JP2007109959A - ハンダ付け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリント配線基板3のハンダ付けが必要な部分を噴流ハンダ槽7に接触させてハンダ付けを行うハンダ付け装置において、ハンダ付けの欠陥を確実に低減できるハンダ付け装置を提供する。
【解決手段】プリント配線基板3を載置するワークセット部8と、スライド手段9と、リフト手段16と、を備え、ここでリフト手段16は、垂直方向に動作する3個のアクチュエータ17,18,19によってワークセット部8が昇降可能に支持された構成とし、この3個のアクチュエータ17,18,19の各動作を制御することにより、プリント配線基板3をあらゆる方向に角度を付けて噴流ハンダ槽7から引き上げることができるようにする。ここで制御部は、ハンダ付け条件に応じた3個のアクチュエータ17,18,19の動作パターンを複数記憶し、これをワンタッチで呼び出して3個のアクチュエータ17,18,19の動作を制御できるものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、プリント配線基板に部分的なハンダ付けを行うためのハンダ付け装置に関する。
プリント配線基板に電子部品を実装する方法として、SMT(Surface Mount Technology)つまり表面実装技術があり、SMC(Surface Mount Components)によって高密度表面実装化が進んでいる。しかし、現状ではSMCのみによる製品化は困難であり、一部にリード線挿入型部品を用いざるを得ないのが実情である。このため部分的にリード線挿入型部品の後付けを行う必要が生じる。
リード線挿入型部品のハンダ付けとしては、ハンダごてによる手ハンダ付けでもよいが、ハンダ付け作業の効率アップを図るために、部分的なソルダーディップが可能な噴流式ハンダ付け装置が好適に用いられる。
従来この部分的なハンダ付けを行う噴流式ハンダ付け装置は、噴流ハンダ槽からのハンダを煙突形の金属ノズルを設けそのノズルに溶融ハンダをハンダ付けする部分に送り込む方式が一般的に普及している。この方式は部分ハンダ付けする箇所に対応する数のノズルを設ける必要がある。このためハンダ付け箇所が増えると、ノズルの製作期間がかかり、製作コストのアップになる。またノズルから溢れだしたハンダをすでにハンダ付けされているSMCに付着しないように、ノズル形状や流れを抑制する加工が必要になる。この加工精度によっては溢れ出したハンダが、ハンダ付けを必要としない部分に飛散しハンダ付けの欠陥につながる。また煙突形ノズルに溶融ハンダを送り込む方式のため、ノズルの開口面積によっては溶融ハンダが煙突部を通過する際にノズルが金属のため放熱により温度低下が発生し、ハンダ付けの欠陥につながる場合もある。
噴流式ハンダ付け装置では、ハンダ付けを行う際に溶融ハンダを噴流により盛り上げ、そこにハンダ付けする部分を浸たし数秒間置くと、プリント配線基板とリード線挿入型部品がハンダ接合される。次に溶融ハンダからプリント配線基板のハンダ接合部を引き離すが、このとき溶融ハンダの表面張力により接合面にハンダが吸い付く現象が発生する。これによりハンダ付けの欠陥につながる場合がある。この現象は溶融ハンダ面とハンダ接合部とが平行を保ち、それを垂直方向に上昇させ引き離そうとすると多く発生する。そのため従来は、例えば下記の特許文献1に開示されるように、溶融ハンダからプリント配線基板を引き離す際に水平ではなく角度(傾斜)を付けた状態で上昇させる装置が考案されている。
特開2003−273503号公報
しかしながら、このような従来装置では、プリント配線基板の引き上げ時の傾き方向や角度が固定されているため、多様なハンダ付け条件に対応することができず、ハンダ付けの欠陥の発生を低減することは難しかった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、プリント配線基板に部分的なハンダ付けを行うハンダ付け装置において、ハンダ付けの欠陥を確実に低減できるハンダ付け装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明は、
プリント配線基板においてハンダ付けを必要としない部分をマスキングパレットで覆い、ハンダ付けが必要な部分のみを噴流ハンダ槽に接触させてハンダ付けを行うハンダ付け装置であって、
マスキングパレットを装着したプリント配線基板を載置するワークセット部と、ワークセット部を噴流ハンダ槽の上方まで水平移動させるスライド手段と、ワークセット部を噴流ハンダ槽に導くためのリフト手段と、を備え、
ここでリフト手段は、垂直方向に動作する3個のアクチュエータによってワークセット部が昇降可能に支持されて成り、この3個のアクチュエータの各動作を制御することによりプリント配線基板の傾き方向・角度・速度・距離を自在に可変できるようにしたものである。
さらにこのハンダ付け装置は、噴流ハンダ槽、スライド手段及びリフト手段の各動作を制御する制御部を備え、ハンダ付けの一連の動作を自動的に行うことができるように成され、ここで制御部は、ハンダ付け条件に応じた3個のアクチュエータの動作パターンを複数記憶し、これを呼び出して3個のアクチュエータの動作を制御するものとする。
上記の如く構成される本発明のハンダ付け装置では、3個のアクチュエータの動作を制御することにより、あらゆる方向に角度を付けてプリント配線基板を噴流ハンダ槽から引き上げることができるので、多様なハンダ付け条件に対応が可能となり、ハンダ付けの欠陥が確実に低減され、品質の向上につながる。さらに本発明のハンダ付け装置では、3個のアクチュエータの動作パターンを複数記憶し、これを呼び出して3個のアクチュエータの動作を制御するようにしたことにより、ワンタッチで迅速な切替が可能となるので、時間短縮による生産効率の向上を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は、プリント配線基板においてハンダ付けを必要としない部分を覆うマスキングパレットの例を示す。このマスキングパレット1には、プリント配線基板のハンダ付けを必要とする部分に対応して開口部2が設けられており、この開口部2から溶融ハンダがプリント配線基板に接触できるようになっている。
図2は、このマスキングパレット1をプリント配線基板3に装着した状態を示す。この例は、SMC4が実装されたプリント配線基板3に後付け部品であるリード線挿入型部品5をハンダ付けする場合であり、ここでSMC4はマスキングパレット1の壁で覆われることよって溶融ハンダ噴流が接触することはなく、従ってSMCにハンダが付着する欠陥が生じるおそれはない。一方、リード線挿入型部品5は、そのリード線5aがプリント配線基板3に挿入されて反対側の面に突出され、これがマスキングパレット1の開口部2から露出し、その部分を溶融ハンダ噴流に接触させることによってハンダ付けが行われる。
このような部分ハンダ付けに用いられるマスキングパレットの加工は、ハンダ付けの必要な部分に開口部を切削加工することによって行えるため、従来の金属製ノズルのような板金加工やベースに溶接加工する方法に比べると大幅な製作期間の短縮並びにコストダウンが可能である。
本発明によるハンダ付け装置は、上記のマスキングパレットの利点を生かして部分ハンダ付けを自動で行う装置であり、図3はその平面図、図4は側面図である。
このハンダ付け装置は、図1及び図2に示したようなマスキングパレット1を装着したプリント配線基板3を水平に載置するワークセット部8を有し、このワークセット部8をスライド手段9及びリフト手段16によって噴流ハンダ槽7まで移動させてプリント配線基板3に部分的なハンダ付けを行う構成となっている。
噴流ハンダ槽7には溶融ハンダが貯留されており、この溶融ハンダに噴流を生じさせて、その溶融ハンダ噴流にハンダ付けが必要な部分を接触させる(浸す)ことにより、その部分にハンダを付着させるものである。
スライド手段9は、水平に設置される一対のガイド軸10,11と、このガイド軸10,11に軸受12,13を介してスライド可能に支持されるスライド台14と、このスライド台14をガイド軸10,11に沿って水平に移動させる駆動モータ15と、により構成され、上記スライド台14にリフト手段16を介してワークセット部8が昇降可能に支持されている。
リフト手段16は、垂直方向に動作する3個のアクチュエータ即ち第1〜第3のアクチュエータ17,18,19を有し、これらのアクチュエータ17,18,19によってワークセット部8がスライド台14に対し昇降可能に支持された構成となっている。これらのアクチュエータ17,18,19としては、エアシリンダや電動モータを駆動源とする軸ロボットが好適に用いられ、ここで第1のアクチュエータ17は、ワークセット部8の一辺側の端部を支持する位置に配置され、第2のアクチュエータ18及び第3のアクチュエータ19は、ワークセット部8の他辺側の両端部を支持する位置に配置されており、何れも自在継手20,21,22を介してワークセット部8に連結されている。
さらにこのハンダ付け装置においては、スライド台14上にスキージ機構23が搭載されており、ワークセット部8が噴流ハンダ槽7に向かって水平移動される際にはこのスキージ機構23のスキージ23aが噴流ハンダ槽7の溶融ハンダ表面にできた酸化膜を除去しながら進むようになっている。
以上の如く構成される本例のハンダ付け装置は、噴流ハンダ槽7、スライド手段9及びリフト手段16の各動作を制御する制御部25を備えており、この制御部25に組み込まれた制御プログラムにより、ハンダ付けの一連の動作を自動的に行うことができるように構成されている。
このハンダ付け動作について、さらに詳細に説明する。
装置の初期状態では、ワークセット部8は図3及び図4に示すように溶融ハンダ槽7から離れた位置にあり、この位置で図1及び図2に示したようなマスキングパレット1を装着したプリント配線基板3をワークセット部8にセットする。
セット完了後、制御部25に接続された操作スイッチのスタートボタンを押すことにより、噴流ハンダ槽7のハンダ噴流動作が開始され、これと同時にスライド手段9の駆動モータ15が作動してスライド台14がガイド軸10,11に沿って移動することで、図5(A)に示す如くワークセット部8が噴流ハンダ槽7の上方に向かって水平移動される。
そして、ワークセット部8が噴流ハンダ槽7の上方まで移動されると、リフト手段16の3個のアクチュエータ17,18,19が下方向に動作されることで、図5(B)に示す如くワークセット部8が噴流ハンダ槽7に導かれるように垂直に下降し、これによってプリント配線基板3のハンダ付けが必要な部分(図2に示したリード線挿入型部品のリード線の部分)が溶融ハンダ噴流に接触して、ハンダ付けが行われる。
適正なハンダ付け時間経過後、リフト手段16の3個のアクチュエータ17,18,19を上方向に動作させることにより、ワークセット部8を噴流ハンダ槽7から引き離すように上昇させるが、このとき3個のアクチュエータ17,18,19の各動作を制御することで、ワークセット部8を平行に上昇させるのではなく、図5(C)に示すように、溶融ハンダの表面張力によるハンダ吸い付きの欠陥が発生しにくい傾き方向・角度・速度に傾斜させて上昇させるようにする。
上昇後、ワークセット部8はスライド手段9によってガイド軸10,11に沿って噴流ハンダ槽7から離れる方向に移動し、図3及び図4に示す初期位置に戻る。その位置でワークセット部8からプリント配線基板3を取り外し、最後にプリント配線基板3からマスキングパレット1を取り外して一連のハンダ付け動作が完了する。こうして本例のハンダ付け装置では、一連のハンダ付け動作が自動で行われる。
以上の如く構成され動作される本例のハンダ付け装置は、3個(軸)のアクチュエータ17,18,19のそれぞれの上下移動の速度・距離を変化させ、これらの組み合わせにより、自在に引き上げ・下げ時の傾斜方向・傾斜角度を実現できる点に特徴がある。これにより、ハンダ付け後にプリント配線基板3を溶融ハンダの表面張力によるハンダ吸い付きの欠陥が発生しにくい傾き方向・角度・速度に傾斜させて上昇させることができるので、ハンダ付けの欠陥の発生を確実に減少させることができる。
この3個のアクチュエータの動作概念を図6及び図7でさらに詳しく説明する。図6はプリント配線基板と3個のアクチュエータの概念図、図7は3個のアクチュエータの動作パターンを示す表である。ここで図7の表にあるA〜Hは、図6のプリント配線基板3上の位置を示している。また図7の表において1は引き上げの速度・高さ(距離)を表わし、0.5はその半分の速度・高さで、0は移動なしを表わしている。
この場合、例えばプリント配線基板3のAの位置を引き上げる(Aの位置を頂点とするようにプリント配線基板3を傾斜させる)ときには、第1のアクチュエータ17を1、第2のアクチュエータ18を0.5、第3のアクチュエータ19を0の割合で動作させるようにする。またプリント配線基板3のBの位置を引き上げる(Bの辺を上げるようにプリント配線基板3を傾斜させる)には、第1のアクチュエータ17を1、第2のアクチュエータ18及び第3のアクチュエータ19を0の割合で動作させるように制御すればよい。
このようにして本例のハンダ付け装置では、3個のアクチュエータ17,18,19の動作を制御することにより、あらゆる方向に角度を付けてプリント配線基板3を噴流ハンダ槽7から引き上げることができるので、多様なハンダ付け条件に対応が可能となり、ハンダ付けの欠陥が確実に低減され、品質の向上につながる。
そして本例のハンダ付け装置においては、このハンダ付け条件に応じた3個のアクチュエータの動作パターンを制御部25内のメモリに複数記憶させてあり、これを切替スイッチによってワンタッチで呼び出して3個のアクチュエータ17,18,19の動作を制御し、プリント配線基板3を最適な傾き方向・角度で引き上げることができるようになっている。
従来のハンダ付け装置では、この引き上げ方向が単一な方向に固定されていたり、メカニカルな段取り換えをする必要があったため、ワンタッチで切替を行うことができなかったが、本発明によるハンダ付け装置では、多種にわたるプリント配線基板のハンダ付け条件に応じた3個のアクチュエータの動作パターンを複数記憶し、これを呼び出して3個のアクチュエータの動作を制御するようにしたことにより、ワンタッチで迅速な切替が行えるので、時間短縮による生産効率の向上を図ることが可能となった。
マスキングパレットの例を示す平面図である。 マスキングパレットをプリント配線基板に装着した状態を示す部分断面図である。 本発明によるハンダ付け装置の実施例を示す平面図である。 本発明によるハンダ付け装置の実施例を示す側面図である。 本発明によるハンダ付け装置におけるハンダ付け動作の説明図である。 プリント配線基板と3個のアクチュエータの概念図である。 3個のアクチュエータの動作パターン例を示す表である。
符号の説明
1…マスキングパレット、3…プリント配線基板、5…リード線挿入型部品、7…噴流ハンダ槽、8…ワークセット部、9…スライド手段、10,11…ガイド軸、14…スライド台、15…駆動モータ、16…リフト手段、17…第1のアクチュエータ、18…第2のアクチュエータ、19…第3のアクチュエータ、25…制御部

Claims (3)

  1. プリント配線基板においてハンダ付けを必要としない部分をマスキングパレットで覆い、ハンダ付けが必要な部分のみを噴流ハンダ槽に接触させてハンダ付けを行うハンダ付け装置であって、
    上記マスキングパレットを装着したプリント配線基板を載置するワークセット部と、上記ワークセット部を上記噴流ハンダ槽の上方まで水平移動させるスライド手段と、上記ワークセット部を上記噴流ハンダ槽に導くためのリフト手段と、を備え、
    上記リフト手段は、垂直方向に動作する3個のアクチュエータによって上記ワークセット部が昇降可能に支持されて成り、上記3個のアクチュエータの各動作を制御することによって上記プリント配線基板の傾き方向・角度・速度・距離を自在に可変できるようにしたことを特徴とするハンダ付け装置。
  2. 上記噴流ハンダ槽、上記スライド手段及び上記リフト手段の各動作を制御する制御部を備え、ハンダ付けの一連の動作を自動的に行うことができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のハンダ付け装置。
  3. 上記制御部は、ハンダ付け条件に応じた上記3個のアクチュエータの動作パターンを複数記憶し、これを呼び出して上記3個のアクチュエータの動作を制御することを特徴とする請求項2に記載のハンダ付け装置。
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