JP5264252B2 - 車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造に関し、特に、配索作業性を向上させると同時に、車両シート下部のサイドフレームとの噛み込み等によってワイヤハーネスが損傷することを防止して、ワイヤハーネスの耐久性を向上させるための改良に関する。
車両シートには、搭乗者の姿勢に合わせてシートクッションを前後方向及び上下方向に位置調整したり、シートバックをリクライニング動作させたりする電動シート装置や、エアバックを搭乗者とサイドドアとの間に展開させるエアバックユニット装置が設けられているものがあり、このような装置が搭載される車両シートにおいては、電動部品への給電のために、ワイヤハーネスが配索される。
図4はワイヤハーネスが配索される車両シート101の従来例を示したものであり、図5は図4に示した車両シート101の下部のサイドフレーム103からシート内部に導入されるワイヤハーネス105の配索構造の拡大図である。
ワイヤハーネス105は、図5に示すように、シート外部からシート下部のサイドフレーム103に貫通形成されたハーネス挿通孔104を挿通させてシート内部に導入され、サイドフレーム103の上に車両前後方向に移動可能に装着されるシートクッション107や、シートバック109に組み込まれている電動部品まで配索される。
この種のワイヤハーネスの配索構造は、下記特許文献1にも開示されている。
特開2002−264710号公報
ところが、図5に示したように、サイドフレーム103に貫通形成されたハーネス挿通孔104から車両シート101内にワイヤハーネス105を導入する従来の配索構造では、ワイヤハーネスをハーネス挿通孔104に挿通する作業に手間がかかり、配索作業性が悪いという問題が生じていた。
また、車両シート101のシートクッション107は、着座位置の調整のために、車両の前後方向にスライド可能に構成されているものが多く、シートクッション107をスライドさせた時に、シートクッション107に固定されているワイヤハーネスが引っ張られたり、あるいは振られたりして、ハーネス挿通孔104の縁に擦れたり、あるいはサイドフレーム103とシートクッション107との間に噛み込まれたりして、ハーネスを破損するおそれがあった。
また、従来の車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造では、ワイヤハーネス105は結束した束状態のままハーネス挿通孔104に挿通させている。このように結束した状態のワイヤハーネス105は、太い束になると曲げ難く、シートクッション107をスライド移動させる際に、ワイヤハーネスを曲げるために大きな操作力が必要になったり、あるいは、ワイヤハーネスを無理に曲げるために、ワイヤハーネスが痛みやすいという問題が生じた。
本発明の目的は上記課題を解消することに係り、ワイヤハーネスを車両シート下部のサイドフレームからシート内部に導入する際の配索作業性を向上させることができ、また、前記サイドフレームとの噛み込み等によってワイヤハーネスが損傷することを防止して、ワイヤハーネスの耐久性を向上させることのできる車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) サイドフレームと、該サイドフレームの上に装着されるクッションパンと、を有する車両シートと、
前記サイドフレームから前記車両シート内に導入されて前記車両シート内部の各部に配索されるワイヤハーネスと、
を備えた、車両におけるワイヤハーネス配索構造であって、
前記ワイヤハーネスは、前記サイドフレームの上縁を跨いで、前記車両シート外部から前記車両シート内部に導入され、
前記サイドフレームの前記ワイヤハーネスが跨ぐ部位には、前記ワイヤハーネスが直接前記サイドフレームに接触することを防止する保護プロテクタが装備され、
前記保護プロテクタには前記サイドフレームに係合するフレーム係合部と、前記クッションパンに係合するパン係合部とが設けられ、前記保護プロテクタを介して前記サイドフレームと前記クッションパンとが連結状態にされていることを特徴とする車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造。
上記(1)の構成によれば、ワイヤハーネスをシート外部から車両シート内に導入する際、又は車両シート内からワイヤハーネスをシート外部に引き出す際には、ワイヤハーネスを車両シート下部のサイドフレームの上縁を跨がせるため、サイドフレームに形成されたハーネス挿通孔にワイヤハーネスを挿通しなければならなかった従来と比較すると、ワイヤハーネスの導出入が容易になり、配索作業性を向上させることができる。
また、サイドフレーム上のワイヤハーネスが跨ぐ部位には、ワイヤハーネスが直接サイドフレームに接触することを防止する保護プロテクタが装備されているため、サイドフレームとの噛み込み等によってワイヤハーネスが損傷することを防止して、ワイヤハーネスの耐久性を向上させることができる。
更に、上記構成によれば、保護プロテクタは、サイドフレームの上に装着されるクッションパン又はサイドフレームの少なくとも一方に係合しているため、保護プロテクタが不用意に脱落することがなく、保護プロテクタによるワイヤハーネスの保持を安定させることができる。
また、前記(1)の構成によれば、ワイヤハーネスを保護する保護プロテクタが、サイドフレームとクッションパンとを連結する連結手段を兼ねることになり、保護プロテクタをより有用に活用することができる。
本発明による車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造によれば、車両シートへのワイヤハーネスの導出入は、ワイヤハーネスを車両シート下部のサイドフレームの上縁を跨がせるだけでよく、ハーネス挿通孔への挿入等の手間のかかる作業が不要になるため、配索作業性を向上させることができる。
また、サイドフレーム上を跨ぐワイヤハーネスは、保護プロテクタによって、サイドフレームへの直接接触が防止されるため、サイドフレームとの噛み込み等によってワイヤハーネスが損傷することを防止して、ワイヤハーネスの耐久性を向上させることができる。
更に、保護プロテクタは、サイドフレームの上に装着されるクッションパン及びサイドフレームに係合しているため、保護プロテクタが不用意に脱落することがなく、保護プロテクタによるワイヤハーネスの保持を安定させることができる。
更に、ワイヤハーネスを保護する保護プロテクタが、サイドフレームとクッションパンとを連結する連結手段を兼ねることになり、保護プロテクタをより有用に活用することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造の一実施形態の分解斜視図、図2は図1に示した車両シート下部のサイドフレームからシート内部にワイヤハーネスを導入した状態を示す斜視図、図3は図1に示したワイヤハーネス配索構造において、車両シート下部のサイドフレーム上に装備した保護プロテクタによってサイドフレームとクッションパンとが連結されている状態を示す拡大断面図である。
この一実施形態の車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造は、ワイヤハーネス9が、車両シート下部のサイドフレーム11からシート内部に導入されて、シート内部の各部に配索される車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造である。
ワイヤハーネス9は、シート外部に引き出される供給側端部9aにコネクタ13が接続されている。このコネクタ13は、車室側の他のハーネスにコネクタ接続される。ワイヤハーネス9のシート内部側は、複数の枝ハーネス9b,9c,9dに分岐されていて、シート内の各電動部(電気機器)に接続される。
本実施形態の場合、ワイヤハーネス9のシート内部側となる部位は、サイドフレーム11の上縁を跨いで、シート外部からシート内部に導入される。
本実施形態の場合、サイドフレーム11のワイヤハーネス9が跨ぐ部位には、ワイヤハーネス9が直接サイドフレーム11に接触することを防止する保護プロテクタ15を装備している。
この保護プロテクタ15は、樹脂製で、サイドフレーム11の上縁に形成された角形の切り欠き部11aに嵌合装着される。本実施形態の場合、サイドフレーム11には、切り欠き部11aが2箇所形成されていて、図2に示すように、2つの保護プロテクタ15が装備される。
保護プロテクタ15は、切り欠き部11aの幅寸法W1に略等しい幅寸法W2で対向配置された一対の側壁部15a,15bと、これらの側壁部15a,15b間を連結すると共に、ワイヤハーネス9がサイドフレーム11に直接接触しないように切り欠き部11aの底部側を覆うハーネス載置部15cとを備えている。
更に、本実施形態の保護プロテクタ15は、図3に示すように、サイドフレーム11に係合する第1のフレーム係合部17と、クッションパン21に係合するパン係合部18とが設けられている。
第1のフレーム係合部17は、図3に示すように、サイドフレーム11の切り欠き部11aの底部の膨出部19を、該膨出部19の裏側に係合する鉤形のアーム部17aと、サイドフレーム11の表側に位置する押さえ片17bとで挾持するようにしたものである。押さえ片17bは、サイドフレーム11の表面に重なるハーネス載置部15cの端部である。
なお、本実施形態の保護プロテクタ15は、前述した一対の側壁部15a,15bが、切り欠き部11aに嵌合して、サイドフレーム11との係合を果たす第2のフレーム係合部として機能し、第1及び第2の二つのフレーム係合部によって、サイドフレーム11にしっかりと結合されるようになっている。
クッションパン21は、サイドフレーム11の上に装着されるシートクッション25の裏面に裏打ちされる金属製の支持プレートである。
保護プロテクタ15に装備されたパン係合部18は、図3に示すように、クッションパン21に貫通形成された係合孔21aに係合する鉤状の係止片で、係合孔21aとの係合により、クッションパン21との連結を果たす。
本実施形態の保護プロテクタ15は、上記のように、第1のフレーム係合部17及び第2のフレーム係合部としての一対の側壁部15a,15bがサイドフレーム11に係合することによりサイドフレーム11に固定され、また、パン係合部18がクッションパン21の係合孔21aに係合することによりクッションパン21に固定される。これにより、保護プロテクタ15を介して、サイドフレーム11とクッションパン21とが、連結状態になる。
以上に説明した本実施形態のワイヤハーネス配索構造では、ワイヤハーネス9をシート外部から車両シート内に導入する際、又は車両シート内からワイヤハーネス9をシート外部に引き出す際には、ワイヤハーネス9を車両シート下部のサイドフレーム11の上縁を跨がせるため、サイドフレーム11に形成されたハーネス挿通孔にワイヤハーネスを挿通しなければならなかった従来と比較すると、ワイヤハーネス9の導出入が容易になり、配索作業性を向上させることができる。
また、サイドフレーム11上のワイヤハーネス9が跨ぐ部位には、ワイヤハーネス9が直接サイドフレーム11に接触することを防止する保護プロテクタ15が装備されているため、サイドフレーム11との噛み込み等によってワイヤハーネス9が損傷することを防止して、ワイヤハーネス9の耐久性を向上させることができる。
更に、上記構成によれば、保護プロテクタ15は、サイドフレーム11の上に装着されるクッションパン21及びサイドフレーム11に係合しているため、保護プロテクタ15が不用意に脱落することがなく、保護プロテクタ15によるワイヤハーネス9の保持を安定させることができる。
更に、本実施形態の場合、保護プロテクタ15にはサイドフレーム11に係合するフレーム係合部17と、クッションパン21に係合するパン係合部18とが設けられ、保護プロテクタ15を介してサイドフレーム11とクッションパン21とを連結状態にしている。
即ち、ワイヤハーネス9を保護する保護プロテクタ15が、サイドフレーム11とクッションパン21とを連結する連結手段を兼ねることになり、保護プロテクタ15をより有用に活用することができる。
なお、上記実施形態では、保護プロテクタ15に、サイドフレーム11に係合するフレーム係合部17と、クッションパン21に係合するパン係合部18との双方を設けた。
しかし、例えば保護プロテクタ15が不用意に脱落することを防止する目的だけであれば、フレーム係合部17およびパン係合部18のいずれか一方のみを装備し、クッションパン21またはサイドフレーム11のいずれか一方にのみ係合させる構成としても良い。
即ち、保護プロテクタ15は、クッションパン21またはサイドフレーム11の少なくとも一方に係合させる構成としておけば良い。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造の一実施形態の分解斜視図である。 図1に示した車両シート下部のサイドフレームからシート内部にワイヤハーネスを導入した状態を示す斜視図である。 図1に示したワイヤハーネス配索構造において、車両シート下部のサイドフレーム上に装備した保護プロテクタによってサイドフレームとクッションパンとが連結されている状態を示す拡大断面図である。 従来の車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造の説明図である。 図4に示した車両シートの外部から内部にワイヤハーネスを導入するサイドフレームの周辺の配索構造の拡大図である。
符号の説明
9 ワイヤハーネス
11 サイドフレーム
11a 切り欠き部
15 保護プロテクタ
15a,15b 側壁部(第2のフレーム係合部)
15c ハーネス載置部
17 第1のフレーム係合部
18 パン係合部
21 クッションパン
25 シートクッション

Claims (1)

  1. サイドフレームと、該サイドフレームの上に装着されるクッションパンと、を有する車両シートと、
    前記サイドフレームから前記車両シート内に導入されて前記車両シート内部の各部に配索されるワイヤハーネスと、
    を備えた、車両におけるワイヤハーネス配索構造であって、
    前記ワイヤハーネスは、前記サイドフレームの上縁を跨いで、前記車両シート外部から前記車両シート内部に導入され、
    前記サイドフレームの前記ワイヤハーネスが跨ぐ部位には、前記ワイヤハーネスが直接前記サイドフレームに接触することを防止する保護プロテクタが装備され、
    前記保護プロテクタには前記サイドフレームに係合するフレーム係合部と、前記クッションパンに係合するパン係合部とが設けられ、前記保護プロテクタを介して前記サイドフレームと前記クッションパンとが連結状態にされていることを特徴とする車両シートにおけるワイヤハーネス配索構造。
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