JP7101904B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本願は、モータ制御装置に関するものである。
電動パワーステアリングにおいて、モータ巻線・インバータ・制御器を複数系統設けた冗長系のシステムが普及している。このシステムにより、いずれか1系統に故障が発生した場合でも、他の系統により、動作継続することが可能になる。
特許文献1には、各系統の制御器を1つのマスター側の制御器とそれ以外のスレーブ側の制御器に分けている。マスター側の制御器は、指令値をスレーブ側へ送信し、スレーブ側の制御器は指令値をマスター側から受信して当該指令値に基づいて電流制御を行う手法が開示されている。本手法によると、全ての制御器がマスター側の制御器の指令に基づいて電流制御を行うため、理想的には全てのモータ巻線を流れる電流値は一致する。
特開2018-129995号公報
特許文献1の制御方式では、q軸電流指令値をマスター側の第1の制御器130からスレーブ側の第2の制御器230へ送信し、第1の制御部130と第2の制御器230とで同一のq軸電流指令値を使用している。このとき、電流和と電流差の制御を用いた電流フィードバック制御により、第1の3相巻線及び第2の3相巻線を流れる電流をほとんど一致させることができる。
3相巻線による誘起電圧が直流電源の直流電圧に到達する電圧飽和が発生し、q軸電流指令値にq軸電流が追従できなくなったとき、q軸電流の大きさは直流電圧の大きさに比例して変化する。しかし、第1のインバータ及び第2のインバータについて、系統毎に個別に直流電源が設けられる場合がある。この場合は、直流電源の経年劣化、充電量の低下等により、一方の直流電源の直流電圧が定格電圧から低下すると、系統間に直流電圧差が生じる。この状態で、電圧飽和が生じる運転状態で動作すると、系統間で同じq軸電流指令値が設定されていたとしても、系統間の直流電圧差により、系統間のq軸電流に差が生じる。各系統のq軸電流は、各系統の3相巻線が発生するトルクに比例するため、系統間のq軸電流差により、系統間のトルク差が生じ、交流回転機に高周波の振動及び騒音が生じるおそれがある。
そこで、各系統に直流電源が個別に設けられる場合において、系統間に直流電圧差が生じても、系統間のトルク差が生じることを抑制できるモータ制御装置が望まれる。
本願に係るモータ制御装置は、
第1の3相巻線と第2の3相巻線とを有する交流回転機を制御するモータ制御装置であって、
第1の直流電源の第1の直流電圧を前記第1の3相巻線に印加する第1のインバータと、
前記第1の3相巻線を流れる電流を検出する第1の電流検出器と、
前記第1の電流検出器により検出した第1の3相巻線の電流検出値を、前記交流回転機の回転位置に同期して回転するd軸及びq軸の座標系で表した第1のd軸電流検出値及び第1のq軸電流検出値を算出し、第1のd軸電流指令値及び第1のq軸電流指令値を算出し、第1のd軸電圧指令値及び第1のq軸電圧指令値を算出し、前記第1のd軸電圧指令値及び前記第1のq軸電圧指令値に基づいて前記第1のインバータを制御する第1の制御器と、
第2の直流電源の第2の直流電圧を前記第2の3相巻線に印加する第2のインバータと、
前記第2の3相巻線を流れる電流を検出する第2の電流検出器と、
前記第2の電流検出器により検出した第2の3相巻線の電流検出値を、前記d軸及びq軸の座標系で表した第2のd軸電流検出値及び第2のq軸電流検出値を算出し、第2のd軸電流指令値及び第2のq軸電流指令値を算出し、第2のd軸電圧指令値及び第2のq軸電圧指令値を算出し、前記第2のd軸電圧指令値及び前記第2のq軸電圧指令値に基づいて前記第2のインバータを制御する第2の制御器と、を備え、
前記第1の制御器は、
前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧以下であると判定した場合は、前記第1のq軸電流検出値が、前記第1のq軸電流指令値に近づくように、前記第1のq軸電圧指令値を変化させ、
前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧よりも高いと判定した場合は、前記第1のq軸電流検出値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のq軸電流検出値又は前記第2のq軸電流指令値に近づくように、前記第1のq軸電圧指令値を変化させ、
前記第2の制御器は、
前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧以下であると判定した場合は、前記第2のq軸電流検出値が、前記第2のq軸電流指令値に近づくように、前記第2のq軸電圧指令値を変化させ、
前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧よりも高いと判定した場合は、前記第2のq軸電流検出値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のq軸電流検出値又は前記第1のq軸電流指令値に近づくように、前記第2のq軸電圧指令値を変化させるものである。
本願に係るモータ制御装置によれば、第1の直流電圧が、第2の直流電圧よりも高くなる場合は、第2のq軸電流検出値又は第2のq軸電流指令値が、最終的な第1のq軸電流指令値に設定され、第1のq軸電流がフィードバック制御される。よって、電圧飽和が生じる運転状態付近において、第1のq軸電流が第2のq軸電流よりも高くならないように、第1のq軸電流を第2のq軸電流まで低下させることができる。逆に、第2の直流電圧が、第1の直流電圧よりも高くなる場合は、第1のq軸電流検出値又は第1のq軸電流指令値が、最終的な第2のq軸電流指令値に設定され、第2のq軸電流がフィードバック制御される。よって、電圧飽和が生じる運転状態付近において、第2のq軸電流が第1のq軸電流よりも高くならないように、第2のq軸電流を第1のq軸電流まで低下させることができる。q軸電流はトルクに比例するので、系統間の直流電圧の差により、系統間のトルクに差が生じることを抑制できる。
実施の形態1に係る交流回転機及びモータ制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る第1の制御器及び第2の制御器のブロック図である。 実施の形態1に係る第1の制御器のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る第2の制御器のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る電流指令の設定を説明する図である。 実施の形態1に係る電流指令の設定を説明する図である。 実施の形態1に係る電流指令の設定を説明する図である。 実施の形態1に係る電流指令の設定を説明する図である。 比較例に係る制御挙動を説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係る制御挙動を説明するタイムチャートである。 実施の形態2に係る第1の制御器及び第2の制御器のブロック図である。 実施の形態3に係る第1の制御器及び第2の制御器のブロック図である。 実施の形態5に係る第1の制御器及び第2の制御器のブロック図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る交流回転機1を制御するモータ制御装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る交流回転機及びモータ制御装置の概略構成図である。交流回転機1は、第1の3相巻線12aと、第2の3相巻線12bを有している。第1の3相巻線12aに電圧を印加する第1系統と、第2の3相巻線12bに電圧を印加する第2系統とが、独立して設けられている。第1系統として、第1のインバータ4a、第1の電流検出器10a、第1の制御器9a、第1の直流電源3a、及び第1の電圧検出器11aが設けられている。第2系統として、第2のインバータ4b、第2の電流検出器10b、第2の制御器9b、第2の直流電源3b、及び第2の電圧検出器11bが設けられている。
1-1.交流回転機1
交流回転機1は、第1の3相巻線12aと、第2の3相巻線12bを有している。第1の3相巻線12aは、U1相の巻線Cu1、V1相の巻線Cv1、W1相の巻線Cw1であり、第2の3相巻線12bは、U2相の巻線Cu2、V2相の巻線Cv2、W2相の巻線Cw2である。第1及び第2の3相巻線12a、12bは、Y結線とされているが、Δ結線とされてもよい。第1及び第2の3相巻線12a、12bは、1つのステータに巻装されている。本実施の形態では、第1の3相巻線12aと第2の3相巻線12bとは、互いに位相差(角度差)を設けて、ステータに巻装されている。
ステータの径方向内側にはロータが設けられている。交流回転機1は、ロータに永久磁石が設けられた永久磁石同期回転機とされてもよいし、ロータに電磁石が設けられた巻線界磁同期回転機とされてもよいし、ロータに磁石が設けられていない誘導回転機又は同期リラクタンス回転機とされてもよい。以下で説明する例では、ロータに永久磁石が設けられた場合について説明する。
ロータには、ロータの回転位置(回転角度)を検出する位置検出器2が設けられている。位置検出器2の出力信号は、第1の制御器9a及び第2の制御器9bに入力される。位置検出器2には、各種のセンサが用いられる。例えば、位置検出器2には、レゾルバ、ホール素子、TMR素子、又はGMR素子などの位置検出器、電磁式、磁電式、又は光電式などの回転検出器が用いられる。
1-2.第1のインバータ4a関連
第1のインバータ4aは、第1の直流電源3aの第1の直流電圧Vdc1を第1の3相巻線12aに印加する電力変換器である。第1のインバータ4aは、複数のスイッチング素子を有する。
第1のインバータ4aは、第1の直流電源3aの正極端子に接続される正極側のスイッチング素子5aと、第1の直流電源3aの負極端子に接続される負極側のスイッチング素子6aと、が直列接続された直列回路を、3相各相の巻線に対応して3セット設けている。そして、各直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の巻線に接続される。各スイッチング素子には、ダイオード7a、8aが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、逆並列接続されたダイオードの機能を有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられる。各スイッチング素子5a、6aのゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、第1の制御器9aに接続されている。よって、各スイッチング素子は、第1の制御器9aから出力されるスイッチング信号によりオン又はオフされる。
第1の電流検出器10aは、第1の3相巻線の各相の巻線に流れる電流を検出する。第1の電流検出器10aは、第1のインバータ4aの各相のスイッチング素子の直列回路と各相の巻線とをつなぐ電線上に備えられたホール素子等とされている。なお、第1の電流検出器10aは、各相のスイッチング素子の直列回路に直列接続されたシャント抵抗とされてもよく、第1のインバータ4aと第1の直流電源3aとの接続線に直列接続されたシャント抵抗とされてもよい。
第1の直流電源3aは、第1のインバータ4aに第1の直流電圧Vdc1を出力する。第1の直流電源3aとして、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する任意の機器が用いられる。
第1の直流電圧Vdc1を検出するための第1の電圧検出器11aが備えられている。第1の電圧検出器11aの出力信号は、第1の制御器9aに入力される。
1-3.第2のインバータ4b関連
第2のインバータ4bは、第2の直流電源3bの第2の直流電圧Vdc2を第2の3相巻線12bに印加する電力変換器である。第2のインバータ4bは、複数のスイッチング素子を有する。
第2のインバータ4bは、第2の直流電源3bの正極端子に接続される正極側のスイッチング素子5bと、第2の直流電源3bの負極端子に接続される負極側のスイッチング素子6bと、が直列接続された直列回路を、3相各相の巻線に対応して3セット設けている。そして、各直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の巻線に接続される。各スイッチング素子には、ダイオード7b、8bが逆並列接続されたIGBT、逆並列接続されたダイオードの機能を有するMOSFET等が用いられる。各スイッチング素子5b、6bのゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、第2の制御器9bに接続されている。よって、各スイッチング素子は、第2の制御器9bから出力されるスイッチング信号によりオン又はオフされる。
第2の電流検出器10bは、第2の3相巻線の各相の巻線に流れる電流を検出する。第2の電流検出器10bは、第2のインバータ4bの各相のスイッチング素子の直列回路と各相の巻線とをつなぐ電線上に備えられたホール素子等とされている。なお、第2の電流検出器10bは、各相のスイッチング素子の直列回路に直列接続されたシャント抵抗とされてもよい。
第2の直流電源3bは、第2のインバータ4bに第2の直流電圧Vdc2を出力する。第2の直流電源3bとして、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する任意の機器が用いられる。
第2の直流電圧Vdc2を検出するための第2の電圧検出器11bが備えられている。第2の電圧検出器11bの出力信号は、第2の制御器9bに入力される。
1-4.第1の制御器9aの基本構成
図2に示すように、第1の制御器9aは、第1の電流検出部901a、第1の電流指令演算部902a、第1の電流指令選択部903a、第1の電圧指令算出部904a、第1の電圧座標変換部905a、第1の電圧印加部906a、第1の回転位置検出部907a、及び第1の直流電圧検出部908a等を備えている。
第1の制御器9aの各機能部901a~908a等の機能は、第1の制御器9aが備えた処理回路により実現される。具体的には、第1の制御器9aは、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び外部装置50及び第2の制御器9bとデータ通信を行う通信装置94等を備えている。第1の制御器9aは、通信装置94により、第1のq軸電流検出値Iq1_det、第1のd軸電流指令値Id1_ref等の特定の制御情報を第2の制御器9bに伝達する。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等が備えられている。
入力回路92には、位置検出器2、第1の電流検出器10a、及び第1の電圧検出器11a等の各種のセンサが接続されている。入力回路92は、センサの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93には、第1のインバータ4aの複数のスイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。通信装置94は、外部装置50及び第2の制御器9bと通信を行う。
そして、第1の制御器9aが備える各機能部901a~908a等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、出力回路93、及び通信装置94等の第1の制御器9aの他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各機能部901a~908a等が用いる判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。
<第1の回転位置検出部907a>
第1の回転位置検出部907aは、位置検出器2の出力信号に基づいて、ロータの電気角での回転位置θ1(磁極位置θ1、回転角度θ1)及び回転角速度ω1を検出する。
<第1の直流電圧検出部908a>
第1の直流電圧検出部908aは、第1の電圧検出器11aの出力信号に基づいて、第1の直流電源3aの第1の直流電圧Vdc1_detを検出する。
<第1の電流検出部901a>
第1の電流検出部901aは、第1の電流検出器10aの出力信号に基づいて、第1の3相巻線Cu1、Cv1、Cw1のそれぞれを流れるU1相電流Iu1_det、V1相電流Iv1_det、W1相電流Iw1_det(第1の3相電流検出値Iu1_det、Iv1_det、Iw1_detと称す)を検出する。そして、第1の電流検出部901aは、第1の3相電流検出値Iu1_det、Iv1_det、Iw1_detを、回転位置θ1に基づいて、3相2相変換及び回転座標変換を行って、d軸及びq軸の座標系で表した第1のd軸電流検出値Id1_det及び第1のq軸電流検出値Iq1_detを算出する。
d軸及びq軸の座標系(以下、dq軸の座標系と称す)は、交流回転機(ロータ)の回転位置θ1(磁極位置θ1)に同期して回転する2軸の回転座標系である。より詳細には、dq軸の座標系は、ロータの磁極位置θ1(磁石のN極の向き)に定めたd軸、及びd軸より電気角で90deg進んだ方向に定めたq軸からなる。
<第1の電流指令演算部902a>
第1の電流指令演算部902aは、第1のd軸電流指令値Id1_ref及び第1のq軸電流指令値Iq1_refを算出する。第1の電流指令演算部902aは、次式に示すように、交流回転機に出力させるトルク指令値Tallに、第1の3相巻線の分担率K1を乗算し、第1のトルク指令値T1_refを算出する。第1系統の分担率K1は、1より小さい値(例えば、0.5)に設定される。
T1_ref=K1×Tall ・・・(1)
第1の電流指令演算部902aは、第1のトルク指令値T1_ref、第1の直流電圧Vdc1、及び回転角速度ω1等に基づいて、最大トルク電流制御、弱め磁束制御、及びId=0制御などの電流ベクトル制御方法に従って、第1のd軸電流指令値Id1_ref及び第1のq軸電流指令値Iq1_refを算出する。本実施の形態では、トルク指令値Tallは、外部装置50から伝達される。トルク指令値Tallは、分担後の第1のトルク指令値T1_refであってもよい。トルク指令値Tallは、第1の電流指令演算部902a内で演算されてもよい。
<第1の電圧指令算出部904a>
第1の電圧指令算出部904aは、第1のd軸電圧指令値Vd1_ref及び第1のq軸電圧指令値Vq1_refを算出する。本実施の形態では、第1の電圧指令算出部904aは、第1のd軸電流検出値Id1_detが、後述する第1の電流指令選択部903aによる選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に近づくと共に、第1のq軸電流検出値Iq1_detが、第1の電流指令選択部903aによる選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に近づくように、第1のd軸電圧指令値Vd1_ref及び第1のq軸電圧指令値Vq1_refを変化させる電流フィードバック制御を行う。このd軸及びq軸の電圧指令の演算の際、第1の3相巻線のd軸電流とq軸電流との相互干渉を非干渉化する演算が行われてもよく、第1の3相巻線と第2の3相巻線との間の相互干渉を考慮した演算が行われてもよい。
<第1の電圧座標変換部905a>
第1の電圧座標変換部905aは、第1のd軸電圧指令値Vd1_ref及び第1のq軸電圧指令値Vq1_refを、回転位置θ1(磁極位置θ1)に基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、第1の3相電圧指令値Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refに変換する。3相電圧指令値に対して、各種の変調が加えられてもよい。
<第1の電圧印加部906a>
第1の電圧印加部906aは、第1の3相電圧指令値Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refに基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)制御により第1のインバータ4aが有する複数のスイッチング素子をオンオフする。第1の電圧印加部906aは、3相電圧指令値のそれぞれとキャリア波とを比較することにより、各相のスイッチング素子をオンオフするスイッチング信号を生成する。キャリア波は、第1の直流電圧検出値Vdc1_detの振幅を有し、キャリア周波数で振動する三角波とされている。第1の電圧印加部906aは、電圧指令値がキャリア波を上回った場合は、スイッチング信号をオンし、電圧指令値がキャリア波を下回った場合は、スイッチング信号をオフする。正極側のスイッチング素子5aには、スイッチング信号がそのまま伝達され、負極側のスイッチング素子6aには、スイッチング信号を反転させたスイッチング信号が伝達される。各スイッチング信号は、ゲート駆動回路を介して、第1のインバータ4aの各スイッチング素子のゲート端子に入力され、各スイッチング素子をオン又はオフさせる。
1-5.第2の制御器9bの基本構成
図2に示すように、第2の制御器9bは、第2の電流検出部901b、第2の電流指令演算部902b、第2の電流指令選択部903b、第2の電圧指令算出部904b、第2の電圧座標変換部905b、第2の電圧印加部906b、及び第2の回転位置検出部907b、第2の直流電圧検出部908b等を備えている。
第2の制御器9bの各機能部901b~908b等の機能は、第2の制御器9bが備えた処理回路により実現される。具体的には、第2の制御器9bは、図4に示すように、処理回路として、CPU等の演算処理装置80(コンピュータ)、演算処理装置80とデータのやり取りする記憶装置81、演算処理装置80に外部の信号を入力する入力回路82、及び演算処理装置80から外部に信号を出力する出力回路83、及び外部装置50及び第1の制御器9aとデータ通信を行う通信装置84等を備えている。
演算処理装置80として、ASIC、IC、DSP、FPGA、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置80として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置81として、RAM及びROM等が備えられている。
入力回路82には、位置検出器2、第2の電流検出器10b、及び第2の電圧検出器11b等の各種のセンサが接続されている。入力回路82は、センサの出力信号を演算処理装置80に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路83には、第2のインバータ4bの複数のスイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置80から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。通信装置84は、外部装置50及び第1の制御器9aと通信を行う。第2の制御器9bは、通信装置84により、第2のq軸電流検出値Iq2_det、第2のq軸電流指令値Iq2_ref等の特定の制御情報を第1の制御器9aに伝達する。
そして、第2の制御器9bが備える各機能部901b~908b等の各機能は、演算処理装置80が、ROM等の記憶装置81に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置81、入力回路82、出力回路83、及び通信装置84等の第2の制御器9bの他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各機能部901b~908b等が用いる判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置81に記憶されている。
<第2の回転位置検出部907b>
第2の回転位置検出部907bは、位置検出器2の出力信号に基づいて、ロータの電気角での回転位置θ2(磁極位置θ2、回転角度θ2)及び回転角速度ω2を検出する。
<第2の直流電圧検出部908b>
第2の直流電圧検出部908bは、第2の電圧検出器11bの出力信号に基づいて、第2の直流電源3bの第2の直流電圧Vdc2_detを検出する。
<第2の電流検出部901b>
第2の電流検出部901bは、第2の電流検出器10bの出力信号に基づいて、第2の3相巻線Cu2、Cv2、Cw2のそれぞれを流れるU2相電流Iu2_det、V2相電流Iv2_det、W2相電流Iw2_det(第2の3相電流検出値Iu2_det、Iv2_det、Iw2_detと称す)を検出する。そして、第2の電流検出部901bは、第2の3相電流検出値Iu2_det、Iv2_det、Iw2_detを、回転位置θ2に基づいて、3相2相変換及び回転座標変換を行って、d軸及びq軸の座標系で表した第2のd軸電流検出値Id2_det及び第2のq軸電流検出値Iq1_detを算出する。
d軸及びq軸の座標系(以下、dq軸の座標系と称す)は、交流回転機(ロータ)の回転位置θ2(磁極位置θ2)に同期して回転する2軸の回転座標系である。より詳細には、dq軸の座標系は、ロータの磁極位置θ2(磁石のN極の向き)に定めたd軸、及びd軸より電気角で90deg進んだ方向に定めたq軸からなる。
<第2の電流指令演算部902b>
第1の電流指令演算部902bは、第2のd軸電流指令値Id2_ref及び第2のq軸電流指令値Iq2_refを算出する。第2の電流指令演算部902bは、次式に示すように、交流回転機に出力させるトルク指令値Tallに、第2の3相巻線の分担率K2を乗算し、第2のトルク指令値T2_refを算出する。第2系統の分担率K2は、1より小さい値(例えば、0.5)に設定される。
T2_ref=K2×Tall ・・・(2)
第2の電流指令演算部902bは、第2のトルク指令値T2_ref、第2の直流電圧Vdc2、及び回転角速度ω2等に基づいて、最大トルク電流制御、弱め磁束制御、及びId=0制御などの電流ベクトル制御方法に従って、第2のd軸電流指令値Id2_ref及び第2のq軸電流指令値Iq2_refを算出する。本実施の形態では、トルク指令値Tallは、外部装置50から伝達される。トルク指令値Tallは、分担後の第2のトルク指令値T2_refであってもよい。トルク指令値Tallは、第2の電流指令演算部902b内で演算されてもよい。
<第2の電圧指令算出部904b>
第2の電圧指令算出部904bは、第2のd軸電圧指令値Vd2_ref及び第2のq軸電圧指令値Vq2_refを算出する。本実施の形態では、第2の電圧指令算出部904bは、第2のd軸電流検出値Id2_detが、後述する第2の電流指令選択部903bによる選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に近づくと共に、第2のq軸電流検出値Iq2_detが、第2の電流指令選択部903bによる選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に近づくように、第2のd軸電圧指令値Vd2_ref及び第2のq軸電圧指令値Vq2_refを変化させる電流フィードバック制御を行う。このd軸及びq軸の電圧指令の演算の際、第2の3相巻線のd軸電流とq軸電流との相互干渉を非干渉化する演算が行われてもよく、第1の3相巻線と第2の3相巻線との間の相互干渉を考慮した演算が行われてもよい。
<第2の電圧座標変換部905b>
第2の電圧座標変換部905bは、第2のd軸電圧指令値Vd2_ref及び第2のq軸電圧指令値Vq2_refを、回転位置θ2(磁極位置θ2)に基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、第2の3相電圧指令値Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refに変換する。3相電圧指令値に対して、各種の変調が加えられてもよい。
<第2の電圧印加部906b>
第2の電圧印加部906bは、第2の3相電圧指令値Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refに基づいて、PWM制御により第2のインバータ4bが有する複数のスイッチング素子をオンオフする。第2の電圧印加部906bは、3相電圧指令値のそれぞれとキャリア波とを比較することにより、各相のスイッチング素子をオンオフするスイッチング信号を生成する。キャリア波は、第2の直流電圧検出値Vdc2_detの振幅を有し、キャリア周波数で振動する三角波とされている。第2の電圧印加部906bは、電圧指令値がキャリア波を上回った場合は、スイッチング信号をオンし、電圧指令値がキャリア波を下回った場合は、スイッチング信号をオフする。正極側のスイッチング素子5bには、スイッチング信号がそのまま伝達され、負極側のスイッチング素子6bには、スイッチング信号を反転させたスイッチング信号が伝達される。各スイッチング信号は、ゲート駆動回路を介して、第2のインバータ4bの各スイッチング素子のゲート端子に入力され、各スイッチング素子をオン又はオフさせる。
1-6.第1及び第2の電流指令選択部
1-6-1.電流指令の設定方法
本実施の形態では、第1の電流指令演算部902a及び第2の電流指令演算部902bは、以下のように電流指令を設定するように構成されている。第1の電流指令演算部902a及び第2の電流指令演算部902bは、基づくパラメータが、第1のトルク指令値T1_ref、第1の直流電圧Vdc1及び回転角速度ω1と、第2のトルク指令値T2_ref、第2の直流電圧Vdc2及び回転角速度ω2と異なるだけで、設定方法自体は同じであるので、第1の電流指令演算部902aを代表して説明する。
本実施の形態では、図5に示すように、第1の電流指令演算部902aは、回転角速度ω1、第1のトルク指令値T1_ref、及び第1の直流電圧Vdc1に応じて、Id=0制御と弱め磁束制御とを切り替えて実行する。Id=0制御の代わりに最大トルク電流制御が用いられてもよい。回転角速度ω1が、基底回転角速度ω1a以下である場合は、第1の3相巻線により出力可能な最大トルクは、巻線電流が定格電流に制限されて定まり、回転角速度ω1の変化に対して一定値となる。回転角速度ω1が基底回転角速度ω1aより大きくなると、最大トルクは、第1の3相巻線の線間電圧(誘起電圧)が第1の直流電圧Vdc1に制限されて定まり、回転角速度ω1が増加するに従って減少していく。
本実施の形態では、弱め磁束制御において、d軸電流Idのゼロからの減少による弱め磁束の増加により、永久磁石の不可逆減磁が生じないように、d軸電流Idは、d軸電流最小値Id_minに下限制限される。そのため、回転角速度ω1がd軸電流制限回転速度ω1bよりも大きくなると、最大トルクは、第1の3相巻線の線間電圧が第1の直流電圧Vdc1に制限されると共に、d軸電流Idが、d軸電流最小値Id_minに制限されて定まり、回転角速度ω1が増加するに従って減少していく。
基底回転角速度ω1aは、Id=0制御時の最大トルクが、巻線電流が定格電流に制限されると共に、巻線の線間電圧(誘起電圧)が第1の直流電圧Vdc1によって制限され始める回転角速度である。よって、第1の直流電圧Vdc1の低下に応じて、基底回転角速度ω1aが低下すると共に、巻線の線間電圧(誘起電圧)が第1の直流電圧Vdc1によって制限されて定まる弱め磁束制御時の最大トルクも低下する。
このように設定される第1のd軸電流指令値Id1_ref及び第1のq軸電流指令値Iq1_refを、図6に示すdq軸座標で説明する。Id=0制御時の最大トルクにおける第1のd軸及びq軸電流指令値Id1_ref、Iq1_refは、d軸電流Id=0のラインと、定格電流による電流制限円との交点Aに設定される。
そして、弱め磁束制御時の最大トルクにおける第1のd軸及びq軸電流指令値Id1_ref、Iq1_refは、電流制限円と電圧制限楕円(定誘起電圧楕円)との交点Bに設定される。回転角速度ω1が増加するに従って、電圧制限楕円が狭まり、交点Bの第1のd軸及びq軸電流指令値Id1_ref、Iq1_refは、図5の矢印に示すように減少する。
そして、回転角速度ω1の増加により、第1のd軸電流指令値Id1_refが、不可逆減磁抑制のためのd軸電流最小値Id_minに到達すると、第1のd軸及びq軸電流指令値Id1_ref、Iq1_refは、電流制限円とd軸電流最小値Id_minとの交点Cに設定される。その後も、回転角速度ω1が増加するに従って、電圧制限楕円が狭まるので、実際の第1のd軸電流Id及びq軸電流Iqは、電圧制限楕円とd軸電流最小値Id_minのラインとの交点になり、回転角速度ω1が増加するに従って、d軸電流最小値Id_minのラインに沿って交点Cからゼロまで減少する。
第2の電流指令演算部902bは、回転角速度ω2、第2のトルク指令値T2_ref、及び第2の直流電圧Vdc2に基づいて、第1の電流指令演算部902aと同様の方法を用い、第2のd軸電流指令値Id2_ref及び第2のq軸電流指令値Iq2_refを設定する。
1-6-2.系統間の直流電圧差による課題
第1及び第2の直流電圧Vdc1、Vdc2は、直流電源の経時劣化、充電量の低下により定格電圧よりも低下する場合がある。例えば、第2の直流電圧Vdc2が、定格電圧よりも低下し、第1の直流電圧Vdc1が定格電圧に維持されている場合は、第1及び第2の直流電圧Vdc1、Vdc2に電圧差が生じる。図5に示したように、直流電圧が低下するに従って、基底回転角速度ω1aが低下し、弱め磁束制御の最大トルクが低下する。よって、第1の3相巻線の最大トルクと、第2の3相巻線の最大トルクとにトルク差が生じる。トルク差が生じると、交流回転機1に高周波の振動及び騒音が生じる。
例えば、図7に示すように、弱め磁束制御の最大トルク出力時において、第2の直流電圧Vdc2が定格電圧よりも低下すると、電圧制限楕円が狭まり、第2のd軸電流指令値Id2_ref及び第2のq軸電流指令値Iq2_refが、定格電圧に維持されている第1のd軸電流指令値Id1_ref及び第1のq軸電流指令値Iq1_refよりも減少する。また、図8に示すように、d軸電流最小値制限の最大トルク出力時において、第2の直流電圧Vdc2が定格電圧よりも低下すると、電圧制限楕円が狭まり、第2のq軸電流検出値Iq2_detが、定格電圧に維持されている第1のq軸電流検出値Iq1_detよりも減少する。
<電流指令選択部が設けられない比較例の制御挙動>
図9に、第1及び第2の3相巻線に最大トルクを出力させる状態において、回転角速度をゼロから徐々に増加させた場合の比較例の制御挙動を示す。この例でも、第1の直流電圧Vdc1は定格電圧に維持されており、第2の直流電圧Vdc2は定格電圧よりも低下している(Vdc1>Vdc2)。そのため、第2の3相巻線の基底回転角速度ω2aは、第1の3相巻線の基底回転角速度ω1aよりも低くなっている。
第1の3相巻線は、時刻t2で、回転角速度が第1の3相巻線の基底回転角速度ω1aに到達している。一方、第2の3相巻線は、基底回転角速度ω2aの低下により、時刻t2よりも早い時刻t1で、回転角速度が第2の3相巻線の基底回転角速度ω2aに到達している。
第1の3相巻線について時刻t2までの期間において、第2の3相巻線について時刻t1までの期間において、回転角速度が、第1又は第2の3相巻線の基底回転角速度ω1a、ωa2よりも低いため、Id=0制御が実行され、図5及び図6に示したように、第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref、Id2_refは、ゼロに設定され、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refは、定格電流に対応する最大電流Iq_maxに設定され、第1の3相巻線の最大トルクT1_max及び第2の3相巻線の最大トルクT2_maxは一定になっている。このId=0制御では、系統間の直流電圧の差により、系統間のdq軸電流及びトルクの差が生じていない。
第1の3相巻線について時刻t2から時刻t4までの期間において、第2の3相巻線について時刻t1から時刻t3までの期間において、弱め磁束制御が行われ、図5及び図6に示したように、回転角速度が増加するに従って、第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref、Id2_refが減少し、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refが減少し、第1及び第2の3相巻線の最大トルクT1_max、T2_maxが減少している。
この際、図5及び図7に示したように、第2の直流電圧Vdc2が低下しているので、第1の3相巻線の各電流指令値Id1_ref、Iq1_ref、及び最大トルクT1_maxに比べて、第2の3相巻線の各電流指令値Id2_ref、Iq2_ref、及び最大トルクT2_maxはオフセット的に低下している。よって、この比較例に係る弱め磁束制御では、直流電圧の差により、系統間のdq軸電流及びトルクの差が生じており、交流回転機1に高周波の振動及び騒音が生じる。
第1の3相巻線は、時刻t4で、第1のd軸電流指令値Id1_refが、d軸電流最小値Id_minに到達し、下限制限される。一方、第2の3相巻線は、d軸電流指令値のオフセット的な低下により、時刻t4よりも早い時刻t3で、第2のd軸電流指令値Id2_refが、d軸電流最小値Id_minに到達し、下限制限される。
第1の3相巻線について時刻t4以降の期間において、第2の3相巻線について時刻t3以降の期間において、弱め磁束制御におけるd軸電流最小値制限が行われ、図5及び図6に示したように、回転角速度の増加に対して、第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref、Id2_refはd軸電流最小値Id_minに設定され、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refもq軸電流最小値Iq_minに設定される。一方、回転角速度が増加するに従って、実際の第1及び第2のq軸電流Iq1、Iq2が低下するので、第1及び第2の3相巻線の最大トルクT1_max、T2_maxが減少している。
この際、図5及び図8に示したように、第2の直流電圧Vdc2が低下しているので、実際の第1のq軸電流Iq1及び最大トルクT1_maxに比べて、実際の第2のq軸電流Iq2及び最大トルクT2_maxはオフセット的に低下している。よって、このd軸電流最小値制限では、直流電圧の差により、系統間のq軸電流及びトルクの差が生じており、交流回転機1に高周波の振動及び騒音が生じる。なお、d軸電流最小値Id_minに下限制限される前の、弱め磁束制御により算出された第1のd軸電流指令値Id1_refと、第2のd軸電流指令値Id2_refとの間にもオフセット的な差が生じている。また、d軸電流最小値Id_minに下限制限される前の、弱め磁束制御により算出された第1のq軸電流指令値Iq1_refと、第2のq軸電流指令値Iq2_refとの間にもオフセット的な差が生じている。
このように、弱め磁束制御、及び弱め磁束制御におけるd軸電流最小値制限において、系統間の直流電圧差によって、系統間の最大トルク差が生じ、dq軸電流検出値の差、dq軸電流指令の差が生じる。
系統間の直流電圧差による系統間のトルク差を低減するためには、直流電圧の高い方のdq軸電流を、直流電圧の低い方のdq軸電流に合わせればよい。なお、電圧制限楕円の狭まりにより、直流電圧の低い方のdq軸電流を、直流電圧の高い方のdq軸電流に合わせることはできない。なお、q軸電流はトルクに比例するため、d軸電流よりもトルク差を低減させるためには重要である。
1-6-3.第1及び第2の電流指令選択部の構成
<系統間の直流電圧差に応じた、q軸電流指令の選択>
そこで、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定した場合は、第1のq軸電流指令値Iq1_refを、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定し、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定した場合は、第2の制御器9bから通信により取得した第2のq軸電流検出値Iq2_detを、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定する。そして、上述したように、第1の電圧指令算出部904aが、第1のq軸電流検出値Iq1_detが、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に近づくように、第1のq軸電圧指令値Vq1_refを変化させる。
1)Vdc1≦Vdc2と判定した場合
Iq1_ref*=Iq1_ref
2)Vdc1>Vdc2と判定した場合 ・・・(3)
Iq1_ref*=Iq2_det
また、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定した場合は、第2のq軸電流指令値Iq2_refを、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に設定し、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定した場合は、第1の制御器9aから通信により取得した第1のq軸電流検出値Iq1_detを、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に設定する。そして、上述したように、第2の電圧指令算出部904bが、第2のq軸電流検出値Iq2_detが、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に近づくように、第2のq軸電圧指令値Vq2_refを変化させる。
1)Vdc2≦Vdc1と判定した場合
Iq2_ref*=Iq2_ref
2)Vdc2>Vdc1と判定した場合 ・・・(4)
Iq2_ref*=Iq1_det
上記の構成によれば、第1の直流電圧Vdc1が、第2の直流電圧Vdc2よりも高くなる場合は、第2のq軸電流検出値Iq2_detを、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第1のq軸電流が第2のq軸電流よりも高くならないように、第1のq軸電流を第2のq軸電流まで低下させることができる。逆に、第2の直流電圧Vdc2が、第1の直流電圧Vdc1よりも高くなる場合は、第1のq軸電流検出値Iq1_detを、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第2のq軸電流が第1のq軸電流よりも高くならないように、第2のq軸電流を第1のq軸電流まで低下させることができる。q軸電流はトルクに比例するので、系統間の直流電圧の差により、系統間のトルクに差が生じることを抑制できる。
<系統間の直流電圧差に応じた、d軸電流指令の選択>
本実施の形態では、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定した場合は、第1のd軸電流指令値Id1_refを、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定し、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定した場合は、第2の制御器9bから通信により取得した第2のd軸電流指令値Id2_refを、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定する。そして、上述したように、第1の電圧指令算出部904aが、第1のd軸電流検出値Id1_detが、選択後の第1のq軸電流指令値Id1_ref*に近づくように、第1のd軸電圧指令値Vd1_refを変化させる。
1)Vdc1≦Vdc2と判定した場合
Id1_ref*=Id1_ref
2)Vdc1>Vdc2と判定した場合 ・・・(5)
Id1_ref*=Id2_ref
また、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定した場合は、第2のd軸電流指令値Id2_refを、選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に設定し、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定した場合は、第1の制御器9aから通信により取得した第1のd軸電流指令値Id1_refを、選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に設定する。そして、上述したように、第2の電圧指令算出部904bが、第2のd軸電流検出値Id2_detが、選択後の第2のq軸電流指令値Id2_ref*に近づくように、第2のd軸電圧指令値Vd2_refを変化させる。
1)Vdc2≦Vdc1と判定した場合
Id2_ref*=Id2_ref
2)Vdc2>Vdc1と判定した場合 ・・・(6)
Id2_ref*=Id1_ref
上記の構成によれば、第1の直流電圧Vdc1が、第2の直流電圧Vdc2よりも高くなる場合は、第2のd軸電流指令値Id2_refを、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第1のd軸電流が第2のd軸電流よりも高くならないように、第1のd軸電流を第2のd軸電流まで低下させることができる。逆に、第2の直流電圧Vdc2が、第1の直流電圧Vdc1よりも高くなる場合は、第1のd軸電流指令値Id1_refを、選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第2のd軸電流が第1のd軸電流よりも高くならないように、第2のd軸電流を第1のd軸電流まで低下させることができる。よって、q軸電流に加えて、d軸電流の系統間の差を低減することができるので、系統間の直流電圧の差により、系統間のトルクに差が生じることを、より精度よく抑制できる。
<d軸電流による系統間の直流電圧差の判定>
本実施の形態では、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1のd軸電流指令値Id1_refの絶対値が、第2の制御器9bから通信により取得した第2のd軸電流指令値Id2_refの絶対値以上である場合は、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定し、第1のd軸電流指令値Id1_refの絶対値が、第2の制御器9bから通信により取得した第2のd軸電流指令値Id2_refの絶対値よりも小さい場合は、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定する。
1)|Id1_ref|≧|Id2_ref|の場合
Vdc1≦Vdc2であると判定 ・・・(7)
2)|Id1_ref|<|Id2_ref|の場合
Vdc1>Vdc2であると判定
また、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2のd軸電流指令値Id2_refの絶対値が、第1の制御器9aから通信により取得した第1のd軸電流指令値Id1_refの絶対値以上である場合は、第2の直流電圧Vdc2の絶対値が第1の直流電圧Vdc1の絶対値以下であると判定し、第2のd軸電流指令値Id2_refの絶対値が、第1の制御器9aから通信により取得した第1のd軸電流指令値Id1_refの絶対値よりも小さい場合は、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定する。
1)|Id2_ref|≧|Id1_ref|の場合
Vdc2≦Vdc1であると判定 ・・・(8)
2)|Id2_ref|<|Id1_ref|の場合
Vdc2>Vdc1であると判定
なお、本実施の形態のように、第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref、Id2_refが、d軸電流最小値Id_minにより下限制限され、両者が同じ値になる場合は、式(7)及び式(8)において、第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref、Id2_refの代わりに、d軸電流最小値Id_minにより下限制限される前の、弱め磁束制御により算出された第1のd軸電流指令値及び第2のd軸電流指令値が用いられてもよい。
上記の構成によれば、選択後の第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref*、Id2_ref*の設定に用いられる第1及び第2のd軸電流指令値Id1_refを用いて、系統間の直流電圧差を判定できるので、第1の制御器9aと第2の制御器9bとの間のデータ通信量を削減できる。
<本実施の形態の制御挙動>
図10に、第1及び第2の3相巻線に最大トルクを出力させる状態において、回転角速度をゼロから徐々に増加させた場合の本実施の形態の制御挙動を示す。この例でも、図9の比較例と同様に、第1の直流電圧Vdc1は定格電圧に維持されており、第2の直流電圧Vdc2は定格電圧よりも低下している(Vdc1>Vdc2)。そのため、第2の3相巻線の基底回転角速度ω2aは、第1の3相巻線の基底回転角速度ω1aよりも低くなっている。
第1の3相巻線は、時刻t22で、回転角速度が第1の3相巻線の基底回転角速度ω1aに到達している。一方、第2の3相巻線は、基底回転角速度ω2aの低下により、時刻t22よりも早い時刻t21で、回転角速度が第2の3相巻線の基底回転角速度ω2aに到達している。
時刻t21までの期間において、第1の3相巻線及び第2の3相巻線の双方とも、Id=0制御が実行され、系統間の直流電圧の差により、系統間のdq軸電流及びトルクの差が生じていない。
第1の3相巻線について時刻t22から時刻t24までの期間において、第2の3相巻線について時刻t21から時刻t23までの期間において、弱め磁束制御によりdq軸電圧指令値が算出される。そして、図5及び図7に示したように、第2の直流電圧Vdc2が、第1の直流電圧Vdc1よりも低くなっているので、第2のd軸電流指令値Id2_refの絶対値が、第2のd軸電流指令値Id1_refの絶対値よりも大きくなっている。そのため、第1及び第2の電流指令選択部903a、903bは、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定し、第2のq軸電流検出値Iq2_detが、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定され、第2のd軸電流検出値Id2_detが、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定されている。
そのため、図9の比較例と比べて、第1のq軸電流を第2のq軸電流まで低下させることができており、第1のd軸電流を第2のd軸電流まで低下させることができている。よって、第1の3相巻線の最大トルクT1_maxを、第2の3相巻線の最大トルクT2_maxまで低下させることができており、系統間のトルク差を低減できている。
第1の3相巻線について時刻t24以降の期間において、第2の3相巻線について時刻t23以降の期間において、弱め磁束制御により算出された各d軸電流指令に対して、d軸電流最小値Id_minにより下限制限が行われ、第1及び第2のd軸電流指令値Id1_ref、Id2_refはd軸電流最小値Id_minに設定され、弱め磁束制御により算出された各q軸電流指令に対して、q軸電流最小値Iq_minにより下限制限が行われ、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refはq軸電流最小値Iq_minに設定される。
この時、d軸及びq軸電流最小値Id_min、Iq_minにより下限制限される前の、弱め磁束制御により算出された第2のd軸電流指令値の絶対値が、同じく下限制限前の第1のd軸電流指令値の絶対値よりも大きくなっている。そのため、第1及び第2の電流指令選択部903a、903bは、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定し、第2のq軸電流検出値Iq2_detが、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定され、第2のd軸電流指令値Id2_refが、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定されている。
そのため、図9の比較例と比べて、第1のd軸電流及び第2のd軸電流をd軸電流最小値Id_minに保ったままで、第1のq軸電流検出値Iq1_detを第2のq軸電流検出値Iq2_detまで低下させることができている。よって、第1の3相巻線の最大トルクT1_maxを、第2の3相巻線の最大トルクT1_maxまで低下させることができており、系統間のトルク差を低減できている。
このように、系統間の直流電圧差が生じても、回転角速度の全域に亘り、Id=0制御及び弱め磁束制御にかかわらず、系統間のトルク差が生じることを抑制できる。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る交流回転機1及びモータ制御装置について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及びモータ制御装置の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、第1及び第2の電流指令選択部903a、903bにおける処理が実施の形態1と異なる。図11に、本実施の形態に係る第1及び第2の制御器9a、9bのブロック図を示す。
本実施の形態では、式(3)の代わりに、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定した場合は、第1のq軸電流指令値Iq1_refを、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定し、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定した場合は、第2の制御器9bから通信により取得した第2のq軸電流指令値Iq2_refを、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定する。そして、上述したように、第1の電圧指令算出部904aが、第1のq軸電流検出値Iq1_detが、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に近づくように、第1のq軸電圧指令値Vq1_refを変化させる。
1)Vdc1≦Vdc2と判定した場合
Iq1_ref*=Iq1_ref
2)Vdc1>Vdc2と判定した場合 ・・・(9)
Iq1_ref*=Iq2_ref
また、式(4)の代わりに、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定した場合は、第2のq軸電流指令値Iq2_refを、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に設定し、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定した場合は、第1の制御器9aから通信により取得した第1のq軸電流指令値Iq1_refを、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に設定する。そして、上述したように、第2の電圧指令算出部904bが、第2のq軸電流検出値Iq2_detが、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に近づくように、第2のq軸電圧指令値Vq2_refを変化させる。
1)Vdc2≦Vdc1と判定した場合
Iq2_ref*=Iq2_ref
2)Vdc2>Vdc1と判定した場合 ・・・(10)
Iq2_ref*=Iq1_ref
なお、本実施の形態のように、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refが、d軸電流最小値Id_minに対応するq軸電流最小値Iq_minにより下限制限され、両者が同じ値になる場合は、式(9)及び式(10)の2)の場合において、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refの代わりに、q軸電流最小値Iq_minにより下限制限される前の、弱め磁束制御により算出された第1のq軸電流指令値及び第2のq軸電流指令値が用いられてもよい。
上記の構成によれば、第1の直流電圧Vdc1が、第2の直流電圧Vdc2よりも高くなる場合は、第2のq軸電流指令値Iq2_refを、選択後の第1のq軸電流指令値Iq1_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第1のq軸電流が第2のq軸電流よりも高くならないように、第1のq軸電流を第2のq軸電流まで低下させることができる。逆に、第2の直流電圧Vdc2が、第1の直流電圧Vdc1よりも高くなる場合は、第1のq軸電流指令値Iq1_refを、選択後の第2のq軸電流指令値Iq2_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第2のq軸電流が第1のq軸電流よりも高くならないように、第2のq軸電流を第1のq軸電流まで低下させることができる。q軸電流はトルクに比例するので、系統間の直流電圧の差により、系統間のトルクに差が生じることを抑制できる。
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る交流回転機1及びモータ制御装置について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及びモータ制御装置の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、第1及び第2の電流指令選択部903a、903bにおける処理が実施の形態1と異なる。図12に、本実施の形態に係る第1及び第2の制御器9a、9bのブロック図を示す。
本実施の形態では、式(5)の代わりに、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定した場合は、第1のd軸電流指令値Id1_refを、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定し、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定した場合は、第2の制御器9bから通信により取得した第2のd軸電流検出値Id2_detを、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定する。そして、上述したように、第1の電圧指令算出部904aが、第1のd軸電流検出値Id1_detが、選択後の第1のq軸電流指令値Id1_ref*に近づくように、第1のd軸電圧指令値Vd1_refを変化させる。
1)Vdc1≦Vdc2と判定した場合
Id1_ref*=Id1_ref
2)Vdc1>Vdc2と判定した場合 ・・・(11)
Id1_ref*=Id2_det
また、式(6)に代えて、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定した場合は、第2のd軸電流指令値Id2_refを、選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に設定し、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定した場合は、第1の制御器9aから通信により取得した第1のd軸電流検出値Id1_detを、選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に設定する。そして、上述したように、第2の電圧指令算出部904bが、第2のd軸電流検出値Id2_detが、選択後の第2のq軸電流指令値Id2_ref*に近づくように、第2のd軸電圧指令値Vd2_refを変化させる。
1)Vdc2≦Vdc1と判定した場合
Id2_ref*=Id2_ref
2)Vdc2>Vdc1と判定した場合 ・・・(12)
Id2_ref*=Id1_det
上記の構成によれば、第1の直流電圧Vdc1が、第2の直流電圧Vdc2よりも高くなる場合は、第2のd軸電流検出値Id2_detを、選択後の第1のd軸電流指令値Id1_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第1のd軸電流が第2のd軸電流よりも高くならないように、第1のd軸電流を第2のd軸電流まで低下させることができる。逆に、第2の直流電圧Vdc2が、第1の直流電圧Vdc1よりも高くなる場合は、第1のd軸電流検出値Id1_detを、選択後の第2のd軸電流指令値Id2_ref*に設定するので、弱め磁束制御の最大トルク付近において、第2のd軸電流が第1のd軸電流よりも高くならないように、第2のd軸電流を第1のd軸電流まで低下させることができる。よって、q軸電流に加えて、d軸電流の系統間の差を低減することができるので、系統間の直流電圧の差により、系統間のトルクに差が生じることを、より精度よく抑制できる。
4.実施の形態4
次に、実施の形態4に係る交流回転機1及びモータ制御装置について説明する。上記の実施の形態2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及びモータ制御装置の基本的な構成は実施の形態2と同様であるが、第1及び第2の電流指令選択部903a、903bにおける処理が実施の形態1と異なる。本実施の形態に係る第1及び第2の制御器9a、9bのブロック図は、実施の形態2の図11と同様になる。
本実施の形態では、式(7)に代えて、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1のq軸電流指令値Iq1_refの絶対値が、第2の制御器9bから通信により取得した第2のq軸電流指令値Iq2_refの絶対値以上である場合は、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定し、第1のq軸電流指令値Iq1_refの絶対値が、第2の制御器9bから通信により取得した第2のq軸電流指令値Iq2_refの絶対値よりも小さい場合は、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定する。
1)|Iq1_ref|≧|Iq2_ref|の場合
Vdc1>Vdc2であると判定 ・・・(13)
2)|Id1_ref|<|Id2_ref|の場合
Vdc1≦Vdc2であると判定
また、式(8)に代えて、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2のq軸電流指令値Iq2_refの絶対値が、第1の制御器9aから通信により取得した第1のq軸電流指令値Iq1_refの絶対値以上である場合は、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定し、第2のq軸電流指令値Iq2_refの絶対値が、第1の制御器9aから通信により取得した第1のq軸電流指令値Iq1_refの絶対値よりも小さい場合は、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定する。
1)|Iq2_ref|≧|Iq1_ref|の場合
Vdc2>Vdc1であると判定 ・・・(14)
2)|Iq2_ref|<|Iq1_ref|の場合
Vdc2≦Vdc1であると判定
なお、本実施の形態のように、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refが、d軸電流最小値Id_minに対応するq軸電流最小値Iq_minにより下限制限され、両者が同じ値になる場合は、式(9)及び式(10)において、第1及び第2のq軸電流指令値Iq1_ref、Iq2_refの代わりに、q軸電流最小値Iq_minにより下限制限される前の、弱め磁束制御により算出された第1のq軸電流指令値及び第2のq軸電流指令値が用いられてもよい。
5.実施の形態5
次に、実施の形態2に係る交流回転機1及びモータ制御装置について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1及びモータ制御装置の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、第1及び第2の電流指令選択部903a、903bにおける第1の直流電圧Vdc1と第2の直流電圧Vdc2との大小関係の判定方法が実施の形態1と異なる。図13に、本実施の形態に係る第1及び第2の制御器9a、9bのブロック図を示す。
本実施の形態では、式(7)に代えて、次式に示すように、第1の電流指令選択部903aは、第1の直流電圧検出値_detVdc1が、第2の制御器9bから通信により取得した第2の直流電圧検出値Vdc2_det以下である場合は、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2以下であると判定し、第1の直流電圧検出値Vdc1_detが、第2の制御器9bから通信により取得した第2の直流電圧検出値Vdc2_detよりも小さい場合は、第1の直流電圧Vdc1が第2の直流電圧Vdc2よりも高いと判定する。
1)Vdc1_det≦Vdc2_detの場合
Vdc1≦Vdc2であると判定 ・・・(15)
2)Vdc1_det>Vdc2_detの場合
Vdc1>Vdc2であると判定
式(8)に代えて、次式に示すように、第2の電流指令選択部903bは、第2の直流電圧検出値Vdc2_detが、第1の制御器9aから通信により取得した第1の直流電圧検出値Vdc1_det以下である場合は、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1以下であると判定し、第2の直流電圧検出値Vdc2_detが、第1の制御器9aから通信により取得した第1の直流電圧検出値Vdc1_detよりも高い場合は、第2の直流電圧Vdc2が第1の直流電圧Vdc1よりも高いと判定する。
1)Vdc2_det≦Vdc1_detの場合
Vdc2≦Vdc1であると判定 ・・・(16)
2)Vdc2_det>Vdc1_detの場合
Vdc2>Vdc1であると判定
上記の構成によれば、制御器間で通信により取得した直流電圧検出値を用いて、直接的に系統間の直流電圧差を判定できるので、判定精度を確保できる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本願のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態では、弱め磁束制御においてd軸電流指令がd軸電流最小値Id_minにより下限制限される場合を例に説明した。しかし、d軸電流最小値Id_minにより下限制限されなくてもよい。
(2)上記の各実施の形態では、Id=0制御が行われる場合を例に説明した。しかし、Id=0制御の代わりに、最大トルク電流制御等の他のベクトル制御が実行されてもよい。
(3)実施の形態1から5が任意に組み合わされて実施されてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 交流回転機、3a 第1の直流電源、3b 第2の直流電源、4a 第1のインバータ、4b 第2のインバータ、9a 第1の制御器、9b 第2の制御器、10a 第1の電流検出器、10b 第2の電流検出器、Id1_det 第1のd軸電流検出値、Id1_ref 第1のd軸電流指令値、Id2_det 第2のd軸電流検出値、Id2_ref 第2のd軸電流指令値、Iq1_det 第1のq軸電流検出値、Iq1_ref 第1のq軸電流指令値、Iq2_det 第2のq軸電流検出値、Iq2_ref 第2のq軸電流指令値、Vdc1 第1の直流電圧、Vdc1_det 第1の直流電圧検出値、Vdc2 第2の直流電圧、Vdc2_det 第2の直流電圧検出値、Vd1_ref 第1のd軸電圧指令値、Vd2_ref 第2のd軸電圧指令値、Vq1_ref 第1のq軸電圧指令値、Vq2_ref 第2のq軸電圧指令値

Claims (5)

  1. 第1の3相巻線と第2の3相巻線とを有する交流回転機を制御するモータ制御装置であって、
    第1の直流電源の第1の直流電圧を前記第1の3相巻線に印加する第1のインバータと、
    前記第1の3相巻線を流れる電流を検出する第1の電流検出器と、
    前記第1の電流検出器により検出した第1の3相巻線の電流検出値を、前記交流回転機の回転位置に同期して回転するd軸及びq軸の座標系で表した第1のd軸電流検出値及び第1のq軸電流検出値を算出し、第1のd軸電流指令値及び第1のq軸電流指令値を算出し、第1のd軸電圧指令値及び第1のq軸電圧指令値を算出し、前記第1のd軸電圧指令値及び前記第1のq軸電圧指令値に基づいて前記第1のインバータを制御する第1の制御器と、
    第2の直流電源の第2の直流電圧を前記第2の3相巻線に印加する第2のインバータと、
    前記第2の3相巻線を流れる電流を検出する第2の電流検出器と、
    前記第2の電流検出器により検出した第2の3相巻線の電流検出値を、前記d軸及びq軸の座標系で表した第2のd軸電流検出値及び第2のq軸電流検出値を算出し、第2のd軸電流指令値及び第2のq軸電流指令値を算出し、第2のd軸電圧指令値及び第2のq軸電圧指令値を算出し、前記第2のd軸電圧指令値及び前記第2のq軸電圧指令値に基づいて前記第2のインバータを制御する第2の制御器と、を備え、
    前記第1の制御器は、
    前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧以下であると判定した場合は、前記第1のq軸電流検出値が、前記第1のq軸電流指令値に近づくように、前記第1のq軸電圧指令値を変化させ、
    前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧よりも高いと判定した場合は、前記第1のq軸電流検出値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のq軸電流検出値又は前記第2のq軸電流指令値に近づくように、前記第1のq軸電圧指令値を変化させ、
    前記第2の制御器は、
    前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧以下であると判定した場合は、前記第2のq軸電流検出値が、前記第2のq軸電流指令値に近づくように、前記第2のq軸電圧指令値を変化させ、
    前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧よりも高いと判定した場合は、前記第2のq軸電流検出値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のq軸電流検出値又は前記第1のq軸電流指令値に近づくように、前記第2のq軸電圧指令値を変化させるモータ制御装置。
  2. 前記第1の制御器は、
    前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧以下であると判定した場合は、前記第1のd軸電流検出値が、前記第1のd軸電流指令値に近づくように、前記第1のd軸電圧指令値を変化させ、
    前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧よりも高いと判定した場合は、前記第1のd軸電流検出値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のd軸電流検出値又は前記第2のd軸電流指令値に近づくように、前記第1のd軸電圧指令値を変化させ、
    前記第2の制御器は、
    前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧以下であると判定した場合は、前記第2のd軸電流検出値が、前記第2のd軸電流指令値に近づくように、前記第2のd軸電圧指令値を変化させ、
    前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧よりも高いと判定した場合は、前記第2のd軸電流検出値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のd軸電流検出値又は前記第1のd軸電流指令値に近づくように、前記第2のq軸電圧指令値を変化させる請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第1の制御器は、
    前記第1のd軸電流指令値の絶対値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のd軸電流指令値の絶対値以上である場合は、前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧以下であると判定し、
    前記第1のd軸電流指令値の絶対値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のd軸電流指令値の絶対値よりも小さい場合は、前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧よりも高いと判定し、
    前記第2の制御器は、
    前記第2のd軸電流指令値の絶対値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のd軸電流指令値の絶対値以上である場合は、前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧以下であると判定し、
    前記第2のd軸電流指令値の絶対値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のd軸電流指令値の絶対値よりも小さい場合は、前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧よりも高いと判定する請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記第1の制御器は、
    前記第1のq軸電流指令値の絶対値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のq軸電流指令値の絶対値以上である場合は、前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧よりも高いと判定し、
    前記第1のq軸電流指令値の絶対値が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2のq軸電流指令値の絶対値よりも小さい場合は、前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧以下であると判定し、
    前記第2の制御器は、
    前記第2のq軸電流指令値の絶対値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のq軸電流指令値の絶対値以上である場合は、前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧よりも高いと判定し、
    前記第2のq軸電流指令値の絶対値が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1のq軸電流指令値の絶対値よりも小さい場合は、前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧以下であると判定する請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  5. 前記第1の制御器は、
    前記第1の直流電圧が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2の直流電圧以下である場合は、前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧以下であると判定し
    前記第1の直流電圧が、前記第2の制御器から通信により取得した前記第2の直流電圧よりも小さい場合は、前記第1の直流電圧が前記第2の直流電圧よりも高いと判定し、
    前記第2の制御器は、
    前記第2の直流電圧が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1の直流電圧以下である場合は、前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧以下であると判定し、
    前記第2の直流電圧が、前記第1の制御器から通信により取得した前記第1の直流電圧よりも高い場合は、前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧よりも高いと判定する請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
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