JP7088777B2 - Glut1発現亢進剤 - Google Patents
Glut1発現亢進剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7088777B2 JP7088777B2 JP2018150783A JP2018150783A JP7088777B2 JP 7088777 B2 JP7088777 B2 JP 7088777B2 JP 2018150783 A JP2018150783 A JP 2018150783A JP 2018150783 A JP2018150783 A JP 2018150783A JP 7088777 B2 JP7088777 B2 JP 7088777B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glut1
- chlorogenic acids
- salts
- expression
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
1)クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1発現亢進剤。
2)クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とする脳内グルコース取り込み促進剤。
3)クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善剤。
4)クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1発現亢進用食品。
5)クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とする脳内グルコース取り込み促進用食品。
6)クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1欠損症症候群の予防又は改善用食品。
本発明の「クロロゲン酸類」は、上記9種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよいが、GLUT1発現亢進作用の点から、モノ又はジカフェオイルキナ酸を含むのが好ましく、モノカフェオイルキナ酸を含むのがより好ましく、5-カフェオイルキナ酸を含むのが更に好ましい。5-カフェオイルキナ酸の含量は、15質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、35質量%以上が更に好ましい。
また、クロロゲン酸類又はその塩の原料として市販のクロロゲン酸類含有製剤を使用してもよく、例えば、フレーバーホルダーRC(長谷川香料(株))、生コーヒー豆エキスP(オリザ油化社製)、スベトール(Nurex Inc.製)、OXCH100(東洋発酵社製)等が挙げられる。また、カフェ酸又はその塩は、caffeic acid(SIGMA社製)等の市販品を使用することもできる。
GLUT1欠損症症候群は、GLUT1の遺伝子異常により、脳のエネルギー代謝基質であるグルコースが中枢神経系に取り込まれないことにより生じる代謝性脳症である。
従って、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上は、GLUT1発現亢進剤、脳内グルコース取り込み促進剤、GLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善剤(以下、「本発明のGLUT1発現亢進剤等」とも称する)となり得、GLUT1の発現を亢進するため、脳内グルコース取り込みを促進するため、GLUT1欠損症症候群を予防、治療又は改善するために使用することができ、またGLUT1発現亢進剤、脳内グルコース取り込み促進剤、GLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善剤を製造するために使用することができる。
ここで、「使用」は、ヒト若しくは非ヒト動物への投与又は摂取であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。尚、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
また、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
また、「治療」には、疾患の完全治癒に加えて、症状を改善させることが包含される。
当該食品には、GLUT1発現亢進、GLUT1欠損症症候群の予防又は改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメントが包含される。これらの食品は機能表示が許可された食品であるため、一般の食品と区別することができる。
<1>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1発現亢進剤。
<2>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とする脳内グルコース取り込み促進剤。
<3>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善剤。
<4>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1発現亢進用食品。
<5>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とする脳内グルコース取り込み促進用食品。
<6>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1欠損症症候群の予防又は改善用食品。
<8>脳内グルコース取り込み促進剤を製造するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の使用。
<9>GLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善剤を製造するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の使用。
<10>GLUT1発現亢進用食品を製造するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の使用。
<11>脳内グルコース取り込み促進用食品を製造するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の使用。
<12>GLUT1欠損症症候群の予防又は改善用食品を製造するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の使用。
<14>脳内グルコース取り込み促進に使用するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上。
<15>GLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善に使用するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上。
<17>脳内グルコース取り込みを促進するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の非治療的使用。
<18>GLUT1欠損症症候群を予防又は改善するための、クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上の非治療的使用。
<20>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する脳内グルコース取り込み促進方法。
<21>クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取するGLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善方法。
1)ロブスタ種のコーヒー生豆を熱水にて抽出し、得られた抽出液をスプレードライにて乾燥し、粗クロロゲン酸類含有組成物を得た。該粗クロロゲン酸類含有組成物の組成は、クロロゲン酸類32.3質量%、カフェイン9.8質量%、質量比(カフェイン/クロロゲン類)が0.303、質量比((K+Na)/クロロゲン酸類)が0.24であった。
2)該粗クロロゲン酸類含有組成物189gを、エタノール濃度52.4質量%のエタノール水溶液756g、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)94.5g、ろ過助剤(ソルカフロック、新日鉱プロキュアメント社製)10.7gと混合することにより、クロロゲン酸類含有スラリー1051gを得た。該クロロゲン酸類含有スラリーのpHは5.7であった。
3)該クロロゲン酸類含有スラリー1051gと、続いてエタノール濃度52.4質量%のエタノール水溶液189gを、プレコート剤として珪藻土を堆積させた2号濾紙にてろ過し、ろ過液1054gを回収した。
4)次いで、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を132mL充填したカラムと、H形カチオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)を105mL充填したカラムとを連結し、これに、該ろ過液1019gを通液し、続いてエタノール濃度52.4質量%のエタノール水溶液231gを通液して、溶出したカラム処理液1072gを回収した。ろ過液中のクロロゲン酸類含量に対する活性炭の使用量は、0.81質量倍(g/g)であった。イオン交換樹脂の使用量は、粗クロロゲン酸類含有組成物中の固形分含量に対して0.74(mL/g)であった。
5)該カラム処理液1038gを、0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを留去して、クロロゲン酸類含有液225gを得た。該クロロゲン酸類含有液の組成は、クロロゲン酸類22.6質量%、カフェイン0.29質量%、質量比(カフェイン/クロロゲン酸類)が0.013、エタノール0質量%で、かつそのpHは3.1であった。
6)該クロロゲン酸類含有液を蒸留水にて希釈し、クロロゲン酸類濃度を3質量%に調整した。得られた希釈液10gを遠心管に取り、3000rpm、15℃、60分間遠心分離し、上清を凍結乾燥処理して、クロロゲン酸類含有精製コーヒーポリフェノール(CPP)を得た。該CPP中におけるクロロゲン酸類とカリウムおよびナトリウムの質量比((K+Na)/クロロゲン酸類)は0.036、クロロゲン酸類とカフェインとの質量比は上記5)と同様であった。該CPP中のクロロゲン酸類の組成比を表1に示す。
生コーヒー豆抽出物(FH1041、長谷川香料製、100%)を、中圧ODSカラムクロマト(山善、YMC-PACK ODS-A)に展開し、水を10 B.V.通液させ水溶出画分(Fr.1、54.5%)を得た。その後、メタノール濃度を上げ低極性成分を溶出させ、各種クロロゲン酸類を含む画分(Fr.2:3.9%、Fr.3:7.6%、Fr.4:18.7%、Fr.5:6.0%、Fr.6:10.0%、Fr.7:1.4%)を得た。Fr.4を分取HPLC(Column:Capcell PAK C18(10X250mm),UV:325nm,Solvent:7%MeCN,0.1%TFAaq)により分画し、4-CQA(6.27%)を得た。Fr.5を分取HPLC(Column:Capcell PAK C18(10X250mm),UV:325nm, Solvent:12%MeCN,0.1%TFAaq)により分画し、3,4-diCQA(0.63 %)を得た。Fr.6を分取HPLC(Column:Capcell PAK C18(10X250mm),UV:325nm,Solvent:20%MeCN,0.1%TFAaq)により分画し、3,4-diCQA(0.3%)、4.5-diCQA(0.4%)を得た。
(動物)
試験にはC57BL/6Jマウス(雄、8週齢)(日本クレア)を用いた。マウスは室温22±2℃、湿度55±10%、照明12時間サイクル(7:00a.m.~7:00p.m.)で飼育し、餌及び水は自由摂取とした。
試験期間中、動物を(I)対照食群、(II)CPP0.5%食群、及び(III)CPP1%食群の3群に分け、それぞれに一ヶ月間継続的に以下の餌を与えた。
(I)対照食群:CPP非添加の餌(コーン油10%、カゼイン20%、セルロース4%、ミネラル3.5%、ビタミン1%、ポテトスターチ61.5%)
(II)CPP0.5%食群:CPPを0.5質量%含む餌(コーン油10%、カゼイン20%、セルロース4%、ミネラル3.5%、ビタミン1%、ポテトスターチ60.5%、製造例1で得たCPP1%)
(III)CPP1%食群:CPPを1質量%含む餌(コーン油10%、カゼイン20%、セルロース4%、ミネラル3.5%、ビタミン1%、ポテトスターチ59.5%、製造例1で得たCPP2%)
得られたcDNAを鋳型に、TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems)及びABI Prism 7700(Applied Biosystems)を用いて、定量的PCRを行った。定量的PCRに使用したTaqMan(登録商標)Geneは、GLUT1:Mm00441480_m1、GAPDH:Mm99999915_g1であった。GLUT1遺伝子の発現量は、GAPDH(Glyceraldehyde-3-Phosphate Dehydrogenase)遺伝子発現量で補正した。測定した発現量から、対照食群の平均値を1とする相対発現量を各群について求めた。有意差検定はDunnett testを用いて対照食群と比較を行い、*P<0.05、**P<0.01とした。
結果を図1に示す。CPPを含む餌を摂取したCPP食群では、GLUT1遺伝子の発現が上昇した。このGLUT1の発現上昇度合いは、摂取した餌のCPP含量に依存していた。このことから、CPPが、脳内のGLUT1発現を亢進させ、グルコースの取り込みを促進する作用を有することが示された。
初代培養ラット脳血管内皮細胞(Applied Biological materials)を24wellコラーゲンIコートプレートに2.0×105個/well播種し、10%ウシ胎児血清(FBS)を加えた脳血管内皮細胞増殖培地(Applied Biological materials)にて、3日間培養した。その後、0.1%FBSを加えた脳血管内皮増殖培地に置換し、24時間培養した後に、0.1%FBSに溶解させた5-カフェオイルキナ酸(5-caffeoylquinic acid:5-CQA、Cayman Chemical)、CPPを5、24、48時間添加した。そして、培地を除去し、PBSで洗浄後、RNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いて全RNAを抽出した。抽出した全RNAから、High Capacity RNA-to-cDNA kit(Life Technologies)を用いて逆転写反応を行い、cDNA合成を行った。得られたcDNAを鋳型に、TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems)及びABI Prism 7700(Applied Biosystems)を用いて、定量的PCRを行った。定量的PCRに使用したTaqMan(登録商標)Geneは、GLUT1:Rn01417099_m1、β-actin:Rn00667869_m1であった。GLUT1遺伝子の発現量は、β-actin遺伝子発現量で補正した。測定した発現量から、control群の平均値を1とする相対発現量を各群について求めた。すべての値は平均値±標準偏差(mean ± standard deviation (SD))で表した。有意差検定はDunnett testを用いてcontrol群と比較を行い、*P<0.05、**P<0.01とした。
結果を図2、3、4に示す。図2には5-CQAとCPPを初代培養ラット脳血管内皮細胞に5時間処置した際、図3には24時間処置した際、図4には48時間処置した際のGLUT1遺伝子発現量の変化を示している。
5-CQAを脳血管内皮細胞に処置すると、5時間後ではGLUT1遺伝子の発現上昇は見られなかったが、24時間では10、100μM、48時間では1、10、100μMで発現が有意に上昇した。CPPを脳血管内皮細胞に処置すると、5時間後では213.4μg/mL、24および48時間では2.13、21.3、213.4μg/mLでGLUT1遺伝子発現量が有意に上昇した。このことから、5-CQAおよびCPPが、脳血管内皮細胞のGLUT1発現を亢進させ、グルコースの取り込みを促進する作用を有することが示された。
初代培養ラット脳血管内皮細胞(Applied Biological materials)を24wellコラーゲンIコートプレートに2.0×105個/well播種し、10%FBSを加えた脳血管内皮細胞増殖培地(Applied Biological materials)にて、3日間培養した。その後、0.1%FBSを加えた脳血管内皮増殖培地に置換し、24時間培養した後に、0.1%FBSに溶解させたCPP及び3-,4-,5-CQA、3,4-、3,5-、4,5-diCQA、カフェ酸(表2に記載)を48時間添加した。そして、培地を除去し、PBSで洗浄後、RNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いて全RNAを抽出した。抽出した全RNAから、High Capacity RNA-to-cDNA kit(Life Technologies)を用いて逆転写反応を行い、cDNA合成を行った。得られたcDNAを鋳型に、TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems)及びABI Prism 7700(Applied Biosystems)を用いて、定量的PCRを行った。定量的PCRに使用したTaqMan(登録商標)Geneは、GLUT1:Rn01417099_m1、β-actin:Rn00667869_m1であった。GLUT1遺伝子の発現量は、β-actin遺伝子発現量で補正した。測定した発現量から、control群の平均値を1とする相対発現量を各群について求めた。すべての値は平均値±標準偏差(mean ± standard deviation (SD))で表した。有意差検定はDunnett testを用いてcontrol群と比較を行い、**P<0.01とした。
結果を図5に示す。ラット初代培養脳血管内皮細胞においてCPP 8.4μg/mL、3-CQA 3.97μM、4-CQA 4.19μM、5-CQA 10μM、3,4-diCQA 1.32μM、3,5-diCQA 0.91μM、4,5-CQA 1.35μM、カフェ酸 10μMで、GLUT1遺伝子発現が亢進した。したがって、CPP、モノ又はジカフェオイルキナ酸、カフェ酸は、脳血管内皮細胞のGLUT1発現を亢進させ、グルコースの取り込みを促進する作用を有することが示された。
(方法)
初代培養ラット脳血管内皮細胞(Applied Biological materials)を60mmコラーゲンIコートディッシュに2.1×105個/ディッシュで播種し、10%FBSを加えた脳血管内皮細胞増殖培地(Applied Biological materials)にて、3日間培養した。その後、0.1%FBSを加えた脳血管内皮増殖培地に置換し、24時間培養した後に、0.1%FBSに溶解させたCPP及び5-CQA、3,5-diCQA(表3に記載)を48時間添加した。そして、培地を除去し、PBSで洗浄後、フォスファターゼインヒビター(SIGMA)、プロテアーゼインヒビター2(SIGMA)、プロテアーゼインヒビター3(SIGMA)を加えたCelLyticTM Mammalian Tissue Lysis/Extraction Reagent(SIGMA)を添加し、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した液をホモジェナイザーによって破砕し、遠心(12000 rpm、15分間、4℃)した。遠心後の上清を回収し、BCA(Thermo Scientific)を用いてタンパク濃度を定量し、液量を補正することで各サンプルの濃度を統一した。調整したタンパク質溶液にLane Marker Reducing Sample Buffer(Thermo Scientific)を加え、熱処理を行った。得られたタンパク質溶液を用いてウェスタンブロットを行った。SDS-PAGEはミニプロティアンTGXゲル(BioRad)を使用し、泳動後PVDF膜(BioRad)に転写した。PVDF膜はPVDF Blocking Reagent(TOYOBO)に浸漬した後、抗GLUT1抗体(1:1000、Milipore、CBL242)をCan Get Signal(TOYOBO)のSolution1で希釈し、4℃で一晩一次抗体反応を行った。T-TBS(0.1%Tween-20(BioRad)/TBS(BioRad))で十分に洗浄し、HRP標識抗ラビット抗体(1:5000、R&D System、HAF008)をCan Get Signal(TOYOBO)のSolution2で希釈し、室温で2時間二次抗体反応を行い、T-TBSで十分に洗浄した。洗浄後、ECL SelectTM Western Blotting Detection Reagent(GE Healthcare)を用いて化学発光を行い、ChemDoc XRS(BioRad)で発光強度を測定した。
結果を図6に示す。CPP、5-CQA、3,5-diCQAを脳血管内皮細胞に処置すると、濃度依存的にGLUT1タンパク質の発現上昇が確認できた。このことから、CPP、5-CQA、3,5-diCQAが、脳血管内皮細胞のGLUT1発現を亢進させ、グルコースの取り込みを促進する作用を有することが示された。
Claims (7)
- クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1発現亢進剤。
- クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とする脳内グルコース取り込み促進剤。
- クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1欠損症症候群の予防、治療又は改善剤。
- クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1発現亢進用食品。
- クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とする脳内グルコース取り込み促進用食品。
- クロロゲン酸類、カフェ酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を有効成分とするGLUT1欠損症症候群の予防又は改善用食品。
- クロロゲン酸類が、3-CQA、4-CQA、5-CQA、3,4-diCQA、4,5-diCQA及び3,5-diCQAのうち少なくとも一つから選択される1種以上である請求項1~3のいずれか1項記載の剤、又は請求項4~6のいずれか1項記載の食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018150783A JP7088777B2 (ja) | 2018-08-09 | 2018-08-09 | Glut1発現亢進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018150783A JP7088777B2 (ja) | 2018-08-09 | 2018-08-09 | Glut1発現亢進剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020026396A JP2020026396A (ja) | 2020-02-20 |
JP7088777B2 true JP7088777B2 (ja) | 2022-06-21 |
Family
ID=69621959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018150783A Active JP7088777B2 (ja) | 2018-08-09 | 2018-08-09 | Glut1発現亢進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7088777B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111973580B (zh) * | 2020-09-15 | 2023-01-24 | 河南大学 | 咖啡酸在制备促进葡萄糖吸收药物方面的应用 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006230225A (ja) | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Toyo Shinyaku:Kk | 血糖値上昇抑制作用を有する成分を含有する食品 |
JP2017137296A (ja) | 2016-01-28 | 2017-08-10 | 花王株式会社 | アストロサイトのグルコース代謝活性化剤 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5651889B1 (ja) * | 2013-08-23 | 2015-01-14 | 株式会社かどまさや | 加工玄米、発酵食品、加工玄米の製造方法 |
JP2016013987A (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-28 | 興人ライフサイエンス株式会社 | 脂質代謝改善剤 |
-
2018
- 2018-08-09 JP JP2018150783A patent/JP7088777B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006230225A (ja) | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Toyo Shinyaku:Kk | 血糖値上昇抑制作用を有する成分を含有する食品 |
JP2017137296A (ja) | 2016-01-28 | 2017-08-10 | 花王株式会社 | アストロサイトのグルコース代謝活性化剤 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Molecular Cell,2013年,49,pp.1167-1175 |
PLoS ONE,2012年,7(3),e32718(pp.1-11) |
日本食品工業学会誌,1991年,38(3),pp.177-183 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020026396A (ja) | 2020-02-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6529634B1 (ja) | アミロイドβ分解排出促進剤 | |
JP2018058903A (ja) | 成長ホルモン分泌促進剤 | |
KR20120033633A (ko) | 커큐민을 유효성분으로 함유하는 골 성장 촉진용 조성물 | |
JPWO2016199885A1 (ja) | 血圧降下剤 | |
KR20160041105A (ko) | 장수풍뎅이 추출물을 유효성분으로 포함하는 류마티스 관절염 예방 또는 치료용 조성물 | |
JP2005154432A (ja) | ポリフェノールおよび/またはビタミンcを含有するアセロラ処理物 | |
WO2003006037A1 (fr) | Medicaments de traitement | |
JPWO2016163245A1 (ja) | 筋肉細胞におけるエネルギー代謝活性化剤 | |
JP7088777B2 (ja) | Glut1発現亢進剤 | |
JPWO2004112817A1 (ja) | セリ科植物由来抽出物およびその製造方法 | |
JP2023153109A (ja) | ホップ及び白首烏の混合抽出物を有効成分として含む心血管系疾患または骨多孔症の改善用の組成物 | |
WO2022220265A1 (ja) | サーチュイン又はクロトー活性化又は発現増強剤、nad+増加剤、及び老化細胞抑制剤 | |
JP6499787B1 (ja) | Arc発現促進剤 | |
KR101152479B1 (ko) | 탈지된 녹차씨 추출물을 유효성분으로 포함하는 항염 또는 항암 조성물 | |
JP7106340B2 (ja) | 血液脳関門保護剤 | |
JP6273440B2 (ja) | Glp−1産生促進剤、dppiv阻害剤及びグルコース吸収阻害剤 | |
JP2011032232A (ja) | 興奮抑制用又は鎮静用組成物及びこれを含む飲食品 | |
WO2015190682A1 (ko) | 쿠마린산을 유효성분으로 포함하는 성장 촉진용 조성물 | |
JP2014152118A (ja) | 老化抑制剤 | |
JP2020169123A (ja) | ホットフラッシュ改善剤 | |
KR20090020279A (ko) | 3,4,5-트리히드록시벤즈알데히드를 유효성분으로 포함하는고지혈증 및 mmp 과다활성으로 인한 혈관질환 예방 및치료용 조성물 | |
WO2007034958A1 (ja) | 穀類由来の成分を有効成分とする血管新生阻害の作用を有する組成物 | |
KR102612548B1 (ko) | 락토바실러스 부크너리 200793 균주를 포함하는 우울증예방, 개선 또는 치료용 조성물 | |
JP2019043857A (ja) | ApoA1又はTTR産生促進剤 | |
JP7213019B2 (ja) | 血中尿酸値低減剤、並びに、キサンチンオキシダーゼ阻害剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210726 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220525 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220607 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220609 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7088777 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |