JP7096563B2 - 卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は小ロット生産に好適な卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法に関する。
プリント基板等への電子部品の実装用として、小ロット生産に好適な卓上半田付け装置があり、本出願人は先にプリヒート付き卓上半田付け装置を提案している。
特許第5496968号公報
特許文献1のプリヒート付き卓上半田付け装置は、ヒータ加熱された溶融半田を溶融維持できるよう、半田槽本体の壁部表面が保温部材で覆われるが、その壁部表面を被う保温部材で、該壁部表面が一流路壁面になる流路を設ける。そして、流路の入口側にファンを設けて、該ファンで流路内へ供給したエアが、半田槽からの熱で熱風となって、保持台で支えられた基板の下面に吹付ける構成である。可搬タイプにして、新たな熱源機器を設置することなく、従来、困難視されてきたプリヒートを比較的低コストで実現し、最近の鉛フリーや水性フラックスにも対応できるなど、品質安定,生産性向上に優れものになっている。
しかし、特許文献1のプリヒート付き卓上半田付け装置は、流路確保のために装置容量が大きくなり、ファン等も別途要する問題があった。
また、特許文献1の半田付け装置は、噴流ノズルの吐出口から溶融半田が噴流する状態にして、該溶融半田の液面へ向けて基板を速やかに下降させて半田付けを行っている。特許文献1に限らず、従来の半田付け装置は、例えば特開2002-305372号公報の段落0052でも、「…溶融半田Aが図2の矢印A7に示すように、噴流口31aより噴流される。このとき、噴流口31a付近には、溶融半田Aが盛り上がった状態になっている。続いて、図3(d)に示すように、基板ホルダ21が降下する。これにより、プリント基板Bの半田付け箇所に溶融半田Aが付着する」とある。
しかるに、小ロット生産用卓上半田付け装置であっても、一度に複数の製品が仕上がるようにして生産性を高めたい場合があるが、そうすると半田付けに支障をきたした。
複数の基板をマスク治具にセットして、溶融半田の液面へ向けて基板を速やかに下降させて半田付けを行うのであるが、基板の数が増えるのに伴って溶融半田の液面が大きくなり、その分、液面と基板裏面との間の空気が抜けきらず、図12のようにスルーホール周りに空気溜まりEが残ってしまい、半田付けの品質不良が発生した。
本発明は、上記問題を解決するもので、プリヒート用の流路確保やファン等の設備なしで、プリヒートを可能にし、しかも半田付け品質を良好に保って、複数の基板の半田付けを一度に実現できる卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、ケーシング内にヒータで加熱した溶融半田を収容する半田槽が設けられ、且つ該溶融半田をポンプで循環させ、該半田槽の上方に突出する噴流ノズルの吐出口から噴流する溶融半田に、マスク治具を介して保持枠に支えられた基板のスルーホールが浸かる下端位置と該噴流する溶融半田から上方へ離れた上端位置との間で該保持枠を昇降させる昇降機構を備え、且つ前記吐出口の開口面積が噴流ノズル基端部の開口面積よりも広くなっており、さらに前記保持枠上に設けたフレームに本体固定部を取付け、可動部先端を盤状体に固着して進退動可能にし、該可動部の進出により、前記スルーホールにリードを挿入して前記基板上に載る電子部品を覆うケース上面に当てた該盤状体を下方に向けて押圧する押圧手段を設けた卓上半田付け装置を用い、前記昇降機構、前記ポンプ、及び該押圧手段を起動させて、該押圧手段で、該盤状体が前記ケースを下方へ向けて押圧すると同時に又は該押圧後に、前記基板が下降して前記下端位置に到達し、プリヒート設定時間を経過させた後に、噴流ノズル内を上昇していた溶融半田を前記吐出口から噴流させて、前記基板に載る電子部品のリードを挿入した前記スルーホールが該溶融半田に半田付け所要時間浸かった後、直ちに前記ポンプを停止し、該停止により前記噴流ノズルに在る前記溶融半田の半田液面を下降させることを特徴とする卓上半田付け装置を用いた半田付け方法にある。請求項2の発明たる卓上半田付け装置を用いた半田付け方法は、請求項1で、盤状体を貫通する流路が形成され、該流路の一端側入口孔に圧縮エア供給用の導管を接続し、他端側出口孔が該盤状体の下面側に露出するようにして、該導管へのエア供給により前記ケースへエアを吹付ける空冷手段を設け、前記昇降機構、前記ポンプ、前記押圧手段、及び該空冷手段を起動させて、前記半田付け所要時間の経過と同時又は直前から、前記ケースへの該エアの吹付けを行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明の要旨は、ケーシング内にヒータで加熱した溶融半田を貯留する半田槽が設けられ、且つ該溶融半田をポンプで循環させ、該半田槽の上方に突出する噴流ノズルの吐出口から噴流する溶融半田に、マスク治具を介して保持枠に支えられた基板のスルーホールが浸かる下端位置と該噴流する溶融半田から上方へ離れた上端位置との間で該保持枠を昇降させる昇降機構を備える卓上半田付け装置において、基端部の開口面積よりも前記吐出口の開口面積が広い前記噴流ノズルと、前記保持枠上に設けたフレームに本体固定部を取付け、可動部先端を盤状体に固着して進退動可能にし、該可動部の進出により、前記スルーホールにリードを挿入して基板上に載る電子部品を覆うケース上面に当てた該盤状体を下方に向けて押圧する押圧手段と、起動スイッチオンによって、前記昇降機構、前記ポンプ、及び該押圧手段が起動して、押圧手段の該盤状体で該ケースを下方へ向けて押圧すると同時に又は該押圧後に前記基板を下降させる信号を伝え、前記基板が下降して前記下端位置に到達し、プリヒート設定時間が経過後に、前記ポンプによる液面上昇中の溶融半田が前記吐出口から噴流して、該溶融半田に前記スルーホールが半田付け所要時間浸かった時点で、直ちに前記ポンプを停止させる制御手段と、を具備することを特徴とする卓上半田付け装置にある。請求項4の発明たる卓上半田付け装置は、請求項3で、盤状体を貫通する流路が形成され、該流路の一端側入口孔に圧縮エア供給用の導管を接続し、他端側出口孔が該盤状体の下面側に露出するようにして、前記ケースへエアを吹付ける空冷手段を設け、前記制御手段が、前記起動スイッチオンによって、前記昇降機構、前記ポンプ、前記押圧手段及び該空冷手段が起動して、前記半田付け所要時間の経過と同時又はその直前から該エアの吹付けを行う信号を伝えることを特徴とする。
請求項1,のごとく、基板が下降して下端位置に到達後、噴流ノズル内を上昇していた溶融半田を前記吐出口から噴流させて、リードを挿入したスルーホールが溶融半田に浸
かって半田付けが行なわれると、溶融半田の液面上昇が遅いので、スルーホールの隙間からそこに存在していた空気を押し去りつつ噴流半田がスルーホールへ入り込み、良好な半田付けを行う。基板が下端位置に静止状態で、溶融半田液面が噴流ノズル内を上昇して吐出口から噴流すると、溶融半田液面の上昇速度が遅いので、溶融半田液面と基板下面,保持枠下面との間に挟まれた空気が図8のように上手く抜けきって、溶融半田がスルーホールへスムーズに入り込むことができる(図9)。半田付け終了後、基板を上昇させれば、リード,スルーホール周りに良好なフィレットを形成できる。
本発明の卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法は、特段の機器を付加することなくプリヒートができるのにとどまらず、卓上装置にあって、これまでと殆ど変らない時間で複数の基板の半田付けが一度にでき、しかも良好なフィレットを形成できるなど、品質向上,生産性向上、さらに装置の低コスト化等に優れた効果を発揮する。
本発明の卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法の一形態で、その概略断面図である。 図1のII-II線断面図である。 図1のIII-III線断面図で、保持枠が上端位置にある概略正面断面図である。 マスク治具に電子部品を載せた基板をセットする説明断面図である。 図4のマスク治具に電子部品付き基板をセットした後の要部断面図である。 保持枠が下端位置にある卓上半田付け装置の概略正面である。 図6の後に吐出口から溶融半田が噴流する説明断面図である。 図6の状態から溶融半田がマスク治具下面に達する直前の基板周りの部分拡大図である。 図8の状態から時間経過し、溶融半田にスルーホールが浸かった基板周りの部分拡大図である。 半田付け終了後、ポンプを停止して半田液面が下降し始めた段階の説明断面図である。 半田付け終了後、基板上昇中にある基板周りの部分拡大図 半田付けの不具合を示す参考対比図である。 スタート時の制御手段が信号を伝える卓上半田付け装置の概略説明図である。 制御手段のフローチャート図である。
以下、本発明に係る卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法について詳述する。
図1~図14は本発明の卓上半田付け装置(以下、単に「半田付け装置」ともいう。) 及びこれを用いた半田付け方法の一形態で、図1はその側面断面図、図2は図1のII-II線断面図、図3は図1のIII-III線断面図、図4はマスク治具に電子部品が載る基板をセットする断面図、図5は図4の要部断面図、図6は保持枠が下端位置にある断面図、図7は吐出口から溶融半田が噴流する断面図、図8は溶融半田がマスク治具下面に達する直前の基板周りの拡大図、図9は溶融半田にスルーホールが浸かった基板周りの拡大図、図10はポンプを停止して半田液面が下降する断面図、図11は半田付け終了後、基板上昇中にある基板周りの拡大図、図12は半田付けの不具合を示す対比図、図13は制御手段の信号伝達の説明図、図14は制御手段のフローチャート図を示す。尚、図面を判り易くするため、発明要部を強調図示し、また本発明に直接関係しない構成部分や部材等は省略する。
(1)半田付け装置
半田付け装置は、半田槽1と噴流ノズル2とヒータHTとポンプ31と昇降機構4と押圧手段7と空冷手段8と制御手段CRとを具備する(図1)。
ケーシング9内にヒータHTで加熱した溶融半田Mを貯溜する半田槽1が設けられる。該溶融半田Mをポンプ31で循環させ、該半田槽1の上方に突出する噴流ノズル2の吐出口22から噴流する溶融半田Mに、昇降機構4によって、その保持枠45で支えられた基板52のスルーホール520が、浸かる図7の下端位置と該噴流する溶融半田Mから離れた図3の上端位置との間で昇降する。本発明の半田付け装置は、起動スイッチの前に作業者が通常立って作業する図1の側面断面図で、紙面右方を前方,前側、紙面左方を後方,後側、紙面上方を上方、紙面手前方向を左方、紙面奥方を右方、紙面左右横方向の線を含む紙面垂直面方向を水平方向という。
ケーシング9は、図1,図2に示すような平面視矩形の箱形容器である。水平配設される底板90は、前立板91寄りに半田槽1が配され、該半田槽1と後立板92との間にスペースを確保して、該スペースにポンプ31の駆動用モータ32が配される大きさとする。前立板91,後立板92,両側立板93,94で底板90の周縁を囲って半田槽1,モータ32等を収容する。後立板92は高くし、その上縁で屈曲させて前方に上板95を延設し、さらに該上板95はその先で下降傾斜してモータ32を被う。該上板95からポンプ31の上方をカバーするポンプカバー97が設けられる。一方、前立板91は上方部が後方傾斜して傾板部分となり、該傾板部分の上縁から水平鍔が後方に張り出す。前立板91の該水平鍔とポンプカバー97の間を上面開口部とし、該開口部に半田槽1の噴流ノズル2が配される。
半田槽1はケーシング9内にヒータHTで加熱した溶融半田Mを収容する容器である。溶融半田Mを貯める槽本体を備え、さらに槽本体内の溶融半田Mをポンプ31で循環させ、この循環する溶融半田Mを吐出口22から噴流させるよう、横長筒部15と縦筒部16とを備える。槽本体は板状の底部10,前壁部11,後壁部12,両側壁部13,14からなる上面開口の方形箱容器とする。
角筒からなる横長筒部15は横置きされ、その一端側筒口を後壁部12で塞いで、ここから該底部10,両側壁部13,14と平行にして他端側筒口が前壁部11近くまで配される。他端側筒口を蓋15dで塞ぎ、該蓋15d寄り横長筒部15の上面に吐出側口15bを設ける。また後壁部12寄り横長筒部15の下面に吸込み側口15aを設け、さらに該吸込み側口15aの上方に在る横長筒部15の上面にポンプ用孔15cを設ける。縦筒部16も角筒からなり、下端側開口部内に前記吐出側口15bを配して、該縦筒部16が横長筒部15上に立設する。
噴流ノズル2は、基端部21の開口面積210よりも上方側吐出口22の開口面積220を広く設定した筒状体である(図3)。噴流ノズル2は、前記縦筒部16の上端部分に下方側接続部となる基端部21を重ね合わせて取付け、半田槽1の上方に向け突出するように設けられる。
本実施形態は、基端部21を方形筒部とする一方、先端の吐出口22に向けて図3のように装置左右方向に口を大きく広げて、該吐出口22を横長矩形とする。吐出口22の開口面積220が広くなり、マスク治具51に一度に四個(複数)の基板52をセットできる。そして、前記ポンプ用孔15cにポンプ31の支軸を挿通させ、支軸先端部に取着したインペラ31aを横長筒部15内に配して、ポンプ31の作動により、吸込み側口15aから吸込んだ溶融半田Mを、図1の矢印のごとく横長筒部15内,吐出側口15b,縦筒部16内を経て噴流ノズル2の吐出口22から溶融半田Mを噴流させ、四個の基板52に対し同時に半田付け可能とする(図7)。
ヒータHTは半田槽1内の溶融半田Mを加温して溶融維持する熱源で、ここでは、図3のごとく半田槽1内の底部10寄り紙面垂直方向に二本配設する。
ポンプ31は既述のごとく半田槽1内の溶融半田Mを循環させるもので、本実施形態は、半田槽1内の後壁部12寄りにポンプ31を設置し、該ポンプ31を駆動するモータ32を半田槽1外で、ケーシング9内の後立板92寄りに設置する。モータ32に固着したプーリ34とポンプ31に固着したプーリ33とにベルト35で巻回し、モータ32の回転で、横長筒部15内に配されたポンプ31のインペラ31aを回転させ、噴流ノズル2の吐出口22から溶融半田Mを噴流させる。
昇降機構4は、アクチュエータたる第一シリンダ41と保持枠45とを備える。ケーシング9内の両側壁部13,14近くにエアシリンダで構成した第一シリンダ41のシリンダ本体がそれぞれ取付け固定される。両第一シリンダ41が起立し、シリンダ本体から上方へ向けて伸びる第一ロッド42の先端に、水平配設される保持枠45を固定し、該保持枠45を昇降させる昇降機構4とする(図2,図3)。ケーシング9がつくる前記上面開口部上で、該上面開口部よりも外形が若干小さめの保持枠45が上下動する(図1,図2)。
かくして、ポンプ31が作動中で、第一ロッド42が後退すると、吐出口22から噴流する溶融半田Mに、マスク治具51を介して保持枠45に支えられた基板52のスルーホール520が浸かる下端位置に配される(図7)。一方、第一ロッド42が進出すると、基板52のスルーホール520は、噴流する溶融半田Mから上方に離れた図1,図3のような上端位置に配される。
押圧手段7は、マスク治具51を介して保持枠45に支えられる基板52にあって、スルーホール520にリード531を挿入した基板52上に載る電子部品53を覆うケース54の上面にあてがう盤状体63に接続し、該盤状体63をケース上面54aに当ててその下のマスク治具51に向け押圧する装置である。半田付け過程で、ケース54をマスク治具51に安定させ、さらにマスク治具51を保持枠45へ安定保持させる装置になっている。
詳しくは、図2,図3のごとく保持枠45上の左右部位で、計四本の支柱61が立設し、各支柱61の上端にフレームを構成する矩形天板62が固着される。天板62が吐出口22の上方で該吐出口22を跨ぐようにして、保持枠45上に支柱61と天板62とからなる櫓体が起立する。天板62上に押圧手段7たるエアシリンダに係る第二シリンダ71の本体固定部が取着され、その可動部となる第二ロッド72が天板62に設けた通孔を貫通して該天板62の下方へ突出する。突出する第二ロッド72の先端に前記盤状体63を固着し、盤状体63が下側盤面を水平にして、第二ロッド72の進退動(伸縮)によって上下動する。第二ロッド72を伸長させると、盤状体63は、その下面63bが四個(複数)のケース上面54aに当接し、ケース54に下方側のマスク治具51へ押さえるエアシリンダの押圧力が加わる。
空冷手段8は、前記盤状体63に貫通流路81が形成され、該流路81の一端側入口孔82が圧縮エア供給用の導管83に接続し、他端側出口孔80が該盤状体63の下面側に複数露出して、該導管83へのエア供給により、出口孔80からエアが吹き出す装置である。基板52上に載る電子部品53を覆うケース54へエアを吹付ける。
ここでは、下側厚板の中央部に設けた流路81用溝の溝底に下面へ貫通する他端側出口孔80を複数形成し、また該溝から右側端面へ貫通する一端側入口孔82を形成する。そして、該溝を上側蓋板で蓋をして一体化させ、該溝が流路81となった図13ごとくの盤状体63とする。入口孔82に弁831を介在させて圧縮エア供給用の導管83を接続し、弁831を開にすると、エアが図10の矢印のごとく入口孔82,流路81を通って出口孔80から各ケース54へ吹付ける。
制御手段CRは、起動スイッチオンによって、昇降機構4及びポンプ31が起動し、保持枠45,基板52が下降して下端位置に達し、そして、プリヒート設定時間経過後に、ポンプ31による液面上昇中の溶融半田Mが吐出口22から噴流し、さらにこの噴流する溶融半田Mにスルーホール520が半田付け所要時間浸かった時点で、ポンプ31を停止させるコントローラである(図13)。本実施形態の制御手段CRは、押圧手段7,空冷手段8も備わり、起動スイッチオンによって、昇降機構4、ポンプ31、押圧手段7及び空冷手段8が起動して、押圧手段7が盤状体63でケース54を下方へ向けて押圧すると同時に又は該押圧後に、保持枠45を下降させる第一ロッド42が図3の状態から収縮する信号を伝える。また空冷手段8を設けて、半田付け所要時間の経過と同時又はその直前からケース54へエア吹付けを行う信号を伝える。制御手段CRによって、図14に定められた順序にしたがって各ステップを逐次進める。
本制御手段CRは、電子回路,電子タイマー,センサ等から構成され、図14の一連動作をプログラムしておき、プログラム通りに動かすシーケンス制御を採用している。
具体的には、図3の初期状態から図13,図14のように起動スイッチS2のオンでスタートする。押圧手段7の信号入力(ステップ101)とポンプオン(ステップ103)の状態になる。また略同時に昇降機構4の信号入力(ステップ102)により第一ロッド42が収縮し、基板52が下降する。
まず、第二ロッド72が伸長し、押圧手段7の盤状体63でケース54を下方へ向けて押圧する。これと同時に又は該押圧後に前記基板52を下降させる信号、すなわち第一ロッド42を収縮させる信号が伝わる。
第二ロッド72の伸長や第一ロッド42の収縮は、エアシリンダによる動作で瞬時に行われる。第二ロッド72の伸長によって盤状体63がケース54を上から押さえて、該ケース54がマスク治具51上,基板52上に安定維持される。第一ロッド42の収縮は下降速度V4が速く(図3)、保持枠45,基板52が半田槽1近くの下端位置へ速やかに到達する。一方、ポンプオンで、モータ回転によりポンプ31が作動し、溶融半田Mの液面M1が縦筒部16,噴流ノズル2内を上昇するが、溶融半田Mの比重が重いので上昇速度V1は遅い。溶融半田Mが吐出口22に到達するのに少し時間がかかる。
下端位置に先に到達した基板52は、半田槽1からの熱を近くで受け、また溶融半田Mの液面M1が噴流ノズル2内を上昇し下から近づいてくる過程で、基板52に載る電子部品53のリード531,フラックスがプリヒートされる。この下端位置でプリヒートが行われている基板52へ、溶融半田Mが図6の矢印のごとく下から近づいていく。プリヒートの設定時間が完了する時点を、吐出口22から溶融半田Mが噴流するタイミングにする。本実施形態は、遅延回路を組み込んでプリヒート設定時間を設け、この設定時間経過直後に、吐出口22からの溶融半田Mの噴流が始まるようにし、また後述する溶融半田Mにスルーホール520が半田付け所要時間浸かった時点で、直ちにポンプ31を停止させる制御手段CRとする。尚、プリヒート設定時間,半田付け所要時間は、予め半田付けする基板52,電子部品53等の種類によって適宜調整される。
吐出口22からの溶融半田Mの噴流開始に伴い、該溶融半田Mにスルーホール520が浸かり、スルーホール520に挿入したリード531への半田付けスップが進行する。基板52,電子部品53に適正な所要時間(3~5秒)をかけて半田付けが行われる(図7)。
そして、溶融半田Mにスルーホール520が半田付け所要時間浸かった時点で、直ちにポンプオフにする(ステップ105)。ポンプ31の停止により、吐出口22から噴流していた溶融半田Mの噴流が止まり、溶融半田液面M1が下降する(図9)。該液面M1が噴流ノズル2の下方地点まで下がっていく。
尚、溶融半田Mにスルーホール520が浸かる半田付け所要時間の経過と同時又はその直前から空冷手段8のエア吹付けを行う信号を伝え、ケース54へエアを吹付けるとより好ましくなる。ケース54を冷却保護できるからである。ここでは、半田付け所要時間が経過する直前からエアの吹付けを行う信号を伝え、圧縮エアが導管83,エア流路81を通って、出口孔80からケース54へ吹付けられる。半田付けスップの終了直前に、空冷手段8の信号入力(ステップ104)により、弁831を開にして、エア吹付けを行ってから前記ポンプオフ(ステップ105)へと進む。
前記ポンプ31の停止と略同時又は少し遅れて、収縮状態にあった第一ロッド42が伸長して、基板52が上端位置へ到達する。到達後、昇降機構4の信号切(ステップ106)になり、続いて、伸長状態にあった第二ロッド72が収縮し、盤状体63がケース54から上方へ離れ、図3の初期位置に戻る。そして、押圧手段7の信号切(ステップ107)になる。これを受けて、空冷手段8の信号切(ステップ108)になり、半田付けが終了する。電子部品53の基板下面52b側に覗くリード531に所望の半田付けが行われた図11の実装基板製品に仕上がっている。リード531と半田が馴染んで、良好なフィレットFが形成される。
符号73は天板62に設けた孔,ボス穴に挿通して、第二ロッド72と平行になるようにして基端を盤状体63に固着したガイド軸を示す。
(2)半田付け装置を用いた半田付け方法
前記半田付け装置を用いて、例えば次のようにして半田付け方法が行われる。半田装置は、既述のごとく、槽内にヒータHTで加熱した溶融半田Mを収容する半田槽1が設けられ、且つ該溶融半田Mをポンプ31で循環させ、該半田槽1の上方に突出する噴流ノズル2の吐出口22から溶融半田Mを噴流させる。そして、この噴流する溶融半田Mに、マスク治具51を介して保持枠45に支えられた基板52のスルーホール520が浸かる下端位置と該噴流する溶融半田Mから離れた上端位置との間で該保持枠45を昇降させる昇降機構4を備え、且つ吐出口22の開口面積220を噴流ノズル基端部21の開口面積210よりも広くした装置である。
本半田付け方法は、予め電源スイッチS1をオンにし、ヒータHTによって半田槽1に溶融半田Mが貯留され、且つ図3の初期状態とする。
また、前処理として、図5のケース54で覆った電子部品53搭載の基板52(以下、単に「被半田付け物」ともいう。)のマスク治具51へのセットと、フラックス塗布をする。図4のごとく、スルーホール520にリード531を挿入して電子部品53を載せた基板52を、マスク治具51に四個(複数)セットする。尚、本発明のリード531にはピンを含む。電子部品53を簡略図示するが、電子部品53を載せた基板52はケース54で覆われており、本実施形態はこれが被半田付け物になる。本半田付けを終えると、本発明の制御手段CRとして組み込んでいるソリッドステート・リレー(SSR)の製品になる。
次いで、被半田付け物がセットされたマスク治具51を、図示しないフラックス塗布装置(特許第5421955号)の上面開口上に置いて、フラックス塗布する。該塗布装置を用いて、スルーホール520から覗くリード531等の必要箇所にフラックス塗布を行う。続いて、フラックス塗布完了の被半田付け物が載ったマスク治具51を、保持枠45にセットして図3の状態にする。
その後、作業者が起動スイッチS2を押し、制御手段CR,昇降機構4等によって経時的動作を加えて、基板52に載せた電子部品53への本半田付けを行う。その動作工程と作用を以下に説明する。
まず、起動スイッチS2を入れ、昇降機構4及びポンプ31を起動させる。エアシリンダの第一ロッド42が収縮し、基板52が速やかに下降して下端位置に到達する(図6)。下端位置に到達すると、電子部品53,基板52が半田槽1から溶融半田Mの熱を受けるので、フラックスが活性化していく。
プリヒートの設定時間の終了までこの状態を保つ。設定終了時間が近づくにつれ噴流ノズル2内を、図6の矢印速度で上昇してくる溶融半田Mからの熱量も受け、フラックスの活性化が進む。そして、フラックス活性化完了とする設定時間が経過した後(ここでは直後)、噴流ノズル2内を上昇してきた溶融半田Mを吐出口22から噴流させる(図7)。溶融半田Mの一部が吐出口22からオーバーフロー受皿18へ流れ出る。
上述の吐出口22へ達した溶融半田Mの上昇噴流によって、基板52に載る電子部品53のリード531を挿入したスルーホール520が該溶融半田Mに浸かり、半田付けが始まる。溶融半田Mが上昇する噴流アップ方式になるので、基板下面52bと溶融半田Mの液面M1間に在る空気uやスルーホール520内の空気uをうまく追い出す(図8)。よって、良好な半田付けが開始する。この開始時点から半田付け完了までの所要時間(3~5秒程度)が経過するまで、基板52に載る電子部品53のリード531を挿入したスルーホール520を溶融半田Mに浸けて、半田付けが行なわれる。
その後、リード531を挿入したスルーホール520が溶融半田Mに半田付け所要時間浸かった時点に到達後、直ちにポンプ31を停止する。ポンプ停止により、吐出口22に在る溶融半田Mの半田液面M1が下降する(図10)。吐出口22の広い開口面積220を占めていた噴流ノズル2の半田液面M1が下降し、最終的に図3のごとく噴流ノズル2の基端部21又はその下方位置にまで半田液面M1が下がる。半田液面M1が下がることにより、広い面積を占める吐出口22にて溶融半田Mが噴流状態で空気に触れて、酸化膜ができる不具合は大きく軽減される。
また、前記ポンプ31の停止と略同時に、昇降機構4に係る第一シリンダ41の収縮状態にあった第一ロッド42を伸長させる。第一ロッド42の伸長により、前記基板52が上昇する。上端位置へ到達したところで、昇降機構4の信号を切って、一連の半田付け工程が終了する。
本実施形態は、さらにより良好な半田付けを行うべく、既述の押圧手段7と空冷手段8を設けている。
押圧手段7を設けて、起動スイッチオンにより、昇降機構4、ポンプ31、及び押圧手段7を起動させる。該押圧手段7に係る第二シリンダ71の第二ロッド72が進出して、盤状体63がケース54を下方へ向けて押圧すると同時に又は押圧後に、昇降機構4の第一ロッド42が収縮し、基板52が下降する(図3)。押圧手段7への圧縮エアの供給により、第二ロッド72が進出して盤状体63がケース54を押さえる(図6)。エア圧を受けた盤状体63がケース54を上面54aから押さえるので、マスク治具51に載置セットされたケース54,電子部品53付き基板52が位置ずれを起こさず、また不安定にならない。ケース54,基板52等は、その後の半田付けに伴う上下動の動きにも安定維持される。
盤状体63がケース54を下方へ向けて押圧する状態は、半田付けが終了し、さらに第一ロッド42の伸長で、基板52が上昇して上端位置へ達し、昇降機構4の信号切になるが、この時点まで継続させる。この後、押圧手段7の第二ロッド72を収縮させ、図3の初期状態にして押圧手段7の信号切とする。
また、空冷手段8を設けて、起動スイッチオンにより、昇降機構4、ポンプ31、押圧手段7、及び空冷手段8を起動させる。半田付け所要時間の経過と同時又は直前から該空冷手段8のエア吹付けが行なわれる。プリヒート,半田付け工程では半田槽1からの熱、さらに噴流ノズル吐出口22の溶融半田Mとの接触,近接による熱を受けて、ケース54及び該ケース54内の電子部品53が温度上昇するが、空冷手段8のエア吹付けによって、ケース54等を冷却し、品質を安定保持する。本実施形態は、半田付け所要時間が経過する直前から、弁831を開にしてエアの吹付けを行う。圧縮エアを導管83,エア流路81を経由して出口孔80からエアをケース54へ吹付ける。ここでは、ケース54が樹脂製で十分な耐熱性を有しておらず、半田付けによる製品歩留まりを低下させる問題があったが、エアの吹付けによってこの問題を見事解決し、品質維持に貢献している。
本実施形態の空冷手段8によるケース54へのエア吹付けは、半田付け所要時間が経過する直前から開始するが、ポンプオフ105のステップ後でも続いている(図10)。エア吹付け終了は、前記押圧手段7の第二ロッド72を収縮させて図3の初期状態にして押圧手段7の信号切の後、空冷手段8の信号切を伝えて、エアの吹付けを止めて終了する。その後、半田付けを終えた所望の実装基板52が作業者によって取り出されることになる。
後は、上記一連動作の1サイクルを繰り返して、本発明の半田付けが次々と行われる。他の構成は(1)の半田付け装置で述べた内容と同様で、その説明を省く。(1)と同一符号は同一又は相当部分を示す。
(3)効果
このように構成した卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法は、特許文献1のようなプリヒート用の流路確保やファン等の設備なしにて、プリヒートができるので、装置コストを安くできる。また、プリヒート用の流路確保を不要とするので、ケーシング9の外形が同じであっても、半田槽1,噴流ノズル2を大きくでき、装置の能力アップにつながる。これにとどまらず、下端位置に停止させた基板52に向けて溶融半田液面M1が上昇する噴流アップ方式により、半田付け品質を良好に保って、しかも複数の基板52の半田付けを一度に実現できるなど、品質向上,生産性向上に優れた効果を発揮する。
請求項1,のごとく、基板52が下端位置に到達し、プリヒート設定時間を経過させた後、噴流ノズル2内を上昇していた溶融半田Mを吐出口22から噴流させて半田付けすると、下端位置にある基板52が半田槽1の熱を受け、且つ半田液面M1が噴流ノズル2内を上昇してくる間にも溶融半田Mから熱を受けるので、プリヒートに必要な熱量が十分得られる。よって、特許文献1のようなプリヒート用の流路確保やファン等の設備をなしにできる。現在、製品出荷している特許文献1と比べ、装置容量のコンパクト化,低コスト化を実現する。
ところで、卓上半田付け装置においては、第一シリンダ41等の昇降機構4による基板52を下降させて下端位置へ到達する時間に比べ、溶融半田Mは比重大にして、ポンプ作動後、溶融半田Mの液面M1が噴流ノズル2の吐出口22まで上昇するのに時間がかかる。しかるに、本発明は、昇降機構4,ポンプ31を略同時に起動させ、溶融半田Mの酸化膜生成防止のために当初下げておいた液面M1が、縦筒部16,噴流ノズル2を上昇し、吐出口22から噴流して半田付けをスタートさせるまで時間を有効活用する。昇降機構4,ポンプ31を同時スタートさせて、基板52を先に下端位置に到達させ、必要なプリヒート設定時間を確保する。溶融半田の酸化膜生成を極力回避するだけでなく、プリヒート用の時間を別途要しない優れものの発明になっている。制御手段CRに組込まれるタイマーでの時間調整もなしかあっても僅かで済む。
また、基端部21の開口面積210よりも吐出口22の開口面積220が広い噴流ノズル2を備えるので、一度に複数の製品(実施形態では四個の製品)が仕上がるようにして生産性を高めることができる。
特許文献1等の従来技術は、基端部21の開口面積210よりも吐出口22の開口面積220が広い噴流ノズル2を用いようとしても、支障をきたす。吐出口22から溶融半田Mを噴流状態にして、溶融半田Mの液面M1へ基板52を急降下させて半田付けを行う従来方法では、マスク治具下面51b,基板下面52bの急下降に伴う風圧で、噴流する溶融半田液面M1が押されてしまい、半田付け不良になる場合がある。また基板52と溶融半田Mの液面M1との間にある空気が抜けきらず、さらにスルーホール520に空気溜まりEができて、歩留りが低下する問題がある。加えて、一度に複数の製品が仕上がるようにすると、吐出口22の溶融半田液面M1が大きくなり、半田液面M1と基板下面52bとの間の空気が一層抜けなくなる。基板52をゆっくりと下降させて半田付けを行えば、歩留りを向上させることができるが、ゆっくりと下降させる分、タクト時間が長くなり生産性を低下させる新たな問題を招く。
一方、本発明は溶融半田の比重が大であり、溶融半田液面M1の速度が遅く、縦筒部16,噴流ノズル2をゆっくり上昇するので、吐出口22の開口面積220を広くしても、基板下面52bに溶融半田Mが付着するまでに、溶融半田液面M1とマスク治具51,スルーホール520間の空気が綺麗に抜けきる。下端位置に停止させたマスク治具51,基板52に、ゆっくりと噴流する溶融半田Mが上昇し、マスク治具下面51b側で凹んでいる基板下面52b,スルーホール520に、噴流半田を効果的に噴流注入できる。卓上半田付け装置において、これまで発生していた半田付けの品質不良を一挙に解決する。
加えて、吐出口22から溶融半田Mが噴流する状態にして、該溶融半田Mの液面M1へ向けて基板52を下降させて半田付けを行う特許文献1等の従来法は、溶融半田Mの噴流液面M1が上がった状態を保って空気に触れているので、酸化膜ができ易くなる。吐出口22の開口面積220を広くすれば、酸化膜がその分、増加し品質低下を招く。
ちなみに、吐出口22の広い開口面積を回避すべく、半田槽1の縦筒部16から吐出口22を被半田付け物の個数に合わせて分岐させた開口面積小の吐出口22を複数有する噴流ノズル2を立てることも考えられる。しかし、溶融半田Mを噴流させたまま、従来技術のように半田付けを行うと、溶融半田Mの噴流液面M1が空気に触れる量は減るものの、分岐させた開口面積小の噴流ノズル2は、容量が小さくなって、噴流ノズル2の上下方向に溶融半田Mの温度勾配ができる。半田付け不良が増える新たな問題が発生する。
一方、本発明は溶融半田Mにスルーホール520が半田付け所要時間(3~5秒ほど)浸かった時点で、直ちにポンプ31を停止させるので、停止に伴って、吐出口22で広い面積を占めて噴流していた溶融半田Mは、噴流を止め且つ半田液面M1が下降するので、空気に触れる溶融半田Mの噴流液面M1が消え、前記酸化膜ができ難くなる。噴流が止まって静止した溶融半田液面M1の面積も、吐出側に比べてずっと小さい基端部21側の面積となり、空気との接触面積自体も減るので、酸化膜防止に極めて好都合となる。
本発明は、上述のごとく半田付けの一回ごと、ポンプオンにして溶融半田Mの液面M1を上昇させ、吐出口22からの溶融半田Mの噴流を開始して3~5秒間の半田付けを行い、そして半田付け終了後、ポンプオフにして半田液面M1を下げる構成である。しかるに、この動作時間が半田付けの処理能力を落とすことにはならない。溶融半田Mの液面上昇に時間がかかるが、本発明のプリヒートは、昇降機構4や押圧手段7の上下動だけでなく、溶融半田Mの液面上昇過程に要する時間帯が必要であり、相応の時間を要するからである。また溶融半田Mの液面下降では、第一ロッド42の伸長動作だけでなく、半田付けが終了した製品の取出し、さらに次の半田付け用の被半田付け物のマスク治具51へのセット、フラックス塗布用の時間が必要であり、溶融半田Mの液面下降の時間をはるかに超えるからである。溶融半田Mの液面M1を都度、上昇させまた下降させるに要する時間が半田付けの処理能力を低下させることはない。溶融半田Mの液面M1を都度、上昇させ下降させることが、逆に、溶融半田Mの酸化膜防止に極めて有益であり、品質向上に威力を発揮する。
また、請求項1,3のごとく押圧手段7をさらに設け、押圧手段7の盤状体63でケース54を下方へ向けて押圧すると、基板52を覆うケース54が半田付け過程で昇降機構4により上下動してもケース54を安定して押圧保持するので、半田付けの品質向上に役立つ。
加えて、請求項2,4のごとく盤状体63を活用した空冷手段8を設けて、半田付け所要時間の経過と同時又はその直前からケース54へエア吹付けを行うと、耐熱性が十分でない樹脂製ケース54の場合でも、該ケース54を冷却するので、ケース54の品質保持に貢献する。ケース54が熱損傷を受けて不良品となるのを一挙に解決する。本発明が完成するまで、本半田付け製品を手作業で行っており、時にケース54を半田ゴテで傷めることがあったが、歩留り向上,品質向上だけでなく、格段の生産性向上に寄与する。また電子部品53等も冷却されるので、品質安定維持に役立つ。空冷手段8としての流路81,入口孔82,出口孔80等の主構成要素が盤状体63に組込まれるので、空冷手段8の機器を低コストで作製できる。
このように本卓上半田付け装置及びこれを用いた半田付け方法は、上述した数々の優れた効果を発揮し、多大な効を奏する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。半田槽1,噴流ノズル2,ポンプ31,昇降機構4,盤状体63,押圧手段7,空冷手段8,制御手段CR等の形状,大きさ,個数,材料,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
1 半田槽
2 噴流ノズル
21 基端部
22 吐出口
31 ポンプ
4 昇降機構
45 保持枠
51 マスク治具
52 基板
520 スルーホール
53 電子部品
531 リード
63 盤状体
7 押圧手段
8 空冷手段
9 ケーシング
HT ヒータ
M 溶融半田
M1 半田液面(液面)

Claims (4)

  1. ケーシング内にヒータで加熱した溶融半田を収容する半田槽が設けられ、且つ該溶融半田をポンプで循環させ、該半田槽の上方に突出する噴流ノズルの吐出口から噴流する溶融半田に、マスク治具を介して保持枠に支えられた基板のスルーホールが浸かる下端位置と該噴流する溶融半田から上方へ離れた上端位置との間で該保持枠を昇降させる昇降機構を備え、且つ前記吐出口の開口面積が噴流ノズル基端部の開口面積よりも広くなっており、さらに前記保持枠上に設けたフレームに本体固定部を取付け、可動部先端を盤状体に固着して進退動可能にし、該可動部の進出により、前記スルーホールにリードを挿入して前記基板上に載る電子部品を覆うケース上面に当てた該盤状体を下方に向けて押圧する押圧手段を設けた卓上半田付け装置を用い、
    前記昇降機構、前記ポンプ、及び該押圧手段を起動させて、該押圧手段で、該盤状体が前記ケースを下方へ向けて押圧すると同時に又は該押圧後に、前記基板が下降して前記下端位置に到達し、プリヒート設定時間を経過させた後に、噴流ノズル内を上昇していた溶融半田を前記吐出口から噴流させて、前記基板に載る電子部品のリードを挿入した前記スルーホールが該溶融半田に半田付け所要時間浸かった後、直ちに前記ポンプを停止し、該停止により前記噴流ノズルに在る前記溶融半田の半田液面を下降させることを特徴とする卓上半田付け装置を用いた半田付け方法。
  2. 前記盤状体を貫通する流路が形成され、該流路の一端側入口孔に圧縮エア供給用の導管を接続し、他端側出口孔が該盤状体の下面側に露出するようにして、該導管へのエア供給により前記ケースへエアを吹付ける空冷手段を設け、前記昇降機構、前記ポンプ、前記押圧手段、及び該空冷手段を起動させて、前記半田付け所要時間の経過と同時又は直前から、前記ケースへの該エアの吹付けを行う請求項1記載の卓上半田付け装置を用いた半田付け方法。
  3. ケーシング内にヒータで加熱した溶融半田を貯留する半田槽が設けられ、且つ該溶融半田をポンプで循環させ、該半田槽の上方に突出する噴流ノズルの吐出口から噴流する溶融半田に、マスク治具を介して保持枠に支えられた基板のスルーホールが浸かる下端位置と該噴流する溶融半田から上方へ離れた上端位置との間で該保持枠を昇降させる昇降機構を備える卓上半田付け装置において、
    基端部の開口面積よりも前記吐出口の開口面積が広い前記噴流ノズルと、
    前記保持枠上に設けたフレームに本体固定部を取付け、可動部先端を盤状体に固着して進退動可能にし、該可動部の進出により、前記スルーホールにリードを挿入して基板上に載る電子部品を覆うケース上面に当てた該盤状体を下方に向けて押圧する押圧手段と、
    起動スイッチオンによって、前記昇降機構、前記ポンプ、及び該押圧手段が起動して、押圧手段の該盤状体で該ケースを下方へ向けて押圧すると同時に又は該押圧後に前記基板を下降させる信号を伝え、前記基板が下降して前記下端位置に到達し、プリヒート設定時間が経過後に、前記ポンプによる液面上昇中の溶融半田が前記吐出口から噴流して、該溶融半田に前記スルーホールが半田付け所要時間浸かった時点で、直ちに前記ポンプを停止させる制御手段と、を具備することを特徴とする卓上半田付け装置。
  4. 前記盤状体を貫通する流路が形成され、該流路の一端側入口孔に圧縮エア供給用の導管を接続し、他端側出口孔が該盤状体の下面側に露出するようにして、前記ケースへエアを吹付ける空冷手段を設け、前記制御手段が、前記起動スイッチオンによって、前記昇降機構、前記ポンプ、前記押圧手段及び該空冷手段が起動して、前記半田付け所要時間の経過と同時又はその直前から該エアの吹付けを行う信号を伝える請求項3記載の卓上半田付け装置。
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