JP2021024857A - 油性固形物の製造方法及び油性固形物 - Google Patents

油性固形物の製造方法及び油性固形物 Download PDF

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【課題】第1油性固形物を覆う第2油性固形物に欠陥の無い油性固形物を製造する。【解決手段】型6内に溶融された第2油性固形物52を充填する工程、同工程の前後又は同時に型内に中子7を挿入し中子と型とを非接触状に配置する工程、中子を型内から引抜く工程、中子の引抜き後に得られた第2油性固形物の凹部9A内に溶融された第1油性固形物51を充填する工程、型を取外す工程を有する。中子は型への挿入方向Z1の先端部71の開口71aと基端側に開口72aとを連通する連通路73を備え、基端側の開口は第2油性固形物が型内に充填され且つ型内に中子が設置された状態において第2油性固形物に埋没しない位置に形成されている。第2油性固形物を型内に充填する前後又は充填時に型内に中子を設置するときに連通路内の一部に空間を残した状態に連通路を閉塞し、中子を引抜く前に連通路の閉塞状態を解除する。【選択図】図2

Description

本発明は、油性固形物の製造方法及び油性固形物に関する。
従来、多層構造の油性固形物が知られている。油性固形物としては、例えば、口紅の紅身等の油性固形化粧料が挙げられ、特許文献1〜3には、第1油性固形化粧料の少なくとも一部が第2油性固形化粧料に覆われている油性固形化粧料が記載されている。2層構造を有する油性固形化粧料の製造方法としては、特許文献4及び5に記載された方法が知られている。
特許文献4には、第2油性固形化粧料であるスラリー状物を成型用金型内に流し込み、該スラリー状物の外部側を固形化させた後、溶融状態にある内部側を流出させ、内部側に凹部を有する外層部を成型する工程と、第1油性固形化粧料であるスラリー状物を外層部の内部側の凹部に流し込み、固形化して内部層を成型する工程とを含む多層状固形油性化粧料の製造方法が記載されている。
特許文献5には、半円状の型孔を有する左右一対の型鈑を係合させて得た円柱状の型孔の中心部に中型(中子)を設置して該中型の周辺部に第2油性固形化粧料である口紅原料を注入し、これを冷却固化せしめた後、前記中型を除去すると共に該中型の抜跡空胴部に前記とは色調を異にする第1油性固形化粧料である口紅原料を注入し、これを冷却固化せしめるようにした多色棒口紅の製造方法が記載されている。
特表2013−522227号公報 特開2017−95452号公報 特開2017−119698号公報 特開昭63−166818号公報(特公平4−78602) 特開昭61−112008号公報
特許文献4に記載された方法では、第2油性固形化粧料における溶融状態の部分を流出させることにより、第1油性固形化粧料を流し込むための凹部を形成している。したがって、凹部の形状を制御し難く、第1油性固形化粧料と第2油性固形化粧料との境界の形状を制御することは困難であり、設計した第1油性固形化粧料の特定の形状を再現性よく正確に生じさせることは困難である。
特許文献5に記載された方法は、中型の先端を円柱状の型孔の底部に接触させているため、第2油性固形化粧料の冷却固化後に得られる中型の抜跡空胴部は、型孔の底部に達している。したがって、抜跡空胴部に第1油性固形化粧料を流し込んで得られる多色棒口紅は、第1油性固形化粧料が第2油性固形化粧料を貫通し、第1油性固形化粧料の先端が、第2油性固形化粧料に覆われていないものとなる。
本発明者は、第1油性固形物の、中型の先端側に位置する一端が第2油性固形物に覆われている油性固形物を得るべく、特許文献5の技術を改良して、非公知の技術ではあるが、中型の先端を型孔の底部から離した状態で、第2油性固形化粧料を流し込み、その冷却固化後に中型を除去して形成される抜跡空胴部に第1油性固形化粧料を流し込む技術(以下「改良技術」ともいう)を開発した。しかしながら、この改良技術により、第1油性固形物の一端が第2油性固形物で覆われた油性固形物を製造しようとした場合、第1油性固形物を覆う第2油性固形物に、第1油性固形物側に向かって陥没した部分等の欠陥が生じる場合があり、斯かる欠陥の無い油性固形物を確実に製造することはできなかった。
本発明の課題は、前述した従来技術及び非公知の改良技術が有する欠点を解消し得る油性固形物の製造方法及び油性固形物を提供することにある。
本発明は、第1油性固形物の一端が第2油性固形物に覆われている油性固形物の製造方法であって、有底の型内の少なくとも一部に、溶融された第2油性固形物を充填する第1充填工程と、前記第1充填工程の前、若しくは後、又は該第1充填工程と同時に、前記型内に中子を挿入し、該中子が該型と非接触状態となるように該中子を設置する設置工程と、前記中子を前記型内から引き抜く中子引抜き工程と、前記中子を引き抜くことで得られた第2油性固形物の凹部内に、溶融された第1油性固形物を充填する第2充填工程と、前記型を取り外す型取外し工程とを有しており、前記中子は、前記型への挿入方向の先端部の開口と基端側の開口との間を連通する連通路を備え、前記基端側の開口は、溶融された第2油性固形物が前記型内に充填され且つ前記型内に前記中子が設置された状態において該第2油性固形物に埋没しない位置に、形成されており、溶融された第2油性固形物を充填する前の前記型内に前記中子を設置する場合、若しくは溶融された第2油性固形物の前記型内への充填後に前記型内に前記中子を設置する場合、又は溶融された第2油性固形物の前記型内への充填と同時に前記型内に前記中子を設置する場合に、前記連通路を、該連通路内の一部に空間を残した状態に閉塞しておき、前記中子を引き抜くのに先立ち、前記連通路の閉塞状態を解除する、油性固形物の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明は、軸を有する第1油性固形物と、第1油性固形物の先端側の一端、及び該一端から連続して軸方向に延びる軸部の少なくとも一部を覆う第2油性固形物とを含む、油性固形物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の油性固形物の製造方法によれば、第1油性固形物の一端が第2油性固形物で覆われている油性固形物であって、第2油性固形物に陥没部等の欠陥が無い油性固形物を効率よく製造することができる。
本発明の油性固形物によれば、第1油性固形物が第2油性固形物から露出したり第2油性固形物を透かして見えたりする際の見え方や見えた面の意匠性を選択的に設計することができ、商品の差別化および商品価値の向上を図ることができる。
図1は、本発明の油性固形物の製造方法によって製造される油性固形物の一例である棒状化粧料及びその棒状化粧料を備えた化粧料製品を示す斜視図である。 図2(a)〜(f)は、本発明の第1実施態様の製造方法を説明するための模式断面図である。 図3(a)〜(f)は、本発明の第1実施態様の変形例1の製造方法を説明するための模式断面図である。 図4(a)〜(c)は、本発明の第2実施態様の製造方法を説明するための模式断面図であり、図4(a)及び(b)は、図2(a)及び(b)相当図である。 図5(a)〜(c)は、本発明の第3実施態様の製造方法を説明するための模式断面図であり、図2(a)〜(c)相当図である。 図6は、本発明の油性固形物の製造方法の変形例を説明するための模式断面図であり、図2(b)相当図である。 図7(a)〜(d)は、本発明の油性固形物の製造方法に係る中子の変形例を示す模式断面図であり、図2(b)相当図である。 図8(a)〜(f)は、本発明の油性固形物の製造方法の変形例を説明するための模式断面図である。 図9(a)〜(h)は、本発明の油性固形物の製造方法の別の変形例を説明するための模式断面図である。 図10は、図1に示す化粧料製品の分解斜視図である。 図11(a)は、図2(a)のA−A線断面図であり且つ図4(a)のC−C線断面図である。図11(b)は、図2(a)のB−B線断面図である。図11(c)は、図4(c)のD−D線断面図である。 図12(a)は、図9(a)のE−E線断面図、図12(b)は、図9(c)のF−F線断面図である。 図13(a)は、本発明の製造方法で用いる型の変形例を説明するための模式断面図、図13(b)は図13(a)の型で製造した油性固形物を示す縦断面図である。図13(c)は、図7(b)に示す中子を用いて製造した油性固形物を示す縦断面図である。 図14(a)は、本発明の製造方法の設置工程を、中子の別の変形例を用いて行った様子を示す模式断面図、図14(b)は、図14(a)に示す設置工程後の第2充填工程を示す模式断面図、図14(c)は、図14(a)に示す設置工程及び図14(b)に示す第2充填工程を含む製造工程で製造された油性固形物の構成を説明する模式断面図である。
以下、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明する。
図1には、本発明の油性固形物の製造方法によって製造される油性固形物の一例である化粧料(以下「棒状化粧料2」ともいう)が示されている。本発明によって製造される油性固形物は、好ましくは、図1に示す化粧料である棒状化粧料2のように、化粧料用容器3に取り付けられて化粧料製品1の一部として使用される。化粧料用容器3は、好ましくは棒状化粧料2を昇降させる昇降機構20を備えており、図1には、昇降機構20により棒状化粧料2を上昇させた状態が示されている。図10には、昇降機構20の一例が示されている。
棒状化粧料2としては、例えば口紅、リップクリーム、リップグロス、スティックアイシャドウ、アイブロー、アイライナー、スティックファンデーション、コンシーラー、美白スティック等の、棒状の形状を有する油性固形化粧料、特にメイクアップ化粧料が挙げられる。
本発明の油性固形物の製造方法で製造される棒状化粧料2は、図1及び図10に示すように、第1油性固形物51の一端51aが第2油性固形物52に覆われている。第1油性固形物51の一端51aは、第1油性固形物51の軸方向Zの両端のうち、棒状化粧料2の製造時に、有底の型6の底部6cにより近い側に位置していた端部である。第1油性固形物51の軸方向Zとは、第1油性固形物51が棒状の場合は、その長手方向であり、ブロック状の場合は、その高さ方向等である。第1油性固形物51の軸方向Zの他端51bは、第2油性固形物52に覆われていてもよいし、覆われていなくてもよい。図1及び図10に示す棒状化粧料2においては、第1油性固形物51の軸方向Zの他端51bは、第2油性固形物52に覆われておらず、棒状化粧料2の表面に露出している。
以下、本発明の油性固形物の製造方法の好ましい第1実施態様について、図1に示す棒状化粧料2を製造する場合を例に、図2を参照しながら説明する。図2に示す製造方法においては、図1に示す棒状化粧料2が、上下を逆にした倒立状態で製造される。また、図1及び図10においては、棒状化粧料2の軸方向Zにおける、第2油性固形物52が第1油性固形物51を覆っている側の端部である先端部が、第1油性固形物51の軸方向Zに対して傾斜した傾斜面を有するのに対して、図2においては、棒状化粧料2及びそれを製造するための各部材を簡略化して示してあり、便宜上、傾斜面を、棒状化粧料2の軸方向Zに対して垂直な面として示してある。棒状化粧料2の軸方向Zは、第1油性固形物51の軸方向Zと同方向であり、同一の符号で表す。
型6は、合体及び分離可能な二個の割型6a,6bを含んで構成されており、合体状態で軸方向Zの一方側に底部6cが形成され、軸方向Zの他方側に開口部6dが形成される有底筒状を成している。本実施態様においては、底部6cが後述する中子7の挿入方向Z1(下方)に位置し、開口部6dが上方に位置するように配される。開口部6dは、中子7の挿入口であり、第2油性固形物52の充填口を形成する。
第1実施態様の油性固形物の製造方法は、(1)設置工程、(2)第1充填工程、(3)中子引抜き工程、(4)第2充填工程、及び(5)型取外し工程をこの順に備える。
(1)設置工程
設置工程においては、まず、有底の型6内に開口部6dから中子7を挿入し、該中子7が該型6と非接触状態となるように該中子7を設置する(図2(a)参照)。中子7を型6内に設置した状態において、中子7と型6とは、少なくとも、中子7における型6内への挿入方向Z1の先端部71と型6とが接触していない。また中子7は、後述する第1充填工程において第2油性固形物52に埋没する部分が型6と接触していないことが好ましい。中子7を、該中子7と型6とが非接触状態となるように設置する方法は特に制限されず、例えば、中子7を、その基端側を把持、螺合、係合等により支持体に支持させた状態として、型6内に配置することにより、中子7と型6とを非接触状態としてもよい。
第1実施態様に用いる中子7は、型6内への挿入方向Z1の先端部71の開口71aと基端側の開口72aとの間を連通する連通路73を備えている。連通路73は、中子7を、型6内へ挿入する挿入方向Z1と同方向に延びている。第1実施態様においては、中子7は、棒状体であり、中子7及び連通路73は、いずれも、中子7の挿入方向Z1と平行な方向に延びている。基端側の開口72aは、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填したときに、該第2油性固形物52に埋没しない位置に形成されている。
(2)第1充填工程
次に、第1充填工程を行う。第1充填工程においては、溶融された第2油性固形物52を開口部6dから型6内に充填する(図2(b)参照)。溶融された第2油性固形物52を型6内へ充填するときには、連通路73を、該連通路73内の一部に空間73aを残した状態に閉塞しておく。連通路73を閉塞しておくことにより、第2油性固形物52を型6内に充填するときに、第2油性固形物52が連通路73に入り込むことを防ぐことができる。第1実施態様においては、連通路73の閉塞を、栓部材8により基端側の開口72aを閉塞して行う。
栓部材8は、連通路73を閉塞する部分として、基端側閉塞部81を備えている。基端側閉塞部81は、基端側の開口72aに脱着自在に取り付けられて該開口72aを閉塞することができるようになっている。栓部材8は、連通路73の開口72aの外側に、基端側閉塞部81等を重ねて配置することにより、該開口72aを閉鎖するものであっても良い。基端側閉塞部81は、連通路73の開口72aを閉鎖可能な大きさを有している。中子7又は型6は、螺合、係合、嵌合、押し付け等の任意の方法により、栓部材8を、連通路73を閉鎖した状態に固定可能であることが好ましい。
第1実施態様で用いる栓部材8は、連通路73内に挿入される連通路内挿入部82を備えている。連通路内挿入部82は、図2(a)のA−A線断面を示す図11(a)に示すように、連通路73内に配されて該連通路73内の容積を減少させることができるようになっている。連通路内挿入部82は、基端側閉塞部81と一体成形したものであっても良いし、別に製造したものを、融着、接着剤、螺合、係合、嵌合等の任意の手段により基端側閉塞部81と結合したものであっても良い。本実施態様において、栓部材8は開口72aを閉塞する取付状態において、先端部71の開口71aを図2(a)のB−B線断面を示す図11(b)に示すように閉塞しない長さとされている。
第1実施態様においては、基端側閉塞部81により基端側の開口72aを閉塞するとともに、連通路内挿入部82を連通路73内に配し該連通路73内の容積を減少させる。その後、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填する。充填された第2油性固形物52における前記挿入方向Z1の先端側の端部は、棒状化粧料2における第2油性固形物52の一端52aとなる。また充填された第2油性固形物52における前記挿入方向Z1の基端側の端部は、棒状化粧料2における第2油性固形物52の他端52bとなる。ここで、中子7の連通路73が栓部材8で気密に閉鎖(密栓)されているため、溶融状態の第2油性固形物52は、中子7の内の連通路73内には開口71aを介して殆ど流れ込まない。
充填された第2油性固形物52が固化した後に、中子引抜き工程を行う。
(3)中子引抜き工程
中子引抜き工程においては、まず、連通路73の閉塞状態を解除する(図2(c)参照)。第1実施態様においては、栓部材8を連通路73から部分的に、あるいは全てを引き抜くことにより、連通路73の閉塞状態を解除する。
次に、中子7を型6内から引き抜く(図2(d)参照)。中子7を引き抜くのに先立ち、連通路73の閉塞状態を解除することにより、中子7を引き抜くときに、中子7と第2油性固形物52とで囲まれる空間9内に連通路73を介して空気が流入するようになるため、該空間9が減圧されることを防ぐことができる。中子7を型6内から引き抜いた後に、第2充填工程を行う。
(4)第2充填工程
第2充填工程においては、中子7を引き抜くことで得られた第2油性固形物52の凹部9A内に、溶融された第1油性固形物51を充填する(図2(e)参照)。充填された第1油性固形物51におけるZ1方向の先端側の一端51aは、棒状化粧料2における第1油性固形物51の一端51aとなる。また充填された第1油性固形物51におけるZ1方向の基端側の端部51bは、棒状化粧料2における第1油性固形物51の他端51bとなる。第1実施態様においては、第1油性固形物51が第2油性固形物52の他端52b側の面を覆うように、第1油性固形物51を充填する。充填された第1油性固形物51が固化し、第1油性固形物51の一端51aが第2油性固形物52に覆われた固化体200が形成された後に、型取外し工程を行う。
(5)型取外し工程
型取外し工程においては、固化体200から型6を取り外すことによって、棒状化粧料2が得られる(図2(f)参照)。割型6a,6bの合体状態で、上記の各工程を行った後、二つの割型6a,6bに分割することにより、固化体200を容易に取り出すことができる。固化体200は、内部に、第1油性固形物51が完全には固化していない部分を有する半固化状態であっても良く、その場合、内部も完全に固化したときに、棒状化粧料2として完成する。
第1実施態様の製造方法によれば、このようにして、第1油性固形物51と第2油性固形物52とからなり、第1油性固形物51の一端51aが第2油性固形物52に覆われた形状の棒状化粧料2を製造することができ、また第1油性固形物51を覆う第2油性固形物52に、陥没した部分等の欠陥が生じることを防止することができる。
すなわち、第1実施態様の製造方法によれば、溶融された第2油性固形物52を型6内へ充填するときに、連通路73を、連通路73内の一部に空間73aを残した状態に閉塞しておき、中子7を引き抜くのに先立ち、連通路73の閉塞状態を解除しているため、中子7を引き抜くときに、中子7と第2油性固形物52との間に形成される空間9内に、連通路73を介して空気が流入するため、空間9内が減圧され難くなる。前記空間9が減圧され難くなることにより、該空間9を囲む第2油性固形物52が該空間9側に引っ張られ第2油性固形物52が崩れたり陥没したりすることを防ぐことができる。第1実施態様においては、溶融された第2油性固形物52を充填する前の型6内に中子7を設置するときに、栓部材8で連通路73内の一部に空間を残した状態に閉塞しているが、連通路73の閉塞は、型6内に中子7を設置する前、型6内に設置した後、型6内に設置する途中段階のいずれの段階で行っても良い。
前記空間9が減圧され難くなるという作用により、第1実施態様の製造方法によれば、第1油性固形物51の一端が第2油性固形物52で覆われた棒状化粧料2であって、第2油性固形物に陥没部等の欠陥が無い油性固形物を効率よく製造することができる。また、第2油性固形物52が柔らかいものであったり、薄いものであっても製造することができ、第2油性固形物52の硬さや厚みに関わらず、設計通りの層構造を有する棒状化粧料2を製造することも容易である。また、棒状化粧料2の最外層が崩れることなく、欠陥の無い、美しい面ができることから、例えば第2油性固形物52の先端部に加飾のあるようなデザインの棒状化粧料であっても設計どおりの表面形状の棒状化粧料を製造することもできる。
第1実施態様により製造される棒状化粧料の一具体例である、図1及び図10に示す棒状化粧料2について更に説明すると、棒状化粧料2は、略円筒形状の棒状を有している。また棒状化粧料2における第1油性固形物51は、軸Yを有している。第1油性固形物51は、軸方向Zに延びる軸部となる小径部51cと、略円板形状の円板部51dとを有している。本実施態様において、小径部51cは略円筒形状を成している。小径部51cの一端が、第2油性固形物52に覆われた第1油性固形物51の一端51aとなっている。小径部51cの少なくとも一部は、第2油性固形物52に覆われている。本実施態様においては、小径部51cの全部は、第2油性固形物52に覆われている。円板部51dは、第1油性固形物51の一端51aとは反対側に配されており、小径部51cに比して、軸Yに対して垂直な平面に沿って切断した横断面の面積が大きくなっている。円板部51dの一部は、第2油性固形物52に覆われておらず、円板部51dの側面及び下面は露出している。円板部51dの下面が、第1油性固形物51の他端51bとなっている。つまり、小径部51cは一端51aから連続して軸方向Zに延びている軸部を構成している。なお、軸Yとは第1油性固形物51の軸中心線である。軸Yは、後述する外筒30の軸と同一軸線上に位置する軸である。
第1充填工程において、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填すると、中子7の連通路73の形状や大きさによっては、連通路73内の空気が熱せられ、閉塞されていない先端部71の開口71aから排出されることがある。先端部71の開口71aから空気が排出されることにより、充填された第2油性固形物52が変形したり、第2油性固形物52の中に気泡が混入してしまう場合がある。
これに対して、第1実施態様においては、栓部材8が連通路内挿入部82を備えていることにより、連通路73内の容積を減少させ、連通路73内から排出される空気量を減少させることができるようになっている。これにより、充填された第2油性固形物52が変形することを防止することができるため、連通路73の加工精度や形状、大きさを気にすることなく、欠陥の無い棒状化粧料2を更に容易に製造することができる。
第1充填工程の前に設置工程を行い、中子7を型6内に設置する場合、中子7の設置が容易である。また、中子7を設置するタイミングで型6内の第2油性固形物52の温度や硬さの管理が不要となる。
第1実施態様の変形例1について図3を用いて説明する。
上述した図2の製造方法では、有底の型6内に開口部6dから予め中子7を挿入し、該中子7が該型6と非接触状態となるように設置した状態下において、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填していた。これに対し、本変形例1の油性固形物の製造方法は、第2油性固形物52の充填後に中子7を設置する。
すなわち、第1充填工程(図3(a))の後に、設置工程(図3(b))を行う。
中子引抜き工程(図3(c)、図3(d))から型取外し工程(図3(f))までの工程は、上述した図2の製造方法で説明した工程と同様の工程である。また、中子7の構成は、上述した図2の製造方法で説明した中子7を用いている。このため、ここでは図2の製造方法と異なる点を主に説明する。
第1充填工程では、型6内に溶融された第2油性固形物52を必要量だけ充填する。充填する必要量とは、好ましくは、型6内に充填された第2油性固形物52内に中子7を沈めて型6内に配置した際に、第2油性固形物52が型6の内面の所定範囲に行き渡る量であり、また好ましくは、型6の開口部6dから第2油性固形物52が溢れない量である。型6の内面の所定範囲に行き渡る量とは、型6の内部空間の全容積に満たない量であってもよく、例えば型6の内部空間の全容積の1/5〜4/5程度の量であってよい。
設置工程では、中子7を開口部6dから挿入方向Z1に挿入して型6内に充填された第2油性固形物61内に沈めるとともに、第2油性固形物61内に埋没する先端部71と型6とが接触していないように設置する。
開口72aは、溶融された第2油性固形物52が型6内に充填され且つ型6内に中子7が設置された状態において第2油性固形物52に埋没しない位置に形成されている。開口72aは、溶融された第2油性固形物52を充填した後の型6内に中子7を設置する前に、例えば栓部材8で連通路73内の一部に空間を残した状態に閉塞しておく。
連通路73の閉塞状態は、中子7を引き抜くのに先立ち、栓部材8を中子7の連通路73から部分的に、あるいはすべてを引き出すことで解除する。
そして、中子引抜き工程によって、中子7を第2油性固形物52から引き抜き、第2油性固形物52の凹部9A内に、溶融した第1油性固形物51を第2充填工程において充填する。充填後、充填された第1油性固形物51が固化し、第1油性固形物51の一端51aが第2油性固形物52に覆われた固化体200が形成された後に型取外し工程を行う。型取外し工程では、二つの割型6a,6bを分割することにより、固化体200を容易に取り出すことができる。そして、固化体200が完全に固化したときに、棒状化粧料2として完成する。
このような図3に例示した製造方法によれば、溶融された第2油性固形物52が充填された型6内へ中子7を設置する場合には、連通路73を、連通路73内の一部に空間73aを残した状態に閉塞しておき、中子7を引き抜くのに先立ち、連通路73の閉塞状態を解除する。これにより、空間9内が減圧され難くなり、空間9を囲む第2油性固形物52が該空間9側に引っ張られ第2油性固形物52が崩れたり陥没したりすることを防ぐことができる。このことにより、棒状化粧料2の外層となる第2油性固形物の欠陥が無い油性固形物を効率よく製造することができる。
また、第1充填工程の後に中子7を型6内に設置するので、第2油性固形物52の充填時に中子7を回避して充填する必要がなく、充填が容易に行える。
中子7を開口部6dから型6内へ設置後、第2油性固形物52を型6内に充填しようとした場合、中子の形状や大きさによっては、開口部6dからの充填が難しく、あるいは効率的でないため、型6に充填口を形成することも考えられる。第2油性固形物52を型6内に充填した後に中子7を第2油性固形物52内に沈むように型6内に配置すると、中子7の挿入口と第2油性固形物52の充填口とを開口部6dで共用しやすく、型等の簡素化を図りやすい。
第1実施態様の変形例2について説明する。本変形例2の油性固形物の製造方法は、第2油性固形物52を充填する第1充填工程と同時に、中子7を設置する設置工程を行う。第1充填工程と設置工程とを同時に行うとは、充填開始と設置開始が同時、充填終了と設置終了が同時、又は第1充填工程と設置工程それぞれの開始から終了までが同時、の各態様だけでなく、中子7の設置工程の一部と第2油性固形物52の充填工程の一部とが重なって行われる態様を含む。
第1充填工程と同時に中子7を設置する設置工程を行う場合、工程にかかる時間を短縮することになり、油性固形物である棒状化粧料2の製造の迅速化を図れる。
さらに、中子7を設置するタイミングで型6内の第2油性固形物52の温度や硬さの管理が容易となる。また、型6内への第2油性固形物52の充填と中子7の設置とを開口部6dから行おうとした場合、両者の作業が干渉することが想定されるとき、中子7の挿入口となる開口部6dとは別に、第2油性固形物52を型6内に充填する充填口を型6に個別に設けてもよい。この場合、型の構造は複雑になるものの、作業時間の短縮を図ることができる利点がある。
このように、第1充填工程の前、若しくは後、又は第1充填工程と同時に、型内に中子7を挿入し中子7が該型6と非接触状態となるように中子7を設置する設置工程を有する場合、以下の共通のメリットがある。
第2油性固形物52の内面(第1油性固形物51の外面)の平面部等を任意に形成することができることから、第2油性固形物52の内面(第1油性固形物51の外面)形状のコントロール性が良くなる。また、第1油性固形物51と第2油性固形物52の境界を明確化できる。さらに、第2油性固形物52の厚みを薄くしたり厚くしたりすることを容易に行えることから、厚みの均一性やコントロール性が良くなる。この結果、生産・品質の安定性につながる。
第1充填工程の後又は第1充填工程と同時に中子7を設置する設置工程を行う場合は、以下の共通のメリットがある。
例えば、中子7の先端部71と型6の底部6cとの間の隙間Ca(図2(a)参照)が小さくても、図3(a)に示すように、予め型6内に第2油性固形物52が充填されているので、この隙間Caに第2油性固形物52を充填することが容易に行える。同様に、中子7の外周面と型6の内部空間の内周面6eとの間の隙間Cb(図2(a)参照)が小さくても、予め型6内に第2油性固形物52が充填されているので、この隙間Cbに第2油性固形物52を充填することが容易に行える。
言い換えると、隙間Ca、Cbへの第2油性固形物52の充填不足による欠陥を気にすることなく、第2油性固形物52の先端側の一端52aの厚みまたは第1油性固形物51の軸直角方向Xに位置する第2油性固形物52の側部52e(図2(f)参照)の厚みを、厚くしたり薄くしたり自在に変えることができる。ここでいう軸直角方向Xとは、軸方向Zと直交する方向である。
すなわち、少なくとも中子7の先端部71と型6の底部6cとの間の隙間Caに、第2油性固形物52が行き渡ればよい。そのためには、棒状化粧料2の製造に必要な第2油性固形物52の充填量の全量を一度に型6内に充填しなくてもよく、例えば、隙間Caに第2油性固形物52が行き渡ることが可能な量だけ最初に型6内に充填し、中子7を設置した後、残りの第2油性固形物52を型6内に充填する多段階充填(複数回充填)としてもよい。
また、中子7の先端部71と型の底部6cとの間の隙間Caが、予め設計により定められた所定値[端部52aの厚みT2相当]よりも若干大きくなるように中子7を底部6cから離間させて仮設置してもよい。この状態で隙間Caに第2油性固形物52が行き渡るように、第2油性固形物52を型6内に充填した後、第2油性固形物52が硬化しないうちに中子7を底部6c側に移動して隙間Caを所定値まで小さくしてもよい。
あるいは、中子7の外周面と型6の内周面6eとの間の隙間Cbについても同様に、第2油性固形物52を充填した後、中子7を軸直角方向Xにさらに動かして隙間Cbを小さくしてもよい。
次に、本発明の第2及び第3実施態様について、図4及び図5を参照しながら説明する。第2及び第3実施態様については、第1実施形態と異なる点について説明する。特に説明しない点については、第1実施形態と同様であり、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第2実施態様においては、図4(a)に示すように、連通路73の閉塞を、栓部材8により先端部71の開口71aを閉塞して行う。
第2実施態様においては、栓部材8は、基端側閉塞部81を備えておらず、連通路内挿入部82の先端に先端側閉塞部83を備えている。先端側閉塞部83は、先端部71の開口71aを閉塞することができるようになっている。第2実施態様においては、図2(a)のA−A線断面及び図4(a)のC−C線断面を示す図11(a)に示すように、連通路内挿入部82を連通路73内に配し該連通路73内の容積を減少させるとともに、先端側閉塞部83により先端部71の開口71aを閉塞する。
そして、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填する(図4(b)参照)。その後、中子引抜き工程、第2充填工程、型取外し工程を第1実施態様と同様に行い、棒状化粧料2を製造する。
第2実施態様においては、栓部材8は先端側閉塞部83を備えていることにより、先端部71の開口71aを閉塞することができるため、第1充填工程にて溶融された第2油性固形物52を型6内に充填したときに、先端部71の開口71aから空気が排出されることをより確実に防ぐことができる。したがって、第2実施態様の製造方法によれば、欠陥の無い棒状化粧料2をより容易に製造することができる。
第2実施態様においては、栓部材8を引き抜く際に、図4(c)のD−D線断面を示す図11(c)に示すように、栓部材8の先端側閉塞部83、中子7の先端部71及び第2油性固形物52とで囲まれた空間9aが減圧されることが考えられる。しかし、栓部材8を引き抜く際に前記空間9aが減圧される程度は、従来の製造方法に比して僅かであるため、第2油性固形物52が崩れたり陥没したりし難い。
前記空間9aの減圧の程度を弱くする観点から、第2油性固形物52の先端部の厚みT2に対する先端部71の厚みT1の比であるT1/T2は、小さい方が好ましく、例えば、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下である。下限は特にないが、中子の作製の容易の観点からは、例えば0.01以上であり、好ましくは0.05以上である。空間9aの減圧の程度を弱くする観点及び中子の作製の容易性等の観点から、T1/T2は、好ましくは0.01以上10以下であり、より好ましくは0.05以上5以下である。
また第2実施態様においては、図4(a)に示すように、栓部材8の先端側閉塞部83により中子7の先端部71の開口71aを閉塞するときに、連通路内挿入部82が連通路73内に配されることになる。連通路内挿入部82を連通路73内に配したときに、連通路73内が完全に閉塞される場合、栓部材8を引き抜く際に、栓部材8、中子7の先端部71及び第2油性固形物52とで囲まれた空間9aが減圧されてしまうため、第2油性固形物52に欠陥が生じてしまう恐れがある。栓部材8を引き抜く際に、前記空間9aが減圧されることを防ぎ、第2油性固形物52に欠陥が生じることを防ぐ観点から、栓部材8により連通路73を閉塞する際には、連通路73内の一部に空間が存在していることが好ましい。
本発明の油性固形物の製造方法においては、上述のように、連通路73の閉塞を、基端側の開口72a及び先端部71の開口71aの何れを閉塞して行ってもよいし、後述するように連通路73の中間部を閉塞して行ってもよい。連通路73の閉塞し易さの観点からは、基端側の開口72aを閉塞することが好ましく、先端部71の開口71aから空気が排出されることをより確実に防ぐ観点からは、先端部71の開口71aを閉塞することが好ましい。
本発明の油性固形物の製造方法においては、基端側の開口72a及び先端部71の開口71aの少なくとも一方を栓部材8により閉塞して行うことにより、欠陥の無い棒状化粧料2を、より容易に製造することができる。
第3実施態様においては、図5に示すように、連通路73の閉塞を、栓部材8により該連通路73の中間部74を閉塞して行う。
第3実施態様においても、第2実施態様と同様に、栓部材8は、基端側閉塞部81を備えておらず、連通路内挿入部82の先端に先端側閉塞部83を備えている。第3実施態様においては、先端側閉塞部83は、連通路73の中間部74を閉塞することができるようになっている。中間部74とは、連通路73における、先端部71側の開口71aと基端側の開口72aとの間の部分を意味する。第3実施態様においては、先端側閉塞部83により連通路73の中間部74を閉塞する。
そして、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填する(図5(b)参照)。その後、中子引抜き工程、第2充填工程、型取外し工程を第1実施態様と同様に行い、棒状化粧料2を製造する。
第3実施態様においては、栓部材8の先端側閉塞部83は、その外径が、連通路73の内径よりも小さくなっており、先端側閉塞部83により中間部74を閉塞したときに、先端側閉塞部83の外周面と連通路73の内周面との間に隙間が形成されるようになっている(図5(a)及び(b)参照)。したがって、先端側閉塞部83による中間部74の閉塞を解除したときに、前記の隙間を介して、連通路73内の空間73aと先端部71側の開口71aとが連通するようになっている。このため、中間部74の閉塞を解除し栓部材8を連通路73から引き抜くときに、栓部材8の先端側閉塞部83、中子7の先端部71及び第2油性固形物52とで囲まれた空間9aが減圧されないので、第2油性固形物52に欠陥が生じることを防ぐことができる。先端側閉塞部83は、外周部に、連通路73の内周面に接触する部分と、連通路73の内周面に接触しない部分とを有していてもよい。
仮に、栓部材8の先端側閉塞部83の外径と連通路73の内径とが略一致しており、先端側閉塞部83により中間部74を閉塞したときに、先端側閉塞部83の外周面と連通路73の内周面とが密着するようになっている場合、中間部74の閉塞を解除しようとして栓部材8を引き抜くときに、連通路73内の空間73aと先端部71側の開口71aとが連通しないため、前記の空間9aが減圧されてしまい、第2油性固形物52に欠陥が生じる可能性がある。しかし、上述のように先端側閉塞部83の外周面と連通路73の内周面とが密着するようになっている場合であっても、連通路73は、該連通路73内の一部に空間73aを残した状態に閉塞されるため、連通路73内に空間73aが存在しない状態に閉塞した場合に比して、栓部材8の外周面と連通路73の内周面との密着の程度を低くすることができる。したがって、栓部材8を引き抜く際に前記空間9aは、ほとんど減圧されないか又は減圧される程度が僅かであるため、第2油性固形物52が崩れたり陥没したりする恐れは少ない。
第2及び第3実施態様においても、第1実施態様の変形例1,2と同様、設置工程において、第1充填工程の後、又は第1充填工程と同時に、型6内に中子7を挿入し型6と非接触状態となるように中子7を設置してもよい。この場合でも第1実施態様の変形例1,2と同様の作用効果を奏することができる。
第1〜第3実施態様に共通する好ましい構成について説明する。
第1〜第3実施態様においては、上述のように、中子7を第2油性固形物52から引き抜く際に前記空間9が減圧されることを防ぐことができるようになっている。従来の製造方法においても、中子における第2油性固形物に埋没している部分が短く、中子を引き抜く距離が短い場合、中子と第2油性固形物との間の空間が減圧される度合いが小さいため、第2油性固形物の硬さや厚みによっては、第2油性固形物に欠陥が生じないこともある。本発明の製造方法によれば、中子における第2油性固形物に埋没している部分が短く、中子を引き抜く距離が短い場合でも、第2油性固形物に欠陥が生じることを防ぐことができるが、本発明の効果がより顕著に奏されるようにするためには、中子における第2油性固形物に埋没している部分が長く、中子を引き抜く距離が長いことが好ましい。また、第2油性固形物52の厚みが薄い場合にも、本発明の効果がより顕著に奏される。
実施態様において、中子7における第2油性固形物52に埋没している部分の長さL2は、第1油性固形物51における軸部となる小径部51cと同一寸法とみなすことができる。このため、充填された第2油性固形物52の前記挿入方向Zの長さL1に対する中子7における第2油性固形物52に埋没している部分の長さ(小径部51cの長さ)L2の比であるL2/L1は、本発明の効果がより顕著に奏されるようにする観点から、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.3以上であり、溶融した第2油性固形物52を型6内全体に均一に充填する観点から、好ましくは0.99以下であり、より好ましくは0.95以下であり、それらの両立の観点から、好ましくは0.1以上0.99以下であり、より好ましくは0.3以上0.95以下である。
棒状化粧料2の軸方向の長さL3に対する第2油性固形物52の先端部の厚みT2の比であるT2/L3は、本発明の効果がより顕著に奏されるようにする観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、溶融した第2油性固形物52を型6内全体に均一に充填する観点から、好ましくは0.99以下であり、より好ましくは0.95以下であり、それらの両立の観点から、好ましくは0.01以上0.99以下であり、より好ましくは0.03以上0.95以下である。また、前記T2/L3は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上とすることもでき、また好ましくは0.1以上0.99以下、より好ましくは0.3以上0.95以下とすることもできる。
棒状化粧料2の軸方向先端側の領域における第2油性固形物52の最小厚み、言い換えると第2油性固形物52の表面から第1油性固形物51の表面までの最短距離は、本発明の効果がより顕著に奏される観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上30mm以下であり、より好ましくは1mm以上10mm以下である。
棒状化粧料2の軸方向先端側の領域は、棒状化粧料2を、その軸方向の長さL3を3等分して3つの領域に区分したときの先端側の2領域である。
第1〜第3実施態様の製造方法は、冷却工程を有していてもよい。冷却工程には、第1充填工程後又は設置工程後に、第2油性固形物52を強制的に冷却して、第2油性固形物52の固化を促進させる冷却工程と、第2充填工程後に、第1油性固形物51を強制的に冷却して、第1油性固形物51の固化を促進させる冷却工程とが含まれる。第1〜第3実施態様の製造方法は、上述の二つの冷却工程のうち何れか一方又は両方の冷却工程を有していてもよい。冷却工程において、第1又は第2油性固形物51,52を強制的に冷却する手段としては、第1又は第2油性固形物51,52が充填された型6を低温の空間に配置する、第1又は第2油性固形物51,52に冷風を当てる、第1又は第2油性固形物51,52が充填された型6自体を冷風、冷水又は冷却板を当てて冷やす等が挙げられる。冷却工程は、第1充填工程以後、固化体200から型6を取り外すまでの間に行うことが好ましい。第2油性固形物52の冷却工程は、第1充填工程と中子引抜き工程との間に行ってもよいし、中子引抜き工程と第2充填工程との間に行ってもよい。
第1〜第3実施態様の製造方法は、第1又は第2油性固形物51,52の固化を促進させ、第1又は第2油性固形物51,52が崩れたり陥没したりして第1又は第2油性固形物51,52に欠陥が生じることを防ぎ、欠陥の無い棒状化粧料2を容易に製造することができるようにする観点から、冷却工程を有していることが好ましい。
また第1〜第3実施態様の製造方法は、平坦化工程を有していてもよい。平坦化工程には、中子引抜き工程後に、固化した第2油性固形物52の他端52b側の一部を除去して平坦にする平坦化工程と、第2充填工程後に、固化した第1油性固形物51の他端51b側の一部を除去して平坦にする平坦化工程とが含まれる。固化した第1及び第2油性固形物51,52の他端51b,52b側とは、図2(f)に示すように、固化した第1及び第2油性固形物51,52における型6の底部6cとは反対側の面(上面)側である。
第1〜第3実施態様の製造方法は、上述の二つの平坦化工程のうち何れか一方又は両方の平坦化工程を有していてもよい。平坦化工程において、固化した第1又は第2油性固形物51,52の他端51b,52b側の一部を除去して平坦にする手段としては、ヘラやブレード等により、第1又は第2油性固形物51,52の他端51b,52b側の一部をかき取る、再加熱することより第1又は第2油性固形物51,52の他端51b,52b側の一部を溶解させる、及びこれらの手段を組み合わせる等が挙げられる。
平坦化工程は、第1又は第2充填工程後に固化した第1又は第2油性固形物51,52の他端51b,52bが凹凸を有している場合に、凹凸を除去するために行うことが好ましい。平坦化工程により、第1又は第2油性固形物51,52の他端51b,52bが凹凸を有している場合に、凸部及び凹部を含む凹凸部分、又は凸部のみを除去することにより、該他端51b,52bを平坦にすることができる。本発明においては、平坦化工程を行ってもよいし、行わなくてもよい。
第1〜第3実施態様の製造方法は、第1油性固形物51と第2油性固形物52との境界の形状を制御する観点から、平坦化工程を有していることが好ましい。
中子7は、第2油性固形物52から引き抜く際に、無理抜きとならない形状であることが好ましい。中子7は、軸方向Zに亘って横断面(軸方向Zに対して垂直な平面に沿って切断した断面)の輪郭の形状が一定であるか(図2参照)、又は該輪郭の形状が一定である同一外形部76と先窄まり形状の先端部75とを有することが好ましい(図7(a)参照)。また中子7は、先端部に向かって、外径が漸次小さくなる形状であってもよい(図7(b)参照)。
また基端側の開口72aは、連通路73の閉塞し易さの観点から、中子7における挿入方向Z1の基端部72に形成されていることが好ましい。基端側の開口72aが前記基端部72に形成されている態様には、該開口72aが中子7の基端側の端面に形成されている態様(図2参照)、及び該開口72aが前記基端部72の側面に形成されている態様(図7(c)参照)が含まれる。
型6の材質としては、金属、合成樹脂、セラミック、木材、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマー、及びこれらの同種又は異種の2以上の組み合わせ等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐久性、油性固形物の剥離性、及び加工性の観点から、金属、合成樹脂、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーを用いることが好ましい。エラストマーからなる型6を用いた場合、型取外し工程において、型6の周囲を陰圧にすることにより型6を開き、固化体200から型6を取り外すこともできる。
中子7を構成する材料としては金属、合成樹脂、セラミック、木材、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマー、及びこれらの同種又は異種の2以上の組み合わせ等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐久性、油性固形物の剥離性、及び加工性の観点から、金属、合成樹脂、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーを用いることが好ましい。
栓部材8を構成する材料としては、金属、合成樹脂、セラミック、木材、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマー、及びこれらの同種又は異種の2以上の組み合わせ等が挙げられる。これらの中でも、密閉性、耐熱性、耐久性、油性固形物の剥離性、及び加工性の観点から、金属、合成樹脂、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーを用いることが好ましい。
第1及び第2油性固形物51,52の構成材料について説明する。
第1及び第2油性固形物51,52それぞれの構成材料としては、油性固形物の用途に応じて、従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。第1油性固形物51と第2油性固形物52とは、性質の異なる油性固形組成物であることが好ましい。ここで、性質の異なる油性固形組成物とは、色調、味、香り、硬さ、揮発性、紫外線防御効果、潤い効果、塗布膜の持続効果等の諸性状及び効果の少なくとも一以上を異ならせることを意味し、中でも色調、硬さの異なる油性固形組成物であることが好ましい。
第1油性固形物51と第2油性固形物52とは、色調が同一であってもよいし、異なっていてもよいが、棒状化粧料2の意匠性を向上させる観点から、色調が異なっていることが好ましい。色調が異なるとは、色相、明度、彩度及び透明性の何れか一つ又は複数が異なることを意味する。色調を異ならせる方法としては、第1油性固形物51と第2油性固形物52とに異なる種類の顔料や染料、油剤を配合する方法や、第1油性固形物51及び第2油性固形物52のいずれか一方のみに顔料や染料を配合する方法等があるが、これらに限定されず多様な方法を用いることができる。
第1油性固形物51と第2油性固形物52とで色調以外を異ならせる態様としては、例えば、(1)第1油性固形物51の香料を、第2油性固形物52の香料とは異なる香料とする態様、(2)第1油性固形物51の硬さを、第2油性固形物52の硬さより硬くするとする態様、(3)第1油性固形物51の溶媒を、第2油性固形物52の溶媒より揮発性の高い溶媒とする態様等が挙げられる。
前記(1)の態様によれば、例えば、使用に伴い香りの変化を楽しめるといった効果が得られる。前記(2)の態様によれば、例えば、単独では成型困難な柔らかさの第2油性固形物52であっても、それよりも硬い第1油性固形物を芯材とすることで成型可能となるといった効果が得られる。前記(3)の態様によれば、例えば、使用するまで揮発性の高い第1油性固形物の溶媒の揮発を抑制することができるといった効果が得られる。
第1及び第2油性固形物51,52を構成する油性組成物の一例を示すと、好ましくは、連続層が油剤である化粧料中に、顔料等の粉体が分散しており、25℃にて固体又はペースト状であり、好ましくは50℃〜150℃で液状の組成物である。
また、第1及び第2油性固形物51,52は、好ましくは、第1及び第2油性固形物51,52の全量中に油剤を10質量%以上100質量%以下、より好ましくは25質量%以上96質量%以下含有するものである。
油剤としては、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、サンフラワーワックス、水添ホホバ油、モクロウ等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、合成ミツロウ、合成モクロウ等の合成ワックス等のワックス;パルミチン酸デキストリン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸イヌリン、12−ヒドロキシステアリン酸、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ポリアミド樹脂等の油性ゲル化剤;ワセリン、ビニルレザーワックス、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、水添パーム油、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、オレイン酸フィトステリル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、硬質ラノリン、還元ラノリン、ビスジグリセリルポリアシルアジペート−2等のペースト油;流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブチレン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸トリシクロデカンメチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、コハク酸ジ2−へチルヘキシル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸オクチルドデシル、グリセリン脂肪酸エステル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−ヘチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリメリト酸トリトリデシル、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、メトキシケイヒ酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸プロピレン等のエステル油;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン、フッ素変性シリコーン等のフッ素油;フェノキシエタノール等が挙げられる。前述した各種の油剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉体としては、化粧料に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、無機粉体でも有機粉体でも良く、無機粉体と有機粉体とを併用しても良い。また粉体は、板状の粉体でも粒状の粉体でも良い。
第1及び第2油性固形物51,52が含有する粉体としては、色彩を付与するための着色顔料、光輝性顔料、体質顔料等の顔料、油溶性染料等が挙げられ、これらは1種を単独で又は二種以上を組み合わせて配合することができる。第1油性固形物51と第2油性固形物52とで、組成が異なっていても良いことは当然である。
第1及び第2油性固形物51,52は、第1及び第2油性固形物51,52の全量中に粉体を0.001質量%以上90質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上45質量%以下である。
本発明の製造方法により製造される棒状化粧料2は、上述したように化粧料用容器3に取り付けられて使用することができる。図1及び図10に示す化粧料用容器3について説明すると、化粧料用容器3は、棒状化粧料2の下端域2aを収容する収容空間Sを有する有底筒状の中皿10、中皿10の昇降機構20、及び中皿10を収容する外筒30を具備している。中皿10の底部12には、中皿10の昇降機構20が連設されている。また中皿10の底部12には、棒状化粧料2の下端域2aを収容する際に収容空間Sの空気を収容空間S外に排出する貫通孔が設けられている。
昇降機構20は、昇降基部21を有している。昇降基部21は筒状の形状をしており、その外周面に、周方向に沿って延びる複数の環状段差部を有している。複数の環状段差部のうち、最も下側に位置する第1段差部21aは、昇降機構20が、後述する本体基部40内に収容されたときに、該本体基部40の内周壁に突設された係合用突起部と係合する。第1段差部21aよりも上方の位置には第2段差部21bは、外筒30内に昇降機構20が収容された状態において、該外筒30の下端域に形成された係合用環状突起部31と係合するようになっている。第2段差部21bよりも上方の位置には第3段差部21cが形成されている。第3段差部21cには、図10に示すとおり、Oリング24が取り付けられている。
昇降基部21はこれを横断面視したときに、その中央域が空間になっている。この空間を画成する内周壁には雌ネジが設けられている。空間内には、第1昇降部22が挿入される。第1昇降部22の外面には雄ネジ22aが設けられている。この雄ネジ22aは、上述した昇降基部21の雌ネジと螺合する。第1昇降部22を昇降基部21の空間内に挿入するときには、第1昇降部22をその軸周りに回転させて、雄ネジ22aと雌ネジとの螺合を進行させる。螺合の進行によって第1昇降部22は降下する。第1昇降部22の回転方向を反転させることで、第1昇降部22は上昇する。第1昇降部22の降下は、フランジ部22cが、昇降基部21の上端近傍の段差部に当接することで規制される。
第1昇降部22には、その内部に形成された空間を画成する内周壁に、雌ネジが設けられている。第1昇降部22の内部の空間内には、第2昇降部23が挿入される。第2昇降部23の外面には、雄ネジ23aが設けられている。この雄ネジ23aは、上述した第1昇降部22の雌ネジと螺合するようになっている。第2昇降部23を第1昇降部22の空間内に挿入するときには、第2昇降部23をその軸周りに回転させて、雄ネジ23aと雌ネジとの螺合を進行させる。螺合の進行によって第2昇降部23は降下する。第2昇降部23の回転方向を反転させることで、第2昇降部23は上昇する。
外筒30は薄肉の円筒形をした部材であり、その内部に、上述した中皿10及び昇降機構20を収容可能になっている。外筒30の下端縁は、該外筒30の軸Y(図1参照)と直交する平面上に位置しており、外筒の上端縁30aは、斜円柱の底面の周形状をしている。上端縁30aは、最上点30bと最下点30cとを有している。外筒30の下端域には、外筒30の内部の空間へ向けて突出する係合用環状突起部31が設けられており、係合用環状突起部31は、昇降機構20の昇降基部21における第2段差部21bと係合する。中皿10は、昇降機構20により外筒30内を上下方向に移動可能である一方、外筒30を片手に持って、本体基部40を他方の手で回転させる際に、中皿10は外筒30と共に回転しない。本体基部40は、これを横断面視したときに、その中央域が空間41になっている。この空間41内に、外筒30及び昇降機構20、並びに棒状化粧料2の下端域2aが収容される。本体基部40の空間41を画成する内周壁には、図示しない係合用突起部42が設けられており、昇降機構20の昇降基部21における第1段差部21aと係合するようになっている。
以上、本発明の油性固形物の製造方法を、その好ましい実施態様に基づいて説明してきたが、本発明の油性固形物の製造方法は、上述した各実施態様に限定されるものではない。
第1〜第3実施態様においては、棒状化粧料2を製造しているが、本発明の製造方法により製造される油性固形物はこれに限られず、例えば、チョコレート、制汗剤、石鹸、ロウソク、医薬品、インテリア、玩具等であってもよい。第1及び第2油性固形物51,52としては、製造される油性固形物に応じて適宜適切なものを使用することができる。
また第1〜第3実施態様においては、中子7の連通路73は、挿入方向Z1と平行に延びているが、挿入方向Z1に対して角度を有するように延びていてもよい。また連通路73は、直線状である必要は必ずしも無く、曲線状、螺旋状であってもよい。
本発明の製造方法では、連通路73の閉塞を、基端側の開口72a及び先端部71の開口71aの両方を閉塞することにより行ってもよい(図6参照)。
第1〜第3実施態様においては、栓部材8は連通路内挿入部82を備えているが、栓部材8は連通路内挿入部82を備えていなくてもよい。
また、基端側の開口72aは、第2油性固形物52の他端52bよりも軸方向Zの上側に形成されている必要は必ずしもなく、基端側の開口72aは、溶融された第2油性固形物52内に中子7が設置された状態で、該第2油性固形物52に埋没しない位置に形成されていればよい。例えば、図7(d)に示すように、基端側の開口72aは、充填された第2油性固形物52の他端52bよりも前記挿入方向Zの下側に形成されていてもよい。
また、第1〜第3実施態様においては、製造された棒状化粧料2における第1油性固形物51は、小径部51cと円板部51dとを有しているが、第1油性固形物51の形状はこれに限られない。例えば、第1油性固形物51は円板部51dを有していなくてもよい。
また、第1〜第3実施態様においては、製造された棒状化粧料2は略円筒形状を有しているが、本発明の製造方法により製造される油性固形物の形状は特に制限されるものではなく、略円筒形状以外に、略角柱形状、略多角錐形状、半球状、球状等であってもよく、その表面に凹凸により文字、ロゴ、絵、模様等が配置されていてもよい。
また第1〜第3実施態様では、第1油性固形物51が第2油性固形物52で覆われた二層構造を有する棒状化粧料2を製造しているが、本発明の製造方法では、三層以上の多層構造を有する油性固形物を製造することもできる。図8を参照しながら、第1油性固形物51、第2油性固形物52及び第3油性固形物53からなる棒状化粧料2Aを製造する方法について説明する。まず、第1〜第3実施態様と同様にして、中子7を用いて第1充填工程、設置工程及び中子引抜き工程を行う。次に、第2油性固形物52の凹部9内に別の中子7Aを挿入し、該中子7Aと第2油性固形物52とが非接触状態となるように該中子7Aを設置する(図8(a)参照)。別の中子7Aは、第1〜第3実施態様で用いた中子7と同様の構成を有している。次に、溶融された第1油性固形物51を凹部9内に充填する(図8(b)参照)。このとき、中子7Aの連通路73を、該連通路73内の一部に空間73aを残した状態に閉塞しておく。次に、連通路73の閉塞状態を解除し(図8(c)参照)、その後、中子7Aを引き抜く(図8(d)参照)。次に、中子7Aを引き抜くことで得られた第1油性固形物51の凹部9A内に、溶融された第3油性固形物53を充填する(図8(e)参照)。そして、第3油性固形物53を第1油性固形物51が覆い、該第1油性固形物51を第2油性固形物52が覆っている固化体200Aから型6を取り外すことにより、三層構造の棒状化粧料2Aが製造される(図8(f)参照)。
なお、第2油性固形物52だけでなく第1油性固形物51について、第1実施態様の変形例1,2と同様、溶融された第1油性固形物51を凹部9内に充填した後、又は充填すると同時に、凹部9内に中子7Aを挿入し、第2油性固形物52と非接触状態となるように中子7Aを設置してもよい。この場合でも第1実施態様の変形例1,2と同様の作用効果を奏することができる。
また第1〜第3実施態様では、一つの中子7を用いていたが、本発明の製造方法では、複数の中子7を用いてもよい。図9を参照しながら、二つの中子7B,7Cを用いて棒状化粧料2Bを製造する方法について説明する。まず、型6内に、二つの中子7B,7Cのそれぞれ型6と非接触状態となるように中子7B,7Cを設置する(図9(a)及び図9(a)のE−E線断面を示す図12(a)参照)。二つの中子7B,7Cはそれぞれ、第1〜第3実施態様で用いた中子7と同様の構成を有している。次に、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填する(図9(b)参照)。このとき、中子7B,7Cそれぞれの連通路73を、該連通路73内の一部に空間73aを残した状態に閉塞しておく。次に、中子7B,7Cそれぞれの連通路73の閉塞状態を解除し(図9(c)及び図9(c)のF−F線断面を示す図12(b)参照)、その後、中子7Bを引き抜く(図9(d)参照)。次に、中子7Bを引き抜くことで得られた第2油性固形物52の凹部9B内に、溶融された第1油性固形物51を充填する(図9(e)参照)。また、中子7Cを引き抜く(図9(f)参照)。次に、中子7Cを引き抜くことで得られた第2油性固形物52の凹部9C内に、溶融された第3油性固形物53を充填する(図9(g)参照)。そして、第1油性固形物51の一端51aを含む軸部となる小径部51c及び第3油性固形物53の一端53aを含む軸部53cが第2油性固形物52で覆われている固化体200Bから型6を取り外すことにより、棒状化粧料2Bが製造される(図9(h)参照)。
なお、第1実施態様の変形例1,2と同様、溶融された第2油性固形物52を型6内に充填した後、又は充填すると同時に、型6と非接触状態となるように中子7B,7Cを設置してもよい。この場合でも第1実施態様の変形例1,2と同様の作用効果を奏することができる。
このように図9の棒状化粧料2Bによると、複数の油性固形物、すなわち第1油性固形物51と、これと並んで配置された第3油性固形物53とが第2油性固形物52の内部に形成されるので、第2油性固形物52が使用により消費されて内側の第1油性固形物51や第3油性固形物53が露出したり、第2油性固形物52を透かして内側の第1油性固形物51や第3油性固形物53が見えたりする際の、見え方や見えた面の意匠性を選択的に設計することができ、より商品の差別化および商品価値の向上を図ることができる。例えば、第1油性固形物51の色調と、第2油性固形物52又は第3油性固形物53あるいは第2油性固形物52及び第3油性固形物53の色調とが異なるようにすることで、商品の差別化等の向上を図ることができる。
型6の内周面、中子7の外周面、連通路73の周面、及び連通路内挿入部82の外周面は、それぞれ横断面が円形であるものに代えて、横断面が非円形のもの、例えば、横断面が楕円や半円形のもの、三角形、四角形、五角形及び六角形等の多角形状のもの、多角形の角部を丸めたもの等であっても良い。連通路73の先端側の開口71a及び先端側閉塞部83も、横断面が非円形のもの、例えば、横断面が楕円や半円形のもの、三角形、四角形、五角形及び六角形等の多角形状のもの、多角形の角部を丸めたもの等であっても良い。連通路73の先端側の開口71aと該開口71aを閉鎖する先端側閉塞部83は、横断面形状が、円形又は非円形の相補形状であることが好ましい。また先端側閉塞部83の先端面は、中子7の先端面とともに、連続する一つの平面、凹曲面又は凸曲面を形成することが好ましい。
図13(a)は、型6の内周面6eの、軸方向Zに沿って切断した縦断面の形状が、底部6c側が半円弧形状を成したもので、この型6内に中子7を配置して、例えば第1実施態様の製造方法で棒状化粧料2を製造したものである。このような内周面6eの底部6c側の形状が半円弧形状であると、図13(b)に示すように棒状化粧料2における第2油性固形物52の一端52aが先窄まり形状(半球状)となる。
次に油性固形物である棒状化粧料2についてより詳細に説明する。
各実施態様、各変形例で説明した棒状化粧料2は、軸Yを有する第1油性固形物51と、第1油性固形物51の一端51a及び軸部の少なくとも一部を覆う第2油性固形物52とを含んでいる。第1油性固形物51の一端51aとは、軸方向Zの両端のうち、油性固形物である棒状化粧料2が使用される側の自由端である。軸部とは、一端51aから連続して軸方向Zに延びる部分である小径部51cである。
このように本発明に係る棒状化粧料2によると、第1油性固形物51の先端(自由端)側が第2油性固形物52で覆われた二層構造を有しているので、第2油性固形物52が不透明である場合、ユーザは第2油性固形物52のみを視認でき、内側に第1油性固形物51が存在していることが分からない状態である。この状態で第2油性固形物52が使用により消費されると、内側の第1油性固形物51が露出するので、視覚・嗅覚・触覚その他の感覚的に、ユーザに意外感や面白味を与えることができる。また、第2油性固形物52が透明性を有している場合、ユーザは第2油性固形物52を透かして第1油性固形物51を視認できるので、第1油性固形物51の形状や色調を適宜設計することで、高い意匠性を実現できる。したがって商品の差別化および商品価値の向上を図ることができる。
第1油性固形物51の小径部51cの軸直角方向断面(横断面)の輪郭は、図2(a)に示すように中子7の横断面の形状が軸方向Zに沿って一定である場合には、図2(f)に示すように軸方向Zに沿って一定となる。第1油性固形物51の小径部51cの前記輪郭は、図7(b)に示すように中子7の横断面の輪郭の外径が軸方向Zに沿って先端部71に向かって漸次小さくなる形状の場合には、図13(c)に示すように、一端51a側よりも他端51b側の方が大きくなる。この場合、第1油性固形物51の小径部51cの前記輪郭は、軸方向Zの複数の位置で互いに相似形であってもよい。
図14(a)は、型6内に配置する中子7が、基端部72側から先端部71側に向かって横断面が暫時減少するように傾斜面7dを備えている例を示す。中子7は、溶融された第2油性固形物52を開口部6dから型6内に充填する前、充填後又は充填と同時に型6内に配置されていればよい。第2油性固形物52の固化後に、図14(b)に示すように、中子引抜き工程を行って中子7を取り除き、第2油性固形物52の凹部9A内に溶融された第1油性固形物51を充填する第1充填工程を行う。そして、第1油性固形物51の固化後に型6を取り外す型取外し工程を行うことで、図14(c)に示すように一端51aと他端51bの間に傾斜面51eが形成された第1油性固形物51と第2油性固形物52との多重構造の棒状化粧料2が製造される。また、図14(c)に示す棒状化粧料2の場合、軸方向Zの所定の位置で、小径部51cの軸直角方向断面(横断面)の輪郭の形状が軸Yの周りに非対称に形成される。これは、中子7の横断面の輪郭の形状が軸Yの周りに非対称であることによる。
小径部51cの横断面の輪郭が軸Yの周りに対称でない例としては、小径部51cの前記輪郭が、真円であり軸Yに対して偏心しているものや、半円・台形等の形状であるものや、軸Yと交差する軸直角方向直線に関して線対称の形状であるもの等がある。
このように本発明に係る棒状化粧料2によると、第1油性固形物51の軸部となる小径部51cの輪郭形状にバリエーションを与えることができるので、内層となる第1油性固形物51の形状を好みに形成することができる。よって、第2油性固形物52が使用により消費されて内側の第1油性固形物51が露出したり第2油性固形物52を透かして第1油性固形物51が見えたりする際の見え方や見えた面の意匠性を選択的に設計することができ、より商品の差別化および商品価値の向上を図ることができる。棒状化粧料2が口紅やリップクリームの場合、第1油性固形物51と第2油性固形物52の色調や香り等を自由に組み合わせることができ、ユーザに意外感や面白味を与えることができ、商品の差別化および商品価値の向上を図ることができる。
第1油性固形物51の小径部51cの形状は、その横断面が平面部または凹曲面部あるいは凸曲面部を有していてもよい。この場合、第1油性固形物51の形状を形成する中子7には、外周面に平面部、凹曲面又は凸曲面を形成したものを用いることで、小径部51cの形状を前記のように形成することができ、意匠性を高めることができる。
図14(c)に示す棒状化粧料2の場合、第2油性固形物52の一端52aと第1油性固形物51の一端51aとの間の距離が、第1油性固形物51の一端51aを覆う第2油性固形物52の厚みT2であり、厚みT2の最小値が、第2油性固形物52の厚みの最小値Tminとなる。また、第2油性固形物52の一端52aと外周面52dとの境界52cと、第1油性固形物51の傾斜面51eと一端51aとの境界51fとの間の径方向最短距離T3の最大値が、第2油性固形物52の厚みの最大値Tmaxとなる。すなわち、中子7の外観形状(輪郭形状)を変更することで、第2油性固形物52の厚みを自由にコントロールすることができる。このため、製品としての棒状化粧料2の使い方や要求される意匠性に合わせて第2油性固形物52の厚みを調整できるとともに第1油性固形物51の形状や厚みを調整することができる。
厚みTmaxは、例えば3.5mm以上とすることで、第1油性固形物51が棒状化粧料2の軸(軸Y)から外れて偏倚したようなデザインが容易となる。それに伴い、例えば第1油性固形物51と第2油性固形物52とで色や質感、使用感が異なる場合は、使用時における第1油性固形物51と第2油性固形物52の色等の混合割合のバリエーションとともに使用に伴う混合割合の変化をより広げることが可能となる。厚みTmaxの範囲は、製品となる棒状化粧料2の直径とのバランスの観点や、第1油性固形物51の、軸Yから偏倚度合いによっても異なるが、好ましくは3.5mm以上10mm以下の範囲が好ましい。
これに対し、例えば溶融した第2油性固形物を型に入れて回転させて油性固形物の外層を形成する場合、第2油性固形物が冷却されて固まる際に遠心力の影響で第2油性固形物の横断面での厚みはバラつきが少なく、また、厚みの最大値が一定以下にならざるを得ない。このため、本実施態様で説明したような、第1油性固形物51と第2油性固形物52とによって形成される意図的な(設計による)層厚変化を有した断面形状の棒状化粧料2を製造することは難しい。
第2油性固形物52の厚みの最大値Tmaxと最小値Tminとの比Tmax/Tminは、第1油性固形物51が第2油性固形物52から露出する際の見え方や、第1油性固形物51が第2油性固形物52から透けて見える際の見え方の観点から2.5以上であるのが好ましい。すなわち、第2油性固形物52の厚みのバリエーションや厚みのコントロール性を得られる本製造方法においては、棒状化粧料2の使用性、意匠性を考慮して製造することができる。また、第2油性固形物52の厚みの比Tmax/Tminが2.5以上である(厚みが不均等である)ので、第2油性固形物52の外面から第1油性固形物51までの距離が様々に異なるデザインが可能となる。それに伴い、例えば第1油性固形物51と第2油性固形物52とで色や質感、使用感が異なる場合は、使用時における第1油性固形物51と第2油性固形物52の色等の混合割合のバリエーション等をより広げることが可能となる。
2,2A,2B 棒状化粧料
51 第1油性固形物
51a 一端
51b 他端
51c 小径部(軸部)
52 第2油性固形物
53 第3油性固形物
53a 第3油性固形物の一端
53c 軸部
3 化粧料用容器
6 型
7,7A,7B,7C 中子
73 連通路
71a 先端部の開口
72a 基端側の開口
8 栓部材
81 基端側閉塞部
82 連通路内挿入部
83 先端側閉塞部
X 軸直角方向
Y 軸
Z 軸方向

Claims (26)

  1. 第1油性固形物の一端が第2油性固形物に覆われている油性固形物の製造方法であって、
    有底の型内の少なくとも一部に、溶融された第2油性固形物を充填する第1充填工程と、
    第1充填工程の前、若しくは後、又は第1充填工程と同時に、前記型内に中子を挿入し、該中子が該型と非接触状態となるように該中子を設置する設置工程と、
    前記中子を前記型内から引き抜く中子引抜き工程と、
    前記中子を引き抜くことで得られた第2油性固形物の凹部内に、溶融された第1油性固形物を充填する第2充填工程と、
    前記型を取り外す型取外し工程とを有しており、
    前記中子は、前記型への挿入方向の先端部の開口と基端側の開口との間を連通する連通路を備え、
    前記基端側の開口は、溶融された第2油性固形物が前記型内に充填され且つ前記型内に前記中子が設置された状態において該第2油性固形物に埋没しない位置に、形成されており、
    溶融された第2油性固形物を充填する前の前記型内に前記中子を設置する場合、溶融された第2油性固形物の前記型内への充填後に前記型内に前記中子を設置する場合、又は溶融された第2油性固形物の前記型内への充填と同時に前記型内に前記中子を設置する場合に、前記連通路を、該連通路内の一部に空間を残した状態に閉塞しておき、
    前記中子を引き抜くのに先立ち、前記連通路の閉塞状態を解除する、油性固形物の製造方法。
  2. 前記連通路の閉塞は、前記基端側の開口及び前記先端部の開口の少なくとも一方を栓部材により閉塞して行う、請求項1に記載の油性固形物の製造方法。
  3. 前記栓部材は、前記連通路内に配されて該連通路内の容積を減少させる連通路内挿入部を備える、請求項2に記載の油性固形物の製造方法。
  4. 前記栓部材は、前記連通路内挿入部の先端に、前記先端部の開口を閉塞する先端側閉塞部を有する、請求項3に記載の油性固形物の製造方法。
  5. 第1充填工程後、又は設置工程後に、第2油性固形物を強制的に冷却して、第2油性固形物の固化を促進させる冷却工程を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  6. 第2充填工程後に、第1油性固形物を強制的に冷却して、第1油性固形物の固化を促進させる冷却工程を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  7. 前記中子引抜き工程後に、固化した第2油性固形物の上面側の一部を除去して平坦にする平坦化工程を有する、請求項1〜6の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  8. 前記第2充填工程後に、固化した第1油性固形物の上面側の一部を除去して平坦にする平坦化工程を有する、請求項1〜7の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  9. 前記中子は、棒状体であり、軸方向に亘って横断面の輪郭の形状が一定であるか、又は該輪郭の形状が一定である同一外形部と先窄まり形状の先端部とを有する、請求項1〜8の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  10. 前記中子は、棒状体であり、前記基端側の開口が、軸方向における前記先端側とは反対側の基端部に形成されている、請求項1〜9の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  11. 前記中子の材質が、金属、合成樹脂、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーから選択されるいずれか1種以上である、請求項1〜10の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  12. 前記型の材質が、金属、合成樹脂、合成ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーから選択されるいずれか1種以上である、請求項1〜11の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  13. 製造される前記油性固形物が、化粧料である、請求項1〜12の何れか1項に記載の油性固形物の製造方法。
  14. 軸を有する第1油性固形物と、
    第1油性固形物の先端側の一端、及び該一端から連続して軸方向に延びる軸部の少なくとも一部を覆う第2油性固形物とを含む、油性固形物。
  15. 第1油性固形物の軸直角方向断面の輪郭が、前記軸方向に沿って一定であるか又は前記一端側よりも他端側の方が大きい、請求項14記載の油性固形物。
  16. 所定の軸方向位置で、第1油性固形物の前記軸部の軸直角方向断面の輪郭が、軸周りに非対称である、請求項14又は15記載の油性固形物。
  17. 第1油性固形物の前記軸部が、平面部または凹曲面部を有する、請求項14〜16の何れか1項に記載の油性固形物。
  18. 第2油性固形物の厚みの最大値Tmaxが、3.5mm以上である、請求項14〜17の何れかに1項に記載の油性固形物。
  19. 第2油性固形物の厚みの最大値Tmaxと最小値Tminとの比Tmax/Tminが、2.5以上である。請求項14〜18の何れか1項に記載の油性固形物。
  20. 第2油性固形物の軸方向長さL1に対する、第1油性固形物の前記軸部の軸方向長さL2の比L2/L1が、0.1以上である、請求項14〜19の何れか1項に記載の油性固形物。
  21. 前記比L2/L1が、0.99以下である、請求項20に記載の油性固形物。
  22. 前記油性固形物の軸方向長さL3に対する、第1油性固形物の一端を覆う第2油性固形物の厚みT2の比T2/L3が、0.01以上である、請求項20又は請求項21に記載の油性固形物。
  23. 前記比T2/L3が、0.99以下である、請求項22に記載の油性固形物。
  24. 前記油性固形物は、軸を有する第3油性固形物を含み、
    第3油性固形物の先端側の一端、及び該一端から連続して軸方向に延びる軸部の少なくとも一部が、第2油性固形物に覆われている、請求項14〜23の何れか1項に記載の油性固形物。
  25. 第1油性固形物の色調と、第2油性固形物の色調とが異なる、請求項14〜24の何れか1項に記載の油性固形物。
  26. 前記油性固形物は化粧料である、請求項14〜25の何れか1項に記載の油性固形物。
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