JP7097808B2 - 油性固形化粧料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油性固形化粧料の製造方法に関する。
従来より、アイシャドウ等の固形化粧料の表面にロゴや模様を形成することが行われている。例えば、特許文献1及び2には、所定の形状を有する第1化粧料を、第2化粧料の上面に形成することにより、上面に立体的形状を有する固形化粧料を製造する方法が開示されている。特許文献3には、第1化粧料を成形した後に、該第1化粧料に接するように第2化粧料を成形することで、視覚的に区別可能な2つ以上の領域からなる固形化粧料を製造する方法が開示されている。
特開2014-129270号公報 特開2011-121897号公報 特開2002-47135号公報
特許文献1及び2に記載された製造方法で製造された固形化粧料は、第2化粧料の上面に、第1化粧料が所定の形状で形成された構成となっている。そのため、例えば固形化粧料の使用時に、指や化粧道具が第1化粧料に触れたときに、該第1化粧料が剥がれたり、ずれたりし易い。このように、特許文献1及び2に記載された製造方法により製造された固形化粧料は、その上面に形成された立体形状に構造的な課題がある。
特許文献3に記載された製造方法では、成形された第1化粧料を充填容器内に配置し、該充填容器内に第2化粧料を充填し固化させることで、固形化粧料を製造している。製造された固形化粧料において、第1化粧料を所望の形状及び配置とするためには、第2化粧料を充填容器内に充填するときに、第1化粧料が倒れたりせず、所望の姿勢を維持している必要がある。そのため、特許文献3に記載された製造方法では、第1化粧料の形状に一定の制限があり、製造上の課題があるため、例えば第1化粧料を微細な形状とすることは困難である。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る油性固形化粧料の製造方法を提供することにある。
本発明は、第1油性固形化粧料の一部が第2油性固形化粧料の表面から突出している油性固形化粧料の製造方法であって、貫通孔を有する上型と、凹部を有し、該上型よりも硬度が低い下型とを、前記貫通孔の下側の開口と前記凹部とが重なるように重ね、該貫通孔側から、該貫通孔内及び前記凹部内に、溶融された第1油性固形化粧料を充填する第1充填工程と、前記上型を前記下型から取り外す上型取外し工程と、前記下型から突出する第1油性固形化粧料を囲むように配された型枠の内側に、溶融された第2油性固形化粧料を充填する第2充填工程と、前記下型を取り外す下型取外し工程とを有する、油性固形化粧料の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、特段の制約なく任意の立体形状を表面に有する油性固形化粧料を製造することができる。また、表面に形成された立体形状に剥がれやずれが生じ難い油性固形化粧料を製造することができる。更に、視覚的効果に優れる一方で製造上又は構造上の課題を持つ立体形状を表面に有する油性固形化粧料であっても容易に製造することができる。
図1は、本発明の第1実施形態の製造方法により製造される油性固形化粧料を示す図であり、図1(a)は、油性固形化粧料の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す油性固形化粧料を平面視した平面図であり、図1(c)は、図1(a)に示す油性固形化粧料の図1(b)のI-I線に沿う断面図である。 図2(a)は、図1(c)のIIa-IIa線に沿う断面図であり、図2(b)は、図1(c)のIIb-IIb線に沿う断面図である。 図3(a)~(e)は、本実施形態の製造方法の工程の説明図である。 図4(a)は、図3(a)のIII-III線に沿う断面図であり、図4(b)は、図3(a)のIV-IV線に沿う断面図である。 図5(a)~(e)は、本発明の第2実施形態の製造方法を説明する図であり、図3(a)~(e)相当図である。 図6は、第2実施形態の製造方法により製造される油性固形化粧料の断面図であり、図1(c)相当図である。 図7(a)~(e)は、本発明の第3実施形態の製造方法を説明する図であり、図3(a)~(e)相当図である。 図8(a)は、図7(a)のV-V線に沿う断面図であり、図8(b)は、図7(a)のVI-VI線に沿う断面図であり、図8(c)は、図7(a)のVII-VII線に沿う断面図である。 図9は、第3実施形態の製造方法により製造される油性固形化粧料を示す図であり、図9(a)は、油性固形化粧料の斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示す油性固形化粧料を平面視した平面図であり、図9(c)は、図9(a)に示す油性固形化粧料の図9(b)のVIII-VIII線に沿う断面図であり、図9(d)は、図9(c)のIX-IX線に沿う断面図であり、図9(e)は、図9(c)のX-X線に沿う断面図である。 図10(a)~(c)は、本発明の製造方法に用いられる上型及び下型の変形例を示す断面図である。 図11(a)~(c)は、本発明の製造方法に用いられる上型及び下型の変形例を示す断面図である。 図12(a)及び(b)は、本発明の製造方法の変形例を説明する図であり、図3(a)及び(b)相当図である。
以下、本発明の油性固形化粧料の製造方法を、その好ましい第1実施形態である油性固形化粧料1の製造方法を例にとり図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の油性固形化粧料の製造方法は、表面に立体形状を有する油性固形化粧料1の製造方法である。
先ず、第1実施形態の製造方法により製造される油性固形化粧料1について説明する。
油性固形化粧料1は、図1に示すように、第1油性固形化粧料41(以下、第1化粧料41ともいう)と、第2油性固形化粧料44(以下、第2化粧料44ともいう)とを備えており、型枠30の内側に収容されている。
油性固形化粧料1においては、第1化粧料41の一部が、第2化粧料44の表面から突出しており、該一部が、第2化粧料44の表面から突出する凸部42を形成している。
第1化粧料41は、図1(c)に示すように、第2化粧料44の上面44aから突出した部分である凸部42と、第2化粧料44の上面44aより下方に位置し、第2化粧料44内に埋没した部分である埋没部43とを有している。
第1化粧料41の埋没部43の埋込長さH1は、第2化粧料44の厚みD1よりも小さく、埋没部43は第2化粧料44を貫通していない。第1化粧料41の凸部42は、平面視して、花模様形状を有している。第1化粧料41の埋没部43は、図2(b)に示すように、その水平断面の形状が、凸部42の平面視形状と同じ花模様形状となっている。このように、第1化粧料41は、凸部42の上端から埋没部43の下端まで水平断面形状が同じとなっている。型枠30は、扁平な筒状をなし、平面視して矩形の環状形状を有している。第2化粧料44は、型枠30の内側に、型枠30の内周面に接触した状態に充填されている。第2化粧料44の平面視形状は、型枠30の内面の平面形状に一致している。
次に、第1実施形態の油性固形化粧料の製造方法を、図3及び図4を参照しながら説明する。図3には、第1実施形態の製造方法で用いる上型10及び下型20の断面図が示されている。上型10は、該上型10を厚み方向に貫通する貫通孔11を有している。上型10の貫通孔11は油性固形化粧料1における第1化粧料41の埋没部43を成形する部分であり、貫通孔11の形状と埋没部43の形状とは一致する。貫通孔11は、図4(a)に示すように、花模様形状の平面視形状を有している。下型20は、下側に窪んだ凹部21を有している。下型20の凹部21は油性固形化粧料1における第1化粧料41の凸部42を成形する部分であり、凹部21の形状と凸部42の形状とは一致する。凹部21は、図4(b)に示すように、花模様形状の平面視形状を有している。
下型20は、上型10よりも硬度が低くなっている。下型20の硬度が低いことにより、後述する下型取外し工程において、下型20が取り外し易くなっている。ここで硬度とは、JIS K6253に記載の方法により測定されるものである。
上型10の硬度は、後述する第1化粧料除去工程において、第1化粧料41を除去するときに、上型10が変形することを防ぎ、貫通孔11に充填された第1化粧料41が変形することを防ぐ観点から、10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、後述する上型取外し工程において第1化粧料41の埋没部43が欠けることなく取り外せる観点から、100以下であることが好ましく、90以下であることがより好ましく、具体的には、10以上100以下であることが好ましく、15以上90以下であることがより好ましい。上型10は、少なくとも上型10の上面を構成する部分の硬度が上述の範囲であることが好ましい。
下型20の硬度は、上型10の硬度よりも低いことを条件として、後述する下型取外し工程において下型20の取り外しやすさを向上させる観点から、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、後述する下型取外し工程において第1化粧料41の凸部42が欠けることなく取り外せる観点から、90以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、具体的には、5以上90以下であることが好ましく、10以上80以下であることがより好ましい。
上型10の形成材料としては、金属、テフロン(登録商標)樹脂等の各種樹脂、ゴム、シリコーンエラストマー等の各種エラストマー、セラミック、木材、紙等が挙げられ、これらの中でも、後述する上型取り外し工程において上型10の取り外しやすさや、上型10の作成しやすさの観点から、金属、テフロン(登録商標)樹脂等の各種樹脂、ゴム、シリコーンエラストマー等の各種エラストマー、紙を用いることが好ましい。また後述する上型取外し工程において第1化粧料41の埋没部43が欠けることなく取り外せる観点から、これらの形成材料を複合させてもよい。具体的には、より硬度の高い形成材料を上側に積層させる形態や、より化粧料との剥離性の高い形成材料を貫通孔11の内側に配置する形態や、それらの混合形態等があげられる。下型20の形成材料としては、金属、テフロン(登録商標)樹脂等の各種樹脂、ゴム、シリコーンエラストマー等の各種エラストマー、紙等が挙げられ、これらの中でも、後述する下型取外し工程において第1化粧料41の凸部42が欠けることなく取り外せる観点から、ゴム、シリコーンエラストマー等の各種エラストマーを用いることが好ましい。上型10の形成材料と下型20の形成材料とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第1実施形態の製造方法においては、第1充填工程、上型取外し工程、第2充填工程、及び下型取外し工程をこの順に行うことによって、前述した油性固形化粧料1を製造する。
第1実施形態の製造方法においては、先ず第1充填工程を行う。
第1充填工程では、上型10と下型20とを、貫通孔11の下側の開口11bと凹部21とが重なるように重ねる(図3(a)参照)。上型10と下型20とを重ねたときに、貫通孔11と凹部21とは連通している。そして、貫通孔11側から、互いに連通した状態の貫通孔11内及び凹部21内に、溶融された第1化粧料41を充填する(図3(b)及び図3(c)参照)。
上型10と下型20とを重ねた状態において、貫通孔11の下側の開口11bと凹部21とは、全体が重なっていてもよいし、一部が重なっていてもよい。第1実施形態では、貫通孔11の下側の開口11bと凹部21との全体が重なるように、上型10と下型20とを重ねている。
尚、上型10の貫通孔11における下側の開口11bとは、上型10と下型20とを重ね合わせたときに、下型20に向けられる側の開口を意味し、上型10の貫通孔11における上側の開口11aとは、上型10と下型20とを重ね合わせたときに、下型20とは反対側に向けられる側の開口を意味する。上側の開口11aが、第1充填工程において溶融された第1化粧料41の供給を受ける側の開口である。
第1充填工程では、第1化粧料41を貫通孔11に摺り切りで充填してもよいし、第1化粧料41を、該第1化粧料41が貫通孔11の上側の開口11aから溢れ、上型10の上面に付着するように充填してもよい。また、第1化粧料41における、開口11a側の端縁が、貫通孔11の上側の開口11aと下側の開口11bとの間に位置するように、第1化粧料41を充填してもよい。
次に、上型10を下型20から取り外す上型取外し工程を行う(図3(d)参照)。上型取外し工程により、第1化粧料41における、貫通孔11内に位置していた部分43が露出し、該部分43が、下型20から突出した状態となる。第1化粧料41における、下型20から突出する部分43は、完成した油性固形化粧料1における第1化粧料41の埋没部43となるため、第1化粧料41における、下型20から突出する部分も、便宜的に埋没部43ともいう。埋没部43の突出長さH1は、第1化粧料41における、下型20の上面20aからの突出長さH1である。埋没部43の突出長さH1は、油性固形化粧料1における埋没部43の埋込長さH1と同じである。
そして、第2充填工程を行う。第2充填工程では、下型20から突出する第1化粧料41を囲むように配された型枠30の内側に、溶融された第2化粧料44を充填する(図3(e)参照)。型枠30は、下型20から突出する第1化粧料41との間に間隔を有するように配されており、下型20から突出する部分が複数存在する場合、それらの全体を囲むように配されることが好ましい。型枠30は、下型20の外周部に装着されることが好ましい。下型20から突出する第1化粧料41とは、第1化粧料41における下型20から突出する部分である。
本発明の製造方法では、第2充填工程において第2化粧料44を充填する前であれば、どの時点で、下型20に型枠30を取り付けても良い。第1実施形態では、上型取外し工程後に、下型20に型枠30を取り付けているが、それに代えて、上型取外し工程前に型枠30を取り付けても良い。例えば、型枠30は、上型10を重ねる前の下型20に取り付けても良く、上型10を重ねた後、第1化粧料41を充填する前の下型20に取り付けても良く、第1化粧料41の充填後の下型20に取り付けても良い。例えば、第1化粧料41の凸部42の形状が、型枠30に接する形状である場合は、第1化粧料41を充填する前に型枠30を取り付ける必要がある。
上型取外し工程時に、下型20に型枠30が装着されていないほうが、上型10を取り外し易いため、型枠30は、上型取外し工程後に、下型20の外周部に装着することが好ましい。
本実施形態における第2充填工程では、下型20に装着された型枠30における、下型20の上面20aからの突出長さH2と、第2化粧料44の厚みD1とが同じになるように、第2化粧料44を充填する。このようにして、第1化粧料41の埋没部43が、第2化粧料44を貫通しない状態で、第2化粧料44に埋め込まれる。
第2充填工程において、充填される第2化粧料44の温度は、特に制限されるものではないが、第2化粧料44を充填したときに第1化粧料41が溶融しない温度であることが好ましい。具体的には、第1化粧料41の形状を維持し易くする観点から、充填時における第2化粧料44の温度は、第1化粧料41の融点以下であることが好ましい。
第2充填工程後に、下型20を取り外す下型取外し工程を行う。具体的には、図3(e)中の下方向に、下型20を移動させ、下型20を取り外す。これにより、第1化粧料41における、凹部21に覆われていた部分42が露出する。このようにして、油性固形化粧料1が製造される。下型取外し工程により露出した部分42は、油性固形化粧料1における、第1化粧料41の凸部42となる部分である。下型20は硬度が低いので、第1化粧料41の凸部42の形状を維持したまま、下型20を取り外し易い。
第1実施形態の製造方法により製造された油性固形化粧料1は、立体形状を構成する第1化粧料41が第2化粧料44に埋め込まれている。したがって、例えば、指や化粧道具等で油性固形化粧料1の第1化粧料41を掬い取ったとしても、第1化粧料41が剥がれたり、ずれたりし難い。このように、第1実施形態の製造方法によれば、表面に形成された立体形状の剥がれやずれが生じ難い油性固形化粧料1を製造することができる。
また、本発明の製造方法では、上型10の貫通孔11の形状及び下型20の凹部21の形状は、特に制限されず、任意のものとすることができる。つまり、製造される油性固形化粧料1が有する第1化粧料41の形状に合わせて、上型10の貫通孔11の形状及び下型20の凹部21の形状を適宜選択することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、特段の制約なく任意の立体形状を表面に有する油性固形化粧料を製造することが可能であり、また、例えば微細な立体形状のように、視認性や意匠性等の視覚的効果に優れる一方で製造上又は構造上の課題を持つ立体形状を表面に有する油性固形化粧料であっても容易に製造することができる。
斯かる効果は、第1化粧料41の埋没部43の埋込長さH1を、第2化粧料44の厚みD1と同じとして、埋没部43が第2化粧料44を貫通している油性固形化粧料1を製造する場合も同様に奏される。
また、本発明の製造方法では、下型20の硬度は上型10の硬度よりも低くなっており、下型20と上型10とは硬度に差がある。そのため、上型取外し工程において、上型10を取り外し易く、第1化粧料41の形状を維持し易くなっている。したがって、本発明の製造方法によれば、例えば微細な立体形状のように、視覚的効果に優れる一方で製造上又は構造上の課題を持つ立体形状を表面に有する油性固形化粧料であっても容易に製造することができる。
第1実施形態では、第2充填工程を、型枠30の突出長さH2が、埋没部43の突出長さH1よりも長い状態で行っている(図3(d)参照)。したがって、第2化粧料44を充填したときに、第2化粧料44の厚みD1が、埋没部43の突出長さH1より大きくなる(図3(e)参照)。これにより、第1化粧料41の埋没部43の埋込長さH1が、第2化粧料44の厚みD1よりも小さく、埋没部43が第2化粧料44を貫通していない油性固形化粧料1を製造することができる。
第1実施形態では、貫通孔11の平面視形状と、凹部21の平面視形状とは一致しており、上型10と下型20とを重ねた状態で、貫通孔11の上側の開口11aから凹部21の下端21bまで、貫通孔11及び凹部21の水平断面の形状が同じとなっていることが好ましい(図4参照)。これにより、製造された油性固形化粧料1では、第1化粧料41は、上端から下端まで水平断面形状が同じとなる。そのため、油性固形化粧料1を使用したことにより、油性固形化粧料1の表面側が削られたとしても、未使用のときと同一の平面視形状を維持することができる。また、後述する貫通孔11と凹部21の水平断面の形状が異なっている場合に比べ、第1化粧料41を流し込みやすい点で、上型10と下型20とを重ねた状態で、貫通孔11の上側の開口11aから凹部21の下端21bまで、貫通孔11及び凹部21の水平断面の形状が同じとなっていることが好ましい。
第1充填工程と、上型取外し工程との間に、充填された第1化粧料41を冷却し固化させる冷却固化工程を行うことが好ましい。第1化粧料41を冷却する手段は、特に制限されるものではなく、例えば、冷風を送風してもよいし、室温を低下させてもよいし、冷水を当ててもよいし、放冷してもよい。冷却固化工程を行うことにより、充填された第1化粧料41が固化し、第1化粧料41の形状が維持され易くなった状態で後続の工程を行うことが可能となる。
また、第1充填工程後に、第1化粧料41が、貫通孔11の上側の開口11aから溢れ、上型10の上面に付着しているときは(図3(b)参照)、第1充填工程と、上型取外し工程との間に、上型10の上面に付着した第1化粧料41を除去する第1化粧料除去工程を行うことが好ましい(図3(c)参照)。第1化粧料除去工程は、第1化粧料41の除去しやすさの点から、第1充填工程で充填した第1化粧料41が固化した後に行うことが好ましい。第1化粧料除去工程は、冷却固化工程の前に行ってもよいし、冷却固化工程の後に行ってもよい。第1化粧料41の除去しやすさの点から、第1化粧料除去工程は冷却固化工程の後に実施することが好ましい。第1化粧料除去工程では、上型10の上面に付着した、余分な第1化粧料41を全て除去することが好ましい。第1化粧料41を除去する手段は特に制限されるものではなく、例えば、ヘラやブレード等により、上型10の上面に付着した余分な第1化粧料41をかき取ることができる。
第1化粧料除去工程を行うことは、上型取外し工程の作業性を向上させる点で好ましい。特に、第1化粧料41の充填量制御が困難である場合や、第1化粧料41の凸部42の形状が微細である場合に実施することが好ましい。
第1化粧料41及び第2化粧料44の構成材料について説明する。
第1化粧料41及び第2化粧料44は、好ましくは、連続層が油剤である化粧料中に、顔料等の粉体が分散しており、25℃にて固体又はペースト状であり、好ましくは50℃~150℃で液状の組成物である。
また、第1化粧料41及び第2化粧料44は、好ましくは、油性固形化粧料の全量中に油剤を10質量%以上98質量%以下、より好ましくは25質量%以上96質量%以下含有するものである。
油剤としては、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、サンフラワーワックス、水添ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、合成ミツロウ、合成モクロウ等の合成ワックス等のワックス;パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、12-ヒドロキシステアリン酸、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ポリアミド樹脂等の油性ゲル化剤;(スチレン/ブタジエン)コポリマー、(スチレン/イソプレン)コポリマー、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/エチレン/スチレン)コポリマー、アシル化セルロース等の増粘剤;ワセリン、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、(ベヘン酸/ポリヒドロキシステアリン酸)ペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、水添パーム油、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、オレイン酸フィトステリル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、硬質ラノリン、還元ラノリン、ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2等のペースト油;流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブチレン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸オクチルドデシル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリメリト酸トリトリデシル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリチル、テトライソステアリン酸ジペンタエリチル、メトキシケイヒ酸オクチル等のエステル油;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン、フッ素変性シリコーン等のフッ素油など液状油成分等が挙げられる。前述した各種の油剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉体としては、化粧料に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、無機粉体でも有機粉体でも良く、無機粉体と有機粉体とを併用しても良い。また粉体は、板状の粉体でも粒状の粉体でも良い。
第1化粧料41及び第2化粧料44が含有する粉体としては、色彩を付与するための着色顔料、光輝性顔料、体質顔料等の顔料、油溶性染料等が挙げられ、これらは1種を単独で又は二種以上を組み合わせて配合することができる。第1化粧料41と第2化粧料44とで、組成が異なっていても良いことは当然である。
第1化粧料41及び第2化粧料44は、第1化粧料41及び第2化粧料44の全量中に粉体を0.01質量%以上90質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上45質量%以下である。
第1化粧料41と第2化粧料44とは、色調が同一であってもよいし、異なっていてもよいが、固形化粧料1の意匠性を向上させる観点から、色調が異なっていることが好ましい。色調が異なるとは、色相、明度、彩度及び透明性の何れか一つ又は複数が異なることを意味する。色調を異ならせる方法としては、第1化粧料41と第2化粧料4とに異なる種類の顔料や染料を配合する方法や、第1化粧料41及び第2化粧料4のいずれか一方のみに顔料や染料を配合する方法等があるが、これらに限定されず多様な方法を用いることができる。
上型10の厚みD2、即ち貫通孔11の長さD2に対する下型20の凹部21の深さD3の比であるD3/D2、及び埋没部43の埋込長さH1に対する凸部42の突出長さT1の比であるT1/H1は、凸部42の視認性を高め、意匠性等を向上させる観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上であり、指や化粧道具等が、凸部42に触れたとしても、凸部42が剥がれたりずれたりすることが生じにくくする観点から、好ましくは100以下であり、より好ましくは30以下であり、これらの両立の観点から、好ましくは0.01以上100以下であり、より好ましくは0.03以上30以下である。
上型10が、長さが異なる複数の貫通孔11を有する場合、貫通孔11の長さD2は、長さが最も長い貫通孔11の長さD2である。下型20が、深さが異なる複数の凹部21を有する場合、凹部21の深さD3は、深さが最も深い凹部21の深さD3である。
また貫通孔11の長さD2及び埋没部43の埋込長さH1は、指や化粧道具等が、凸部42に触れたとしても、凸部42が剥がれたりずれたりすることが生じにくくする観点から、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、上型取外し工程において、上型10を取り外し易く、第1化粧料41の形状を維持し易くする観点から、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下、これらの両立の観点から、好ましくは0.05mm以上50mm以下、より好ましくは0.1mm以上30mm以下である。
また下型20の凹部21の深さD3及び凸部42の突出長さT1は、凸部42の視認性を高め、意匠性等を向上させる観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、指や化粧道具等が、凸部42に触れたとしても、凸部42が剥がれたりずれたりすることが生じにくくする観点から、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下であり、これらの両立の観点から、好ましくは0.1mm以上50mm以下、より好ましくは0.2mm以上20mm以下である。
型枠30の構成材料としては、ポリエチレン、プロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、AS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂等が挙げられ、これらの中でも、成型性、硬度及び耐熱性の観点から、プロピレン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)を用いることが好ましい。第1実施形態では、型枠30の平面視形状は矩形となっているが、型枠30の平面視形状は、特に制限されるものではなく、矩形の他に、円形、楕円形、星形、ハート形、台形、三角形、五角形以上の多角形、文字形、数字型、動物形、植物形、花形、人形、手形、顔形等であってもよい。
次に、本発明の油性固形化粧料の製造方法の第2及び第3実施形態について、図5~図9を参照しながら説明する。第2及び第3実施形態については、第1実施形態と異なる点について説明する。特に説明しない点については、第1実施形態と同様であり、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第2実施形態の製造方法では、第2充填工程を、型枠30における下型20の上面20aからの突出長さH2と、第1化粧料41における下型20の上面20aからの突出長さH1とが略一致した状態で行っている。ここで、前記突出長さH2と前記突出長さH1とが略一致しているとは、型枠30における下型20の上面20aからの突出方向の端縁30aと第1化粧料41における下型20の上面20aからの突出方向の端縁43aとが同一平面上に位置し、前記突出長さH2と前記突出長さH1とが一致している場合のみならず、例えば型枠30の前記端縁30a又は第1化粧料41の前記端縁43aの表面が凹凸を有しており、前記突出長さH2と前記突出長さH1とが略一致している場合も含む意味である。型枠30の前記端縁30a又は第1化粧料41の前記端縁43aが凹凸を有している場合、前記突出長さH2及び前記突出長さH1の平均値をそれぞれ、前記突出長さH2及び前記突出長さH1とすることができる。前記突出長さH1は、前記突出長さH2に対して±5%以内にあることが好ましい。
第2実施形態では、上型10の厚みD2(図5(a)参照)と型枠30の突出長さH2(図5(d)参照)とが同じとなっている。これにより、第2充填工程において、型枠30の突出長さH2と埋没部43の突出長さH1とが略一致するため(図5(d)参照)、第2化粧料44を充填したときに、第2化粧料44の厚みD1と埋没部43の突出長さH1とが略一致する(図5(e)参照)。したがって、第2実施形態の製造方法により製造された油性固形化粧料1Bでは、図6に示すように、第1化粧料41の埋没部43の端縁43aが第2化粧料44の下端44bと略一致しており、第1化粧料41の埋没部43が第2化粧料44を貫通している。このため、油性固形化粧料1Bでは、第2化粧料44の下端44b側の面にも花模様形状に第1化粧料41が表れる。このように、第2実施形態の製造方法によれば、上側から見たときのみならず、下側から見たときにも、意匠性に優れる油性固形化粧料1Bを製造することができる。
次に、本発明の第3実施形態の製造方法について、図7を参照しながら説明する。第3実施形態では、貫通孔11と凹部21とは、水平断面の形状が異なっている。水平断面の形状が異なっているとは、貫通孔11は厚み方向に同じ水平断面形状が連続しており、凹部21は厚み方向に同じ水平断面形状が連続しており、貫通孔11の水平断面形状と凹部21の水平断面形状とが異なっている場合(図10(a)参照)や、貫通孔11は厚み方向に同じ水平断面形状が連続しており、凹部21は2種以上の水平断面形状を有しており、凹部21の2種以上の水平断面形状の何れかと貫通孔11の水平断面形状とが異なる場合(図10(b)参照)、貫通孔11は2種以上の水平断面形状を有しており、凹部21は厚み方向に同じ水平断面形状が連続しており、貫通孔11の2種以上の水平断面形状の何れかと凹部21の水平断面形状とが異なる場合(図7(a)参照)、貫通孔11は2種以上の水平断面形状を有しており、凹部21は2種以上の水平断面形状を有しており、貫通孔11の2種以上の水平断面形状の何れかと凹部21の2種以上の水平断面形状の何れかとが異なる場合(図10(c)参照)を含む意味である。
第3実施形態では、貫通孔11は2種の水平断面形状を有しており、凹部21は厚み方向に同じ水平断面形状が連続しており、貫通孔11の2種の水平断面形状と凹部21の水平断面形状とが異なっている。詳述すると、貫通孔11は、図7(a)に示すように、略L字状の鉛直断面形状を有しており、上側の開口11aの形状と下側の開口11bの形状とが異なっている。上側の開口11aは一方向に湾曲した帯状形状の平面視形状を有しており(図8(a)参照)、下側の開口1bは円形状の平面視形状を有している(図8(b)参照)。凹部21は、図7(a)に示すように、略コの字形状の鉛直断面形状を有しており、水平断面形状が、円環状形状となっている(図8(c)参照)。
第3実施形態では、上型10の貫通孔11は、水平断面における面積が上側の開口11aから下側の開口11bに向かって大きくなっている。貫通孔11がこのような形状を有していると、上型取外し工程において上型10を取り外すときに無理抜きとなり難く、第1化粧料41の埋没部43の形状を維持し易くなる。
下型取外し工程において、下型20を取り外すときに無理抜きとなり難く、第1化粧料41の凸部42の形状を維持し易くする観点から、下型20の凹部21は、水平断面における面積が下側から上側に向かって大きくなっていることが好ましい。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、油性固形化粧料1Cの製造を行う(図7(a)~(e)参照)。第3実施形態の製造方法により製造された油性固形化粧料1Cは、図9に示すように、第1化粧料41の水平断面形状が厚み方向に変化している。より具体的には、凸部42の形状と埋没部43の形状とが異なっている。凸部42は、図9(a)及び(b)に示すように、円環形状の水平断面形状を有している。埋没部43は複数の水平断面形状を有している。埋没部43は、厚み方向上側では、円形状の水平断面形状を有しており(図9(d)参照)、厚み方向下側では、一方向に湾曲した帯状形状の水平断面形状を有している(図9(e)参照)。つまり油性固形化粧料1Cは、未使用の状態では、平面視して円環形状の凸部42立体形状が形成されており、使用し油性固形化粧料1Cの表面側が削られるにつれて、円形状の埋没部43、一方向に湾曲した帯状形状の埋没部43が、この順で現れるようになっている。上型10の貫通孔11及び下型20の凹部21の水平断面形状を異ならせることにより、凸部42と埋没部43の形状が異なる油性固形化粧料1Cを製造することができる。
本発明の製造方法、例えば、第1~第3実施形態の製造方法により製造される油性固形化粧料(以下、固形化粧料1ともいう)の好ましい構成について、前述した固形化粧料1を例に、更に説明する。以下の固形化粧料1についての説明は、本発明の製造方法を何ら制限するものではない。
固形化粧料1は、図1に示すように、第1化粧料41から形成された模様形成部41と、第2化粧料44から形成されたベース部44とを備えており、枠30の内側に収容されている。枠30は、扁平な筒状をなし、平面視して矩形の環状形状を有している。ベース部44は、略直方体形状を有しており、型枠30の内側に、型枠30の内周面に接触した状態に収容されている。ベース部44の平面視形状は、型枠30の内面の平面形状に一致している。ベース部44の上面44aには、模様形成部41の一部からなる立体形状が形成されている。模様形成部41を形成する第1化粧料及びベース部44を形成する第2化粧料については、後述する。
模様形成部41は、ベース部44の上面44aから突出する凸部42を有しており、該凸部42により、ベース部44の上面44aに立体形状が形成されている。固形化粧料1においては、凸部42は平面視して花模様形状の立体形状を有しており、ベース部44の上面44aより上方に、水平断面形状が高さ方向Zに連続して花模様形状の立体形状が形成されている。固形化粧料1の高さ方向Zは、ベース部44の上面44a又は下面44bに対して垂直な方向であり、ベース部44の上面44a及び下面44bに対して垂直な方向であることが好ましい。凸部42の平面視形状は、任意の形状とすることができる。凸部42の平面視形状は、例えば、文字、図形、記号、又はこれらの組み合わせの形状とすることができる。文字は、ひらがな、カタカナ、英字の大文字、小文字、アラビア数字、ローマ数字、諸外国の文字、これらの組み合わせ等であっても良く、デフォルメされた文字であっても良い。凸部42の平面視形状は、線状部分で囲まれた部分を有することが好ましい。図1(b)に示す花模様形状は、6枚の花びらを有する花の中央部分及び各花びら部分に、線状部分及び線状部分で囲まれた部分を有している。
模様形成部41は、凸部42に加えて埋没部43を有している。すなわち、模様形成部41は、ベース部44の上面44aから突出する凸部42と、ベース部44の上面44aより下方に位置し、ベース部44内に埋没している埋没部43とを有している。また、模様形成部41における凸部42と埋没部43とは連続している。
固形化粧料1は、模様形成部41の埋没部43とベース部44とで、固形化粧料1の高さ方向Zの長さが異なっていてもよいし、同じであってもよい。
固形化粧料1における模様形成部41は、凸部42と埋没部43とで、水平断面形状が同じであってもよいし、異なっていてもよい。図1に示す固形化粧料1では、模様形成部41は、図2に示すように、凸部42の水平断面形状と、埋没部43の水平断面形状とが同じとなっている。より具体的には、模様形成部41の上端部から下端部まで、水平断面形状が同じとなっている。
模様形成部41の凸部42及び埋没部43の水平断面形状が同じであると、固形化粧料1を使用し、模様形成部41及びベース部44が削られたとしても、使用前又は使用初期と同様の平面視形状が維持され、模様形成部41によって表される模様が、長期間変化しない等の利点がある。
固形化粧料1は、凸部42が長細い形状を有していてもよい。具体的には、凸部42又は凸部42及び埋没部43の両方が、線状部分を含む水平断面形状を有していてもよい。図1に示す固形化粧料1では、凸部42及び埋没部43は水平断面形状が同じであり、凸部42及び埋没部43の両方が、線状部分を含む水平断面形状を有している。図1に示す固形化粧料1では、凸部42及び埋没部43の水平断面形状は、図2(a)及び(b)に示すように、環状部分46と、該環状部分46の周囲に配された6個の線状部分47とを含んでいる。6個の線状部分47は、それぞれ、U字形状を有しており、両端が環状部分46に接続している。線状部分とは、長さ方向の長さL2が幅方向の長さL1の、倍以上である部分を意味し、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上である部分である。上限は特に制限はないが、例えば1000倍以下である。長手方向の具体的長さが特定されていなくても、幅方向の長さL1に対して3倍以上の長さを有する部分は線状部分である。
線状部分の幅方向の長さL1は、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、また好ましくは30mm以下であり、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上30mm以下であり、より好ましくは0.2mm以上10mm以下である。
長さ方向の長さL2及び幅方向の長さL1について、凸部42の水平断面形状を例に、図2(a)を参照しながら説明する。以下の説明は、埋没部43における、長さ方向の長さL2及び幅方向の長さL1についても、適宜適用される。
長細い形状を有する凸部に関し、長さ方向の長さL2とは、凸部42における一方の側縁と他方の側縁との間の中心線M(幅方向の中点を結ぶ線)に沿って測定した長さを意味する。幅方向の長さとは、凸部42の長さ方向に直交する方向の長さL1を意味する。幅方向の長さL1が一定でない場合は、凸部42の幅方向の長さの平均値を前記長さL1とする。
凸部42の水平断面形状は、線状部分47のみからなるものであってもよい。
固形化粧料1は、凸部を1つのみ有していてもよいし、複数有していてもよい。固形化粧料1が複数の凸部42を有している場合は、全部の凸部42が線状部分47を有していてもよいし、一部の凸部42が線状部分47を有していてもよい。
固形化粧料1が複数の凸部42を有している場合は、各凸部42と高さ方向に連続している埋没部43は、埋没部43どうしが独立して相互に離間していてもよいし、水平方向に連続する1つの埋没部43であってもよい。
凸部42及び埋没部43の何れか一方又は両方が、線状部分を含む水平断面形状を有していることにより、模様形成部41の凸部42や埋没部43によって形成される模様が、繊細なものとなり、使用前や使用中における意匠性が向上する。
固形化粧料1によれば、模様形成部41が凸部42及び埋没部43を有するため、水平断面形状が線状部分を含むような繊細な模様等を形成しても、凸部42又は埋没部4により形成される模様の形態が、安定に維持される。
固形化粧料1の全体の形状は、特に制限されるものではなく、例えば、スティック形状や、ドーム形状等の立体形状であってもよいし、扁平な形状であってもよい。図1に示す固形化粧料1は、扁平な形状を有している。固形化粧料1が扁平な形状である場合、平面方向における最大長さL3に対する厚みTは、好ましくは5%以上100%未満であり、より好ましくは10%以上90%以下である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した各実施形態に制限されず、適宜変更可能である。
例えば、第1~第3実施形態では、上型10における下型20との対向面、及び下型20における上型10との対向面は、何れも面一となっているが、上型10及び下型20の互いに対向する面は、面一でなくともよい。例えば、上型10は、図11(a)に示すように、上型10と下型20との対向面よりも下型20側に突出する部分51を有していてもよい。また下型20は、図11(b)に示すように、上型10と下型20との対向面よりも上型10側に突出する部分52を有していてもよい。
上型10は、図11(c)に示すような、複数の部材61,62からなる割型であってもよい。
第1~第3実施形態では、上型10は、連続した1つの貫通孔11を有しているが、上型10は、不連続な複数の貫通孔11c,11dを有していてもよい(図12(a)参照)。また第1~第3実施形態では、下型20は、連続した1つの凹部21を有しているが、下型20は、不連続な複数の凹部21c,21dを有していてもよい(図12(a)参照)。上型10が不連続な複数の貫通孔11c,11dを有しており、下型20が不連続な複数の凹部21を有している場合は、第1充填工程において、それぞれの貫通孔11から、組成の異なる第1化粧料41c,41d、例えば色調の異なる第1化粧料41c,41dを充填してもよい(図12(b)参照)。このようにして油性固形化粧料1を製造することで、例えば複数の色調からなる立体形状を有する油性固形化粧料1を製造することができる。
また本発明で製造する油性固形化粧料は、下型取外し工程後に型枠30を外す工程を行うことで得られる油性固形化粧料であっても良い。
本発明で製造する油性固形化粧料の用途としては、口紅、グロス、口紅下地、アイシャドウ、アイブロー、アイライナー、アイクリーム、ハイライト、チーク、ファンデーション、ファンデーション下地等が挙げられる。
10 上型
11貫通孔
11b 下側の開口
20 下型
21 凹部
30 型枠
41 第1油性固形化粧料
43 下型から突出する第1油性固形化粧料
44 第2油性固形化粧料

Claims (12)

  1. 第1油性固形化粧料の一部が第2油性固形化粧料の表面から突出している油性固形化粧料の製造方法であって、
    貫通孔を有する上型と、凹部を有し、該上型よりも硬度が低い下型とを、前記貫通孔の下側の開口と前記凹部とが重なるように重ね、該貫通孔側から、該貫通孔内及び前記凹部内に、溶融された第1油性固形化粧料を充填する第1充填工程と、
    前記上型を前記下型から取り外す上型取外し工程と、
    前記下型から突出する第1油性固形化粧料を囲むように配された型枠の内側に、溶融された第2油性固形化粧料を充填する第2充填工程と、
    前記下型を取り外す下型取外し工程とを有する、油性固形化粧料の製造方法。
  2. 第2充填工程を、前記型枠における前記下型の上面からの突出長さと、第1油性固形化粧料における該下型の上面からの突出長さとが略一致した状態で行う、請求項1に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  3. 第2充填工程を、前記型枠における前記下型の上面からの突出長さが、第1油性固形化粧料における該下型の上面からの突出長さよりも長い状態で行う、請求項1に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  4. 前記貫通孔における、上側の開口の形状と下側の開口の形状とが異なっている、請求項1~3の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  5. 前記貫通孔は、水平断面における面積が上側の開口から下側の開口に向かって大きくなっている、請求項4に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  6. 前記凹部は、水平断面の形状が異なる部分を有している、請求項1~5の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  7. 前記凹部は、水平断面における面積が下側から上側に向かって大きくなっている、請求項6に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  8. 前記貫通孔と前記凹部とは、水平断面の形状が異なる、請求項1~7の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  9. 前記上型と前記下型とを、前記貫通孔の下側の開口と前記凹部とが重なるように重ねたときに、該貫通孔の上側の開口から該凹部の下端まで、該貫通孔及び該凹部の水平断面の形状が同じである、請求項1~3の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  10. 第1充填工程と、前記上型取外し工程との間に、
    充填された第1油性固形化粧料を冷却し、第1油性固形化粧料を固化させるか又は第1油性固形化粧料の固化を促進させる、冷却固化工程を有する、請求項1~9の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  11. 第1充填工程と、前記上型取外し工程との間に、
    前記上型の上面に付着した第1油性固形化粧料を除去する第1化粧料除去工程を有する、請求項1~10の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
  12. 製造する前記油性固形化粧料が、第1油性固形化粧料から形成された模様形成部と、第2油性固形化粧料から形成されたベース部とを備え、
    前記模様形成部は、前記ベース部の上面から突出する凸部と、該ベース部の上面より下方に位置し、該ベース部内に埋没している埋没部とを有している、請求項1~11の何れか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
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