JP7091403B2 - 食肉様加工食品及び食肉様加工食品の製造方法 - Google Patents

食肉様加工食品及び食肉様加工食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物由来成分を主原料とし、油脂の添加量を低減しても食肉加工食品のような風味、食感を有する食肉様加工食品、及び食肉様加工食品の製造方法に関する。
食肉を使用せず、植物由来成分を主原料としながら、食肉のような食感、風味を得られる食肉様加工食品については、主にベジタリアン、ヴィーガンといった菜食主義者の間で広く食されてきたが、近年、人々の健康への関心の向上、嗜好の変化、環境への配慮、経済的事情等により、菜食主義者以外の生活者の間でも食肉様加工食品の需要が高まっている。
食肉様加工食品としては、例えば、大豆たん白等の植物性たん白成分を粒状に加工して乾燥させた粒状植物性たん白を、水で戻し、分離植物性たん白、各種調味料等を添加して混合し、成形、焼成等をしたものが知られている(例えば、特許文献1)。その際、食肉加工品のような風味、食感を出すために油脂が添加される。ただ、油脂を添加することによって、コレステロール含量が増加してしまい、健康に配慮した植物由来成分を主原料とする食肉様加工食品の特徴が損なわれてしまう。一方で、血中コレステロールを低減させる技術も開示されているが(特許文献2)、これは主原料が食肉の食肉製品に関するものであり、植物由来成分を主原料とする食肉様加工食品に関するものではない。
特開2012-75358号公報 特開平9-37736
近年の食肉様加工食品の市場は、上記の背景を踏まえて拡大しつつあるが、どうしても油脂を添加することで食肉加工食品に風味や食感を近づけようとする背景がある。そこで本発明では、こうした油脂の添加量を低減したとしても、食肉加工食品と変わらない風味や食感を実現した植物由来成分を主原料とする食肉様加工食品、及び、そのような食肉様加工食品を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、食肉様加工食品の原料に組織加工植物性たん白及び飽和脂肪酸の含有量が一定範囲の油脂を使用し、これらの配合割合を最適化して製造することで、食肉を使用したような食感を有し、コレステロールが低減された食肉様加工食品が得られることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、以下を提供するものである。
1. 組織加工大豆たん白と、飽和脂肪酸含量7~15重量%の植物油脂を含む食肉様加工食品であって、食肉様加工食品100gあたり飽和脂肪酸を0.5~1.5g、かつ、コレステロールを1~6mg含有することを特徴とする食肉様加工食品。
2. 組織加工大豆たん白と植物油脂の重量比が、3:4~11:2である、1に記載の食肉様加工食品。
3. さらに、粉末状大豆たん白を含む、1又は2に記載の食肉様加工食品。
4. 粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白1.5~8重量部、植物油脂2~3重量部となるように含まれている、3記載の食肉様加工食品。
5.(i)たん白、水、植物油脂を含むサスペンションを調製する工程、
(ii)組織加工大豆たん白を2~5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、
(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比5:11~16:9で混合する工程、及び
(iv)(iii)の混合物を成形する工程、を含み、
食肉様加工食品100gあたりの飽和脂肪酸が0.5~1.5g、かつ、コレステロールが1~6mgである、食肉様加工食品の製造方法。
6. 前記サスペンションは、たん白、水、植物油脂を、それぞれ10~15重量%、50~80重量%、1~25重量%の割合で含むサスペンションである、5記載の食肉様加工食品の製造方法。
7. 前記たん白が粉末状大豆たん白である、5又は6に記載の製造方法。
本発明によれば、油脂を低減しても肉に近い風味や食感を有する食肉様加工食品、及び、そのような食肉様加工食品を製造する方法を提供することができる。
<食肉様加工食品>
本発明の食肉様加工食品は、組織加工大豆たん白と、飽和脂肪酸含量7~15重量%の植物油脂を含む食肉様加工食品であって、食肉様加工食品100gあたり飽和脂肪酸を0.5~1.5g、かつ、コレステロールを1~6mg含有する、ことを特徴とする。
本発明において、食肉様加工食品とは、食肉を含まないが、通常は食肉を使用して製造される種類の加工食品をいい、例えば、ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、肉団子、とんかつ、唐揚げ、チキンナゲット等が挙げられる。ここでいう食肉とは、ブタ、ウシ、ヒツジ等の哺乳類、ニワトリ、七面鳥等の鳥類、魚類等から得られる、動物由来の肉類を指す。本発明の食肉様加工食品は、このような肉類を含まないことを特徴とする。
本発明の食肉様加工食品は、主成分として大豆たん白を含む。大豆たん白は、大豆を脱脂して製造されるたん白質含有成分をいうが、脱脂した大豆材料又はそれを粉末状に処理したものを、粒状又は繊維状に成形加工して乾燥又は冷凍させたものを、それぞれ粒状大豆たん白、繊維状大豆たん白と称し、これらをまとめて組織加工大豆たん白と称する。望ましくは、組織加工大豆たん白は、JAS規格0838:2019の「粒状植物性たん白」又は「組織状植物性たん白」の規格に適合するものとする。一方、粉末状大豆たん白は、同様に脱脂して製造されるが、脱脂後の製造工程は組織加工大豆たん白とは異なっている。粉末状大豆たん白は濃縮大豆たん白と分離大豆たん白に大別され、本明細書では、脱脂した大豆材料から糖分と灰分を除去して粉末状としたものを濃縮大豆たん白、脱脂した大豆材料から糖類、繊維質、灰分等を除いてたん白質を分離し、粉末状としたものを分離大豆たん白と称する。望ましくは、粉末状大豆たん白は、分離大豆たん白である。また、望ましくは、分離大豆たん白は、JAS0838:2019の「粉末状植物性たん白」の規格に適合するものとする。さらに、分離大豆たん白は、たん白質分が85重量%以上、特に90重量%を占めるものとすることが望ましい。なお、本明細書において、大豆たん白の配合量の表記(「重量部」、「重量%」等)は、特に記載のない限り、乾燥重量に基づくものとする。
本発明においては、主成分として食肉加工食品の食感に近づけるために組織状大豆たん白を使用し、必要に応じて結着性を高めるために粉末状大豆たん白を使用することが望ましい。さらには、主成分の組織加工大豆たん白はミートチョッパー等の切断装置を使用して細かく切断しておくことが望ましい。なお、切断方法の詳細は後述する。
本発明において、油脂は、植物由来であり、飽和脂肪酸を7~15重量%含むことが望ましい。飽和脂肪酸含量が7重量%未満の場合は食肉加工食品の風味、呈味性に乏しく、また15重量%を超えると食した時に口どけが悪くなる。室温(25℃)で液状を呈する液状油脂、固体状を示す固体油脂の片方又は両方を含む。液状油脂としては、大豆油、菜種油、キャノーラ油、ひまわり油、オリーブ油、コーン油、綿実油、ヤシ油、ごま油、米油等が挙げられる。固体油脂としては、植物性液状油脂の硬化油脂、エステル交換油脂、分別油脂、及び加工油脂等が挙げられる。ここでいう加工油脂とは、植物性の液状油脂に、動物由来ではない調味料等を加え、加熱処理等を行うことで固体状としたものをいう。本発明において、油脂として、豚脂、牛脂、鶏脂、魚油等のと殺によって得られる動物性油脂は使用しないものとする。
本発明の食肉様加工食品に含まれる油脂としては液状油脂が望ましいが、固体油脂を添加してもよい。食肉様加工食品に液状油脂を加えることで、食品にソフト感を与えることができる。一方、固体油脂を加えることで、食感にジューシー感を与え、かつ、油脂分の歩留まりを上げることができる。食品の種類によって所望の食感が異なるため、種類に応じて適した配合を選択することが可能である。
本発明の食肉加工食品に配合される組織加工大豆たん白と油脂の重量比は、3:4~11:2とすることが望ましい。具体的な重量比について、詳細は後述する。
本発明では組織加工大豆たん白を主成分とし、必要に応じて粉末状大豆たん白を配合するものであるが、粉末状大豆たん白と組織加工大豆たん白、油脂の配合は、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白1.5~8重量部、油脂2~3重量部、とすることが望ましい。具体的な配合について、詳細は後述する。
本発明の食肉様加工食品は、トランスグルタミナーゼを含有していてもよい。トランスグルタミナーゼは、植物性たん白成分を硬化させ、結着を阻害させる場合もあるため肉粒感を出し、食肉様の歯ごたえを与える作用を奏するため、より食肉を使用したような食感を得るために有用である。本発明の食肉様加工食品に添加するトランスグルタミナーゼとしては、アクティバTG-S-NF(味の素株式会社)等の市販のグルタミナーゼ製剤を用いることができる。望ましくは、本発明の食肉用加工食品は、グルタミナーゼ製剤を0.01~0.5重量%含有する。
本発明の食肉様加工食品は、色素成分を含んでいてもよい。色素成分としては、赤たかきび粉、ココアパウダー、カラメル色素、クチナシ色素、ビートレッド等の、食品添加物として使用可能なものから選択可能である。特に、生活者に対して、外観からも食肉を食しているような満足感を与えるために、このような色素成分は有用である。
本発明の食肉様加工食品は、各種調味料(食塩、糖類、香辛料、酸味料、アミノ酸等)、pH調整剤、増粘多糖類、乳清たん白、カゼイネート、卵白等を含有してもよい。特に乳清たん白、カゼイネート、卵白等の動物性たん白は、食肉風味を増すために有用である。ただし、と殺された動物由来の動物性たん白は、本発明の食肉様加工食品には使用しないものとする。
<食肉様加工食品の製造方法>
本発明の食肉様加工食品の製造方法は、(i)たん白、水、植物油脂を含むサスペンションを調製する工程、(ii)組織加工大豆たん白を2~5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比5:11~16:9で混合する工程、及び(iv)(iii)の混合物を成形する工程を含み、と殺された動物由来の成分を使用しない、ことを特徴とする。
本発明において、サスペンションとは、たん白、水、及び油脂を少なくとも含むカード状の組成物を指す。たん白としては、植物性たん白や動物性たん白を使用することができるが、特に、粉末状大豆たん白は高い乳化能を有し、水と油脂との混合を可能とする。本発明の食肉様加工食品は、このようなサスペンションを組織加工大豆たん白と混合して使用することで、食肉様の食感、繊維感、肉粒感を与えることができる。また、油脂分をサスペンションに含ませることで、加熱調理時の油脂分の歩留まりを上げることができる。サスペンション中で、油脂は、少なくとも偏りなく混合されていることを要する。サスペンションにおけるたん白、水、油脂の配合割合は、それぞれ10~15重量%、50~80重量%、1~25重量%とする。サスペンション中の配合割合は、上記範囲内で、食品の種類によって最適な割合に変更することができる。食品の種類と配合割合について、詳細は後述する。
(i)の工程において、サスペンションの調製に使用する油脂は、液状油脂及び固体油脂の両方を含んでいてもよく、液状油脂のみとしてもよい。
サスペンションの調製方法の好適例は、次の通りである。まず、粉末状大豆たん白と水とを混合して溶液を調製し、ここに液状油脂を少量ずつ混合しながら添加する。その後、固体油脂を配合する場合は、固体油脂を混合しながら添加する。混合は、サイレントカッター等の通常使用される公知の攪拌装置を用いて実施可能である。
サスペンションには、さらに、色素成分、調味料、pH調製剤、粉末卵白、乳清たん白等を配合してもよい。サスペンションにこれらの調味料等を配合する場合は、液状油脂の添加・混合後(固体油脂を配合する場合は、固体油脂の添加前)のタイミングで添加することが望ましい。
サスペンションには、トランスグルタミナーゼを配合してもよい。トランスグルタミナーゼは、(i)のサスペンション調製工程、(ii)の工程の戻し工程、及び(iii)の混合工程のうち、いずれか1つ又は複数の工程で配合されることが望ましい。
(ii)の工程において、組織加工大豆たん白の戻し液は、水、又は、トランスグルタミナーゼ、食塩等の調味料等を含む水溶液である。戻し液は、組織加工大豆たん白の乾燥重量に対して、2~5倍重量の水を含む。(ii)の工程の後、戻したん白を細かく切断しておくことが望ましい。切断方法としては、ミートチョッパー(肉挽き機)のような切断装置で戻したん白を切断し調製する。ミートチョッパーはナイフ(回転刃)とプレート(固定刃)が一対となり、対象物を切断できる装置であるが、装着するプレートには一定の大きさの孔が多数開けられており、孔の径が3mmプレートや8mmプレート等複数の種類がある。すなわち、プレートを交換することで、切断される戻したん白の大きさを変えることが可能となる。戻したん白の切断の際には、孔の径が3~20mmのプレートを使用することが望ましい。孔の径が3mm未満の場合は食肉加工食品のような食感は出ず、また20mmを超えると大豆たん白同士が結着しにくくなる。孔の径が3~20mmのプレートで大豆たん白を切断しておくことで、大豆たん白と各種添加物とがよくなじみ混ざりやすく、大豆たん白同士が結着しやすくなり、食肉加工食品と同じような食感を残すことが可能となる。
(iii)の工程において、(i)の工程で調製したサスペンションと、(ii)の工程で調製した戻したん白とを、重量比5:11~16:9で混合する。混合は、サイレントカッター、ミキサー、ロータリーマッサージ機等の通常使用される公知の攪拌装置を用いて実施可能である。
(iii)の工程において、トランスグルタミナーゼ、色素成分、調味料、pH調製剤、粉末卵白、乳清たん白等を配合してもよい。これらの成分は、上記の通り、(i)の工程でサスペンションに配合してもよく、(iii)の工程で全体に配合してもよい。いずれの工程で配合するかは、食品の種類、所望の風味、香りづけ等によって変更可能である。
本発明の食肉様加工食品の製造方法は、(iii)の工程で得られた混合物を成形する、(iv)の工程を含む。さらに、必要に応じて、加熱、焼成等の加工を加えてもよい。
本発明は、多様な食肉様加工食品に適用可能であり、食品の種類によって、成分の配合、製造手順等により好適な条件が異なる。以下、本発明が適用される一部の食品について、より好適な条件を種類別に説明する。
<煮込みハンバーグ、ミートボール、メンチカツ>
本発明の食肉様加工食品には、煮込みハンバーグ、ミートボール、メンチカツが含まれる。途中まで工程が共通することからまとめて記載する。本発明において、これらの食肉様加工食品は、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が5.5~8重量部、油脂が2~3重量部となるように含むことが望ましい。また、前記油脂は、キャノーラ油やゴマ油等、飽和脂肪酸含量が7~15重量%の植物油脂であれば、特にその種類が限定されるものではない。
好適なこれらの食肉様加工食品の製造方法は、次のサスペンション調製工程を含む。すなわち、サイレントカッター等の攪拌装置を用いて、分離大豆たん白を水に懸濁し、懸濁液を調製する。前記懸濁液に、植物油脂を混合しながら少しずつ添加する。サスペンションに油脂を配合することで、ジューシー感のある食肉様加工食品とすることができる。また、油脂分の歩留まりを向上させることができる。サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、10~15重量%、50~70重量%、20~30重量%とすることが望ましい。
組織加工大豆たん白を、食塩等の調味料を含む戻し液で戻す。組織加工大豆たん白(繊維状大豆たん白及び粒状大豆たん白)に、組織加工大豆たん白の乾燥重量の望ましくは2~3倍重量の戻し液を加え、戻した後に、ミートチョッパー(肉挽き機)等の切断装置で、孔の径が3~20mmのプレートで戻したん白を切断し調製する。
前記サスペンションと前記戻したん白を重量比が、好適には5:11~2:3となるように合わせ、追加の分離大豆たん白、追加の液状油脂、調味料、玉ねぎ、パン粉等を加えて(必要に応じて、トランスグルタミナーゼも加える)、ミキサーで混合する。混合物を成形した後、煮込みハンバーグとミートボールは焼成、加熱、冷却、包装を行うのに対して、メンチカツは衣付けを行い、フライヤーで油ちょうした後に、凍結、包装を行う。
<ナゲット、から揚げ>
本発明の食肉様加工食品には、ナゲット及びから揚げが含まれる。本発明において、ナゲット及びから揚げは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.5~2.5重量部、油脂が2~2.5重量部となるように含むことが望ましい。また、前記油脂は、キャノーラ油やゴマ油等、飽和脂肪酸含量が7~15重量%の植物油脂であれば特にその種類が限定されるものではない。
サスペンションと戻したん白のそれぞれの調製方法、それらの混合方法、混合物の成形以降の工程は、前記食肉様加工食品と同様の方法により、から揚げ、ナゲットを製造することができるが、それらを混合する際の、サスペンションと戻したん白の重量比は1:1とすることが望ましい。
<カツ、ハムカツ>
本発明の食肉様加工食品には、カツ及びハムカツが含まれる。本発明において、ハム及びハムカツは、分離大豆たん白は含まれず、組織加工たん白、及び油脂が、9:2~11:2となるように配合することが望ましい。また、前記油脂は、キャノーラ油やゴマ油等、飽和脂肪酸含量が7~15重量%の植物油脂であれば、特にその種類が限定されるものではない。
サスペンションの調整方法は、前記の食肉様加工食品と同様であるが、サスペンションには分離大豆たん白は含まれていない。分離大豆たん白の代わりには、乳清たん白が含まれているが、たん白と水、油脂の配合量は、10~15重量%、70~80重量%、油脂1~5%となるように配合することが望ましい。
戻したん白は、ミートチョッパーで切断するのではなく、食べた時の繊維感を残すためにミキサー等の撹拌機を使って、戻したん白をほぐすことが行われる。そして、前記サスペンションと前記戻したん白を混合する際の重量比は9:11~7:13とすることが望ましい。
以下に本発明の実施例を掲載して、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)煮込みハンバーグの製造
組織加工植物性たん白1125gに水3375gを添加した戻したん白(A)4500g、組織加工植物性たん白400gに水800gを添加した戻したん白(B)1200g、そして市販されている戻し済みの組織加工植物性たん白(C)2000g、これら戻したん白(A)(B)(C)を混合し、混合した戻したん白7700gを、孔の径が8mmのプレートが装着されたミートチョッパーで切断した。また、粉末状植物性たん白435g、キャノーラ油870g、水1960g、その他添加物235gを添加し、サスペンション3500gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンション、さらにキャノーラ油300g、玉ねぎ4700g、パン粉900g、その他調味料や香辛料等の添加物4315gを混合し、全量21415gとなるように調製した。その後は畜肉の煮込みハンバーグの常法に従い、製造を行った。なお、キャノーラ油の飽和脂肪酸含有量は7.06重量%である。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも畜肉を原料とする煮込みハンバーグと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、ミートチョッパーに装着するプレートの孔を3mm径、20mm径に変えて同様に製造を行ったが、8mm径のプレートと結果は同様であった。なお、飽和脂肪酸の含有量は煮込みハンバーグ100gあたり0.8g、コレステロール含有量は3mgであった。
(実施例2)ミートボールの製造
組織加工植物性たん白1150gに水3450gを添加した戻したん白(A)4600g、組織加工植物性たん白334gに水666gを添加した戻したん白(B)1000g、そして市販されている戻し済みの組織加工植物性たん白(C)1500g、これら戻したん白(A)(B)(C)を混合し、混合した戻したん白7100gを、孔の径が8mmのプレートが装着されたミートチョッパーで切断した。また、粉末状植物性たん白500g、キャノーラ油1000g、水2240g、その他添加物260gを添加し、サスペンション4000gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンション、さらに玉ねぎ5000g、パン粉1000g、その他調味料や香辛料等の添加物5060gを混合し、全量22160gとなるように調製した。その後は畜肉のミートボールの常法に従い、製造を行った。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも畜肉を原料とするミートボールと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、ミートチョッパーに装着するプレートの孔の径を3mm径、20mm径に変えて同様に製造を行ったが、8mm径のプレートと結果は同様であった。なお、飽和脂肪酸の含有量はミートボール100gあたり0.6g、コレステロール含有量は1mgであった。
(実施例3)メンチカツの製造
組織加工植物性たん白1000gに水3000gを添加した戻したん白(A)4000g、組織加工植物性たん白600gに水1200gを添加した戻したん白(B)1800g、そして市販されている戻し済みの組織加工植物性たん白(C)1500g、これら戻したん白(A)(B)(C)を混合し、混合した戻したん白7300gを、孔の径が8mmのプレートが装着されたミートチョッパーで切断した。また、粉末状植物性たん白410g、キャノーラ油820g、水1850g、その他添加物220gを添加し、サスペンション3300gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンション、さらにキャノーラ油300g、玉ねぎ5300g、パン粉900g、その他調味料や香辛料等の添加物4610gを混合し、全量21710gとなるように調製した。その後は畜肉のメンチカツの常法に従い、製造を行った。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも畜肉を原料とするメンチカツと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、ミートチョッパーに装着するプレートの孔の径を3mm径、20mm径に変えて同様に製造を行ったが、8mm径のプレートと結果は同様であった。なお、飽和脂肪酸の含有量はメンチカツ100gあたり1.3g、コレステロール含有量は1mgであった。
(実施例4)ナゲットの製造
組織加工植物性たん白2100gに水6300gを添加し、戻したん白8400gを調製した。その後、この戻したん白を、孔の径が8mmのプレートが装着されたミートチョッパーで切断した。また、粉末状植物性たん白1120g、キャノーラ油2240g、水5040gを添加し、サスペンション8400gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンション、さらにキャノーラ油200g、その他調味料や香辛料等の添加物3780gを混合し、全量20780gとなるように調製した。そして、チキンナゲットの常法に従い、ナゲットを製造した。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも鶏肉を原料とするチキンナゲットと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、ミートチョッパーに装着するプレートの孔の径を3mm径、20mm径に変えて同様に製造を行ったが、8mm径のプレートと結果は同様で良好であった。なお、飽和脂肪酸の含有量はナゲット100gあたり0.9g、コレステロール含有量は1mgであった。
(実施例5)からあげの製造
組織加工植物性たん白2125gに水6375gを添加し、戻したん白8500gを調製した。その後、この戻したん白を、孔の径が8mmのプレートが装着されたミートチョッパーで切断した。また、粉末状植物性たん白1132g、キャノーラ油2264g、水5010gを添加し、サスペンション8500gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンション、さらにゴマ油400g、その他調味料や香辛料等の添加物5270gを混合し、全量22670gとなるように調製した。そして、鶏のからあげの常法に従い、からあげを製造した。なお、ゴマ油の飽和脂肪酸含量は15.04重量%である。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも鶏肉を原料とするからあげと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、ミートチョッパーに装着するプレートの孔の径を3mm径、20mm径に変えて同様に製造を行ったが、8mm径のプレートと結果は同様で良好であった。なお、飽和脂肪酸の含有量は、からあげ100gあたり1.2g、コレステロール含有量は1mgであった。
参考例6)カツの製造
組織加工植物性たん白3600gに水10800gを添加し、戻したん白14400gを調製した。その後、この戻したん白をミキサーで撹拌しよくほぐした。また、キャノーラ油800g、水19400g、粉末卵白2400g、乳清たん白1200g、その他の添加物1900gを添加し、サスペンション25700gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンションを混合し、全量40100gとなるように調製した。そして、調製した原料をカツの形状に成形し、畜肉のカツの常法に従い製造した。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも畜肉を原料とするカツと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、飽和脂肪酸の含有量は、カツ100gあたり1.2g、コレステロール含有量は6mgであった。
参考例7)ハムカツの製造
組織加工植物性たん白4400gに水13200gを添加し、戻したん白17600gを調製した。その後、この戻したん白をミキサーで撹拌しよくほぐした。また、キャノーラ油800g、水16000g、粉末卵白2400g、乳清たん白880g、その他の添加物2340gを添加し、サスペンション22420gを調製した。その後、上記戻したん白とサスペンションを混合し、全量40020gとなるように調製した。そして、調製した原料をハムカツの形状に成形し、ハムカツの常法に従い製造した。
6名のパネラーで試食したところ、いずれのパネラーも畜肉を原料とするハムカツと変わらない良好な風味、食感であるという評価だった。なお、飽和脂肪酸の含有量は、ハムカツ100gあたり1.3g、コレステロール含有量は5mgであった。
本発明は、食品及び食品の製造方法に関連し、食品製造販売の産業分野において利用可能である。

Claims (6)

  1. 組織加工大豆たん白と、飽和脂肪酸含量7~15重量%の植物油脂を含む食肉様加工食品であって、食肉様加工食品100gあたり飽和脂肪酸を0.5~1.5g、かつ、コレステロールを1~6mg含有し、
    さらに、粉末状大豆たん白を含み、
    粉末状大豆たん白1重量部に対して、植物油脂が2~3重量部となるように含まれ、
    ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、ナゲット、から揚げ、カツ、又は、ハムカツであり、且つ、調理後の食肉様加工食品であることを特徴とする食肉様加工食品。
  2. 組織加工大豆たん白と植物油脂の重量比が、3:4~11:2である、請求項1に記載の食肉様加工食品。
  3. 粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.5~8重量部となるように含まれている、請求項1又は2に記載の食肉様加工食品。
  4. (i)たん白、水、植物油脂を含むサスペンションを調製する工程、 (ii)組織加工大豆たん白を2~5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、 (iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比5:11~16:9で混合する工程、及び (iv)(iii)の混合物を成形する工程、を含み、食肉様加工食品100gあたりの飽和脂肪酸が0.5~1.5g、かつ、コレステロールが1~6mgであり、
    食肉様加工食品が、さらに、粉末状大豆たん白を含み、
    粉末状大豆たん白1重量部に対して、植物油脂が2~3重量部となるように食肉様加工食品に含まれ、
    食肉様加工食品が、ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、ナゲット、から揚げ、カツ、又は、ハムカツであり、且つ、調理後の食肉様加工食品である、食肉様加工食品の製造方法。
  5. 前記サスペンションは、たん白、水、植物油脂を、それぞれ10~15重量%、50~8重量%、1~15重量%の割合で含むサスペンションである、請求項4に記載の食肉様加工食品の製造方法。
  6. 前記たん白が粉末状大豆たん白である、請求項4又は5に記載の製造方法。
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