JP2001217534A - フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱方法と加熱装置 - Google Patents
フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱方法と加熱装置Info
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- JP2001217534A JP2001217534A JP2000028922A JP2000028922A JP2001217534A JP 2001217534 A JP2001217534 A JP 2001217534A JP 2000028922 A JP2000028922 A JP 2000028922A JP 2000028922 A JP2000028922 A JP 2000028922A JP 2001217534 A JP2001217534 A JP 2001217534A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フレキシブル基板の製造中にラインの故障に
よって連続雰囲気炉内に残留した電子部品が熱によって
劣化するという問題を解決し、また、炉を使用しないで
局部的に加熱したときに生じる「チップ立ち」の問題も
解決する。 【解決手段】 素材のシート1上には配線とハンダペー
ストが印刷されており、その上に電子部品5が載置され
ている。昇降し得るリフロー加熱装置10は樋状の流体
滞留部24を備えていて、それに溶融したハンダや油等
の高温流体12が供給される。加熱装置10が上昇して
シート1の下面に接近したときに高温流体12がシート
1に直接に接触し、その熱は薄いシート1を透過してそ
の上のハンダペーストを均一に加熱する。従って、加熱
されたハンダの微粒は同時に溶融するので「チップ立
ち」が防止される。ラインが故障した時に加熱装置10
を降下位置で停止させると、電子部品5を過度に加熱し
て劣化させる恐れがない。
よって連続雰囲気炉内に残留した電子部品が熱によって
劣化するという問題を解決し、また、炉を使用しないで
局部的に加熱したときに生じる「チップ立ち」の問題も
解決する。 【解決手段】 素材のシート1上には配線とハンダペー
ストが印刷されており、その上に電子部品5が載置され
ている。昇降し得るリフロー加熱装置10は樋状の流体
滞留部24を備えていて、それに溶融したハンダや油等
の高温流体12が供給される。加熱装置10が上昇して
シート1の下面に接近したときに高温流体12がシート
1に直接に接触し、その熱は薄いシート1を透過してそ
の上のハンダペーストを均一に加熱する。従って、加熱
されたハンダの微粒は同時に溶融するので「チップ立
ち」が防止される。ラインが故障した時に加熱装置10
を降下位置で停止させると、電子部品5を過度に加熱し
て劣化させる恐れがない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟なフレキシブ
ルプリント配線基板(フレキシブル基板)の上に電子部
品を実装する工程において実施されるハンダのリフロー
加熱方法と、それに使用するためのリフロー加熱装置に
関する。
ルプリント配線基板(フレキシブル基板)の上に電子部
品を実装する工程において実施されるハンダのリフロー
加熱方法と、それに使用するためのリフロー加熱装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル基板は変形可能であるた
め、狭くて複雑な形状の隙間のような空間の中にでも挿
入して装着することができることから、例えばデジタル
カメラのような小型の電子機器等において多く使用され
るようになった。
め、狭くて複雑な形状の隙間のような空間の中にでも挿
入して装着することができることから、例えばデジタル
カメラのような小型の電子機器等において多く使用され
るようになった。
【0003】フレキシブル基板への電子部品の実装工程
においては、フレキシブル基板の素材として耐熱性のあ
る合成樹脂製の薄い連続シートが、予め電気回路の配線
が印刷された状態で供給される。そして、ハンダ印刷工
程において、微細なハンダ粒とフラックスの混合物であ
るハンダペースト(クリームハンダともいう)が、シー
トの面上の所定の位置に印刷される。
においては、フレキシブル基板の素材として耐熱性のあ
る合成樹脂製の薄い連続シートが、予め電気回路の配線
が印刷された状態で供給される。そして、ハンダ印刷工
程において、微細なハンダ粒とフラックスの混合物であ
るハンダペースト(クリームハンダともいう)が、シー
トの面上の所定の位置に印刷される。
【0004】ハンダ印刷が終わったシートは移動して次
の電子部品の装着工程に入り、シートの上にコンデンサ
や抵抗、IC等の電子部品が装着される。更に次のリフ
ロー加熱工程では、シートがトンネル状の連続雰囲気炉
の中を通過させられ、その間に炉内の各領域毎に定めら
れた温度まで均一に加熱される。1つの領域では、シー
ト1上に印刷されたハンダペースト中のハンダ粒が熱を
受けて溶融し、次の領域において冷却されることによっ
て電子部品をシート上にハンダ付けする。
の電子部品の装着工程に入り、シートの上にコンデンサ
や抵抗、IC等の電子部品が装着される。更に次のリフ
ロー加熱工程では、シートがトンネル状の連続雰囲気炉
の中を通過させられ、その間に炉内の各領域毎に定めら
れた温度まで均一に加熱される。1つの領域では、シー
ト1上に印刷されたハンダペースト中のハンダ粒が熱を
受けて溶融し、次の領域において冷却されることによっ
て電子部品をシート上にハンダ付けする。
【0005】しかしながら、連続雰囲気炉はかなり大き
い設備であるために熱容量が大きいので、炉内の加熱領
域の温度を急速に低下させてシートの加熱を短時間内に
停止させることは不可能である。従って、もし、電子部
品の実装工程を構成するラインの一部にでも故障が生じ
てライン全体を停止させると、連続雰囲気炉内にシート
の一部、即ち複数個のフレキシブル基板になるべき部分
が取り残されるので、それらが長時間高温に曝されて電
子部品が劣化し、ラインの故障が回復した後に取り出さ
れるフレキシブル基板の中に不良品が混入することにな
る。
い設備であるために熱容量が大きいので、炉内の加熱領
域の温度を急速に低下させてシートの加熱を短時間内に
停止させることは不可能である。従って、もし、電子部
品の実装工程を構成するラインの一部にでも故障が生じ
てライン全体を停止させると、連続雰囲気炉内にシート
の一部、即ち複数個のフレキシブル基板になるべき部分
が取り残されるので、それらが長時間高温に曝されて電
子部品が劣化し、ラインの故障が回復した後に取り出さ
れるフレキシブル基板の中に不良品が混入することにな
る。
【0006】この問題を解決する方法として、連続雰囲
気炉のような熱容量が大きい設備を使用しないで、電熱
ヒータ等を熱源とする小型の熱板によってシートの一部
のみを加熱し、トラブル発生と同時に電熱ヒータへの通
電を停止することが考えられる。しかしながら、シート
には微小な凹凸があるので、それに接触する熱板との間
に厚さが一定でない薄い空気層が形成される。その空気
層が強力な断熱材として作用するので、シート上のハン
ダを均一に加熱することができず、ハンダの温度が部分
的に異なる状態が生じ、ハンダの溶融時期が部分的に異
なる結果、電子部品(チップ)が不規則な姿勢で基板に
ハンダ付けされる「チップ立ち」と呼ばる現象が発生
し、フレキシブル基板の不良品が増加する。
気炉のような熱容量が大きい設備を使用しないで、電熱
ヒータ等を熱源とする小型の熱板によってシートの一部
のみを加熱し、トラブル発生と同時に電熱ヒータへの通
電を停止することが考えられる。しかしながら、シート
には微小な凹凸があるので、それに接触する熱板との間
に厚さが一定でない薄い空気層が形成される。その空気
層が強力な断熱材として作用するので、シート上のハン
ダを均一に加熱することができず、ハンダの温度が部分
的に異なる状態が生じ、ハンダの溶融時期が部分的に異
なる結果、電子部品(チップ)が不規則な姿勢で基板に
ハンダ付けされる「チップ立ち」と呼ばる現象が発生
し、フレキシブル基板の不良品が増加する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おけるこのような問題に対処して、フレキシブル基板を
製造する場合に、配線とハンダペーストが印刷されたシ
ート状の素材に電子部品を装着して、それを加熱するこ
とによってハンダ付けを行うときに、加熱手段が加熱作
用を迅速に停止することができ、ラインが故障等によっ
て運転を停止したときでも、電子部品が過度に加熱され
ることによって劣化してフレキシブル基板の不良品を発
生するような恐れがない、新規なリフロー加熱方法を提
供することを第1の目的としている。
おけるこのような問題に対処して、フレキシブル基板を
製造する場合に、配線とハンダペーストが印刷されたシ
ート状の素材に電子部品を装着して、それを加熱するこ
とによってハンダ付けを行うときに、加熱手段が加熱作
用を迅速に停止することができ、ラインが故障等によっ
て運転を停止したときでも、電子部品が過度に加熱され
ることによって劣化してフレキシブル基板の不良品を発
生するような恐れがない、新規なリフロー加熱方法を提
供することを第1の目的としている。
【0008】本発明は更に、前述のように加熱作用を迅
速に停止することができる加熱手段を使用した場合に考
えられる加熱の不均一の問題に対処して、シート状の被
加熱物の目的箇所を均一に加熱することが可能であっ
て、被加熱物に部分的な温度ムラを生じることがなく、
「チップ立ち」によるフレキシブル基板の不良品の発生
を防止することができるような、新規なリフロー加熱方
法を提供することを第2の目的としている。
速に停止することができる加熱手段を使用した場合に考
えられる加熱の不均一の問題に対処して、シート状の被
加熱物の目的箇所を均一に加熱することが可能であっ
て、被加熱物に部分的な温度ムラを生じることがなく、
「チップ立ち」によるフレキシブル基板の不良品の発生
を防止することができるような、新規なリフロー加熱方
法を提供することを第2の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1
に記載されたフレキシブル基板の実装におけるハンダの
リフロー加熱方法を提供する。
解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1
に記載されたフレキシブル基板の実装におけるハンダの
リフロー加熱方法を提供する。
【0010】この加熱方法によれば、一方の面の所定の
位置に配線とハンダペーストが印刷され、それらの上に
電子部品が装着された可撓性シートの、1つのフレキシ
ブル基板となるべき領域の他方の面に対して高温流体を
直接に接触させることにより、シートを通して伝導され
る高温流体の熱によってハンダペーストを加熱して、そ
れに含まれているハンダを溶融させるので、高温流体と
被加熱物であるシートの面との間には空気層が全く形成
されない。従って、高温流体の熱は抵抗なく薄いシート
に伝達され、それを介して前記領域内のハンダペースト
を均一に加熱するので、それに含まれているハンダは同
時に溶融し、1つの領域内で部分的にハンダの溶融時期
に差が生じる恐れがない。それによって、所謂「チップ
立ち」が防止されるので、フレキシブル基板の製品に不
良品が混入することがない。
位置に配線とハンダペーストが印刷され、それらの上に
電子部品が装着された可撓性シートの、1つのフレキシ
ブル基板となるべき領域の他方の面に対して高温流体を
直接に接触させることにより、シートを通して伝導され
る高温流体の熱によってハンダペーストを加熱して、そ
れに含まれているハンダを溶融させるので、高温流体と
被加熱物であるシートの面との間には空気層が全く形成
されない。従って、高温流体の熱は抵抗なく薄いシート
に伝達され、それを介して前記領域内のハンダペースト
を均一に加熱するので、それに含まれているハンダは同
時に溶融し、1つの領域内で部分的にハンダの溶融時期
に差が生じる恐れがない。それによって、所謂「チップ
立ち」が防止されるので、フレキシブル基板の製品に不
良品が混入することがない。
【0011】この加熱方法によれば、加熱行程において
高温流体の表面をシート上の目的の領域の面に対して離
隔位置から接近させて直接に接触させることによって加
熱し、その領域上のハンダを溶融させた後に、冷却行程
において高温流体の表面を接触位置から離隔位置へ後退
させることによって、目的の領域の溶融したハンダを冷
却、凝固させて電子部品をハンダ付けすることができ
る。従って、何らかのトラブルが生じたときに、高温流
体を離隔位置において停止させて加熱行程を休止するこ
とにより、電子部品を過度に加熱して劣化させる恐れが
ない。
高温流体の表面をシート上の目的の領域の面に対して離
隔位置から接近させて直接に接触させることによって加
熱し、その領域上のハンダを溶融させた後に、冷却行程
において高温流体の表面を接触位置から離隔位置へ後退
させることによって、目的の領域の溶融したハンダを冷
却、凝固させて電子部品をハンダ付けすることができ
る。従って、何らかのトラブルが生じたときに、高温流
体を離隔位置において停止させて加熱行程を休止するこ
とにより、電子部品を過度に加熱して劣化させる恐れが
ない。
【0012】この加熱方法によれば、長い帯状に連続し
ているシート上にフレキシブル基板となるべき多数の領
域が並んでいる場合に、シートをその長手方向に間欠的
に移動させることにより、前記領域が次々に高温流体と
接触し得る位置に来て、その位置に一時停止するように
して、各領域に対して順にリフロー加熱によるハンダ付
けを実施することができる。このような連続的なリフロ
ー加熱工程においては、ラインのどこかにトラブルが発
生すると、シートの移動を長時間停止させることになる
が、そのときは継続的に冷却行程をとり、高温流体の表
面を離隔位置において停止させて加熱行程を休止させる
ので、電子部品が過度に加熱されて劣化するという恐れ
がない。
ているシート上にフレキシブル基板となるべき多数の領
域が並んでいる場合に、シートをその長手方向に間欠的
に移動させることにより、前記領域が次々に高温流体と
接触し得る位置に来て、その位置に一時停止するように
して、各領域に対して順にリフロー加熱によるハンダ付
けを実施することができる。このような連続的なリフロ
ー加熱工程においては、ラインのどこかにトラブルが発
生すると、シートの移動を長時間停止させることになる
が、そのときは継続的に冷却行程をとり、高温流体の表
面を離隔位置において停止させて加熱行程を休止させる
ので、電子部品が過度に加熱されて劣化するという恐れ
がない。
【0013】このようなリフロー加熱方法を実行するた
めに、本発明は特許請求の範囲の請求項6に記載された
フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱
装置を提供する。
めに、本発明は特許請求の範囲の請求項6に記載された
フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱
装置を提供する。
【0014】このリフロー加熱装置においては、作動手
段によって昇降させられる流体滞留部が設けられ、流体
滞留部が昇降することによって、可撓性シート上の1つ
のフレキシブル基板となるべき領域の下面に対して接触
する位置と、下面から離隔した位置とをとり得る。ま
た、高温流体供給手段によって作動中は高温流体が絶え
ず供給されて流体滞留部に充満しており、その一部が流
体滞留部からオーバーフローしている。それによって高
温流体は空気層を介することなくシートの下面に直接に
接触することができる。
段によって昇降させられる流体滞留部が設けられ、流体
滞留部が昇降することによって、可撓性シート上の1つ
のフレキシブル基板となるべき領域の下面に対して接触
する位置と、下面から離隔した位置とをとり得る。ま
た、高温流体供給手段によって作動中は高温流体が絶え
ず供給されて流体滞留部に充満しており、その一部が流
体滞留部からオーバーフローしている。それによって高
温流体は空気層を介することなくシートの下面に直接に
接触することができる。
【0015】この場合、高温流体は流体容器に収容され
ていて、それが高温流体供給手段によって流体滞留部へ
供給され、それからオーバーフローした高温流体も同じ
流体容器に回収されるので、高温流体は循環しながらシ
ートの下面へ導かれる。そして、流体滞留部、高温流体
供給手段或いは流体容器のいずれかの部位には加熱手段
が付設されていて、その部位の高温流体を加熱すること
により、少なくとも流体滞留部内にある高温流体が所定
の高温度を維持することができる。
ていて、それが高温流体供給手段によって流体滞留部へ
供給され、それからオーバーフローした高温流体も同じ
流体容器に回収されるので、高温流体は循環しながらシ
ートの下面へ導かれる。そして、流体滞留部、高温流体
供給手段或いは流体容器のいずれかの部位には加熱手段
が付設されていて、その部位の高温流体を加熱すること
により、少なくとも流体滞留部内にある高温流体が所定
の高温度を維持することができる。
【0016】このリフロー加熱装置においては、その流
体滞留部の形状をシートの形状に沿うように樋状とする
ことができる。それによって、高温流体が流体滞留部か
らオーバーフローするときに、シートの下面と流体滞留
部との隙間から流体容器内へ流下し、シートの上面へ付
着するような恐れがない。高温流体供給手段は高温流体
を流体容器から吸い上げて加圧することにより流体滞留
部へ供給するポンプ手段を備えていることができる。ま
た、高温流体供給手段は、加圧した高温流体をノズルを
介して流体滞留部へ供給するように構成することができ
る。それによって、高温流体は高温流体供給手段から勢
いよく流体滞留部内へ噴出するので、シートの下面へ確
実に接触することができる。
体滞留部の形状をシートの形状に沿うように樋状とする
ことができる。それによって、高温流体が流体滞留部か
らオーバーフローするときに、シートの下面と流体滞留
部との隙間から流体容器内へ流下し、シートの上面へ付
着するような恐れがない。高温流体供給手段は高温流体
を流体容器から吸い上げて加圧することにより流体滞留
部へ供給するポンプ手段を備えていることができる。ま
た、高温流体供給手段は、加圧した高温流体をノズルを
介して流体滞留部へ供給するように構成することができ
る。それによって、高温流体は高温流体供給手段から勢
いよく流体滞留部内へ噴出するので、シートの下面へ確
実に接触することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について説明をす
る前に、一般的に行われているフレキシブル基板の実装
工程のライン全体の構成と、その一部であるハンダのリ
フロー加熱工程の従来技術について説明することにす
る。一般的なフレキシブル基板の製造工程、特に電子部
品の実装工程においては、図6(a)に示すように、フ
レキシブル基板の素材として、ポリイミドのような耐熱
性の合成樹脂製で、薄くて長く帯状に連続しているシー
ト1がロール状に巻かれた状態で供給される。巻かれた
ロールから引き出されて実装工程の中のハンダ印刷工程
へ供給されるシート1の表面には、予め電気回路の配線
が印刷されている。
る前に、一般的に行われているフレキシブル基板の実装
工程のライン全体の構成と、その一部であるハンダのリ
フロー加熱工程の従来技術について説明することにす
る。一般的なフレキシブル基板の製造工程、特に電子部
品の実装工程においては、図6(a)に示すように、フ
レキシブル基板の素材として、ポリイミドのような耐熱
性の合成樹脂製で、薄くて長く帯状に連続しているシー
ト1がロール状に巻かれた状態で供給される。巻かれた
ロールから引き出されて実装工程の中のハンダ印刷工程
へ供給されるシート1の表面には、予め電気回路の配線
が印刷されている。
【0018】ハンダ印刷工程においては、シート1の面
上に、微細なハンダ粒とフラックスの混合物であるハン
ダペースト(クリームハンダ)2が、スクレーパ3とし
て例示された板状の掻き均し手段によって、所定の形状
のマスク4に設けられた開口を通して、ハンダ付けをす
べき位置へ塗布(印刷)される。ハンダ印刷が終わった
シート1の部分は移動して次の電子部品の装着工程に入
る。この工程においては、1個の基板に必要なコンデン
サや抵抗、IC、コイル、端子等の多数の電子部品5
が、例えば自動組立機に設けられている三次元的に動く
機械の手6によってシート1上の所定の位置へそれぞれ
載置(装着)される。
上に、微細なハンダ粒とフラックスの混合物であるハン
ダペースト(クリームハンダ)2が、スクレーパ3とし
て例示された板状の掻き均し手段によって、所定の形状
のマスク4に設けられた開口を通して、ハンダ付けをす
べき位置へ塗布(印刷)される。ハンダ印刷が終わった
シート1の部分は移動して次の電子部品の装着工程に入
る。この工程においては、1個の基板に必要なコンデン
サや抵抗、IC、コイル、端子等の多数の電子部品5
が、例えば自動組立機に設けられている三次元的に動く
機械の手6によってシート1上の所定の位置へそれぞれ
載置(装着)される。
【0019】次のリフロー加熱工程を実行するために、
従来技術においては一般にトンネル状の連続雰囲気炉7
が用いられる。シート1はそれに装着された電子部品5
と共に図6の(b)に示すように連続雰囲気炉7内を通
過する間に、炉7内の各領域毎に定められた温度まで均
一に加熱され、シート1上に印刷されたハンダペースト
(クリームハンダ)に含まれているハンダ粒は炉7から
受ける熱によって溶融し、その後に冷却されて凝固する
ことにより電子部品5のリード片等をシート1上の配線
にハンダ付けする。
従来技術においては一般にトンネル状の連続雰囲気炉7
が用いられる。シート1はそれに装着された電子部品5
と共に図6の(b)に示すように連続雰囲気炉7内を通
過する間に、炉7内の各領域毎に定められた温度まで均
一に加熱され、シート1上に印刷されたハンダペースト
(クリームハンダ)に含まれているハンダ粒は炉7から
受ける熱によって溶融し、その後に冷却されて凝固する
ことにより電子部品5のリード片等をシート1上の配線
にハンダ付けする。
【0020】次の裁断工程においては、シート1の中で
1個のフレキシブル基板に必要な電子部品5が取り付け
られた所定の部分領域8’の外形が、例えばレーザ装置
9によって切り抜かれることにより、製品としてのフレ
キシブル基板8が得られる。なお、図示していないが、
基板8が切り抜かれた残りのシート1はロール状に巻き
取られて廃棄される。後述のように、図6(a)に示す
電子部品5のフレキシブル基板8への実装工程は本発明
においても同様に行われが、その一部であるリフロー加
熱工程の内容が、図6(b)に示された従来技術とは異
なっている。
1個のフレキシブル基板に必要な電子部品5が取り付け
られた所定の部分領域8’の外形が、例えばレーザ装置
9によって切り抜かれることにより、製品としてのフレ
キシブル基板8が得られる。なお、図示していないが、
基板8が切り抜かれた残りのシート1はロール状に巻き
取られて廃棄される。後述のように、図6(a)に示す
電子部品5のフレキシブル基板8への実装工程は本発明
においても同様に行われが、その一部であるリフロー加
熱工程の内容が、図6(b)に示された従来技術とは異
なっている。
【0021】図7に、このようなリフロー加熱工程にお
ける、シート1の領域8’の部分の温度変化(温度履
歴)の望ましいパターンを例示する。図6(b)に示す
連続雰囲気炉7を使用する従来技術によってこのパター
ンを実行する場合は、シート1上の1つの部分領域8’
は、それが連続雰囲気炉7内に入った時から60秒間移
動する間に加熱されて約150°Cに達し、次の30秒
間移動する間はその温度が維持される。これは予備加熱
と呼ばれる期間であって、この期間は、印刷されたハン
ダペーストやその周辺の温度をハンダの溶融寸前の温度
まで均一に上昇させるために設けられたものである。そ
のために、連続雰囲気炉7には領域8’が入ってから6
0秒間移動する間に通過する部分の壁面等に、電熱ヒー
タや燃焼装置等を熱源として遠赤外線を炉7内へ放射す
るか、高温の熱風を循環させるような加熱手段が設けら
れている。
ける、シート1の領域8’の部分の温度変化(温度履
歴)の望ましいパターンを例示する。図6(b)に示す
連続雰囲気炉7を使用する従来技術によってこのパター
ンを実行する場合は、シート1上の1つの部分領域8’
は、それが連続雰囲気炉7内に入った時から60秒間移
動する間に加熱されて約150°Cに達し、次の30秒
間移動する間はその温度が維持される。これは予備加熱
と呼ばれる期間であって、この期間は、印刷されたハン
ダペーストやその周辺の温度をハンダの溶融寸前の温度
まで均一に上昇させるために設けられたものである。そ
のために、連続雰囲気炉7には領域8’が入ってから6
0秒間移動する間に通過する部分の壁面等に、電熱ヒー
タや燃焼装置等を熱源として遠赤外線を炉7内へ放射す
るか、高温の熱風を循環させるような加熱手段が設けら
れている。
【0022】予備加熱が終わって全体に温度が上昇した
のちに領域8’が通過する炉7の壁面にも遠赤外線や熱
風を放出する加熱手段が設けられていて、領域8’が約
30秒間移動する間にそれが200°Cを十分に越える
温度まで加熱される。これを本加熱と呼んでいる。この
ようにして領域8’が所定の温度に達した後は、その温
度が約60秒間維持される。例えば共晶ハンダを用いる
場合は、その融点は約180°Cであるから、印刷され
たハンダペースト2の中のハンダ粒は200°Cを越え
る本加熱によって溶けて液体状となって凝集し、ハンダ
ペースト2が印刷されていた部分の配線と、電子部品5
のリード片等との間に付着する。この時に、ハンダペー
ストに含まれていたフラックスは溶融したハンダから分
離する。これがハンダのリフロー加熱と呼ばれている工
程である。
のちに領域8’が通過する炉7の壁面にも遠赤外線や熱
風を放出する加熱手段が設けられていて、領域8’が約
30秒間移動する間にそれが200°Cを十分に越える
温度まで加熱される。これを本加熱と呼んでいる。この
ようにして領域8’が所定の温度に達した後は、その温
度が約60秒間維持される。例えば共晶ハンダを用いる
場合は、その融点は約180°Cであるから、印刷され
たハンダペースト2の中のハンダ粒は200°Cを越え
る本加熱によって溶けて液体状となって凝集し、ハンダ
ペースト2が印刷されていた部分の配線と、電子部品5
のリード片等との間に付着する。この時に、ハンダペー
ストに含まれていたフラックスは溶融したハンダから分
離する。これがハンダのリフロー加熱と呼ばれている工
程である。
【0023】ハンダのリフロー加熱工程が終わった後
に、シート1の領域8’が次の60秒間に移動して通過
する連続雰囲気炉7の延長部分の壁面には加熱手段が設
けられておらず、その代わりに冷却用空気の吹き出し口
のような冷却手段が設けられている。領域8’が冷却手
段の前を通過する冷却工程においては、溶融していたハ
ンダは凝固して電子部品5のリード片等をシート1上の
領域8’の配線に電気的に接続すると共に、機械的にも
電子部品5を領域8’上に固定する。
に、シート1の領域8’が次の60秒間に移動して通過
する連続雰囲気炉7の延長部分の壁面には加熱手段が設
けられておらず、その代わりに冷却用空気の吹き出し口
のような冷却手段が設けられている。領域8’が冷却手
段の前を通過する冷却工程においては、溶融していたハ
ンダは凝固して電子部品5のリード片等をシート1上の
領域8’の配線に電気的に接続すると共に、機械的にも
電子部品5を領域8’上に固定する。
【0024】このように、連続雰囲気炉7内は予備加
熱、本加熱、及び冷却の各段階に対応する3つの領域に
分けられており、それぞれが独立に所定の温度の雰囲気
を形成している。それによって、一連のシート1が炉7
内の各領域を通過する間に、シート1の各領域8’に印
刷されたハンダペーストが加熱と冷却を受けるようにな
っているが、加熱或いは冷却の速度が非常に高いときは
急激な温度変化や高温に弱い一部の電子部品5に損傷が
生じる恐れがあるので、単位時間(毎秒)当たりの温度
変化は例えば5°C以下となるように、また、領域8’
の温度を200°C以上の高温で40秒以上維持する必
要がある場合でも、その時間が60秒を越えないように
して連続雰囲気炉7が運転される。
熱、本加熱、及び冷却の各段階に対応する3つの領域に
分けられており、それぞれが独立に所定の温度の雰囲気
を形成している。それによって、一連のシート1が炉7
内の各領域を通過する間に、シート1の各領域8’に印
刷されたハンダペーストが加熱と冷却を受けるようにな
っているが、加熱或いは冷却の速度が非常に高いときは
急激な温度変化や高温に弱い一部の電子部品5に損傷が
生じる恐れがあるので、単位時間(毎秒)当たりの温度
変化は例えば5°C以下となるように、また、領域8’
の温度を200°C以上の高温で40秒以上維持する必
要がある場合でも、その時間が60秒を越えないように
して連続雰囲気炉7が運転される。
【0025】しかしながら、連続雰囲気炉7はかなり大
きい設備であるためにそれ自体の熱容量が非常に大きい
し、連続している素材のシート1を通過させるために内
部が連続したトンネル状となっているため、シート1が
所定の平均速度において炉7内の各領域を通過している
定常運転状態においては、炉7の壁面に設けられた加熱
手段や冷却手段を操作して、シート1の各領域8’と、
それに装着されている電子部品5の温度を、炉7内の各
領域毎に定められた目的の温度まで均一に加熱すると
か、目的の温度まで均一に冷却することは可能であって
も、炉7内の加熱のための領域の温度を急速に低下させ
て、シート1の加熱を短時間内に停止させることは不可
能である。
きい設備であるためにそれ自体の熱容量が非常に大きい
し、連続している素材のシート1を通過させるために内
部が連続したトンネル状となっているため、シート1が
所定の平均速度において炉7内の各領域を通過している
定常運転状態においては、炉7の壁面に設けられた加熱
手段や冷却手段を操作して、シート1の各領域8’と、
それに装着されている電子部品5の温度を、炉7内の各
領域毎に定められた目的の温度まで均一に加熱すると
か、目的の温度まで均一に冷却することは可能であって
も、炉7内の加熱のための領域の温度を急速に低下させ
て、シート1の加熱を短時間内に停止させることは不可
能である。
【0026】従って、もし、前述のような基板8への電
子部品5の一連の実装工程におけるラインの一部にでも
故障が生じてライン全体を停止させた場合には、連続雰
囲気炉7内の予備加熱工程や本加熱工程に対応する領域
には、シート1のうちの複数個の領域8’が取り残され
ることになり、それらが長時間高温に曝される結果、そ
れらの領域8’上の電子部品5の中で高温に弱いものが
劣化して、ラインの故障が回復した後に取り出されるフ
レキシブル基板8の中に、少なくとも複数個の不良品が
混入することになる。
子部品5の一連の実装工程におけるラインの一部にでも
故障が生じてライン全体を停止させた場合には、連続雰
囲気炉7内の予備加熱工程や本加熱工程に対応する領域
には、シート1のうちの複数個の領域8’が取り残され
ることになり、それらが長時間高温に曝される結果、そ
れらの領域8’上の電子部品5の中で高温に弱いものが
劣化して、ラインの故障が回復した後に取り出されるフ
レキシブル基板8の中に、少なくとも複数個の不良品が
混入することになる。
【0027】そこで一般的に考え得る対策は、連続雰囲
気炉7のように大規模であるために迅速に運転状態を変
化させることができない設備を使用しないで、連続する
シートの一部を電熱ヒータ等からなる小型の加熱手段に
よって局部的に加熱するように構成することにより、そ
の部分に印刷されたハンダペーストをリフロー加熱する
という方法である。この場合は、故障によってラインを
停止させるようなときに同時に加熱手段への給電も停止
させることによって、ラインの運転停止中におけるフレ
キシブル基板8の過度の加熱による不良品の発生を防止
することができるのではないかと一応は考えられる。
気炉7のように大規模であるために迅速に運転状態を変
化させることができない設備を使用しないで、連続する
シートの一部を電熱ヒータ等からなる小型の加熱手段に
よって局部的に加熱するように構成することにより、そ
の部分に印刷されたハンダペーストをリフロー加熱する
という方法である。この場合は、故障によってラインを
停止させるようなときに同時に加熱手段への給電も停止
させることによって、ラインの運転停止中におけるフレ
キシブル基板8の過度の加熱による不良品の発生を防止
することができるのではないかと一応は考えられる。
【0028】しかしながら、小型の加熱手段によって、
フレキシブル基板の素材であるシートの一部とそれに装
着されている電子部品からなる被加熱物を局部的に加熱
する場合に、加熱手段が被加熱物に直接に接触しないで
少しでも離れているときは、加熱手段と被加熱物との間
に厚さが一様でない空気層が存在するので、被加熱物を
均一に加熱することは不可能である。また、仮に、その
加熱手段が熱板を備えていて、熱板が被加熱物の一部で
ある基板のシートに直接に接触してシート上のハンダを
加熱するようように構成されていたとしても、電子部品
を装着されたシートには微小な凹凸があるので、加熱手
段(熱板)と被加熱物(シート)との間には薄いながら
も空気の層が介在し、その空気層が強力な断熱材として
作用するのと、空気層の厚さが不均一であるために、熱
板によってシート上のハンダペーストを均一に目的の温
度まで加熱することはできない。
フレキシブル基板の素材であるシートの一部とそれに装
着されている電子部品からなる被加熱物を局部的に加熱
する場合に、加熱手段が被加熱物に直接に接触しないで
少しでも離れているときは、加熱手段と被加熱物との間
に厚さが一様でない空気層が存在するので、被加熱物を
均一に加熱することは不可能である。また、仮に、その
加熱手段が熱板を備えていて、熱板が被加熱物の一部で
ある基板のシートに直接に接触してシート上のハンダを
加熱するようように構成されていたとしても、電子部品
を装着されたシートには微小な凹凸があるので、加熱手
段(熱板)と被加熱物(シート)との間には薄いながら
も空気の層が介在し、その空気層が強力な断熱材として
作用するのと、空気層の厚さが不均一であるために、熱
板によってシート上のハンダペーストを均一に目的の温
度まで加熱することはできない。
【0029】このような方法によってリフロー加熱を行
うと、被加熱物の温度が部分的に異なるという状態が生
じるので、ハンダの溶融時期が部分的に異なってくる。
従って、1個の電子部品(チップ)がシート上に印刷さ
れた配線における複数箇所のランド部にハンダ付けされ
る場合は、複数個のハンダ付け箇所の温度が相互に異な
ってハンダの溶融する時期が異なるため、溶融したハン
ダの表面張力の差等によって電子部品が傾き、次にハン
ダが冷却されて凝固するときに電子部品が傾斜したまま
で固定されることになる。これは従来から「チップ立
ち」と呼ばれている現象と同じであって、電子部品がフ
レキシブル基板に正常な姿勢でハンダ付けされないの
で、フレキシブル基板の配線の一部に電子部品と接続さ
れない部分が生じたり、近接した配線の素線の間に短絡
を生じたりして、基板の不良品が発生する原因となる。
本発明はこのようなリフロー加熱方法における従来技術
の問題点を解消するためになされたものである。
うと、被加熱物の温度が部分的に異なるという状態が生
じるので、ハンダの溶融時期が部分的に異なってくる。
従って、1個の電子部品(チップ)がシート上に印刷さ
れた配線における複数箇所のランド部にハンダ付けされ
る場合は、複数個のハンダ付け箇所の温度が相互に異な
ってハンダの溶融する時期が異なるため、溶融したハン
ダの表面張力の差等によって電子部品が傾き、次にハン
ダが冷却されて凝固するときに電子部品が傾斜したまま
で固定されることになる。これは従来から「チップ立
ち」と呼ばれている現象と同じであって、電子部品がフ
レキシブル基板に正常な姿勢でハンダ付けされないの
で、フレキシブル基板の配線の一部に電子部品と接続さ
れない部分が生じたり、近接した配線の素線の間に短絡
を生じたりして、基板の不良品が発生する原因となる。
本発明はこのようなリフロー加熱方法における従来技術
の問題点を解消するためになされたものである。
【0030】図1及び図2に本発明の好適な実施例とし
てのリフロー加熱装置10を示す。従来技術に関連して
図6及び図7を参照して説明したフレキシブル基板に対
する電子部品の実装工程のうちで、図6(b)に示すリ
フロー加熱工程を除いて他の部分は本発明を実施する場
合にも同様に実施されるものであるから、本発明の実施
例においても、従来技術と共通の部分については同じ参
照符号を使用することにする。
てのリフロー加熱装置10を示す。従来技術に関連して
図6及び図7を参照して説明したフレキシブル基板に対
する電子部品の実装工程のうちで、図6(b)に示すリ
フロー加熱工程を除いて他の部分は本発明を実施する場
合にも同様に実施されるものであるから、本発明の実施
例においても、従来技術と共通の部分については同じ参
照符号を使用することにする。
【0031】本発明の実施例におけるリフロー加熱装置
10は上方に向かって開いている流体容器11を備えて
おり、その内部に高温流体12を収容している。高温流
体12は運転時に熱媒体となるものであって、大きな熱
容量が必要であることから液体であることが望ましい
が、停止時には冷却して凝固するものであってもよい。
具体的に高温流体12の例を挙げると、リフロー加熱装
置から最も手近なものとして、融点よりも十分に高い温
度まで加熱された液状のハンダがあり、他に、気化温度
(沸点)及び変質温度が、リフロー加熱工程において使
用されるハンダの融点(200°C前後)よりも十分に
高くて、高温でも安定している機械油やエンジンオイ
ル、或いは合成オイル等を使用することができる。
10は上方に向かって開いている流体容器11を備えて
おり、その内部に高温流体12を収容している。高温流
体12は運転時に熱媒体となるものであって、大きな熱
容量が必要であることから液体であることが望ましい
が、停止時には冷却して凝固するものであってもよい。
具体的に高温流体12の例を挙げると、リフロー加熱装
置から最も手近なものとして、融点よりも十分に高い温
度まで加熱された液状のハンダがあり、他に、気化温度
(沸点)及び変質温度が、リフロー加熱工程において使
用されるハンダの融点(200°C前後)よりも十分に
高くて、高温でも安定している機械油やエンジンオイ
ル、或いは合成オイル等を使用することができる。
【0032】高温流体12を加熱して所定の温度を維持
させるために、流体容器11の下部には電熱ヒータ13
のような発熱手段と、容器11内にある流体12の温度
を所定の値に制御するためのサーモスタットスイッチ1
4のような温度制御手段が設けられる。温度制御手段
は、他にも、温度センサ、電子式制御装置、電熱ヒータ
の回路に挿入されたスイッチ等から構成することができ
る。
させるために、流体容器11の下部には電熱ヒータ13
のような発熱手段と、容器11内にある流体12の温度
を所定の値に制御するためのサーモスタットスイッチ1
4のような温度制御手段が設けられる。温度制御手段
は、他にも、温度センサ、電子式制御装置、電熱ヒータ
の回路に挿入されたスイッチ等から構成することができ
る。
【0033】更に、流体容器11を含めた加熱装置10
の全体を、この場合は上下方向に往復動させるための空
圧シリンダ15のような作動手段と、空圧シリンダ15
を作動させるための電磁式切換弁16や、それを操作す
る図示しない電子式制御装置等からなる操作手段と、コ
ンプレッサ17及び圧力空気タンク18等からなる圧力
空気源のような動力源が付設される。
の全体を、この場合は上下方向に往復動させるための空
圧シリンダ15のような作動手段と、空圧シリンダ15
を作動させるための電磁式切換弁16や、それを操作す
る図示しない電子式制御装置等からなる操作手段と、コ
ンプレッサ17及び圧力空気タンク18等からなる圧力
空気源のような動力源が付設される。
【0034】なお、サーモスタットスイッチ14及び電
熱ヒータ13は、導線19等を介して図示しない電源に
接続される。更に、空圧シリンダ15によって代表され
る作動手段としては、他にも公知の油圧シリンダや、電
磁式、或いは電動式のアクチュエータ等を利用すること
ができる。それらは流体容器11を作動させるために適
当なリンク機構やカム機構、或いは螺子機構等を伴うこ
とができる。
熱ヒータ13は、導線19等を介して図示しない電源に
接続される。更に、空圧シリンダ15によって代表され
る作動手段としては、他にも公知の油圧シリンダや、電
磁式、或いは電動式のアクチュエータ等を利用すること
ができる。それらは流体容器11を作動させるために適
当なリンク機構やカム機構、或いは螺子機構等を伴うこ
とができる。
【0035】流体容器11内の所定の位置には、流体加
圧容器20が複数個のステイ21によって支持されて固
定される。流体加圧容器20の下部は拡大してポンプケ
ーシング20aとなり、その内部にインペラ(羽根車)
22がシャフトと軸受、軸封装置等を介して回転可能に
支持されていて、それらによって1つの流体ポンプが形
成されている。このポンプは、流体容器11に取り付け
られたモータ23によって回転駆動される。ポンプケー
シング20aの下面のインペラ22の中心の真下の位置
には、流体容器11内から高温流体12を吸入するため
の吸入口20bが開口している。
圧容器20が複数個のステイ21によって支持されて固
定される。流体加圧容器20の下部は拡大してポンプケ
ーシング20aとなり、その内部にインペラ(羽根車)
22がシャフトと軸受、軸封装置等を介して回転可能に
支持されていて、それらによって1つの流体ポンプが形
成されている。このポンプは、流体容器11に取り付け
られたモータ23によって回転駆動される。ポンプケー
シング20aの下面のインペラ22の中心の真下の位置
には、流体容器11内から高温流体12を吸入するため
の吸入口20bが開口している。
【0036】ポンプケーシング20aに接続する流体加
圧容器20の上部は、滑らかに縮小してノズル20cを
形成している。ノズル20cの先端は流体吐出口20d
として開口しており、図示実施例においては、流体吐出
口20dは流体加圧容器20の上部に一体的に取り付け
られた樋状の流体滞留部24に対して、その底面よりも
上方に位置している。樋状の流体滞留部24は、フレキ
シブル基板8の素材として流体滞留部24の上方の開放
面を覆うようにリフロー加熱装置10の上部へ導かれる
連続した帯状のシート1の長手方向に沿った形状を有
し、その幅はシート1の幅よりも若干狭くなっている。
圧容器20の上部は、滑らかに縮小してノズル20cを
形成している。ノズル20cの先端は流体吐出口20d
として開口しており、図示実施例においては、流体吐出
口20dは流体加圧容器20の上部に一体的に取り付け
られた樋状の流体滞留部24に対して、その底面よりも
上方に位置している。樋状の流体滞留部24は、フレキ
シブル基板8の素材として流体滞留部24の上方の開放
面を覆うようにリフロー加熱装置10の上部へ導かれる
連続した帯状のシート1の長手方向に沿った形状を有
し、その幅はシート1の幅よりも若干狭くなっている。
【0037】図1及び図2に示すリフロー加熱装置10
は、図6(a)に示すように、フレキシブル基板8の素
材であるシート1に対する電子部品5の実装工程の中の
ハンダのリフロー加熱工程に使用される。即ちリフロー
加熱装置10は、図6(b)に示すようなリフロー加熱
工程における連続雰囲気炉7に代わり得るもので、リフ
ロー加熱工程に本発明のリフロー加熱装置10を使用す
ることによって、従来技術の問題点を全て解消すること
ができる。以下、本発明実施例のリフロー加熱装置10
の作動について説明する。
は、図6(a)に示すように、フレキシブル基板8の素
材であるシート1に対する電子部品5の実装工程の中の
ハンダのリフロー加熱工程に使用される。即ちリフロー
加熱装置10は、図6(b)に示すようなリフロー加熱
工程における連続雰囲気炉7に代わり得るもので、リフ
ロー加熱工程に本発明のリフロー加熱装置10を使用す
ることによって、従来技術の問題点を全て解消すること
ができる。以下、本発明実施例のリフロー加熱装置10
の作動について説明する。
【0038】フレキシブル基板の実装工程が開始される
前に、リフロー加熱装置10においては電熱ヒータ13
に対する通電が開始され、流体容器11内、及び一部は
流体加圧容器20のポンプケーシング20a内にあるハ
ンダのような熱媒体が加熱されて溶融し、サーモスタッ
トスイッチ14が電熱ヒータ13の給電回路をON−O
FFすることによって所定の温度の高温流体12とな
る。
前に、リフロー加熱装置10においては電熱ヒータ13
に対する通電が開始され、流体容器11内、及び一部は
流体加圧容器20のポンプケーシング20a内にあるハ
ンダのような熱媒体が加熱されて溶融し、サーモスタッ
トスイッチ14が電熱ヒータ13の給電回路をON−O
FFすることによって所定の温度の高温流体12とな
る。
【0039】その後にモータ23が付勢されてインペラ
22が回転することにより、液体状の高温流体12は流
体加圧容器20の吸入口20bからポンプケーシング2
0a内へ吸入され、加圧されてノズル20c内を上昇
し、吐出口20dから流体滞留部24内へ流出する。そ
して高温流体12が流体滞留部24を満たした後はオー
バーフローして流体容器11内へ戻るという循環を行う
ことによって、流体容器11、流体加圧容器20、及び
流体滞留部24内の高温流体12の温度が全て同じにな
る。
22が回転することにより、液体状の高温流体12は流
体加圧容器20の吸入口20bからポンプケーシング2
0a内へ吸入され、加圧されてノズル20c内を上昇
し、吐出口20dから流体滞留部24内へ流出する。そ
して高温流体12が流体滞留部24を満たした後はオー
バーフローして流体容器11内へ戻るという循環を行う
ことによって、流体容器11、流体加圧容器20、及び
流体滞留部24内の高温流体12の温度が全て同じにな
る。
【0040】この実施例においても、従来技術と同様
に、予め、連続するシート1上の各領域8’に回路の配
線が印刷され、次いで図6(a)に示す工程に移って、
シート1上にハンダペースト2が印刷され、更に電子部
品5が装着される。以上の工程を経たシート1はリフロ
ー加熱装置10内へ導入され、樋状の流体滞留部24の
上面を覆い得る位置において、矢印Aの方向に、所定の
一時停止期間を挟みながら間欠的に移動する。この場
合、シート1は、1個のフレキシブル基板8となる予定
の領域8’が流体滞留部24の真上に来た時に一時的に
停止する。
に、予め、連続するシート1上の各領域8’に回路の配
線が印刷され、次いで図6(a)に示す工程に移って、
シート1上にハンダペースト2が印刷され、更に電子部
品5が装着される。以上の工程を経たシート1はリフロ
ー加熱装置10内へ導入され、樋状の流体滞留部24の
上面を覆い得る位置において、矢印Aの方向に、所定の
一時停止期間を挟みながら間欠的に移動する。この場
合、シート1は、1個のフレキシブル基板8となる予定
の領域8’が流体滞留部24の真上に来た時に一時的に
停止する。
【0041】このようにしてシート1が一時停止したと
きに、同時に空圧シリンダ15が作動することによって
リフロー加熱装置10が矢印Bのように上昇して来て所
定の位置に一時停止する。この状態が図1及び図3に示
されている。それによって樋状の流体滞留部24の周縁
部がシート1の裏面(電子部品5が装着されていない下
面)に軽く接触するので、流体滞留部24からオーバー
フローする高温流体12は、シート1の下面に直接に接
触した後に、シート1と流体滞留部24の周縁部との間
の僅かな隙間から洩れ出て、流体容器11内へ流下する
ようになる。
きに、同時に空圧シリンダ15が作動することによって
リフロー加熱装置10が矢印Bのように上昇して来て所
定の位置に一時停止する。この状態が図1及び図3に示
されている。それによって樋状の流体滞留部24の周縁
部がシート1の裏面(電子部品5が装着されていない下
面)に軽く接触するので、流体滞留部24からオーバー
フローする高温流体12は、シート1の下面に直接に接
触した後に、シート1と流体滞留部24の周縁部との間
の僅かな隙間から洩れ出て、流体容器11内へ流下する
ようになる。
【0042】この状態では、流体滞留部24内にある高
温流体12がシート1の領域8’の下面に完全に接触し
ており、それらの間には空気層が存在しないから、高温
流体12の熱が伝熱抵抗を受けることなくシート1の領
域8’へ伝達される。シート1は薄いから高温流体12
の熱はシート1を通して伝導されて表面のハンダペース
ト2や、更には電子部品5をも効率良く加熱する。シー
ト1の材質には耐熱性があるので高温流体12に接触し
ても変質する恐れはない。このようにしてシート1の領
域8’内が均一に加熱されるので、その上に印刷された
ハンダペースト2に含まれるハンダ粒は同時に溶融す
る。従って、チップ立ちのような現象の発生が防止さ
れ、製品としてのフレキシブル基板8に不良品が混入す
る可能性が減少する。
温流体12がシート1の領域8’の下面に完全に接触し
ており、それらの間には空気層が存在しないから、高温
流体12の熱が伝熱抵抗を受けることなくシート1の領
域8’へ伝達される。シート1は薄いから高温流体12
の熱はシート1を通して伝導されて表面のハンダペース
ト2や、更には電子部品5をも効率良く加熱する。シー
ト1の材質には耐熱性があるので高温流体12に接触し
ても変質する恐れはない。このようにしてシート1の領
域8’内が均一に加熱されるので、その上に印刷された
ハンダペースト2に含まれるハンダ粒は同時に溶融す
る。従って、チップ立ちのような現象の発生が防止さ
れ、製品としてのフレキシブル基板8に不良品が混入す
る可能性が減少する。
【0043】シート1の領域8’上に印刷されたハンダ
ペースト2に含まれているハンダ粒が溶融して凝集し、
フラックスを分離するのに必要な所定の時間が経過する
と、電磁式切換弁16が切り換えられ、空圧シリンダ1
5の作動によってリフロー加熱装置10が矢印Cのよう
に降下する。その状態が図4に示されている。それによ
って、流体滞留部24内の高温流体12の表面がシート
1の下面から離れるので、領域8’上のハンダは放熱し
て凝固し、複数個の電子部品5を領域8’に印刷された
配線に電気的に接続すると共に、機械的にも電子部品5
を領域8’に固定する。このときに同時に溶融したハン
ダに空気等の冷却用流体を吹きつけて強制的に冷却し、
ハンダの凝固を早めてもよい。
ペースト2に含まれているハンダ粒が溶融して凝集し、
フラックスを分離するのに必要な所定の時間が経過する
と、電磁式切換弁16が切り換えられ、空圧シリンダ1
5の作動によってリフロー加熱装置10が矢印Cのよう
に降下する。その状態が図4に示されている。それによ
って、流体滞留部24内の高温流体12の表面がシート
1の下面から離れるので、領域8’上のハンダは放熱し
て凝固し、複数個の電子部品5を領域8’に印刷された
配線に電気的に接続すると共に、機械的にも電子部品5
を領域8’に固定する。このときに同時に溶融したハン
ダに空気等の冷却用流体を吹きつけて強制的に冷却し、
ハンダの凝固を早めてもよい。
【0044】このようにして1個の領域8’のハンダ付
けが終わると、シート1は矢印Aの方向に所定の距離だ
け移動して、次の領域8’がリフロー加熱装置10の樋
状の流体滞留部24の真上に来る。そして前述の場合と
同じようにしてリフロー加熱装置10の作動が繰り返し
て行われる。
けが終わると、シート1は矢印Aの方向に所定の距離だ
け移動して、次の領域8’がリフロー加熱装置10の樋
状の流体滞留部24の真上に来る。そして前述の場合と
同じようにしてリフロー加熱装置10の作動が繰り返し
て行われる。
【0045】シート1の間欠的な移動における一時停止
の期間は、領域8’上のハンダペースト2がリフロー加
熱装置10の高温流体12によって加熱されて溶融し、
次に加熱装置10がシート1から離れることによって、
ハンダが冷却されて凝固するのに必要な時間である。し
かし、一時停止した後のシート1の次の移動開始時期
は、領域8’上の溶融したハンダを凝固させるためにリ
フロー加熱装置10を降下させ始めるのと同時であって
もよい。この場合は、領域8’上の溶融したハンダが、
シート1と共に移動しながら冷却される。それによって
リフロー加熱工程に要する時間が短縮される。
の期間は、領域8’上のハンダペースト2がリフロー加
熱装置10の高温流体12によって加熱されて溶融し、
次に加熱装置10がシート1から離れることによって、
ハンダが冷却されて凝固するのに必要な時間である。し
かし、一時停止した後のシート1の次の移動開始時期
は、領域8’上の溶融したハンダを凝固させるためにリ
フロー加熱装置10を降下させ始めるのと同時であって
もよい。この場合は、領域8’上の溶融したハンダが、
シート1と共に移動しながら冷却される。それによって
リフロー加熱工程に要する時間が短縮される。
【0046】本発明の他の実施例として、リフロー加熱
装置10を上下に往復動させるだけでなく、シート1の
移動に合わせてその移動方向(矢印A及びその反対方
向)にも往復動させるようにすれば、シート1を一時停
止させる必要がなくなって、リフロー加熱工程に要する
時間が更に短縮される。しかし、シート1の移動に一時
停止期間を設けることは、図6(a)に示すリフロー加
熱工程以外の各工程を実行する場合にも望ましいから、
それら全ての工程における一時停止期間が同じになるよ
うにラインを設計すれば、シート1の一時停止は何ら問
題にならない。
装置10を上下に往復動させるだけでなく、シート1の
移動に合わせてその移動方向(矢印A及びその反対方
向)にも往復動させるようにすれば、シート1を一時停
止させる必要がなくなって、リフロー加熱工程に要する
時間が更に短縮される。しかし、シート1の移動に一時
停止期間を設けることは、図6(a)に示すリフロー加
熱工程以外の各工程を実行する場合にも望ましいから、
それら全ての工程における一時停止期間が同じになるよ
うにラインを設計すれば、シート1の一時停止は何ら問
題にならない。
【0047】図5は連続するシート1上の複数個の領域
8’の1個毎に対して次ぎ次ぎに、リフロー加熱装置1
0を加熱位置と非加熱位置(冷却位置)との間で往復動
させて、本発明のリフロー加熱工程を行う作動をまとめ
て示したものである。このようにして電子部品5の実装
が終わったシート1上の各領域8’は、従来技術と同様
に、図6(a)に示すような裁断工程において切り抜か
れて、製品としてのフレキシブル基板8となる。
8’の1個毎に対して次ぎ次ぎに、リフロー加熱装置1
0を加熱位置と非加熱位置(冷却位置)との間で往復動
させて、本発明のリフロー加熱工程を行う作動をまとめ
て示したものである。このようにして電子部品5の実装
が終わったシート1上の各領域8’は、従来技術と同様
に、図6(a)に示すような裁断工程において切り抜か
れて、製品としてのフレキシブル基板8となる。
【0048】なお、前述の実施例においては、リフロー
加熱装置10がシート1上の1個の領域8’毎に1回ず
つ昇降する構成となっているが、リフロー加熱装置1
0、或いは流体滞留部24をシート1の長手方向或いは
幅方向に複数個併設して、それらが同時に昇降するよう
に構成することにより、1回の昇降によってシート1上
で隣接する複数個の領域8’に対して同時にリフロー加
熱を行うことが可能になる。それによってシート1の一
時停止の回数も減少し、実装工程の所要時間を短縮する
ことができる。
加熱装置10がシート1上の1個の領域8’毎に1回ず
つ昇降する構成となっているが、リフロー加熱装置1
0、或いは流体滞留部24をシート1の長手方向或いは
幅方向に複数個併設して、それらが同時に昇降するよう
に構成することにより、1回の昇降によってシート1上
で隣接する複数個の領域8’に対して同時にリフロー加
熱を行うことが可能になる。それによってシート1の一
時停止の回数も減少し、実装工程の所要時間を短縮する
ことができる。
【0049】本発明においては、シート1上の領域8’
とリフロー加熱装置10とを接近させることによって、
領域8’にあるハンダペースト2に対するリフロー加熱
を開始し、領域8’の温度を連続的に上昇させてハンダ
を溶融させる。また、その後に両者を離隔させることに
よって、領域8’を冷却して溶融したハンダの凝固を開
始し、領域8’の温度を連続的に低下させる。従って、
冷却空気の供給等の別の要因を除くと、接近及び離隔の
速度によって領域8’の温度上昇及び温度低下の速度が
決定される。
とリフロー加熱装置10とを接近させることによって、
領域8’にあるハンダペースト2に対するリフロー加熱
を開始し、領域8’の温度を連続的に上昇させてハンダ
を溶融させる。また、その後に両者を離隔させることに
よって、領域8’を冷却して溶融したハンダの凝固を開
始し、領域8’の温度を連続的に低下させる。従って、
冷却空気の供給等の別の要因を除くと、接近及び離隔の
速度によって領域8’の温度上昇及び温度低下の速度が
決定される。
【0050】この性質を利用して、本発明のリフロー加
熱装置10によって図7に例示したような望ましい温度
上昇及び温度低下のパターンが実現するように、接近及
び離隔の速度を適度に調整することにより、電子部品5
が熱によって損傷することを容易に回避することができ
る。図示実施例において接近及び離隔の速度を変更する
には、例えば、空圧シリンダ15と電磁式切換弁16と
を接続する流体通路等に絞り弁を挿入して、流体の流れ
に作用する抵抗の大きさを変化させるか、電磁式切換弁
16を電子式制御装置によってデューティ比制御すれば
よい。また、予備加熱と本加熱とを別個の加熱装置によ
って行い、それぞれの加熱装置における高温流体の温度
を予備加熱及び本加熱用に調節してもよい。
熱装置10によって図7に例示したような望ましい温度
上昇及び温度低下のパターンが実現するように、接近及
び離隔の速度を適度に調整することにより、電子部品5
が熱によって損傷することを容易に回避することができ
る。図示実施例において接近及び離隔の速度を変更する
には、例えば、空圧シリンダ15と電磁式切換弁16と
を接続する流体通路等に絞り弁を挿入して、流体の流れ
に作用する抵抗の大きさを変化させるか、電磁式切換弁
16を電子式制御装置によってデューティ比制御すれば
よい。また、予備加熱と本加熱とを別個の加熱装置によ
って行い、それぞれの加熱装置における高温流体の温度
を予備加熱及び本加熱用に調節してもよい。
【0051】リフロー加熱装置10は高温流体12を熱
媒体として、その高温流体12を直接にシート1の裏面
に接触させることによって領域8’を加熱するので、シ
ート1と高温流体12との間に空気層が介在しないこと
から領域8’内の温度が均一になる。本発明に関連して
行った実験によれば、溶融したハンダを高温流体12と
して使用した場合に、領域8’内の温度のばらつきは約
3°C以内であって、これはリジッドなプリント配線基
板を製造するために連続雰囲気炉7によってリフロー加
熱を行う場合と同程度の良好な値である。
媒体として、その高温流体12を直接にシート1の裏面
に接触させることによって領域8’を加熱するので、シ
ート1と高温流体12との間に空気層が介在しないこと
から領域8’内の温度が均一になる。本発明に関連して
行った実験によれば、溶融したハンダを高温流体12と
して使用した場合に、領域8’内の温度のばらつきは約
3°C以内であって、これはリジッドなプリント配線基
板を製造するために連続雰囲気炉7によってリフロー加
熱を行う場合と同程度の良好な値である。
【0052】これに対して、加熱手段に熱板を使用し
て、その熱板をフレキシブル基板のシートに接触させて
リフロー加熱を行った実験では、接触面に介在する空気
層のために、領域8’の中の温度のばらつきが15°C
にも達することがあるので、高温流体12をシート1に
直接に接触させる本発明の加熱装置10によるリフロー
加熱方法が非常に優れていることが判る。
て、その熱板をフレキシブル基板のシートに接触させて
リフロー加熱を行った実験では、接触面に介在する空気
層のために、領域8’の中の温度のばらつきが15°C
にも達することがあるので、高温流体12をシート1に
直接に接触させる本発明の加熱装置10によるリフロー
加熱方法が非常に優れていることが判る。
【0053】また、リフロー加熱装置10の作動には、
それをシート1から離隔させる行程が必ず含まれている
から、フレキシブル基板の実装工程のライン上のいずれ
かにおいてトラブルが発生したときは、直ちにリフロー
加熱装置10を図4に示したような離隔位置で停止させ
ることによって、シート1の領域8’に対する加熱を休
止し、領域8’に装着されている電子部品5が過度に加
熱されて劣化するのを防止することができる。従って、
本発明によればフレキシブル基板8の不良品の発生を確
実に低減させることができる。
それをシート1から離隔させる行程が必ず含まれている
から、フレキシブル基板の実装工程のライン上のいずれ
かにおいてトラブルが発生したときは、直ちにリフロー
加熱装置10を図4に示したような離隔位置で停止させ
ることによって、シート1の領域8’に対する加熱を休
止し、領域8’に装着されている電子部品5が過度に加
熱されて劣化するのを防止することができる。従って、
本発明によればフレキシブル基板8の不良品の発生を確
実に低減させることができる。
【図1】本発明によるリフロー加熱装置の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】図1に示すリフロー加熱装置の斜視図である。
【図3】リフロー加熱装置が加熱位置へ移動した状態を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図4】リフロー加熱装置が非加熱位置へ移動した状態
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図5】リフロー加熱装置が基板の素材の位置に対応し
て加熱位置と非加熱位置との間で往復する作動をまとめ
て示す斜視図である。
て加熱位置と非加熱位置との間で往復する作動をまとめ
て示す斜視図である。
【図6】(a)はフレキシブル基板の実装工程の全体を
略示する斜視図、(b)は連続雰囲気炉を用いる従来の
リフロー加熱工程を示す斜視図である。
略示する斜視図、(b)は連続雰囲気炉を用いる従来の
リフロー加熱工程を示す斜視図である。
【図7】リフロー加熱工程の望ましいパターンとして、
基板の素材の部分領域における温度変化を例示する線図
である。
基板の素材の部分領域における温度変化を例示する線図
である。
1…フレキシブル基板の素材の例としての連続シート 2…ハンダペースト(クリームハンダ) 5…電子部品 7…連続雰囲気炉(従来技術) 8…フレキシブル基板(製品) 8’…シート上で1個のフレキシブル基板となる領域 10…実施例のリフロー加熱装置 11…流体容器 12…高温流体 15…空圧シリンダ(作動手段) 20…流体加圧容器 20a…ポンプケーシング 20b…吸入口 20c…ノズル 20d…流体吐出口 22…インペラ 24…樋状の流体滞留部
Claims (9)
- 【請求項1】 一方の面の所定の位置に配線とハンダペ
ーストが印刷され、それらの上に電子部品が装着された
可撓性シート上の1つのフレキシブル基板となるべき領
域において、前記領域の他方の面に対して高温流体を直
接に接触させることにより、前記シートを通して伝導さ
れる前記高温流体の熱によって前記一方の面上のハンダ
ペーストを加熱してそれに含まれているハンダを溶融さ
せることを特徴とする、フレキシブル基板の実装におけ
るハンダのリフロー加熱方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記高温流体の表面
が前記領域の前記他方の面に対して所定の距離だけ離れ
た離隔位置から接近して直接に接触する加熱行程と、前
記高温流体の表面が接触位置から前記離隔位置へ後退す
る冷却行程とを含んでいることを特徴とするハンダのリ
フロー加熱方法。 - 【請求項3】 請求項2において、何らかのトラブルが
生じたときに、前記高温流体を前記離隔位置において停
止させて、前記加熱行程を休止することを特徴とするハ
ンダのリフロー加熱方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記シートが長い帯状に連続していて、その長手方向に
間欠的に移動することにより、前記シート上の次ぎに加
熱されるべき領域が前記高温流体と接触し得る位置に来
て、その位置に一時停止することを特徴とするハンダの
リフロー加熱方法。 - 【請求項5】 請求項4において、前記シートを長時間
停止させる必要が生じたときに、前記高温流体を前記離
隔位置において停止させて、前記加熱行程を休止するこ
とを特徴とするハンダのリフロー加熱方法。 - 【請求項6】 上面の少なくとも一部が開放されていて
高温流体をオーバーフローし得るように収容する容器か
らなり、上面に配線とハンダペーストが印刷され、それ
らの上に電子部品が装着された可撓性シート上の1つの
フレキシブル基板となるべき領域の下面に対して昇降す
ることによって、前記下面に接触する位置と、前記下面
から離隔した位置との間で移動し得るように支持されて
いる流体滞留部と、 作動中は高温流体が前記流体滞留部に充満していて、そ
の一部が前記流体滞留部からオーバーフローするよう
に、前記流体滞留部に対して前記高温流体を供給するこ
とができる高温流体供給手段と、 前記高温流体を収容していてそれを前記高温流体供給手
段へ供給すると共に、前記流体滞留部からオーバーフロ
ーした前記高温流体を回収することもできる流体容器
と、 前記流体滞留部を昇降させる作動手段と、 前記高温流体が少なくとも前記流体滞留部内において所
定の高温度を維持することができるように、いずれかの
部位に付設された加熱手段と、 を備えていることを特徴とする、フレキシブル基板の実
装に使用されるハンダのリフロー加熱装置。 - 【請求項7】 請求項6において、前記流体滞留部が、
前記シートの形状に沿った樋状の形状を備えていること
を特徴とするハンダのリフロー加熱装置。 - 【請求項8】 請求項6又は7において、前記高温流体
供給手段が、前記高温流体を前記流体容器から吸い上げ
て加圧することにより前記流体滞留部へ供給するポンプ
手段を備えていることを特徴とするハンダのリフロー加
熱装置。 - 【請求項9】 請求項8において、前記高温流体供給手
段が、加圧した前記高温流体をノズルを介して前記流体
滞留部へ供給するように構成されていることを特徴とす
るハンダのリフロー加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000028922A JP2001217534A (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱方法と加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000028922A JP2001217534A (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱方法と加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001217534A true JP2001217534A (ja) | 2001-08-10 |
Family
ID=18554255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000028922A Pending JP2001217534A (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | フレキシブル基板の実装におけるハンダのリフロー加熱方法と加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001217534A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016001658A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | 大日本印刷株式会社 | 実装基板の製造方法 |
JP7106174B1 (ja) | 2021-07-19 | 2022-07-26 | アサヒ・エンジニアリング株式会社 | 樹脂封止装置 |
-
2000
- 2000-02-01 JP JP2000028922A patent/JP2001217534A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016001658A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | 大日本印刷株式会社 | 実装基板の製造方法 |
JP7106174B1 (ja) | 2021-07-19 | 2022-07-26 | アサヒ・エンジニアリング株式会社 | 樹脂封止装置 |
JP2023014859A (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-31 | アサヒ・エンジニアリング株式会社 | 樹脂封止装置 |
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