JP7086907B2 - 操作子 - Google Patents
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Description
本発明は、車両の操作子に関する。
把持部にタッチセンサを設けたステアリングホイールが公知である(例えば、特許文献1)。タッチセンサは、把持部に対する乗員の手の接触状態及び把持状態を検知する。
本願発明者らは、把持部に設けたタッチセンサへの運転操作によって、車両の走行制御を行う車両制御システムを開発した。しかし、タッチセンサは乗員の運転操作に対して機械的に動作しないため、車両が運転操作を受け付けたことを乗員が認識し難いという問題がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、車両の操作子において、車両が運転操作を受け付けたことを乗員が認識し易くすることを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両(2)を操作するための操作子(10)であって、前記操作子の本体(30)と、前記本体に設けられ、乗員の接触を検出する少なくとも1つのタッチセンサ(35、36、37)と、前記本体に設けられた少なくとも1つの光源(71)と、前記タッチセンサの検出信号に基づいて前記車両を走行制御すると共に、前記光源を点灯させる制御装置(11)とを有し、前記制御装置は、前記検出信号に基づいて前記乗員の接触を検出したときに前記光源を第1照明制御して前記本体の第1照明領域(A1)を照明し、前記検出信号に基づいて前記車両を操作するための前記乗員による所定の運転操作を検出したときに前記車両を走行制御すると共に、前記光源を第2照明制御して、前記第1照明領域よりも広い、前記本体の第2照明領域(A2)を照明する。
この構成によれば、車両の操作子において、車両が運転操作を受け付けたことを乗員が認識し易くすることができる。乗員の手がタッチセンサに単に接触した場合には第1照明領域が照明され、所定の入力操作がタッチセンサになされた場合には第2照明領域が照明される。第2照明領域は第1照明領域よりも広く設定されているため、乗員は照明状態に基づいて運転操作が車両に受け付けられたことを認識することができる。
上記の態様において、前記第1照明領域は、前記タッチセンサが前記乗員の接触を検出した領域を含むとよい。
この構成によれば、乗員が接触した部位が照明されるため、乗員は自身の手がタッチセンサに接触したことを認識することができる。
上記の態様において、前記操作子は、前記車両を操舵するためのステアリングホイールであり、前記本体は、車体に回転可能に設けられたハブ部(31)と、前記ハブ部の外周から径方向外方に延びるスポーク部(32)と、前記スポーク部の外縁に設けられた把持部(33)とを有し、前記タッチセンサは前記把持部に配置され、前記第1照明領域は前記把持部に配置され、前記第2照明領域は前記ハブ部及び前記スポーク部の少なくとも一方に設定されているとよい。
この構成によれば、第1照明領域と第2照明領域とが互いに相違する位置に配置されているため、乗員は運転操作が受け付けられたか否かを容易に認識することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記第2照明制御において前記光源を制御し、前記第2照明領域において明度が高い部分を前記本体の径方向に移動させるとよい。
この構成によれば、第2照明領域において明度が高い部分が移動するため、乗員は運転操作が受け付けられたことを容易に認識することができる。また、明度が高い部分が本体の径方向に移動するため、乗員は自身の手と車両との間で運転操作の伝達がなされたことを直感的に認識し易くなる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記検出信号に基づいて、前記把持部に沿った前記乗員の接触部の移動を検出可能であり、前記乗員の前記接触部が前記把持部に沿って所定の距離移動したことを検出した場合に前記運転操作として検出するとよい。
この構成によれば、乗員による把持部のさすり操作を運転操作として検出することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記運転操作を検出してから前記車両の走行制御を開始するまでの所定の期間、前記第2照明制御を継続するとよい。
この構成によれば、乗員は運転操作が受け付けられたことを確信しながら、車両の走行制御の開始を待つことができる。
上記の態様において、前記ハブ部には表示部(40)が設けられ、前記制御装置は、前記運転操作に応じて前記車両の走行制御を実行している期間、前記表示部に前記車両の走行制御が実行されていることを報知するための表示を表示させるとよい。
この構成によれば、乗員は表示部を見ることによって車両の走行制御が実行されていることを認識することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記検出信号に基づいて前記乗員による前記把持部の把持操作を検出したときに、前記光源を第3照明制御して、前記把持部における第3照明領域(A3)を照明するとよい。
この構成によれば、乗員は把持操作が車両に認識されたことを認識することができる。
上記の態様において、前記ハブ部は、前記車体に対して軸線方向に変位可能に支持され、前記制御装置は、前記ハブ部の前記軸線方向への移動に応じて前記車両を走行制御すると共に、前記光源を第4照明制御して前記第2照明領域を照明するとよい。
この構成によれば、乗員はハブ部を軸線方向に押し込む操作又は引っ張る操作が車両に認識されたことを認識することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記第2照明制御と前記第4照明制御において、前記光源の発光態様を変化させるとよい。
この構成によれば、乗員はハブ部を軸線方向に押し込む操作又は引っ張る操作が車両に認識されたことを他の入力操作が認識されたことと区別して認識することができる。
上記の態様において、前記第2照明領域は、前記第1照明領域の全てを含む領域に設定されているとよい。
この構成によれば、第1照明領域と第2照明領域を重ねることによって、照明のために必要な光源数を低減することができる。
以上の構成によれば、車両の操作子において、車両が運転操作を受け付けたことを乗員が認識し易くすることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両制御システム1の実施形態について説明する。図2以降に適宜付される矢印Fr、Re、L、R、U、Loは、それぞれ、車両制御システム1が設けられる車両2の前方、後方、左方、右方、上方、下方を示している。本実施形態では、左右方向が車両2の車幅方向であり、前後方向が車両2の車長方向である。
<車両制御システム1の構成>
図1に示すように、車両制御システム1は、自動運転が可能な車両2に設けられる。車両2は、乗員Xが主として運転操作を行う手動運転モードと、車両2が主として運転操作を行う自動運転モードで走行することができる。車両2は、車両2の車輪を転舵させる操舵装置4と、車輪を回転させる駆動装置5と、車輪の回転を制動する制動装置6とを有する。
図1に示すように、車両制御システム1は、自動運転が可能な車両2に設けられる。車両2は、乗員Xが主として運転操作を行う手動運転モードと、車両2が主として運転操作を行う自動運転モードで走行することができる。車両2は、車両2の車輪を転舵させる操舵装置4と、車輪を回転させる駆動装置5と、車輪の回転を制動する制動装置6とを有する。
操舵装置4は、車輪の舵角を変化させる装置であり、電動モータと、電動モータの駆動力によって車輪を転舵させる転舵機構とを有する。転舵機構は例えばラックアンドピニオン機構を含む。駆動装置5は、車輪を回転させる装置であり、電動モータ及び内燃機関の少なくとも1つと、電動モータ及び内燃機関の少なくとも1つの駆動力を車輪に伝達する伝達機構とを含む。駆動装置5は、内燃機関である場合にエンジンブレーキによって車輪に制動力を発生させることができる。また、駆動装置5は、電動モータである場合に回生制御によって車輪に制動力を発生させることができる。制動装置6は、車輪に抵抗を与えて回転を停止させる装置であり、電動モータと、電動モータの駆動によって油圧を発生させる油圧発生装置と、油圧発生装置から油圧を受けてブレーキパッドをブレーキロータに押し付けるブレーキキャリパとを有する。
車両制御システム1は、各種センサを備えた操作子10と、操作子10に接続された制御装置11とを有する。操作子10は、車両2を操舵するために、乗員Xの運転操作を受け付ける装置である。操作子10は、例えばステアリングホイールや操縦桿を含み、その外縁部の形状は円形や四角形、円の一部を切り欠いた形状、左右の円弧部と上下の直線部とを組み合わせた形状等であってよい。制御装置11は、CPU等のハードウェアプロセッサを含む。制御装置11は、走行制御部12、移動制御部13、及び信号処理部14を備える。信号処理部14は操作子10からの信号に基づいて乗員Xの操作入力を検出し、走行制御部12は信号処理部14によって検出された操作入力に応じて操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6の少なくとも1つを制御する。移動制御部13は、信号処理部14によって検出された操作入力に応じて操作子10の移動を制御する。
図2、図3に示すように、車両2の車室17には、操作子10に対して運転操作を行う乗員Xが着座する乗員シート61が設けられている。乗員シート61は、例えば、複数人分の着座スペースを有するベンチシートであり、左右方向に沿って延びている。このように乗員シート61としてベンチシートを用いることで、乗員Xの左右方向の着座位置の自由度を高めることができる。乗員シート61は、ベース部材(図示せず)を介して車両2の車体15の前部に取り付けられている。乗員シート61は、乗員Xが着座するシートクッション62と、シートクッション62の後ろ上方に隣接して配置され、乗員Xを後方から支持するシートバック63と、を備えている。シートクッション62とシートバック63は、それぞれ左右方向に所定の幅(例えば、乗員X複数人分の幅)を有する。
図3、図4に示すように、操作子10は、移動装置16を介して車体15の前部に支持されている。移動装置16は、車体15の前部に設けられ、左右方向に延びる前後一対のレール21と、前後一対のレール21に架設されるべく前後方向に延びるスライダ22と、スライダ22から後方に延びるアーム23と、アーム23の後端に設けられて操作子10に取り付けられるベース24とを有する。
前後一対のレール21は、スライダ22を左右方向に移動可能に支持している。前後一対のレール21とスライダ22は、車両2の車室17の前壁を構成するインストルメントパネル18の前方に設けられている。そのため、車両2の車室17にいる乗員Xからは前後一対のレール21とスライダ22が見えないか又は見えにくくなっている。これにより、車両2の意匠性の向上が図られている。
アーム23は、少なくとも1つの関節25を有し、関節25が下方に凸となるように折り曲げられた状態で、インストルメントパネル18の下方を通過している。アーム23は、前後方向に伸縮可能に設けられている。これにより、アーム23がベース24をスライダ22に対して前後方向に移動可能に支持している。
ベース24の上面には、シートクッション62の上方の空間の画像を撮影する撮像装置26が設けられている。撮像装置26は、操作子10の前方に隣接して配置されている。
図1に示すように、移動装置16は、スライダ駆動機構27とアーム駆動機構28とを備えている。スライダ駆動機構27は、電動モータによってレール21に対してスライダ22を左右方向に移動させる。これにより、スライダ22、アーム23、ベース24及び操作子10が車体15に対して左右方向に移動する。アーム駆動機構28は、電動モータによって関節25を屈曲させ、アーム23の前後方向の伸縮度を変更する。これにより、ベース24及び操作子10が車体15に対して前後方向に移動する。以上のように、移動装置16は、操作子10を車体15に対して左右方向及び前後方向に移動させる。
移動装置16は、位置センサ29を備えている。位置センサ29は、操作子10の前後方向の位置を検出する。位置センサ29は、例えば、アーム駆動機構28を構成する電動モータ又はアーム23の関節25に取り付けられている。位置センサ29は、例えば、ポテンショメータ又はロータリエンコーダであってもよい。
図3~図5に示すように、操作子10は、ベース24に回転可能に設けられたハブ部31と、ハブ部31の外周にハブ部31と同軸状に設けられたディスク部(スポーク部)32と、ディスク部32の外周に配置されたリング部33とを有する。ディスク部32は円板状に形成されている。本実施形態では、ディスク部32は、ハブ部31から径方向外方に延びると共に、操作子10(ハブ部31)の回転軸線A方向においてベース24と相反する側に延び、ハブ部31を頂点とする円錐形に形成されている。リング部33は、操作子10(ハブ部31)の回転軸線Aを中心とした環状に形成されている。リング部33は円形状の横断面を有する。リング部33の横断面における直径はディスク部32の厚みよりも大きい。リング部33は、操作子10を回転操作するために、乗員Xによって把持される把持部として機能する。
ハブ部31は、乗員X側を向く正面部31Aと、正面部31Aと相反する背面部(図示せず)とを有する。ディスク部32は、乗員X側を向く正面部32Aと、正面部32Aと相反する背面部32Bとを有する。リング部33は、乗員X側を向く正面部33Aと、正面部33Aと相反する背面部33Bと、正面部31A及び背面部33Bの外周に位置する外周部33Cと、正面部31A及び背面部33Bの内周に位置する内周部33Dと、を有する。詳細には、リング部33の外周縁(操作子10の回転軸線Aを中心としてリング部33の径が最大となる部分)と、リング部33の内周縁(操作子10の回転軸線Aを中心としてリング部33の径が最小となる部分)とを含む平面でリング部33を2分割した場合に、ベース24側に配置される部分を背面部33B、ベース24と相反する側に配置される部分を正面部33Aとする。
操作子10は、第1面部10Aと、第1面部10Aと相反する第2面部10Bと、第1面部10Aと第2面部10Bの外周に位置する外周部10Cとを含む。第1面部10Aは、操作子10の回転軸線Aに沿った一方側に配置されており、操作子10の後面(前後方向一方側の面)を構成している。第2面部10Bは、操作子10の回転軸線Aに沿った他方側に配置されており、操作子10の前面(前後方向他方側の面)を構成している。第1面部10Aは、ハブ部31の正面部31A、ディスク部32の正面部32A、リング部33の正面部33Aを含み、第2面部10Bは、ディスク部32の背面部32B、リング部33の背面部33Bを含み、外周部10Cは、リング部33の外周部33Cを含む。他の実施形態では、第1面部10Aがディスク部32の背面部32B、リング部33の背面部33Bを含み、第2面部10Bがハブ部31の正面部31A、ディスク部32の正面部32A、リング部33の正面部33Aを含んでも良い。
図1に示すように、操作子10には、タッチセンサ(接触センサ)としての第1静電容量センサ35、第2静電容量センサ36、及び第3静電容量センサ37と、回転角センサ38と、力覚センサ39とが設けられている。回転角センサ38は、操作子10の車体15に対する回転角を検出する。回転角センサ38は、ロータリエンコーダやレゾルバ等であってよい。他の実施形態では、操作子10にジャイロセンサが設けられてもよい。ジャイロセンサは、操作子10の回転速度を検出する。
力覚センサ39は、公知の圧電式又はひずみゲージ式のセンサであってよく、ベース24とハブ部31の間に設けられている。力覚センサ39は、例えば6軸力覚センサであり、操作子10に加わる回転軸線Aに沿った前側(前後方向一方側)、回転軸線Aに沿った後側(前後方向他方側)、左側(左右方向一方側)、右側(左右方向他方側)、回転軸線Aと直交する方向に沿った上側(上下方向一方側)及び回転軸線Aと直交する方向に沿った下側(上下方向他方側)の荷重を検出可能である。
図4、図6及び図7に示すように、第1~第3静電容量センサ35~37は、静電容量の変化に基づいて乗員Xの指等の物体の接近及び接触を検出するタッチセンサである。第1~第3静電容量センサ35~37は、操作子10のリング部33に設けられている。
第1静電容量センサ35は操作子10の第1面部10Aに設けられ、第2静電容量センサ36は操作子10の第2面部10Bに設けられ、第3静電容量センサ37は操作子10の外周部10Cに設けられている。詳細には、第1静電容量センサ35はリング部33の正面部33Aに設けられ、第2静電容量センサ36はリング部33の背面部33Bに設けられ、第3静電容量センサ37はリング部33の外周部33Cに設けられている。他の実施形態では、第1静電容量センサ35がリング部33の背面部33Bに設けられ、第2静電容量センサ36がリング部33の正面部33Aに設けられても良い。
第1静電容量センサ35は、リング部33の正面部33Aに沿って、リング部33と同軸の環状に形成された1つのセンサである。他の実施形態では、第1静電容量センサ35は、リング部33の正面部33Aに沿って周方向に配列された複数のセンサであってもよい。第1静電容量センサ35は、正面部33Aにおける内周側に配置されていることが好ましい。詳細には、操作子10の回転軸線Aに沿った方向から見て、リング部33の幅方向における中央を通過する中心環状線より径方向内側、すなわちリング部33の内周部33Dに第1静電容量センサ35が配置されていることが好ましい。
第2静電容量センサ36は、リング部33の背面部33Bに沿って、リング部33と同軸の環状に形成された1つのセンサである。他の実施形態では、第2静電容量センサ36は、リング部33の背面部33Bに沿って周方向に配列された複数のセンサであってもよい。第2静電容量センサ36は、背面部33Bの幅方向における中央に沿って延びていることが好ましい。第2静電容量センサ36は、第1静電容量センサ35よりも大きい直径を有することが好ましい。
第3静電容量センサ37は、操作子10の外縁に沿って設けられ、乗員Xの手の接触位置(乗員Xによるタッチ操作の位置)を特定可能なセンサである。第3静電容量センサ37は、操作子10の外縁に沿って延びる単一のセンサや、操作子10の外縁に沿って複数に分割された複数のセンサであってよい。本実施形態では、第3静電容量センサ37は、リング部33の外周縁を含む外周部33Cに沿って、周方向に複数配列されている。第3静電容量センサ37のそれぞれは、周方向に等しい角度幅を有し、等間隔で互いに隣り合って配置されている。隣り合う第3静電容量センサ37の間の隙間は小さいほど好ましい。本実施形態では、第3静電容量センサ37は、36個設けられ、それぞれ約10度の角度幅を有する。
第1~第3静電容量センサ35~37は、静電容量に応じた信号を出力する。第1~第3静電容量センサ35~37は、乗員Xの手等の物体が接近するほど、また接近する物体が大きいほど、また物体の比誘電率が高いほど静電容量が増加する。
第1~第3静電容量センサ35~37は、操作子10が乗員Xに把持されたことを検出する把持センサとして機能する。例えば、第1~第3静電容量センサ35~37は、第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36の少なくとも一方の静電容量及び所定の個数以上の第3静電容量センサ37の静電容量が所定の基準値以上まで上昇した場合に、操作子10が乗員Xに把持されたことを検出する。他の異なる実施形態では、第1~第3静電容量センサ35~37が上記の検出方法とは異なる検出方法によって操作子10が乗員Xに把持されたことを検出しても良い。
図5に示すように、ハブ部31の正面部31A側(乗員X側)には、表示部としてのディスプレイ40が設けられている。ディスプレイ40は円形に形成され、ハブ部31の正面の面積の50%以上を占めている。図1に示すように、ディスプレイ40は、制御装置11のインターフェース制御部41によって制御され、車両2の運転モード(自動運転モード又は手動運転モード)や、車両2の進行方向(将来の軌跡)、車両2の周囲を走行する周辺車両の位置、車両2の速度等を表す画像を表示する。画像には、数値や記号が含まれてもよい。
車体15と操作子10との間には、車体15に対する操作子10の回転操作に対して反力(回転抵抗)を与える第1反力付与装置43(図1参照)が設けられている。第1反力付与装置43は、例えば電動モータであり、電動モータの回転力を操作子10の回転操作に対する反力として操作子10に与える。本実施形態では、第1反力付与装置43はベース24に設けられ、ベース24に対するハブ部31の回転に対して反力を付与する。第1反力付与装置43は、操作子10に十分な回転抵抗を加えることによって操作子10の回転を規制することができる。すなわち、第1反力付与装置43は、車体15に対する操作子10の回転を抑制する回転抑制装置として機能する。
車体15と操作子10との間には、車体15に対する操作子10の回転軸線Aに沿った移動に対して反力(移動抵抗)を与える第2反力付与装置44(図1参照)が設けられている。第2反力付与装置44は、例えばアーム駆動機構28を構成する電動モータであり、電動モータの回転力を操作子10の前後方向の移動操作に対する反力として操作子10に与える。第2反力付与装置44は、操作子10に十分な移動抵抗を加えることによって操作子10の前後方向の移動を規制することができる。すなわち、第2反力付与装置44は、車体15に対する操作子10の前後方向の移動を抑制する移動抑制装置として機能する。
図1に示すように、制御装置11は、車両2の各種状態量を検出する車両センサ45と、車両2の周囲の環境情報を検出する外界認識装置46とに接続されている。車両センサ45は、例えば車両2の車速を検出する車速センサや、車両2の加速度を検出する加速度センサ、車両2のヨーレートを検出するヨーレートセンサ等を含む。制御装置11は、車両センサ45から車両2の各種状態量を取得する。
外界認識装置46は、周辺車両情報及び周辺環境情報を取得し、制御装置11に出力する。外界認識装置46は、車両2の周囲を撮像するカメラ47と、車両2の周囲に存在する物体を検出するレーザやライダ等の物体検出センサ48と、ナビゲーション装置49とを含む。外界認識装置46は、カメラ47が取得した画像から走路や区画線を認識する。また、外界認識装置46は、カメラ47が取得した画像や物体検出センサ48の検出信号に基づいて、車両2の周囲を走行する周辺車両の位置及び速度を含む周辺車両情報を取得する。また、外界認識装置46は、ナビゲーション装置49からの自車両位置、地図情報及びPOI(Point Of Interest)に基づいて、車両2が走行する走路や隣接する走路、車両2の周囲の店舗や分岐路等の周辺環境情報を取得する。
<操作子10に対する運転操作>
操作子10は、運転操作として、第1運転操作及び第2運転操作を受け付け可能である。第1運転操作及び第2運転操作は、それぞれ異なる加減速操作と転舵操作を含んでいる。第1運転操作は、操作子10に接触することによる運転操作(例えば、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作、さすり操作等)であるため、第1運転操作における操作子10の可動量は0であるか、極めて小さい。第2運転操作は、操作子10を回転又は移動させることによる運転操作であるため、第2運転操作における操作子10の可動量は第1運転操作における操作子10の可動量よりも多い。このように第1運転操作を接触操作とし、第2運転操作を回転操作又は移動操作とすることで、第1運転操作と第2運転操作を明確に区別し、両者の混同を回避することができる。
操作子10は、運転操作として、第1運転操作及び第2運転操作を受け付け可能である。第1運転操作及び第2運転操作は、それぞれ異なる加減速操作と転舵操作を含んでいる。第1運転操作は、操作子10に接触することによる運転操作(例えば、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作、さすり操作等)であるため、第1運転操作における操作子10の可動量は0であるか、極めて小さい。第2運転操作は、操作子10を回転又は移動させることによる運転操作であるため、第2運転操作における操作子10の可動量は第1運転操作における操作子10の可動量よりも多い。このように第1運転操作を接触操作とし、第2運転操作を回転操作又は移動操作とすることで、第1運転操作と第2運転操作を明確に区別し、両者の混同を回避することができる。
第1運転操作は、乗員Xの手によるリング部33の外周部33Cの周方向へのさすり操作を含む。乗員Xが手でリング部33の外周部33Cを回転方向にさすると、周方向に並んで配列された複数の第3静電容量センサ37の静電容量が順番に変化する。信号処理部14は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて、乗員Xによるリング部33のさすり操作を検出する。信号処理部14は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて、さすり操作の向き、及び長さ(ストローク長)を検出する。走行制御部12は、信号処理部14によって検出されたさすり操作の向き及び長さに応じて操舵装置4を制御し、車両2の左右へのオフセット移動や、車線変更、右折又は左折等を行うとよい。
また、第1運転操作は、乗員Xの手によるリング部33の正面部33A又は背面部33Bへの接触操作を含む。接触操作は、例えばシングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作等を含む。乗員Xが手でリング部33の正面部33A又は背面部33Bに対して接触操作を行うと、第1静電容量センサ35又は第2静電容量センサ36の静電容量が変化する。信号処理部14は、第1静電容量センサ35又は第2静電容量センサ36からの検出信号に基づいて、乗員Xの手の接触継続時間や接触回数を判定し、接触操作がシングルタップ操作、ダブルタップ操作、及び長押し操作のいずれであるかを判定する。
走行制御部12は、例えば、正面部33Aへの操作に対して加速制御を実行し、背面部33Bへの操作に対して減速制御を実行する。加速制御は、目標車速を現在の値から所定値増加させるための制御、自車両と自車両の前方を走行する前走車との目標車間距離を現在の値から所定値短くする制御、及び停車状態から発進する制御を含む。減速制御は、目標車速を現在の値から所定値低下させるための制御や、自車両と前走車との目標車間距離を現在の値から所定値長くする制御、低速走行状態から停車させるための制御を含む。走行制御部12は、正面部33A及び背面部33Bへの操作の態様に応じて実行する制御、又は車両2の目標速度の変化量を変更してもよい。走行制御部12は、例えば、シングルタップ操作に対する目標速度の変化量よりもダブルタップ操作に対する目標速度の変化量を大きくするとよい。また、走行制御部12は、正面部33A又は背面部33Bに長押し操作がなされている間、目標速度の増加又は減少を継続してもよい。
第2運転操作は、回転軸線Aを中心とした操作子10の回転操作と、回転軸線Aに沿った操作子10の移動操作(押し引き操作)とを含む。乗員Xが操作子10の回転操作を行うと、車体15に対する操作子10の回転角を回転角センサ38が検出する。信号処理部14は回転角センサ38からの検出信号に基づいて操作子10の回転角を取得し、走行制御部12は、取得された回転角に応じて操舵装置4を制御し、車両2の車輪を転舵させる。
乗員Xが操作子10を前側に移動操作する(押し込む)と、操作子10に加わる前側への荷重を力覚センサ39が検出する。信号処理部14は力覚センサ39からの検出信号に基づいて操作子10に加わる荷重及び荷重の向きを取得し、走行制御部12は、取得された荷重及び荷重の向きに応じて駆動装置5を制御し、車両2を加速させる。乗員Xが操作子10を後側に移動操作する(引き出す)と、操作子10に加わる後側への荷重を力覚センサ39が検出する。信号処理部14は力覚センサ39からの検出信号に基づいて操作子10に加わる荷重及び荷重の向きを取得し、走行制御部12は、取得された荷重及び荷重の向きに応じて駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御し、車両2を減速させる。他の実施形態では、位置センサ29によって乗員Xによる操作子10の移動操作を検出し、位置センサ29からの信号に基づいて車両2を加減速制御してもよい。
<車両2の運転モード>
走行制御部12は、車両2の運転モードを自動運転モードと手動運転モードの間で切り替え可能である。自動運転モードでは、走行制御部12によって転舵操作及び加減速操作が自動的に実行され、手動運転モードでは、乗員Xによって転舵操作及び加減速操作が手動で実行される。
走行制御部12は、車両2の運転モードを自動運転モードと手動運転モードの間で切り替え可能である。自動運転モードでは、走行制御部12によって転舵操作及び加減速操作が自動的に実行され、手動運転モードでは、乗員Xによって転舵操作及び加減速操作が手動で実行される。
走行制御部12は、自動運転モードにおいて、主体的に車両2の将来の軌道を生成し、操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6を制御する。ただし、走行制御部12は、自動運転モードにおいても、乗員Xによる操作子10に対する第1運転操作を受け付けることで、操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6の制御に乗員Xの意思を反映させる。つまり、第1運転操作は、自動運転モードにおける補助的な運転操作である。
走行制御部12は、手動運転モードにおいて、乗員Xによる操作子10に対する第2運転操作に応じて、操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6を制御する。つまり、第2運転操作は、手動運転モードにおける主体的な運転操作である。他の実施形態では、走行制御部12は、手動運転モードにおいて、乗員Xによるアクセルペダルやブレーキペダルに対する踏み込み操作に応じて、駆動装置5及び制動装置6を制御してもよい。
<操作子10の位置>
図2を参照して、操作子10は、許容位置としての第1位置P1、許容位置としての第2位置P2、及び制限位置としての第3位置P3の間で移動可能である。第1位置P1は車両2の左右方向の中心よりも左側(左右方向一方側)に位置しており、第2位置P2は車両2の左右方向の中心よりも右側(左右方向他方側)に位置している。つまり、第1位置P1と第2位置P2は、左右方向において互いにずれており、離間している。第3位置P3は、車両2の左右方向の中心に位置している。第3位置P3は、左右方向において第1位置P1と第2位置P2の中間に位置しており、左右方向において第1位置P1及び第2位置P2とはずれている。第3位置P3は、車長方向において第1位置P1及び第2位置P2よりも前方に位置している。そのため、乗員Xが操作子10に対する操作を行わない時(例えば、自動運転モードの実行時や車両2に対する乗員Xの乗降時)に、操作子10を第3位置P3に移動させることで、操作子10と乗員Xの距離を離すことができる。これにより、操作子10が乗員Xに圧迫感を与えるのを抑制することができる。
図2を参照して、操作子10は、許容位置としての第1位置P1、許容位置としての第2位置P2、及び制限位置としての第3位置P3の間で移動可能である。第1位置P1は車両2の左右方向の中心よりも左側(左右方向一方側)に位置しており、第2位置P2は車両2の左右方向の中心よりも右側(左右方向他方側)に位置している。つまり、第1位置P1と第2位置P2は、左右方向において互いにずれており、離間している。第3位置P3は、車両2の左右方向の中心に位置している。第3位置P3は、左右方向において第1位置P1と第2位置P2の中間に位置しており、左右方向において第1位置P1及び第2位置P2とはずれている。第3位置P3は、車長方向において第1位置P1及び第2位置P2よりも前方に位置している。そのため、乗員Xが操作子10に対する操作を行わない時(例えば、自動運転モードの実行時や車両2に対する乗員Xの乗降時)に、操作子10を第3位置P3に移動させることで、操作子10と乗員Xの距離を離すことができる。これにより、操作子10が乗員Xに圧迫感を与えるのを抑制することができる。
操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態では、自動運転モード及び手動運転モードによる車両2の走行が可能である。具体的には、走行制御部12は、操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態で、乗員Xによるモード切替スイッチ51(図1参照)の操作に応じて、車両2の運転モードを手動運転モードと自動運転モードの間で切り替える。操作子10が第3位置P3にある状態では、自動運転モードによる車両2の走行が可能であり、かつ、手動運転モードの選択ができない。また、操作子10が第1位置P1及び第3位置P3の間、又は第2位置P2及び第3位置P3の間にある状態では、自動運転モードによる車両2の走行のみが可能であり、手動運転モードの選択ができない。
操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態では、操作子10が第1運転操作と第2運転操作の両方を受け付け可能である。具体的には、操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態で、車両2の運転モードが自動運転モードになっている時には、操作子10が第1運転操作を受け付け可能である。一方で、操作子10が第1位置P1又は第2位置P2にある状態で、車両2の運転モードが手動運転モードになっている時には、操作子10が第2運転操作を受け付け可能である。
操作子10が第3位置P3にある状態、第1位置P1及び第3位置P3の間にある状態、第2位置P2及び第3位置P3の間にある状態のいずれかでは、車両2の運転モードが自動運転モードになっており、操作子10が第1運転操作を受け付け可能であり、かつ、第2運転操作を受け付け不能である。そのため、操作子10と乗員Xの距離が離れた第3位置P3において、操作子10の可動量が比較的多い第2運転操作が実行されるのを防止することができる。これにより、第3位置P3における操作子10の誤操作を抑制することができる。
<操作子10の照明装置70>
操作子10の本体30には照明装置70が設けられている。操作子10の本体30は、ハブ部31、ディスク部32、及びリング部33を含む。照明装置70は、本体30に設けられた少なくとも1つの光源71を含む。照明装置70は、制御装置11のインターフェース制御部41によって点灯制御される。
操作子10の本体30には照明装置70が設けられている。操作子10の本体30は、ハブ部31、ディスク部32、及びリング部33を含む。照明装置70は、本体30に設けられた少なくとも1つの光源71を含む。照明装置70は、制御装置11のインターフェース制御部41によって点灯制御される。
図5及び図7に示すように、光源71は、ハブ部31、ディスク部32、及びリング部33の少なくとも1つに設けられている。本実施形態では、光源71は、リング部33に設けられた少なくとも1つの第1光源71Aと、ハブ部31及びディスク部32の少なくとも一方に設けられた少なくとも1つの第2光源71Bとを有する。第2光源71B及び第1光源71Aは、例えばLEDやエレクトロルミネセンス(EL)であってよい。
第1光源71Aは、複数個設けられ、リング部33の正面部33Aに沿って周方向に配列されてもよい。また、1つの第1光源71Aが、リング部33の正面部33Aに沿って周方向に環状に設けられてもよい。第1光源71Aは、リング部33の周方向における各部を独立して発光させる。
第2光源71Bは、複数設けられ、ディスク部32の正面部32Aに均一に分散されてもよく、ハブ部31を中心として放射状に配列されてもよく、ハブ部31を中心とした複数の同心円上に配列されてもよい。複数の第2光源71Bは、ディスク部32における各部を独立して発光させることができる。また、第2光源71Bは、ハブ部31の外周部に周方向に配列させてもよい。この場合、第2光源71Bはディスク部32に向けて光を照射するように向きが調節されているとよい。また、第2光源71Bは、光の照射方向がハブ部31の径方向外方を向くように配置されているとよい。
また、ディスク部32が透光性(導光性)の樹脂材料から形成され、複数の第2光源71Bがハブ部31の外周部に設けられてもよい。第2光源71Bは、ディスク部32の内周縁の端面に向けて光を照射するように配置されるとよい。この構成によれば、第2光源71Bから照射された光はディスク部32内を進み、ディスク部32を内部から照明する。インターフェース制御部41は、第2光源71Bの明るさ(光度、光量、照度、明度)を調節することによって、ディスク部32の内部において光が径方向において到達する距離を調節し、ディスク部32を照明する範囲を変更することができる。例えば、インターフェース制御部41は、第2光源71Bの光度を所定の第1光度に調節することによってディスク部32の内周部のみを照明し、第2光源71Bの光度を第1光度よりも高い第2光度にすることによってディスク部32の全体を照明することができる。すなわち、インターフェース制御部41は、第2光源71Bの光度を制御することによって、照明する範囲を変更する。
インターフェース制御部41は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づく信号処理部14からの処理信号に基づいて第1光源71A及び第2光源71Bを制御する。信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて、リング部33に対する乗員Xの手の接触、及び接触部の位置を検出する。信号処理部14が第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて操作子10への乗員Xの接触を検出したときに、インターフェース制御部41は光源71を第1照明制御して本体30の第1照明領域A1を照明する(図5参照)。信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号が乗員Xの接触に対応した判定パターンを満たすときに乗員Xの手がリング部33に接触したことを検出する。例えば、信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37の静電容量の変化量が予め設定された閾値以上である場合に、リング部33への乗員Xの手の接触を検出するとよい。乗員Xによってリング部33へのシングルタップ操作、ダブルタップ操作、長押し操作、さすり操作等の意図的な操作がなされた場合も、乗員Xの手が単にリング部33に接触した場合と同様に、信号処理部14は第1~第3静電容量センサ35~37の検出信号に基づいてリング部33への乗員Xの手の接触を検出する。
本実施形態では、第1照明領域A1はリング部33に配置されている。すなわち、第1照明領域A1は、第1~第3静電容量センサ35~37が乗員Xの接触を検出する領域を含む。第1照明領域A1はリング部33の全域にわたって配置されているとよい。また、第1照明領域A1は、第1光源71Aが設けられた領域と一致してもよい。
インターフェース制御部41は、第1照明制御において第1照明領域A1に配置された少なくとも1つの第1光源71Aを点灯させることによって、第1照明領域A1を照明するとよい。他の実施形態では、インターフェース制御部41は、第1照明制御において第1照明領域A1外に位置し、かつ第1照明領域A1に光を照射可能な第2光源71Bを点灯させることによって、第1照明領域A1を照明してもよい。
図8に示すように、信号処理部14は第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて、リング部33において乗員Xが接触した領域を特定し、インターフェース制御部41は接触を検出した領域に設けられた少なくとも1つの第1光源71Aを発光させる。図8~図11では、図中のハッチング部が照明された状態であることを示す。信号処理部14は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて接触操作された領域を特定することができる。図9(A)に示すように、乗員Xによるタッチ操作がリング部33のさすり操作である場合、信号処理部14は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいてさすり操作された部位に対応した第1光源71Aを乗員Xの手の動きの方向に順に発光させるとよい。
インターフェース制御部41は、第1照明領域A1において、第1光源71Aを発光させる領域を乗員Xの接触を検知した領域よりも広く配置するとよい。これにより、乗員Xは第1光源71Aによる発光を認識し易くなる。
信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて、リング部33における接触部から乗員Xの手が離れたことを検出する。インターフェース制御部41は、乗員Xの手が離れたときから所定時間経過後に、対応する領域に設けられた第1光源71Aの発光を停止させる。
制御装置11は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて、車両2を操作するための乗員Xによる所定の運転操作を検出したときに車両2を走行制御すると共に、光源71を第2照明制御して、第1照明領域A1よりも広い、操作子10の本体30の第2照明領域A2を照明する(図5参照)。信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて、乗員Xによる運転操作を検出する。信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号が乗員Xの運転操作に対応した判定パターンを満たすときに乗員Xの運転操作を検出する。例えば、信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37の静電容量の変化量が予め設定された閾値以上である場合に、乗員Xによる運転操作を検出するとよい。閾値は、さすり操作、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、及び長押し操作等の所定の運転操作に対応して予め設定されている。
信号処理部14は、例えば、隣り合って配列された複数の第3静電容量センサ37の静電容量が、周方向における一方向に順々に変化し、かつ静電容量が変化した第3静電容量センサ37の数が所定の個数以上である場合に、さすり操作を検出する。すなわち、信号処理部14は、第1~第3静電容量センサ35~37の検出信号に基づいて、リング部33に沿った乗員Xの接触部の移動を検出可能であり、乗員Xの接触部がリング部33に沿って所定の距離移動したことを検出した場合にさすり操作として検出する。
図5に示すように、第2照明領域A2は、ハブ部31及びディスク部32の少なくとも一方に配置されている。また、第2照明領域A2は、リング部33を含んでもよい。第2照明領域A2は、ディスク部32の内周部、すなわちハブ部31の周囲に限定して配置されてもよい。また、第2照明領域A2は、第1照明領域A1の全てを含む領域に設定されてもよい。本実施形態では、第2照明領域A2はディスク部32の全域に設定されている。第2照明領域A2は、第2光源71Bが設けられた領域と一致してもよい。
図9(B)に示すように、信号処理部14が第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて乗員Xによる所定の運転操作を検出したときに、インターフェース制御部41は第2照明制御を実行し、第2照明領域A2を照明する。インターフェース制御部41は、第2照明制御において、第2照明領域A2に配置された少なくとも1つの第2光源71Bを発光させるとよい。他の実施形態では、インターフェース制御部41は、第2照明制御において第2照明領域A2外に位置し、かつ第2照明領域A2に光を照射可能な第2光源71Bを点灯させることによって、第2照明領域A2を照明してもよい。具体的には、ハブ部31に設けた第2光源71Bが、ディスク部32に設定された第2照明領域A2に向けて光を照射し、第2照明領域A2を照明するとよい。
インターフェース制御部41は、第2照明制御において、乗員Xによる所定の運転操作を検出したときから所定の遅延時間後に第2光源71Bの発光を開始するとよい。遅延時間は、例えば0~1秒であるとよい。遅延時間を設定することによって、第1照明制御による第1光源71Aの発光に対して、第2照明制御による第2光源71Bの発光が遅れる。そのため、乗員Xは、自身のリング部33への接触に対する応答と区別して、自身の運転操作が車両2に受け付けられたことを認識することができる。
インターフェース制御部41は、第2照明制御において、第2照明領域A2における特定の部位を照明してもよい。図9(B)に示すように、インターフェース制御部41は、第2照明制御において、例えば、ディスク部32の内周部を照明するとよい。また、インターフェース制御部41は、第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて運転操作を検出した領域を特定し、運転操作を検出した領域に対応した第2照明領域A2を照明するとよい。例えば、リング部33及びディスク部32を周方向に複数の領域に分割し、運転操作が入力されたリング部33の領域の径方向内側に位置するディスク部32の領域を照明するとよい。具体的には、インターフェース制御部41は、リング部33の右半部においてさすり操作を検出した場合、第1照明制御によって第1照明領域A1のさすり操作が行われた部分を照明し(図9(A)参照)、その後、第2照明制御によってディスク部32の右半部を照明する(図9(C)参照)。
インターフェース制御部41は、第2照明制御において、時間の経過に応じて第2照明領域A2において照明する領域を変化させるとよい。例えば、図10(A)~(C)に示すように、インターフェース制御部41は、第2照明制御において、時間経過に応じて照明する領域が径方向外方に向けて移動する、又は広がるように第2光源71Bを制御するとよい。照明する領域は、例えば放射状又は同心円状に移動又は広がるとよい。インターフェース制御部41は、照明する領域を変化させるために、発光させる第2光源71Bを変更するとよい。
インターフェース制御部41は、第2照明制御において、第2光源71Bを制御し、第2照明領域A2において明度が高い部分を操作子10の本体30の径方向に移動させてもよい。第2光源71Bが、透光性のディスク部32の内周縁の端面に光を照射するようにハブ部31の外周部に設けられた場合、第2光源71Bの光度を変化させることによって、ディスク部32内において光が到達する距離を調節してもよい。例えば、時間の経過に応じて第2光源71Bの光度を高くすることによって、ディスク部32において明度が高い部分が内周部から外周部に移動するようにするとよい。第2照明領域A2において明度が高い部分が移動することによって、乗員Xは運転操作が受け付けられたことを容易に認識することができる。また、明度が高い部分が本体30の径方向に移動するため、乗員Xは自身の手と車両2との間で運転操作の伝達がなされたことを直感的に認識し易くなる。
走行制御部12は、信号処理部14が検出した乗員Xによる運転操作に基づいて操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6を制御し、車両2を走行制御する。操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6は、制御信号に基づいて車両2の走行制御を開始する。インターフェース制御部41は、走行制御部12が運転操作に基づいて車両2の走行制御を開始するまでの所定の期間、第2照明制御を継続する。インターフェース制御部41は、例えば予め設定された継続期間、第2照明制御を継続するとよい。継続期間は、信号処理部14が運転操作を検出してから走行制御部12が車両2の走行制御が開始するまでの期間よりも長く設定されている。これにより、インターフェース制御部41は、制御信号に基づいて車両2の走行制御が開始された後に第2照明制御を終了する。これにより、乗員Xは運転操作が受け付けられたことを確信しながら、車両2の走行制御の開始を待つことができる。
インターフェース制御部41は、第2照明制御を終了した後、運転操作に基づいて車両2の走行制御が実行されている期間、ディスプレイ40に車両2の走行制御が実行されていることを報知するための表示を表示させてもよい。例えば、転舵制御やレーンチェンジ制御等が実行されている場合には、車両2の進行方向や将来軌道を示す矢印やマークがディスプレイ40に表示されるとよい。乗員Xはディスプレイ40を見ることによって車両2の走行制御が実行されていることを認識することができる。
図11(A)に示すように、信号処理部14が第1~第3静電容量センサ35~37からの検出信号に基づいて乗員Xによるリング部33の両手での把持操作を検出したときに、インターフェース制御部41は光源71を第3照明制御して本体30の第3照明領域A3を照明する。信号処理部14は、例えば、リング部33の周方向における2つの領域の静電容量が変化し、かつ静電容量が変化した第3静電容量センサ37の個数が所定値以上である場合に、乗員Xによる手での把持操作を検出する。1つの領域において静電容量が変化する第3静電容量センサ37の個数は、成人の手のひらの幅に応じて設定されているとよい。
本実施形態では、第3照明領域A3はリング部33の全域に設定されている。第3照明領域A3は第1照明領域A1を含むように設定されているとよい。また、第3照明領域A3は、第1照明領域A1及び第2照明領域A2を含むように設定されているとよい。本実施形態では、第3照明領域A3は第1照明領域A1と一致する領域である。
図11(A)に示すように、インターフェース制御部41は、第3照明制御において第3照明領域A3に配置された全ての第1光源71Aを点灯させることによって、第3照明領域A3を照明するとよい。また、図11(B)に示すように、インターフェース制御部41は、第3照明制御において、第1光源71Aに加えて第2光源71Bも点灯させてもよい。このとき、全ての第2光源71Bを発光させてもよく、ディスク部32の内周部に配置された一部の第2光源71Bを発光させてもよい。
インターフェース制御部41は、第3照明制御において、信号処理部14が乗員Xによる両手でのリング部33の把持操作を検出したときから所定の遅延時間後に第2光源71Bの発光を開始するとよい。遅延時間は、例えば0~1秒であるとよい。
第3照明制御によって、乗員Xは自身の両手での把持操作が車両2に受け付けられたことを認識することができる。
制御装置11は、自動運転モードから手動運転モードに切り替えるときに運転介入要求(ハンドオーバー要求)を生成する。運転介入要求は、例えばスピーカーからの音声や警告音、ディスプレイ40への表示によって乗員Xに報知されるとよい。運転介入要求に対して、運転者は操作子10のリング部33を両手で把持することによって受諾の意志表示をすることが要求される。第3照明制御は、運転介入要求に対する乗員Xによる受諾の意志表示が車両2に受け付けられたことを乗員Xに認識させることができる。
手動運転モードにおいて、信号処理部14が力覚センサ39の検出信号に基づいてハブ部31の軸線方向への移動を検出したときに、走行制御部12は駆動装置5及び制動装置6を制御して車両2を走行制御する。また、インターフェース制御部41は、光源71を第4照明制御して第2照明領域A2を照明する。これにより、乗員Xによる手動運転時の加減速操作に応じて車両2が加減速操作を受け付けたことを乗員Xが認識することができる。また、インターフェース制御部41は、第2照明制御と第4照明制御において、光源71の発光態様を変化させるとよい。この態様によれば、乗員Xはハブ部31を軸線方向に押し込む操作又は引っ張る運転操作が車両2に認識されたことを他の運転操作が認識されたことと区別して認識することができる。また、乗員Xは、車両2の状態が自動運転モードであるか手動運転モードであるかを認識することができる。
以上の実施形態に係る操作子10によれば、車両2が運転操作を受け付けたことを乗員Xが認識し易くすることができる。乗員Xの手がタッチセンサに単に接触した場合には第1照明領域A1が照明され、所定の入力操作がタッチセンサになされた場合には第2照明領域A2が照明される。第2照明領域A2は第1照明領域A1よりも広く設定されているため、乗員Xは照明状態に基づいて運転操作が車両2に受け付けられたことを認識することができる。第1照明領域A1と第2照明領域A2とが互いに相違する位置に配置されているため、乗員Xは運転操作が受け付けられたか否かを容易に認識することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。
1 :車両制御システム
2 :車両
4 :操舵装置
5 :駆動装置
6 :制動装置
10 :操作子
11 :制御装置
12 :走行制御部
13 :移動制御部
15 :車体
30 :本体
31 :ハブ部
32 :ディスク部
33 :リング部
33A :正面部
35 :第1静電容量センサ
36 :第2静電容量センサ
37 :第3静電容量センサ
38 :回転角センサ
39 :力覚センサ
40 :ディスプレイ
41 :インターフェース制御部
70 :照明装置
71 :光源
71A :第1光源
71B :第2光源
A :回転軸線
A1 :第1照明領域
A2 :第2照明領域
A3 :第3照明領域
2 :車両
4 :操舵装置
5 :駆動装置
6 :制動装置
10 :操作子
11 :制御装置
12 :走行制御部
13 :移動制御部
15 :車体
30 :本体
31 :ハブ部
32 :ディスク部
33 :リング部
33A :正面部
35 :第1静電容量センサ
36 :第2静電容量センサ
37 :第3静電容量センサ
38 :回転角センサ
39 :力覚センサ
40 :ディスプレイ
41 :インターフェース制御部
70 :照明装置
71 :光源
71A :第1光源
71B :第2光源
A :回転軸線
A1 :第1照明領域
A2 :第2照明領域
A3 :第3照明領域
Claims (11)
- 車両を操作するための操作子であって、
前記操作子の本体と、
前記本体に設けられ、乗員の接触を検出する少なくとも1つのタッチセンサと、
前記本体に設けられた少なくとも1つの光源と、
前記タッチセンサの検出信号に基づいて前記車両を走行制御すると共に、前記光源を点灯させる制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記検出信号に基づいて前記乗員の接触を検出したときに前記光源を第1照明制御して前記本体の第1照明領域を照明し、前記検出信号に基づいて前記車両を操作するための前記乗員による所定の運転操作を検出したときに前記車両を走行制御すると共に、前記光源を第2照明制御して、前記第1照明領域よりも広い、前記本体の第2照明領域を照明する操作子。 - 前記第1照明領域は、前記タッチセンサが前記乗員の接触を検出した領域を含む請求項1に記載の操作子。
- 前記操作子は、前記車両を操舵するためのステアリングホイールであり、
前記本体は、車体に回転可能に設けられたハブ部と、前記ハブ部の外周から径方向外方に延びるスポーク部と、前記スポーク部の外縁に設けられた把持部とを有し、
前記タッチセンサは前記把持部に設けられ、
前記第1照明領域は前記把持部に配置され、前記第2照明領域は前記ハブ部及び前記スポーク部の少なくとも一方に配置されている請求項1又は請求項2に記載の操作子。 - 前記制御装置は、前記第2照明制御において前記光源を制御し、前記第2照明領域において明度が高い部分を前記本体の径方向に移動させる請求項3に記載の操作子。
- 前記制御装置は、前記検出信号に基づいて、前記把持部に沿った前記乗員の接触部の移動を検出可能であり、前記乗員の前記接触部が前記把持部に沿って所定の距離移動したことを検出した場合に前記運転操作として検出する請求項4に記載の操作子。
- 前記制御装置は、前記運転操作を検出してから前記車両の走行制御を開始するまでの所定の期間、前記第2照明制御を継続する請求項3~請求項5のいずれか1つの項に記載の操作子。
- 前記ハブ部には表示部が設けられ、
前記制御装置は、前記運転操作に応じて前記車両の走行制御を実行している期間、前記表示部に前記車両の走行制御が実行されていることを報知するための表示を表示させる請求項6に記載の操作子。 - 前記制御装置は、前記検出信号に基づいて前記乗員による前記把持部の把持操作を検出したときに、前記光源を第3照明制御して、前記把持部における第3照明領域を照明する請求項3~請求項7のいずれか1つの項に記載の操作子。
- 前記ハブ部は、前記車体に対して軸線方向に変位可能に支持され、
前記制御装置は、前記ハブ部の前記軸線方向への移動に応じて前記車両を走行制御すると共に、前記光源を第4照明制御して前記第2照明領域を照明する請求項3~請求項8のいずれか1つの項に記載の操作子。 - 前記制御装置は、前記第2照明制御と前記第4照明制御において、前記光源の発光態様を変化させる請求項9に記載の操作子。
- 前記第2照明領域は、前記第1照明領域の全てを含む領域に設定されている請求項1~請求項10のいずれか1つの項に記載の操作子。
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