JP7098361B2 - 吊り具およびこれを用いた構造体の組立方法 - Google Patents

吊り具およびこれを用いた構造体の組立方法 Download PDF

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Description

この発明は、吊り具およびこれを用いた構造体の組立方法に関する。
製鋼工場で転炉の鉄皮を部分的に交換する際には、新しい鉄皮を溶接で固定する作業が行われる。例えば、鋼製で大型の円筒状構造物(鉄皮炉口等の鉄皮構成部材)を、鉄皮胴部上に置いて溶接する。また、転炉の炉体一式を交換する際には、高さ方向に三分割したもの(炉上部、炉胴部、および炉下部)を別々に搬入し、現地で溶接する場合もある。
この溶接工程で熱歪み対策を施さない場合、鉄皮構造物の厚みが100mm程度であれば、鉄皮構造物の直径に対して約2~5%の熱歪みが生じる(直径が5mの構造物であれば、100~250mmの変形が生じる)。この変形量は鉄皮の板厚以上であるため、溶接が非常に困難となるとともに、鉄皮の曲げを修正する工程に非常に長い時間が必要となる。つまり、鋼製で大型の円筒状構造物を溶接する際には、熱歪み対策を行うことが施工精度上、非常に重要となる。
よって、従来は円筒型鋼構造物に熱変形防止用の拘束部材を溶接にて完全固定し、物理的に鋼構造物の変形防止を図ることが行われてきた。例えば、特許文献1には、構造物に拘束部材を取付け、偏った溶接入熱による変形を最小に抑えることが記載されている。
特許文献2には、溶接部の背面に溶接と同程度の熱量を加えることで、熱変形防止を図ることが記載されている。
また、大型円筒状鋼構造物の運搬作業において、おおよそ20t以上の重量物については、ワイヤー1本掛けではなく、2~4本掛けが一般的である。その場合は、吊荷の重心バランスを考慮した専用吊具を介して行う必要があり、これまでに種々の専用吊具が考案されてきた。例えば、特許文献3には、吊荷形状が不均等な場合、玉掛けワイヤーに均等な荷重がかかるようにバランス調節機構がついた吊具が記載されている。
特開2006-68752号公報 特開平4-162978号公報 特開平1-110495号公報
従来提案されている熱歪み対策治具や重量物専用吊具は、それぞれの目的のためのものであり、熱歪み対策治具は吊り具として使用できない。つまり、従来は、熱歪み対策治具と吊り具を現地にて別々に取付ける作業が必要となる。例えば、製鋼工場の転炉の鉄皮を部分的に交換する作業では、工場ライン停止時間の増大は甚大な経済的損失に繋がるため、ライン停止時間は極力短縮することが求められている。
このように、中空で鋼製の構造物を吊り具で吊り上げて、この構造物が溶接される溶接対象物の上方に配置する吊り上げ工程と、この構造物を溶接対象物の上に載せて溶接する溶接工程とを有する構造体の組立方法には、作業時間の短縮が求められている。
この発明の課題は、中空で鋼製の構造物に対する取付け取外しが簡単で、溶接時の熱歪み抑止機能を備えた吊り具を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の第一態様は、中空で鋼製の構造物を吊り上げて移動する吊り具であって、上記構造物の内部に配置される本体と、本体の外側に配置され、上記構造物の内面を押圧する押圧面を備えた複数の先端部品と、複数の先端部品と本体を着脱自在に締結する締結部品と、本体または先端部品に形成された吊り上げ部と、を有する吊り具を提供する。
この発明の第二態様は、第一態様の吊り具を用いた構造体の組立方法であって、以下に示す吊り具取付工程、吊り上げ工程、および溶接工程を有する。
吊り具取付工程は、第一態様の吊り具の複数の先端部品を、締結部品による本体に対する締結を解除した状態で、中空で鋼製の構造物の内部に配置して、複数の先端部品の押圧面を、この構造物の内面の複数箇所に向けた後、複数の先端部品を締結部品で本体に締結して、押圧面を構造物の内面に押し当てる工程である。
吊り上げ工程は、吊り具取付工程後の吊り具の吊り上げ部に吊り上げ機を連結して、吊り上げ機を稼動することにより、構造物と吊り具を一体に吊り上げて、この構造物が溶接される溶接対象物の上方に配置する工程である。
溶接工程は、吊り上げ工程後に、吊り具が一体化された状態の構造物を溶接対象物の上に載せて、構造物を溶接対象物に溶接する工程である。
この発明の第一態様の吊り具は、中空で鋼製の構造物に対する取付け取外しが簡単で、溶接時の熱歪み抑止機能を備えた吊り具である。
第二態様の方法は、中空で鋼製の構造物を吊り具で吊り上げて、この構造物が溶接される溶接対象物の上方に配置する吊り上げ工程と、この構造物を溶接対象物の上に載せて溶接する溶接工程とを有する構造体の組立方法であって、第一態様の吊り具を用いることで作業時間を短縮することができる。
実施形態の吊り具が鉄皮炉口に取り付けられた状態を示す平面図(a)と、(a)のA1-A1断面図(b)と、(a)のA2-A2断面図(c)である。 実施形態の吊り具を示す図であって、図1(a)のB-B断面図に対応する図である。 実施形態の吊り具を示す図であって、図1(a)のC-C断面の一部を示す図である。 実施形態の吊り具を示す正面図であって、先端部品および先端部品と本体との結合部を示す部分拡大図である。 図1(a)の部分拡大図である。 図4のD-D断面図である。 図4のE-E断面図である。 転炉に新しい鉄皮炉口を取り付ける方法を説明する図であって、鉄皮炉口が外された状態の転炉とその手前に設置された仮設の建物の架台に、レールが取り付けられた状態を示す平面図である。 転炉の手前に設置された仮設の建物のレール上に吊り具が配置された状態を示す図であって、図8の右側面図に対応する図である。 転炉に新しい鉄皮炉口を取り付ける方法の吊り具取付工程と吊り上げ工程を説明する図である。 転炉に新しい鉄皮炉口を取り付ける方法の溶接工程を説明する図であって、図10のG-G断面図に対応する図である。 転炉に新しい鉄皮炉口を取り付ける方法の溶接工程を説明する図であって、(a)(b)は鉄皮炉口が転炉上に配置された状態を、(c)(d)は鉄皮炉口がジャッキアップされた状態を、(e)(f)は溶接直前の状態を示し、(a)(c)(e)は図1(a)のK-K断面に対応する図であり、(b)(d)(f)は図3に対応する図である。 転炉に新しい鉄皮炉口を取り付ける方法の比較例で、鉄皮炉口に溶接時の熱歪み抑止のための拘束部材が取り付けられた状態を示す平面図(a)と、そのA-A断面図(b)である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。また、以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[吊り具の構成]
図1(a)~(c)に示すように、この実施形態の吊り具1は、本体2と、四つの先端部品3と、八枚の結合板4と、四つの吊り部品5を有する。
<本体2について>
本体2は、二対の主材21a,21bと四つの補強材22と二つの吊り部品23からなる。図1(a)および図2に示すように、二対の主材21a,21bは、H鋼からなり、正方形Sの四つの辺に沿って延び、各辺の中央部に配置される。主材21aは、図1(a)で正方形Sの左右方向に延びる第一辺に沿って配置され、主材21bは、これと直交する方向に延びる第二辺に沿って配置される。主材21aの長手方向寸法は主材21bの長手方向寸法よりも短い。
補強材22は、主材21a,21bをなすH鋼より幅が狭く高さが低いH鋼からなり、同じ正方形Sの対角線に対して垂直に延び、隣り合う辺に存在する主材21aと主材21bを結合する。
図3に示すように、補強材22をなすH鋼の長手方向両端には、上側フランジ222からウエブ221に達する切欠き部22aが形成されている。切欠き部21aに主材21a,21bの上側フランジ212を嵌め、補強材22の長手方向端面を主材21a,21bのウエブ211に接触させた状態で、溶接を行うことにより、補強材22が主材21a,21bに固定されている。
図1(a)に示すように、一つの主材21bだけが二つの吊り部品23を有し、各吊り部品23は、補強材22が固定されている位置よりも長手方向外側に配置されている。図2に示すように、吊り部品23は、主材21bのウエブ211と下側フランジ213に接触し、ウエブ211に溶接で固定されている。
<先端部品3について>
先端部品3は、図1(a)に示すように、第一結合部31と第二結合部32と第一先端部33と第二先端部34を有する。第一結合部31は本体2の主材21aに結合される部材であって、正方形Sの第一辺に沿って配置される。第二結合部32は本体2の主材21bに結合される部材であって、正方形Sの第二辺に沿って配置される。第一先端部33は第一辺の延長線上に配置され、第二先端部34は第二辺の延長線上に配置される。
図1(a)、図3、図4に示すように、第一結合部31および第二結合部32は、本体2の主材21a,21bをなすH鋼と同じ断面寸法で長さが短いH鋼からなる。第一先端部33および第二先端部34は、第一結合部31および第二結合部32と同じH鋼の長さ方向一端が、上側フランジ332,342から下側フランジ333,343に向けて斜めに切り落とされた形状を有する。図3~図5に示すように、ウエブ331,341の切断面が傾斜面33a,34aとなり、傾斜面33a,34aの分だけ、上側フランジ332,342の長さが下側フランジ333,343よりも短くなっている。
また、図3、図4および図5に示すように、先端部品3は、傾斜面(押圧面)35aを形成する台形板35を有し、第一先端部33および第二先端部34の傾斜面33a,34aは、台形板35の傾斜面35aと同じ角度である。台形板35は、第一先端部33および第二先端部34のウエブ331,341に対して、第一先端部33および第二先端部34の傾斜面33a,34aよりも台形板35の傾斜面35aが外側に配置されるように固定されている。
図3~図6に示すように、第一先端部33の上側フランジ332の上面に上側基準板36が、下側フランジ333の下面に下側基準板37がそれぞれ固定されている。第二先端部34にも、同様に上側基準板36および下側基準板37が固定されている。図3および図4に示すように、上側基準板36および下側基準板37の台形板35に対する溶接部36a,37bは、台形板35の傾斜面35aを含む直線Lからはみ出ないように形成されている。
また、図5に示すように、下側基準板37の先端面の平面形状は、基準円Csの円弧に対応する形状である。また、第一先端部33および第二先端部34の下側フランジ333,343の先端面の平面形状は、基準円Csより少し小さい同心円の円弧に対応する形状である。
第一結合部31、第二結合部32、第一先端部33、および第二先端部34の結合は、例えば以下の方法で行われている。図4に示すように、第二先端部34の長手方向端部の上側フランジ342に、ウエブ341を挟んだ切欠き部342a,342bを設ける。下側フランジ343に、ウエブ341を挟んだ切欠き部343a,343bを設ける。第二結合部32にも同様の切欠き部を設ける。
第二先端部34の切欠き部342a,342b,343a,343bを設けた側のウエブ342の端面と、第二結合部32の切欠き部を設けた側の端面とを突き合わせる。また、これにより生じた上下各一対の凹部に、第一結合部31と第一先端部33の上側フランジおよび下側フランジの長手方向端部をそれぞれ嵌め入れる。これらの突き合わせ部分と嵌め合う部分をそれぞれ溶接する。
図3および図4に示すように、第一結合部31の下側フランジ313には補強板315が固定され、補強板315の下にエンドレスコロ38が取りつけられている。補強板315には、エンドレスコロ38の位置決め用ブロック316が固定されている。第一結合部31のウエブ331のエンドレスコロ38の取り付け位置に補強板317が固定されている。
また、第一結合部31、第一先端部33、第二結合部32、および第二先端部34が結合されている部分の上側フランジの上に、吊り部品5の基板51が固定されている。
さらに、第二先端部34の下側フランジ343の第一結合部31側にブラケット391が固定され、ブラケット391にカムフォロア392が固定されている。
<本体2と先端部品3との締結状態>
図4および図7に示すように、吊り具1においては、本体2の二つの主材21aの両端に、各先端部品3の第一結合部31が、結合板4とボルト41およびナット42を用いて締結されている。主材21aのウエブ211と第一結合部31のウエブ311の対応する位置に、ボルト41用のボルト挿通穴が形成されている。なお、主材21aおよび第一結合部31の結合端部には、下側フランジ213,313の下面に補強板43が、上側フランジ212,312の下面に補強板44が、それぞれ固定されている。
具体的に、主材21aと第一結合部31の締結は、結合板4を、第一結合部31のウエブ311と主材21aのウエブ211に渡ってあてがい、四本のボルト41を、図7に示すように、結合板4の四つのボルト挿通穴から入れて各ウエブのボルト挿通穴を通し、先端の雄ねじ部にナット42を螺合することで行われる。
本体2の他の二つの主材21bの両端に対しては、各先端部品3の第二結合部32が上記と同じ方法で締結されている。
<吊り具1の用途>
この実施形態の吊り具1は、図1に示すように、転炉の鉄皮炉口(中空で鋼製の構造物)6を吊り上げて移動するための吊り具である。
鉄皮炉口6は、裁頭円錐状の筒体61と、筒体61の小径側の端部に形成された開口端フランジ62と、筒体61の軸方向中間部に形成された中間フランジ63と、これらのフランジの径方向外側に配置された翼体64と、で構成されている。裁頭円錐状の筒体61の内面は、上側(開口側)から下端に向けて広がるテーパー面611となっている。また、筒体61は、円周方向に分割された複数の分割体60が結合板65で結合されたものである。
なお、図1(b)は、筒体61については図1(a)のA1-A1断面図となっているが、吊り具1はA1-A1と平行な正面図を示している。そして、図5に示す基準円Csは、図1(b)にVで示す、筒体61のテーパー面611の軸方向で吊り具1の下側基準板37が配置される位置での円である。
また、図1(a)に示すように、主材21a,21bが配置される正方形Sの辺は、鉄皮炉口6の筒体61をなす円の中心Oを中心とした正方形の辺である。
さらに、吊り具1の互いに反対側となる傾斜面35a間の寸法は、筒体61の吊り具1が配置される位置で互いに対向するテーパー面611間の寸法に合わせてある。また、吊り具1の傾斜面35aは、吊り具1が配置される位置での筒体61のテーパー面611の角度に合わせてある。
[吊り具を用いた転炉の鉄皮組立方法(構造体の組立方法)]
<準備工程>
図8に示すように、転炉(構造体)7の鉄皮上端部(溶接対象物)71に新しい鉄皮炉口6を取り付けるために、転炉7の手前に仮設の建物8を設置する。図8および図9に示すように、建物8は作業床81を有し、作業床81の上方に、二本の平行なレール921と、これらの間を固定する間材922とからなる架構92が設置されている。架構92の各レール921の先端が転炉7まで延びている。
転炉7は鉄皮炉口6が外された状態で、鉄皮炉口6を取り付ける鉄皮上端部71の端面711とフランジ712が上方に露出している。鉄皮上端部71内に、吊り具1を載せる井桁状の枠体91が設置されている。
図8に示すように、枠体91は、二本の平行なレール911、レール911に対して垂直な垂直材912、および隣り合うレール911と垂直材912とを結合する補強材913で構成されている。レール911は正方形Sの第一辺に沿って延び、垂直材912は正方形Sの第二辺に沿って延びている。
補強材913は、吊り具1の補強材22に対応する配置で、垂直材912およびレール911に固定されている。各補強材913上の長さ方向中心部(対角線上の点)が、油圧ジャッキ914を設置する位置Jに設定されている。両レール911の先端部911aおよび各垂直材912の先端部912aは、鉄皮上端部71のテーパー面71a(図12参照)に接触している。両レール911の架構92のレール921と結合される側の先端部911bも、鉄皮上端部71のテーパー面71a(図12参照)に接触している。
枠体91は、吊り具1とほぼ同じ構造(吊り部品5やエンドレスコロ38等は有さない)となっており、一つの本体部(レール911および垂直材912の先端部以外の部分と補強材913とからなる部分)と、本体部以外の四つの十字状部品(レール911および垂直材912の先端部からなる部分)とに分解可能である。
図10に示すように、レール911および垂直材912はH鋼からなり、垂直材912をなすH鋼は、レール911をなすH鋼よりも高さが低く、垂直材912の下フランジがレール911の下フランジに固定されている。また、レール911の下方に作業床915が設置されている。
架構92の各レール921と、転炉7内の枠体91の各レール911は、鉄皮上端部71の上端面711と同じレベルになるように設置されている。そして、架構92の各レール921と転炉7内の枠体91の各レール911との間に、僅かな隙間を介して、鉄皮上端部71の上端面711が存在している。つまり、架構92の各レール921と、転炉7内の枠体91の各レール911は、鉄皮上端部71の上端面711により接続されている。
<吊り具取付工程>
先ず、建物8の架構92上に、鉄皮炉口6と、本体2と四つの先端部品3とに分解された状態の吊り具1を置く。次に、作業床81上で作業者が鉄皮炉口6の内側に四つの先端部品3を配置し、エンドレスコロ38をレール921に載せ、四つの先端部品3の第一先端部33および第二先端部34の先端部を、鉄皮炉口6のテーパー面611の周方向八箇所(図1(a))にあてがう。
次に、各先端部品3の第一結合部31同士の間および第二結合部32同士の間に本体2の主材21を配置して、第一結合部31および第二結合部32と主材21とを、結合板4を介してボルト41およびナット42で締結する。これにより、鉄皮炉口6に吊り具1が取り付けられる。図9はこの状態を示す。
<吊り上げ工程>
次に、図10に示すように、吊り具1の各吊り部品5とクレーン(吊り上げ機)のフック13をワイヤーロープ(吊り上げ機と吊り上げ部との連結部材)14で連結して、クレーンのフック13を上昇させる。これに伴い、吊り具1に鉄皮炉口6の自重が掛かるため、各先端部品3の第一先端部33および第二先端部34の傾斜面35aと、鉄皮炉口6のテーパー面611とによる楔機構で、吊り具1が鉄皮炉口6に強固に固定される。
次に、この状態で、クレーンを転炉7側に移動して、鉄皮炉口6が固定された吊り具1を転炉7の上方に配置する。移動の際に、吊り具1は、鉄皮炉口6が固定された状態で、エンドレスコロ38により、架構92のレール921および枠体91のレール911上を案内される。また、カムフォロア392が、レール921,911の幅方向一端において吊り具1の移動を案内する。
<溶接工程>
次に、図11に示すように、転炉7の作業床915上の作業者が、鉄皮上端部71に対する鉄皮炉口6の位置決め作業と溶接作業を行う。
ここで、図12(a)(b)に示すように、吊り上げ工程後の状態では、鉄皮炉口6と鉄皮上端部71のフランジ712との間に隙間がある。また、吊り具1のエンドレスコロ38は、鉄皮上端部71内にある枠体91のレール911上に載り、図12(b)に示すように、吊り具1の補強材22の下側フランジ223と図8の位置Jに設置した油圧ジャッキ914との間に隙間がある。
この状態から、図12(d)に示すように、油圧ジャッキ914を上昇させて下側フランジ223に接触させた後、さらに上昇させて補強材22を上昇させる。これに伴い、図12(c)(d)に示すように、吊り具1と一体に鉄皮炉口6も上昇し、吊り具1の先端部品3を構成する第一結合部31の補強板315に取り付けられたエンドレスコロ38が、レール911から浮き上がる。この状態で、作業者がエンドレスコロ38を第一結合部31の補強板315から取り外す。
次に、図12(f)に示すように、油圧ジャッキ914を下降させて、油圧ジャッキ914の補強材22に対する接触を解除しながら、図12(e)(f)に示すように、鉄皮炉口6を鉄皮上端部71に対して位置決めする。つまり、鉄皮炉口6の筒体61の下端面612と鉄皮上端部71の上端面711を接触させる。
次に、この接触させた部分をテーパー面611および鉄皮上端部71のテーパー面71a側から、周方向全体に渡って溶接する。この溶接時に、吊り具1と鉄皮炉口6とが上述の楔機構で固定されていることで、鉄皮炉口6の熱変形が抑制される。
<取外し工程>
溶接工程の終了後、ボルト41とナット42による結合板4を介した結合を解除することにより、四つの先端部品3を本体2から取り外す。次に、先端部品3、ボルト41、ナット42、および結合板4を、作業床915上の作業者が回収し、本体2は吊り部品23を利用してクレーンにより撤去する。
[実施形態の効果]
上述のように、この実施形態の方法では、転炉7の鉄皮上端部71に新しい鉄皮炉口6を溶接により固定する際に、吊り具1を用いている。そして、吊り具1は、鉄皮炉口6をクレーンで吊り上げて転炉7の鉄皮上端部71の上方に移動する機能を有するだけでなく、鉄皮炉口6を鉄皮上端部71に溶接する際に、鉄皮炉口6の熱変形抑止材として機能する。また、吊り具1は、本体2と先端部品3とが、結合板4を介してボルト41とナット42により結合されたものであるため、鉄皮炉口6に対する取付け取外しを容易に行うことができる。
つまり、この実施形態の転炉の鉄皮組立方法によれば、取付け取外しが簡単で、溶接時の熱歪み抑止機能を備えた吊り具1を用いることで、熱歪み対策治具と吊り具を現地にて別々に取付ける作業が必要となる方法と比較して、作業時間を短縮することができる。
具体的には、図13に示す比較例との比較で、現地工事期間を24時間短縮することができる。
図13に示す比較例では、図13(a)に示すように、鉄皮炉口6を鉄皮上端部71に溶接する際に、鉄皮炉口6の熱変形抑止材として、H鋼101,102の長さ方向両端面が鉄皮炉口6のテーパー面611に対応する傾斜面101a,102aとなっているものを用いる。また、鉄皮炉口6のクレーンによる吊り移動の際には、図13(b)に示すように、鉄皮炉口6のテーパー面611の上部に吊り部品69を溶接により固定し、この吊り部品69を利用する。
上述のように、この実施形態の吊り具1では、押圧面を、鉄皮炉口6のテーパー面611に対応させた傾斜面35aとしていることで、鉄皮炉口6を吊り上げる際に自重で傾斜面35aがテーパー面611に押し当てられて、自動的に強固な押圧力が得られている。そのため、この実施形態の吊り具1は、作業時間を短縮する効果が高いものとなっている。
しかし、吊り具の押圧面が、鉄皮炉口6のテーパー面611に対応しない面の場合であっても、油圧ジャッキなどを用いて吊り具の押圧面をテーパー面611に押し付ければ、吊り具を鉄皮炉口6に強固に固定することができる。つまり、この発明の第一態様の吊り具は、吊り上げ対象の構造物の内面がテーパー面を有する場合であっても、押圧面がこのテーパー面に対応する傾斜面であるものに限定されない。
なお、上記実施形態では、吊り上げ移動の対象である中空で鋼製の構造物が転炉の鉄皮炉口である場合について説明したが、この発明の第一態様の吊り具は、転炉の鉄皮炉口以外のものを吊り上げ移動の対象としたものであってもよい。また、この発明の第二態様の構造体の組立方法は、転炉の鉄皮以外の構造体を組み立てる方法にも適用できる。
1 吊り具
2 本体
21a 本体の主材
21b 本体の主材
22 本体の補強材
3 先端部品
35a 傾斜面(押圧面)
4 結合板(締結部品)
41 ボルト(締結部品)
42 ナット(締結部品)
5 吊り部品(吊り上げ部)
6 鉄皮炉口(中空で鋼製の構造物、転炉の鉄皮を構成する部材)
611 鉄皮炉口のテーパー面(構造物の内面)
7 転炉(構造体)
71 鉄皮上端部(溶接対象物)
13 クレーン(吊り上げ機)のフック
14 ワイヤーロープ(吊り上げ機と吊り上げ部との連結部材)

Claims (4)

  1. 中空の構造物を吊り上げて移動する吊り具であって、
    前記構造物の内側に配置される本体と、
    前記本体と前記構造物との間に配置され、前記構造物の内面を押圧する押圧面を備えた複数の先端部品と、
    前記複数の先端部品と前記本体を着脱自在に締結する締結部品と、
    前記本体または前記先端部品に形成された吊り上げ部と、
    を有する吊り具
    前記複数の先端部品を、前記締結部品による前記本体に対する締結を解除した状態で、前記構造物の内部に配置して、前記複数の先端部品の前記押圧面を、前記構造物の内面の複数箇所に向けた後、前記複数の先端部品を前記締結部品で前記本体に締結して、前記押圧面を前記構造物の内面に押し当てる吊り具取付工程と、
    前記吊り具取付工程後の前記吊り具の前記吊り上げ部に吊り上げ機を連結して、前記吊り上げ機を稼動することにより、前記構造物と前記吊り具を一体に吊り上げて、前記構造物が溶接される溶接対象物の上方に配置する吊り上げ工程と、
    前記吊り上げ工程後に、前記吊り具が一体化された状態の前記構造物を前記溶接対象物の上に載せて、前記構造物を前記溶接対象物に溶接する溶接工程と、
    を有する構造体の組立方法
  2. 前記構造物の内面はテーパー面を有し、前記押圧面は前記テーパー面に対応した傾斜面である請求項1記載の構造体の組立方法
  3. 前記吊り上げ部は前記先端部品に形成されている請求項1または2記載の構造体の組立方法
  4. 前記構造物は転炉の鉄皮を構成する部材である請求項1~3のいずれか一項に記載の構造体の組立方法
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