JP7105482B2 - 石定盤の温度調整装置およびそれを備えた検査装置 - Google Patents

石定盤の温度調整装置およびそれを備えた検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、石定盤の温度調整装置およびそれを備えた検査装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)パネル、有機ELパネルなどのフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)では、ディスプレイの大画面化に伴いガラス基板の大型化が進んでいる。大型のFPDの製造においては、このガラス基板に対して等倍露光を行うフォトマスクが用いられている。したがって、フォトマスクおよびフォトマスクに電子回路を形成する原版となるブランクスは、LCDパネルやマザーガラスの大型化に伴って著しく大型化している。
大型のフォトマスクにおけるパターン配置などの検査を行うには、例えば、特許文献1に開示されるような検査装置を用いる。この検査装置は、装置の基礎となるステージとしての石定盤を備えている。石定盤の上には、ストローク方向に対して往復移動が可能なマスク支持部が設けられている。フォトマスクは、このマスク支持部に支持されてストローク方向に沿って移動する。このとき、フォトマスクは、マスク面がストローク方向と上下方向とに平行をなすように、起立した状態でマスク支持部に支持される。すなわち、フォトマスクは、所謂縦置きした状態で石定盤上に載せられる。
特開2017-102074号公報
このような検査装置において、石定盤の平面精度を保つことは、非常に重要である。図14に示すように、石定盤200において、ストローク方向Sに対して垂直に交わる図示しない水平軸の軸回りに曲がるピッチングが生じると、それに伴って、フォトマスク201にマスク面上での曲がりが発生する。フォトマスク201がマスク面上で曲がることにより、パネル面上のパターン202も位置ずれを起こしてしまう。したがって、石定盤200にピッチングが生じると、正確な検査が行えないという問題がある。
石定盤の製造において、石定盤の平面精度を出すための研磨を行う温度環境は、必ずしも検査装置を使用する温度環境と一致しない。すなわち、検査装置の環境温度は、ユーザ環境毎に異なる。例えば、花崗岩(グラナイト)で厚みが400mm、長さが4.5mの石定盤を作製し、石定盤の上下面の温度差(上面の温度>下面の温度)が0.1℃ある場合、0.2秒角(1秒角:1/3600度)近いピッチング誤差が発生する。冬期に研磨した石定盤は、下面が冷えた環境で作製され易く、使用環境も下面を低温に保たないと平面精度の再現ができない。
一般的に、検査装置において、石定盤の上面側はサーマルチャンバ内に晒されているため温度調整されることが多いが、石定盤の下面側は温度調整が行き届かない場合が多い。石定盤の下面は、向き合う設置床面の温度の影響を大きく受ける。設置床面が石定盤の下面より温度が低い場合、石定盤の下面から出た赤外線が設置床面で吸収され、石定盤の下面から出た赤外線量と同じだけの赤外線量が戻らないため冷えることになる。逆に、設置床面が石定盤の下面より温度が高い場合、石定盤の下面から出た赤外線量以上に赤外線が石定盤の下面に戻るため、石定盤の下面の温度は上昇傾向となる。
ここで、石定盤の下面を直接的に加熱または冷却して温度調節を行うことが考えられる。この場合、直接的な温度調節により、石定盤側での早急な応答が要求されるため、石定盤の形状安定化が困難となると考えられる。また、石定盤の下面を直接的に加熱または冷却しても、設置床面からの熱的影響を排除できないため、石定盤の形状を正確に制御することは困難となると考えられる。
したがって、石定盤を備える検査装置では、設置床面の温度環境に起因する石定盤の変形により、フォトマスクのパターン検査に誤差が発生することを抑制することが求められる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、設置場所に拘わらずに、石定盤の平面精度を容易に維持できる石定盤の温度調整装置、およびそれを備え、被検査パネルの検査精度を向上させることができる検査装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様は、設置床面との間に間隙を隔てて配置される石定盤の温度調整装置であって、前記石定盤の下面に対向するように前記設置床面上に配置される下面温調パネルと、前記下面温調パネルの温度を制御する温度制御部と、を備え、前記下面温調パネルは、前記設置床面上に配置される断熱パネルと、前記断熱パネルの上に配置され、温度調整部が設けられ当該温度調整部により熱供給または熱吸収される熱輻射パネルと、を備え、前記温度制御部は、前記石定盤の上面と、前記熱輻射パネルの表面と、の温度差が設定値となるように前記熱輻射パネルの温度を制御することを特徴とする。
上記態様としては、前記下面温調パネルが、前記設置床面の前記石定盤を設置する占有領域を、前記石定盤の長手方向に沿って複数に分割したそれぞれの分割領域毎に、配置されることが好ましい。
上記態様としては、前記下面温調パネルにパネル側温度センサが設けられ、前記パネル側温度センサに対応する石定盤の上面に、該パネル側温度センサと対をなす上面側温度センサが設けられ、前記温度制御部は、上下方向で対応して対をなす、前記パネル側温度センサと、前記上面側温度センサと、の温度検出値に基づいて、それぞれの前記下面温調パネルの前記温度調整部の温度を制御することが好ましい。
上記態様としては、前記下面温調パネルと前記石定盤の下面とで挟まれた間隙の周囲は、区画壁で囲まれることが好ましい。
上記態様としては、前記断熱パネルが、独立発泡構造の樹脂シートで構成されることが好ましい。
上記態様としては、前記熱輻射パネルが、金属板で構成されることが好ましい。
上記態様としては、前記温度調整部が、冷媒を流通させるチューブであることが好ましい。
上記態様としては、前記チューブは、互いに並行する一対の冷媒流路を有し、前記一対の冷媒流路のそれぞれに、冷媒が互いに逆方向に流れるように設定されていることが好ましい。
上記態様としては、前記温度調整チューブに、前記下面温調パネルで温められる前記石定盤の温度よりも低い基準温度に調整された冷媒を供給するタンクと、前記温度調整チューブを通過した戻りの冷媒を、前記基準温度よりも低い温度の冷却水で当該基準温度まで下がるように冷却する熱交換器と、を備え、前記熱交換器で冷却した冷媒を前記タンクに供給することが好ましい。
本発明の他の態様は、設置床面との間に間隙を隔てて配置され、被検査パネルを載せる石定盤と、前記被検査パネルのパネル面の状態を撮像する検査カメラと、前記石定盤の温度調整装置と、を備え、前記温度調整装置が、前記石定盤の下面に対向するように、前記設置床面上に配置される下面温調パネルと、前記下面温調パネルの温度を制御する温度制御部と、を備え、前記下面温調パネルは、前記設置床面上に配置される断熱パネルと、前記断熱パネルの上に配置され、温度調整部が埋設され、当該温度調整部により熱供給および熱吸収される熱輻射パネルと、を備え、前記温度制御部は、前記石定盤の上面と、前記熱輻射パネルの表面と、の温度差が設定値となるように前記熱輻射パネルの温度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、設置場所に拘わらずに、石定盤の変形を抑制でき、特に、平面精度を容易に維持できる石定盤の温度調整装置、およびそれを備え、被検査パネルの検査精度を向上させることができる検査装置を実現できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の概略を示す断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の要部分解斜視図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の石定盤を除いた状態を示す平面説明図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置および温度調整装置の概略構成図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置に用いる第1下面温調パネルの断面図である。 図6-1は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置において石定盤に温度分布による変形が生じた状態を模式的に示す説明図である。 図6-2は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置において温度調整装置により温度制御を行ったときの石定盤の状態を示す説明図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置により、石定盤の温度制御を行った状態でのフォトマスクの状態を示す説明図である。 図8-1は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置において石定盤に温度分布による変形が生じた状態を模式的に示す説明図である。 図8-2は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置において温度調整装置により温度制御を行ったときの石定盤の状態を示す説明図である。 図9-1は、本発明の第3の実施の形態に係る検査装置において石定盤に温度分布による変形が生じた状態を模式的に示す説明図である。 図9-2は、本発明の第3の実施の形態に係る検査装置において温度調整装置により温度制御を行ったときの石定盤の状態を示す説明図である。 図10は、本発明の第4の実施の形態に係る検査装置および温度調整装置に用いられる第1下面温調パネルの断面図である。 図11は、本発明の第5の実施の形態に係る検査装置および温度調整装置に用いられる下面温調パネルの平面説明図である。 図12は、図11のXII-XII断面図である。 図13は、本発明の第6の実施の形態に係る温度調整装置の概略構成図である。 図14は、石定盤においてストローク方向に対して垂直に交わる水平軸の軸回りに曲がるピッチングが生じてフォトマスクのパターンが変形した状態を示す説明図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る石定盤の温度調整装置および検査装置の詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の寸法、寸法の比率、形状、変形の度合いなどは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの各部材の数、寸法の関係や比率や形状が異なる部分が含まれている。
「第1の実施の形態」
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る石定盤の温度調整装置を備えた検査装置1を示す。本実施の形態に係る検査装置1は、図1に示す被検査パネルであるフォトマスクMのパターン配置の検査に用いられる。この検査装置1により、フォトマスクMのマスク面に形成されたマスクパターンの位置データを検出でき、この位置データと設計データとを比較することにより、フォトマスクMのマスクパターンの欠陥の検出やマスクパターンの修正などが可能となる。
[検査装置の概略構成]
図1に示すように、本実施の形態の検査装置1は、設置床面Fの上に配置される。検査装置1は、装置の基礎となるステージとしての石定盤2と、パネル支持部としてのマスク支持部3と、石定盤2を支える複数(図3に示すように本実施の形態では6つ)の除振台4,5,6,7,8,9と、撮像部10と、温度調整装置11を備える。
(石定盤)
石定盤2は、例えば、花崗岩(グラナイト)で構成される。図1および図2に示すように、石定盤2は略直方体形状であり、上面21と、下面22と、両側の側面23,24と、長手方向両端の側面25,26と、を有する。石定盤2の大きさは、例えば、幅が1,200mm程度、長さが4,500mm程度、厚みが400mm程度の略直方体形状である。なお、石定盤2の大きさは、扱うフォトマスクMの大きさにより、適宜変更する。
図2に示すように、石定盤2の上面21には、上面21の幅方向Wの中央に、長手方向に沿って延びるガイド溝2Aが形成されている。石定盤2の下面22の四隅には、それぞれ凹部2Bが形成されている。また、石定盤2の下面の長手方向中央の幅方向Wの両側には、それぞれ凹部2Cが形成されている。
上記した6つ除振台4,5,6,7,8,9は、配置される石定盤2の凹部2B,2Cに対応するように設置床面F上に設置される。石定盤2は、凹部2B,2Cの底面(凹部内の空間の天井面)が、対応する除振台4,5,6,7,8,9のそれぞれの上面4A,5A,6A,7A,8A,9Aの上に当接するように配置される。図1に示すように、除振台4,5,6,7,8,9で石定盤2を支えた状態において、石定盤2の下面22と設置床面Fとの間には、所定の高さ寸法を有する間隙Cが形成される。
(マスク支持部)
図1に示すように、石定盤2のガイド溝2Aには、マスク支持部3が石定盤2のストローク方向S(石定盤2の長手方向)に移動自在に設けられている。マスク支持部3は、フォトマスクMの縁部を支持する支持枠3Aを備える。
(除振台)
本実施の形態では、石定盤2の凹部2Bに対応する除振台4,6,7,9は、アクティブ除振台であり、石定盤2の凹部2Cに対応する除振台5,8は、パッシブ除振台である。なお、本発明では、除振台の構成は、これに限定されるものではない。
(撮像部)
図1に示すように、撮像部10は、上下ガイド支柱10Aと、検査カメラ10Bと、を備える。検査カメラ10Bは、上下ガイド支柱10Aに沿って上下方向に移動可能に設けられている。上下ガイド支柱は、石定盤2の上面21に設けられている。検査カメラ10Bは、図示しない制御装置および駆動装置により、上下移動するように設定されている。
[温度調整装置の構成]
図4に示すように、温度調整装置11は、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34と、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15と、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44と、水温調整ヒータ17,18,19,20と、温度調整部としての温度調整チューブ37と、下面温調パネルの温度を制御する温度制御部16と、区画壁としてのカーテン50(図2参照)と、を備える。
(上面側温度センサ)
本実施の形態では、図4に示すように、石定盤2の上面21を長手方向に4分割した領域A1,A2,A3,A4に対して、順次、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34が、設けられている。これら第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34は、温度制御部16に接続され、各領域A1,A2,A3,A4での温度検出値を温度制御部16に出力する。
(下面温調パネル)
第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15は、順次、石定盤2の4つの領域A1,A2,A3,A4(図4参照)に上下方向に対応するように、石定盤2の下方の設置床面F上に配置されている。
図5に示すように、第1下面温調パネル12は、断熱パネル35と、熱輻射パネル36と、が積層されて構成されている。なお、図5は、第1下面温調パネル12のみを示すが、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15も同様の構成であり、断熱パネル35と熱輻射パネル36とでなる。
断熱パネル35は、断熱性の高い独立発泡構造の樹脂シート材で構成されている。この断熱パネル35が、図1に示すように設置床面Fに接触するように配置される。特に、断熱パネル35は、独立発泡構造であるため、連続発泡構造の断熱材に比較して熱遮断効果が高い。ただし、本発明では、設置床面F側からの熱の伝導を抑制できる他の断熱部材を適用してもよい。
熱輻射パネル36は、熱伝導性の高い金属板で構成されている。本実施の形態では、熱輻射パネル36をアルミニウム板で構成している。図5に示すように、熱輻射パネル36は、断熱パネル35の上に積層されている。熱輻射パネル36の表面には、温度調整部としてのチューブである温度調整チューブ37が埋設されている。このため、熱輻射パネル36は、温度調整チューブ37により熱供給または熱吸収されて温度制御され、制御された温度の熱輻射を石定盤2の下面22に行う。
(温度調整部)
図2、図3および図5に示すように、温度調整チューブ37は、一対の冷媒流路37A,37Bが互いに平行をなすように一体的に形成されている。なお、本実施の形態では、温度調整チューブ37における温度均一性を高めるため、冷媒流路37A,37B内に同じ温度の水を互いに逆方向に流通させるように設定されている。
本実施の形態では、温度調整チューブ37を例えばフッ素樹脂で構成している。温度調整チューブ23をフッ素樹脂で構成することにより、耐圧力性を高めることができ、水漏れを防ぐ効果を高めることができる。図2および図3に示すように、温度調整チューブ37は、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15のそれぞれの熱輻射パネル36に対して、蛇行するようにレイアウトされて埋設されている。なお、熱輻射パネル36に対する温度調整チューブ37の配置密度は、均等になることが好ましく、除振台4,5,6,7,8,9の配置状態による熱伝達などによる熱分布を加味して配置密度を決定してもよい。
図4に示すように、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15にそれぞれ設けられた温度調整チューブ37は、順次、水温調整ヒータ17,18,19,20から水温調整された水が供給される。なお、本実施の形態では、1つの温度調整チューブ37は、冷媒流路37A,37Bを有するため、水温調整ヒータ17,18,19,20のそれぞれから2つの冷媒流路37A,37Bへ水温調整された水を供給するように設定されている。
(パネル側温度センサ)
第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15のそれぞれの上面には、順次、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44が配置されている。なお、これら第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44は、順次、石定盤2上の、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34に対して上下方向に対応する位置に配置されることが好ましい。
これら第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44は、温度制御部16に接続されている。第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44で検出された、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15の上面の温度検出値は、温度制御部16に出力される。
(水温調整ヒータ)
図4に示すように、水温調整ヒータ17,18,19,20は、基準温度(T)で供給される水を、温度制御部16からの制御信号に基づいて、所定の制御温度(T+A),(T+B),(T+C),(T+D)に昇温させる作用・動作を行う。なお、ここで、基準温度(T)は、検査装置1を稼働させる環境において、石定盤2の上面21の温度よりも常に低い一定の温度が設定されている。
(温度制御部)
図4に示すように、温度制御部16は、石定盤2の上面21側の、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34と、下面温調パネル側の、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44と、に接続されている。温度制御部16は、水温調整ヒータ17,18,19,20に接続されている。
温度制御部16は、例えば、パーソナルコンピュータのような演算装置や記憶部を有するデバイスを備えて構成される。温度制御部16では、石定盤2の上面側温度と下面側温度との差が、予め設定された温度となるように、水温調整ヒータ17,18,19,20での基準温度(T)に加える加熱度合を決定して水温調整ヒータ17,18,19,20を制御する。なお、上記の上面側温度と下面側温度との差(上面側温度-下面側温度)は、例えば、0.2℃程度に設定することができる。なお、上面側温度と下面側温度との差は、個々の石定盤2の特性に応じて決定すればよい。
このように水温調整ヒータ17,18,19,20を制御することにより、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15にそれぞれ設けられた温度調整チューブ37内を流通する水の温度を変化させることができる。このため、各下面温調パネルの熱輻射パネル36は、個々に温度制御される。
(区画壁)
図2に示すように、本実施の形態では、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14のそれぞれの周囲に沿って、区画壁としてのカーテン50を配置する。本実施の形態では、カーテン50として、例えば、静電防止塩化ビニルシートなどを用いる。なお、カーテン50は、石定盤2と設置床面Fとの間の隙間を塞ぐ目的で用いる。また、カーテン50は、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14のそれぞれの上方の空間(間隙C)を区画している。したがって、カーテン50により、下面温調パネル相互間での空気の対流を防止できる。このため、カーテン50は、各下面温調パネルにおける隣接パネルから温度の影響を防止する機能を果たす。
(作用および動作)
本実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11では、石定盤2の上面21の各領域A1,A2,A3,A4の温度と、これら領域A1,A2,A3,A4に対応する石定盤2の下方の各下面温調パネルの温度と、を検出することにより、温度制御部16が水温調整ヒータ17,18,19,20での温度制御を行う。
したがって、本実施の形態では、石定盤2の各領域A1,A2,A3,A4における上面21側の温度と、下方側の温度と、の温度差を設定した温度差に維持することができるため、石定盤2の変形を抑制できる。図6-1は、石定盤2に上下方向の温度差が設置環境により変化して、複数の箇所でピッチングが発生した状態を模式的に示している。本実施の形態では、上記の温度制御を行うことで、図6-2に示すように、石定盤2の変形を抑制することができる。したがって、図7に示すように、石定盤2に載せられたフォトマスクMの変形も防止でき、フォトマスクMのマスクパターンMpに変形が発生することによる検査ミスを未然に防止できる。
本実施の形態に係る温度調整装置11は、上述の作用および動作を行うため、設置場所に拘わらずに、石定盤2の変形を抑制でき、特に、上面21の平面精度を容易に維持できる。したがって、この温度調整装置11を備える検査装置1では、フォトマスクMの検査精度を向上させることができる。
検査装置1の設置環境としては、温度制御されたサーマルチャンバ内や、クリーンエアをダウンフローさせだけで、石定盤2の上面21の温度管理がされていないクリーンルーム内などがある。本実施の形態の検査装置1および温度調整装置11によれば、上記のいずれの設置環境においても、設置床面F側からの温度の影響を抑制できる。また、本実施の形態では、気温の高い夏期や気温の低い冬期であっても、石定盤2の変形を抑制できる。
本実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11では、石定盤2の上面の温度から一定差の温度を目的値となるように、石定盤2の下面22側の温度制御するだけであるため、全体的な制御の流れとしてはオープンループの制御となり、制御系の安定性を簡単に確保できる。
本実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11では、石定盤2を4つに分割した領域A1,A2,A3,A4のそれぞれに対応する、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15の温度調節を行うことで、石定盤2の複雑な曲がりに対する補正が可能となる。
本実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11では、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15の熱輻射パネル36からの熱輻射により石定盤2の下面22の温度制御を行うため、石定盤2に対して、直接的な加熱に伴うようなストレスを与えることがない。
「第2の実施の形態」
図8-1および図8-2は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11に用いられる石定盤2および下面温調パネルを模式的に示す。本実施の形態では、石定盤2を長手方向に3つに分割した領域A1,A2,A3に、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33を設けている。これに対応して、下面温調パネルとして、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14が設けられている。本実施の形態における他の構成は、上記した第1の実施の形態の構成内容と略同様である。
本実施の形態においても、図8-1に示すような石定盤2の複数の変形を抑制して、図8-2に示すように上面が平坦な形状を保つことができる。
「第3の実施の形態」
図9-1および図9-2は、本発明の第3の実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11に用いられる石定盤2および下面温調パネルを模式的に示す。本実施の形態では、石定盤2を長手方向に2つに分割した領域A1,A2に、第1上面側温度センサ31と第2上面側温度センサ32とを設けている。これに対応して、下面温調パネルは、第1下面温調パネル12と、第2下面温調パネル13と、が設けられている。本実施の形態における他の構成は、上記した第1の実施の形態の構成内容と略同様である。
本実施の形態においても、図9-1に示すような石定盤2の変形を抑制して、図9-2に示すように上面が平坦な形状を保つことができる。
「第4の実施の形態」
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る検査装置1および温度調整装置11に用いる第1下面温調パネル12Aを示す。この実施の形態では、上記第1の実施の形態の第1下面温調パネル12における熱輻射パネル36を表裏反転させて断熱パネル35に積層した構成である。したがって、温度調整チューブ37は、断熱パネル35と熱輻射パネル36との界面近傍に位置する。本実施の形態の他の構成は、上記した第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、熱輻射パネル36の下側に温度調整チューブ37を配置したことにより、温度調整チューブ37から伝達される熱が、熱輻射パネル36の上面に伝達されたときに、この上面において温度の均一性をより高めることができる。
「第5の実施の形態」
図11および図12は、本発明の第5の実施の形態に係る下面温調パネル60を示す。図12に示すように、下面温調パネル60は、断熱パネル35と熱輻射パネル36とを積層してなる構成は、上記第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、熱輻射パネル36の表面に埋設する温度調整部としての温度調整チューブ38が1つの流路を持つチューブである。本実施の形態の他の構成は、上記した第1の実施の形態と同様である。
「第6の実施の形態」
図13は、本発明の第6の実施の形態に係る温度調整装置11Aの概略構成を示す。なお、本実施の形態では、水温調整ヒータ17,18,19,20に供給する水をそれぞれの温度調整チューブ37から戻る水を適当な温度に下げてタンク71に貯留、循環させて用いる。また、本実施の形態では、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44を石定盤2の下面に配置している。本実施の形態の他の構成は、上述の第1の実施の形態の構成と略同様であるため、第1の実施の形態に対応する図面を適宜用いて説明する。
以下、図1から図4、および図13を用いて本実施の形態に係る温度調整装置11Aについて説明する。温度調整装置11Aは、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34と、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44と、水温調整ヒータ17,18,19,20と、温度調整部としての温度調整チューブ37と、温度調整チューブ37をそれぞれ備える第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15と、それぞれの温度調整チューブ37の温度を制御する温度制御部16と、タンク71と、熱交換器72と、三方弁73と、を備える。
温度調整チューブ37は、一対の冷媒流路37A,37Bが互いに平行をなすように一体的に形成されている(図2および図3参照)。温度調整チューブ37では、冷媒流路37A,37B内に同じ温度の水を互いに逆方向に流通させるように設定されている。
図13に示すように、それぞれの温度調整チューブ37には、水温調整ヒータ17,18,19,20でそれぞれ水温調整された水が供給される。なお、本実施の形態では、1つの温度調整チューブ37が、一対の冷媒流路37A,37Bを有するため、水温調整ヒータ17,18,19,20のそれぞれから2つの冷媒流路37A,37Bへ水温調整された水を供給するように設定されている。
具体的には、水温調整ヒータ17の下流側には、配管81が接続されている。この配管81の下流端は、2つの配管81A,81Bに分岐されている。配管81Aは、対応する第1下面温調パネル12に設けられた冷媒流路37A(図2および図3参照)に接続されている。配管81Bは、冷媒流路37Bに対して、流路内の水の流れが冷媒流路37A内の水の流れと逆方向になるように接続されている。
水温調整ヒータ18の下流側には、配管82が接続されている。この配管82の下流端は、2つの配管82A,82Bに分岐されている。配管82Aは、対応する第2下面温調パネル13に設けられた冷媒流路37A(図2および図3参照)に接続されている。配管82Bは、冷媒流路37Bに対して、流路内の水の流れが冷媒流路37A内の水の流れと逆方向になるように接続されている。
水温調整ヒータ19の下流側には、配管83が接続されている。この配管83の下流端は、2つの配管83A,83Bに分岐されている。配管83Aは、対応する第3下面温調パネル14に設けられた冷媒流路37A(図2および図3参照)に接続されている。配管83Bは、冷媒流路37Bに対して、流路内の水の流れが冷媒流路37A内の水の流れと逆方向になるように接続されている。
水温調整ヒータ20の下流側には、配管84が接続されている。この配管84の下流端は、2つの配管84A,84Bに分岐されている。配管84Aは、対応する第4下面温調パネル15に設けられた冷媒流路37A(図2および図3参照)に接続されている。配管84Bは、冷媒流路37Bに対して、流路内の水の流れが冷媒流路37A内の水の流れと逆方向になるように接続されている。
図3に示す第1下面温調パネル12に設けられた温度調整チューブ37における、一対の冷媒流路37A,37Bの下流端は、図13に示すように、順次、配管85A,85Bに接続されている。これら配管85A,85Bの下流端は、配管85に接続されて合流している。
第2下面温調パネル13に設けられた温度調整チューブ37における、一対の冷媒流路37A,37Bの下流端は、図13に示すように、順次、配管86A,86Bに接続されている。これら配管86A,86Bの下流端は、配管86に接続されて合流している。
第3下面温調パネル14に設けられた温度調整チューブ37における、一対の冷媒流路37A,37Bの下流端は、図13に示すように、順次、配管87A,87Bに接続されている。これら配管87A,87Bの下流端は、配管87に接続されて合流している。
第4下面温調パネル15に設けられた温度調整チューブ37における、一対の冷媒流路37A,37Bの下流端は、図13に示すように、順次、配管88A,88Bに接続されている。これら配管88A,88Bの下流端は、配管89の上流端に接続されて合流している。配管89の下流端は、熱交換器72に接続されている。
配管85,86,87,88は、配管89に接続されて合流している。配管89は、熱交換器72に接続されている。配管89から供給されて熱交換器72を通って熱交換された水は、配管89Aを介してタンク71に供給されるようになっている。配管89Aには、温度センサ92が設けられている。
タンク71には、循環水供給配管93が接続されている。循環水供給配管93には、循環ポンプ94および圧力計96が設けられている。タンク71には、タンクレベル計95が設けられている。循環水供給配管93の下流端には、水温調整ヒータ17に接続される配管97と、水温調整ヒータ18に接続される配管98と、水温調整ヒータ19に接続される配管99と、水温調整ヒータ20に接続される配管100と、が接続されている。
図13に示すように、熱交換器72には、冷却水を供給する配管90が接続されている。配管90から供給されて熱交換器72を通って熱交換された水は、配管90Aを介して冷却水出口へ導かれる。配管90には、三方弁73が介在されている。三方弁73には、配管90Aに接続するバイパス配管91が接続されている。
本実施の形態では、温度の低い(例えば、10℃前後の温度の)水道水などの冷却水を配管90から供給して、熱交換器72内で、配管89から供給された循環水を基準温度(T)まで下げる制御を行う。
図13に示すように、温度制御部16は、石定盤2の上面21側の、第1上面側温度センサ31、第2上面側温度センサ32、第3上面側温度センサ33、第4上面側温度センサ34と、下面22側の、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44と、に接続されている。さらに、温度制御部16は、水温調整ヒータ17,18,19,20、三方弁73、温度センサ92に接続されている。
温度制御部16では、石定盤2の上面側温度と下面側温度との差が、予め設定された温度となるように、水温調整ヒータ17,18,19,20での基準温度(T)に加える加熱度合を決定して水温調整ヒータ17,18,19,20を制御する。なお、上記の上面側温度と下面側温度との差(上面側温度-下面側温度)は、例えば、0.2℃程度に設定することができる。なお、上面側温度と下面側温度との差は、個々の石定盤2の特性に応じて決定すればよい。また、本実施の形態では、第1パネル側温度センサ41、第2パネル側温度センサ42、第3パネル側温度センサ43、第4パネル側温度センサ44を石定盤2の下面22に配置しているが、上記第1の実施の形態のように、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15の表面に配置してもよい。要するに、石定盤2の各領域において、上面21側と下面22側との温度差を設定できればよい。」
このように水温調整ヒータ17,18,19,20を制御することにより、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14、第4下面温調パネル15にそれぞれ設けられた温度調整チューブ37内を流通する水の温度を変化させることができる。このため、各下面温調パネルの熱輻射パネル36は、個々に温度制御される。
図13に示すように、水温調整ヒータ17,18,19,20は、基準温度(T)で供給される水を、温度制御部16からの制御信号に基づいて、所定の制御温度(T+A),(T+B),(T+C),(T+D)に昇温させる作用・動作を行う。なお、ここで、基準温度(T)は、装置を稼働させる環境において、石定盤2の上面21の温度よりも常に低い一定の温度が設定されている。本実施の形態では、基準温度(T)を例えば、20℃に設定している。すなわち、本実施の形態では、タンク71に貯留する水の基準温度(T)が20℃に設定されている。
本実施の形態では、配管90には、例えば、11℃の冷却水が供給される。熱交換器72には、20℃よりも高い温度(T+A)、(T+B)、(T+C)、(T+D)などに加熱された水が配管89を介して供給される。なお、具体的には、配管89を介して熱交換器72へ供給される水の温度は、例えば、23℃程度である。
温度制御部16は、温度センサ92の温度検出値に基づいて、三方弁73を制御して、バイパス配管91に冷却水を流したり、熱交換器72へ冷却水を流したり、冷却水の流量を制御する。これにより、熱交換器72内では、水温11℃の冷却水により、配管89から供給された水を23℃から20℃まで下げることができ、タンク71へ貯留する水の温度を20℃にすることができる。このように、本実施の形態では、水温の低い(11℃)冷却水を20℃まで温める必要がないため、大きな電力を消費することがない。
なお、第1上面温度側センサ31および第1パネル側温度センサ41、第2上面側温度センサ32および第2パネル側温度センサ42、第3上面側温度センサ33および第3パネル側温度センサ43、第4上面側温度センサ34および第4パネル側温度センサ44は、それぞれ熱電対をなすように構成しても勿論よい。
本実施の形態においては、例えば、11℃程度の水道水などの冷媒を20℃以上の温度まで昇温させる必要がなく、消費電力を大幅に抑えることができる。すなわち、本実施の形態では、基準温度(T)から制御温度(T+A),(T+B),(T+C),(T+D)までの温度差を小さくできるため、消費電力を大幅に抑えることができる。また、本実施の形態では、基準温度(T)を第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14および第4下面温調パネル15の最低制御温度よりやや低めに設定することにより、冷却水の使用量も大幅に抑制できる。
本実施の形態では、水温調整ヒータ17,18,19,20、温度調整チューブ37、熱交換器72、およびタンク71に循環させる冷媒として水を用いたが、これに限定されない。本実施の形態では、タンク71に水を循環させる構成であるため、仮に水漏れが発生した場合でも、タンク71の容量分以上の水漏れは発生しない。また、本実施の形態では、タンク内の水量低下から水漏れを検出できるという利点がある。これに対して、タンクに水を循環させずに、水道水などの冷却水(一次冷却水)を水温調整ヒータ17,18,19,20で直接加熱させる構成(比較例)とした場合、第1下面温調パネル12、第2下面温調パネル13、第3下面温調パネル14および第4下面温調パネル15などに水漏れセンサ配置することが難しい。このため、この比較例では、水漏れが発生した場合、水漏れ量が大量となる虞がある。したがって、本実施の形態のようにタンク71に循環させる構成とすることにより、水漏れの発生を大幅に抑制できる。
「その他の実施の形態」
以上、第1~第6の実施の形態について説明したが、これら実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記実施の形態では、被検査パネルとしてフォトマスクMを適用したが、電子回路を形成したフォトマスクの原版となるブランクスを適用してもよい。
上記実施の形態では、断熱パネル35と熱輻射パネル36とを積層して一体化した構成であるが、断熱パネル35の上に熱輻射パネル36を積み重ねる構成としてもよい。また、断熱パネル35は、石定盤2を配置する占有領域全体に亘る大きさおよび形状のものを用い、その上に、複数の熱輻射パネル36を長手方向に沿って連続して配置する構成としても勿論よい。
上記実施の形態では、石定盤2上でフォトマスクMをストローク方向Sに移動させる構成としたが、石定盤2上にフォトマスクMを固定し、撮像部10側をストローク方向Sに移動させる構成としても勿論よい。
上記実施の形態に係る検査装置1では、フォトマスクMを縦置き状態で検査を行う構成であるが、フォトマスクMなどの被検査パネルを水平に、すなわち横置き状態で検査を行う構成としてもよい。
A1,A2,A3,A4 領域
C 間隙
F 設置床面
M フォトマスク(被検査パネル)
S ストローク方向
1 検査装置
2 石定盤
2A ガイド溝
2B 凹部(アクティブ除振台用)
2C 凹部(パッシブ除振台用)
4、5,6,7,8,9 除振台
10B 検査カメラ
11,11A 温度調整装置
12,12A 第1下面温調パネル
13 第2下面温調パネル
14 第3下面温調パネル
15 第4下面温調パネル
16 温度制御部
17,18,19,20 水温調整ヒータ
21 上面
22 下面
23 側面(石定盤の幅方向Wの一端側の側面)
24 側面(石定盤の幅方向Wの他端側の側面)
25 側面(石定盤のストローク方向Sの一端側の側面)
26 側面(石定盤のストローク方向Sの他端側の側面)
31 第1上面側温度センサ
32 第2上面側温度センサ
33 第3上面側温度センサ
34 第4上面側温度センサ
35 断熱パネル
36 熱輻射パネル
37,38 温度調整チューブ(温度調整部)
37A,37B 冷媒流路
41 第1パネル側温度センサ
42 第2パネル側温度センサ
43 第3パネル側温度センサ
44 第4パネル側温度センサ
50 カーテン(区画壁)
60 下面温調パネル
71 タンク
72 熱交換器
73 三方弁

Claims (10)

  1. 設置床面との間に間隙を隔てて配置される石定盤の温度調整装置であって、
    前記石定盤の下面に対向するように、前記設置床面上に配置される下面温調パネルと、
    前記下面温調パネルの温度を制御する温度制御部と、
    を備え、
    前記下面温調パネルは、
    前記設置床面上に配置される断熱パネルと、
    前記断熱パネルの上に配置され、温度調整部が設けられ当該温度調整部により熱供給または熱吸収される熱輻射パネルと、
    を備え、
    前記温度制御部は、前記石定盤の上面と、前記熱輻射パネルの表面と、の温度差が設定値となるように前記熱輻射パネルの温度を制御する、
    石定盤の温度調整装置。
  2. 前記下面温調パネルは、前記設置床面の前記石定盤を設置する占有領域を、前記石定盤の長手方向に沿って複数に分割したそれぞれの分割領域毎に、配置される、
    請求項1に記載の石定盤の温度調整装置。
  3. 前記下面温調パネルにパネル側温度センサが設けられ、
    前記パネル側温度センサに対応する石定盤の上面に、該パネル側温度センサと対をなす上面側温度センサが設けられ、
    前記温度制御部は、対をなす、前記パネル側温度センサと、上下方向で対応する前記上面側温度センサと、の温度検出値に基づいて、それぞれの前記下面温調パネルの前記温度調整部の温度を制御する、
    請求項1または請求項2に記載の石定盤の温度調整装置。
  4. 前記下面温調パネルと前記石定盤の下面とで挟まれた間隙の周囲は、区画壁で囲まれる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の石定盤の温度調整装置。
  5. 前記断熱パネルは、独立発泡構造の樹脂シートで構成される、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の石定盤の温度調整装置。
  6. 前記熱輻射パネルは、金属板で構成される、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の石定盤の温度調整装置。
  7. 前記温度調整部は、冷媒を流通させる温度調整チューブである、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の石定盤の温度調整装置。
  8. 前記温度調整チューブは、互いに並行する一対の冷媒流路を有し、
    前記一対の冷媒流路のそれぞれに、冷媒が互いに逆方向に流れるように設定されている、
    請求項7に記載の石定盤の温度調整装置。
  9. 前記温度調整チューブに、前記下面温調パネルで温められる前記石定盤の温度よりも低い基準温度に調整された冷媒を供給するタンクと、
    前記温度調整チューブを通過した戻りの冷媒を、前記基準温度よりも低い温度の冷却水で当該基準温度まで下がるように冷却する熱交換器と、
    を備え、
    前記熱交換器で冷却した冷媒を前記タンクに供給する
    請求項7または請求項8に記載の石定盤の温度調整装置。
  10. 前記設置床面との間に間隙を隔てて配置され、被検査パネルを載せる前記石定盤と、
    前記被検査パネルに対して相対的に移動して、前記被検査パネルのパネル面の状態を撮像する検査カメラと、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の前記石定盤の温度調整装置と、
    を備えた検査装置。
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