JP7093560B2 - フラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲート - Google Patents

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本発明は、水門の開口部を開閉する扉体の下端縁部と水門の底面との間の隙間を開閉することのできるフラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲートに関するものである。
従来、河川・湖・海岸などに設置される樋門や水門には、洪水や高潮などによる逆流を防止するためのゲートが設けられている。このような水門の開口部を開閉するゲートの一例として、扉体を上方に引き上げることで前記水門開口部を開口する引き上げ式ゲートがある。一般的に扉体の昇降には、ラック式の昇降機が用いられている。通常時は、前記水門開口部を開口させておき、内水側から流れる水を外水側へ排水する。外水側の水位が上昇し、内水側への逆流が生じる場合は、操作員が水門へと出向き閉鎖操作を行う。一方、外水側の水位が低くなれば、再び水門の開口操作を行う。このように、引き上げ式ゲートは、水位に応じた操作が必要であり、操作にかかる人員確保等が問題となっている。
これに対し、本願出願人はこれまでに、内水側および外水側の水位に応じて、水門開口部を自動的に開閉することのできるフラップゲートを開発し特許権を得ている(特許文献1)。このフラップゲートを設置する水門開口部には、扉体の内水側面に設置された水密ゴムと密接して水密性を確保するための矩形状の戸当たりが設置されている。この場合、前記水門開口部の底面には戸当たりを設置するために、外水側が一段低くされる段差(「敷段差」ともいう。)が設けられる。そしてフラップゲートは、扉体を数度~十数度程度、傾斜させた状態にすることで前記敷段差の戸当たり面と前記扉体との間に隙間を構成し、内水側からの排水をスムーズに行うようになっている。
このようなフラップゲートの利点に着目し、近年では、引き上げ式ゲートの問題点を解消するため、前記フラップゲートへの改修を行うニーズが高まっている。
ところが、引き上げ式ゲートが設置されていた水門開口部の底面はフラットな状態であり、敷段差は設けられていない。このため、フラップゲートを敷段差のない水門に設置し、敷段差がある場合と同様に扉体を数度~十数度傾斜させた場合、前記扉体の下端と水門開口部の底面との間の隙間が僅かしか形成されない。従って、内水側の水位が低い状態でも排水を妨げるおそれがある。一方、扉体の傾斜角度を大きくして底面との隙間を大きくする方法も考えられるが、外水側の水位が上昇して逆流が生じる状況においては、前記扉体が水圧で自動的に閉鎖するために必要な水位も高くなる。つまり、外水側の水圧によって自動的に閉鎖する反応が遅くなる。そこで、従来、引き上げ式ゲートからフラップゲートへの改修工事では、フラップゲートの設置とともに、水門側に敷段差を設ける工事が必要になっている。
このようなフラップゲートに改修する際の技術的課題を解決すべく、本願出願人は以前に、敷段差のない水門において、扉体よりも外水側に設置された外部フロートの重量で扉体を大きく持ち上げ、水位の上昇にともなう浮力によって扉体をスムーズに閉鎖することのできるフラップゲートを開発し特許権を得ている(特許文献2)。
特許第3500388号公報 特許第5905152号公報
しかしながら、特許文献2に記載された発明においても水門の設置場所や周辺環境、水門の構造などによって、外部フロートの設置が困難な場合がある。従って、敷段差がなく、しかも外部フロートの設置が困難な場合であっても設置することのできる新たなフラップゲートを開発すべき必要性が生じていた。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、重力以外の外力が加わらない状態において、敷段差を設けなくても扉体と水門開口部の底面との間の隙間を大きく取ることができるとともに、閉鎖時には水門開口部との水密性を確保することのできる、フラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲートを提供することを目的としている。
本発明に係るフラップゲート用水密構造体は、敷段差を設けなくても扉体と水門開口部の底面との間に隙間を形成し、閉鎖時には水門開口部との水密性を確保するという課題を解決するために、重力以外の外力が加わらない状態で水門の開口部を開口する重量バランスで支持されている扉体を備えたフラップゲートにおける水密構造体であって、前記扉体が前記水門を閉鎖している状態において前記扉体の下端縁部と前記水門の底面との間に隙間を設けるとともに、流水方向に揺動して前記隙間を開閉する隙間開閉部材を有する。
また、本発明の一態様として、扉体が水門開口部を開口している状態において水門開口部の底面との間の隙間を大きく取るという課題を解決するために、前記隙間開閉部材が、重力以外の外力が加わらない状態において、当該隙間開閉部材の備える弾性力によって外水側に開いた開状態に保持されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、開状態に保持されている隙間開閉部材を浮力を利用して閉状態にするという課題を解決するために、開状態に保持されている前記隙間開閉部材を、水没時の浮力によって閉状態に操作する閉操作補助手段を有していてもよい。
また、本発明の一態様として、開状態に保持されている隙間開閉部材を浮力を利用して閉状態にするという課題を解決するために、前記閉操作補助手段が、前記隙間開閉部材の下面に固定されているとともに当該隙間開閉部材よりも内水側に延出されている補助アームと、この補助アームの内水側端部に設置されており、水没時の浮力によって前記内水側端部を引き上げて前記隙間開閉部材を内水側に引き寄せて前記水門開口部の戸当たりに密接させる密接用フロートとを有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、開状態に保持されている隙間開閉部材を浮力を利用して閉状態にするという課題を解決するために、前記閉操作補助手段が、前記隙間開閉部材の下面に固定されているとともに当該隙間開閉部材よりも内水側に延出されている補助アームと、この補助アームの内水側端部に連結されている連結部材と、この連結部材の他端に連結されているとともに前記扉体の内水側面に上下動可能に設けられており、水没時の浮力による上昇にともない前記補助アームの内水側端部を引き上げて前記隙間開閉部材を内水側に引き寄せて前記水門開口部の戸当たりに密接させる密接用フロートとを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、扉体の閉鎖時に受ける水圧によって隙間開閉部材が撓むのを抑制するという課題を解決するために、前記隙間開閉部材の上面および下面の少なくともいずれかに前記隙間開閉部材に比べて撓みにくい撓み抑止材が設けられていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、扉体の閉鎖時に受ける水圧によって隙間開閉部材が撓んだり、水圧が高いと内水側へと折り返されるのを防止するという課題を解決するために、前記隙間開閉部材には、揺動中心である基端部を内水側から支持する縦断面略くの字状の揺動支持板が設けられているとともに、この揺動支持板と前記隙間開閉部材との間に当該隙間開閉部材の開状態を補助する開状態補助手段が介在されており、前記開状態補助手段は、前記扉体の開口時にはその厚さによって前記隙間開閉部材の開状態を補助し、前記扉体の閉鎖時には前記隙間開閉部材が受ける水圧によって弾性変形して潰れて前記隙間開閉部材を閉方向に揺動させてもよい。
本発明に係るフラップゲートは、敷段差を設けなくても扉体と水門開口部の底面との間に隙間を形成し、閉鎖時には水門開口部との水密性を確保するという課題を解決するために、重力以外の外力が加わらない状態で水門の開口部を開口する重量バランスで支持されている扉体を備えたフラップゲートであって、前記扉体には前記フラップゲート用水密構造体が備えられている。
また、本発明の一態様として、扉体の閉鎖時の水密性を確保するという課題を解決するために、前記フラップゲートにおける戸当たりには、左右の側部戸当たりの下端隅部に前記隙間開閉部材と当接する隙間開閉部材受け部が設けられていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、砲水等の流水が外水側から押し寄せた場合の隙間開閉部材の損傷を抑制するという課題を解決するために、前記フラップゲートにおける戸当たりには、下部戸当たりの上面に沿って外水側に連続的に延出形成されるとともに、その上面が平滑に形成されている揺動部損傷防止部材を有していてもよい。
本発明によれば、重力以外の外力が加わらない状態において、敷段差を設けなくても扉体と水門開口部の底面との間の隙間を大きく取ることができるとともに、閉鎖時には水門開口部との水密性を確保することができる。
本発明に係るフラップゲートの第一実施形態を示す斜視図である。 本第一実施形態のフラップゲートが水門の開口部を閉鎖した状態を示す側断面図である。 本第一実施形態における扉体を内水側からみた状態を示す斜視図である。 本第一実施形態のフラップゲート用水密構造体を示す斜視図である。 本第一実施形態のフラップゲート用水密構造体における隙間開閉部材を示す斜視図である。 本第一実施形態における扉体および隙間開閉部材を示す右側面図である。 本第一実施形態における扉体および隙間開閉部材の外水面側を示す斜視図である。 隙間開閉部材の厚さを厚く形成した他の実施形態を示す右側面図である。 本第一実施形態における戸当たりを示す斜視図である。 本第一実施形態のフラップゲートが(a)扉体が初期開度で傾斜している状態、(b)扉体が戸当たりに密接している状態および(c)隙間開閉部材が隙間開閉部材受け部に密接している状態を示す右側面図である。 本発明に係るフラップゲートの第二実施形態における扉体および隙間開閉部材を示す右側面図である。 本第二実施形態のフラップゲートにおける扉体およびフラップゲート用水密構造体を示す背面図である。 本第二実施形態のフラップゲートが(a)扉体が初期開度で傾斜している状態、(b)扉体が戸当たりに密接している状態および(c)さらに隙間開閉部材が隙間開閉部材受け部に密接している状態を示す側面図である。 本発明に係るフラップゲートの第三実施形態を示す右側面図である。 本第三実施形態のフラップゲートを示す背面図(内水側から見た図)である。 本第三実施形態のフラップゲートにおける扉体が閉じた状態を示す右側面図である。 本発明に係るフラップゲートの第四実施形態を示す斜視図である。 本第四実施形態における戸当たりを示す右側面図である。 隙間開閉部材受け部を(a)凹型湾曲状、(b)凸型湾曲状および(c)段状とした実施形態を示す右側面図である。 隙間開閉部材の下部戸当たりと接する先端を(a)平面状、(b)円弧状、(c)膨出させた円弧状および(d)中空状とした実施形態を示す右側面図である。
以下、本発明に係るフラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲートの第一実施形態について図面を用いて説明する。
本第一実施形態のフラップゲート1は、軸支された扉体の重量バランスおよび水圧によって水門100の開口部200の開閉を自動的に行うものであり、図1に示すように、前記開口部200を開閉する扉体2と、この扉体2を支持する扉体支持アーム3と、この扉体支持アーム3を連結させて前記扉体2を揺動自在に支持する揺動支持軸4と、この揺動支持軸4に連結されるウエイトアーム5と、このウエイトアーム5の上端に設けられるバランスウエイト6と、前記扉体2の内水側面21に設置されるフラップゲート用水密構造体7Aと、前記水門100の開口部200に設置される戸当たり8とを有する。以下、各構成について詳細に説明する。
扉体2は、水門100の開口部200を開閉する扉であり、本第一実施形態では、前記開口部200の形状に合わせて矩形状に形成されている。この扉体2は、前記開口部200を閉鎖可能にするため左右幅は前記開口部200の左右幅よりも大きく形成されている。上端側は、前記開口部200を閉鎖する状態において前記開口部200の上方縁部より上側に位置するように支持されている。一方、下端側は、図2に示すように、前記開口部200を閉鎖した状態において、水門100の底面300との間に隙間Cを設けるように支持されている。
扉体支持アーム3は、扉体2を支持するアームであり、本第一実施形態では、2本の扉体支持アーム3,3が前記扉体2の外水側面22から連続して上方に延出するように設けられている。
揺動支持軸4は、扉体2を流水方向に揺動自在に支持するための軸であり、本第一実施形態では、水門開口部200の上方に設置された軸受けに回動自在に設けられている。この揺動支持軸4には、扉体支持アーム3が固定されており、前記扉体支持アーム3に支持された扉体2を揺動自在に支持している。
ウエイトアーム5は、上端にバランスウエイト6を設置するためのアームであり、本第一実施形態では、揺動支持軸4を基端として扉体支持アーム3とは逆方向に延出されている。
バランスウエイト6は、扉体2の初期開度を設定する重量バランスを調整するためのものであり、ウエイトアーム5の上端に設置されている。本第一実施形態におけるバランスウエイト6は、扉体2を10度の初期開度でバランスさせる重さに調整されている。ここで初期開度とは、重力以外の外力が加わらない状態でバランスしたときの戸当たり8に対する扉体2の角度である。初期開度を設定することで、外水側の水位が低く、内水側への逆流の生じない通常時において、後述する隙間開閉部材72の下端縁部と水門100の底面300との間に設ける隙間cを大きくして、内水側からの排水が行われるようになっている。なお、初期開度は、特に限定されるものではなく、前記隙間開閉部材72の形状や内水側からの排水量、排水時の水位などに応じて、5度~20度程度が好ましく、8度~15度がより好ましく、本第一実施形態では、10度に設定されている。
なお、扉体2を支持する重量バランスは、バランスウエイト6を用いずに扉体2の重心位置と支持位置との位置関係によって水門の開口部を開口する重量バランスに調整してもよい。
フラップゲート用水密構造体7Aは、水門開口部200の閉鎖時に当該水門開口部200に設置された戸当たり8に密接して水密性を確保するものである。本第一実施形態のフラップゲート用水密構造体7Aは、図3および図4に示すように、扉体2の内水側面21の外周縁に沿ってフレーム状に形成されたフレーム部71と、前記扉体2の下端縁部23と前記水門100の底面300との間に設けた隙間Cを開閉する隙間開閉部材72と、この隙間開閉部材72に設けられる揺動支持板73と、前記隙間開閉部材72の開状態を補助する開状態補助手段74とを有する。
フレーム部71は、主に、戸当たり8における上部戸当たり81および左右の側部戸当たり82,82に密接して水門開口部200の上端部および左右の側端部との水密を確保するものである。本第一実施形態におけるフレーム部71は、扉体2の内水側面21の外周縁に沿った矩形フレーム状に形成されている。上部および左右側部は、上部戸当たり81および左右の側部戸当たり82に密接して水密を確保できるように、断面形状がP字状に形成された、いわゆるP型ゴムによって形成されている。また、フレーム部71の下部は、隙間開閉部材72を固定する固定部711として構成され、扉体2の下端縁に沿って水平状に形成されている。このフレーム部71は、複数のボルト孔712を有しており、ボルトとナットを用いて扉体2の内水側面21に締結固定されている。
隙間開閉部材72は、開口部200の閉鎖時に扉体2の下端縁部23と水門100の底面300との間に設けた隙間Cを開閉するものである。本第一実施形態における隙間開閉部材72は、図4に示すように、フレーム部71の下端縁部から下方に延出するように形成されている。よって、隙間開閉部材72は、フレーム部71を扉体2に固定した場合に前記扉体2の下端縁部23に配置されるようになっている。この隙間開閉部材72は、水圧などの外力を受けると自らの弾性力によりフレーム部71側を基点として流水方向に揺動可能に構成されている。
また、隙間開閉部材72は、重力以外の外力が加わらない状態において、外水側に開いた開状態に保持可能な弾性力を備えている。つまり、隙間開閉部材72は、自らの弾性力によって、外水側に屈曲された形状を保っている。これにより、扉体2の開口時に、隙間開閉部材72の下端縁部と水門100の底面300との隙間cを大きくして、前記隙間開閉部材72によって排水を妨げるのを防いでいる。
なお、隙間開閉部材72は、フレーム部71と同一素材により連続する一体物として形成してもよく、同一素材や別素材にかかわらず別体の部材として形成し、ボルトナットなどで締結固定したり、接着材により接着固定したりして、組合せにより一体的に構成してもよい。
また、隙間開閉部材72の傾斜角度は特に限定されるものではなく、内水側からの排水量や排水時の水位などに応じて、揺動支持板73の傾斜角度以上の角度から適宜選択可能であり、例えば、フレーム部71の垂直面に対し40度以上に設定することが好ましく、水門100の底面300との隙間cが大きくなり、かつ良好な水密性が確保できる45度~55度程度に設定することがより好ましい。
さらに、隙間開閉部材部72は、主に、天然ゴムや合成ゴムで構成されているところ、これらに炭素材や繊維材等を適宜添加、または混合したゴム素材で構成されることが好ましい。ただし、これらに限定されるものではなく、柔軟性や弾力性を備え、戸当たり8と密接することで水密を確保可能な素材から適宜選択してもよい。
揺動支持板73は、隙間開閉部材72が外水側からの水圧によって撓んだり、水圧が高いと内水側へと折り返されて水密状態が確保しにくくならないように、外水側に向けて延出された形状を保持するために設けられたものである。具体的には、図6に示すように、隙間開閉部材72の揺動中心である基端部を内水側から支持するように、縦断面略くの字状に形成されている。本第一実施形態では、ボルト・ナットにより扉体2の下端縁部23に固定させるための固定板部731と、この固定板部731の下端から外水側に向けて屈曲した下端屈曲部732とを有する。
固定板部731は、図3に示すように、隙間開閉部材72の長手方向に沿って長尺状に設けられている。固定板部731は、隙間開閉部材72を戸当たり8に設置される隙間開閉部材受け部84に密接させるため、前記隙間開閉部材72の左右長さよりも短い長さに形成され、両端に隙間を空けるように中央位置に固定されている。
下端屈曲部732は、固定板部731の下端から外水側に向けて屈曲するように延設されている。前記下端屈曲部732の扉体2に対する屈曲角度は、特に限定されるものではなく、外水側の水圧が高いと内水側へと折り返されることがなく、かつ隙間開閉部材72と隙間開閉部材受け部84との密接を妨げない角度から適宜選択される。例えば、35度~45度の範囲が好ましく、本第一実施形態では37.5度の角度に屈曲されている。
開状態補助手段74は、揺動支持板73と隙間開閉部材72との間に介在し、隙間開閉部材72の開状態を補助するものである。本第一実施形態における開状態補助手段74は、図5に示すように、隙間開閉部材72の内水面側に形成されている。具体的には、長手方向に沿って凸状に形成された複数の突起が列状に並べられており、それぞれの先端が揺動支持板73の下端屈曲部732に当接するように形成されている。つまり、開状態補助手段74は、扉体2の開口時にその厚みによって隙間開閉部材72を外水側に向いた形状に保持するとともに、扉体2の閉鎖時には隙間開閉部材72が受ける水圧によって水門開口部200に設置される戸当たり8側に潰れるようにして弾性変形し、前記隙間開閉部材72を揺動することができる。なお、開状態補助手段74の形状は機能を損なわない限り他の形状であってもよい。
なお、開状態補助手段74は、隙間開閉部材部72の弾性力により開状態を保持するこのができれば、図8に示すように、設置されていなくてもよい。
撓み抑止材75は、主に閉鎖時に受ける水圧によって隙間開閉部材72が撓み、戸当たり8との水密性が低下するのを防止するためのものである。本第一実施形態における撓み抑止材75は、長尺状の薄い鋼板から構成されており、図6および図7に示すように、隙間開閉部材72の外水側面および内水側面の両面にその長手方向に沿って設置されている。また、隙間開閉部材72の基端部分(屈曲部分)には、当該隙間開閉部材72が左右方向に撓むことなく流水方向へ揺動させるとともに、隙間開閉部材72の破断を防ぐためために、複数個の蝶番(ヒンジ)76が長手方向に沿って等間隔に設けられている。
なお、撓み抑止材75は、鋼板から構成されるものに限定されるものではなく、隙間開閉部材72よりも硬度の高い材料から適宜選択してもよい。また、撓み抑止材75は、長尺状のものに限定されるものではなく、短尺状のものを隙間開閉部材72に沿って複数枚ならべた構成でもよい。さらに、撓み抑止材75を別途設けなくても、図8に示すように、隙間開閉部材72の揺動させる基端部側よりも厚みを厚くして強度を高めたり、複数枚重ねて強度を高めるようにしてもよい。また、蝶番(ヒンジ)76についても、隙間開閉部材72の破断のおそれがない場合では、図8に示すように、別途設けなくてもよい。
戸当たり8は、フラップゲート用水密構造体7Aと密接することにより開口部200の水密状態を確保するためのものであり、前記開口部200に設置される。本第一実施形態における戸当たり8は、図9に示すように、水門開口部200の上縁部に沿って水平状に形成される上部戸当たり81と、前記水門開口部200の左右縁部に沿って形成される左右の側部戸当たり82と、前記水門100の底面300に沿って形成されているとともに左右の側部戸当たり82から外水側に延設される下部戸当たり83と、左右の側部戸当たり82の下端隅部に傾斜状に設けられる隙間開閉部材受け部84とを有する。
上部戸当たり81は、フレーム部71の上部と当接するものであり、水密性を確保するため、外水面側が鉛直面に沿って平坦に形成されている。また、上部戸当たり81の上部には、揺動支持軸4を軸支する軸受けを設置するための軸受け台811が設けられている。
側部戸当たり82は、フレーム部71の側部と当接するものであり、上部戸当たり81の左右両端から下方に向けて延設されている。この側部戸当たり82は、上部戸当たり81と同様に、水密性を確保するため外水面側が鉛直面に沿って平坦状に形成されている。
下部戸当たり83は、隙間開閉部材72の下端と当接するものであり、側部戸当たり82の下端から外水側に向けて水平状に延設されている。本第一実施形態における下部戸当たり83は、隙間開閉部材72の下端との水密性を確保するため、上面が水平面に沿って平坦状に形成されている。そして、図2に示すように、前記上面が露出した状態でかつ水門100の底面300と段差ができないように前記水門100の底面300に埋設されている。
隙間開閉部材受け部84は、隙間開閉部材72と当接するものであり、具体的には、隙間開閉部材72の左右両端の内水面側と当接するものである。図9に示すように、左右の側部戸当たり82の下端隅部に傾斜状に設けられている。本第一実施形態における隙間開閉部材受け部84は、下端屈曲部732における屈曲角度と一致するように、側部戸当たり82に対して同一角度で外水側に傾斜しており、その上面が平坦状に形成されている。例えば下端屈曲部732の屈曲角度が37.5度であれば、隙間開閉部材受け部84の傾斜角度も37.5度に形成される。
次に、本第一実施形態のフラップゲート用水密構造体7Aおよびこれを備えたフラップゲート1における各構成の作用について説明する。
扉体2は、重力以外の外力が加わらない状態において、バランスウエイト6との重量バランスにより水門100の開口部200に対し初期開度に当たる角度で傾斜した状態で支持されている。
このとき隙間開閉部材72は、図10(a)に示すように、自らの弾性力により扉体2の内水側面21に沿った面より上方に持ち上げられた状態で保持される。本第一実施形態では、隙間開閉部材72の内水側面に形成された開状態補助手段74が揺動支持板73の下端屈曲部732に当接して隙間開閉部材72を支持する。つまり、開状態補助手段74が隙間開閉部材72の自重により傾斜角度が小さくなるのを防止する。
これにより、隙間開閉部材72は、扉体2の初期開度を比較的小さく設定しても、水門100の底面300(下部戸当たり83)との隙間cを大きく保つことが可能になり、下部戸当たり83と水門100の底面300と間に敷段差を設けなくても排水をスムーズに行うことができる。また、敷段差がないため、内水側から流れる土砂やゴミなどが引っ掛かり、滞留するのを防ぐこともできる。
次に、内水側の水位が扉体2の下端よりも高く上昇した場合、扉体2は排出される水の水圧によって外水方向に押され、傾斜角度が大きくなる。このときバランスウエイト6は、揺動支持軸4を基点として扉体2とは逆方向に位置しており、扉体2の傾斜角度が大きくなると、揺動支持軸4よりも内水側に位置することになるため扉体2を開口させる方向のトルクを発揮させる。よって、扉体2は、単体で支持されている状態よりも少ない水圧で傾斜角度を大きくすることができ、開口面積が大きくなって排水をスムーズにすることができる。
一方、外水側の水位が内水側の水位より上昇した場合、水は水位の低い内水側へ逆流する。扉体2は、逆流する水の水圧によって内水方向に押されて、図10(b)に示すように、水門開口部200を閉鎖する。このとき、フラップゲート用水密構造体7Aのフレーム部71は、上部戸当たり81および側部戸当たり82に密接する。ただし、この状態ではまだ扉体2と水門100の底面300との隙間Cであって、隙間開閉部材72の下端と下部戸当たり83との間には隙間cがある。そこで、外水側の水は当該隙間から内水側へ流れようとする。
このとき隙間開閉部材72は、図10(c)に示すように、外水側から受ける水圧によって押されて内水側に揺動する。本第一実施形態では、開状態補助手段74が前記水圧によって潰れることで隙間開閉部材72が水門開口部200の戸当たり8側に揺動することができる。
戸当たり8側に揺動した隙間開閉部材72の下端は、下部戸当たり83に密接する。また、その隙間開閉部材72の左右両端は左右にある隙間開閉部材受け部84に密接する。これにより、扉体2の下端縁部23と水門100の底面300との間の隙間Cが塞がり、外水側から内水側への水の浸入が防止される。
揺動支持板73は戸当たり8側に揺動した隙間開閉部材72の内水面側を支持しているとともに、隙間開閉部材受け部84は前記隙間開閉部材72の左右両端の内水面側を支持している。これらにより、前記隙間開閉部材72は、外水側に向いた形状を保持することができ、外水側の水圧によって前記隙間開閉部材72が、内水側に折り返されたりするのを防止し、下部戸当たり83との間に隙間ができるのを防止する。
以上のような本第一実施形態のフラップゲート用水密構造体7Aおよびこれを備えたフラップゲート1によれば、以下の効果を奏することができる。
1.隙間開閉部材72が自らの弾性力により外水側に持ち上げられており、水門100の開口部200を開口している状態において前記隙間開閉部材72と前記水門100の底面300との間の隙間cを大きくとることができるため、内水側から外水側へ流れる排水をスムーズにすることができる。
2.外水側の水位の上昇に伴って水門開口部200が自動的に閉鎖された時には、水圧によって隙間開閉部材72が揺動し、下部戸当たり83および隙間開閉部材受け部84に密接するため、内水側への逆流を防止することができる。
3.揺動支持板73によって、隙間開閉部材72が外水側に向いた形状を保持するため、水圧により内水側に折り返されるのを防止することができる。
4.撓み抑止材75によって水圧による隙間開閉部材72の撓みを抑制し、下部戸当たり83および隙間開閉部材受け部84との間に隙間ができるのを防止することができる。
次に、本発明に係るフラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲートの第二実施形態について図面を用いて説明する。なお、前述した第一実施形態で説明した構成と同一または相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
本第二実施形態のフラップゲート用水密構造体7Bは、図11に示すように、開状態に保持されている隙間開閉部材72を水没時の浮力によって閉状態に操作する閉操作補助手段9を有する。
閉操作補助手段9は、隙間開閉部材72の下面に固定された補助アーム91と、水没時の浮力によって前記補助アーム91を揺動させて隙間開閉部材72を戸当たりに密接させる密接用フロート92とを有する。
補助アーム91は、内水側端部に密接用フロート92を保持することにより、当該密接用フロート92の水没時の浮力によって前記内水側端部を引き上げるためのアームであり、隙間開閉部材72の下面に固定されているとともに当該隙間開閉部材72よりも内水側に延出されている。本第二実施形態における補助アーム91は、図11および図12に示すように、断面がL字状に形成されている2本のL字アングル材からなり、左右対称位置に設置されている。
密接用フロート92は、水没時の浮力によって補助アーム91の内水側端部を引き上げて隙間開閉部材72を内水側に引き寄せて水門開口部200の戸当たり8に密接させるためのものである。本第二実施形態における密接用フロート92は、水没時に浮力を発生させやすい発泡スチロール等の素材により形成されており、図11および図12に示すように、左右に設けられた補助アーム91に架設可能な長さの板状に形成されている。
次に、本第二実施形態のフラップゲート用水密構造体7Bおよびこれを備えたフラップゲート1における各構成の作用について説明する。
隙間開閉部材72は、図13(a)に示すように、自らの弾性力とともに、下面に設けられた補助アーム91およびその内水側端部に設けられた密接用フロート92との重量バランスによって、当該隙間開閉部材72を外水側に持ち上げた状態で保持される。
外水側の水位が内水側の水位より上昇した場合、扉体2は、逆流する水の水圧によって内水方向に押されて、図13(b)に示すように、水門開口部200を閉鎖する。そして、隙間開閉部材72は水圧を受けることで内水側に押されて揺動し、下部戸当たり83および隙間開閉部材受け部84と密接し、扉体2の下端縁部23と水門100の底面300との隙間Cを閉鎖する。
このとき、内水側から継続して水が流れている場合、閉鎖時間が経過するにつれて内水側の水位は上昇する。密接用フロート92は、内水側の水位の上昇にともない水没することで生じる浮力によって、補助アーム91の内水側端部を上方に引き上げる。
補助アーム91では、内水側端部が引き上げられることにより、隙間開閉部材72の外水側端部が下方に押し下げる。つまり、隙間開閉部材72を閉状態に揺動する力が発揮される。
隙間開閉部材72は、揺動して内水側に引き寄せられ、下部戸当たり83および隙間開閉部材受け部84の密接度は高まる。このとき、扉体2の閉鎖時に、内水面側の水位が上昇すると、外水側との水圧差が小さくなる。そのため隙間開閉部材72を内水側に押す水圧も弱まるが、当該密接用フロート92の浮力によって弱まる密接度を補うことができる。
以上のような本第二実施形態のフラップゲート用水密構造体7Bおよびこれを備えたフラップゲート1によれば、密接用フロート92の浮力によって隙間開閉部材72を下部戸当たり83や隙間開閉部材受け部84に密接させる力を保持することができる。
次に、本発明に係るフラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲートの第三実施形態について図面を用いて説明する。なお、前述した第一実施形態および第二実施形態で説明した構成と同一または相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
本第三実施形態のフラップゲート用水密構造体7Cは、第二実施形態とは異なる閉操作補助手段9を有するものであり、特に密接用フロート92の構成が異なるものである。本第三実施形態における密接用フロート92は、図14および図15に示すように、扉体2の内水側面において上下動可能に設けられている。
具体的には、まず密接用フロート92は矩形板状に形成されている。この矩形状の密接用フロート92には、図15に示すように、左右対称位置に一対の摺動用棒材93が下方に延設されている。一方、扉体2の内水面には、前記摺動用棒材93を挿通可能な大きさの孔を有する摺動支持部材94が固定されており、前記摺動用棒材93は前記摺動支持部材94によって上下方向に摺動可能に支持されている。
また、密接用フロート92の内水面側には、当該内水面側を支持する内水面側支持板95が設置されている。この内水面側支持板95と扉体2の内水側面との間に形成される空間は浸水可能に構成されており、扉体2の内水面側の水位の上昇とともに、前記空間内の水位も上昇するようになっている。つまり、前記空間内の密接用フロート92は、扉体2の内水面側の水位の上昇にともなう浮力により上昇することができるように構成されている。この密接用フロート92は、扉体2の内水側面の任意の高さに設置することができ、浮力を発揮させる水位を任意に設定することができる。
また、前記摺動用棒材93の下端部と、補助アーム91の内水側端部とは、ロープやワイヤーなどの連結部材96により連結されている。本第三実施形態における連結部材96は、前記密接用フロート92に浮力が生じていない状態において、補助アーム91の内水側端部に対して張力がかからないように連結されている。そして、浮力により密接用フロート92が上昇すると、連結部材96に張力が生じ、図16に示すように、補助アーム91の内水側端部を引き上げるようになっている。
そして、本第三実施形態における閉操作補助手段9では、密接用フロート92や連結部材96、補助アーム91等に内水側から流れてきた塵などが引っ掛かり補助アーム91の内水側端部の引き上げを妨げないように、扉体2の内水面側全体を覆う保護カバー97が設けられている。
以上のような本第三実施形態のフラップゲート用水密構造体7Cおよびこれを備えたフラップゲート1によれば、第二実施形態と同様に、密接用フロート92の浮力によって補助アーム91の内水側端部を引き上げ、隙間開閉部材72を下部戸当たり83や隙間開閉部材受け部84に密接させる力を保持することができる。
次に、本発明に係るフラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲートの第四実施形態について図面を用いて説明する。なお、前述した第一実施形態ないし第三実施形態で説明した構成と同一または相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
本第四実施形態における戸当たりは、図17および図18に示すように、下部戸当たり83から下流側に延出形成された揺動部損傷防止部85を有する。この揺動部損傷防止部85は、鉄砲水等の流水が内水側および外水側から押し寄せた場合に、扉体2の閉鎖よりも先に揺動した隙間開閉部材72を当接させるものである。一般的に水門の底面はコンクリート等を打設しただけの粗い面で構成されており、隙間開閉部材72の先端が直接当接して損傷してしまうと水密を確保するのが困難になる。このため揺動部損傷防止部85を設けることで鉄砲水等の流水が押し寄せた場合に、隙間開閉部材72の損傷を防止するようになっている。
本第四実施形態における揺動部損傷防止部85は、図18に示すように、その上面が下部戸当たり83の上面とほぼ同一面となるように、前記下部戸当たり83の上面に沿って外水側に連続的に延出形成されている。また、揺動部損傷防止部85の上面は、前記下部戸当たり83の上面と同様に平滑に形成されている。
以上のような本第四実施形態のフラップゲート用水密構造体7Aおよびこれを備えたフラップゲート1によれば、内水側水位の急激な上昇により隙間開閉部材72が閉鎖した状態で扉体2が開き始める場合や、外水側から押し寄せる水により隙間開閉部材72が扉体2の閉鎖よりも前に揺動した場合であっても、その先端は揺動部損傷防止部85に接触し、損傷を防止することができる。
なお、本発明に係るフラップゲート用揺動型水密構造体およびこれを備えたフラップゲートは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、フラップゲート1には、扉体2を強制的に揺動させる油圧シリンダーなどの駆動装置を設けてもよい。
また、前述した隙間開閉部材受け部84は、傾斜平面状に形成されており、特に隙間開閉部材72と密接する面は平坦面に形成されているが、これに限定されるものではなく、隙間開閉部材72との密接性を確保できる限り、例えば、凹状湾曲面(図19(a))、凸状湾曲面(図19(b))、段状面(図19(c))等に任意に形成されていてもよい。また、図示しないが隙間開閉部材72の密接面も隙間開閉部材受け部84の形状に応じた形状に形成してもよい。
さらに、下部戸当たり83と接する隙間開閉部材72の先端(下端)の形状は、閉鎖時に水門100の底面300(下部戸当たり83)と接する面積が広くなるように、平面状(図20(a))、円弧状(図20(b))または膨出させた円弧状(図20(c))に形成したり、弾力性を高めて接する面積が更に広くなるように先端の内部を中空状(図20(d))に形成してもよい。
また、第二実施形態および第三実施形態の閉操作補助手段9は、いずれか一方を有した構成を有したものに限定されるものではなく、両方を有していてもよい。即ち、図示しないが、補助アーム91の内水側端部に直づけされた密接用フロート92と、扉体2の内水面側に上下動可能に設けられた密接用フロート92とを両方有していてもよい。
1 フラップゲート
2 扉体
3 扉体支持アーム
4 揺動支持軸
5 ウエイトアーム
6 バランスウエイト
7A,7B,7C フラップゲート用水密構造体
8 戸当たり
9 閉操作補助手段
21 内水側面
22 外水側面
23 下端縁部
71 フレーム部
72 隙間開閉部材
73 揺動支持板
74 開状態補助手段
75 撓み抑止材
76 蝶番(ヒンジ)
81 上部戸当たり
82 側部戸当たり
83 下部戸当たり
84 隙間開閉部材受け部
85 揺動部損傷防止部
91 補助アーム
92 密接用フロート
93 摺動用棒材
94 摺動支持部材
95 内水面側支持板
96 連結部材
97 保護カバー
711 固定部
712 ボルト孔
731 固定板部
732 下端屈曲部
811 軸受け台
100 水門
200 開口部
300 底面
C 扉体と底面との隙間
c 隙間開閉部材と底面との隙間

Claims (10)

  1. 重力以外の外力が加わらない状態で水門の開口部を開口する重量バランスで支持されている扉体を備えたフラップゲートにおける水密構造体であって、
    前記扉体が前記水門を閉鎖している状態において前記扉体の下端縁部と前記水門の底面との間に隙間を設けているとともに、流水方向に揺動して前記隙間を開閉する隙間開閉部材を有する、フラップゲート用水密構造体。
  2. 前記隙間開閉部材が、重力以外の外力が加わらない状態において、当該隙間開閉部材の備える弾性力によって外水側に開いた開状態に保持されている、請求項1に記載のフラップゲート用水密構造体。
  3. 開状態に保持されている前記隙間開閉部材を、水没時の浮力によって閉状態に操作する閉操作補助手段を有する、請求項2に記載のフラップゲート用水密構造体。
  4. 前記閉操作補助手段が、
    前記隙間開閉部材の下面に固定されているとともに当該隙間開閉部材よりも内水側に延出されている補助アームと、
    この補助アームの内水側端部に設置されており、水没時の浮力によって前記内水側端部を引き上げて前記隙間開閉部材を内水側に引き寄せて水門の前記開口部の戸当たりに密接させる密接用フロートとを有する、
    請求項3に記載のフラップゲート用水密構造体。
  5. 前記閉操作補助手段が、
    前記隙間開閉部材の下面に固定されているとともに当該隙間開閉部材よりも内水側に延出されている補助アームと、
    この補助アームの内水側端部に連結されている連結部材と、
    この連結部材の他端に連結されているとともに前記扉体の内水側面に上下動可能に設けられており、水没時の浮力による上昇にともない前記補助アームの内水側端部を引き上げて前記隙間開閉部材を内水側に引き寄せて水門の前記開口部の戸当たりに密接させる密接用フロートとを有する、
    請求項3に記載のフラップゲート用水密構造体。
  6. 前記隙間開閉部材の上面および下面の少なくともいずれかに前記隙間開閉部材に比べて撓みにくい撓み抑止材が設けられている、請求項1から請求項5のいずれかに記載のフラップゲート用水密構造体。
  7. 前記隙間開閉部材には、揺動中心である基端部を内水側から支持する縦断面略くの字状の揺動支持板が設けられているとともに、この揺動支持板と前記隙間開閉部材との間に当該隙間開閉部材の開状態を補助する開状態補助手段が介在されており、
    前記開状態補助手段は、前記扉体の開口時にはその厚さによって前記隙間開閉部材の開状態を補助し、前記扉体の閉鎖時には前記隙間開閉部材が受ける水圧によって弾性変形して潰れて前記隙間開閉部材を閉方向に揺動させる、請求項1から請求項6のいずれかに記載のフラップゲート用水密構造体。
  8. 重力以外の外力が加わらない状態で水門の開口部を開口する重量バランスで支持されている扉体を備えたフラップゲートであって、前記扉体には請求項1から請求項7のいずれかに記載のフラップゲート用水密構造体が備えられている、前記フラップゲート。
  9. 前記フラップゲートにおける戸当たりには、左右の側部戸当たりの下端隅部に前記隙間開閉部材と当接する隙間開閉部材受け部が設けられている、請求項8に記載のフラップゲート。
  10. 前記フラップゲートにおける戸当たりには、下部戸当たりの上面に沿って外水側に連続的に延出形成されるとともに、その上面が平滑に形成されている揺動部損傷防止部材を有する、請求項8または請求項9に記載のフラップゲート。
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