JP7101135B2 - ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスの配索構造に関する。
自動車等の車両の前部には、ラジエータを支持するためのラジエータコアサポートが設けられる他、各種のセンサ、ヘッドランプ、ホーン、レーダー、及びスピーカーといった電気部品が設けられる。なお、こうした電気部品に対する給電や通信については、特許文献1に示されるように、ラジエータコアサポートに沿って車両の幅方向に延びるように配置されたワイヤハーネスを介して行うことが考えられる。
特許文献1では、ラジエータコアサポートに車両の幅方向に延びるとともに車両の後方側に向けて開口する凹部が形成されており、その凹部の内側にワイヤハーネスが通されている。上記凹部の内側には車両の幅方向に所定の間隔をおいて複数のリブが形成されている。そして、それらリブと上記凹部の開口を閉塞する蓋体との間にワイヤハーネスを挟み込むことにより、同ワイヤハーネスがラジエータコアサポートに対し取り付けられている。
特開2007-238047号公報
しかし、特許文献1に示すようにワイヤハーネスをラジエータコアサポートに対し取り付けた場合、ワイヤハーネスにおける各リブの間に位置する部分では、リブと蓋体とによる挟み込みが行われないため、同部分でワイヤハーネスの保持が緩むおそれがある。そして、上記部分でワイヤハーネスの保持が緩むと、ラジエータコアサポートに対するワイヤハーネスの取り付けが不安定になる。
本発明の目的は、ラジエータコアサポートに対するワイヤハーネスの取り付けが不安定になることを抑制できるワイヤハーネスの配索構造を提供することにある。
上記課題を解決するワイヤハーネスの配索構造では、車両に搭載されるラジエータコアサポートに沿って同車両の幅方向に延びるワイヤハーネスが、ラジエータコアサポートに対し取り付けられる。同構造は、車両の幅方向に延びるようラジエータコアサポートに形成されている壁部と、壁部と同じ方向に延びており、且つ、同壁部との間に前記ワイヤハーネスを挟んだ状態で、ラジエータコアサポートに取り付けられることにより、同ワイヤハーネスをラジエータコアサポートに対し取り付けるカバーと、を備える。
ラジエータコアサポートを図2の矢印A-A方向から見た状態を示す断面図。 ラジエータコアサポートを車両の後方側から見た状態を示す背面図。 カバーを示す斜視図。 カバーの他の例を示す断面図。
以下、ワイヤハーネスの配索構造の一実施形態について、図1~図3を参照して説明する。
図2は、車両の前部に搭載される樹脂製のラジエータコアサポート1を車両の後方側から見た状態を示している。ラジエータコアサポート1は、ラジエータ2を支持するためのものであって、そのラジエータ2の上端部に対応した位置で車両の幅方向(図2の左右方向)に延びるように設けられている。また、車両の前部には各種のセンサ、ヘッドランプ、ホーン、レーダー、及びスピーカーといった電気部品が設けられている。そして、これらの電気部品に対し給電や通信を行うためのワイヤハーネス3が、ラジエータコアサポート1に沿って車両の幅方向に延びるように設けられている。ワイヤハーネス3は、車両の幅方向に沿って延びている部分から分岐する複数の枝部3aを備えている。
図1は、ラジエータコアサポート1を図2の矢印A-A方向から見た状態の断面を示している。ラジエータコアサポート1には車両の幅方向(図2の紙面と直交する方向)に延びる壁部4が形成されており、その壁部4に沿って上記ワイヤハーネス3が延びている。更に、ラジエータコアサポート1における車両の後方側(図2の右側)には、壁部4と同じ方向に延びており、且つ、壁部4との間にワイヤハーネス3を挟んだ状態で、同ラジエータコアサポート1に取り付けられる樹脂製のカバー5が設けられている。
このようにラジエータコアサポート1に対しカバー5を取り付けることにより、そのカバー5と壁部4との間のワイヤハーネス3も、ラジエータコアサポート1に対し取り付けられている。また、ラジエータコアサポート1には、車両の幅方向に延びるとともに車両の後方側に向けて開口する凹部6が形成されており、且つ、その凹部6の開口を閉塞する樹脂製の蓋体7が設けられている。この蓋体7は、ラジエータコアサポート1における凹部6の開口を塞ぐ位置に対し、取り外し可能に取り付けられている。
次に、カバー5について詳しく説明する。
図3に示すように、カバー5には、車両の幅方向に延びるワイヤハーネス3(図2)を収容すべく車両の後方側にへこんでおり、且つ、同カバー5と同方向に延びる収容部8が形成されている。更に、カバー5における収容部8の上端部には、上方に突出するとともに同カバー5と同方向に延びる上側フランジ部9が形成されている。一方、カバー5における収容部8の下端部には、下方に突出するとともに同カバー5と同方向に延びる下側フランジ部10が形成されている。
カバー5の下側フランジ部10には、下方側及び車両の後方側に向けてへこむガイド部11が、同カバー5の延びる方向に間隔をおいて複数設けられている。これらガイド部11は下側フランジ部10と一体に形成されており、ガイド部11の内部は収容部8の内部と繋がっている。そして、ガイド部11は、収容部8の内部に収容されたワイヤハーネス3(図2)から分岐する枝部3aを収容するとともに、その枝部3aを車両の前方側に向けて延びるよう案内することが可能となっている。
図3に示すように、カバー5における上側フランジ部9の前面及び下側フランジ部10の前面には、同カバー5をラジエータコアサポート1(図1)に対し取り付けるための係合突起12が形成されている。そして、カバー5がラジエータコアサポート1と分離した状態のもと、同カバー5における収容部8の内部に、図1に二点鎖線で示すように車両の幅方向(図1の紙面と直交する方向)に延びるワイヤハーネス3を収容する。更に、ワイヤハーネス3から分岐する枝部3aをカバー5におけるガイド部11の内部に収容することにより、その枝部3aが車両の前方に向けて延びるようにする。
ワイヤハーネス3及びその枝部3aはそれぞれ、上述したようにカバー5の収容部8及びガイド部11の内部に収容される。その後、収容部8内に収容されたワイヤハーネス3がラジエータコアサポート1の壁部4に沿って延びた状態となるよう、上記カバー5をラジエータコアサポート1に対し位置合わせする。更に、上記カバー5をラジエータコアサポート1に対し車両の前方側(図1の左側)に向けて押しつけることにより、カバー5の係合突起12がラジエータコアサポート1の孔(図示せず)に挿通される。
このときには、係合突起12が孔から抜け出さないようラジエータコアサポート1に対し係合された状態となり、カバー5が収容部8内に収容されたワイヤハーネス3を壁部4との間に挟んだ状態でラジエータコアサポート1に対し取り付けられる。これにより、カバー5における収容部8内のワイヤハーネス3も、ラジエータコアサポート1に対し取り付けられることとなる。
次に、本実施形態のワイヤハーネス3の配索構造の作用効果について説明する。
(1)ラジエータコアサポート1には、車両の幅方向に延びるように壁部4が形成されており、その壁部4との間に車両の幅方向に延びるワイヤハーネス3を挟んだ状態で、同じく車両の幅方向に延びるカバー5が取り付けられている。これにより、ワイヤハーネス3がラジエータコアサポート1に対し取り付けられており、ワイヤハーネス3が車両の幅方向においてカバー5の長さに対応する分、そのカバー5と壁部4との間に挟まれた状態となる。このため、ワイヤハーネス3におけるカバー5に対応する部分において、同カバー5と壁部4との間でのワイヤハーネス3の挟み込みがないことに伴って、ワイヤハーネス3の保持の緩みが生じることは抑制される。従って、ワイヤハーネス3における上記保持の緩みにより、ラジエータコアサポート1に対するワイヤハーネス3の取り付けが不安定になることを抑制できる。
(2)カバー5の収容部8内に収容されたワイヤハーネス3からは枝部3aが分岐しており、その枝部3aはカバー5のガイド部11によって車両の前方側に延びるように案内される。このため、ラジエータコアサポート1よりも車両の前後方向の前方側に電気部品が設けられている場合に、その電機部品に対しワイヤハーネス3の上記枝部3aを接続することができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・カバー5は、蓋体7(図1)と一体に形成されていてもよい。この場合、ラジエータコアサポート1における凹部6の開口を蓋体7によって閉塞しつつ、同蓋体7と一体のカバー5によってワイヤハーネス3を壁部4との間に挟み込むよう、蓋体7及びカバー5をラジエータコアサポート1に対し取り付けることができる。
・図4に示すように、カバー5の収容部8の内側であって上側フランジ部9に対応する部分、及び、下側フランジ部10に対応する部分にそれぞれ爪部13,14を形成してもよい。これら爪部13,14は、収容部8内のワイヤハーネス3における同収容部8の開口からの抜け出しを規制するためのものである。なお、これら爪部13、14については、収容部8が開口する部分であってカバー5が延びる方向(図4の紙面と直交する方向)に間隔をおいて複数形成することが考えられる。
この場合、ラジエータコアサポート1に対しカバー5を取り付ける際に、同カバー5における収容部8の内部にワイヤハーネス3を収容したとき、そのワイヤハーネス3が収容部8から抜け出すことを爪部13,14によって抑制することができる。従って、上記カバー5をラジエータコアサポート1に対し取り付けるとき、同カバー5とラジエータコアサポート1の壁部4との間に上記ワイヤハーネス3を挟んだ状態とすることを、容易に行うことができるようになる。
・カバー5において、必ずしもガイド部11を形成する必要はない。
・カバー5及びワイヤハーネス3は、必ずしもラジエータコアサポート1における車両の後方側に位置している必要はない。
1…ラジエータコアサポート、2…ラジエータ、3…ワイヤハーネス、3a…枝部、4…壁部、5…カバー、6…凹部、7…蓋体、8…収容部、9…上側フランジ部、10…下側フランジ部、11…ガイド部、12…係合突起、13…爪部、14…爪部。

Claims (2)

  1. 車両に搭載されるラジエータコアサポートに沿って同車両の幅方向に延びるワイヤハーネスを前記ラジエータコアサポートに対し取り付けるワイヤハーネスの配索構造において、
    前記ラジエータコアサポートにおける車両の前後方向の後側に位置し、車両の幅方向に延びるよう前記ラジエータコアサポートに形成されている壁部と、
    前記壁部に対して車両の前後方向の後方側に位置し、車両の幅方向に延びており、且つ、車両の前後方向において前記壁部との間に前記ワイヤハーネスを挟んだ状態で収容する収容部、及び前記収容部から下方側に延び、前記ワイヤハーネスから分岐する枝部を、前記壁部の下方を通って車両の前方側に延びるよう案内するガイド部を備え、前記ラジエータコアサポートに取り付けられることにより、同ワイヤハーネスを前記ラジエータコアサポートに対し取り付けるカバーと、
    を備えることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
  2. 前記ラジエータコアサポートには、前記壁部の上方側に位置し、車両の幅方向に延びるとともに車両の後方側に向けて開口する凹部が形成されており、且つ、その凹部の開口を閉塞する蓋体が設けられており、
    前記カバーは、前記蓋体と一体に形成されている請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造。
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