JP7098218B2 - 魚釣用リール - Google Patents

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本発明は、魚釣用リールに関する。
魚釣用リールにおいて、例えば両軸受リールには、クラッチ機構が設けられている。そして、クラッチを入り操作(クラッチON)すると、ハンドル軸の回転力がスプールに伝達する動力伝達状態となる。一方で、クラッチを切り操作(クラッチOFF)すると、スプールが自由回転状態となり、キャスティングにより仕掛けを放出することができる。
また、魚釣用リールには、仕掛けの放出に伴い回転するスプールに制動力を付与し、バックラッシュの発生を防止するため、磁気制動装置が設けられている。
このような磁気制動装置は、スプールの支軸方向に移動可能な導電体と、導電体に対して支軸方向に離間する磁石部と、スプールの回転により導電体を磁石部側に移動させる移動部と、導電体を磁石部から離間するように付勢する付勢部と、を備えている。また、移動手段が導電体を移動させる際の力(荷重)は、スプールの回転速度に比例する。
よって、スプールの回転速度が小さい場合、付勢部の付勢力に抗って導電体が磁石部側に移動する移動量が少ない。これにより、導電体に作用する磁石部の磁力が小さく、スプールに付与される制動力が小さい。
一方で、スプールの回転速度が大きい場合、付勢部の付勢力に抗って導電体が磁石部側に移動する移動量が多い。これにより、導電体に作用する磁石部の磁力が大きく、スプールに付与される制動力が大きい。
このように磁気制動装置では、スプールの回転速度に対応してスプールに付与する制動力の大きさを調整している。
ところで、実釣時において、釣り場の状況に応じて、ポイントまでの距離が近く釣竿を振る動作が小振りなキャスティングが要求されたり、ポイントまでの距離が遠く釣竿を振る動作が大振りなキャスティングが要求されたりする。このため、キャスティング時のスプールの回転速度は、低速領域から高速領域までと広範囲に亘っている。
このようなキャスティングの多様化に対応するため、下記特許文献1の付勢部は、スプールの支軸方向に並べられた、線径が小さい第1圧縮コイルばねと、線径が大きい第2圧縮コイルばねと、により構成されている(下記特許文献1の図4参照)。
これによれば、釣竿を振る動作が小振りな場合(スプールの回転速度が低速の場合)、第1圧縮コイルばねが収縮し、釣竿を振る動作が大振りな場合(スプールの回転速度が高速の場合)、第2圧縮コイルばねが収縮し、スプールに付与する制動力の大きさを適宜調整している。
特許第3515875号公報
しかしながら、上記技術によれば、第1圧縮コイルばねの端部と第2圧縮コイルばねの端部とを直接当接させ、第1圧縮コイルばねと第2圧縮コイルばねを支軸方向に並べている。このため、第1圧縮コイルばねの端部と第2圧縮コイルばねの端部との当接状態が不安定になり易い(コイルばねの端部が径方向にずれたり、軸方向に入り込んだりし易い)。この結果、スプールの回転速度に伴って磁場内を進退する導電体に作用する第1圧縮コイルばねと第2圧縮コイルばねの付勢力が安定しない。このため、正確なストロークを確保できず、制動特性にバラツキが生じ易く、かつ、再現性が低くなる。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、スプールに付与する制動力の大きさを好適に調整できる磁気制動装置を備えた魚釣用リールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の魚釣用リールは、釣糸の放出により回転するスプールに制動力を付与する磁気制動装置を備えた魚釣用リールであって、前記磁気制動装置は、前記スプールの支軸方向に移動自在な導電体と、前記導電体に対し対向配置される磁石部と、前記スプールの回転により前記導電体を前記磁石部側へ移動させる移動手段と、前記導電体を前記磁石部から離間する方向に付勢する付勢部と、を備え、前記付勢部は、前記スプールの支軸上に設けられ互いに前記支軸方向に並ぶ第1圧縮コイルばね及び第2圧縮コイルばねと、前記支軸に支持され前記支軸方向に移動自在な支持部材と、を有し、前記第2圧縮コイルばねは、前記第1圧縮コイルばねよりもばね定数が大きく、前記支持部材は、前記導電体の前記支軸方向の側方にて、前記第1圧縮コイルばねと第2圧縮コイルばねとの間に介在する仕切壁を有しており、前記第1圧縮コイルばねが収縮した場合に、前記支持部材が当接する当接部を前記導電体側に備え、前記支持部材が前記当接部に当接することにより、前記第1圧縮コイルばねが所定の収縮量を超えて収縮しないように収縮量が制限されていることを特徴とする。
前記発明によれば、支持部材の仕切壁を介して第1圧縮コイルばねと第2圧縮コイルばねとが支軸方向に並ぶため、仮に第1圧縮コイルばねの端部が変形したとしても、第2圧縮コイルばねと不安定な状態で当接することがない。よって、スプールに付与する制動力の大きさにバラツキが生じることがなく、スプールに付与する制動力の大きさを好適に調整できる。また、第1圧縮コイルばねの端部と第2圧縮コイルばねの端部同士を当接させる必要がないため、圧縮コイルばねの高度な加工精度を要求されず、安価とすることができる。
従来の構成によれば、第1圧縮コイルばねが収縮して密着長(線同士が密着した状態)となった後に第2圧縮コイルばねが収縮し始めたり、若しくは、第1圧縮コイルばねが密着長となる前に第2圧縮コイルばねが収縮し始めたりして、第2圧縮コイルばねが収縮し始める基準が一定でなかった。
このため、スプールの回転速度が所定速度となっても、第1圧縮コイルばねに起因したブレーキ特性が発揮されたり、又は、第2圧縮コイルばねに起因したブレーキ特性が発揮されたりなど、ブレーキ特性の再現性が低かった。
一方で、前記構成によれば、導電体が所定距離移動すると(言い換えると、スプールの回転速度が所定速度に到達すると)、当接部が支持部材に当接して第2圧縮コイルばねが収縮し始める。よって、収縮する対象が第1圧縮コイルばねから第2圧縮コイルばねに必ず切り替わり、ブレーキ特性の再現性が高い。
以上から、本発明によれば、スプールに付与する制動力の大きさを好適に調整できる磁気制動装置を備えた魚釣用リールを提供することができる。
実施形態の両軸受型リールの平面図であり、一部を切り欠いて内部構造を露出させた一部断面図である。 図1の磁気制動装置を拡大した拡大図である。 図2のIII-III線矢視断面図である。 図2の付勢部近傍を拡大した拡大図である。 (a)はスプールの回転速度が所定値未満の場合の磁気制動装置の動作図であり、(b)はスプールの回転速度が所定値となった場合の磁気制動装置の動作図であり、(c)はスプールの回転速度が所定値を超えた場合の磁気制動装置の動作図である。 (a)は第1変形例に係る磁気制動装置であり、(b)は第2変形例に係る磁気制動装置であり、(c)は第3変形例に係る磁気制動装置である。 (a)は第4変形例に係る磁気制動装置であり、(b)は第4変形例に係る磁気制動装置の動作例を説明するための図である。
本発明に係る魚釣用リールの各実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、「前後」「左右」を言うときは、図1に示した方向を基準とする。また、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
図1に示すように、両軸受型リール100は、ハンドル7aが取り付けられたリール本体1と、スプール軸5に固定されたスプール6と、スプール6の右側に配置された磁気制動装置14と、を主に備えている。
リール本体1は、図示しない複数の支柱を介して左右に離間する左右フレーム2a,2bを有しており、その左右フレーム2a,2bのそれぞれには、スプール軸5を回転自在に支持するための軸受4a,4bが組み付けられている。
なお、右フレーム2bには、軸受4bや磁気制動装置14の構成要素の一部を組み付けるための組み付け基板2cが組み付けられている。
また、左右フレーム2a,2bの左右方向外側には、左右側板3a,3bが装着されている。
左フレーム2aと左側板3aとから構成されるギヤボック内には、ハンドル7aが取り付けられたハンドル軸7と、ハンドル軸7に回転自在に支持された駆動歯車8と、公知のドラグ機構(不図示)と、駆動歯車8と歯合するピニオン9と、公知のクラッチ機構と、を備えている。
公知のドラグ機構は、特に図示しないが、駆動歯車8と一体に回転する第1制動板と、ハンドル軸7と一体に回転し第1制動板をハンドル軸7方向から挟持する一対の第2制動板と、各制動板に圧接される複数の摩擦板と、を備えている。
ハンドル7aの巻き取り操作により、ハンドル軸7及び第2制動板を釣糸巻取方向に回転させると、摩擦板の摩擦力により第1制動板に回転駆動力が伝達し、駆動歯車8が回転する。
一方で、一方向クラッチ(不図示)により、ハンドル軸7は、釣糸放出方向に回転しないようになっている。よって、スプール6側から駆動歯車8に対し、釣糸放出方向の回転力が伝達した場合、第2制動板(ハンドル軸7)から第1制動板(駆動歯車8)に対し、釣糸放出方向への回転に抵抗する摩擦抵抗力が作用する。
そして、スプール6側から駆動歯車8に伝達される回転力が第1制動板に作用する摩擦抵抗力以上の場合、駆動歯車8が釣糸放出方向に回転し、釣り糸が放出される。
ピニオン9は、内部を貫通する軸10に回転自在に支持され、スプール軸5と同軸上に配置されている。
ピニオン9の右端部には、嵌合凹部9aが形成されており、この嵌合凹部9aがスプール軸5の左端部の係合ピン5aに嵌合している。よって、ピニオン9が回転すると、スプール軸5及びスプール6も同じ方向に回転する。
また、ピニオン9は、軸10に沿って左側に移動自在になっている。
公知のクラッチ機構は、特に図示しないが、ピニオン9に係合する可動部材と、クラッチレバー11やハンドル7aの操作に連動して回動するクラッチ駆動部材と、を備える。
可動部材は、左右方向に移動自在に支持され、かつ、図示しないばねにより右側に付勢されている。
クラッチ駆動部材は、クラッチレバー11の操作に連動してピニオン9を中心に回動する部品である。
クラッチ駆動部材には、クラッチレバー11を切り操作した場合に、可動部材を左側へ押圧するカム面(不図示)が形成されている。よって、クラッチレバー11を切り操作すると、カム面が可動部材を押圧し、可動部材が左側に移動する。これに伴い、可動部材に係合するピニオン9が左側に移動し、スプール軸5の係合ピン5aと嵌合凹部9aとの嵌合状態が解除され、動力遮断状態(クラッチOFF)となる。
一方で、クラッチレバー11の入り操作等によりカム面の押圧が解除されると、図示しないばねが可動部材を右側に付勢し、可動部材が右側に移動する。これに伴い、可動部材に係合するピニオン9が右側に移動し、係合ピン5aと嵌合凹部13aとが嵌合し、動力伝達状態(クラッチON)となる。
つぎに、磁気制動装置14の基本的構造を説明する。
図1に示すように、磁気制動装置14は、スプール軸5方向に移動自在な導電体20と、導電体20に対し対向配置されるようにスプール軸5方向に離間する磁石部30と、導電体20を磁石部30側へ移動させる移動手段40と、導電体20を磁石部30から離間する方向に付勢する付勢部50と、を備えている。
導電体20は、アルミニウム合金や銅などの導電性の材料で形成されている。よって、磁石部30の磁力が導電体20に作用して渦電流が発生し、そして、導電体20の回転方向とは逆方向の磁力が発生し制動力を発揮する。
図2に示すように、導電体20は、円筒状に形成され磁石部30の後述する隙間Sに進入する作用部20aと、作用部20aの左端から径方向内側に延びるリング部20bと、を備えている。そして、リング部20bがスプール軸5に貫通される筒状部材21に外嵌され、導電体20が筒状部材21と一体になっている。
筒状部材21は、スプール軸5に対し、左右方向に摺動自在に支持されている。
筒状部材21の内周面には、スプール軸5の外周面に形成された一対の平面部5b(図2において一方のみ図示)に対し、スプール軸5の回転方向に係合する一対の対向面(不図示)が形成され、筒状部材21がスプール軸5に対し相対回転不能に組み付けられている。このため、導電体20に制動力が作用すると、筒状部材21を介してスプール軸5(スプール6)に制動力が伝達する。
図3に示すように、磁石部30は、スプール軸5を中心に円筒状に形成された内側磁石部31と、内側磁石部31の外側を囲む円筒状の外側磁石部32と、を備えている。
内側磁石部31及び外側磁石部32には、内部に3つの磁石31a~31c,32a~32cが設けられている。
内側磁石部31の3つの磁石31a~31cは、互いに周方向に離間して配置され、径方向外側を向く磁極が、例えばN極、S極、N極と、真ん中の磁石31bの磁極だけが異なるように配置されている。
外側磁石部32の3つの磁石32a~32cは、内側磁石部31の磁石31a~31cのそれぞれに対して径方向外側に配置されている。
外側磁石部32の3つの磁石32a~32cは、径方向内側を向く磁極が、例えば、例えばS極、N極、S極と、内側磁石部31の磁石31a~31cの径方向外側の磁極と異なる磁極となっている。
このため、径方向に対向する磁石同士(31aと32a,31bと32b,31cと32c)の間には吸引力が生じている。
内側磁石部31と外側磁石部32との間には、導電体20の作用部20aが進入可能な隙間Sが形成されている。よって、内側磁石部31と外側磁石部32との間に、導電体20の作用部20aが進入すると、作用部20a内を磁束が通過し、作用部20aに渦電流が発生し、導電体20の回転方向と逆方向の磁力が生じ、スプール6を制動する。この結果、スプール6の回転速度が低減する。
図2に示すように、内側磁石部31は、組み付け基板2cに形成された軸受支持筒部2dの外周面に外嵌され、組み付け基板2cに固定されている。
外側磁石部32は、組み付け基板2cに取り付けられたリング部材33に内嵌されている。
リング部材33は、組み付け基板2cの段差部2eに外嵌され、回動自在となっている。リング部材33の外周面には、前方に突出するギヤ34が形成されている。
図3に示すように、ギヤ34は、左右方向から視て円弧状に形成されているとともに、制動力調整ノブ35の歯35aに歯合している。
よって、制動力調整ノブ35を回動操作すると、公知のようにリング部材33が回動し、外側磁石部32の磁石32a~32cが周方向に移動する(図3の矢印A参照)。そして、磁石部30において対向する磁石同士(31aと32a,31bと32b,31cと32c)のN極とS極の対向位置が離間して磁界が弱まる。このため、導電体20を通過する磁束が低減し、導電体20に作用する制動力が低減する。このように、制動力調整ノブ35の回動操作で対向する磁石のN極とS極の対向位置を変位させることにより、導電体20に作用する制動力が調整できる。
図2に示すように、移動手段40は、スプール軸5に貫通される筒状の部品であり、スプール軸5に固定されている。移動手段40の右端面には、カム面41が形成されている。このカム面41は、スプール6が釣糸放出方向に回転した場合、スプール軸5回りの慣性モーメント及び磁石部30に近接する導電体20に作用するわずかな磁束の影響により、筒状部材21の左端面に形成される被押圧面21aを押圧し、筒状部材21を右側(磁石部30側)に移動させるための部位である。よって、キャスティングによりスプール6が釣糸放出方向に回転すると、移動手段40により筒状部材21及び導電体20が右側へ押圧される。つまり、筒状部材21を介して電動体20を磁石部30の磁場内(隙間S)へ移動させる。
なお、付勢部50について、磁気制動装置14の基本的動作を説明した後に説明する。
以上の構成によれば、キャスティングを行い、仕掛けを所定のポイントに向って飛翔させると、仕掛けにより釣り糸が引っ張られ、スプール6が回転する。
ここで、キャスティングの初期において、スプール6の回転速度が遅く所定の大きさに到達していないため、カム面41の押圧力が付勢部50の付勢力よりも小さく、筒状部材21は磁石部30側に移動しない。このため、導電体20は磁石部30から離間した状態を維持し、導電体20に制動力が殆んど付与されず、スプール6の回転速度が上昇し続ける。
スプール6の回転速度がある程度の大きさに到達したキャスティングの中期になると、カム面41の押圧力が付勢部50の付勢力よりも大きくなり、筒状部材21が右側に移動し、導電体20が磁石部30の隙間S内に進入する。これにより、導電体20に制動力が作用し、スプール6の回転速度が低減する。この結果、スプール6の過回転が回避され、バックラッシュの発生が抑制される。
キャスティングの終期においてスプール6の回転速度が減少する。このため、カム面41の押圧力が低減するため、付勢部50の付勢力により導電体20が磁石部30の隙間Sから離脱し、導電体20に制動力が作用しなくなる。
スプール6に付与される制動力は、スプール6の過回転が予想されるキャスティング時の釣糸張力とスプール回転速度がマッチングしない立ち上がり後のピークを終えた直後のキャスティング中期と着水時のキャスティング終期に適宜制動力が付与されることが仕掛けの飛距離を落とさない上で重要になっている。
つぎに付勢部50の詳細について説明する。
図4に示すように、付勢部50は、スプール軸5方向に並ぶ第1圧縮コイルばね51及び第2圧縮コイルばね52と、第1圧縮コイルばね51及び第2圧縮コイルばね52との間に介在する環状の支持部材53と、を備えている。
第1圧縮コイルばね51及び第2圧縮コイルばね52は、スプール軸5に貫通され、スプール軸5に支持されている。
第1圧縮コイルばね51は、筒状部材21の右端面22と支持部材53との間に配置されている。
なお、筒状部材21の右端面22には、第1圧縮コイルばね51が当接する部位よりも外周側に、右側に突出して支持部材53に当接可能な当接部23が形成されている。
第2圧縮コイルばね52は、支持部材53とスプール軸5に固定された止め輪56との間に配置されている。なお、第2圧縮コイルばね52と止め輪56との間にはカラー(ワッシャ)57が介在している。
第2圧縮コイルばね52は、第1圧縮コイルばね51よりもばね定数(ばねレート)が大きい、つまり、ばね力が強いものが使用されている。
例えば、第1圧縮コイルばね51のばねレートは10gf/mmであり、第2圧縮コイルばね52のばねレートが100gf/mmなど、第2圧縮コイルばね52のばね定数(ばねレート)に関し、第1圧縮コイルばね51が収縮するような荷重が第2圧縮コイルばね52に作用しても、第2圧縮コイルばね52が略収縮しない程度のばね定数(ばねレート)のものが使用されている。なお、本発明は上記した数値に限定されない。
また、第1圧縮コイルばね51及び第2圧縮コイルばね52は、圧縮された状態で組み付けられている。このため、筒状部材21は、移動手段40側に付勢されている。
支持部材53は、スプール軸5の外周面から径方向外側に延在する環状の仕切壁54と、仕切壁54の内周縁から右側に延びる筒状のガイド部55を備えており、断面視L字状に形成されている。
仕切壁54は、第1圧縮コイルばね51と第2圧縮コイルばね52とを仕切るための壁である。この仕切壁54によれば、第1圧縮コイルばね51と第2圧縮コイルばね52との端部同士を直接当接させる必要がない。
よって、従来技術で説明した、圧縮コイルばねの端部同士の不安定な当接状態に起因する不具合は生じない。
さらに、第1圧縮コイルばね51の端部と第2圧縮コイルばね52の端部同士を当接させる必要がないため、圧縮コイルばねの高度な加工精度を要求されず、圧縮コイルばねを安価とすることができる。
なお、スプール軸5の外周面には段差部58がスプール軸5の大径部と小径部との境界によって形成され、この段差部58に仕切壁54の左面の一部が当接している。これによれば、第1圧縮コイルばね51と第2圧縮コイルばね52の付勢力の差分から、支持部材53は導電体20の左側に押圧されているものの、段差部58に係止して左側に移動しないように規制されている。
なお、本実施形態の段差部58は、特許請求の範囲に記載の「規制部」に相当する構成である。
仕切壁54の外周縁は、第1圧縮コイルばね51よりも径方向外側に突出し、筒状部材21の当接部23と対向している。よって、筒状部材21が磁石部30側に移動すると、仕切壁54の外周縁に筒状部材21の当接部23が当接する。
仕切壁54と当接部23との距離は、L1に設定されている。よって、第1圧縮コイルばね51は、L1以上収縮しないように制限されている。
また、距離L1は、第1圧縮コイルばね51がこの分だけ(L1分だけ)収縮しても密着長(線同士が密着した状態)とならない長さに設定されている。つまり、筒状部材21の当接部23が仕切壁54に当接して第2圧縮コイル52を押圧する場合においても、第1圧縮コイルばね51は密着長とならないようになっている。この結果、第1圧縮コイルばね51の負担が軽減し、第1圧縮コイルばね51の疲労破壊を抑制できる。
ガイド部55の内径は、スプール軸5の外形よりも僅かに大きく形成されている。よって、支持部材53がスプール軸5方向に移動する際、ガイド部55がスプール軸5に外周面に摺動し、支持部材53の移動がスムーズとなる。なお、第2圧縮コイル52において収縮可能なストロークL2は、ガイド部55の右端部からカラー57までの距離である。
以上の構成によれば、キャスティングの中期においてスプール6に付与される制動力は以下の通りである。
スプール6の回転速度が所定値未満の場合、言い換えると、カム面41の押圧力が小さい場合、図5(a)に示すように、ばねレートが低い第1圧縮コイルばね51が収縮し、ばねレートが高い第2圧縮コイルばね52は略収縮しない。よって、第1圧縮コイルばね51の収縮量の分だけ、導電体20が磁石部30側に移動し、比較的小さな制動力がスプール6に作用する。
図5(b)に示すように、スプール6の回転速度が所定値となった場合、カム面41の押圧により第1圧縮コイルばね51の収縮量がL1となる。よって、導電体20及び筒状部材21は、第1圧縮コイルばね51の収縮量L1の分だけ、磁石部30側に移動する。
また、この場合においても、ばねレートが高い第2圧縮コイルばね52略収縮しないため、支持部材53の位置は変位しない。よって、距離L1の分だけ磁石部30側に移動する筒状部材21の当接部23は仕切壁54に当接する。
図5(c)に示すように、スプール6の回転速度が所定値を超えた場合、カム面41の押圧力が支持部材53を介して第2圧縮コイルばね52に作用するため、第2圧縮コイルばね52が収縮する。よって、導電体20は、第1圧縮コイルばね51の収縮量と第2圧縮コイルばね52の収縮量とを足し合わせた分だけ、磁石部30側に移動し、比較的大きな制動力がスプール6に作用する。
以上、実施形態によれば、スプール6が所定の回転速度以下の場合、第1圧縮コイルばね51が収縮し、スプール6に付与される制動力(ブレーキ特性)は、第1圧縮コイルばね51に起因したものとなる。
一方で、スプール6が所定の回転速度を超える場合、第2圧縮コイルばね52が収縮し、スプール6に付与される制動力(ブレーキ特性)は、第2圧縮コイルばね52に起因したものとなる。
このように、スプール6の所定の回転速度を基準として(筒状部材21の移動距離がL1の場合を基準にして)、第1圧縮コイルばね51に起因したブレーキ特性から、第2圧縮コイルばね52に起因したブレーキ特性に切り替わり、それぞれのブレーキ特性の再現性が高くなっている。
なお、本実施形態では段差部58が形成されているが、仮に段差部58がないと、第2圧縮コイルばね52の付勢力により支持部材53は筒状部材21側に位置するようになる。よって、仕切壁54(支持部材53)と当接部23(筒状部材21)の距離がL1よりも短くなり、第1圧縮コイルばね51において収縮可能なストロークが短くなる。
この結果、第1圧縮コイルばね51に起因するブレーキ特性によってスプール6に付与される制動力の変化幅が小さくなる。そして、スプール6の回転速度の低速領域において、所望の制動力をスプール6に付与できないおそれがある。
一方で、本実施形態によれば、段差部58により、仕切壁54と当接部23との距離が所定のL1に設定され、第1圧縮コイルばね51に起因するブレーキ特性によってスプール6に付与される制動力の変化幅が適切に確保されるため、所望の制動力をスプールに付与することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は実施形態で説明した例に限定されない。例えば、実施形態において筒状部材21と支持部材53(仕切壁54)との間に配置された第1圧縮コイルばね51を支持部材53(仕切壁54)とカラー57との間に設け、一方で、支持部材53とカラー57との間に配置された第2圧縮コイルばね52を筒状部材21と支持部材53との間に設けてもよい。
このような変形例によれば、第2圧縮コイルばね52に押圧される支持部材53は、段差部58に係止せず第2圧縮コイルばね52が自然長となるものの、従来技術で説明した、圧縮コイルばねの端部同士の不安定な当接状態に起因する不具合を解消することができる。
また、実施形態では、スプール軸5の段差部58に支持部材53が係止しているが、この段差部58の代わりに、図6(a)に示すように、筒状のカラー157を用いてもよい。この筒状のカラー157の右端の内周側には、第2圧縮コイルばね52の右端を支持するリング状の支持壁157aが形成され、カラー157の左端の内周側には、支持部材53の仕切壁54の左面に係止する係止部157bが形成されている。
このようなカラー157であっても、支持部材53の移動を規制でき、第1圧縮コイルばね51において収縮可能なストロークを確保することができる。
なお、変形例のカラー157を用いる場合、筒状部材121の当接部123を右側に突出するように形成する必要がある。この当接部123によれば、係止部157bに接触することなく、仕切壁54に当接(押圧)することができる。
そのほか、実施形態及び上記変形例では、筒状部材21,121に仕切壁54(支持部材53)に当接する当接部23,123を形成しているが、導電体20に当接部23,123を形成してもよい。
なお、図6(a)に示すように、リング状の支持壁157aの移動を規制する規制部157cを形成してカラー157を軸方向規制することで、より安定する。
また、実施形態の仕切壁54は、断面視でスプール軸5の外周面から径方向外側に直線状に延在しているが、図6(b)に示すように、断面視でクランク状の仕切壁254であってもよい。
仕切壁254は、段差部58に沿って延在し第2圧縮コイルばね52が当接する第1仕切壁254aと、第1仕切壁254aの上端から右側に延出する筒状の筒部254bと、筒部254bの右端から径方向外側に延出し第1圧縮コイルばね51が当接する第2仕切壁254cと、を備えている。
この変形例の仕切壁254によれば、第1圧縮コイルばね51及び第2圧縮コイルばね52のそれぞれの収縮可能なストロークL1,L2を変えることなく、磁気制動装置14Bをスプール軸5方向(左右方向)に小型化することができる。
また、本発明は、支持部材353が仕切壁354のみから構成されてもよい。つまり、ガイド部55、段差部58、及び当接部23を備えていない磁気制動装置14Cであってもよい。このような支持部材353であっても、従来技術で説明した、圧縮コイルばねの端部同士の不安定な当接状態に起因する不具合が解消される。
また、実施形態では、カム面41が形成された移動手段40により導電体20を磁石部30側に移動させているが、スプール6の回転により導電体20を磁石部30側に移動できればよく、本発明は移動手段40に限定されない。
例えば、図7(a)に示すように、移動手段440は、径方向外側に突出する複数の突起442が形成された筒状部材441と、突起442に嵌め込まれた遠心カラー443と、を備えている。
筒状部材441は、スプール軸5に外嵌され、スプール軸5に対し回転不能、かつ、スプール軸5方向に移動自在に支持されている。また、各突起442の外端には、右側(磁石部30)側に延びて導電体20を支持する支持部442aが設けられている。
遠心カラー443の外周面443aは、磁石部30側に向うにつれて、スプール軸5の径方向外側に張り出すように傾斜し、スプール6の糸巻胴部6aの内周面(傾斜面)に当接している。
遠心カラー443は、突起442に対してスプール軸5の径方向に移動自在に支持され、スプール6の回転により遠心力が作用し、スプール軸5の径方向外側に移動する。
なお、遠心カラー443には、スプール軸5の径方向への移動の際、支持部442aとの干渉を回避するための切り欠き(不図示)が設けられている。
これによれば、スプール6が回転すると、図7(b)に示すように、遠心カラー443は、遠心力により糸巻胴部6aの内周面に沿って右側(磁石部30側)に案内される(図7(b)の矢印B参照)。これに伴い、筒状部材441が右側(磁石部30側)に移動し、導電体20を磁石部30の隙間Sに進入させることができる。
1 リール本体
5 スプール軸(支軸)
6 スプール
14,14A,14B,14C 磁気制動装置
20 導電体
21,121 筒状部材
21a 被押圧面
23,123 当接部
30 磁石部
31 内側磁石部
32 外側磁石部
35 制動力調整ノブ
40 移動手段
41 カム面
50 付勢部
51 第1圧縮コイルばね
52 第2圧縮コイルばね
53,353 支持部材
54,254,354 仕切壁
55 ガイド部
57 カラー
58 段差部(規制部)
100 両軸受型リール
157 カラー
157a 支持壁
157b 係止部(規制部)
440 移動手段
441 筒状部材
442 突起
443 遠心カラー

Claims (1)

  1. 釣糸の放出により回転するスプールに制動力を付与する磁気制動装置を備えた魚釣用リールであって、
    前記磁気制動装置は、前記スプールの支軸方向に移動自在な導電体と、前記導電体に対し対向配置される磁石部と、前記スプールの回転により前記導電体を前記磁石部側へ移動させる移動手段と、前記導電体を前記磁石部から離間する方向に付勢する付勢部と、を備え、
    前記付勢部は、前記スプールの支軸上に設けられ互いに前記支軸方向に並ぶ第1圧縮コイルばね及び第2圧縮コイルばねと、
    前記支軸に支持され前記支軸方向に移動自在な支持部材と、を有し、
    前記第2圧縮コイルばねは、前記第1圧縮コイルばねよりもばね定数が大きく、
    前記支持部材は、前記導電体の前記支軸方向の側方にて、前記第1圧縮コイルばねと第2圧縮コイルばねとの間に介在する仕切壁を有しており、
    前記第1圧縮コイルばねが収縮した場合に、前記支持部材が当接する当接部を前記導電体側に備え、
    前記支持部材が前記当接部に当接することにより、前記第1圧縮コイルばねが所定の収縮量を超えて収縮しないように収縮量が制限されていることを特徴とする魚釣用リール。
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