JP2019043857A - ApoA1又はTTR産生促進剤 - Google Patents

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勝義 齋藤
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Abstract

【課題】アポリポタンパク質A1又はトランスサイレチンの産生を促進する物質の提供。【解決手段】クロロゲン酸類又はその塩を有効成分とするアポリポタンパク質A1又はトランスサイレチン産生促進剤。クロロゲン酸類又はその塩を有効成分とする血中アポリポタンパク質A1又はトランスサイレチン濃度上昇剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ApoA1又はTTR産生促進剤に関する。
クロロゲン酸は、コーヒー豆、ジャガイモ、米糠等に見出されるポリフェノール類であり、これまでに抗酸化作用、血圧降下作用、血糖値上昇抑制、脂質代謝促進等の生理活性を有することが報告されている。また、クロロゲン酸が神経・精神状態にも影響を与えることが報告されている。特許文献1〜3には、自律神経機能向上、抗ストレス、大脳疲労回復に対してクロロゲン酸が有効であることが開示されている。特許文献4には、クロロゲン酸がアミロイドβによる細胞傷害の抑制作用を有し、アルツハイマー病の予防又は治療に有効であること、及び老化促進モデルマウスの記憶学習障害に対する改善効果を有することが開示されている。特許文献5には、これまでにクロロゲン酸類について、げっ歯類の末梢において抗酸化作用、抗不安作用、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有すること、ならびに中枢神経系においてアミロイドβ誘導毒性及び酸化ストレスから神経細胞を保護する作用を有することの報告があることが記載されている。
アポリポタンパク質A1(ApoA1)は、主に肝臓や小腸で産生されるタンパク質で、高比重リポタンパクコレステロール(HDL)の主要な構成成分である。トランスサイレチン(TTR)は、127個のアミノ酸からなる分子量14kDaのタンパク質で、プレアルブミンとも呼ばれる。TTRは、主に肝臓で産生され、血中でレチノール結合とサイロキシンの輸送に関わる。血中TTR濃度は急性期の栄養状態の指標として最も重要な指標の1つである。非特許文献1には、1日8杯(150mL/杯)のコーヒーの摂取で血清ApoA1濃度が増加したことが報告されている。非特許文献2には、Annurca種のリンゴのポリフェノールを与えた細胞でApoA1が増加したことが報告されている。
特開2002−145765号公報 特開2006−265231号公報 特開2006−160721号公報 再表2007/091613号公報 特表2013−543856号公報
Am J Clin Nutr, 2010, 91(4):950-957 Food Research International, 2014, 63, Part B:252-257
本発明は、ApoA1又はTTRの産生を促進する物質を提供する。
本発明者らは、クロロゲン酸類が、ApoA1及びTTRの血中濃度を増加させることを見出した。
したがって、本発明は、クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、アポリポタンパク質A1又はトランスサイレチン産生促進剤を提供する。
また本発明は、クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、血中アポリポタンパク質A1又はトランスサイレチン濃度上昇剤を提供する。
本発明は、ApoA1又はTTRの産生を促進する。本発明は、ApoA1又はTTRが関与する様々な身体状態の制御、及びApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善に有用である。
アポリポタンパク質A1(ApoA1)は、主に肝臓や小腸で産生されるタンパク質で、高比重リポタンパクコレステロール(HDL)の主要な構成成分である。ApoA1は、心疾患や動脈硬化に予防的に働くことが知られている。また、早期卵巣癌患者で血中ApoA1濃度が低下すること(Cancer Res, 2004, 64:5882-5890)や、急性肺傷害や肺がんなどの肺に関連する疾患に対してApoA1が保護的に働くこと(Front Pharmacol, 2016, 7:323)が報告されている。さらにApoA1は、神経保護に働くタンパク質で、軽度認知障害(MCI)及びアルツハイマー型認知症患者で血中濃度が低下することが報告されている(Alzheimers Dement, 2015, 1:270-280)。
トランスサイレチン(TTR)は、127個のアミノ酸からなる分子量14kDaのタンパク質で、プレアルブミンとも呼ばれる。TTRは、主に肝臓で産生されて血中に分泌される。血中TTRは、レチノール結合とサイロキシンの輸送に関わる。血中TTR濃度は、急性期の栄養状態の指標として最も重要な指標の1つである。一方、早期卵巣癌患者で血中TTR濃度が低下すること(Cancer Res, 2004, 64:5882-5890)や、TTRがβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進させる働きを有すること(Proc Natl Acad Sci USA, 2005, 102(47):17020-17025)が報告されている。TTR遺伝子の変異や欠失は、末梢神経障害(例えば解離性感覚障害、筋力低下及び筋委縮、下肢における自発痛、瞳孔異常、皮膚温の低下、胸部の島状感覚低下、手足の冷感、嗄声等)、自律神経障害(例えば排尿障害、下痢、便秘、起立性低血圧、陰萎、発汗低下、悪心等)、及び全身症状(例えば貧血、体重減少、不整脈、浮腫、やけど等)などの様々な機能障害を引き起こす(日本内科学会雑誌、第98巻第8号、pp170−176)。また、TTRが原因のアミロイドーシスはTTRアミロイドーシスと呼ばれ、これには変異型TTRが蓄積するタイプと、野生型TTRが蓄積するタイプとがある(生化学、2008、第80巻第8号、pp751−754)。さらに、血中TTRがMCI及びアルツハイマー型認知症患者で低下することが報告されている(Alzheimers Dement, 2015, 1:270-280、Journal of Alzheimer’s Disease, 2012, 28:369-375)。TTRに神経保護作用があることも報告されている(BioMol Concepts, 2014, 5:45-54)。
本明細書において、ApoA1の減少に起因する疾患、症状又は状態の例としては、心疾患、動脈硬化、脳卒中等の血管機能の低下に関連するもの;肺癌、卵巣癌等の癌;喘息、急性肺傷害、肺高血圧、肺炎等の肺機能の低下に関連するもの;MCI、認知症等の脳機能の低下に関連するもの、などが挙げられる。また本明細書において、TTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の例としては、インスリン減少、糖尿病等の糖代謝の低下に関連するもの;解離性感覚障害、筋力低下及び筋委縮、下肢における自発痛、瞳孔異常、皮膚温の低下、胸部の島状感覚低下、手足の冷感、嗄声等の末梢神経機能の低下に関連するもの;排尿障害、下痢、便秘、起立性低血圧、陰萎、発汗低下、悪心等の自律神経機能の低下に関連するもの;貧血、体重減少、不整脈、浮腫等の全身症状に関連するもの、などが挙げられる。
本明細書において、「予防」とは、個体における疾患、症状もしくは状態の発症の防止、抑制又は遅延、あるいは個体の疾患、症状もしくは状態の発症の危険性を低下させることをいう。また本明細書において、「改善」とは、疾患、症状もしくは状態の好転、疾患、症状もしくは状態の悪化の防止、抑制又は遅延、あるいは疾患、症状もしくは状態の進行の逆転、防止、抑制又は遅延をいう。
本発明で用いられるクロロゲン酸類の例としては、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸を含むモノカフェオイルキナ酸;3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸及び5−フェルロイルキナ酸を含むモノフェルロイルキナ酸;ならびに、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸を含むジカフェオイルキナ酸、が挙げられる。本発明で用いるクロロゲン酸類は、上記に挙げた化合物のいずれか1種又は2種以上の組み合わせであり得る。上記に挙げたクロロゲン酸類中のモノカフェオイルキナ酸及びモノフェルロイルキナ酸の割合は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上である。
クロロゲン酸類は、これを含有する天然物、特に植物から抽出することもでき、化学合成により工業的に製造することもできる。クロロゲン酸類には、立体異性体が存在し、本発明では、それらの純粋な立体異性体又はそれらの立体異性体の混合物を用いることができる。
好ましくは、本発明で用いるクロロゲン酸類は、それらを含有する植物から抽出することができる。クロロゲン酸類を含有する植物の例としては、コーヒー、キャベツ、レタス、アーチチョーク、トマト、ナス、ジャガイモ、ニンジン、ナシ、プラム、モモ、アプリコット、チェリー、ヒマワリ、モロヘイヤ、カンショ、南天の葉、ブルーベリー、小麦などが挙げられる。
より好ましくは、クロロゲン酸類は、コーヒー生豆、浅焙煎コーヒー豆、南天の葉、ヒマワリ種等より抽出することができる。例えば、アカネ科コーヒー(Coffee arabica LINNE)の種子より、温時アスコルビン酸、クエン酸酸性水溶液又は熱水で抽出した後、必要に応じてろ過、活性炭及びイオン交換樹脂処理することでクロロゲン酸類を含む生コーヒー豆抽出物を調製することができる。あるいは浅焙煎コーヒー豆からクロロゲン酸類を含む抽出物を調製しても良い。該浅焙煎コーヒー豆のL値は、クロロゲン酸類含量等の観点から、27以上が好ましく、35以上がより好ましく、40以上がさらに好ましく、また風味の観点から、62未満が好ましく、60以下がより好ましく、55以下がさらに好ましい。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。又は、本発明では、市販の生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種抽出物を、クロロゲン酸類として用いることができる。
クロロゲン酸類は、塩にすることにより水溶性を向上させ、生理学的有効性を増大させることができる。本発明で用いられるクロロゲン酸類の塩としては、薬学的に許容される塩であればよい。このような塩形成用の塩基物質としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;水酸化アンモニウム等の無機塩基;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が用いられるが、このうち、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
後述の実施例に示すとおり、クロロゲン酸類の摂取により、血中ApoA1及びTTR濃度が上昇した。したがって、クロロゲン酸類は、ApoA1又はTTRの産生促進、及びApoA1又はTTRの血中濃度の上昇に有用である。さらにクロロゲン酸類は、ApoA1又はTTRの産生促進又は血中濃度上昇作用を介して、ApoA1又はTTRが関与する様々な身体状態の制御、及びApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善に有用である。
したがって、一態様において、本発明は、クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、ApoA1又はTTR産生促進剤を提供する。また本発明は、クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、血中ApoA1又はTTR濃度上昇剤を提供する。また本発明は、クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、ApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善剤を提供する。
一実施形態において、当該本発明の剤は、クロロゲン酸類又はその塩から本質的に構成され得る。別の一実施形態において、当該本発明の剤は、少なくともクロロゲン酸類又はその塩を含有する組成物であり得る。当該組成物の例としては、後述する医薬品、医薬部外品、食品などが挙げられる。
本発明によるクロロゲン酸類又はその塩の使用は、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。本明細書において、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。治療的使用の例としては、上述したApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態を有する患者における、該疾患、症状又は状態の予防又は改善のための使用が挙げられる。非治療的使用とは、健常者を含む、医師にApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態を有するとは診断されていないが、該疾患、症状又は状態の予防を求める者に対する使用が挙げられる。
本発明においてクロロゲン酸類又はその塩が適用される対象としては、ヒト及び非ヒト動物が挙げられる。該非ヒト動物としては、非ヒト哺乳動物、鳥類などが挙げられる。該非ヒト哺乳動物としては、例えば、類人猿、その他霊長類、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、及びコンパニオン動物などが挙げられる。好ましくは、該ヒト及び非ヒト動物は、ApoA1又はTTRの産生促進、血中ApoA1又はTTR濃度上昇、あるいはApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善が所望されるか、それらを必要とするヒト及び非ヒト動物であり得る。
本発明において、クロロゲン酸類又はその塩は、医薬品、医薬部外品又は食品(非ヒト動物用食品を含む)等に対して、ApoA1又はTTRの産生促進、血中ApoA1又はTTR濃度上昇、あるいはApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善の機能を付与するための有効成分として使用することができる。
当該医薬品(医薬部外品も含む)は、ApoA1又はTTRの産生促進、血中ApoA1又はTTR濃度上昇、あるいはApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善のための医薬品であり、クロロゲン酸類又はその塩を、当該機能のための有効成分として含有する。さらに、該医薬品は、該有効成分の機能が失われない限りにおいて、必要に応じて薬学的に許容される担体、又は他の有効成分、薬理成分等を含有していてもよい。
当該医薬品(医薬部外品も含む)の投与形態は、経口投与及び非経口投与の何れであってもよいが、経口投与が好ましい。該医薬品の剤形は、経口又は非経口的に投与可能な剤形であれば特に限定されず、例えば注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、各種外用剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤等の何れでもよい。このような種々の剤形の製剤は、クロロゲン酸類又はその塩を、薬学的に許容される担体(例えば賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、希釈剤等)、他の薬効成分等と適宜組み合わせて、定法に従って調製することができる。
当該食品は、ApoA1又はTTRの産生促進、血中ApoA1又はTTR濃度上昇、あるいはApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善の機能を提供するための食品であり、クロロゲン酸類又はその塩を、当該機能のための有効成分として含有する。該食品には、ApoA1又はTTRの産生促進、血中ApoA1又はTTR濃度上昇、あるいはApoA1又はTTRの減少に起因する疾患、症状又は状態の予防又は改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した病者用食品、及び栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品等の保健機能食品が包含される。
本発明により提供される食品は飲料を含む。したがって、当該食品を飲食品と言い換えることができる。当該食品の形態は、固形、半固形又は液状(例えば飲料)であり得る。該食品の例としては、パン類、麺類、飯類、クッキー等の菓子類、ゼリー類、乳製品、スープ類、冷凍食品、インスタント食品、でんぷん加工製品、加工魚肉製品、その他加工食品、調味料、栄養補助食品、及び茶飲料、コーヒー飲料、果実飲料、炭酸飲料、乳飲料、ゼリー状飲料、ニアウォーター、エナジードリンク等の飲料、ならびにそれらの原料が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、該食品は、錠剤、カプセル、顆粒、粉末、ドリンク剤、シロップ等の経口投与製剤の形態を有するサプリメントであってもよい。
当該食品は、クロロゲン酸類又はその塩を、任意の食品材料又は食品に許容される添加物(例えば溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、甘味料、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、固着剤、分散剤、湿潤剤等)と適宜組み合わせて、定法に従って調製することができる。
当該医薬品、医薬部外品又は食品におけるクロロゲン酸類又はその塩の含有量は、特に限定されないが、食品の場合は、その全質量中、クロロゲン酸類換算で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらにより好ましくは0.3質量%以上、なお好ましくは1質量%以上であり、かつ好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。さらに、当該食品中の含有量の例として、全質量中、クロロゲン酸類換算で、0.01〜95質量%、0.01〜90質量%、0.01〜80質量%、0.01〜70質量%、0.01〜50質量%、0.02〜95質量%、0.02〜90質量%、0.02〜80質量%、0.02〜70質量%、0.02〜50質量%、0.05〜95質量%、0.05〜90質量%、0.05〜80質量%、0.05〜70質量%、0.05〜50質量%、0.1〜95質量%、0.1〜90質量%、0.1〜80質量%、0.1〜70質量%、0.1〜50質量%、0.3〜95質量%、0.3〜90質量%、0.3〜80質量%、0.3〜70質量%、0.3〜50質量%、1〜95質量%、1〜90質量%、1〜80質量%、1〜70質量%、又は1〜50質量%が挙げられる。また医薬品又は医薬部外品の場合は、その全質量中、クロロゲン酸類換算で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、さらにより好ましくは10質量%以上、なお好ましくは20質量%以上である。
本発明により提供されるクロロゲン酸類又はその塩を有効成分として含有する食品組成物の具体例の1つとしては、クロロゲン酸類又はその塩に、クエン酸、ビタミン類、甘味料などを配合した飲料が挙げられる。該食品組成物におけるクロロゲン酸類又はその塩の含有量は、好ましくは0.01〜90質量%、より好ましくは0.05〜70質量%、さらに好ましくは0.1〜50質量%である。
本発明において、クロロゲン酸類又はその塩の投与量及び投与計画は、対象の種、体重、性別、年齢、状態、又はその他の要因に従って当業者により適宜決定されればよい。限定ではないが、本発明によるクロロゲン酸類又はその塩の投与量(クロロゲン酸類換算)は、例えば成人1人1日当たり、好ましくは10〜10000mg、より好ましくは50〜5000mg、さらに好ましくは100〜1000mg、なお好ましくは100〜500mgである。服用の頻度は、好ましくは1週間に数回、2日に1回、1日1回、又はそれ以上であり、より好ましくは1日1回以上であり、さらに好ましくは1日1回であり、これを、好ましくは就寝前に服用する。服用の期間は、長期的又は持続的に服用することが望ましく、例えば2週間以上、好ましくは4週間以上、より好ましくは8週間以上、さらに好ましくは16週間以上、さらに好ましくは24週間以上である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例 クロロゲン酸類含有組成物の製造
生コーヒー豆の粉砕物を熱水で抽出後、スプレードライ乾燥し、得られたパウダーをエタノール水溶液に溶解させてろ過し、ろ過液を活性炭及びイオン交換樹脂を用いたカラムで処理することで生コーヒー豆抽出物を得た。
生コーヒー豆抽出物を酸味料、甘味料及びその他材料と配合して、クロロゲン酸類を含む飲料(実施例1:クロロゲン酸類330mg/100mL含有)を調製した。また、生コーヒー豆抽出物を含まないこと以外は実施例1と同じ組成を有する飲料(比較例1:クロロゲン酸類不含有)を調製した。
調製した飲料及び顆粒食品中のクロロゲン酸類定量にはHPLC(日立製作所(株)製)を使用した。HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液にて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm、ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。5−カフェオイルキナ酸を標準物質として、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸、5−フェルロイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸の合計量を求めることで、クロロゲン酸類を定量した。実施例1(100mL)におけるクロロゲン酸類の合計量は330mg、うち3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸、5−フェルロイルキナ酸の合計量は270mgであった。比較例1におけるクロロゲン酸類の合計量は0mgであった。
試験例1 クロロゲン酸類による血中ApoA1及びTTR濃度上昇
物忘れの自覚症状を有するが、医師による診断では認知症と診断されていない50〜69歳の男女38名(MMSEが23点以上)を被験者として試験を実施した。試験では、被験者に実施例1(20名)又は比較例1(18名)の飲料を1日1本(100mL)、16週間、就寝前に摂取させた。飲料摂取前(0週)及び摂取後(16週)に採血を行い、血中のApoA1及びTTR濃度の分析を行った。試験飲料摂取前後の変化量(16週−0週)について、実施例1摂取群と比較例1摂取群との間で統計学的検定(unpaired t−test)を行った。
結果を表1に示す。実施例1の継続摂取によって血中ApoA1及びTTR濃度が上昇することが示された。
Figure 2019043857

Claims (2)

  1. クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、アポリポタンパク質A1又はトランスサイレチン産生促進剤。
  2. クロロゲン酸類及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、血中アポリポタンパク質A1又はトランスサイレチン濃度上昇剤。
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CN111758841A (zh) * 2020-08-19 2020-10-13 上海俏贝丽宠物用品有限公司 促进幼犬猫智力发育的组合物、添加剂、保健品及其制备方法
CN111758841B (zh) * 2020-08-19 2023-07-28 上海俏贝丽宠物用品有限公司 促进幼犬猫智力发育的组合物、添加剂、保健品及其制备方法

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