JP7096281B2 - 伝動部材構造、アクセルケーブル構造、伝動部材の製造方法 - Google Patents

伝動部材構造、アクセルケーブル構造、伝動部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、伝動部材構造に関する。
特許文献1には、作動ワイヤ(伝動部材)の長さ方向の中間部に結び目(凸部)を設け、この結び目周辺を樹脂材料で封止するようにモールド成形すること開示されている。これにより、結び目を含む係合突起を作動ワイヤに高い一体性をもって形成した作動ワイヤ構造が得られる。
実開平5-23849号公報
しかしながら、従来技術では、作動ワイヤに結び目を設けているので、係合突起の一体性は高まっているものの、以下の課題がある。すなわち、従来技術では、作動ワイヤの硬さによって結び目が大きくなり、この結び目を含む係合突起も大きくなってしまう。
このように、母材の長さ方向の中間部に一体性の高い係合突起を形成する場合、係合突起が大きくなる等の課題がある。
そこで本発明は、母材の長さ方向の中間部に一体性が高くかつ小型の係合突起を設けることができる伝動部材構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、母材(21)の長さ方向の中間部(21a)に、プーリ(4)に係合する係合突起(25)が設けられる伝動部材構造であって、前記母材(21)の長さ方向の中間部(21a)を長手方向に圧潰し、拡径した加工部(26)が形成され、前記係合突起(25)は、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を被覆材料(M)で封止して、前記加工部(26)を含む部位を覆った円柱形状に形成されている、伝動部材構造を提供する。
この構成によれば、母材自体を拡大させて加工部を形成するので、母材に結び目を設けたり別部材を設けたりする場合に比べて、加工部を小型に形成することが可能となる。したがって、母材の長さ方向の中間部に一体性が高くかつ小型の係合突起を設けることができる。
請求項2に記載した発明は、前記母材(21)を挿通する一対のアウターケーブル(11,12)の端部近傍に前記プーリ(4)を設け、前記母材(21)を前記プーリ(4)に巻回させ、前記係合突起(25)を前記プーリ(4)の係止凹部(7)に係合させる。
請求項3に記載した発明は、前記加工部(26)は、前記母材(21)の長さ方向と直交する方向から見た側面視で、菱形の突出形状とされている。
この構成によれば、加工部を側面視菱形に形成することで、加工部を側面視矩形に形成する場合に比べて、以下の効果を奏する。すなわち、加工部と母材の一般部との間の応力集中を抑えることができる。具体的に、加工部を矩形に形成した場合、母材の一般部から加工部が立ち上がる立ち上がり角度が直角となる。加工部を菱形に形成した場合、母材の一般部から加工部が立ち上がる立ち上がり角度が鈍角となる。このため、加工部を菱形に形成することで、加工部の立ち上がる部の応力集中を緩和することができる。
請求項4に記載した発明は、前記母材(21)は、長さ方向で前記加工部(26)の両側にそれぞれ隣接する一対の隣接部(21e,21f)を備え、前記一対の隣接部(21e,21f)は、前記加工部(26)を挟んで互いに直線状に連続するように延び、前記係合突起(25)は、前記加工部(26)と前記一対の隣接部(21e,21f)とを前記被覆材料(M)で一体に封止して形成されている。
この構成によれば、加工部とともに加工部両側の一対の隣接部を一体に封止して係合突起を形成するので、以下の効果を奏する。すなわち、係合突起から導出した直後から母材が長さ方向に沿って延びる。このため、母材がガイド部材に保持される構成で、かつ母材が係合突起近傍までストロークする構成であっても、母材がガイド部材に強く接触することがない。これにより、母材のストローク範囲を広げるとともに、母材のストロークをスムーズにすることができる。
ここで、上記伝動部材構造を、アウターケーブル内にインナーケーブル(伝動部材)を挿通した伝動ケーブルに適用した場合の作用効果について説明する。インナーケーブルの母材は、複数本の線材を撚り合わせたケーブル本体とする。加工部は、複数の線材の撚り合わせをほぐすように拡径形成されたものとする。
インナーケーブルに長手方向の引張力が作用する場合、加工部両側の隣接部が被覆材料で覆われていないと、以下の課題が考えられる。すなわち、拡径形成された加工部が引張力で引っ張られることで、縮径するように変形することが考えられる。
これに対し、本願の係合突起は、加工部両側の直線状の隣接部を含んで被覆材料で封止している。これにより、加工部を被覆材料で覆って補強するとともに、引張力が作用した場合にも加工部の変形を抑えることができる。
加工部両側の隣接部を含んで被覆材料で封止するので、加工部におけるほぐれた線材が係合突起の外部に露出することもない。また、ほぐれた線材にインナーケーブルの張力が直接作用することもない。
請求項5に記載した発明は、インナーケーブル(10)と、インナーケーブル(10)を摺動可能に挿通するアウターケーブル(11,12)と、を備えるアクセルケーブル(5)であって、前記インナーケーブル(10)には、母材(21)の長さ方向の中間部(21a)を長手方向に圧潰し、拡径した加工部(26)が形成されるとともに、前記中間部(21a)に一体的に設けられ、アクセルグリップと一体回動するアクセルプーリ(4)に係合する円形形状の太鼓駒部(27)が形成され、前記太鼓駒部(27)は、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を被覆材料(M)で封止して、前記加工部(26)を含む部位を覆った円柱形状に形成されている。
請求項6に記載した発明は、母材(21)の長さ方向の中間部(21a)に係合突起(25)が設けられる伝動部材の製造方法であって、前記母材(21)の長さ方向の中間部(21a)に、前記母材(21)自体の断面を拡大させる加工部(26)を形成し、前記係合突起(25)は、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を被覆材料(M)で封止して形成したものであり、前記中間部(21a)よりも長手方向両側に延びる両側部(21c,21d)を、それぞれ第一支持治具(41)および第二支持治具(43)に固定的に保持するステップと、前記第一支持治具(41)および前記第二支持治具(43)を互いに近接させ、前記第一支持治具(41)および前記第二支持治具(43)の各端部(41a,43a)に備えた第一拡径凹部(42a)および第二拡径凹部(44a)によって、側面視菱形の空間を形成しつつ、前記母材(21)の前記中間部(21a)を長手方向に圧潰して拡径変形させ、側面視菱形の前記加工部(26)を形成するステップと、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を、金属材料からなる前記被覆材料(M)で封止するステップと、を備える。
本発明によれば、母材の長さ方向の中間部に一体性が高くかつ小型の係合突起を設けることができる伝動部材構造を提供することができる。
本発明の実施形態におけるアクセル装置の要部説明図である。 実施形態におけるインナーケーブルの要部の斜視図である。 図2のIII-III断面図である。 図2のIV-IV断面図である。 上記インナーケーブルの母材の加工部の側面図である。 上記加工部の製法を示す概略図であり、(a)は加工部を加工する前の状態を示し、(b)は加工部を加工した状態を示す。 (a)は比較例におけるインナーケーブルの概略図、(b)は実施形態におけるインナーケーブルの概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、例えば自動二輪車等の鞍乗り型車両に採用されるアクセル装置1の要部を示している。一般に、車両の操向操作を行うバーハンドルの右グリップ2には、アクセルスリーブ3が装着されている。アクセルスリーブ3は、運転者が把持して回動操作を行う操作子である。このアクセルスリーブ3の回動操作により、車両の原動機の出力を調整可能とする。アクセルスリーブ3の軸方向端部には、アクセルケーブル5のインナーケーブル(伝動部材)10を巻き掛けるアクセルプーリ4が一体回動可能に設けられている。アクセルプーリ4には、インナーケーブル10の係合突起25を係止する係止凹部7が形成されている。
アクセルケーブル5は、インナーケーブル10と、インナーケーブル10を摺動可能に挿通するアウターケーブル(ガイド部材)11,12と、を備えている。インナーケーブル10は、アクセルスリーブ3の回動によって駆動される伝動部材である。インナーケーブル10は、アクセルスリーブ3の回動が係合突起25を介して入力されて往復動する。アウターケーブル11,12は、例えばアクセルプーリ4を巻回したインナーケーブル10の両側を挿通ように一対設けられている。アウターケーブル11,12は、インナーケーブル10をストローク可能に保持し、インナーケーブル10のストロークを操作対象に伝達可能とする。
図2~図4に示すように、インナーケーブル10は、ケーブル本体である母材21と、母材21の長さ方向の中間部21aに一体的に設けられる係合突起25と、を備えている。実施形態における母材21の長さ方向(以下、単に長手方向ということがある。)は、母材21を直線状に延ばした状態を想定している。
母材21は、例えば複数本の線材(鋼線)22を単撚りに撚り合わせて形成されている。以下、母材21における断面一定に形成された部位を一般部23と称する。
母材21の長さ方向の中間部21aには、加工部26が形成されている。加工部26は、母材21自体の断面を一般部23よりも拡径させる加工を施したものである。
係合突起25は、母材21の加工部26を含む部位を被覆材料Mで封止することで、長手方向と直交する円柱状の太鼓駒部27を形成している。係合突起25は、例えばダイカスト成形品であり、アルミ合金を前記被覆材料Mとして形成されている。
母材21は、長さ方向で加工部26の両側に隣接する一般部23を、一対の隣接部21e,21fとしている。一対の隣接部21e,21fは、加工部26から所定長さの範囲で、母材21の長さ方向に沿って延びている。一対の隣接部21e,21fは、加工部26を挟んで互いに同一直線状に連続するように延びている。一対の隣接部21e,21fと加工部26とは、互いに同軸に配置されている。
係合突起25は、加工部26とその両側の一対の隣接部21e,21fとを、被覆材料Mで一体に封止して形成されている。係合突起25の長手方向の両側では、母材21の一般部23が長手方向に沿って直線状に延びている。
図3~図5に示すように、加工部26は、母材21の中間部21aにおいて拡径形状(突出形状、膨出形状)に加工された部位である。加工部26は、長手方向に対して直交する方向から見た側面視で、概略菱形をなす形状に形成されている。加工部26は、長手方向一側に形成される第一傾斜部26aと、長手方向他側に形成される第二傾斜部26bと、を有している。
第一傾斜部26aは、中間部21aよりも長手方向一側の一般部23の外周部21bから上り勾配に形成されている。第一傾斜部26aと外周部21bとのなす第一立ち上がり角度θ1は鈍角に形成されている。
第二傾斜部26bは、中間部21aよりも長手方向他側の一般部23の外周部21bから上り勾配に形成されている。第二傾斜部26bと外周部21bとのなす第二立ち上がり角度θ2は鈍角に形成されている。
加工部26は、長手方向から見た外形状(長手方向と直交する断面形状)が概略真円形に形成されている(図4参照)。加工部26を長手方向から見た外形状は円形に限らず、一般部23に対して突出(膨出)した形状であればよい。加工部26の第一立ち上がり角度θ1および第二立ち上がり角度θ2は互いに同一角度であるが、これらが互いに異なる角度でもよい。
図5に示すように、加工部26は、例えば母材21の長さ方向の中間部21aを長手方向で圧潰することにより形成されている。ケーブルである母材21を長手方向で圧潰することで、複数の線材22の撚り合わせがある程度ほどける。加工部26は、母材21の中間部21aを長手方向に圧潰し、複数の線材22の撚り合わせをほぐすように拡径形成されている。これにより、加工部26にける複数の線材22の間には、適宜の空隙が形成される。この空隙には、母材21の加工部26を含む部位を封止する被覆材料Mがしみ込むように充填される。
図2から図4に示すように、太鼓駒部27は、モールド成形(型成形)として、例えばダイカスト成形により太鼓形に形成されている。
太鼓駒部27を形成する製法としては、まず、予め加工部26を形成した母材21を金型にセットして型締めし、加工部26およびその両側の隣接部21e,21fを臨ませたキャビティを形成する。この状態で、キャビティに溶融状態のアルミ合金を充填(射出)し、このアルミ合金をキャビティ内で凝固させる。このようなインサート成形により、キャビティに応じた太鼓駒部27が母材21に一体的に形成される。太鼓駒部27の内部には、加工部26およびその両側の隣接部21e,21fが埋設され、係合突起25および母材21の強度を高めている。
図7(a)は、実施形態の比較例として、母材51の中間部に加工部52としての結び目を設けたインナーケーブル50を示している。母材51を結んだ結び目を加工部52とした場合、以下の課題がある。まず、硬い母材51を結んだ結び目により加工部52が大型化する。したがって、加工部52を被覆した太鼓駒部53が大型化し、ひいては係合突起54が大型化する。このため、係合突起54の周辺レイアウトや見栄えに影響がある。
また、結び目で母材51が折れ曲がることにより、結び目ひいては太鼓駒部53から導出した母材51が長手方向に対して傾斜する。このため、インナーケーブル50を太鼓駒部53近傍までアウターケーブル55に挿通する場合、以下の課題がある。すなわち、インナーケーブル50が太鼓駒部53近傍で傾斜することにより、インナーケーブル50がアウターケーブル55の内周面に強く摺接するように付勢される。したがって、アウターケーブル55に対するインナーケーブル50の摺動抵抗が高まり、インナーケーブル50の摺動性を良好に確保することができない。インナーケーブル50を太鼓駒部53近傍までアウターケーブル55に挿通することは、インナーケーブル50のストローク増加につながる。したがって、太鼓駒部53から導出した母材51が傾斜することは、インナーケーブル50のストローク増加の課題でもある。
図7(b)は、実施形態のインナーケーブル10を示している。実施形態のインナーケーブル10では、母材21を圧潰して側面視菱形の加工部26を形成したので、加工部26の大きさを好適なサイズに抑えることが可能である。この加工部26を太鼓駒部27で覆うことにより、母材21の中間部21aに所望形状の係合突起25が形成される。これにより、母材21の中間部21aに一体性が高くかつ小型の係合突起25を設けることができる。
加工部26を側面視菱形の突出形状としたので、加工部26を側面視矩形の突出形状とした場合に比べて、以下の効果がある。すなわち、加工部26の母材21からの立ち上がり角度θ1,θ2が大きくなる。加工部26が矩形の場合には、前記立ち上がり角度θ1,θ2は直角となる。加工部26が菱形の場合には、前記立ち上がり角度θ1,θ2を直角より大きな鈍角となる。これにより、加工部26の立ち上がり部21g,21hに作用する応力集中が抑えられる。したがって、母材21および係合突起25の強度を確保することができる。
母材21における加工部26の両側に隣接する部位には、長手方向に沿って同一直線状に延びる隣接部21e,21fが設けられる。係合突起25は、両隣接部21e,21fを含んで母材21を被覆材料Mで封止している。加工部26ひいては係合突起25から導出した母材21は、長手方向に沿って(長手方向に対して傾斜することなく)導出される。これにより、インナーケーブル10を太鼓駒部27近傍までアウターケーブル29内に挿通しても、インナーケーブル10が強く摺接することがない。このため、インナーケーブル10のストローク範囲を広げつつ、アウターケーブル29に対するインナーケーブル10の摺動性を良好に確保することができる。
インナーケーブル10に長手方向の引張力Fが作用する場合、加工部26両側の隣接部21e,21fが太鼓駒部27で覆われていないと、以下の課題が考えられる。すなわち、拡径形成された加工部26が引張力Fで引っ張られることで、縮径するように変形することが考えられる。
これに対し、実施形態の係合突起25は、加工部26両側の直線状の隣接部21e,21fを含んで被覆材料Mで封止している。これにより、加工部26を被覆材料Mで覆って補強するとともに、引張力Fが作用した場合にも加工部26の変形を抑えることができる。
加工部26両側の隣接部21e,21fを含んで被覆材料Mで封止するので、加工部26におけるほぐれた線材22が係合突起25の外部に露出することもない。また、ほぐれた線材22にインナーケーブル10の張力が直接作用することもない。
加工部26において、ほぐれた線材22の間の空隙には、太鼓駒部27の形成材料であるアルミ合金がしみ込むように充填される。このため、加工部26においてほぐれた線材22は、空隙に被覆材料(アルミ合金)Mが充填されることによって内側からも補強される。これにより、引張力Fに対する加工部26の変形をより一層抑えるとともに、係合突起25の母材21との一体性もより一層高めることができる。
次に、母材21の中間部21aに加工部26を形成する製法の一例を図6(a)、図6(b)に基づいて説明する。
図中符号41,43は母材21の中間部21aを圧潰加工するための支持治具を示している。
図6(a)に示すように、母材21のうち、中間部21aよりも長手方向両側に延びる両側部21c,21dは、それぞれ第一支持治具41および第二支持治具43に固定的に保持される。両側部21c,21dは、それぞれ第一支持治具41の第一挿通部42、および第二支持治具43の第二挿通部44に挿通される。
第一支持治具41の第二支持治具43に対向する端部41a側において、第一挿通部42の端部には、円錐台形の凹空間を形成する第一拡径凹部42aを備えている。第二支持治具43の第一支持治具41に対向する端部43a側において、第二挿通部44の端部には、円錐台形の凹空間を形成する第二拡径凹部44aを備えている。
中間部21aの圧潰加工前、第一支持治具41および第二支持治具43の各端部41a,43aは、長手方向において所定間隔L1だけ離されて配置されている。第一支持治具41および第二支持治具43は、長手方向で近接離反可能である。
図6(b)に示すように、中間部21aの加工時には、第一支持治具41および第二支持治具43に母材21の両側部21c,21dを保持させる。この状態で、第一支持治具41および第二支持治具43を互いに近接させる。第一支持治具41および第二支持治具43の各端部41a,43a同士が当接したとき、第一拡径凹部42aおよび第二拡径凹部44aの間には、側面視菱形の空間が形成される。第一支持治具41および第二支持治具43が近接したとき、母材21の中間部21aが長手方向に圧潰されて拡径変形する。拡径した中間部21aは、第一拡径凹部42aおよび第二拡径凹部44aの内面に整合するように菱形に形成される。これにより、母材21の中間部21aに側面視菱形の加工部26が形成される。
以上説明したように、上記実施形態における伝動部材構造は、母材21の長さ方向の中間部21aに係合突起25が設けられるものであって、母材21の長さ方向の中間部21aに、母材21自体の断面を拡大させる加工部26が形成され、係合突起25は、母材21の加工部26を含む部位を被覆材料Mで封止して形成されている。
この構成によれば、母材21自体の断面を拡大させて加工部26を形成するので、母材21に結び目を設けたり別部材を設けたりする場合に比べて、加工部26を小型に形成することが可能となる。したがって、母材21の長さ方向の中間部21aに一体性が高くかつ小型の係合突起25を設けることができる。
上記伝動部材構造において、加工部26は、母材21の長さ方向と直交する方向から見た側面視で、菱形の突出形状とされている。
この構成によれば、加工部26を側面視菱形に形成することで、加工部26を側面視矩形に形成する場合に比べて、以下の効果を奏する。すなわち、加工部26と母材21の一般部23との間の応力集中を抑えることができる。具体的に、加工部26を矩形に形成した場合、母材21の一般部23から加工部26が立ち上がる立ち上がり角度θ1,θ2が直角となる。加工部26を菱形に形成した場合、母材21の一般部23から加工部26が立ち上がる立ち上がり角度θ1,θ2が鈍角となる。このため、加工部26を菱形に形成することで、加工部26の立ち上がり部21g,21hの応力集中を緩和することができる。
上記伝動部材構造において、母材21は、長さ方向で加工部26の両側にそれぞれ隣接する一対の隣接部21e,21fを備え、一対の隣接部21e,21fは、加工部26を挟んで互いに直線状に連続するように延び、係合突起25は、加工部26と一対の隣接部21e,21fとを被覆材料Mで一体に封止して形成されている。
この構成によれば、加工部26とともに加工部26両側の一対の隣接部21e,21fを一体に封止して係合突起25を形成するので、以下の効果を奏する。すなわち、係合突起25から導出した直後の母材21が長さ方向に沿って延びる。このため、母材21がガイド部材に保持される構成で、かつ母材21が係合突起25近傍までストロークする構成であっても、母材21がガイド部材に強く接触することがない。これにより、母材21のストローク範囲を広げるとともに、母材21のストロークをスムーズにすることができる。
上記伝動部材構造において、母材21は、複数の線材22を撚り合わせたケーブルであり、加工部26は、複数の線材22の撚り合わせをほぐすように形成され、係合突起25は、加工部26の周囲を被覆材料Mで覆うとともに、加工部26における複数の線材22の間に形成された空隙にも被覆材料Mを充填して形成されている。
この構成によれば、撚り合わせをほぐした複数の線材22の間の空隙にも被覆材料Mをしみ込ませて係合突起25を形成するので、係合突起25の母材21との一体性をより一層高めることができる。
10 インナーケーブル(伝動部材)
21 母材
21a 中間部
21e,21f 隣接部
22 線材
25 係合突起
26 加工部
M 被覆材料

Claims (6)

  1. 母材(21)の長さ方向の中間部(21a)に、プーリ(4)に係合する係合突起(25)が設けられる伝動部材構造であって、
    前記母材(21)の長さ方向の中間部(21a)を長手方向に圧潰し、拡径した加工部(26)が形成され、
    前記係合突起(25)は、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を被覆材料(M)で封止して、前記加工部(26)を含む部位を覆った円柱形状に形成されている、伝動部材構造。
  2. 前記母材(21)を挿通する一対のアウターケーブル(11,12)の端部近傍に前記プーリ(4)を設け、
    前記母材(21)を前記プーリ(4)に巻回させ、前記係合突起(25)を前記プーリ(4)の係止凹部(7)に係合させる請求項1記載の伝動部材構造。
  3. 前記加工部(26)は、前記母材(21)の長さ方向と直交する方向から見た側面視で、菱形の突出形状とされている請求項1又は2に記載の伝動部材構造。
  4. 前記母材(21)は、長さ方向で前記加工部(26)の両側にそれぞれ隣接する一対の隣接部(21e,21f)を備え、
    前記一対の隣接部(21e,21f)は、前記加工部(26)を挟んで互いに直線状に連続するように延び、
    前記係合突起(25)は、前記加工部(26)と前記一対の隣接部(21e,21f)とを前記被覆材料(M)で一体に封止して、前記加工部(26)を含む部位が覆われている請求項1から3の何れか一項に記載の伝動部材構造。
  5. インナーケーブル(10)と、インナーケーブル(10)を摺動可能に挿通するアウターケーブル(11,12)と、を備えるアクセルケーブル(5)であって、
    前記インナーケーブル(10)には、
    母材(21)の長さ方向の中間部(21a)を長手方向に圧潰し、拡径した加工部(26)が形成されるとともに、
    前記中間部(21a)に一体的に設けられ、アクセルグリップと一体回動するアクセルプーリ(4)に係合する円形形状の太鼓駒部(27)が形成され、
    前記太鼓駒部(27)は、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を被覆材料(M)で封止して、前記加工部(26)を含む部位を覆った円柱形状に形成されている、アクセルケーブル構造。
  6. 母材(21)の長さ方向の中間部(21a)に係合突起(25)が設けられる伝動部材の製造方法であって、
    前記母材(21)の長さ方向の中間部(21a)に、前記母材(21)自体の断面を拡大させる加工部(26)を形成し、
    前記係合突起(25)は、前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を被覆材料(M)で封止して形成したものであり、
    前記中間部(21a)よりも長手方向両側に延びる両側部(21c,21d)を、それぞれ第一支持治具(41)および第二支持治具(43)に固定的に保持するステップと、
    前記第一支持治具(41)および前記第二支持治具(43)を互いに近接させ、前記第一支持治具(41)および前記第二支持治具(43)の各端部(41a,43a)に備えた第一拡径凹部(42a)および第二拡径凹部(44a)によって、側面視菱形の空間を形成しつつ、前記母材(21)の前記中間部(21a)を長手方向に圧潰して拡径変形させ、側面視菱形の前記加工部(26)を形成するステップと、
    前記母材(21)の前記加工部(26)を含む部位を、金属材料からなる前記被覆材料(M)で封止するステップと、を備える、伝動部材の製造方法。
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