JP7100915B1 - ファンコイルユニットの制御方法及び伝熱量算出方法 - Google Patents

ファンコイルユニットの制御方法及び伝熱量算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ファンコイルユニットの制御方法であって、ペリメーターゾーンの熱負荷を考慮して冷水又は温水を効率的に使用することができかつ簡易な方法を提供する。【解決手段】ペリメーターゾーンに設置されたファンコイルユニットの制御方法であって、設置場所の方位を基に複数のファンコイルユニットをグループ分けし、各グループ毎に所定の吸込空気設定温度(T3)を予め決定する第1のステップと、前記複数のファンコイルユニットの稼動時に、各グループ毎に予め決定された前記吸込空気設定温度(T3)に従って各ファンコイルユニットへの冷水又は温水の供給と停止を制御する第2のステップとを有し、前記第1のステップが、ペリメーターゾーンの方位毎の熱負荷(HL)を算出する第3のステップと、算出された熱負荷(HL)に応じて、前記各グループ毎に前記吸込空気設定温度(T3)を決定する第4のステップとを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ペリメーターゾーンに設置されたファンコイルユニットの制御方法及び伝熱量算出方法に関する。
中規模ないしは大規模の建物の空調設備であるセントラル空調方式では、エアハンドリングユニットやファンコイルユニットなどが用いられる。広いフロアは、一般的に、外気の影響を受けやすい窓側のペリメーターゾーンと、外気の影響をほとんど受けないインテリアゾーンに分けられる。ファンコイルユニットは、エアハンドリングユニットのみでは温度制御できないペリメーターゾーンに設置される。ファンコイルユニットは、室内の空気を吸い込み、熱交換コイルの冷水又は温水と熱交換して吹き出すことでペリメーターゾーンの温度調節を行う。
一般的なファンコイルユニットの制御方法は、冷房と暖房の各期間の全体に亘って一定の室内設定温度(設計仕様値)となるように、冷水又は温水の供給と停止を制御する方法である。このような制御方法は、ペリメーターゾーンの熱負荷を全く考慮していないため冷水や温水が無駄に使用される期間が多くなる。
特許文献1に記載のファンコイルユニットの運転制御方法では、室内設定温度と、室内温度センサで測定された実温度との差信号から求めた熱負荷に基づいて冷温水ポンプ等の運転をインバータ制御している。
特開2004-309032号公報
特許文献1のファンコイルユニットの運転制御方法では、リアルタイムのインバータ制御を行うため、高度な制御プログラムを備えた制御装置が必要であることに加え、既存のファンコイルユニットの制御装置にそのまま適用することはできない。
以上の現状に鑑み、本発明は、ファンコイルユニットの制御方法であって、ペリメーターゾーンの熱負荷を考慮して冷水又は温水を効率的に使用することができかつ簡易な方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく本発明は、以下の構成を提供する。括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付している。
- 本発明の態様は、ペリメーターゾーンに設置され、各々が冷水又は温水を供給される熱交換コイル(11)を備え、室内空気を吸い込みその吸込空気を前記熱交換コイル(11)で前記冷水又は温水と熱交換させた後に室内に吹き出すように構成された複数のファンコイルユニットの制御方法であって、
設置場所の方位を基に複数のファンコイルユニットをグループ分けし、各グループに対し所定の吸込空気設定温度(T3)をそれぞれ前記複数のファンコイルユニットの稼動前に予め決定する第1のステップと、
前記複数のファンコイルユニットの稼動時に、各グループ毎に吸込空気温度(t3)を検知し、前記吸込空気温度(t3)が、各グループに予め決定された前記吸込空気設定温度(T3)に一致するように各ファンコイルユニットへの前記冷水又は温水の供給と停止を制御する第2のステップとを有し、
前記第1のステップが、
ペリメーターゾーンの方位毎の熱負荷(H)を算出する第3のステップと、
算出された前記熱負荷(H)に応じて前記各グループの前記吸込空気設定温度(T3)を決定する第4のステップとを含み、かつ、
前記第4のステップが、
前記熱負荷(H )による室内温度変化(ΔT )を算出するステップと、
冷房時はファンコイルユニットの吹出空気温度(t4)の目安値から前記室内温度変化(ΔT )だけ高い温度を、暖房時はファンコイルユニットの吹出空気温度(t4)の目安値よりも前記室内温度変化(ΔT )だけ低い温度を、前記吸込空気設定温度(T3)として決定するステップとを含む
- 好ましくは前記制御方法において、前記第1のステップが、冷房と暖房の各々の期間について、前記吸込空気設定温度(T3)を決定することを含む。
- 好ましくは前記制御方法において、前記第1のステップが、1日のうちの各時間帯の前記吸込空気設定温度(T3)を決定することを含み、かつ、
前記第2のステップが、ファンコイルユニットを稼動させる前に、予め決定された各時間帯の前記吸込空気設定温度(T3)に設定した後、ファンコイルユニットを稼動させることを含む。
- 好ましくは前記制御方法において、前記第1のステップが、天候の異なる日の各々の前記吸込空気設定温度(T3)を決定することを含み、かつ、
前記第2のステップが、ファンコイルユニットを稼動させる前に、当日の天候に応じて予め決定された前記吸込空気設定温度(T3)に設定した後、ファンコイルユニットを稼動させることを含む。
好ましくは前記制御方法において、前記第1のステップが、ファンコイルユニットに供給する冷水又は温水の設定温度(T1)を決定することを含む。
- 本発明の別の態様は、前記制御方法を適用されるファンコイルユニットにおける、熱交換コイルを流れる水から空気への伝熱量(H)の算出方法であって、
伝熱量の設計仕様値(H)、冷水又は温水の水量(L)、水の比熱(ρw)を用いてファンコイルユニットの入口と出口の水の温度変化である第1の温度差(Δtw)を算出するステップと、
水の設定温度と吸込空気設定温度の設計仕様値(T1, T3)を用いて、それらの差である第2の温度差(ΔTi)を算出するステップと、
前記第1の温度差(Δtw)と前記第2の温度差(ΔTi)の比である第1係数(γw)を算出するステップと、
水の設定温度及び吸込空気設定温度のいずれか又は双方を、設計仕様値以外の値(T1,T3)に変更したとき、以下の式から伝熱量(H)を求めるステップとを有する伝熱量算出方法。
伝熱量(H)=水量(L)×水の比熱(ρw)×第1係数(γw)×変更後の第2の温度差(ΔTi)。
- 本発明のさらに別の態様は、前記制御方法を適用されるファンコイルユニットにおける、熱交換コイルを流れる水から空気への伝熱量(H)の算出方法であって、
伝熱量の設計仕様値(H)、空気量(Q)、空気の比熱(ρa)を用いてファンコイルユニットの入口と出口の空気の温度変化である第1の温度差(Δta)を算出するステップと、
水の設定温度と吸込空気設定温度の設計仕様値(T1, T3)を用いて、それらの差である第2の温度差(ΔTi)を算出するステップと、
前記第1の温度差(Δta)と前記第2の温度差(ΔTi)の比である第2係数(γa)を算出するステップと、
水の設定温度及び吸込空気設定温度のいずれか又は双方を、設計仕様値以外の値(T1,T3)に変更したとき、以下の式から伝熱量(H)を求めるステップとを有する伝熱量算出方法。
伝熱量(H)=空気量(Q)×空気の比熱(ρa)×第2係数(γa)×変更後の第2の温度差(ΔTi)。
本発明によれば、ペリメーターゾーンの各方位の熱負荷を考慮してファンコイルユニットの吸込空気設定温度を予め決定することによって、ファンコイルユニットに供給される冷水又は温水の熱消費エネルギーを削減することができる。本発明の制御方法は、吸込空気設定温度を設計仕様値から適切に変更して設定する簡易な方法であるので、既存のファンコイルユニットの制御システムにも容易に適用できる。
図1は、FCUを含む空調システムの全体構成の一例を概略的に示す図である。 図2は、FCUの一例を概略的に示す断面図である。 図3(a)は冷房時における冷水による、(b)は暖房時における温水による、吸込空気温度t3の制御を模式的に示した図である。 図4は、冷房時のFCUにおける冷水と空気の熱交換による各々の温度変化を示したグラフである。 図5は、暖房時のFCUにおける温水と空気の熱交換による各々の温度変化を示したグラフである。 図6は、冷房時のFCUにおける冷水から空気への伝熱量Hの算出方法の手順を示したフロー図である。 図7は、冷房時において、図6に示したフローにより算出される伝熱量の削減率ΔHの増減を示すグラフである。 図8は、暖房時における図7と同様のグラフである。 図9は、方位毎の各FCUグループに対する吸込空気設定温度T3の設定方法の一例を概略的に示すフロー図である。 図10は、南東の方位における冷房時の吸込空気設定温度T3の一例を示すグラフである。 図11は、北西の方位における冷房時の吸込空気設定温度T3の一例を示すグラフである。 図12は、南東の方位における暖房時の吸込空気設定温度T3の一例を示すグラフである。 図13は、北西の方位における暖房時の吸込空気設定温度T3の一例を示すグラフである。 図14は、FCUの稼動フローの一例を概略的に示している。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(1)空調システムの全体構成
図1は、ファンコイルユニット(以下、「FCU」と略称する場合がある)を含むセントラル空調システムの全体構成の一例を概略的に示す図である。図1に平面図で示す建物の一フロアは略四角形であり、インテリアゾーンとそれを取り囲むペリメーターゾーンがある。ペリメーターゾーンは外気の影響を受けやすい。図示の例では、複数のFCU10が、ペリメーターゾーンの窓際に沿って所定の間隔で設置されている。エアハンドリングユニット(AHU)20は、取り入れた外気を冷水又は温水との熱交換で温度調節し、給気として各フロアに供給する。FCU10は、AHU20のみでは温度制御ができないペリメーターゾーンにおいて温度制御を行う。FCU10は、室内空気を吸い込み、冷水又は温水と熱交換させた後、室内に吹き出す。FCU10は室内空気を循環させるのみである。本明細書で単に「水」というときは、冷水と温水の双方を意味する。
本発明では、ペリメーターゾーンに設置された複数のFCU10を複数のグループに分けている。各グループに含まれる1又は複数のFCUは、ペリメーターゾーン内でほぼ同程度の外気の影響を受ける場所に位置する。好ましくは、各FCU10の設置場所に隣接する窓又は壁の向く方位を基に、全てのFCU10がグループ分けされる。この例では、方位1~4の4つのFCUグループがある。例えば、東西南北の4方位である。方位の分け方、グループの数及びグループ内に含まれるFCUの数は、ペリメーターゾーンの状況に応じて適宜決定できる。例えば、方位を南と北の2方位に分けてもよく、別の例では8方位に分けてよい。また、例えば一方位に設置された複数のFCU10を幾つかのグループに分けてもよい。制御装置40は、グループ内のFCU10をまとめて制御する。よって、一グループ内の各FCU10は、同じ設定値を基に同じように制御される。
図1では、ペリメーターゾーン内の方位3に設置された6つのFCU10についてのみ、冷水、温水、及び空気の流れ、並びに制御の流れを簡略的に示している。他の方位のグループについては図示していないが同様である。
熱源装置30は、冷水源31と温水源32とを有する。FCU10は、熱源装置30からの往水として冷水又は温水を供給される。冷水又は温水は、FCU10内で空気と熱交換した後、還水として熱源装置30へ戻る。制御装置40は、往水温度t1を設定温度T1に維持するように熱源装置30を制御する。還水温度t2は、FCU10で熱交換した後の温度である。熱源装置30とFCU10との間には符号33、34で示す適宜のポンプやバルブが設けられている。制御装置40は、これらのポンプやバルブを制御することにより、FCU10への冷水又は温水の供給と停止を制御する。
各グループ毎に、そのグループに含まれるFCU10の吸込空気温度t3を検知するための温度センサ17が設けられている。吸込空気温度t3の検知データは、制御装置40に送られる。制御装置40は、吸込空気温度t3を、予め設定された吸込空気設定温度T3と比較し、両者が一致するように冷水又は温水の供給と停止を制御する。吸込空気は、FCU10内で熱交換した後、温度t4の吹出空気としてFCU10から出る。
図2は、ファンコイルユニット10の一例を概略的に示す断面図である。図示のFCU10は床置き型であるが、天井埋込型のものもある。FCU10は、ファン16を稼動させることによって、下部の空気入口14から空気を吸い込み、熱交換コイル11に空気を通過させた後、空気を上方から吹き出す。熱交換コイル11の入口から往水が入り、出口から還水が出る。空気入口14には、温度センサ17が設けられている。このようなFCUの構成は公知である。
図3(a)は冷房時の、(b)は暖房時の、ファンコイルユニットの吸込空気温度t3の制御を模式的に示したグラフである。図3(a)に示すように、冷水温度t1は一定の冷水設定温度T1(例えば7℃)に制御されている。制御装置は、温度センサにより検知された吸込空気温度t3を吸込空気設定温度T3(例えば26℃)とするために冷水の供給と停止を間欠的に切り替える。同様に、図3(b)に示すように温水温度t1は一定の温水設定温度T1(例えば50℃)に制御されている。制御装置は、温度センサにより検知された吸込空気温度t3を吸込空気設定温度T3(例えば22℃)とするために温水の供給と停止を間欠的に切り替える。いずれにしても時間平均すると、吸込空気温度t3は、一定の吸込空気設定温度T3となるように制御される。
FCUの稼動制御においては、冷房及び暖房のそれぞれについて、複数のパラメータの設計仕様値が決められている。一般的に、冷房又は暖房を行う期間全体に亘って一定の設計仕様値に従ってFCUの稼動制御が行われている。水の設定温度T1及び吸込空気設定温度T3もパラメータの一つである。例えば、冷房の設計仕様値では、冷水設定温度T1が7℃、吸込空気設定温度T3が26℃であり、暖房の設計仕様値では、温水設定温度T1が50℃、吸込空気設定温度T3が22℃である。現状では、数ヶ月に亘る冷房期間又は暖房期間の途中でこれらの設計仕様値が変更されることはない。
特にペリメーターゾーンでは外気による熱負荷の影響が大きいため、熱負荷の大小によって冷水又は温水の供給時間が変動し、その結果、FCUにおける水から空気への伝熱量すなわち水の熱消費エネルギーが大きく変化する。発明者らは、往水設定温度T1及び吸込空気設定温度T3を常に一定とした場合、特に軽熱負荷となる期間において水の無駄な熱消費が多くなることを見出した。本発明は、従来は設計仕様値に固定されていたこれらの設定温度T1、T3を適切に変更することによって水の熱消費エネルギーを大きく低減することを提案する。
(2)ファンコイルユニットにおける伝熱量の算出方法
水の設定温度T1及び吸込空気設定温度T3を設計仕様値以外の値に変更すると、FCUにおける水から空気への伝熱量がどのように変化するかを説明するために、先ず、FCUにおける冷水又は温水から空気への伝熱量Hの算出方法を説明する。
図4は、冷房時のFCUにおける冷水と空気の熱交換(向流型)による各々の温度変化を示したグラフである。FCUを入口から出口へと通過する間、冷水は温度が上昇し、空気は温度が低下する。図5は、暖房時における同様のグラフである。
図6は、冷房時のFCUにおける冷水から空気への伝熱量の算出方法の手順を示したフロー図である。暖房時の伝熱量の算出方法は、図6と実質的に同じであるので図示を省略する。(なお、以下の各式において、入口の冷水温度t1は、その設定温度T1と等しくなるように制御されているので、t1については常にT1を用いる。同様に、吸込空気温度t3は、その設定温度T3と等しくなるように制御されているのでt3については常にT3を用いる。)
(2-1)冷房時(夏季)
図4及び図6を参照して、冷房時のFCUの冷水から空気への伝熱量H(冷水の熱消費エネルギー)の算出フローを説明する。一例として、冷房時のFCUの各パラメータの設計仕様値として、以下の各値を用いる。設計仕様値の各パラメータには下付の「0」を付しているが、空気量Qと冷水量Lは、設計仕様値から変更しないので付していない。
・伝熱量(冷却)H:1300kcal/h
・空気量Q:500m/h
・冷水量L:360kg/h
・冷水設定温度T1:7℃
・吸込空気設定温度T3:26℃
・ステップ1:設計仕様値のときの入口と出口の冷水の温度変化である温度差Δtwと、入口と出口の空気の温度変化である温度差Δtaをそれぞれ算出する。
冷水の温度差Δtw(=t2-T1)を算出する一般式は以下の通りである。
Δtw=H/(L×ρw) [1]
(ρwは水の比熱)
[1]式より、設計仕様値のときの温度差Δtwの数値は以下の通りである。
Δtw=1300/(360×1)=3.6℃ [2]
空気の温度差Δta(=t4-T3)を算出する一般式は以下の通りである。
Δta=H/(Q×ρa) [3]
(ρaは空気の比熱)
[3]式より、設計仕様値のときの温度差Δtaの数値は以下の通りである。
Δta=1300/(500×0.288)=9.0℃ [4]
・ステップ2:ここで、水の設定温度T1と吸込空気設定温度T3の差を、「入口温度差ΔTi」として、以下のように定義する。
ΔTi=|T3-T1| [5]
(暖房時はΔTi=T1-T3であるので絶対値の符号を付している。)
[5]式より、設計仕様値のときの入口温度差ΔTiの数値は以下の通りである。
ΔTi=26-7=19℃ [6]
・ステップ3:冷水設定温度及び吸込空気設定温度を、設計仕様値T1、T3から別の任意の値T1、T3に変更したとき、それに伴って伝熱量Hも設計仕様値Hから変化する。また、冷水温度差Δtw、空気温度差Δtaも設計仕様値Δtw、Δtaから変化する。本発明では、任意の設定温度T1、T3のときの伝熱量H、冷水温度差Δtw、空気温度差Δtaの値を簡易に算出するために、第1係数γw及び第2係数γaという概念を導入する。第1係数γw及び第2係数γaは、各パラメータの設計仕様値を用いてそれぞれ算出できる。上記ステップ1及び2はそのための準備工程である。以下、係数γw、γaの算出方法を説明する。
前提として、冷水の伝熱量Hは、FCUの伝熱能力H及び空気の伝熱量Hと等しいとする。すなわち、冷水の冷却熱量は、FCUを介して全て空気へ伝達される。ここで、FCU内での冷水と空気の温度差は、FCUの入口で最大(T3-T1)、出口で最小(t4-t2)である。通常、FCU内を通過する間の水と空気の温度差の平均を表す場合、対数平均温度差Δtmが使用される。対数平均温度差Δtmは、以下のフーリエの公式により算出される。
Δtm=((T3-t2)-(t4-T1))/ln((T3-t2)/(t4-T1))
上記の設計仕様値、式[1][3]を用いて算出すると、
Δtm=((26-10.6)-(17-7)/ln((26-10.6)/(17-7))
=12.5となる。
フーリエの法則により、冷水設定温度T1と還冷水温度t2の冷水温度差Δtwは冷水の伝熱量Hに比例し(Δtw∝H)、かつ、FCUにおける対数平均温度差Δtmも伝熱能力Hに比例する(Δtm∝H)。上記前提により、冷水の伝熱量HとFCUの伝熱能力Hは等しいから、比Δtw/Δtmは一定である。
同様にフーリエの法則により、吸込空気設定温度T3と吹出空気温度t4の空気温度差Δtaは空気の伝熱量Hに比例し(Δta∝H)、かつ、FCUにおける対数平均温度差Δtmも伝熱能力Hに比例する(Δtm∝H)。上記前提により、空気の伝熱量HとFCUの伝熱能力Hは等しいから、比Δta/Δtmは一定である。
さらに、フーリエの法則により、入口温度差ΔTiは、冷水と空気の各々の伝熱量Hに比例し(ΔTi∝H)、かつ、FCUにおける対数平均温度差Δtmも伝熱能力Hに比例する(Δtm∝H)。上記前提により、冷水と空気の各々の伝熱量HとFCUの伝熱能力Hは等しいから、比ΔTi/Δtmは一定である。
以上をまとめると、Δtw/Δtm=A1 [7]
Δta/Δtm=A [8]
ΔTi/Δtm=A [9]
(A、A、Aは定数)
式[7][9]より、Δtmを消去すると、第1係数γwが得られる。
Δtw/ΔTi=A/A=γw [10]
式[8][9]より、Δtmを消去すると、第2係数γaが得られる。
Δta/ΔTi=A/A=γa [11]
式[10]は、冷水温度差Δtwと入口温度差ΔTiがそれぞれ変化しても、その比γwは常に一定であることを示している。同様に、式[11]は、空気温度差Δtaと入口温度差ΔTiが変化しても、その比γaは常に一定であることを示している。
上記の設計仕様値を用いて式[2]から得たΔtw及び式[6]から得たΔTiの値により、第1係数γwが以下のように算出される。
γw=Δtw/ΔTi=3.6/19=0.190 [12]
また、上記の設計仕様値を用いて式[4]から得たΔta及び式[6]から得たΔTiの値により、第2係数γaが以下のように算出される。
γa=Δta/ΔTi=9.0/19=0.475 [13]
・ステップ4:次に、冷水設定温度及び吸込空気設定温度を、設計仕様値T1、T3以外の値T1、T3に変更してみる。
・ステップ5:先ず、変更後の入口温度差ΔTiを算出する。例えば、T1=8℃、T3=25℃とすると、ΔTi=|T3-T1|=17℃である。
・ステップ6:2つの係数γw、γaは、各設定温度T1、T3をどのように変更しても常に一定である。ステップ5で算出したΔTiと、ステップ3で得た式[12][13]のγw、γaの値をそれぞれ用いると、変更後の冷水温度差Δtw及び空気温度差Δtaは以下のように算出される。
Δtw=γw×ΔTi=0.190×17=3.23℃ [14]
Δta=γa×ΔTi=0.475×17=8.08℃ [15]
さらに、変更後の伝熱量Hは、式[1]又は[3]を用いて算出できる。
H=L×ρw×Δtw=360×1×3.23=1163(kcal/h) [16]
H=Q×ρa×Δta=500×0.288×8.08=1163(kcal/h)
[17]
伝熱量Hは、第1係数γwと第2係数γaのどちらを用いても同じ値となる。
さらに、伝熱量の設計仕様値Hに対する変更後の伝熱量Hの削減率ΔHが、以下のように算出される。
ΔH(%)=((H-H)/H)×100(%) [18]
この例の場合、ΔH=-10.6%となる(本明細書では、削減を負の値で示す)。
このように、最初に設計仕様値から第1係数γwと第2係数γaを算出しておけば、設定温度T1、T3を設計仕様値以外の値に変更しても式[14][15]を用いて直ちに冷水温度差Δtw、空気温度差Δtaを算出することができ、さらに式[16][17]を用いて伝熱量Hを算出し、削減率ΔHを算出することができる。式[14]~[17]をまとめると、次のようになる。
H=L×ρw×γw×ΔTi [19]
H=Q×ρa×γa×ΔTi [20]
(2-2)暖房時(冬季)
暖房時のFCUにおける各パラメータの設計仕様値は、一例として以下の通りである。
・伝熱量(加熱)H:2400kcal/h
・空気量Q:500m/h
・温水量L:180kg/h
・温水設定温度T1:50℃
・吸込空気設定温度T3:22℃
図5は、暖房時のFCUにおける温水と空気の熱交換による各々の温度変化を示したグラフである。FCUを入口から出口へと通過する間、温水は温度が低下し、空気は温度が上昇する。
暖房時の設定温度の設計仕様値T1、T3を別の値T1、T3に変更したときの温水温度差Δtw、空気温度差Δta、伝熱量H、及び削減率ΔHの算出方法は、図6に示した冷房時と同じである。暖房時が冷房時と異なる点は、温水温度差Δtw、空気温度差Δta、入口温度差ΔTiが正の値となるように考慮する点のみである(ステップ2、5)。冷房時について述べた説明は、「冷水」を「温水」に置き換えることで、そのまま暖房時にも適用される。
図7は、図6のフローに従って算出された冷房時の伝熱量の削減率ΔHの増減を示すグラフである。横軸が吸込空気設定温度T3であり、縦軸が設計仕様値Hに対する伝熱量Hの削減率ΔHを示している。各直線は、冷水設定温度T1を一定としたときの削減率ΔHの変化を表している。グラフから判るように、冷水設定温度T1が一定のとき、吸込空気設定温度T3を設計仕様値に比べて低くするほど、伝熱量削減率ΔH(負の絶対値)は大きくなる。また、吸込空気設定温度T3が同じであるときは、冷水設定温度T1が高くなるほど、伝熱量削減率ΔHは大きくなる。このことは、冷水設定温度T1と吸込空気設定温度T3との差である入口温度差ΔTiが小さいほど、伝熱量削減率ΔHが大きいことを示している。すなわち、熱交換する水と空気の温度が近い程、水から空気へ伝わる伝熱量が小さくなり、水の熱消費エネルギーが小さくなる。
図8は、図7と同様のグラフであるが暖房時のものである。グラフから判るように、温水設定温度T1が一定のとき、吸込空気設定温度T3を設計仕様値に比べて高くするほど、伝熱量削減率ΔH(負の絶対値)は大きくなる。また、吸込空気設定温度T3が同じであるときは、温水設定温度T1が低くなるほど、伝熱量削減率ΔHは大きくなる。このことは、温水設定温度T1と吸込空気設定温度T3との差である入口温度差ΔTiが小さいほど、伝熱量削減率ΔHが大きいことを示している。冷房時と同様に、熱交換する水と空気の温度が近い程、水から空気へ伝わる伝熱量が小さくなり、水の熱消費エネルギーが小さくなる。
(3)ファンコイルユニットの吸込空気設定温度T3の決定方法
図7及び図8に示した知見によれば、FCUにおける水と空気の入口温度差ΔTiを小さくすることが、水の伝熱量Hの低減に寄与すると言える。この知見に基づいて、本発明は、FCUにおける水の設定温度T1と吸込空気設定温度T3を適切に決定することによって、冷房時又は暖房時の水の熱消費エネルギーを低減することを提案する。
冷房においては、設計仕様値に比べて冷水設定温度T1を上げる及び/又は吸込空気設定温度T3を下げることにより入口温度差ΔTiを小さくすることができる。一方、暖房においては、設計仕様値に比べて温水設定温度T1を下げる及び/又は吸込空気設定温度T3を上げることにより入口温度差ΔTiを小さくすることができる。
吸込空気設定温度T3に関しては、複数のFCUグループの各々に対し、それぞれ異なる吸込空気設定温度T3を適用することができる。一方、水の設定温度T1に関しては、1つの熱源機器から全てのFCUに水を供給するので、全てのFCUに対し同じ設定温度T1を適用することになる。
図9は、方位別に分けられた各FCUグループに対する吸込空気設定温度T3の決定方法の一例を概略的に示すフロー図である。本例では、水設定温度T1は一定としている。この決定フローは、実際のFCUの稼動前の準備工程として行われる。例えば、夏季又は冬季のFCUの稼動開始前に過去のデータや予測データなどを利用して行われる。
・ステップ11:晴天時及び曇天時の各々について、ペリメーターゾーンの各方位における1日のうちの各時間帯の熱負荷Hを算出する。熱負荷Hは、冷房時は窓ガラスからの熱浸入HL1、壁からの熱侵入HL2、及び室内からの負荷HL3の総和である。暖房時は、窓や壁からの熱浸入ではなく熱流出になる。通常、冷房時は熱侵入が大きいためHは正値、暖房時は熱流出が大きいためHは負値となる。このような熱負荷Hの算出方法は公知技術であり、標準的な「空調負荷計算表」も広く利用されている。
晴天時と曇天時の各々について熱負荷Hの算出を行うのは、天候が熱負荷Hに大きく影響するからである。晴天と曇天は天候の一例であり、2つより多い異なる天候について熱負荷を算出してもよい。しかしながら、簡易な方式では、天候毎の熱負荷Hを用いることに替えて、各天候の熱負荷Hの平均値を用いてもよい。
1日のうちの各時間帯について熱負荷Hの算出を行うのは、時間帯によって熱負荷Hが変化するからである。時間帯の長さは例えば1時間又は2時間などであり、各時間帯が同じ長さでなくともよい。しかしながら、簡易な方式では、時間帯毎の熱負荷Hを用いることに替えて、1日を通して同じ値を用いてもよく、その場合、各時間帯の熱負荷Hの平均値を用いることが好ましい。
また、冷房又は暖房の全期間を、例えば1か月、半月、又は一週間の期間に区切り、各期間毎に算出された熱負荷Hを用いてもよい。
・ステップ12:ステップ11で算出された熱負荷Hによる室内温度変化ΔTを算出する。これは、上記の式[3]に準じて算出できる。
ΔT=H/(Q×ρa) [21]
(Q:FCUの空気量(m/h)、ρa:空気比熱)
これにより、ペリメーターゾーンの各方位における各時間帯の熱負荷Hによる室内温度変Tが求められる。なお、冷房時はΔTは正値、暖房時はΔTは負値である。
・ステップ13:ここで、ステップ12で算出された室内温度変化ΔTを、FCUの吸込空気設定温度T3と吹出空気温度t4の差に等しいと見なす。
ΔT=t4-T3 [22]
吹出空気温度t4は、吸込空気がFCU内で熱交換した結果として得られる温度であるので、設定値でもなく確定できる値でもないが、ここでは設定温度T3を決定するための目安値として選択する。例えば、冷房の場合、設計仕様値を用いた上記の式[4]のΔtaが9.0℃であるから、吸込空気設定温度の設計仕様値T3の26℃から9.0℃を引くとt4として17℃が得られる。この時点では、これを吹出空気温度t4の目安値として選択する。目安値としてのt4は、後で変更することもできる。
・ステップ14:ステップ12で求めたΔTと、ステップ13で選択したt4から、吸込空気設定温度T3を算出する。
T3=t4+ΔT [23]
これにより、ペリメーターゾーンの各方位における各時間帯の吸込空気設定温度T3が得られる。なお、冷房時はΔTは正値、暖房時はΔTは負値である。
図10は、図9の決定フローに従って得られた冷房時の吸込空気設定温度T3の一例を示すグラフである。図10は、ペリメーターゾーンのFCUを4つの方位(南東、南西、北西、北東)にグループ分けした場合の南東グループについての時間帯毎の設定温度T3である。左側の縦軸がΔTであり、右側の縦軸が、吹出空気温度t4として17℃を選択したときの、上記の式[23]により算出した吸込空気設定温度T3である。
図7に示したように、冷房時は、吸込空気設定温度T3を設計仕様値(26℃)より低くすると、水の熱消費エネルギーを低減することができる(ここでは冷水設定温度T1は7℃で一定)。図10を見ると、晴天時の熱負荷の大きい時間帯を除いて、ほとんどの場合に熱消費エネルギーを削減できることが判る。
図11は、図10と同様の図であるが、北西のグループの時間帯毎の吸込空気設定温度T3を示している。この場合も、晴天の熱負荷の大きい時間帯を除いて、ほとんどの場合に熱消費エネルギーを削減できることが判る。
図10又は図11のグラフが得られたとき、熱消費エネルギーの削減が十分ではないと判断された場合は、図9のステップ13に戻り、目安値としての吹出空気温度t4を下げる(例えば16℃にする)と、熱消費エネルギーを削減する方向に吸込空気設定温度T3がシフトする。
図12は、図10と同様に南東グループの吸込空気設定温度T3を示しているが、暖房時の一例を示すグラフである。左側の縦軸がΔT(暖房時は負値)であり、右側の縦軸が、吹出空気温度t4の目安値として26℃を選択したときの、上記の式[23]により算出した吸込空気設定温度T3である。
図8に示したように、暖房時は、吸込空気設定温度T3を設計仕様値より高くすると水の熱消費エネルギーを低減することができる(ここでは温水設定温度T1は50℃で一定)。図12の例では、吸込空気設定温度T3は、設計仕様値との大きな差は無いが、少なくとも設計仕様値のときと比べて熱消費エネルギーを削減するように吸込空気設定温度T3を決定可能である。
図13は、図12と同様の図であるが、北西グループの時間帯毎の吸込空気設定温度T3を示している。図12、図13に示した暖房時の例では、吸込空気設定温度T3を設計仕様値から大きく変更する必要がないように見えるが、これは一例である。本発明の方法は暖房時においても適用可能であり、ペリメーターゾーンの条件によって、吸込空気設定温度T3を変更することが省エネルギーに大きく寄与する場合もあり得る。
以上に述べた、FCUのグループ毎に吸込空気設定温度T3を決定する方法は一例である。簡易な方式では、時間帯毎に設定せずに一日を通じて同じ値とすることもできる。その場合は、図10~図13に示した各時間帯の吸込空気設定温度T3の平均値が、1日の吸込空気設定温度T3として用いられることが好ましい。
また、吸込空気設定温度T3の決定に加えて、水の設定温度T1を設計仕様値よりも、冷房時には上げ、暖房時には下げることによっても、全てのFCUにおける水の熱消費エネルギーを削減できる。設定温度T3、T1の最終的な決定は、熱消費エネルギーの削減率と人間の体感とのバランスを勘案して行う。
(4)ファンコイルユニットの稼動フロー
図14は、一日を通して冷房又は暖房を行う際のFCUの稼動フローの一例を概略的に示している。吸込空気設定温度T3は、図9の決定フローに従って予め決定されており、水の設定温度T1についても予め決定されていると想定する。
・ステップ21:FCUを稼動させる当日の朝、天候が晴天であるか曇天であるか(あるいはどちらに近いか)を確認する。
・ステップ22:確認した天候に応じて、図1に示した制御装置において、各方位における各時間帯のFCUの吸込空気設定温度T3を、予め決定した設定温度に設定する。水の設定温度T1についても、設計仕様値とは異なる場合は変更する。その後、FCUの稼動を開始する。図3に示したように、各FCUへの冷水又は温水の供給と停止が、吸込空気設定温度T3を基に制御される。なお、吸込空気設定温度T3を時間帯毎に設定せずに、方位毎に一日を通じて同じ値とすることもできる。
・ステップ23:稼動終了後、当日の熱源機器や制御装置の稼働記録などにより、水の熱消費エネルギーの削減量を評価できる。吸込空気設定温度T3と水の設定温度T1の差の絶対値が、設計仕様値よりも小さく設定された方位及び/又は時間帯において、水(冷水又は温水)の伝熱量を削減できていることを確認する。
ここで図示し、説明した各実施形態は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、多様な変形形態が可能である。
10 FCU
11 熱交換コイル
12 往水入口
13 還水出口
14 空気入口
15 空気出口
16 ファン
17 温度センサ

Claims (7)

  1. ペリメーターゾーンに設置され、各々が冷水又は温水を供給される熱交換コイル(11)とファン(16)とを備え、室内空気を吸い込みその吸込空気を前記熱交換コイル(11)で前記冷水又は温水と熱交換させた後に室内に吹き出すように構成された複数のファンコイルユニットの制御方法であって、
    設置場所の方位を基に複数のファンコイルユニットをグループ分けし、各グループに対し所定の吸込空気設定温度(T3)をそれぞれ前記複数のファンコイルユニットの稼動前に予め決定する第1のステップと、
    前記複数のファンコイルユニットの稼動時に、各グループ毎に吸込空気温度(t3)を検知し、前記吸込空気温度(t3)が、各グループに予め決定された前記吸込空気設定温度(T3)に一致するように各ファンコイルユニットへの前記冷水又は温水の供給と停止を制御する第2のステップとを有し、
    前記第1のステップが、
    ペリメーターゾーンの方位毎の熱負荷(H)を算出する第3のステップと、
    算出された前記熱負荷(H)に応じて前記各グループの前記吸込空気設定温度(T3)を決定する第4のステップとを含み、かつ、
    前記第4のステップが、
    前記熱負荷(H )による室内温度変化(ΔT )を算出するステップと、
    冷房時はファンコイルユニットの吹出空気温度(t4)の目安値から前記室内温度変化(ΔT )だけ高い温度を、暖房時はファンコイルユニットの吹出空気温度(t4)の目安値よりも前記室内温度変化(ΔT )だけ低い温度を、前記吸込空気設定温度(T3)として決定するステップとを含む、ファンコイルユニットの制御方法。
  2. 前記第1のステップが、冷房と暖房の各々の期間について、前記吸込空気設定温度(T3)を決定することを含む、請求項1に記載のファンコイルユニットの制御方法。
  3. 前記第1のステップが、1日のうちの各時間帯の前記吸込空気設定温度(T3)を決定することを含み、かつ、
    前記第2のステップが、ファンコイルユニットを稼動させる前に、予め決定された各時間帯の前記吸込空気設定温度(T3)に設定した後、ファンコイルユニットを稼動させることを含む、請求項1又は2に記載のファンコイルユニットの制御方法。
  4. 前記第1のステップが、天候の異なる日の各々の前記吸込空気設定温度(T3)を決定することを含み、かつ、
    前記第2のステップが、ファンコイルユニットを稼動させる前に、当日の天候に応じて予め決定された前記吸込空気設定温度(T3)に設定した後、ファンコイルユニットを稼動させることを含む、請求項1~3のいずれかに記載のファンコイルユニットの制御方法。
  5. 前記第1のステップが、ファンコイルユニットに供給する冷水又は温水の設定温度(T1)を決定することを含む、請求項1~のいずれかに記載のファンコイルユニットの制御方法。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のファンコイルユニットの制御方法を適用されるファンコイルユニットにおける、熱交換コイルを流れる水から空気への伝熱量(H)の算出方法であって、
    伝熱量の設計仕様値(H)、冷水又は温水の水量(L)、水の比熱(ρw)を用いてファンコイルユニットの入口と出口の水の温度変化である第1の温度差(Δtw)を算出するステップと、
    水の設定温度と吸込空気設定温度の設計仕様値(T1, T3)を用いて、それらの差である第2の温度差(ΔTi)を算出するステップと、
    前記第1の温度差(Δtw)と前記第2の温度差(ΔTi)の比である第1係数(γw)を算出するステップと、
    水の設定温度及び吸込空気設定温度のいずれか又は双方を、設計仕様値以外の値(T1,T3)に変更したとき、以下の式から伝熱量(H)を求めるステップとを有する伝熱量算出方法。
    伝熱量(H)=水量(L)×水の比熱(ρw)×第1係数(γw)×変更後の第2の温度差(ΔTi)。
  7. 請求項1~5のいずれかに記載のファンコイルユニットの制御方法を適用されるファンコイルユニットにおける、熱交換コイルを流れる水から空気への伝熱量(H)の算出方法であって、
    伝熱量の設計仕様値(H)、空気量(Q)、空気の比熱(ρa)を用いてファンコイルユニットの入口と出口の空気の温度変化である第1の温度差(Δta)を算出するステップと、
    水の設定温度と吸込空気設定温度の設計仕様値(T1, T3)を用いて、それらの差である第2の温度差(ΔTi)を算出するステップと、
    前記第1の温度差(Δta)と前記第2の温度差(ΔTi)の比である第2係数(γa)を算出するステップと、
    水の設定温度及び吸込空気設定温度のいずれか又は双方を、設計仕様値以外の値(T1,T3)に変更したとき、以下の式から伝熱量(H)を求めるステップとを有する伝熱量算出方法。
    伝熱量(H)=空気量(Q)×空気の比熱(ρa)×第2係数(γa)×変更後の第2の温度差(ΔTi)。
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