JP7096480B2 - 既製杭を用いた構真柱の建て込み方法 - Google Patents

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Description

本開示は既製杭を用いた構真柱の建て込み方法に関する。
建物の地下構造及び地上構造を並行して施工可能な工法として逆打工法が知られており、逆打工法によれば、地盤を掘削後に地下構造及び地上構造を順次構築する順打ち工法に比べ工期を短縮可能である。
従来の逆打工法の場合、所定深度に場所打ち杭を構築後、場所打ち杭上に構真柱を建て込み、これら場所打ち杭及び構真柱によって支持される構台を構築している。そして、構台から下方に向けて地下構造を構築し、上方に向けて地上構造を構築している。
場所打ち杭の構築には工期を要することから、場所打ち杭に代えて既製杭を用いることが提案されている。例えば特許文献1が開示する構真柱の建て込み方法では、既製杭と構真柱が連結されており、既製杭及び構真柱がヤットコに吊り下げられた状態で杭孔に埋設される。
特許文献1が開示する構真柱の建て込み方法によれば、工期の短縮を図ることができるとともに、既製杭に接続する構真柱には低廉なH型鋼を使用でき、しかも、既製杭と構真柱とを一体として建て込むことができるので、構真柱の建て入れ精度が不要となり、そのための架台や治具も不要となる。
特開2011-220009号公報
構真柱及び既製杭の鉛直度は、構真柱及び既製杭に所定の支持力を発揮させるためのみならず、地下構造における構真柱と周囲の部材との取り合いや、かぶり厚の確保等のために極めて重要である。
特に、既製杭の天端の深度が深い場合、構真柱及び既製杭の傾斜が大きいと、既製杭が傾斜してしまうのみならず、杭心位置も設計位置から大きく変位してしまう。
ここで、従来から知られている既製杭を建て込むためのプレボーリング工法や中掘工法では、既製杭の鉛直度は杭孔の鉛直度によって決まってしまい、当該杭孔の掘削による鉛直度は約1/200程度しか得られない。この程度の鉛直度で構真柱及び既製杭を建て込んだ場合、上記したように、支持力、取り合い、及びかぶり厚等について問題が発生してしまう。
このような点について、特許文献1においては何ら考慮されておらず、構真柱と既製杭を予め連結しておけば、場所打ち杭の場合のように後から場所打ち杭と構真柱を連結する必要がなく、構真柱の建て入れ精度が不要となることしか考慮されていない。なお、特許文献1が開示するようにヤットコを用いて構真柱及び既製杭を埋設した場合、ヤットコ自体の寸法精度、ヤットコと既製杭の連結部の寸法精度、及び杭孔の鉛直度によって構真柱及び既製杭の鉛直度が制限され、十分な鉛直度が得られない虞がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、既製杭と連結された構真柱を高い鉛直精度にて建て込み可能な既製杭を用いた構真柱の建て込み方法を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法は、
地盤に竪穴を掘削する掘削工程と、
既製杭と構真柱を連結する連結工程と、
前記竪穴に前記連結工程で連結された既製杭と構真柱を挿入する挿入工程と、
前記竪穴に挿入された前記構真柱の鉛直度を調整する鉛直度調整工程と、
前記鉛直度調整工程で鉛直度が調整された状態で前記既製杭及び前記構真柱を保持しながら、前記竪穴内の前記既製杭を硬化材によって固定する固定工程と、
を備え
前記掘削工程で選択される掘削方法によって予定される竪穴の鉛直度の予定値と、前記構真柱の鉛直度の目標値に応じて、前記竪穴における前記既製杭を収容する部分の掘削径を設定し、
前記竪穴の鉛直度の予定値と前記構真柱の鉛直度の目標値の差及び前記既製杭の下端の予定深度に比例する最小クリアランスを設定し、
前記既製杭の杭径に前記最小クリアランスを加えた値よりも前記掘削径を大きく設定する。
上記構成(1)によれば、鉛直度調整工程において構真柱の鉛直度を調整することで、構真柱の鉛直度とともに、構真柱に連結されている既製杭の鉛直度を調整することができる。この結果、構真柱及び既製杭を高い鉛直精度にて建て込み可能である。
そして、上記構成()によれば、竪穴の掘削方法によって予定される竪穴の鉛直度の予定値及び構真柱の鉛直度の目標値に応じて、前記竪穴の掘削径を設定するので、構真柱の鉛直度を調整する際、既製杭と竪穴の壁面との干渉によって調整が阻害されることを防止することができる。この結果として、構真柱及び既製杭を高い鉛直精度にて確実に建て込み可能である。
2)本発明の少なくとも一実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法は、
地盤に竪穴を掘削する掘削工程と、
既製杭と構真柱を連結する連結工程と、
前記竪穴に前記連結工程で連結された既製杭と構真柱を挿入する挿入工程と、
前記竪穴に挿入された前記構真柱の鉛直度を調整する鉛直度調整工程と、
前記鉛直度調整工程で鉛直度が調整された状態で前記既製杭及び前記構真柱を保持しながら、前記竪穴内の前記既製杭を硬化材によって固定する固定工程と、
を備え、
前記竪穴は、前記既製杭を収容する部分と前記構真柱を収容する部分とで異なる穴径を有し、
前記既製杭を収容する部分の穴径は、前記構真柱を収容する部分の穴径よりも小さい。
上記構成()によれば、竪穴の穴径を、既製杭を収容する部分と構真柱を収容する部分とで異ならせることで、竪穴の穴径を必要最小限にとどめることができ、排土量を低減することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(2)において、
前記掘削工程で選択される掘削方法によって予定される竪穴の鉛直度の予定値と、前記構真柱の鉛直度の目標値に応じて、前記竪穴における前記既製杭を収容する部分の掘削径を設定し、
前記竪穴の鉛直度の予定値と前記構真柱の鉛直度の目標値の差に比例する最小クリアランスを設定し、
前記既製杭の杭径に前記最小クリアランスを加えた値よりも前記掘削径を大きく設定する。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(3)の何れか1つにおいて、
前記鉛直度調整工程の後に、前記硬化材を前記竪穴内に注入する。
上記構成(4)によれば、鉛直度調整工程後に硬化材を注入するので、鉛直度調整工程中に構真柱の鉛直度を調整しているときに、硬化材によって調整を阻害されることがない。このため鉛直度調整工程を円滑且つ高精度に行うことができ、構真柱及び既製杭をより高い鉛直精度にて建て込み可能である。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、既製杭と連結された構真柱を高い鉛直精度にて建て込み可能な既製杭を用いた構真柱の建て込み方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法の概略的な手順を示すフローチャートである。 掘削工程及び挿入工程の一例を説明するための概略的な図である。 連結工程の一例を説明するための概略的な図である。 鉛直度調整工程の一例を説明するための概略的な図である。 固定工程の一例を説明するための概略的な図である。 幾つかの実施形態における、竪穴の掘削径の設定方法を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法について説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法に係る掘削工程及び挿入工程の一例を説明するための概略的な図である。 連結工程の一例を説明するための概略的な図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法(以下、単に建て込み方法とも称する)の概略的な手順を示すフローチャートである。建て込み方法は、図1に示すように、掘削工程S10と、連結工程S12と、挿入工程S14と、鉛直度調整工程S16と、固定工程S18とを備えている。
図2は、掘削工程S10及び挿入工程S14の一例を説明するための概略的な図である。図3は、連結工程S12の一例を説明するための概略的な図である。図4は、鉛直度調整工程S16の一例を説明するための概略的な図である。図5は、固定工程S18の一例を説明するための概略的な図である。
掘削工程S10では、地盤に竪穴1を掘削する。具体的には、図2(a)に示したように、地表で杭心位置を定め、該杭心位置に、中空円筒形状の表層ケーシング3をパワージャッキ5等によって建て込む。そして、表層ケーシング3の内部をハンマーグラブ7等によって所定深度まで掘削する。これにより、地表近傍に竪穴1の口元が形成される。
それから、図2(b)に示したように、ハンマーグラブ7等に代えてスパイラルオーガ9等を竪穴1の口元に挿入し、竪穴1の掘削を続ける。このスパイラルオーガ9等による掘削によって、竪穴1の目標深度まで掘削する。また、スパイラルオーガ9に代えてドリリングバケット等のアースドリル用掘削装置を用いて竪穴1を掘削してもよい。
本実施形態では、図2(c)に示したように、竪穴1内の掘削土は全て排土され、安定液11によって置換される。即ち、竪穴1内が安定液でほぼ満たされる。
連結工程S12では、図3(a)に示したように、既製杭13と構真柱15とを連結する。既製杭13は、コンクリート杭であっても外殻鋼管付きコンクリート杭であってもよく、ストレート杭、節杭、中間拡頭杭あるいは節部拡頭杭等であってもよい。また、既製杭13は、複数の既製杭が連結された連結杭であってもよい。
構真柱15は、中空円筒形状、円柱形状、角柱形状の鋼管、H鋼、あるいはクロスH鋼であってもよい。また、構真柱15は、外殻鋼管付きコンクリート杭であってもよい。なお、図3(b)は、図3(a)中のb-b線に沿う概略的な断面図であり、構真柱15としてクロスH鋼の断面を示している。構真柱15も、複数の構真柱が溶接等により連結されたものであってもよい。
既製杭13と構真柱15の連結方法としては、例えば、竪穴1とは別に連結用に設けられた仮孔17内に既製杭13を立てた状態で支持しておき、既製杭13の上にクレーンで吊った構真柱15を配置して連結する。連結の手段としては、機械式継手19や溶接等を用いることができる。仮孔17内に既製杭13を立てた状態で構真柱15を連結することで、構真柱15及び既製杭13を一直線状に連結することができる。
なお、機械式継手19を用いる場合、既製杭13側の構真柱15の端部(下端部)に機械式継手19用の金具として端板21を溶接してもよい。また通常、構真柱15の他端部(上端部)にはヤットコ23が取り付けられるが、ヤットコ23を取り付けるための金具として端板25を構真柱15の他端部に取り付けてもよい。
挿入工程S14では、図2(d)に示すように、既製杭13と連結された構真柱15をクレーンで吊って、既製杭13、構真柱15の順で竪穴1内に挿入する。なお、挿入に先立って、図2(c)に示すように、表層ケーシング3の上端を囲むように架台27が設置される。架台27は、後述する鉛直度調整工程S16を実施する作業者のための作業台となる。
鉛直度調整工程S16では、竪穴1内に挿入された構真柱15の鉛直度が調整される。そのために、図4に示すように、構真柱15の鉛直度を測定可能な傾斜計29が構真柱15の上端部に取り付けられる。
そして、構真柱15と表層ケーシング3との間に、構真柱15を傾動させるための押圧装置として、例えば4つのパンタグラフジャッキ31が表層ケーシング3の周方向に90度間隔で設置される。作業者は、傾斜計29によって測定された構真柱15の鉛直度が所定の目標値以下になるよう、パンタグラフジャッキ31を操作する。押圧装置はパンタグラフジャッキ31に限定されることはなく、ジャーナルジャッキ等であってもよい。
なお、構真柱15のレベルや水平方向位置を確認するための目印として目盛33等をヤットコ23に取り付け、鉛直度の調整に先立って、構真柱15の上端(天端)のレベルや水平方向位置を目盛33等を用いて調整してもよい。
それから、図5に示したように、固定工程S18において、鉛直度調整工程S16で鉛直度が調整された状態で既製杭13及び構真柱15を保持しながら、竪穴1内の既製杭13を硬化材35によって固定する。硬化材35は、根固め液や杭周液であり、例えばセメントミルク等である。硬化材35は、例えば構真柱15の根元まで覆うように注入される。
なお、図示しないけれども、表層ケーシング3、パワージャッキ5、ヤットコ23及び架台27は、適時取り払われる。そして例えば、固定工程S18後、竪穴1は掘削土等で埋め戻される。
上記構成よれば、鉛直度調整工程S16において構真柱15の鉛直度を調整することで、構真柱15の鉛直度とともに、構真柱15に連結されている既製杭13の鉛直度を調整することができる。この結果、構真柱15及び既製杭13を高い鉛直精度にて建て込み可能である。
図6は、幾つかの実施形態における、竪穴1の掘削径Dhの設定方法を説明するための図である。
幾つかの実施形態では、図6に示したように、掘削工程S10で選択される竪穴1の掘削方法によって予定される竪穴1の鉛直度の予定値Va、及び、鉛直度調整工程S16で調整される構真柱15の鉛直度の目標値Vtに応じて、竪穴1における既製杭13を収容する部分Lの掘削径Dhを設定する。換言すれば、鉛直度調整工程S16で構真柱15の鉛直度を調整している間に、既製杭13が竪穴1の既製杭13を収容する部分Lの孔壁に接触しないように、竪穴1における既製杭13を収容する部分L(杭孔部分)の掘削径Dhが設定される。
上記構成によれば、竪穴1の鉛直度の予定値Va及び構真柱15の鉛直度の目標値Vtに応じて、竪穴1における既製杭13を収容する部分Lの掘削径Dhを設定するので、構真柱15の鉛直度を調整する際、既製杭13と竪穴1の壁面との干渉によって調整が阻害されることを防止することができる。この結果として、構真柱15及び既製杭13を高い鉛直精度にて確実に建て込み可能である。
より詳しくは、既製杭の上端が地表面付近に配置されるような場合に採用される通常の既製杭のための杭孔の掘削方法では、杭孔の鉛直度の予定値は例えば1/200(0.5%)程度であり、杭孔の掘削径は、例えば杭径+100mm程度に設定される。
一方、場所打ち杭に連結される通常の構真柱の場合、構真柱の鉛直度の目標値は例えば1/1000(0.1%)程度である。これに対し、特許文献1が開示するように既製杭と構真柱を連結して同時に建て込み、通常の既製杭の杭孔の鉛直度(例えば0.5%)によって制限された状態では、構真柱の鉛直度も杭孔の鉛直度(例えば0.5%)程度にしかならず、既製杭の上端(天端)の深度が深いと既製杭の水平方向位置も大きくずれてしまう。
本実施形態でも、通常の既製杭のための杭孔の掘削方法を採用した場合、竪穴1の鉛直度の予定値Vaは、例えば1/200(0.5%)程度となる。この予定値Vaに制限された状態で竪穴1を掘削し既製杭13を建て込んでしまうと、既製杭13及び既製杭13に連結されている構真柱15の鉛直精度が低くなり、既製杭13の上端の予定深度が深い場合、既製杭13の水平方向位置が大きくずれてしまう。
そこで、本実施形態では、図6に示したように、竪穴1の鉛直度の予定値Va、及び、構真柱15の鉛直度の目標値Vtに応じて、構真柱15の鉛直度を調整しているときに既製杭13が竪穴1の孔壁と接触しないように、既製杭13を収容する部分の掘削径Dhを設定している。
なお、図6では、説明のため、鉛直度の予定値Va及び目標値Vtを誇張して大きめに描いている。
幾つかの実施形態では、図6に示したように、竪穴1における既製杭13を収容する部分の掘削径Dhは、既製杭13の下端の予定深度Lpに、鉛直度の予定値Va(単位:%)と目標値Vt(単位:%)との差、及び0.01を乗じた値(0.01×Lp×(Va-Vt))を最小クリアランスCとしたときに、既製杭13の杭径Dpと最小クリアランスCとの和(Dp+C)よりも大きくなるように設定される。つまり、次式:
Dh>Dp+C=Dp+0.01×Lp×(Va-Vt)
が満たされるように、掘削径Dhが設定される。
例えば、通常の既製杭のための杭孔の掘削径は杭径+100mm程度に設定されるため、最小クリアランスCを加えたDh=Dp+C+100となるように、掘削径Dhが設定される。なお、クリアランスCを付加する掘削径は杭径+100mmに限定されることはない。
上記構成によれば、Dh>Dp+Cとなるように掘削径Dhを設定することで、鉛直度調整工程S16における既製杭13と竪穴1の孔壁との接触を確実に抑制することができる。なお、既製杭13が節杭である場合のように既製杭13の外径が既製杭13の軸線方向で一定ではない場合、最大の外径を杭径Dpとするのが望ましい。
以下、本発明の他の実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法について説明する。なお、上述した実施形態と同一又は類似の構成については、同一の名称又は符号を付して説明を省略又は簡略化する。
幾つかの実施形態では、掘削径DhをDp+Cよりも大きく設定するのではなく、一度竪穴1を掘削してから、竪穴1の壁面の形状を超音波計で計測し、竪穴1の壁面において鉛直度調整工程S16の障害となる部分だけを後から削るようにする。すなわち、掘削工程S10後に孔壁測定工程及び修正掘削工程を実施するようにする。
上記構成によれば、竪穴1の壁面において鉛直度調整工程S16の障害となる部分だけを掘削工程S10後に削るようにすることで、当初の掘削径Dhを小さくすることができ、排土量を低減することができる。
なお、竪穴1の掘削後に超音波計で竪穴1の壁面形状を測定するには、図2(c)に示したように、竪穴1の全深さに渡って掘削土を排土し、安定液11で置換する必要がある。
図7は、本発明の他の実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法について説明するための図である。
幾つかの実施形態では、図7に示したように、竪穴1は、既製杭13を収容する部分と構真柱15を収容する部分とで異なる穴径(掘削径)を有する。
上記構成によれば、既製杭13の外径や構真柱15の外径に応じて竪穴1の穴径を異ならせることで、竪穴1の穴径を必要最小限に抑えることができ、排土量を低減することができる。
幾つかの実施形態では、図7に示したように、竪穴1において既製杭13を収容する部分の穴径は、構真柱15を収容する部分の穴径よりも小さい。
例えば、構真柱15の下端部に耐圧盤を構築し、最終的に耐圧盤によって地下構造及び地上構造を支持する直接基礎や、耐圧盤と杭基礎によって支持する併用基礎の場合、既製杭13は、耐圧盤を構築するまで建築中の地下構造及び地上構造を支持できればよい。直接基礎や併用基礎の場合、既製杭13に求められる支持力は、杭基礎のみで地下構造及び上部構造を支持する場合よりも小さくてもよく、より小径の既製杭13を用いることができる。そして直接基礎や併用基礎の場合、竪穴1における既製杭13を収容する部分の穴径も小さくてもよい。
かくして直接基礎や併用基礎の場合に、竪穴1において既製杭13を収容する部分(杭孔部分)の穴径を、構真柱15を収容する部分(地下構造部分)の穴径よりも小さくすれば、必要な支持力を確保しながら、排土量を低減することができる。
幾つかの実施形態では、図5に示したように、鉛直度調整工程S16の後に、セメントミルク等の硬化材35を竪穴1内に注入する。
上記構成によれば、鉛直度調整工程S16後に硬化材を注入するので、鉛直度調整工程S16中に構真柱15の鉛直度を調整しているときに、硬化材35によって調整を阻害されることがない。このため鉛直度調整工程S16を円滑且つ高精度に行うことができ、構真柱15及び既製杭13をより高い鉛直精度にて建て込み可能である。
幾つかの実施形態では、図3(b)及び図5に示したように、構真柱15及び既製杭13の軸線方向に沿って一直線状に硬化材注入管37が配置される。硬化材注入管37は既製杭13の下端から構真柱15の上端まで延びている。そして、硬化材35は、硬化材注入管37を通じて竪穴1の底部に注入される。なお、硬化材注入管37は、構真柱15及び既製杭13の外側に配置されていてもよいが、図3(b)及び図5に示したように、構真柱15及び既製杭13の内側に配置されていてもよい。
なお、硬化材注入管37は、硬化材35の注入後に引き抜いてもよいし、残置してもよい。残置する場合には、硬化材注入管37を構真柱15及び既製杭13に固定しておいてもよい。
上記構成によれば、硬化材35が硬化材注入管37を通じて竪穴1の底部に供給されるので、硬化材35が構真柱15に付着することを防止することができる。
なお、既製杭13を用いた場合、場所打ち杭を構築するときのようにコンクリートを打設するためのトレミー管を用いる必要がない。このため、硬化材注入管37として、トレミー管よりも小径の管を用いることができ、硬化材注入管37を構真柱15及び既製杭13の内側に通すことができる。また、硬化材注入管37を構真柱15及び既製杭13の外側に配置する場合でも、竪穴1の掘削径Dhを硬化材注入管37のために拡大する分を小さくすることができる。
図8は、本発明の他の実施形態に係る既製杭を用いた構真柱の建て込み方法に係る掘削工程S10及び挿入工程S14の一例を説明するための概略的な図である。図9は、連結工程S12の一例を説明するための概略的な図である。
幾つかの実施形態では、図8(a)に示したように、掘削工程S10で竪穴1が掘削され、図8(b)に示したように、所定深度まで掘削土が排土される。そして、図8(c)に示したように、硬化材35が注入されて残された掘削土と撹拌混合される。このとき注入される硬化材35は、セメントミルク等の他に、硬化を遅らせるための遅延材を含んでいてもよい。
それから、図9に示したように既製杭13と連結された構真柱15が、図8(d)に示したように、挿入工程S14で竪穴1内に挿入される。このとき、既製杭13及び構真柱15の根元が硬化材35内に挿入される。
この後、鉛直度調整工程S16が実施され、硬化材35が注入された状態で、構真柱15の鉛直度が調整される。そして、鉛直度調整工程S16後、固定工程S18として、既製杭13及び構真柱15をそのままの状態に保持して、硬化材35を硬化させる。
上記構成によれば、鉛直度調整工程S16前に硬化材35を竪穴1内に注入しておいても、鉛直度調整工程S16で構真柱15の鉛直度を調整することで、構真柱15及び既製杭13の鉛直精度を高くすることができる。
なお、図2に示したように鉛直度調整工程S16後に硬化材35を注入する建て込み方法を先建て方法と称し、図8に示したように鉛直度調整工程S16前に硬化材35を注入する建て込み方法を後建て方法と称するとする。先建て方法では、鉛直度調整工程S16の際、硬化材35の抵抗が無いので、構真柱15の鉛直度を後建て方法よりも小さくしやすい(鉛直精度を高くしやすい)。例えば、既製杭13の上端(天端)の予定深度が30m以上で、先建て方法での構真柱15の鉛直度の目標値(管理値)Vtは1/1100(0.09%)以上1/700(0.14%)以下に設定され、後建て方法での構真柱15の鉛直度の目標値(管理値)Vtは1/800(0.12%)以上1/500(0.2%)以下に設定される。
幾つかの実施形態では、図8に示したように、竪穴1は、拡底部1aを有していてもよい。拡底部1aは、拡底ドリルによって竪穴1の下端部に形成され、竪穴1の軸部1bよりも大きな径を有する。この場合、既製杭13の下端部を拡底部1a内に配置することで、既製杭13の支持力を高めることができる。なお、拡底部1aを設けた場合、掘削径Dhは竪穴1の軸部1bの径をさすものとする。
幾つかの実施形態では、図8及び図9に示したように、既製杭13のうち下杭を節杭によって構成し、上杭を外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)によって構成してもよい。
最後に、本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上記した実施形態において、構真柱15は、構台を支持するものであるが、本柱として使用可能なものであってもよい。つまり、構真柱15は、地下構造の一部を構成する柱として残置されるものであってもよい。
1 竪穴
1a 拡底部
1b 軸部
3 表層ケーシング
5 パワージャッキ
7 ハンマーグラブ
9 スパイラルオーガ
11 安定液
13 既製杭
15 構真柱
17 仮孔
19 機械式継手
21 端板
23 ヤットコ
25 端板
27 架台
29 傾斜計
31 パンタグラフジャッキ
33 目盛
35 硬化材
37 硬化材注入管
C 最小クリアランス
Dh 竪穴の掘削径
Dp 杭径
Lp 既製杭の下端の予定深度
Va 竪穴の鉛直度の予定値
Vt 構真柱の鉛直度の目標値
S10 掘削工程
S12 連結工程
S14 挿入工程
S16 鉛直度調整工程
S18 固定工程

Claims (4)

  1. 地盤に竪穴を掘削する掘削工程と、
    既製杭と構真柱を連結する連結工程と、
    前記竪穴に前記連結工程で連結された既製杭と構真柱を挿入する挿入工程と、
    前記竪穴に挿入された前記構真柱の鉛直度を調整する鉛直度調整工程と、
    前記鉛直度調整工程で鉛直度が調整された状態で前記既製杭及び前記構真柱を保持しながら、前記竪穴内の前記既製杭を硬化材によって固定する固定工程と、
    を備え
    前記掘削工程で選択される掘削方法によって予定される竪穴の鉛直度の予定値と、前記構真柱の鉛直度の目標値に応じて、前記竪穴における前記既製杭を収容する部分の掘削径を設定し、
    前記竪穴の鉛直度の予定値と前記構真柱の鉛直度の目標値の差及び前記既製杭の下端の予定深度に比例する最小クリアランスを設定し、
    前記既製杭の杭径に前記最小クリアランスを加えた値よりも前記掘削径を大きく設定する
    ことを特徴とする既製杭を用いた構真柱の建て込み方法。
  2. 地盤に竪穴を掘削する掘削工程と、
    既製杭と構真柱を連結する連結工程と、
    前記竪穴に前記連結工程で連結された既製杭と構真柱を挿入する挿入工程と、
    前記竪穴に挿入された前記構真柱の鉛直度を調整する鉛直度調整工程と、
    前記鉛直度調整工程で鉛直度が調整された状態で前記既製杭及び前記構真柱を保持しながら、前記竪穴内の前記既製杭を硬化材によって固定する固定工程と、
    を備え、
    前記竪穴は、前記既製杭を収容する部分と前記構真柱を収容する部分とで異なる穴径を有し、
    前記既製杭を収容する部分の穴径は、前記構真柱を収容する部分の穴径よりも小さい
    ことを特徴とする既製杭を用いた構真柱の建て込み方法。
  3. 前記掘削工程で選択される掘削方法によって予定される竪穴の鉛直度の予定値と、前記構真柱の鉛直度の目標値に応じて、前記竪穴における前記既製杭を収容する部分の掘削径を設定し、
    前記竪穴の鉛直度の予定値と前記構真柱の鉛直度の目標値の差に比例する最小クリアランスを設定し、
    前記既製杭の杭径に前記最小クリアランスを加えた値よりも前記掘削径を大きく設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の既製杭を用いた構真柱の建て込み方法。
  4. 前記鉛直度調整工程の後に、前記硬化材を前記竪穴内に注入することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の既製杭を用いた構真柱の建て込み方法。
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