JP7087715B2 - 電力変換装置及び冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置及び冷却システムに関する。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両には、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置が搭載されている。電力変換装置は、電力変換を行うための電子部品と、電子部品を冷却するための冷却器と、を有している。この種の電力変換装置は、電子部品の冷却効率を向上させるため、沸騰熱伝達を利用して電子部品を冷却するように構成されていることがある。
例えば特許文献1には、直方体形状を呈する第1導電体及び第2導電体と、第1導電体と第2導電体との間に狭持された第1半導体素子及び第2半導体素子と、第1導電体及び第2導電体が載置された放熱用金属板と、放熱用金属板に接合された冷却ブロックを備えた冷却器と、を有する電力変換装置が記載されている。冷却ブロックは、矩形状を呈する凹所と、凹所の周囲を囲む環状の係合溝と、凹所と係合溝との間に形成された接合面と、を有している。冷却ブロックの凹所及び係合溝は、放熱用金属板により覆われている。
この電力変換装置における冷媒流路は、放熱用金属板と凹所の内表面とによって囲まれた空間から構成されている。また、係合溝内には、冷媒流路の周囲をシールし、冷媒の漏洩を防止するためのシール材が配置されている。
特開2015-53775号公報
特許文献1の電力変換装置のように沸騰熱伝達を利用して電子部品を冷却しようとする場合、放熱用金属板に接触させた液状の冷媒を沸騰させる必要がある。この際、放熱用金属板と接触した冷媒が激しく沸騰すると、放熱用金属板の表面が気化した冷媒によって覆われる、ドライアウトと呼ばれる現象が起こり、電子部品の冷却効率の低下を招く。
従来の電力変換装置においては、放熱用金属板との接触によって気化した冷媒が液状の冷媒に押し流されるため、ドライアウトの発生は顕在化していなかった。しかし、近年、電力変換装置の大出力化に伴って、電子部品からの発熱量がますます増大する傾向にある。発明者らの詳細な検討の結果、かかる状況においては、例えば冷却ブロックの接合面と放熱用金属板との間等の比較的流速の遅い部分に滞留した冷媒が気化し、冷媒流路の幅方向の端部にドライアウトが発生しやすくなることが明らかとなった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ドライアウトの発生を抑制することができる電力変換装置及びこの電力変換装置を備えた冷却システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、冷媒(C)が導入される冷媒導入口(211)と、前記冷媒導入口に連なり冷媒が導出される冷媒導出口(213)と、前記冷媒導入口と前記冷媒導出口との間に配置された冷却開口(212)と、を備えた冷媒流路(21)を有する冷却器()と、
前記冷却開口に面した冷却面(38)を備え、前記冷却開口を閉鎖する部品保持板(304)と、
前記部品保持板の外表面に保持された電子部品(4)と、を有し、
前記部品保持板は、前記冷却器の前記冷却開口上に配置された保持板中央部(304a)と、前記保持板中央部の外周に配置され、前記部品保持板の厚み方向において、前記保持板中央部よりも前記冷却器側に突出しているスペーサー部(304b)と、を有し、
前記冷媒流路の流路方向に垂直な断面において、外表面上に前記電子部品を投影してなる投影領域(32)の端点(321)から当該端点に最も近い前記冷却面上の点である最近傍点(311)までの熱抵抗をRthA、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点(312)までの熱抵抗をRthBと表した場合に、前記RthBの値が前記RthAの値よりも大きい、電力変換装置(104)にある。
本発明の他の態様は、冷媒(C)が導入される冷媒導入口(211)と、前記冷媒導入口に連なり冷媒が導出される冷媒導出口(213)と、前記冷媒導入口と前記冷媒導出口との間に配置された冷却開口(212)と、を備えた冷媒流路(21)を有する冷却器(2)と、
前記冷却開口に面した冷却面(31)を備え、前記冷却開口を閉鎖する部品保持板(305)と、
前記部品保持板の外表面に保持された電子部品(4)と、を有し、
前記部品保持板は、前記冷却開口の端縁に沿って配置された高熱抵抗部(391)と、前記高熱抵抗部の内側に配置された低熱抵抗部(392)と、を有しており、前記部品保持板の厚み方向における前記高熱抵抗部の熱抵抗は前記低熱抵抗部よりも大きく、
前記冷媒流路の流路方向に垂直な断面において、外表面上に前記電子部品を投影してなる投影領域(32)の端点(321)から当該端点に最も近い前記冷却面上の点である最近傍点(311)までの熱抵抗をRth A 、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点(312)までの熱抵抗をRth B と表した場合に、前記Rth B の値が前記Rth A の値よりも大きい、電力変換装置(105)にある。
本発明の他の態様は、前記の態様の電力変換装置と、前記冷媒流路内を流れる冷媒と、前記電力変換装置の前記冷媒流路に接続され、前記冷媒を循環させる冷媒循環装置(6)と、を備えた冷却システム(10)であって、
前記電子部品の最大発熱量Pmax[W]と、前記電子部品の発熱量がPmax[W]であるときの前記投影領域の端点の温度Tj[℃]と、前記冷媒の沸点Tboil[℃]とが、Tboil≧Tj-P・RthBの関係を満足する、冷却システム(10)にある。
前記電力変換装置は、冷媒流路を備えた冷却器と、冷媒流路の冷却開口を閉鎖する部品保持板と、部品保持板の外表面に保持された電子部品と、を有しており、部品保持板の冷却面に冷媒を接触させて電子部品を冷却することができるように構成されている。また、前記電力変換装置は、冷媒流路の流路方向に垂直な断面における前記投影領域の端点から前記冷却面上の最近傍点までの熱抵抗をRthA、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点までの熱抵抗をRthBと表した場合に、RthBの値がRthAの値よりも大きくなるように構成されている。
それ故、前記電力変換装置によれば、電子部品が発熱した際に、冷媒流路の幅方向における冷却面の端部、つまり、冷却面の前記端点を含む部分の温度を、冷却面の中央部、つまり、冷却面の前記最近傍点を含む部分の温度よりも低くすることができる。その結果、例えば冷媒流路の幅方向の端部などの、比較的冷媒の流速が遅く、冷媒が滞留しやすい部分におけるドライアウトの発生を抑制することができる。
また、前記冷却システムは、前記冷媒流路内を流れる冷媒と、前記電力変換装置の前記冷媒流路に接続され、前記冷媒を循環させる冷媒循環装置と、を有している。そして、電子部品の最大発熱量Pmax[W]と、前記電子部品の発熱量がPmax[W]であるときの前記投影領域の端点の温度Tj[℃]と、前記冷媒の沸点Tboil[℃]とが前記特定の関係式を満足している。このように、冷媒の沸点Tboilを考慮して投影領域の端点から前記冷却面の端点までの熱抵抗RthBの値を設定することにより、冷媒流路の幅方向の端部におけるドライアウトの発生を容易に回避することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、ドライアウトの発生を抑制することができる電力変換装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、参考形態1における電力変換装置の斜視図である。 図2は、参考形態1における電力変換装置の平面図である。 図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。 図4は、図3における冷却面の端点近傍の拡大図である。 図5は、図2のV-V線矢視断面図である。 図6は、参考形態1の電力変換装置における熱抵抗RthA及びRthBの算出方法の模式図である。 図7は、参考形態1の電力変換装置における熱抵抗RthCの算出方法の模式図である。 図8は、参考形態2における、部品保持板が冷却開口内に挿入されている電力変換装置の要部を示す断面図である。 図9は、参考形態3における、シール延設部を備えたシール材を有する電力変換装置の要部を示す断面図である。 図10は、実施形態1における、スペーサー部を備えた部品保持板を有する電力変換装置の要部を示す断面図である。 図11は、実施形態2における、低熱抵抗部と高熱抵抗部とを備えた部品保持板を有する電力変換装置の要部を示す断面図である。 図12は、実施形態3における、流路側方部の深さが流路中央部よりも浅くなっている冷媒流路を備えた電力変換装置の要部を示す断面図である。 図13は、実施形態4における冷却システムの概略構成を示す説明図である。 図14は、実験例における試験体の要部を示す一部断面図である。
参考形態1
前記電力変換装置に係る実施形態について、図1~図7を参照して説明する。本形態の電力変換装置1は、図1及び図2に示すように、冷却器2と、部品保持板3と、電子部品4と、を有している。図5に示すように、冷却器2は、冷媒Cが導入される冷媒導入口211と、冷媒導入口211に連なり冷媒Cが導出される冷媒導出口213と、冷媒導入口211と冷媒導出口213との間に配置された冷却開口212と、を備えた冷媒流路21を有している。図3及び図5に示すように、部品保持板3は、冷却開口212に面した冷却面31を備えている。また、冷却器2の冷却開口212は、部品保持板3によって閉鎖されている。電子部品4は、部品保持板3の外表面に保持されている。
図6に示す冷媒流路21の流路方向に垂直な断面において、部品保持板3の外表面上に電子部品4を投影してなる投影領域32の端点321から当該端点321に最も近い冷却面31上の点である最近傍点311までの熱抵抗をRthA、投影領域32の端点321から冷却面31の端点312までの熱抵抗をRthBと表した場合に、RthBの値がRthAの値よりも大きい。
以下、本形態の電力変換装置1の構成をより詳細に説明する。本形態の冷却器2は、図1に示すように直方体状を呈する流路形成部22と、図3及び図5に示すように流路形成部22の内部を貫通する冷媒流路21と、を有している。図1及び図5に示すように、流路形成部22の長手方向における一方の端面221には冷媒導入口211が開口しており、他方の端面222には冷媒導出口213が開口している。
また、冷媒導入口211を有する端面221と冷媒導出口213を有する端面222との間には、冷却開口212を備えた頂面223と、頂面223の反対側に位置する底面224と、頂面223と底面224とを接続する2か所の側面225とが存在している。流路形成部22は、例えば、アルミニウム等の金属から構成されていてもよい。
本形態の冷媒流路21は、図3に示すように長方形状の断面形状を有している。冷媒流路21は、図5に示すように、冷媒導入口211から冷媒導出口213までに亘って延設されている。また、冷媒流路21は、流路方向(つまり、流路形成部22の長手方向)における冷媒導入口211と冷媒導出口213との間に冷却開口212を有している。なお、冷却器2の形状及び流路形成部22内における冷媒流路21の配置は本形態の態様に限定されるものではない。
以下において、冷媒流路21の流路方向に平行な方向を「縦方向X」、流路形成部22における2枚の側面225の並び方向を「横方向Y」、頂面223と底面224との並び方向を「高さ方向Z」ということがある。また、高さ方向Zにおける頂面223側を「上方Z1」、底面224側を「下方Z2」ということがある。これらの方向に関する表示は便宜上のものであり、電力変換装置1を車両等に取り付ける際の向きとは何ら関係がない。
図3及び図5に示すように、本形態の流路形成部22は、頂面223における冷却開口212の周囲に配置された溝226を有している。後述するように、溝226の上方Z1には部品保持板3が配置されており、溝226の内表面と部品保持板3の内表面との間には、後述するシール材5を収容するためのシール材保持空間227が形成されている。
図1及び図2に示すように、流路形成部22の頂面223上には部品保持板3が配置されている。部品保持板3は、例えば、銅やアルミニウムなどの高い熱伝導率を有する金属から構成されていてもよいし、アルミナや窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの高い熱伝導率を有する電気絶縁性のセラミックスから構成されていてもよい。
図3及び図5に示すように、本形態の部品保持板3は、セラミックスからなり流路形成部22の頂面223上に配置された絶縁基板33と、導体からなり絶縁基板33の上方Z1に積層された回路パターン部34と、を有している。絶縁基板33は、流路形成部22の冷却開口212及び溝226を覆うように配置されている。本形態においては、絶縁基板33の表面のうち冷却開口212に面する部分が冷媒Cに接触する冷却面31となる。
また、図4に示すように、絶縁基板33の内表面のうち流路形成部22の溝226を覆う部分331は、溝226の内表面とともに、シール材保持空間227の壁面を構成している。本形態のシール材保持空間227は、冷却開口212を取り囲むように延設されている。
本形態の絶縁基板33は、図4に示すように、その内表面における溝226に対面する部分331と冷却面31との間に、これらの面よりも冷却器2までの距離が短い流路周縁面332を有している。本形態の電力変換装置1においては、流路周縁面332と冷却器2の表面、つまり、流路形成部22の頂面223との間に微小な隙間Sが形成されている。そして、この微小な隙間Sを介してシール材保持空間227と冷媒流路21とが互いに連通している。
部品保持板3は、冷却開口212を閉鎖し、冷媒流路21内を流れる冷媒Cの漏出を防止することができるようにして冷却器2に取り付けられている。部品保持板3の取り付けの態様は、冷却開口212を閉鎖し、冷媒Cの漏出を防止することができれば、どのような態様であってもよい。例えば、部品保持板3は、Si等の金属微粒子を焼結してなる金属焼結体や、ろうなどの接合材を介して流路形成部22に接合されていてもよい。
また、例えばOリングや液状ガスケットなどのシール材5を部品保持板3と流路形成部22との間に介在させた状態で部品保持板3を流路形成部22に取り付けることもできる。この場合には、部品保持板3と流路形成部22との間に狭持されたシール材5によって両者の間を液密に封止し、冷媒Cの漏出を防止することができる。
本形態においては、図3~図5に示すように、部品保持板3の絶縁基板33と流路形成部22の溝226との間にシール材保持空間227が形成されており、シール材保持空間227内にシール材5としてのOリングが配置されている。そして、シール材5は溝226の内表面と部品保持板3との間に狭持されている。これにより、流路形成部22と部品保持板3との間が液密に封止されている。
部品保持板3の回路パターン部34上には、電子部品4が保持されている。電子部品4としては、例えば、電界効果トランジスタや絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ等の半導体スイッチング素子や、フリーホイールダイオード等の半導体整流素子等を採用することができる。これらの素子には、例えば、シリコン半導体や炭化ケイ素半導体などの半導体が含まれていてもよい。本形態の電子部品4は、具体的には、炭化ケイ素半導体を備えたスイッチング素子である。また、本形態においては、回路パターン部34上に1個の電子部品4が保持されているが、1か所の回路パターン部34上に複数の電子部品4が保持されていてもよい。
電子部品4は、はんだ等の導電性を有する接合材を介して回路パターン部34に接合されていてもよい。図には示さないが、本形態の電子部品4は、接合材としてのはんだを介して回路パターン部34に接合されている。
前述したように、本形態の電力変換装置1は、図6に示す冷媒流路21の流路方向に垂直な断面において、投影領域32の端点321から最近傍点311までの熱抵抗をRthA、投影領域32の端点321から冷却面31の端点312までの熱抵抗をRthBと表した場合に、RthA<RthBの関係を満足している。
上記の内容を本形態に即してより具体的に説明する。本形態における投影領域32の端点321は、冷媒流路21の流路方向に垂直な断面において、電子部品4の外周端縁41を通り下方Z2に延びる直線と、回路パターン部34の外表面との交点である。また、本形態における最近傍点311は、前記直線と冷却面31との交点である。そして、本形態における冷却面31の端点312は、冷却開口212の開口端縁を通り上方Z1に延びる直線と冷却面31との交点である。なお、図3及び図6においては、便宜上、前述した直線の記載を省略した。
熱抵抗RthAの値は、投影領域32の端点321から部品保持板3の内部を通り最近傍点311に至る最短経路上に存在する材料のバルク熱抵抗を合計した値である。本形態における熱抵抗RthAの値は、具体的には、回路パターン部34内において熱が高さ方向Zに伝わるときの熱抵抗RthA1の値と、絶縁基板33内において熱が高さ方向Zに伝わるときの熱抵抗RthA2の値との合計である。
同様に、熱抵抗RthBの値は、投影領域32の端点321から部品保持板3の内部を通り冷却面31の端点312に至る最短経路上に存在する材料のバルク熱抵抗を合計した値である。本形態における熱抵抗RthBの値は、具体的には、回路パターン部34内を、投影領域32の端点321と冷却面31の端点312とを結ぶ直線L1に沿って熱が伝わるときの熱抵抗RthB1の値と、絶縁基板33内を直線L1に沿って熱が伝わるときの熱抵抗RthB2の値との合計である。
本形態における電子部品4及び冷却開口212は、投影領域32の端点321から最近傍点311までの距離、つまり、回路パターン部34の厚みと絶縁基板33の厚みとの合計が、投影領域32の端点321から冷却面31の端点312までの距離よりも短くなるように配置されている。これにより、熱抵抗RthBの値がRthAの値よりも大きくなっている。
また、本形態の電力変換装置1は、図7に示すように、冷媒流路21の流路方向に垂直な断面において、投影領域32の端点321からの流路周縁面332におけるシール材保持空間227側の端点333までの熱抵抗をRthCと表した場合に、RthA<RthCの関係を満足している。
上記の内容を本形態に即してより具体的に説明する。本形態における流路周縁面332のシール材保持空間227側の端点333は、冷媒流路21の流路方向に垂直な断面における、溝226の内側の端縁を通り高さ方向Zに延びる直線と、流路周縁面332との交点である。なお、図3及び図6においては、便宜上、前述した直線の記載を省略した。
熱抵抗RthCの値は、投影領域32の端点321から部品保持板3の内部を通り流路周縁面332の端点333に至る最短経路上に存在する材料のバルク熱抵抗を合計した値である。本形態における熱抵抗RthCの値は、具体的には、回路パターン部34内を、投影領域32の端点321と流路周縁面332の端点333とを結ぶ直線L2に沿って熱が伝わるときの熱抵抗RthC1の値と、絶縁基板33内を直線L2に沿って熱が伝わるときの熱抵抗RthC2の値との合計である。
本形態においては、投影領域32の端点321から最近傍点311までの最短経路の長さが、投影領域32の端点321から流路周縁面332の端点333までの最短経路の長さよりも短くなっている。これにより、熱抵抗RthCの値がRthAの値よりも大きくなっている。
次に、本形態の作用効果を説明する。本形態の電力変換装置1は、前述した熱抵抗RthBの値が熱抵抗RthAの値よりも大きくなるように構成されている。それ故、電力変換装置1によれば、電子部品4が発熱した際に、冷媒流路21の幅方向における冷却面31の端部、つまり、冷却面31の端点312を含む部分の温度を、冷却面31の中央部、つまり、冷却面31の最近傍点311を含む部分の温度よりも低くすることができる。その結果、冷媒流路21の幅方向の端部や、絶縁基板33の流路周縁面332と流路形成部22の頂面223との間などの比較的冷媒Cの流速が遅く、冷媒Cが滞留しやすい部分におけるドライアウトの発生を抑制することができる。
RthAの値に対する前記RthBの値の比率であるRthB/RthAの値は、1.0超え5.3以下の範囲から適宜設定することができる。RthB/RthAの値が1.0以下の場合には、冷却面31の端点312を含む部分の温度が冷却面31の中央部と同等以上になりやすい。そのため、冷媒Cが滞留しやすい部分において冷媒Cが蒸発しやすくなり、ドライアウトが発生しやすくなるおそれがある。
ドライアウトの発生を抑制する観点からは、RthB/RthAの値が大きい方が好ましい。かかる観点からは、RthB/RthAの値を2.0以上とすることがより好ましく、2.6以上とすることがさらに好ましい。しかし、RthB/RthAの値が過度に大きい場合には、絶縁基板33の大型化を招くおそれがあり、ひいては電力変換装置1の大型化を招くおそれがある。RthB/RthAの値を5.3以下とすることにより、電力変換装置1の大型化を回避しつつ、ドライアウトの発生を抑制することができる。
更に、本形態の電力変換装置1は、前述した熱抵抗RthCの値が熱抵抗RthAの値よりも大きくなるように構成されている。それ故、電力変換装置1によれば、電子部品4が発熱した際に、絶縁基板33の流路周縁面332の温度を、冷却面31の中央部よりも低くすることができる。それゆえ、例えばシール材保持空間227の内部や絶縁基板33の流路周縁面332と流路形成部22の頂面223との間の隙間Sなどの、冷媒流路21の外方に冷媒Cが滞留した場合においても、冷媒Cの蒸発をより効果的に抑制することができる。その結果、冷媒流路21の幅方向の端部におけるドライアウトの発生をより効果的に抑制することができる。
参考形態2
本形態の電力変換装置102における部品保持板302は、図8に示すように、冷却開口212内に挿入されている。なお、本形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図8に示すように、本形態の電力変換装置102は、冷却器202と、部品保持板302としての絶縁基板35及び回路パターン部34と、回路パターン部34上に保持された電子部品4と、を有している。冷却器202は、直方体状を呈する流路形成部23と、流路形成部23の内部を貫通する冷媒流路21と、を有している。流路形成部23の頂面231には冷却開口212が開口している。また、図には示さないが、流路形成部23の長手方向における一方の端面には冷媒導入口が開口しており、他方の端面には冷媒導出口が開口している。
図8に示すように、本形態の流路形成部23は、冷却開口212の内周面214、つまり、流路形成部23の頂面231と冷媒流路21に面する内表面233とを接続する面の全周に亘って延設された溝235を有している。溝235は、高さ方向Zにおける流路形成部23の頂面231と内表面233との中間に配置されている。
本形態の部品保持板302は、絶縁基板35と、絶縁基板35の上方Z1に積層された回路パターン部34と、を有している。絶縁基板35は、冷却開口212の内部に挿入されており、絶縁基板35の側端面351と冷却開口212の内周面214とが対面している。また、絶縁基板35の下方Z2の一部は流路形成部23の内周面214の下端よりも下方Z2に突出している。この絶縁基板35における下方Z2への突出部分の表面は、冷媒に接触し、冷媒との熱交換を行う冷却面36となる。
また、絶縁基板35の側端面351のうち流路形成部23の溝235を覆う部分は、溝235の内表面とともに、シール材保持空間236の壁面を構成している。本形態のシール材保持空間236は、冷却開口212の内周面214の全周に亘って延設されている。シール材保持空間236内には、シール材5としてのOリングが配置されている。
図には示さないが、絶縁基板35は、その側端面351における溝235に対面する部分と冷却面36との間に、これらの面よりも冷却器202までの距離が短い流路周縁面352を有している。流路周縁面352と冷却開口212の内周面214との間には微小な隙間が形成されている。そして、この微小な隙間を介してシール材保持空間236と冷媒流路21とが互いに連通している。
本形態の電力変換装置102は、図8に示すような冷媒流路21の流路方向に垂直な断面において、外表面上に電子部品4を投影してなる投影領域32の端点321から当該端点321に最も近い冷却面36上の点である最近傍点361までの熱抵抗をRthA、投影領域32の端点321から冷却面36の端点362までの熱抵抗をRthBと表した場合に、RthA<RthBの関係を満足している。
上記の内容を本形態に即してより具体的に説明する。本形態における投影領域32の端点321は、冷媒流路21の流路方向に垂直な断面において、電子部品4の外周端縁41を通り高さ方向Zに延びる直線と、回路パターン部34の外表面との交点である。また、本形態における最近傍点361は、前記直線と冷却面36との交点である。そして、本形態における冷却面36の端点362は、冷却開口212の内周面214の下端を通り横方向Yに延びる直線と、冷却面36との交点である。なお、図8においては、便宜上、前述した直線の記載を省略した。
本形態における電子部品4及び冷却開口212は、投影領域32の端点321から最近傍点361までの最短経路の長さ、つまり、回路パターン部34の厚みと絶縁基板35の厚みとの合計が、投影領域32の端点321から冷却面36の端点362までの最短経路の長さよりも短くなるように配置されている。これにより、熱抵抗RthBの値がRthAの値よりも大きくなっている。
また、本形態の電力変換装置102は、冷媒流路21の流路方向に垂直な断面における、投影領域32の端点321から流路周縁面352におけるシール材保持空間236側の端点353までの熱抵抗をRthCと表した場合に、RthA<RthCの関係を満足している。
上記の内容を本形態に即してより具体的に説明する。本形態における流路周縁面352のシール材保持空間236側の端点353は、冷媒流路21の流路方向に垂直な断面における、溝235の下端を通り横方向Yに延びる直線と、絶縁基板35の側端面351との交点である。本形態においては、投影領域32の端点321から最近傍点361までの最短経路の長さが、投影領域32の端点321から流路周縁面352の端点353までの最短経路の長さよりも短くなっている。これにより、熱抵抗RthCの値がRthAの値よりも大きくなっている。その他は参考形態1と同様である。なお、図8においては、便宜上、前述した直線の記載を省略した。
本形態の電力変換装置102は、参考形態1と同様に、熱抵抗RthBの値が熱抵抗RthAの値よりも大きくなり、かつ、熱抵抗RthCの値が熱抵抗RthAの値よりも大きくなるように構成されている。それ故、本形態の電力変換装置102は、参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
参考形態3
本形態の電力変換装置103は、図9に示すように、シール材保持空間227内に収容されたシール本体部51と、シール本体部51に連なり冷却器2と部品保持板3との間に狭持されたシール延設部52と、を備えたシール材503を有している。シール延設部52は、具体的には、冷却器2における流路形成部22の頂面223と絶縁基板33の流路周縁面332との間に狭持されている。シール延設部52は、流路周縁面332に密着しており、シール延設部52と流路周縁面332との間への冷媒Cの進入を防止することができる。その他は参考形態1と同様である。
本形態の電力変換装置103は、冷却器2と部品保持板3との間にシール延設部52が狭持されているため、冷媒流路21の外方における冷媒Cと絶縁基板33との接触を抑制することができる。その結果、絶縁基板33との接触によって滞留した冷媒Cが蒸発することをより効果的に抑制し、ひいては冷媒流路21の幅方向の端部におけるドライアウトの発生をより効果的に抑制することができる。その他、本形態の電力変換装置103は、参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態1
本形態の電力変換装置104は、図10に示すように、冷却器2の冷却開口212上に配置された保持板中央部304aと、保持板中央部304aの外周に配置されたスペーサー部304bと、を備えた部品保持板304を有している。スペーサー部304bは、部品保持板304の厚み方向において、保持板中央部304aよりも冷却器2側に突出している。
本形態の部品保持板304は、絶縁基板37と、絶縁基板37上に形成された回路パターン部34と、を有している。絶縁基板37は、冷却開口212上に配置された薄板部371と、薄板部371の外周に配置され、薄板部371よりも板厚の厚い厚板部372と、を有している。厚板部372は、薄板部371よりも冷却器2側、つまり高さ方向Zの下方Z2に突出している。また、厚板部372は、冷却開口212の外方に配置されており、流路形成部22の頂面223及び溝226を上方Z1から覆っている。
本形態の絶縁基板37において、薄板部371と厚板部372とによって構成される凹状空間の内表面には冷媒Cが接触し得る。換言すると、本形態の絶縁基板37における冷却面38には、薄板部371の内表面373と、これに連なる厚板部372の内表面374とが含まれる。
また、回路パターン部34は、薄板部371上に配置されている。
本形態の部品保持板304における保持板中央部304aには、絶縁基板37の薄板部371と、回路パターン部34とが含まれる。また、スペーサー部304bには、絶縁基板37の厚板部372が含まれる。その他は参考形態1と同様である。
本形態の電力変換装置104は、スペーサー部304bを有しない構成に比べて、スペーサー部304bの分だけ投影領域32の端点321から冷却面38の端部382までの最短経路の長さを長くすることができる。それ故、前述した熱抵抗RthBの値を熱抵抗RthAの値よりも大きくし、電子部品4が発熱した際の冷媒流路21の幅方向における冷却面38の端部の温度を、冷却面38の中央部の温度よりもさらに低くすることができる。その結果、冷媒Cが滞留しやすい部分におけるドライアウトの発生をより効果的に抑制することができる。その他、本形態の電力変換装置104は参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態2
本形態の電力変換装置105は、図11に示すように、冷却開口212の端縁に沿って配置された高熱抵抗部391と、高熱抵抗部391の内側に配置された低熱抵抗部392と、を備えた部品保持板305を有している。部品保持板305の厚み方向における高熱抵抗部391の熱抵抗は低熱抵抗部392よりも大きい。
本形態の部品保持板305は、絶縁基板39と、絶縁基板39上に配置された回路パターン部34と、を有している。絶縁基板39は、セラミックスなどの比較的熱伝導率の高い絶縁体からなる低熱抵抗部392と、低熱抵抗部392内に埋設され、低熱抵抗部392よりも部品保持板305の厚み方向における熱伝導率の低い材料からなる高熱抵抗部391と、を有している。高熱抵抗部391の一部は冷却開口212上に配置されており、残部は冷却開口212の外方まで延出している。
高熱抵抗部391を構成する材料としては、例えば、樹脂などの等方的な熱伝導率を有する材料や、グラファイトなどの熱伝導率の異方性を有する材料を使用することができる。高熱抵抗部391として等方的な熱伝導率を有する材料を使用する場合には、材料の配向は特に限定されることはない。高熱抵抗部391として熱伝導率の異方性を有する材料を使用する場合には、部品保持板305の厚み方向と、より低い熱伝導率を有する方向とが合致するように材料を配向させることが好ましい。その他は参考形態1と同様である。
本形態のように、冷却開口212の端縁に沿って高熱抵抗部391を設けることにより、投影領域32の端点321から冷却面31の端点312までの最短経路上に、比較的熱抵抗の高い高熱抵抗部391が配置される。これにより、高熱抵抗部391を設けない場合に比べて、投影領域32の端点321から冷却面31の端点312までの熱抵抗RthBをより大きくすることができる。
それ故、本形態の電力変換装置105は、前述した熱抵抗RthBの値を熱抵抗RthAの値よりも大きくし、電子部品4が発熱した際の冷媒流路21の幅方向における冷却面31の端部の温度を、冷却面31の中央部の温度よりもさらに低くすることができる。その結果、冷媒Cが滞留しやすい部分におけるドライアウトの発生をより効果的に抑制することができる。
また、冷却開口212の端縁に沿って高熱抵抗部391を設けることにより、高熱抵抗部391を設けない場合と同程度の熱抵抗RthBを確保しつつ、冷媒流路21の幅方向における電子部品4から冷却面31の端点312までの距離を短縮することもできる。それ故、本形態の電力変換装置105によれば、冷媒流路21の幅をより狭くし、冷媒流路21の幅方向、つまり横方向Yにおける電力変換装置105の寸法をより容易に小さくすることができる。その他、本形態の電力変換装置105は参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態3
本形態の電力変換装置106は、幅方向の各端部における深さが中央部によける深さよりも浅くなるように形成された冷媒流路24を備えた冷却器206を有している。図12に示すように、本形態の冷却器206は、冷媒流路24と、冷媒流路24を取り囲む流路形成部22と、を有している。冷媒流路24は、幅方向の各端部に配置された流路側方部241と、流路側方部241同士の間に配置された流路中央部242と、を有している。本形態において、流路側方部241及び流路中央部242は、冷却器206の長手方向(つまり、縦方向X)における冷却開口243が形成された領域に設けられている。
流路中央部242の底は、流路側方部241の底に比べて高さ方向Zの下方Z2に陥没している。これにより、流路側方部241の深さは、流路中央部242の深さよりも浅くなっている。
本形態の電力変換装置106において、電子部品4は、流路中央部242の上方Z1に配置されている。その他は実施形態1と同様である。
本形態のように、冷媒流路24に、流路中央部242と、流路中央部242よりも浅い流路側方部241とを設けることにより、流路中央部242を流れる冷媒Cの流量を流路側方部241よりも多くすることができる。それ故、流路中央部242の上方Z1に電子部品4を配置することにより、電子部品4の熱を効率よく除去することができる。
また、流路側方部241は、流路中央部242に比べて電子部品4との熱交換効率が低い。そのため、流路側方部241における冷媒流路24の深さを流路中央部242よりも浅くすることにより、電子部品4の冷却効率を損なうことなく、冷媒Cの流量を低減することができる。その他、本形態の電力変換装置106は、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態4
本形態は、電力変換装置1と、電力変換装置1の冷媒流路21内を流れる冷媒Cと、電力変換装置1に冷媒Cを循環させる冷媒循環装置6と、を備えた冷却システム10の例である。冷媒循環装置6は、例えば図13に示すように、冷媒Cを流動させるためのポンプ61と、ポンプ61と冷媒導入口211との間、及び、ポンプ61と冷媒導出口213との間を接続する配管62を有している。冷媒循環装置6は、更に、ラジエータなどの、冷媒と外気等との熱交換を行う熱交換器63を有していてもよい。
冷却システム10内に循環させる冷媒Cとしては、例えば、水やロング・ライフ・クーラント等を使用することができる。本形態の冷却システム10は、冷媒Cとしてのロング・ライフ・クーラントを最大2MPaの圧力で冷媒流路21内に供給することができるように構成されている。なお、電子部品4が定格出力で作動している場合における冷媒Cの圧力は0.2MPa程度であり、流速は10m/s程度である。
また、本形態の冷却システム10における電子部品4の最大発熱量は2000Wである。
本形態の冷却システム10は、電子部品4の最大発熱量Pmax[W]と、電子部品4の発熱量がPmax[W]であるときの投影領域32の端点321の温度Tj[℃]と、冷媒Cの沸点Tboil[℃]とが、Tboil≧Tj-Pmax・RthBの関係を満足するように構成されている。また、本形態の冷却システム10は、Tj-Pmax・RthA≧Tboilの関係を更に満足するように構成されている。
換言すると、本形態の冷却システム10は、電子部品4からの発熱量がPmax[W]である場合に、冷却面31の中央部、つまり、電子部品4が保持された部分の背面の温度Tj-Pmax・RthA[℃]が冷媒Cの沸点Tboil以上となるように構成されている。また、幅方向における冷却面31の端部の温度Tj-P・RthB[℃]が冷媒Cの沸点Tboil以下となるように構成されている。
それ故、本形態の冷却システム10は、電子部品4からの発熱量が最も大きくなった状態においても、冷却面31の端部における冷媒Cの沸騰を抑制し、ひいてはドライアウトの発生を抑制することができる。
更に、本形態の冷却システム10は、冷却面31の中央部、つまり、電子部品4が保持された部分の背面において冷媒Cを沸騰させ、沸騰熱伝達によって電子部品4の熱を効率よく除去することができる。その結果、電子部品4の冷却効率をより向上させることができる。
本形態の冷却システムは、特に、電子部品4からの最大発熱量Pmaxが250W以上となる用途において、ドライアウトの発生を効果的に抑制することができる。かかる用途としては、例えば、炭化ケイ素半導体を備えたスイッチング素子の冷却システム等がある。
(実験例)
本例は、投影領域32の端点321から冷却面31の端点312までの熱抵抗RthBの値を種々変更した場合のドライアウトの発生の有無を評価した例である。本例においては、図14に示す冷却面31の端点312から電子部品4までの横方向Yにおける距離Dを表1に示すように種々変更して電力変換装置1(試験体A1~A3)を作製した。なお、図には示さないが、各試験体の底面224には透明窓が設けられており、冷却面31からの気泡の発生の有無を目視により観察することができるように構成されている。
これらの試験体A1~A3における冷媒流路21内に、冷媒Cとしての水を圧力0.2MPaで供給した。なお、冷媒Cの温度は85℃とした。また、冷媒流路21内における冷媒Cの流速は2m/sであった。
冷媒流路21内に冷媒Cを循環させながら、電子部品4を最大発熱量Pmaxで発熱させた。そして、冷却面31の幅方向の端部からの気泡の発生の有無を目視観察した。各試験体における気泡の発生の有無、及び、(Tj-Pmax・RthB)-Tboilの値は表1に示す通りであった。なお、本例における電子部品4の最大発熱量Pmaxは450Wであった。本例では、いずれの試験体についても、冷却面31の中央部において冷媒を沸騰させることができた。
Figure 0007087715000001
表1に示したように、試験体A3は、Tboil≧Tj-Pmax・RthBの関係を満足している。そのため、試験体A3は、冷却面31の中央部において冷媒を沸騰させ、かつ、冷却面31の幅方向の端部における気泡の発生を抑制することができた。
試験体A1及び試験体A2は、Tj-Pmax・RthBの値がTboilよりも大きかった。そのため、これらの試験体は、冷却面31の幅方向の端部から気泡が発生した。
これらの結果から、Tboil≧Tj-Pmax・RthBの関係を満たすように冷却システムを構成することにより、冷却面31の幅方向の端部における気泡の発生を抑制し、ひいてはドライアウトの発生を抑制できることが容易に理解できる。
本発明は上記各形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1、102、103、104、105、106 電力変換装置
2、202、206 冷却器
21、24 冷媒流路
211 冷媒導入口
212、243 冷却開口
213 冷媒導出口
3、302、304、305 部品保持板
31、36、38 冷却面
32 投影領域
4 電子部品

Claims (10)

  1. 冷媒(C)が導入される冷媒導入口(211)と、前記冷媒導入口に連なり冷媒が導出される冷媒導出口(213)と、前記冷媒導入口と前記冷媒導出口との間に配置された冷却開口(212)と、を備えた冷媒流路(21、24)を有する冷却器(2、206)と、
    前記冷却開口に面した冷却面(38)を備え、前記冷却開口を閉鎖する部品保持板(304)と、
    前記部品保持板の外表面に保持された電子部品(4)と、を有し、
    前記部品保持板は、前記冷却器の前記冷却開口上に配置された保持板中央部(304a)と、前記保持板中央部の外周に配置され、前記部品保持板の厚み方向において、前記保持板中央部よりも前記冷却器側に突出しているスペーサー部(304b)と、を有し、
    前記冷媒流路の流路方向に垂直な断面において、外表面上に前記電子部品を投影してなる投影領域(32)の端点(321)から当該端点に最も近い前記冷却面上の点である最近傍点(311)までの熱抵抗をRthA、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点(312)までの熱抵抗をRthBと表した場合に、前記RthBの値が前記RthAの値よりも大きい、電力変換装置(104、106)。
  2. 冷媒(C)が導入される冷媒導入口(211)と、前記冷媒導入口に連なり冷媒が導出される冷媒導出口(213)と、前記冷媒導入口と前記冷媒導出口との間に配置された冷却開口(212)と、を備えた冷媒流路(21)を有する冷却器(2)と、
    前記冷却開口に面した冷却面(31)を備え、前記冷却開口を閉鎖する部品保持板(305)と、
    前記部品保持板の外表面に保持された電子部品(4)と、を有し、
    前記部品保持板は、前記冷却開口の端縁に沿って配置された高熱抵抗部(391)と、前記高熱抵抗部の内側に配置された低熱抵抗部(392)と、を有しており、前記部品保持板の厚み方向における前記高熱抵抗部の熱抵抗は前記低熱抵抗部よりも大きく、
    前記冷媒流路の流路方向に垂直な断面において、外表面上に前記電子部品を投影してなる投影領域(32)の端点(321)から当該端点に最も近い前記冷却面上の点である最近傍点(311)までの熱抵抗をRthA、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点(312)までの熱抵抗をRthBと表した場合に、前記RthBの値が前記RthAの値よりも大きい、電力変換装置(105)。
  3. 前記RthAの値に対する前記RthBの値の比率であるRthB/RthAの値が1.0超え5.3以下である、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換装置は、
    前記冷却器と前記部品保持板との間に形成された空間からなり前記冷却開口の周囲に配置されたシール材保持空間(227、236)と、
    前記シール材保持空間内に収容され、前記冷却器と前記部品保持板との間に狭持されたシール材(5、503)と、をさらに有しており、
    前記部品保持板は、前記冷却面と前記シール材保持空間に面する表面(331、351)との間に、これらの面よりも前記冷却器までの距離が短い流路周縁面(332、352)を有しており、
    前記冷媒流路の流路方向に垂直な断面における、前記投影領域の端点から前記流路周縁面における前記シール材保持空間側の端点(333、353)までの熱抵抗をRthCと表した場合に、前記RthCの値が前記RthAの値よりも大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記シール材は、前記シール材保持空間内に収容されたシール本体部(51)と、前記シール本体部に連なり前記冷却器と前記部品保持板との間に狭持されたシール延設部(52)と、を有している、請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記冷媒流路の流路方向に垂直な断面において、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点までの前記冷媒流路の幅方向の距離が3.3mm以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記電子部品は、炭化ケイ素半導体を備えたスイッチング素子である、請求項1~6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記冷媒流路は、幅方向の各端部に配置された流路側方部(241)と、前記流路側方部同士の間に配置された流路中央部(242)と、を有しており、前記流路側方部における前記冷却面から当該冷却面に対面する底面までの深さが前記流路中央部における前記深さよりも浅い、請求項1~7のいずれか1項に記載の電力変換装置(106)。
  9. 冷媒(C)が導入される冷媒導入口(211)と、前記冷媒導入口に連なり冷媒が導出される冷媒導出口(213)と、前記冷媒導入口と前記冷媒導出口との間に配置された冷却開口(212)と、を備えた冷媒流路(21、24)を有する冷却器(2、202、206)と、
    前記冷却開口に面した冷却面(31、36、38)を備え、前記冷却開口を閉鎖する部品保持板(3、302、304、305)と、
    前記部品保持板の外表面に保持された電子部品(4)と、を有する電力変換装置(1、102、103、104、105、106)と、
    前記冷媒流路内を流れる冷媒と、
    前記電力変換装置の前記冷媒流路に接続され、
    前記冷媒を循環させる冷媒循環装置(6)と、を備えた冷却システム(10)であって
    記冷媒流路の流路方向に垂直な断面において、外表面上に前記電子部品を投影してなる投影領域(32)の端点(321)から当該端点に最も近い前記冷却面上の点である最近傍点(311、361)までの熱抵抗をRthA、前記投影領域の端点から前記冷却面の端点(312、362)までの熱抵抗をRthBと表した場合に、前記RthBの値が前記RthAの値よりも大きく、
    前記電子部品の最大発熱量Pmax[W]と、前記電子部品の発熱量がPmax[W]であるときの前記投影領域の端点の温度Tj[℃]と、前記冷媒の沸点Tboil[℃]とが、Tboil≧Tj-Pmax・RthBの関係を満足する、冷却システム(10)。
  10. j-Pmax・RthA≧Tboilの関係を更に満足する、請求項9に記載の冷却システム。
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