である場合、基板6に実装されている実装部品に電荷が残存していると、ピン端子5aと検査治具7との間で短絡またはスパークが発生し、基板6の実装部品が破損する可能性がある。このため、検査治具7を絶縁性材料で構成しておく。これにより、ピン端子5aと検査治具7との間における短絡またはスパークの発生を防止することができる。検査治具7を構成する部材の例は、セラミックである。
なお、検査システム100は、コネクタ把持ハンド3がコネクタ4を把持した状態で、ピン5bのピン曲りを検査してもよい。すなわち、検査システム100は、コネクタ把持ハンド3がコネクタ4を把持した状態で、ピン端子5aのピン5bを検査治具7の検査穴8に挿入してもよい。また、検査システム100は、コネクタ把持ハンド3がコネクタ4を把持していない状態で、ピン5bのピン曲りを検査してもよい。
また、判定部20は、PLC10の外部に配置されてもよい。判定部20は、ロボットコントローラ9内に設けられてもよいし、ロボットコントローラ9、PLC10以外の他のコンピュータ内に配置されてもよい。
このように実施の形態では、検査穴8が設けられた検査治具7を移動させてピン5bを検査穴8に挿入する際に、検査治具7とアーム部1との間に配置された力覚センサ2が、検査治具7に対する、ピン5bの検査穴8への挿入方向成分の荷重を検出している。そして、判定部20が、荷重を示す荷重値に基づいて、ピン5bのピン曲りの有無を判定している。これにより、簡易な構成の検査システム100でピン曲りの有無を判定できるので、ピン曲りの有無を低コストで判定することが可能となる。
また、検査システム100は、コネクタ4と基板6とを嵌合する前に、検査治具7を用いてピン曲りを検査するので、ピン曲りによるコネクタ4の破損を防止できる。すなわち、コネクタ4を基板6に嵌合する際にピン曲りを検査する場合、ピン曲りが有ると、嵌合時にコネクタ4に負荷がかかり、コネクタ4が破損する可能性が高くなるが、検査治具7を用いてピン曲りを検査することによって、コネクタ4の破損を防止できる。
また、検査システム100は、嵌合穴11よりも大きな直径を有した検査穴8を用いてピン曲りを検査するので、ピン5bおよび検査治具7に小さな力をかけるだけでピン曲りの有無を判定できる。したがって、基板6、検査治具7、およびピン5bの破損を防止できる。
また、ピンの形成されている基板の歪みに基づいてピン曲りを検出する場合には、ピンが曲がっていても基板に歪みが発生しなければ、ピン曲りが無いと判定されてしまうが、検査システム100は、ピン曲りによって検査治具7にかかる力を検出するので正確にピン曲りの有無を判定できる。
また、検査システム100は、1つの力覚センサ2で検出された荷重値に基づいてピン曲りの有無を判定するので、ピン曲りの有無を容易に判定できる。一方、複数のセンサで検出された検出値に基づいてピン曲りの有無を判定する場合、ピン曲りの有無の判定処理が複雑になる。
また、検査システム100は、コネクタ4と基板6との組み立ての際の位置ずれを検出する力覚センサ2を用いて、ピン曲りの有無を判定するので、低コストの検査システム100でピン曲りの有無を判定することができる。すなわち、ピン曲りの有無を判定するための新たな測定機器が不要であるので、安価にピン曲りの有無を判定できる。
なお、検査システム100は、コネクタ4および検査治具7を固定側に設けておき、アーム部1が基板6を把持してピン曲りの検査と、基板6およびコネクタ4の組み立てを行ってもよい。
図8は、実施の形態にかかる検査システムが備える検査治具の配置位置の別例を説明するための図である。図8では、-X方向から+X方向に向かってロボット50の先端部56を見た場合の、先端部56の側面図を示している。アーム部1が基板6を把持する場合、力覚センサ2および基板把持ハンド30によって先端部56が構成されている。
力覚センサ2は、一方の端部(上面側)がアーム部1の先端に接続され、他方の端部(底面側)が基板把持ハンド30に接続されている。検査治具7およびコネクタ4は、検査穴8および嵌合穴11が鉛直線の上側を向くよう載置される。
基板把持ハンド30は、基板6とコネクタ4との組み立てを行う前に、ピン5bの位置と、検査治具7に設けられた検査穴8の位置とが合致するよう、検査治具7の上側からピン端子5aを検査治具7に近付ける。すなわち、基板把持ハンド30は、ピン5bが鉛直線の下側を向いた基板6を下方向に移動させることによって、検査穴8にピン端子5aを挿入する。
基板把持ハンド30は、基板6をコネクタ4に取り付ける組み立て作業を行う際には、ピン5bが鉛直線の下側を向くよう基板6を把持し、ピン5bの位置と嵌合穴11の位置とが合致するよう、嵌合穴11の上側からピン5bを嵌合穴11に嵌め合わせる。すなわち、基板把持ハンド30は、基板6をコネクタ4へ取り付ける際には、ピン5bが鉛直線の下側を向いた基板6を下方向に移動させることによって、嵌合穴11にピン5bを挿入する。
ここで、判定部20のハードウェア構成について説明する。図9は、実施の形態にかかる検査システムが備える判定部の第1のハードウェア構成例を示す図である。判定部20を構成する構成要素の一部又は全部の機能は、プロセッサ301およびメモリ302により実現することができる。
プロセッサ301の例は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ302の例は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
判定部20は、プロセッサ301が、メモリ302で記憶されている、判定部20の動作を実行するための判定プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、この判定プログラムは、判定部20の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。メモリ302は、プロセッサ301が各種処理を実行する際の一時メモリにも使用される。
図10は、実施の形態にかかる検査システムが備える判定部の第2のハードウェア構成例を示す図である。判定部20を構成する構成要素の一部又は全部の機能は、処理回路303により実現することができる。
処理回路303は、専用のハードウェアである。処理回路303は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
なお、判定部20の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。すなわち、判定部20の一部の機能を図9に示したプロセッサ301およびメモリ302で実現し、残りの機能を図10に示した専用の処理回路303で実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 アーム部、2 力覚センサ、3 コネクタ把持ハンド、4 コネクタ、5a ピン端子、5b ピン、6 基板、7 検査治具、8 検査穴、9 ロボットコントローラ、10 PLC、11 嵌合穴、20 判定部、30 基板把持ハンド、50 ロボット、55 先端部、100 検査システム、301 プロセッサ、302 メモリ、303 処理回路。

Claims (6)

  1. 検査対象のピンを挿入可能な挿入穴が設けられた検査治具と、
    前記ピンの位置に対する前記検査治具の位置を相対的に移動させて前記ピンを前記挿入穴に挿入するロボットアームと、
    前記検査治具と前記ロボットアームとの間に配置されて、前記ピンを前記挿入穴に挿入する際に、前記検査治具に対する、前記ピンの前記挿入穴への挿入方向成分の荷重を検出する荷重検出センサと、
    前記荷重を示す荷重値に基づいて、前記ピンのピン曲りの有無を判定し判定結果を出力する判定部と、
    を備えることを特徴とする検査システム。
  2. 前記判定部は、特定の深さまで前記ピンが前記挿入穴に挿入される間に、前記荷重値が閾値を超えた場合に前記ピンにピン曲りが有ると判定し、前記荷重値が閾値以下の場合に前記ピンにピン曲りが無いと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
  3. 前記ロボットアームに接続されるとともに、前記ピンに嵌合される嵌合穴が設けられたコネクタを把持するコネクタ把持ハンドと、
    前記ロボットアームおよび前記コネクタ把持ハンドを制御するロボットコントローラをさらに備え、
    前記判定部は、前記ピンにピン曲りが有ると判定した場合には、前記コネクタの取り付けを中止させる中止指示を前記ロボットコントローラに送信し、前記ピンにピン曲りが無いと判定した場合には、前記コネクタの取り付けを開始させる開始指示を前記ロボットコントローラに送信し、
    前記ロボットコントローラは、前記開始指示を受信すると、ピン曲りが無いと判定されたピンに対し前記コネクタ把持ハンドが把持する前記コネクタを取り付けさせる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の検査システム。
  4. 前記挿入穴の直径は、前記嵌合穴の直径よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項3に記載の検査システム。
  5. 前記検査治具は、絶縁性材料で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の検査システム。
  6. ロボットアームが、検査対象のピンを挿入可能な挿入穴が設けられた検査治具の位置を前記ピンの位置に対して相対的に移動させて、前記ピンを前記挿入穴に挿入する挿入ステップと、
    前記検査治具と前記ロボットアームとの間に配置された荷重検出センサが、前記ピンを前記挿入穴に挿入する際に、前記検査治具に対する、前記ピンの前記挿入穴への挿入方向成分の荷重を検出する荷重検出ステップと、
    前記荷重を示す荷重値に基づいて、前記ピンのピン曲りの有無を判定し判定結果を出力する判定ステップと、
    を含むことを特徴とする検査方法。
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