JP7095862B2 - 脱臭機能付きバイオトイレ - Google Patents

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Description

本発明は、バイオトイレに関する。
病院や一般家庭等の室内において、病人や高齢者等が使用するポータブルトイレがある。ポータブルトイレの1つとして、バイオトイレが存在する。バイオトイレは、人の排泄物を微生物等により分解することから、後処理をほとんど必要としない等の利点を有する。
特開2010-12077号公報 特開2004-267706号公報 特開2001-27421号公報 特開2004-305395号公報
しかし、バイオトイレからは、排泄物由来の副生成物としてアンモニアを中心とした臭気物質が発生する。発生した臭気は、室内のバイオトイレから排ガスホースにより屋外に排出される。このため、室内においてバイオトイレを移動することは難しい。バイオトイレから臭気を排出しないように、バイオトイレ内で発生する臭気を完全分解することが求められる。
本発明は、臭気成分を分解処理するバイオトイレを提供することを課題とする。
開示の技術は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
便尿を分解するバイオチップ槽と、
前記バイオチップ槽から前記便尿の分解により発生したガスを導入され、当該ガスに含まれる臭気物質を吸着、捕捉する吸着材を含み、前記吸着材に捕捉した前記臭気物質を加熱して脱離する吸着部と、
前記吸着部からガスを導入され、燃焼触媒を含み、当該ガスを加熱することにより前記臭気物質を触媒分解する分解部と、を備える、
脱臭機能付きバイオトイレとする。
本発明によれば、臭気成分を分解処理する装置を提供することができる。
図1は、実施形態のバイオトイレの構成例を示す図である。 図2は、変形例のバイオトイレの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の構成の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
〔実施形態〕
(構成例)
図1は、本実施形態のバイオトイレの構成例を示す図である。図1のバイオトイレ100は、脱臭機能付きのトイレである。図1のバイオトイレ100は、バイオチップ槽102、フィルタ104、ファン106、ポンプ108、三方弁110、ドレイントラップ112、ラインヒータ114、吸着部116、バンドヒータ118を含む。また、バイオトイレ100は、三方弁120、センサ122、フィルタ124、ラインヒータ126、分解部128、バンドヒータ130、熱交換器132を含む。バイオチップ槽102には、便座が取り付けられ、人の便尿等の排泄物等が収容される。バイオトイレ100のうちバイオチップ槽102を除く部分が独立して、脱臭装置として動作しうる。
バイオトイレ100は、バイオチップ槽102に排出された排泄物等をバイオチップ槽102内で分解することにより発生する臭気成分(臭気物質)を吸着、分解し、臭気のないガスを外部に排出する装置である。バイオチップ槽102で発生する臭気成分は、吸着部116により吸着される。また、吸着部116に吸着された臭気成分は、定期的に脱離され、分解部128により分解される。
バイオチップ槽102は、排泄物等を分解する微生物を担持するおがくず(木質材)、プラスチック担体、活性炭等を格納する筐体である。排泄物等は、バイオチップ槽102内の微生物等によって分解される。バイオチップ槽102には、木質材等と排泄物等とを撹拌する撹拌手段が設けられる。撹拌手段により、バイオチップ槽102の底の方にも空気を入れることができる。空気を入れること等により、排泄物等を分解する微生物の活動を維持することができる。排泄物等の分解の際に、アンモニア等の臭気成分(臭気ガス)が副生する。臭気成分は、揮発性有機化合物(VOC)などの規制対象物質であってもよい。
フィルタ104は、バイオチップ槽102とパイプを介して接続される。パイプは、筒状の通路である(以下、同じ)。フィルタ104は、バイオチップ槽102から発生するガスを後段に通し、バイオチップ槽102のおがくず等が後段に侵入することを防ぐ。
ファン106は、フィルタ104とパイプを介して接続される。ファン106は、バイオチップ槽102からガスを吸い込み、後段に向けて排出する。ファン106は、吸着部116で臭気成分を吸着剤に吸着、捕捉する際に動作する。
ポンプ108は、フィルタ104とパイプを介して接続される。当該パイプは、フィルタ104とファン106との間のパイプから枝分かれして接続されてもよい。ポンプ108は、バイオチップ槽102からガスを吸い込み、後段に向けて排出する。ポンプ108は、例えば、排泄物がバイオチップ槽102に最後に投入されてから十分な時間が経過したとき(バイオトイレ100がトイレとして使用されていないとき等)に、動作する。ポンプ108は、吸着部116で臭気成分を吸着剤から脱離する際に動作する。
三方弁110は、ファン106、ポンプ108、ドレイントラップ112と、それぞれパイプを介して接続される。三方弁110は、ファン106に接続されるパイプ、及び、ポンプ108に接続されるパイプのうちの一方と、ドレイントラップ112に接続されるパイプとを、通気可能に接続する。三方弁110は、ドレイントラップ112に接続されるパイプに接続されるパイプを、切替可能である。三方弁110は、ファン106が動作する際には、ファン106側に切り替える。三方弁110は、ポンプ108が動作している際には、ポンプ108側に切り替える。
ここでは、フィルタ104とドレイントラップ112との間に、ファン106、ポンプ
108、三方弁110が存在しているが、ファン106またはポンプ108のみが存在してもよい。
ドレイントラップ112は、三方弁110とパイプを介して接続される。ドレイントラップ112は、バイオチップ槽102からのガスに含まれる過剰な水分を除去する。ドレイントラップ112を通過したガスは、ラインヒータ114に導入される。
ラインヒータ114は、ドレイントラップ112に接続され、ドレイントラップ112からのガスを加熱する。ラインヒータ114は、吸着部116で臭気成分を吸着剤から脱離する際に動作する。
吸着部116は、ラインヒータ114とパイプを介して接続される。吸着部116は、活性炭、シリカゲル、ゼオライト等の吸着剤を含み、バイオチップ槽102からのガスに含まれる臭気成分を取り除く。即ち、吸着部116をガスが通過する際に、吸着部116の吸着剤に臭気成分が吸着する。また、吸着部116は、加熱されることにより、吸着剤に吸着した臭気成分を脱離する。吸着剤として、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、活性白土、珪藻土、ゼオライト(例えば、疎水性ゼオライト)、モレキュラシープなどが使用され得る。
バンドヒータ118は、吸着部116の周囲に設置される加熱手段である。バンドヒータ118は、吸着部116を加熱する。吸着部116の吸着剤は、バンドヒータ118によって加熱されると吸着した臭気成分を脱離する。バンドヒータ118は、第1加熱部の一例である。
三方弁120は、吸着部116、センサ122、ラインヒータ126と、それぞれパイプを介して接続される。三方弁120は、吸着部116に接続されるパイプと、分解部128側のラインヒータ126に接続されるパイプ、及び、センサ122に接続されるパイプのうちの一方とを、通気可能に接続する。三方弁120は、吸着部116に接続されるパイプを、切替可能である。三方弁120は、吸着部116で臭気成分を吸着剤に吸着する際には、センサ122側に切り替える。三方弁120は、吸着部116で臭気成分を吸着剤から脱離する際には、ラインヒータ126側に切り替える。三方弁120は、切替バルブの一例である。
センサ122は、三方弁120とパイプを介して接続される。三方弁120からのガスは、センサ122を通過して、フィルタ124に導入される。センサ122は、三方弁120からのガスの温度を測定する温度センサ、湿度を測定する湿度センサ、臭気の程度を測定する臭気センサ等である。センサ122は、バイオトイレ100から排出されるガスの温度、湿度、臭気の程度等を測定する。
フィルタ124は、センサ122とパイプを介して接続される。フィルタ124は、三方弁120側からのガスを外部に排出し、外部からパイプ内に異物が入ることを防ぐ。また、フィルタ124として、浮遊した微生物や排泄物に含まれる恐れのある細菌を殺すことができるように、銀などの抗菌剤を担持したものが用いられてもよい。
ラインヒータ126は、三方弁120とパイプを介して接続され、三方弁120からのガスを加熱する。ラインヒータ126は、分解部128で臭気成分を触媒分解する際に動作する。
分解部128は、ラインヒータ126とパイプを介して接続される。分解部128は、金属、金属酸化物等の燃焼触媒を含み、吸着部116で脱離された臭気成分を触媒分解す
る。即ち、分解部128をガスが通過する際に、分解部128の燃焼触媒によって臭気成分が触媒分解される。また、吸着部116は、加熱されることにより、吸着剤に吸着した臭気成分を脱離する。燃焼触媒は、温度が高いほど、臭気成分を分解する性能が上がる。しかし、バイオトイレ100は、屋内で使用されることが想定されるため、可能な限り低い温度で動作させることが好ましい。燃焼触媒として、白金、パラジウム、ルテニウム(白金族元素)等の低温活性が高い物質が好ましい。
バンドヒータ130は、分解部128の周囲に設置される加熱手段である。バンドヒータ130は、分解部128を加熱する。分解部128の燃焼触媒は、バンドヒータ130によって加熱されると臭気成分を分解する。バンドヒータ130は、第2加熱部の一例である。
ラインヒータ114、バンドヒータ118、ラインヒータ126、バンドヒータ130には、熱電対等による温度センサが設けられてもよい。温度センサは、各ヒータによって加熱されるガスの温度を測定する。
熱交換器132は、分解部128とバイオチップ槽102との間に、パイプを介して設置される。分解部128からのガスは、熱交換器132を介して、バイオチップ槽102に導入される。熱交換器132は、分解部128からのガスと外部のガス(空気)または三方弁110から出たガスと熱交換することで、分解部128からのガスの温度を下げる。分解部128で温められた高温のガスがバイオチップ槽102に直接導入されると、バイオチップ槽102内の微生物が死滅するおそれがある。
ファン106、ポンプ108、三方弁110、ラインヒータ114、バンドヒータ118、三方弁120、センサ122、ラインヒータ126、バンドヒータ130は、図示しない制御ユニットによって制御される。制御ユニットは、バイオトイレ100に含まれてもよく、バイオトイレ100の外部の装置であってもよい。バイオトイレ100が吸着運転する際、制御ユニットは、ファン106を動作させ、三方弁110をファン106側に切り替え、三方弁120をセンサ122側に切り替える。また、バイオトイレ100が脱離燃焼運転する際、制御ユニットは、ポンプ108を動作させ、三方弁110をポンプ108側に切り替え、ラインヒータ114及びバンドヒータ118を動作させ、三方弁120をラインヒータ126側に切り替える。さらに、制御ユニットは、ラインヒータ126及びバンドヒータ130を動作させる。制御ユニットは、ラインヒータ114、バンドヒータ118、ラインヒータ126、バンドヒータ130によって加熱されるガスの温度が所定の温度範囲になるように、各ヒータを制御する。制御ユニットは、センサ122で測定される臭気の程度が所定値を超えた場合(即ち、臭い場合)に、吸着運転から脱離燃焼運転に切り替えてもよい。臭気の程度が所定値を超える場合、吸着部116の吸着剤に臭気成分が飽和状態に吸着して、吸着剤の性能が落ちていると考えられるからである。制御ユニットは、ファン106、ポンプ108を制御することで、ガスの流量を制御することができる。制御ユニットは、吸着部116内のガスや分解部128内のガス等の温度に応じて、ガスの流量を制御してもよい。
(動作例)
バイオトイレ100の動作例について説明する。バイオトイレ100は、主に、通常運転である吸着運転と、定期的に行う運転である脱離燃焼運転とを行う。脱離燃焼運転は、例えば、24時間あたり1時間程度行う。また、脱離燃焼運転は、センサ122が所定の閾値以上の臭気を検出した場合に、行われてもよい。次に、それぞれの運転について説明する。
〈吸着運転〉
バイオトイレ100が吸着運転を行う際、制御ユニットは、ファン106を動作させ、三方弁110をファン106側に切り替え、三方弁120をセンサ122側に切り替える。このとき、各ヒータは、動作しない。また、制御ユニットは、センサ122により、バイオトイレ100から排出されるガスの臭気の程度を監視する。
バイオチップ槽102において、微生物が排泄物等を分解することによって臭気成分を含むガスが副生する。当該ガスは、ファン106によって、バイオチップ槽102からフィルタ104を通って吸い込まれる。また、ファン106によって、吸い込まれたガスは、三方弁110、ドレイントラップ112を通って、吸着部116に達する。ドレイントラップ112では、ガスに含まれる過剰な水分が除去される。吸着部116では、吸着剤により、当該ガスに含まれる臭気成分が吸着、捕捉される。吸着部116において臭気成分が除去されたガスは、三方弁120、センサ122、フィルタ124を通って、外部に排出される。これにより、バイオトイレ100の外部には、臭気成分は排出されない。
〈脱離燃焼運転〉
バイオトイレ100が脱離燃焼運転する際、制御ユニットは、ポンプ108を動作させ、三方弁110をポンプ108側に切り替え、ラインヒータ114及びバンドヒータ118を動作させ、三方弁120をラインヒータ126側に切り替える。さらに、制御ユニットは、ラインヒータ126及びバンドヒータ130を動作させる。
バイオチップ槽102におけるガスは、ポンプ108によって、バイオチップ槽102からフィルタ104を通って吸い込まれる。また、ポンプ108によって、吸い込まれたガスは、三方弁110、ドレイントラップ112を通って、ラインヒータ114に達する。ラインヒータ114は、当該ガスを所定の温度に加熱する。所定の温度は、例えば、120℃以上250℃未満である。バイオトイレ100は、屋内で使用されることが想定されるため、安全のため、当該温度範囲とすることが好ましい。また、ラインヒータ114で加熱されたガスは、吸着部116に達する。吸着部116は、バンドヒータ118により加熱される。吸着部116の吸着剤は、バンドヒータ118やガスによって加熱されることにより、吸着している臭気成分を脱離する。バンドヒータ118は、吸着部116内のガスの温度が、所定の温度となるように加熱する。例えば、吸着部116内のガスの温度が、120℃以上250℃未満の温度範囲となるように、加熱する。吸着剤に吸着した臭気成分を脱離するためには、120℃以上にすることが好ましい。バイオトイレ100を屋内で安全に使用するためには、250℃未満とすることが好ましい。より好ましくは、上記の温度範囲を、120℃以上200℃未満とする。
吸着部116で脱離された臭気成分を含むガスは、三方弁120を介して、ラインヒータ126に達する。ラインヒータ126は、当該ガスを所定の温度に加熱する。所定の温度は、例えば、120℃以上250℃未満である。また、ラインヒータ126で加熱されたガスは、分解部128に達する。分解部128は、バンドヒータ130により加熱される。バンドヒータ130は、分解部128内のガスの温度が、所定の温度となるように加熱する。バンドヒータ130は、例えば、分解部128内のガスの温度が、120℃以上250℃未満の温度範囲となるように、加熱する。分解部128の燃焼触媒は、バンドヒータ130やガスによって加熱されることにより、ガスに含まれる臭気成分を分解する。燃焼触媒は、温度が高い(例えば、300℃から500℃程度)ほど、分解性能を発揮する。しかし、屋内で使用されることを考慮して、当該温度範囲とする。この温度範囲では、反応温度が低いため、臭気成分を一度にすべて分解することは難しい。しかしながら、分解部128から出たガスを繰り返し、バイオチップ槽102、ポンプ108、吸着部116等を介して、分解部128に戻すことで、すべての臭気成分を分解することができる。このようにすることで、バイオトイレ100は、250℃未満の温度で運転しても、臭気成分を取り除くことができる。より好ましくは、上記の温度範囲を、120℃以上20
0℃未満とする。
分解部128から出たガスは、熱交換器132を介して、バイオチップ槽102に導入される。熱交換器132は、分解部128からのガスと外部のガス(空気)または三方弁110から出たガスとで熱交換することで、分解部128からのガスの温度を下げる。分解部128から出たガスの温度を下げることで、バイオチップ槽102内の微生物が死滅することを防ぐ。また、バイオチップ槽102内に、熱交換器132を介して分解部128からの温かいガスを導入することで、微生物の活動を活性化することができる。また、ガスに含まれる臭気成分は、バイオチップ槽内の微生物によっても分解され得る。
所定時間(例えば、1時間)の経過により、脱離燃焼運転が終了すると、吸着運転に戻る。脱離燃焼運転が終了すると、各ヒータの動作が停止し、吸着部116の吸着剤の温度が徐々に低下する。吸着剤の温度が低下すると、臭気成分を吸着できるようになる。また、脱離燃焼運転の終了後、吸着運転を開始する前に、各ヒータの動作を停止し、吸着剤の温度を下げてもよい。吸着剤の温度の低下を待って、吸着運転を開始してもよい。これにより、臭気成分が外部に排出されることを抑制することができる。
(実施形態の作用、効果)
バイオトイレ100は、バイオチップ槽102で発生した臭気成分を、吸着部116で吸着し、臭気成分を含むガスを外部に漏出することを抑制する。バイオトイレ100は、吸着部116で吸着された臭気成分を加熱して脱離し、分解部128の燃焼触媒を加熱して臭気成分を燃焼分解する。また、分解部128から出たガスを繰り返し分解部128に導入することで、すべての臭気成分を120℃以上250℃未満程度の低温で燃焼分解する。バイオトイレ100は、分解部128等で加熱されたガスをバイオチップ槽102に導入することで、バイオチップ槽102内の微生物を活性化することができる。バイオトイレ100は、120℃以上250℃未満程度の低温で動作することで、屋内において、安全に使用することができる。バイオトイレ100は、屋内に臭気成分を排出しない。そのため、利用者は、屋内におけるバイオトイレ100の設置位置を任意に決めることができる。
〔変形例〕
(構成例)
バイオトイレの変形例について説明する。ここで説明するバイオトイレは、上記のバイオトイレ100と共通点を有する。ここでは、主として相違点について説明する。
図2は、本変形例のバイオトイレの構成例を示す図である。図2のバイオトイレ200は、脱臭機能付きのトイレである。図2のバイオトイレ200は、バイオチップ槽202、フィルタ204、ファン206、ポンプ208、三方弁210、ドレイントラップ212、ラインヒータ214、吸着部216、バンドヒータ218を含む。また、バイオトイレ200は、センサ222、フィルタ224、分解部228、バンドヒータ230、熱交換器232を含む。バイオチップ槽202には、便座が取り付けられ、人の便尿等の排泄物等が収容される。バイオトイレ200のうちバイオチップ槽202を除く部分が独立して、脱臭装置として動作しうる。バイオトイレ200のバイオチップ槽202、フィルタ204、ファン206、ポンプ208、三方弁210、ドレイントラップ212、ラインヒータ214、吸着部216、バンドヒータ218は、バイオトイレ100の対応する構成と同様の機能を有する。また、バイオトイレ200のセンサ222、フィルタ224、分解部228、バンドヒータ230、熱交換器232は、バイオトイレ100の対応する構成と同様の機能を有する。
分解部228は、吸着部216とパイプを介して接続される。分解部228は、金属、
金属酸化物等の燃焼触媒を含み、吸着部216で脱離された臭気成分を触媒分解する。即ち、分解部228をガスが通過する際に、分解部228の燃焼触媒によって臭気成分が触媒分解される。また、吸着部216は、加熱されることにより、吸着剤に吸着した臭気成分を脱離する。燃焼触媒は、温度が高いほど、臭気成分を分解する性能が上がる。
熱交換器232は、分解部228とセンサ222との間に、パイプを介して設置される。分解部228からのガスは、熱交換器232を介して、センサ222に導入される。熱交換器232は、分解部228からのガスと外部のガス(空気)または三方弁210から出たガスと熱交換することで、分解部228からのガスの温度を下げる。熱交換器232により、分解部228で温められた高温のガスが外部に排出されることを抑制する。
センサ222は、熱交換器232とパイプを介して接続される。分解部228からのガスは、熱交換器232、センサ222を通過して、フィルタ224に導入される。センサ222は、熱交換器232からのガスの温度を測定する温度センサ、湿度を測定する湿度センサ、臭気の程度を測定する臭気センサ等である。センサ222は、バイオトイレ200から排出されるガスの温度、湿度、臭気の程度等を測定する。
(動作例)
バイオトイレ200の動作例について説明する。バイオトイレ200は、主に、通常運転である吸着運転と、定期的に行う運転である脱離燃焼運転とを行う。脱離燃焼運転は、例えば、24時間あたり1時間程度行う。また、脱離燃焼運転は、センサ222が所定の閾値以上の臭気を検出した場合に、行われてもよい。次に、それぞれの運転について説明する。
〈吸着運転〉
バイオトイレ200が吸着運転を行う際、制御ユニットは、ファン206を動作させ、三方弁210をファン206側に切り替える。このとき、各ヒータは、動作しない。また、制御ユニットは、センサ222により、バイオトイレ200から排出されるガスの臭気の程度を監視する。
バイオチップ槽202において、微生物が排泄物等を分解することによって臭気成分を含むガスが副生する。当該ガスは、ファン206によって、バイオチップ槽202からフィルタ204を通って吸い込まれる。また、ファン206によって、吸い込まれたガスは、三方弁210、ドレイントラップ212を通って、吸着部216に達する。ドレイントラップ212では、ガスに含まれる過剰な水分が除去される。吸着部216では、吸着剤により、当該ガスに含まれる臭気成分が吸着、捕捉される。吸着部216において臭気成分が除去されたガスは、分解部228、熱交換器232、センサ222、フィルタ224を通って、外部に排出される。これにより、バイオトイレ200の外部には、臭気成分は排出されない。
〈脱離燃焼運転〉
バイオトイレ200が脱離燃焼運転する際、制御ユニットは、ポンプ208を動作させ、三方弁210をポンプ208側に切り替え、ラインヒータ214及びバンドヒータ218を動作させる。さらに、制御ユニットは、バンドヒータ230を動作させる。
バイオチップ槽202におけるガスは、ポンプ208によって、バイオチップ槽202からフィルタ204を通って吸い込まれる。また、ポンプ208によって、吸い込まれたガスは、三方弁210、ドレイントラップ212を通って、ラインヒータ214に達する。ラインヒータ214は、当該ガスを所定の温度に加熱する。所定の温度は、例えば、120℃以上250℃未満である。また、ラインヒータ214で加熱されたガスは、吸着部
216に達する。吸着部216は、バンドヒータ218により加熱される。吸着部216の吸着剤は、バンドヒータ218やガスによって加熱されることにより、吸着している臭気成分を脱離する。バンドヒータ218は、吸着部216内のガスの温度が、所定の温度となるように加熱する。例えば、吸着部216内のガスの温度が、120℃以上250℃未満の温度範囲となるように、加熱する。吸着剤に吸着した臭気成分を脱離するためには、120℃以上にすることが好ましい。バイオトイレ200を安全に使用するためには、250℃未満とすることが好ましい。より好ましくは、上記の温度範囲を、120℃以上200℃未満とする。
吸着部216で脱離された臭気成分を含むガスは、分解部228に達する。分解部228は、バンドヒータ230により加熱される。バンドヒータ230は、分解部228内のガスの温度が、所定の温度となるように加熱する。バンドヒータ230は、例えば、分解部228内のガスの温度が、120℃以上250℃未満の温度範囲となるように、加熱する。分解部228の燃焼触媒は、バンドヒータ230やガスによって加熱されることにより、ガスに含まれる臭気成分を分解する。燃焼触媒は、温度が高い(例えば、300℃から500℃程度)ほど、分解性能を発揮する。分解部228内のガスの温度は、120℃以上500℃未満であってもよい。
所定時間(例えば、1時間)の経過により、脱離燃焼運転が終了すると、吸着運転に戻る。脱離燃焼運転が終了すると、各ヒータの動作が停止し、吸着部216の吸着剤の温度が徐々に低下する。吸着剤の温度が低下すると、臭気成分を吸着できるようになる。また、脱離燃焼運転の終了後、吸着運転を開始する前に、各ヒータの動作を停止し、吸着剤の温度を下げてもよい。吸着剤の温度の低下を待って、吸着運転を開始してもよい。これにより、臭気成分が外部に排出されることを抑制することができる。また、脱離燃焼運転中に、利用者がバイオトイレ200を使用した場合、臭気物質は、吸着部216では吸着されにくいが、分解部228で分解されるため、臭気物質は外部に排出されにくい。
バイオトイレ200は、バイオチップ槽202で発生した臭気成分を、吸着部216で吸着し、臭気成分を含むガスを外部に漏出することを抑制する。バイオトイレ200は、吸着部216で吸着された臭気成分を加熱して脱離し、分解部228の燃焼触媒を加熱して臭気成分を燃焼分解する。
(その他)
上記のバイオトイレは、主に室内で使用されるポータブルトイレに適用されるが、室外で使用される災害用バイオトイレや、山岳用バイオトイレにも適用され得る。
上記の実施形態、変形例は、可能な限り組み合わされて実施され得る。
100 :バイオトイレ
102 :バイオチップ槽
104 :フィルタ
106 :ファン
108 :ポンプ
110 :三方弁
112 :ドレイントラップ
114 :ラインヒータ
116 :吸着部
118 :バンドヒータ
120 :三方弁
122 :センサ
124 :フィルタ
126 :ラインヒータ
128 :分解部
130 :バンドヒータ
132 :熱交換器
200 :バイオトイレ
202 :バイオチップ槽
204 :フィルタ
206 :ファン
208 :ポンプ
210 :三方弁
212 :ドレイントラップ
214 :ラインヒータ
216 :吸着部
218 :バンドヒータ
222 :センサ
224 :フィルタ
228 :分解部
230 :バンドヒータ
232 :熱交換器

Claims (2)

  1. 便尿を分解するバイオチップ槽と、
    前記バイオチップ槽から前記便尿の分解により発生したガスを導入され、当該ガスに含まれる臭気物質を吸着、捕捉する吸着材を含み、前記吸着材に捕捉した前記臭気物質を加熱して脱離する吸着部と、
    前記吸着部からガスを導入され、燃焼触媒を含み、当該ガスを加熱することにより前記臭気物質を触媒分解する分解部と、
    前記吸着部が加熱されている際に前記吸着部から排出されるガスの排出先を外部から前記分解部に切り替える切替バルブと、を備え、
    前記分解部は、前記吸着部から前記切替バルブを介してガスを導入され、
    前記分解部から排出されるガスが、前記バイオチップ槽に導入される、
    脱臭機能付きバイオトイレ。
  2. 前記吸着部を加熱する第1加熱部、及び、
    前記分解部を加熱する第2加熱部を含み、
    前記第1加熱部は、前記吸着部内のガスの温度が120℃以上250℃未満となるように制御され、
    前記第2加熱部は、前記分解部内のガスの温度が120℃以上250℃未満となるように制御される
    請求項1に記載の脱臭機能付きバイオトイレ。
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