JP7102904B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
しかし、加硫成形終了時における空気入りタイヤからの金型抜けは依然として十分でない。タイヤからの金型抜けを向上させるために、屈曲部の凹凸の振幅を小さくすると、ブロックやリブの倒れこみ、すなわち、一方のサイプ壁面の倒れこみを、他方のサイプ壁面の凹凸が支えることが十分に行われず、サイプ壁面の倒れ込み変形に対する剛性が向上しない。
また、サイプが設けられた陸部が、サイプ延在方向に沿った変形(この変形を、せん断変形という)を受け、サイプ壁面が、互いに異なる変位量で変位をしようとする場合、上記サイプにはサイプ壁面をサイプの長さ方向の変位を阻止するような凹凸が少ないため、上記陸部のせん断変形に対する剛性は依然として低い。
タイヤ赤道線から接地端までのペリフェリ距離の半分前記タイヤ赤道線から離れた中間位置と前記接地端との間の領域に設けられた、地面と接するショルダー陸部と、前記ショルダー陸部と溝を隔てて離間し、前記溝と前記タイヤ赤道線とに挟まれた領域に設けられた、地面と接する内側陸部と、を備え、
前記内側陸部及び前記ショルダー陸部の少なくともいずれか一方の領域には、第1サイプが設けられる。
前記トレッド部のトレッド表面から見た前記第1サイプの開口は、サイプ両端間を直線状に延在し、
前記第1サイプのサイプ深さ方向において、前記第1サイプの側壁面は、当該側壁面の一部である前記開口のエッジを通り前記サイプ深さ方向に延びる基準平面に対して最大突出高さと最大凹み深さが等しくなるように波状に凹凸し、
前記第1サイプの両側の側壁面のうち一方の第1側壁面は、前記第1サイプのサイプ延在方向の各位置において、サイプ深さ方向において、前記サイプ深さ方向に直交する方向に波状に曲がる少なくとも2つの山部と少なくとも1つの谷部を備え、他方の第2側壁面は、前記2つの山部に対向する位置に設けられる2つの谷部と、前記少なくとも1つの谷部に対向する位置に設けられる少なくとも1つの山部を備え、
前記第1側壁面では、前記サイプ延在方向のいずれの位置においても前記山部は、前記基準平面に対する突出高さを一定に維持しつつ、前記サイプ深さ方向に沿って前記山部及び前記谷部を見たとき、前記谷部の前記山部に対する凹み深さは、前記サイプ延在方向の位置に応じて変化し、
前記第1側壁面の前記山部は、前記谷部の1つを前記サイプ深さ方向に挟む第1山部と第2山部とを含み、
前記第1山部と前記第2山部の前記サイプ深さ方向の間隔が、前記サイプ延在方向の一方の側に進むに連れて大きくなり、前記第1山部と前記第2山部に挟まれた前記谷部の1つの、前記第1山部と前記第2山部からの凹み深さは、前記サイプ延在方向のうち前記一方の側に進むに連れて徐々に大きくなる。
前記谷部の1つの前記凹み深さが最大となる位置から最小となる位置までの前記サイプ延在方向に沿った距離をL1とし、前記最大突出高さあるいは前記最大凹み深さの寸法をL2とし、前記サイプ延在方向の前記最大凹み深さの位置における前記第1山部と前記第2山部の前記サイプ深さ方向に沿った離間距離をL3としたとき、
前記第1サイプは、積L2×L3が0.3~8mm2であり、比L2/L1が0.0075~0.2であるサイプAを含み、
前記サイプAは、前記内側陸部の領域に設けられている、ことが好ましい。
前記サイプBの積L2×L3及び比L2/L1は、いずれも、前記サイプAの対応する積L2×L3及び比L2/L1に比べて小さく、前記サイプBの積L2×L3は0.05~2mm2であり、比L2/L1は0.0014~0.1であり、
前記サイプBは、前記ショルダー陸部の領域に設けられている、ことが好ましい。
前記谷部の1つの前記凹み深さが最大となる位置から最小となる位置までの前記サイプ延在方向に沿った距離をL1とし、前記最大突出高さあるいは前記最大凹み深さの寸法をL2とし、前記サイプ延在方向の前記最大凹み深さの位置における前記第1山部と前記第2山部の前記サイプ深さ方向に沿った離間距離をL3としたとき、
前記第1サイプは、積L2×L3が0.3~10mm2であり、比L2/L1が0.006~0.2であるサイプCを含み、
前記サイプCは、前記ショルダー陸部の領域に設けられている、ことが好ましい。
前記サイプDの積L2×L3及び比L2/L1は、いずれも、前記サイプCの対応する積L2×L3及び比L2/L1に比べて小さく、前記サイプDの積L2×L3は0.05~3mm2であり、比L2/L1は0.0014~0.1であり、
前記サイプDは、前記内側陸部の領域に設けられている、ことが好ましい。
タイヤ10は、図1に示すように、骨格材あるいは骨格材の層として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
この他に、タイヤ10は、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆う、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー層28を備える。
図2は、トレッド部に設けられるトレッドパターン50の一例を示す。トレッドパターン50は、タイヤ赤道線CL上にタイヤ周方向に延びる周方向主溝52と、タイヤ周方向に間隔をあけて設けられる傾斜溝54,56と、連絡溝58,60,62,64と、分岐溝66,68を備える。
傾斜溝54,56は、周方向溝52から、タイヤ幅方向の両側に向かって、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜してタイヤ幅方向外側にあるパターンエンドまで延びる。
傾斜溝54,56の溝幅は、タイヤ幅方向に進むほど広くなっている。
連絡溝58,60は、傾斜溝54,56から、タイヤ周方向に隣り合う2つの傾斜溝54,56と交差するようにタイヤ幅方向外側に延びて、2つ目の傾斜溝54,56で終端する。
連絡溝62,64は、傾斜溝54,56から、タイヤ周方向に隣り合う1つの傾斜溝54,56と交差するようにタイヤ幅方向外側に延びて、2つ目の傾斜溝54,56と交差することなく終端する。連絡溝58,60,62,64がタイヤ幅方向外側に進むときにタイヤ周方向に進む側と、傾斜溝54,56がタイヤ幅方向外側に進むときにタイヤ周方向に進む側とは互いに異なり反対側である。
分岐溝66,68は、傾斜溝54,56が連絡溝58,60と接続する位置からタイヤ幅方向内側に延びて周方向主溝52に連通する。
タイヤ10のトレッドパターン50は、このような形態であるが、トレッドパターン50は、図2に示すものに限定されない。
内側陸部70及びショルダー陸部72のそれぞれの領域には、サイプ80が設けられている。
なお、図2に示すトレッドパターン50では、溝あるいは接地端で四方が囲まれたブロックの領域にサイプ80が設けられるが、タイヤ周方向に連続するリブ状の陸部の領域にサイプ80が設けられてもよい。以下、サイプ80の形態を説明する。
図3(a),(b)は、サイプ80の一例を説明する図である。図3(a)は、サイプ80のトレッド表面19における開口を示す。トレッド表面19から見た開口は、サイプ両端間を直線状に延在する。サイプ80の開口の長さ方向(以下、サイプ延在方向という)に沿ってサイプ80を区画するサイプ壁面(側壁面)80a,80bによって挟まれるサイプ空間の幅wは、例えば0.2~1.5mmであり、タイヤ金型では、板状のサイプ刃がサイプ80を形成する型として、タイヤ金型の溝を形成する凸部が設けられた金型トレッド形成面に装着される。
図3(b)には、サイプ壁面80aの凹凸形状が示されている。サイプ壁面80bは、各場所においてサイプ壁面80aと並行するように波状に屈曲あるいは湾曲する山部及び谷部を備え、サイプ壁面80aに対して一定の幅wで離間する。これにより、サイプ壁面80aとサイプ壁面80bにより区画された一定の幅wのサイプ空間が形成される。すなわち、サイプ80の幅wは、サイプ深さ方向及びサイプ延在方向で一定である。したがって、サイプ壁面80aの凸部の位置に対向するサイプ壁面80bの位置には凹部が、サイプ壁面80aの凹部の位置に対向するサイプ壁面80bの位置には凸部が設けられている。
一方、サイプ壁面80bは、図示されないがサイプ壁面80aの2つの山部に対向する位置に設けられる2つの谷部と、サイプ壁面80aの少なくとも1つの谷部に対向する位置に設けられる少なくとも1つの山部と、を備える。
サイプ壁面80a(第1側壁面)では、サイプ延在方向のいずれの位置においても山部は、基準平面に対する突出高さを一定に維持する。サイプ深さ方向に沿って山部及び谷部を見たとき、谷部の山部に対する凹み深さは、サイプ延在方向の位置に応じて変化する。山部が一定の高さを維持する突出高さは、例えば、最大突出高さである。
第1谷部80V1は、最大凹み深さを有する最深谷部の側(図3(b)に示す例では、左側)から、第1山部80M1及び第2山部80M2の、第1谷部80V1とサイプ深さ方向に隣り合う谷部に対する突出高さが最大となり最大突出高さを有する最大山部の側(図3(b)に示す例では右側)に向かって延びており、第1谷部80V1が最深谷部の側から最大山部の側に向かうに連れて、第1山部80M1と第2山部80Mに対する凹み深さは浅くなっている。すなわち、第1谷部80V1は、最大凹み深さの位置から、最大突出高さの位置に向かって凹み深さが小さくなってゼロになるように、最大突出高さの位置に向かって延びている。一方、第2側壁面80bは、図示されないが第1山部80M1と第2山部80M2の山部に対向する位置に設けられる2つの谷部と、第1谷部80V1に対向する位置に設けられる少なくとも1つの山部と、を備え、サイプ80の幅wがサイプ深さ方向及びサイプ延在方向で一定になっている。
さらに、第1山部80M1の頂部と第2山部80M2の頂部のサイプ深さ方向の間隔がサイプ延在方向で変化しているので、サイプ延在方向の外力を受けてサイプ壁面80a,80bのうち一方のサイプ壁面が他方のサイプ壁面に対して相対的に大きな変位量でサイプ延在方向に変位しようとしても、すなわち、サイプ壁面80a,80bがサイプ延在方向に沿ったせん断変形を受けて変位しようとしても、一方のサイプ壁面の山部及び谷部のそれぞれに対向した位置にある他方のサイプ壁面の谷部及び山部が、一方のサイプ壁面の山部及び谷部を支えて、変位を阻止する。このため、サイプ80を設けた陸部のサイプ延在方向に沿ったせん断変形に対する剛性の低下を抑制することができる。すなわち、サイプ80を設けた陸部のサイプ延在方向に沿ったせん断変形に対する剛性は、サイプを区画するサイプ壁面が互いに平行な平面である従来のサイプを設けた場合の陸部のサイプ延在方向に沿ったせん断変形に対する剛性に比べて向上する。
なお、図4は、サイプ壁面80aの稜線及び谷底線を示しているが、サイプ壁面80bでは、サイプ壁面80aの稜線80R1,80R2,80R3,80R4に対向する位置に谷底線が設けられ、サイプ壁面80aの谷底線80B1,80B2に対向する位置に稜線が設けられるので、サイプ側壁面80bでは、谷底線は、サイプ延在方向に進むに連れて、サイプ深さ方向の位置が移動するように構成されている。
また、図4に示す谷底線80B1と稜線80R1の間に挟まれた傾斜面Q、及び谷底線80B1と稜線80R2の間に挟まれた傾斜面Rは、サイプ壁面80bにおける対応する傾斜面と対峙するので、陸部のサイプ延在方向に沿ったせん断変形により、一方のサイプ壁面の山部がサイプ延在方向に変位しようとしても、この山部と谷部の間の傾斜面(傾斜面R,Q)と対峙する他方のサイプ壁面の傾斜面とが当接して山部の変位を阻止するので、サイプ80を設けた陸部のサイプ延在方向に沿ったせん断変形に対する剛性は、サイプを区画するサイプ壁面が互いに平行な平面である従来のサイプを設けた陸部のサイプ延在方向に沿ったせん断変形に対する剛性に比べて向上する。
一方、位置B,Cでは、図5(b),(c)に示すように、サイプ深さ方向に沿った凹凸形状の凹凸回数は、位置A,Dに比べて多い。このため、サイプ壁面が倒れこんだ時サイプ壁面同士が互いにかみ合って支え合う効果は大きい。
また、稜線80R1、稜線80R2、稜線80R3、及び稜線80R4は、基準平面Pに対する突出高さを維持しながら、サイプ深さ方向の位置が変化するので、稜線80R1、稜線80R2、稜線80R3、及び稜線80R4を形成する山部80M1,80M2の傾斜面が、対向するサイプ壁面80bの谷部の傾斜面に当接して支えられるので、サイプ壁面間で変位量が異なるせん断変形を受けてもサイプ壁面の変位を阻止する効果は大きい。
サイプ壁面80a,80bの最大凹み深さL2及び最大突出高さの寸法L2(図5参照)は、例えば、0.1~5mmであり、好ましくは、0.3~2mmである。
また、谷部80V1あるいは谷底線80B1が最大の凹み深さとなっている位置におけるタイヤ深さ方向に隣り合う山部80M1,80M2間の離間距離L3(図4参照)は、例えば0.5~8mmであり、好ましくは1~4mmである。
比L2/L1は、図4に示すサイプ深さ方向に隣り合う2つの稜線同士が、サイプ延在方向において接近する傾斜角度の高低の程度を示し、積L2×L3は、図4に示す傾斜面Q及び傾斜面Rのサイプ延在方向から見た投影面積の大小の程度を示す。比L2/L1及び積L2×L3が大きい程、せん断変形に対する陸部の剛性を高くすることができる。また、寸法L2が大きいほど、倒れこみ変形に対する陸部の剛性を高くすることができる。したがって、せん断変形及び倒れこみ変形に対する陸部の剛性を高くするには、寸法L2を向上させることが好ましい。しかし、寸法L2を過度に大きくすると、加硫工程におけるタイヤ金型からタイヤをとりだそうとするとき、サイプ刃がトレッドゴムの大きな抵抗を受けてタイヤを金型から離脱させることが難くなる。このため、寸法L2が大きいサイプをトレッドパターン全体に使用することは難しく、部分的に用いることが好ましい。この場合、寸法L2を所定の範囲内に制限した条件で、比L2/L1及び積L2×L3を調整することにより、倒れこみ変形に対する剛性、及びせん断変形に対する剛性を種々調整することができる。
例えば、寸法L2を変化させず、距離L1を小さくし、離間距離L3を大きくすることにより、比L2/L1及び積L2×L3向上させて、せん断変形に対する剛性を向上させることができる。また、比L2/L1及び積L2×L3を変化させず、寸法L2を所定の範囲内で大きくすることで、倒れこみ変形に対する剛性を向上させることができる。
ドライ操縦安定性を向上させたタイヤを得るには、内側陸部70におけるタイヤ幅方向の横力に対する剛性を向上させることが好ましい。タイヤ幅方向に対して45度未満の方向をサイプ延在方向とするサイプ80を用いる場合、上述したせん断変形に対する剛性を向上させることが好ましい。この場合、内側陸部70の領域に設けられるサイプ80は、積L2×L3が0.3~8mm2であり、比L2/L1が0.0075~0.2であるサイプAであることが好ましい。サイプAを内側陸部70の領域に設けることにより、ドライ操縦安定性を向上させることができる。サイプAは、図2に示す内側陸部70の領域全てに設ける必要はなく、一部分に設けてもよい。乗用車用タイヤの場合、距離L1は、例えば、10~40mmであり、寸法L2は、例えば、0.3~2mmであり、離間距離L3は、例えば、1~4mmである。
荷重耐久性とは、一定速度で回転するタイヤに荷重を徐々に付加したとき、どの程度の高荷重のレベルまで破壊することなく維持できる耐久性を有するか、を意味する。このようなタイヤを得るには、ショルダー陸部72の高荷重時のタイヤ周方向の倒れこみを抑制するためにショルダー陸部72のタイヤ周方向の剛性が高いことが好ましい。タイヤ幅方向に対して45度未満の方向をサイプ延在方向とするサイプ80を用いる場合、上述した倒れこみ変形に対する剛性を向上させることが好ましい。この場合、ショルダー陸部72の領域に設けられるサイプ80は、積L2×L3が0.3~10mm2であり、比L2/L1が0.006~0.2であるサイプCであることが好ましい。サイプCをショルダー陸部72の領域に設けることにより、荷重耐久性を向上させることができる。サイプCは、図2に示すショルダー陸部72の領域全てに設ける必要はなく、一部分に設けてもよい。乗用車用タイヤの場合、距離L1は、例えば、10~50mmであり、寸法L2は、例えば、0.3~2mmであり、離間距離L3は、例えば、1~5mmである。
サイプ80の効果を確認するために、図2に示すトレッドパターン50のサイプに、種々寸法を変更したサイプ80を内側陸部70及びショルダー陸部72に設けた、図1に示すタイヤ構造を備えるタイヤ10(195/65R 15 91H)を作製して、ドライ操縦安定性能と荷重耐久性を調べた。
ドライ操縦安定性能については、4本のタイヤ10を、リム(リムサイズ 15×6.0J)に装着し、さらに、空気圧200kPaの条件で、試験車両(1500cc、前輪駆動の乗用車)に装着し、この試験車両を所定のコースの乾燥路面上を走行させて、ドライバによる官能評価で評価した。下記従来例を100として各例の評価結果を指数化した。指数は、指数が高い程、ドライ操縦安定性能が優れていることを示す。
従来例におけるサイプは、図3(b)に示すサイプ80の形態と異なり、3つの山部がサイプ深さ方向の同じ位置をトレッド表面に平行に延びその突出高さが一定であり、山部に挟まれた谷部もサイプ深さ方向の同じ位置をトレッド表面に平行に延びその凹み深さも一定である形態である。このサイプの、サイプ80の寸法L2に対応する寸法は0.7mmであり、サイプ深さ方向の隣り合う山部間の離間距離は1mmであり、この寸法を、表1の対応する欄に示した。このサイプを、内側陸部70及びショルダー陸部72の両方の領域全てに設けた。
なお、実施例に用いるサイプ80における距離L1が、図2に示すサイプ80の配置長さに対して短い場合、サイプ80の配置長さに対して不足する部分は、従来例と同様に、山部及び谷部がサイプ深さ方向の同じ位置をトレッド表面に平行に延びその突出高さ及び凹み深さが一定であるサイプの形態とし、このサイプを、サイプ80の配置長さの両端に設けた。
実施例3におけるショルダー陸部の領域に設けるサイプは、サイプ壁面がサイプ深さ方向に直線上に延びる平面となっている従来の平面状のサイプとし、実施例6における内側陸部の領域に設けるサイプは、サイプ壁面がサイプ深さ方向に直線上に延びる平面となっている従来の平面状のサイプとした。
12 カーカスプライ層
14 ベルト層
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
19 トレッド表面
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
28 ベルトカバー層
50 トレッドパターン
52 周方向主溝
54,56 傾斜溝
58,60,62,64 連絡溝
66,68 分岐溝
70 内側陸部
72 ショルダー陸部
80 サイプ
80a,80b サイプ壁面
80M1 第1山部
80M2 第2山部
80V1 第1谷部
80R1,80R2,80R3,80R4 稜線
80B1,80B2,80B3 谷底線
Claims (8)
- トレッド部にサイプが設けられた空気入りタイヤであって、
前記トレッド部は、
タイヤ赤道線から接地端までのペリフェリ距離の半分前記タイヤ赤道線から離れた中間位置と前記接地端との間の領域に設けられた、地面と接するショルダー陸部と、前記ショルダー陸部と溝を隔てて離間し、前記溝と前記タイヤ赤道線とに挟まれた領域に設けられた、地面と接する内側陸部と、を備え、
前記内側陸部及び前記ショルダー陸部の少なくともいずれか一方の領域には、第1サイプが設けられ、
前記トレッド部のトレッド表面から見た前記第1サイプの開口は、サイプ両端間を直線状に延在し、
前記第1サイプのサイプ深さ方向において、前記第1サイプの側壁面は、当該側壁面の一部である前記開口のエッジを通り前記サイプ深さ方向に延びる基準平面に対して最大突出高さと最大凹み深さが等しくなるように波状に凹凸し、
前記第1サイプの両側の側壁面のうち一方の第1側壁面は、前記第1サイプのサイプ延在方向の各位置において、サイプ深さ方向において、前記サイプ深さ方向に直交する方向に波状に曲がる少なくとも2つの山部と少なくとも1つの谷部を備え、他方の第2側壁面は、前記2つの山部に対向する位置に設けられる2つの谷部と、前記少なくとも1つの谷部に対向する位置に設けられる少なくとも1つの山部を備え、
前記第1側壁面では、前記サイプ延在方向のいずれの位置においても前記山部は、前記基準平面に対する突出高さを一定に維持しつつ、前記サイプ深さ方向に沿って前記山部及び前記谷部を見たとき、前記谷部の前記山部に対する凹み深さは、前記サイプ延在方向の位置に応じて変化し、
前記第1側壁面の前記山部は、前記谷部の1つを前記サイプ深さ方向に挟む第1山部と第2山部とを含み、
前記第1山部と前記第2山部の前記サイプ深さ方向の間隔が、前記サイプ延在方向の一方の側に進むに連れて大きくなり、前記第1山部と前記第2山部に挟まれた前記谷部の1つの、前記第1山部と前記第2山部からの凹み深さは、前記サイプ延在方向のうち前記一方の側に進むに連れて徐々に大きくなる、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記第1山部と前記第2山部に挟まれた前記谷部の1つは、前記最大凹み深さの位置から、前記最大突出高さの位置に向かって前記凹み深さが徐々に小さくなってゼロになるように、前記最大突出高さの位置に向かって延びており、
前記谷部の1つの前記凹み深さが最大となる位置から最小となる位置までの前記サイプ延在方向に沿った距離をL1とし、前記最大突出高さあるいは前記最大凹み深さの寸法をL2とし、前記サイプ延在方向の前記最大凹み深さの位置における前記第1山部と前記第2山部の前記サイプ深さ方向に沿った離間距離をL3としたとき、
前記第1サイプは、積L2×L3が0.3~8mm2であり、比L2/L1が0.0075~0.2であるサイプAを含み、
前記サイプAは、前記内側陸部の領域に設けられている、
請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記第1サイプはサイプBを含み、
前記サイプBの積L2×L3及び比L2/L1は、いずれも、前記サイプAの対応する積L2×L3及び比L2/L1に比べて小さく、前記サイプBの積L2×L3は0.05~2mm2であり、比L2/L1は0.0014~0.1であり、
前記サイプBは、前記ショルダー陸部の領域に設けられている、
請求項2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記ショルダー陸部の領域には、対向する2つの側壁面がサイプ深さ方向に直線上に延びる平面である第2サイプが設けられている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1山部と前記第2山部に挟まれた前記谷部の1つは、前記最大凹み深さの位置から、前記最大突出高さの位置に向かって前記凹み深さがゼロになるように、前記最大突出高さの位置に向かって延びており、
前記谷部の1つの前記凹み深さが最大となる位置から最小となる位置までの前記サイプ延在方向に沿った距離をL1とし、前記最大突出高さあるいは前記最大凹み深さの寸法をL2とし、前記サイプ延在方向の前記最大凹み深さの位置における前記第1山部と前記第2山部の前記サイプ深さ方向に沿った離間距離をL3としたとき、
前記第1サイプは、積L2×L3が0.3~10mm2であり、比L2/L1が0.006~0.2であるサイプCを含み、
前記サイプCは、前記ショルダー陸部の領域に設けられている、
請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記第1サイプは、サイプDを含み、
前記サイプDの積L2×L3及び比L2/L1は、いずれも、前記サイプCの対応する積L2×L3及び比L2/L1に比べて小さく、前記サイプDの積L2×L3は0.05~3mm2であり、比L2/L1は0.0014~0.1であり、
前記サイプDは、前記内側陸部の領域に設けられている、
請求項5に記載の空気入りタイヤ。 - 前記内側陸部の領域には、対向する2つの側壁面がサイプ深さ方向に直線上に延びる平面である第2サイプが設けられている、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
- 前記谷部の1つの、前記トレッド表面からみた前記サイプ深さ方向の位置は、前記サイプ延在方向のいずれの位置でも同じである、請求項1~7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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