JP7098309B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は活性エネルギー線硬化性組成物、及びその硬化物から得られる各種光学部品に関する。
従来、液晶ディスプレイに使用されるプリズムシートや、プロジェクションTVに使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズといった光学レンズは、金型内面に樹脂基材がセットされた型内に活性エネルギー線硬化性組成物を流し込み、活性エネルギー線を照射し、硬化させることで製造されている。
近年、ディスプレイの高輝度化に伴い、光学レンズの輝度を向上させるという試みがなされており、この目的のため例えば高屈折率樹脂に金属酸化物の微粒子を分散させる技術が検討されている(例えば特許文献1)。
しかし、特許文献1は金属酸化物の微粒子を多量に含有させるために硬化物の柔軟性が下がり、微細加工した際に傷付きやすく、耐衝撃性が悪化してしまうといった問題がある。したがって高屈折で、耐衝撃性に優れた硬化物を与える活性エネルギー線硬化性組成物は得られていない。
特開2013-249439号公報
本発明は、高い屈折率を有し、かつ耐衝撃性に優れた硬化物を与える活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、3価以上のアルコール(a)にアルキレンオキサイドを3~35モル付加してなる化合物(b)と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレートモノマー(B)と、金属酸化物(A)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて前記金属酸化物(A)の含有量が65~95重量%であり、前記活性エネルギー線硬化性組成物の25℃での屈折率が1.60以上であり、前記金属酸化物(A)のメジアン粒子径が5~100nmである活性エネルギー線硬化性組成物;前記活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物;前記硬化物を含む光学部品である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、高屈折率で、優れた耐衝撃性を有する硬化物を与えることができるという効果を奏する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3価以上のアルコール(a)にアルキレンオキサイドを3~35モル付加してなる化合物(b)と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレートモノマー(B)と、金属酸化物(A)とを含有する。
そして、活性エネルギー線硬化性組成物中の金属酸化物(A)の含有量は65~95重量%であり、組成物の25℃での屈折率は1.60以上であり、金属酸化物(A)のメジアン粒子径が5~100nmであることを特徴とする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」の表記は、アクリロイル及び/又はメタアクリロイルを意味する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の必須成分である金属酸化物(A)は、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム及びスズ等の酸化物が挙げられる。これらの内、着色性の観点から好ましいのは、酸化ジルコニウム及び酸化チタニウムであり、更に好ましいのは酸化ジルコニウムである。
前記の金属酸化物(A)の製造方法としては、乾燥粉砕及び湿式粉砕等の方法を用いて粉砕する方法等が挙げられる。
また、後に詳述するように、金属酸化物(A)を混合して、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を製造する場合、金属酸化物(A)を、(メタ)アクリレート及び溶剤[非プロトン性溶剤(メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)及びプロトン性溶剤(メタノール等)等]等に分散させた分散液を用いることが好ましい。
このような金属酸化物(A)の分散液は、AX-ZP-158-A[(株)日本触媒製]、AX-ZP-153-A[(株)日本触媒製]及びSZR-M[堺化学工業(株)製]として市場から入手することができる。
前記の活性エネルギー線硬化性組成物に必須成分として含まれる3価以上のアルコール(a)にアルキレンオキサイドを3~35モル付加してなる化合物(b)と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレートモノマー(B)としては、3個以上の(メタ)アクリロイル基と3~35個のオキシアルキレン基を有するエステル化合物が挙げられる。
3価以上のアルコール(a)としては、3~8価のアルコールが好ましく、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等が挙げられる。
前記の3価以上のアルコール(a)に付加するアルキレンオキサイドとしては、炭素数2~4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、1,2-又は1,3-プロピレンオキサイド及び1,2-、1,3-、1,4-又は2,3-ブチレンオキサイド等)が挙げられる。
前記のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド単独使用又はエチレンオキサイドとそれ以外のアルキレンオキサイドとの併用が好ましい。
即ち、(メタ)アクリレートモノマー(B)が有するオキシアルキレン基が、オキシエチレン基を含んでいることが好ましい。
前記のアルキレンオキサイドは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記の(メタ)アクリレートモノマー(B)が有するオキシアルキレン基のモル数、即ち、前記の(a)へのアルキレンオキサイド付加モル数は、前述の通り3~35モルである。
3モル未満では耐衝撃性が不良であり、35モルを超えると凹凸成型性が不十分である。また、耐衝撃性を更に高める観点から好ましくは3~15モルである。
前記の(メタ)アクリレートモノマー(B)は、耐衝撃性の観点から、3価のアルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)にアルキレンオキサイドを3~35モル付加してなる化合物について、有する全ての水酸基を、(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物;及び
4価のアルコール(ペンタエリスリトール等)にアルキレンオキサイドを3~35モル付加してなる化合物について、有する全ての水酸基を、(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中での動的光散乱法によって測定される金属酸化物(A)のメジアン粒子径は5~100nmである。
メジアン粒子径が100nmを超えると耐衝撃性が悪くなる。
また、耐衝撃性を更に高める観点から好ましくは、15~50nmである。
なお、本発明において、メジアン粒子径とは、積算分布曲線における50%累積値に対応する粒子径(累積50%粒径)で定義され、動的光散乱法で測定した値を用いる。
本発明におけるメジアン粒子径は、活性エネルギー線硬化性組成物をメチルエチルケトンで10重量%に希釈した後、動的光散乱式粒子径分布測定器[例えば、商品名:ナノ粒子解析装置 nano Partica SZ-100、(株)堀場製作所製]を用いて、動的光散乱法により測定することができる。
なお、活性エネルギー線硬化性組成物中での動的光散乱法によって測定される金属酸化物(A)のメジアン粒子径は、原料としての金属酸化物(A)自体の粒径とは無関係であり、(A)自体が小さな粒径であっても、前記の(メタ)アクリレートモノマー(B)及び後述する(メタ)アクリレートモノマー(C)やその他の溶媒との相性に因っては100nmを超えることもあり得る。
特に、原料として使用する(A)が、溶剤を含む溶液(分散液)である場合には、その溶剤の極性によっては、5nm以下の(A)を使用しても、例えば本明細書の比較例5のように、活性エネルギー線硬化性組成物中でのメジアン系が100nmを超えることがある。
メジアン径を5~100nmとするためには、(A)以外のその他の成分については、非プロトン性の化合物(前記の非プロトン性溶剤等)を用いることが好ましい。
本発明の硬化性組成物の25℃での屈折率は1.60以上であり、好ましくは1.60~1.70である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、前記の(メタ)アクリレートモノマー(B)以外の(メタ)アクリレートモノマー(C)を併用しても差し支えなく、公知の(メタ)アクリレートモノマーが使用できる。
前記の(メタ)アクリレートモノマー(C)としては、1官能(メタ)アクリレートモノマー(C1)、2官能(メタ)アクリレートモノマー(C2)、3官能(メタ)アクリレートモノマー(C3)及び4~6官能(メタ)アクリレートモノマー(C4)等が挙げられる。
なお、2官能(メタ)アクリレートモノマーとは、(メタ)アクリロイル基の数が2個であることを意味し、以下同様の記載法を用いる。
1官能(メタ)アクリレートモノマー(C1)としては、炭素数2~30のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物[ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-、m-又はp-フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’-ジフェニル-4,4’-ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレート及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレートモノマー(C1)の内、屈折率の観点から好ましいのは、芳香環骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー(C11)[ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びo-、m-又はp-フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート等]である。
2官能(メタ)アクリレートモノマー(C2)としては、炭素数2~30の多価(好ましくは2~8価)アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物[ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレートモノマー(C2)の内、屈折率の観点から好ましいのは、芳香環骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー(C21)[ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等]である。
3官能(メタ)アクリレートモノマー(C3)としては、炭素数3~30の3価以上(好ましくは3~8価)アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物[グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
4~6官能(メタ)アクリレートモノマー(C4)としては、炭素数5~30の4価以上(好ましくは4~8価)アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物[ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を紫外線で硬化させる場合は、光重合開始剤(D)を含有させることが必要である。
前記の光重合開始剤(D)としては、公知のものであれば特に限定されず、フォスフィンオキサイド系化合物(D1)、α-アミノアルキルフェノン系化合物(D2)、ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(D3)、ケタール系化合物(D4)、ベンゾイン系化合物(D5)、アントラキノン系化合物(D6)、チオキサントン系化合物(D7)、ベンゾフェノン系化合物(D8)及びオキシムエステル系化合物(D9)等が挙げられる。
前記のフォスフィンオキサイド系化合物(D1)としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
前記のα-アミノアルキルフェノン系化合物(D2)としては、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン及び2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等が挙げられる。
前記のヒドロキシアルキルフェノン系化合物(D3)としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニルプロパン-1-オン、ジエトキシアセトフェノン及び1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
前記のケタール系化合物(D4)としては、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
前記のベンゾイン系化合物(D5)としては、ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド及び4,4’-ビスメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
前記のアントラキノン系化合物(D6)としては、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン等が挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物(D7)としては、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン及び2-クロロチオキサントン等が挙げられる。
前記のベンゾフェノン系化合物(D8)としては、ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド及び4,4’-ビスメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
前記のオキシムエステル系化合物(D9)としては、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン2-(O-ベンゾイルオキシム)及びエタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(D)の内、硬化性の観点から好ましいのは、フォスフィンオキサイド系化合物(D1)及び α-アミノアルキルフェノン系化合物(D2)である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々のその他の添加剤を含有させてもよい。
その他の添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が含有する前記の金属酸化物(A)の重量割合は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて65~95重量%である。
65重量%未満であると、屈折率が不十分であり、95重量%を超えると耐衝撃性が不十分である。
前記の金属酸化物(A)の重量割合は、屈折率及び耐衝撃性を更に高める観点から、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて70~90重量%であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレートモノマー(B)の重量割合は、耐衝撃性と屈折率の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物の重量を基づいて3~30重量%であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレートモノマー(C)の重量割合は、屈折率の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物の重量を基づいて0~20重量%であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が含有する光重合開始剤(D)の重量割合は、硬化性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物の重量を基づいて1~7重量%であることが好ましく、更に好ましくは3~5重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が含有する前記のその他の添加剤の重量割合は、屈折率の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物の重量を基づいて0~5重量%であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば前記の金属酸化物(A)を溶剤中に分散させた分散液と、前記の(メタ)アクリレートモノマー(B)と、必要に応じて前記の(メタ)アクリレートモノマー(C)と、前記の光重合開始剤(D)と、前記のその他の添加剤とを、公知の機械的混合方法(メカニカルスターラー及びマグネティックスターラー等を用いる方法)を用いて均一混合することで、製造することができる。
また、必要に応じて、金属酸化物を分散させていた溶剤を、公知の方法(減圧留去等)で除去してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化させることで光学部品(光学レンズ等)として使用可能な成形体を製造することができる。
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線の内、硬化性及び樹脂劣化抑制の観点から好ましいのは紫外線及び電子線である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を紫外線により硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置〔例えば、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]〕を使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10~10,000mJ/cm、更に好ましくは300~5,000mJ/cmである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて活性エネルギー線硬化性組成物を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
より具体的な成形体の製造方法としては、以下の方法等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を予め20~60℃に温調し、光学レンズ形状が得られる金型(型温は好ましくは20~60℃、更に好ましくは25~50℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20~150μmとなるように塗工又は充填し、塗膜上から透明基材(透明フィルム等)を空気が入らないように加圧積層し、更に前記の透明基材上から活性エネルギー線を照射して前記の塗膜を硬化させた後に、型から離型し成形体(光学レンズシート等)を得る。
前記の透明基材としては、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリトリアセチルセルロース及びポリシクロオレフィン等の樹脂を用いて構成されるもの等が挙げられる。
本発明の光学部品活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られる本発明の硬化物は、高い屈折率を有した上で、耐衝撃性に優れているため、光学部材、電気・電子部材としても有用である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品は、光学レンズ、光学レンズ用シート又はフィルムとして、具体的には、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ及び視野角向上レンズ等)、位相差フィルム、プリズム、光ファイバー、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等として有用である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。なお、以下において、実施例2、5を、それぞれ参考例1、2とする。
<実施例1>
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、酸化ジルコニウム(A-1)の分散液[商品名:AX-ZP-158-A、(株)日本触媒製;パンフレット記載の粒子径が11nm、酸化ジルコニウム(A-1)を70%含有、メチルエチルケトンを30%含有]107.1部、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドをEOと略記する)15モル付加トリアクリレート(B-1)[商品名:SR-9035、巴工業(株)製]2.0部、トリメチロールプロパンEO3モル付加トリアクリレート(B-2)[商品名:ネオマーTA-401、三洋化成工業(株)製]13部及びベンジルアクリレート(C-3)[商品名:ビスコート#160 大阪有機化学工業(株)製]10部を仕込み30分間攪拌した後、35℃で(A-1)を分散させていたメチルエチルケトンを減圧留去した。
得られた混合物に対して光重合開始剤である2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(D-1)[商品:IRGACURE TPO、BASF社製]を3.0部加えて60℃にて攪拌しながら溶解均一化し、活性エネルギー線硬化性組成物(E-1)を得た。
<実施例2~5及び7並びに比較例1~5>
実施例1において、(A-1)、(B-1)、(B-2)、(C-3)、(D-1)に代えて、表1に記載した化合物を、表1に記載した配合量[金属酸化物(A)については、固形分重量が表1に記載の配合量となるように配合]で使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2~5及び7の活性エネルギー線硬化性組成物[(E-2)~(E-5)及び(E-7)]並びに比較例1~5の比較用の活性エネルギー線硬化性組成物(E’-1)~(E’-5)を得た。
<実施例6及び比較例6>
表1に記載の化合物を、表1に記載の配合量で配合し、60℃にて攪拌しながら溶解均一化を行い、実施例6の活性エネルギー線硬化組成物(E-6)及び比較用の活性エネルギー線硬化組成物(E’-6)を得た。
Figure 0007098309000001
なお、表1に記載した各種化合物を具体的に以下に示す。
(A-1):酸化ジルコニウム70%分散液[商品名:AX-ZP-158-A、(株)日本触媒製;パンフレット記載の粒子径が11nm、メチルエチルケトンを30%含有]が含有する酸化ジルコニウム
(A-2):酸化ジルコニウム70%分散液[商品名:AX-ZP-153-A、(株)日本触媒製;パンフレット記載の粒子径が11nm、メチルエチルケトンを30%含有]が含有する酸化ジルコニウム
(A-3):酸化ジルコニウム30%分散液[商品名:SZR-K、堺化学工業(株)製;パンフレット記載の粒子径が4nm、メチルエチルケトンを60%、メタノールを10%含有]が含有する酸化ジルコニウム
(A-4):酸化チタン[商品名:SSP-25、堺化学工業(株)製;パンフレット記載の粒子径が9nm]
(A’-1):酸化ジルコニウム30%分散液[商品名:SZR-M、堺化学工業(株)製;パンフレット記載の粒子径が3nm、メタノールを70%含有]が含有する酸化ジルコニウム
(B-1):トリメチロールプロパンのEO15モル付加物のトリアクリレート[商品名:SR-9035、巴工業(株)製]
(B-2):トリメチロールプロパンのEO3モル付加物のトリアクリレート[商品名:ネオマーTA-401、三洋化成工業(株)製]
(B-3):ペンタエリスリトールのEO35モル付加物のテトラアクリレート[商品名:ATM-35E、新中村化学工業(株) ]製
(C-1)ペンタエリスリトールテトラアクリレート[商品名:Etermer 235、Eternal Chemical Co.,Ltd.製]
(C-2)ビスフェノールAのEO20モル付加物のジアクリレート[商品名:ニューフロンティアBPE-20、第一工業製薬(株)製]
(C-3):ベンジルアクリレート[商品名:ビスコート#160 大阪有機化学工業(株)製]
(D-1):2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[商品名:IRGACURE TPO、BASF社製]
(D-2):2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン[商品名:IRGACURE 907、BASF社製]
上記実施例1~7で得た本発明の活性エネルギー線組成物及び比較例1~6で得た比較用の活性エネルギー線硬化性組成物について、金属酸化物の粒子径(メジアン粒子径)、屈折率及び耐衝撃性を下記の方法で測定した。
それらの結果を表1に示す。
[硬化性組成物中の金属酸化物(A)のメジアン粒子径の測定]
各活性エネルギー線硬化性組成物をメチルエチルケトンで10%に希釈した後、動的光散乱式粒子径分布測定器[商品名:ナノ粒子解析装置 nano Partica SZ-100、(株)堀場製作所製]を用いて粒子径を測定した。測定原理として動的光散乱法を選択し、測定されたメジアン粒子径を金属酸化物の粒子径とした。
[屈折率の評価]
各活性エネルギー線硬化性組成物の屈折率を25℃の環境下で屈折率計[商品名:アッベ屈折率計4T、(株)アタゴ製]を用いて測定した。
[耐衝撃性の評価]
(1)溝の深さが50μm、ピッチ幅を20μmで平行線を刻んで微細に凹凸処理を施したステンレス製の金型を用意する(片面が10cm×10cm以上)。
(2)活性エネルギー線硬化性組成物をこの金型の片面に、金型の凹部分からの厚さが100μmになるようにアプリケーターで塗工(塗工面積は10cm×10cm以上)した後、厚さ100μmのポリエステルフィルム[商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡績(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。ポリエステルフィルム側から紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を400mJ/cm照射して、硬化させ、硬化膜を作成した。次に、作成した硬化膜を、片面が10cm×10cmのフィルムとなるように切断し、これを試験片とした。
(3)試験片の上に縦30cm、横30cm、厚さ2mmのアクリル板をのせ、アクリル板から高さ30cmのところからアクリル球(直径55mm、重さ130g)を垂直に落下させ、ボール落下試験を行った。
(4)ボール落下試験後の硬化膜の表面を目視で観察し、下記の基準で判定した。
○:傷がつかない、又は傷がボール落下から30秒後には完全に復元して消える
△:傷がボール落下から30秒後に一部復元して消えるが、完全には消えずに残っている
×:傷がボール落下から30秒後にまったく復元せずに残っている
表1の結果から、本発明の実施例1~7の本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた硬化フィルムは、高い屈折率を有し、優れた耐衝撃性を有することがわかる。
一方、(メタ)アクリレート(B)の代わりに、アルキレンオキサイドが付加されていない多価アクリレートを用いた比較例1では、耐衝撃性が不良である。
また、(メタ)アクリレート(B)の代わりに、アルキレンオキサイドが付加されているジアクリレートを用いた比較例2では、耐衝撃性が不良である。
また、(メタ)アクリレートとして、単官能アクリレートのみを用いた比較例3では、耐衝撃性が不良である。
また、金属酸化物の含有量が65%未満である比較例4では、屈折率が不十分であった。
また、メジアン粒子径が100nmを超える金属酸化物を含む比較例5では、耐衝撃性が不良である。
また、金属酸化物(A)を含有しない比較例6では、屈折率が不十分であった。
本発明の光学部品活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られる本発明の硬化物は、高い屈折率を有した上で、耐衝撃性に優れているため、光学部材、電気・電子部材としても有用である。また、本発明の硬化物を用いた光学部品は、光学レンズ、光学レンズ用シート又はフィルムとして、具体的には、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ及び視野角向上レンズ等)、位相差フィルム、プリズム、光ファイバー、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等として有用である。

Claims (4)

  1. 3価以上のアルコール(a)にアルキレンオキサイドを3~35モル付加してなる化合物(b)と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレートモノマー(B)と、金属酸化物(A)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が有するオキシアルキレン基がオキシエチレン基を含み、前記活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて前記金属酸化物(A)の重量割合が73~95重量%であり、前記活性エネルギー線硬化性組成物の25℃での屈折率が1.60以上であり、前記金属酸化物(A)のメジアン粒子径が5~100nmである活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 前記金属酸化物(A)が、酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタニウムである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  4. 請求項3に記載の硬化物を含む光学部品
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