JP7086692B2 - プラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラム - Google Patents

プラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、プラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラムに関するものである。
プラント(例えば発電プラント等)は、プラントに備えられた制御装置により制御が行われている。プラントの制御装置は、プラントの運転状態を示す計測値等を用いて操作信号を算出し、制御指令としてプラントに与え、制御を行っている。
例えば、特許文献1には、操作信号を算出する操作信号生成部、プラントの制御装置がプラントの制御特性を模擬するモデル、プラントの操作方法を学習する学習部、等を備えるプラントの制御装置が開示されている。操作信号生成部は、プラントの運転状態量である計測信号および学習情報データを用いてプラントに対する操作信号を算出する。また学習部は、単位時間当たりの操作信号変化幅の制限値を学習の拘束条件として設定し、モデルを用いてプラントの操作方法を学習する。
特許第4627509号公報
ここで、一般的にプラントのボイラにおいては、バーナーや空気噴射装置等の装置が複数設けられており、装置(各バーナー及び各空気噴射装置など)へ供給される媒体(空気や燃料)の量は、1の供給源から複数に分割され、各装置へ均等配分されている。これに対し、発明者らはプラントへ供給される燃料量の配分や、空気量の配分を変化させることにより、燃焼排ガスにおけるNO等の環境に影響を及ぼす物質の含まれる量も変化する、という知見を得た。
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明では、複数のバーナーやエアポートに対する燃料量の配分や空気量の配分を変化させることについては検討がなされていないため、その配分を効率的に決定する技術が確立されていない、という問題があった。
また上記特許文献1に開示された発明では、拘束条件を単位時間当たりの操作信号変化幅の制限値としており、拘束条件の適用範囲が狭い、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、供給源から複数の装置に対し複数に分割して供給される媒体の配分を効率的に決定することができ、プラントの運転状態に即した拘束条件が設定されるプラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示のプラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラムは以下の手段を採用する。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るプラントの制御装置は、プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御装置であって、前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出する予測モデル導出部と、出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出する調整量算出部と、前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量に共通し、複数の前記機器の前記操作量の配分を決定するための拘束条件を設定する拘束条件設定部と、前記拘束条件を満たすように、前記第1の調整量を補正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出する操作量算出部と、を備える。
本態様によれば、監視対象値の予測モデルに基づき複数の機器の操作量の調整量を算出することにより、監視対象値を所望の値とするような適切な操作量の調整量を算出することができる。
また、計測値に基づく拘束条件及び計測値が計測されたときのプラントの運転条件に基づく拘束条件を適用するため、既存の制御と矛盾しない制御を行うことができる。また様々な条件を適用可能であり、プラントの運転状態に即した拘束条件とすることができる。
よって、本態様によれば、拘束条件を適用することで既存の制御の範囲内において予測モデルに基づく適切な操作量の調整量を調整することができる。
上記態様では、前記予測モデル導出部は、偏回帰係数および説明変数を含む線形予測式を用いた重回帰分析により前記予測モデルを導出し、前記調整量算出部は、前記予測モデルの前記線形予測式の前記偏回帰係数に基づき複数の前記操作量の前記第1の調整量を算出し、前記拘束条件設定部は、前記操作量の前記第1の調整量の和が一定であるとする拘束条件を設定するとしてもよい。
本態様によれば、偏回帰係数を含む線形予測式を用いて予測モデルを導出し、偏回帰係数に基づき複数の操作量の第1の調整量を算出し、操作量の第1の調整量の和が一定であるとする拘束条件を適用して調整後の操作量が算出されるため、監視対象値を所望の値とするような適切な操作量の調整量が算出される。また、操作量の第1の調整量の和を一定とするため、操作量の調整量の合計量は変更されず、既存の制御と矛盾しない制御を行うことができる。
上記態様では、前記予測モデル導出部は、他の前記説明変数と比べて相関の高い前記説明変数のうち、一の前記説明変数を選択し他の前記説明変数を削除して前記予測モデルを導出するとしてもよい。
説明変数間の相関が高い説明変数が存在し多重共線性がある場合、偏回帰係数を求める度に異なる値が算出され、不安定な状態となる。この場合、本態様では正しい予測モデルを構築できない可能性がある。
そこで本態様では、相関の高い説明変数の一方を削除して予測モデルを導出するものとする。これにより、多重共線性を解消して予測モデルを構築することができる。
上記態様では、前記予測モデル導出部は、所定区間の前記偏回帰係数の分布を算出し、前記偏回帰係数の分布に基づく前記予測モデルの分布から前記予測モデルの信用区間を算出し、前記信用区間の幅が所定の閾値以下の場合は、前記調整量算出部は、前記予測モデルを用いて前記第1の調整量を算出し、前記信用区間の幅が所定の閾値を上回る場合は、次の所定区間において新たな予測モデルを導出してもよい。
予測モデルの信用区間を算出し、信用区間の幅が所定の閾値以下の場合に、調整量算出部は、その予測モデルを用いて第1の調整量を算出する。また信用区間の幅が所定の閾値を上回る場合には、その予測モデルを破棄し、予測モデル導出部は再度その時点から次の所定区間における新たな予測モデルの構築を行う。予測モデルの信用区間は予測値のバラつきを表しており、信用区間の幅が小さいときは予測モデルの信頼度が高いといえる。
よって本態様では、信用区間の幅が閾値以下の予測モデルのみを用いるため、信頼度の高い予測モデルを用いることができる。また予測モデルの特性が変化する場合であっても、信用区間の幅が所定の閾値を上回ることで予測値の変化したことを把握できるため、予測モデルを更新して制御を行うことができる。
上記態様では、前記操作量算出部は、前記既存制御の前記操作量に対し、テスト信号を入力するとしてもよい。
本態様によれば、既存制御の操作量に対してテスト信号が入力されることから、テスト信号を含む調整後の操作量がプラントに入力され、その結果が計測値となり予測モデルに適用されることとなる。テスト信号を通常の運転操作量よりも大きな値とすることにより、プラントに大きな変動を与えることができ、線形予測式の偏回帰係数がより正確に求められる。よって、予測モデルの信頼性を高めることができる。
上記態様では、前記操作量算出部は、前記テスト信号が前記既存制御の外乱とならない所定の範囲の値であるとしてもよい。
本態様によれば、テスト信号を、既存制御の外乱とならないように所定の範囲の値とする。これにより、プラントの運転中にテスト信号が無用な外乱となることを回避させ、プラントの運転を行いながら予測モデルの更新を行うことができる。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るプラントは、前述のいずれかの制御装置を備える。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るプラントの制御方法は、プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御方法であって、前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出する工程と、出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出する工程と、前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量に共通し、複数の前記機器の前記操作量の配分を決定するための拘束条件を設定する工程と、前記拘束条件を満たすように、前記第1の調整量を補正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出する工程と、を備える。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るプラントの制御プログラムは、プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御プログラムであって、前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出するステップと、出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出するステップと、前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量に共通し、複数の前記機器の前記操作量の配分を決定するための拘束条件を設定するステップと、前記拘束条件を満たすように、前記第1の調整量を補正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出するステップと、を備える。
本開示によれば、複数の機器の操作量の調整量を算出するので、監視対象値を所望の値とするような適切な操作量の調整量を算出し、これに応じて制御を行うことができる。
また、本開示によれば、プラントの運転状態に即した拘束条件が設定されるので、既存の制御の範囲内において操作量の調整制御を行うことができる。
幾つかの実施形態に係るプラントの一態様を示した概略構成図である。 幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置の一態様を示したブロック図である。 幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置の処理の一態様を示したフローチャートである。 プラントの実測データの推移例を示すタイムチャートのグラフである。 説明変数の推移例を示すタイムチャートのグラフである。 偏回帰係数の分布を示すグラフである。 監視対象値の予測値の分布を示すグラフである。 監視対象値の予測値の分布に対する信用区間を示すグラフである。 操作量の調整量にて制御を行った場合の監視対象値の予測値の分布を示すグラフである。 監視対象値の実測値と、監視対象値の予測値および信用区間を示すグラフである。 幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置のテスト信号を入力する場合の一態様を示したブロック図である。
以下に、本開示の幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラムの各実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本開示の幾つかの実施形態に係るプラントの一態様の概略構成が示されている。
図1に示されるプラント1のボイラ10は、石炭(瀝青炭、亜瀝青炭など)を粉砕した微粉炭を微粉燃料(固体燃料)として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能な微粉炭焚きボイラであるとする。
図1に示されるように、プラント1のボイラ10は、火炉11と燃焼装置12とを有している。火炉11は、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、この火炉11を構成する火炉壁が伝熱管により構成されている。
燃焼装置12は、この火炉11を構成する火炉壁(伝熱管)の下部に設けられている。この燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ21、22、23、24、25を有している。本実施例にて、この燃焼バーナ21、22、23、24、25は、周方向に沿って4個均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って5セット、つまり、5段配置されている。なお、火炉11の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施例に限定されるものではない。
各燃焼バーナ21、22、23、24、25は、調整弁81、82、83、84、85及び微粉炭供給管26、27、28、29、30を介して微粉炭機(ミル)31、32、33、34、35に連結されている。この微粉炭機31、32、33、34、35は、図示しないが、ハウジング内に鉛直方向に沿った回転軸心をもって粉砕テーブルが駆動回転可能に支持され、この粉砕テーブルの上方に対向して複数の粉砕ローラが粉砕テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。従って、石炭が複数の粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に投入されると、ここで所定の大きさまで粉砕され、搬送用空気(1次空気)により分級された微粉炭を調整弁81、82、83、84、85が量を調整し、微粉炭供給管26、27、28、29、30から燃焼バーナ21、22、23、24、25に供給することができる。
火炉11における各燃焼バーナ21、22、23、24、25の装着位置には風箱36が設けられている。風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されており、空気ダクト37には他端部に送風機38が装着されている。送風機38により送られた燃焼用空気(2次空気)を空気ダクト37から風箱36に供給し、この風箱36から各燃焼バーナ21、22、23、24、25に供給することができる。風箱36に供給される燃焼用空気の量は、空気ダクト37に設けられた調整弁86によって調整される。
火炉11には、各燃焼バーナ21、22、23、24、25の装着位置より上方に空気噴射装置41が設けられている。空気噴射装置41には、空気ダクト37から分岐した分岐空気ダクト42の端部が連結されている。送風機38により送られた燃焼用空気(2次空気)を分岐空気ダクト42から空気噴射装置41に供給することができる。空気噴射装置41は、図示しないが、火炉11の周方向に沿って4個均等間隔で設けられる空気ノズルから構成されている。空気噴射装置41に供給される燃焼用空気の量は、分岐空気ダクト42に設けられた調整弁87によって調整される。
燃焼バーナ21、22、23、24、25は、微粉炭と搬送用空気が混合した微粉燃料混合気(燃料ガス)を火炉11内に向けて吹き込むことで火炎旋回流を形成することができる。空気噴射装置41は、燃焼用空気を追加空気として火炉11内の火炎旋回流の上方に向けて吹き込むことができる。
図1に示すように、火炉11には、上部に煙道50が連結されており、この煙道50に、対流伝熱部として排ガスの熱を回収するための過熱器(スーパーヒータ)(図示せず)、再熱器(図示せず)、節炭器(エコノマイザ)(図示せず)が設けられており、火炉11での燃焼で発生した排ガスと水との間で熱交換が行われる。
このように構成された石炭焚きボイラにて、微粉炭機31、32、33、34、35が駆動すると、生成された微粉炭が搬送用空気と共に微粉炭供給管26、27、28、29、30及び調整弁81、82、83、84、85を通して燃焼バーナ21、22、23、24、25に供給される。また、燃焼用空気が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21、22、23、24、25に供給される。また、分岐空気ダクト42から空気噴射装置41に供給される。
またプラント1は、制御装置70を備えている。
制御装置70は、プラント1において計測された計測値(例えば圧力、温度等)、計測値が計測されたときのプラント1の運転条件などに基づき、操作量の制御を行う。操作量が微粉炭量である場合は、これに応じて調整弁81、82、83、84、85の開度の制御を行う。また操作量が空気量(燃焼用空気量)である場合は、調整弁86、87の開度の制御を行う。
また制御装置70は、予測モデル導出部71、調整量算出部72、拘束条件設定部73、操作量算出部74を備える。
制御装置70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
各燃焼バーナ21、22、23、24、25へ供給される微粉炭量、及び燃焼用空気量、また空気噴射装置41へ供給される燃焼用空気量は、一般的にそれぞれ均等配分されている。しかし、発明者らは、微粉炭量の配分や燃焼用空気量の配分を変化させることで、例えばNO等の環境規制される物質の量を変化させることができるという知見を得た。
そこで、本開示では、例えば各燃焼バーナ21、22、23、24、25へ供給される微粉炭量の配分を変化させるものとする。
図2には、幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置の一態様がブロック図に示されている。
本開示のプラント1の制御装置70は、プラント1から排出されるNO(監視対象値)の排出量を低減するように、プラント1における計測値に基づくNOの予測モデルと、計測値(運転実測値、実測値)、及び計測値が計測されたときのプラント1の運転条件に基づく拘束条件とを用いて、操作量である各燃焼バーナ21、22、23、24、25に供給される各微粉炭量の調整量を算出するものとする。
ここで、計測値(運転実測値)は、予測モデルの説明変数となるプロセス値全般である。つまり、運転実測値は、プラント1において計測された計測値であって、予測モデルの入力となる値である。運転実測値は、時系列に沿ってデータベースに記憶される。運転実測値は、計測されたときの拘束条件と対応付けられて記憶されてもよい。
プラント1の制御装置70は、具体的に以下の制御を行う。
制御装置70の予測モデル導出部71は、プラント1において計測された計測値(例えばボイラ10の圧力、温度等)を入力値として、監視対象値であるNOを出力とするNOの予測モデルを導出する。
制御装置70の調整量算出部72は、予測モデル導出部71が導出したNOの予測モデルによって出力されるNOの値が所望の値、すなわちNOの排出量を低減させるような微粉炭量の第1の調整量Δxを算出する。具体的には、予測モデルから出力されるNOの値が最も減少する場合の複数の機器の操作量を算出し、既存制御を行った場合の操作量との差を、第1の調整量Δxとする。
また制御装置70は、プラント1の運転時に取得した計測値をデータベース化し、これを計測値(運転実測値、実測値)のデータベースとしている。また制御装置70には、プラント1の運用管理者により計測値が計測されたときのプラント1の運転条件が設定される。プラント1の運転条件の設定に付いては、学習機能を用いることで制御装置70が設定するとしてもよい。
制御装置70の拘束条件設定部73は、計測値(運転実測値)のデータベース及び計測値が計測されたときのプラント1の運転条件に基づき、拘束条件を算出する。
計測値(運転実測値)のデータベースから得られる拘束条件の例としては、「操作量Cの上限値はαである。」、「所定の運転点では、操作量Dと操作量Eとの間には相関があるため、操作量Dと操作量Eとの比が一定となるように制御する。」等が挙げられる。
またプラント1の運転条件から得られる拘束条件の例としては、「発電出力を一定に保つために微粉炭量の合計量を一定に保つ。」、「燃焼の安定のため燃焼用空気量の合計は一定範囲の保つ」等が挙げられる。
制御装置70の操作量算出部74は、予測モデルを用いた操作量である各微粉炭量の第1の調整量Δxに対して拘束条件を適用し、プラント1の既存の制御である既存制御と矛盾しない各微粉炭量の第2の調整量Δx’を算出する。
さらに操作量算出部74は、既存制御の操作量xに対し、算出した各微粉炭量の第2の調整量Δx’を加算または減算し、調整後の各操作量x±Δx’を算出する。
制御装置70は、操作量算出部74によって算出された調整後の各操作量x±Δx’に基づき、調整弁81、82、83、84、85の開度の制御を行う。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るプラントの制御装置、プラント、プラントの制御方法及びプラントの制御プログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態によれば、監視対象値NOの予測モデルに基づき複数の機器の操作量の調整量を算出することにより、監視対象値NOを所望の値とするような適切な操作量の調整量を算出することができる。
また、計測値に基づく拘束条件及び計測値が計測されたときのプラント1の運転条件に基づく拘束条件を適用するため、既存の制御と矛盾しない制御を行うことができる。また様々な条件を適用可能であり、プラント1の運転状態に即した拘束条件とすることができる。
よって、本実施形態によれば、拘束条件を適用することで既存の制御の範囲内において予測モデルに基づく適切な操作量の調整量を調整することができる。
上記について、さらに具体例を以下に示す。
制御装置70の予測モデル導出部71は、重回帰分析により、偏回帰係数および説明変数を含む線形予測式である以下の予測式を用いてNOの予測モデルを導出する。
Figure 0007086692000001
・・・(1)
(1)式において、zは調整を行わない状態、すなわち各燃焼バーナ21、22、23、24、25に微粉炭量が均等配分される場合のNOの予測値、βは偏回帰係数、xは説明変数である。さらにx、x、x、x、xは、プラント1の複数の機器の各操作量のうち調整可能な操作量であり、本実施形態では各燃焼バーナ21、22、23、24、25の各微粉炭量であるとする。
ここで、制御装置70による各微粉炭量の調整量による制御が行われた場合のNOの予測値をzaftとし、拘束条件設定部73により設定される拘束条件が各燃焼バーナ21、22、23、24、25の各微粉炭量の合計が一定であることと設定されると、zaftは以下の(2)式で表される。
Figure 0007086692000002
・・・(2)
(2)式を用いてNOの予測値zaftを最小値とするためには、(3)式で表される値が最小となるようなΔx=[ΔxΔx・・・Δxを算出する。
Figure 0007086692000003
・・・(3)
ここでβが既知であることから、偏回帰係数βの差分(ベクトル)Δβも(4)式で表されるように既知である。
Figure 0007086692000004
・・・(4)
従って、(4)式で表される差分ベクトルΔβと逆向きになるようなΔx、Δx、Δx、Δxを算出することでNOの予測値zaftが最小となる。NOの予測値が最小となる場合のΔx、Δx、Δx、Δx、Δxは、以下の(5)式及び(6)式で表される。
Figure 0007086692000005
・・・(5)
Figure 0007086692000006
・・・(6)
(5)式において、kは調整パラメータである。(5)式に示されるように、各操作量(ここでは微粉炭量)の調整量は、監視対象値NOの重回帰分析を用いた予測モデルにおける偏回帰係数βの値に応じて算出される。ここで、(5)式において右辺がマイナスであることから、偏回帰係数βの絶対値が正の方向に大きい場合は、操作量xから調整量Δxを減算するため調整後の操作量は減ることとなる。また偏回帰係数βの絶対値が負の方向に大きい場合は、操作量xに調整量Δxを加算するため調整後の操作量は増えることとなる。一方、偏回帰係数βの絶対値が小さい場合は、調整量Δxも小さい値となるため、調整後の操作量の変動は少ない。
このようにして算出された各燃焼バーナ21、22、23、24、25の調整後の各操作量に対応する開度となるように、制御装置70によって各調整弁81、82、83、84、85が制御される。
ここで、各操作量には相関がある場合がある。特に、予測モデルにおいて他の説明変数と比較して相関の高い説明変数が含まれると、これに対応する偏回帰係数が不安定となる。これは、相関が無い場合は偏回帰係数を一意に定めることができるが、相関が高い場合は多重共線性があるため、偏回帰係数を求める度に異なる偏回帰係数が算出されることによる。このように、偏回帰係数が毎回異なり偏回帰係数の値を安定して求められない場合、各操作量の調整量も安定して求められず、適切な調整量を算出することができない。
そこで、本開示では、他の説明変数と比較して相関の高い説明変数が含まれる場合は、一方の説明変数を選択して残し、他方の説明変数を削除して予測モデルを導出するとしてもよい。また、相関の高い説明変数が3以上存在する場合は、一つの説明変数を選択して残し、それ以外の説明変数を削除してもよい。
説明変数を削除する方法としては、LASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)を用いる方法、運転データを分析し相関係数が一定値以上(例えば相関係数が0.6以上)のものを削除する方法、等が挙げられるが、偏回帰係数の値を安定して求められる方法であればいずれの方法を用いるとしてもよい。
よって、本実施形態によれば、偏回帰係数を含む線形予測式を用いて予測モデルを導出し、偏回帰係数に基づき複数の操作量の第1の調整量を算出し、操作量の第1の調整量の和が一定であるとする拘束条件を適用して調整後の操作量が算出されるため、監視対象値NOを所望の値とするような適切な操作量の調整量が算出される。また、操作量の第1の調整量の和を一定とするため、操作量の調整量の合計量は変更されず、既存の制御と矛盾しない制御を行うことができる。
また、説明変数間の相関が高い説明変数が存在し多重共線性がある場合、偏回帰係数を求める度に異なる値が算出され、不安定な状態となる。この場合、本実施形態では正しい予測モデルを構築できない可能性がある。
そこで本実施形態では、相関の高い説明変数の一方を削除して予測モデルを導出するものとする。
よって本実施形態によれば、多重共線性を解消して予測モデルを構築することができる。
次に、予測モデルで求められる予測値に対し、予測値のばらつきを算出して予測値の信頼度を用いることを検討する。
図3には、幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置の処理の一態様がフローチャートに示されている。本フローチャートを用いて、監視対象値であるNOの値を最小化する制御について検討する。
図3のステップS301において、予測モデルの構築に必要なモデリング用データの切り出しが行われる。ステップS301について、図4を用いて説明する。
図4には、プラントのNOの実測データの推移例を示すタイムチャートがグラフに示されている。図4において、縦軸はNOの実測データの値、横軸は時間である。
図4に示されるようにプラント1のNOの実測データが推移する場合に、制御装置70は、前のデータセットを用いて構築した予測モデルに基づき、現在からa時間後までのa時間の区間におけるNOの予測値を算出する。
次に、図3のステップS302において、説明変数x、・・・xが抜粋される。ステップS302について、図5を用いて説明する。
図5には、説明変数の推移例を示すタイムチャートがグラフに示されている。図5において、各縦軸は各説明変数の値、各横軸は時間である。
図5に示されるように、ステップS301において切り出されたモデリング用データのa時間の区間におけるNOの予測値に対応する各説明変数が制御装置70によって取り出される。
次に、図3のステップS303において、偏回帰係数の分布が算出される。ステップS303について、図6を用いて説明する。
図6には、偏回帰係数の分布がグラフに示されている。図6において、各縦軸は偏回帰係数の度数、各横軸は各偏回帰係数の値である。
図6に示されるように、各偏回帰係数の分布は正規分布または正規分布に近い形となっている。偏回帰係数の分布の算出方法としては、様々な手法があるが、例えばブートストラップ法、MCMC(Markov Chain Monte Carlo methods;マルコフ連鎖モンテカルロ法)などが挙げられる。本開示では、GLM(Generalized Linear Model;一般化線形モデル)及びn回のブートストラップ法により、偏回帰係数の分布を算出する。
次に、図3のステップS304において、予測値の分布を確認する。ステップS304について、図7を用いて説明する。
図7には、NOの予測値の分布がグラフに示されている。図7において、縦軸はNOの予測値、横軸は時間、また一点鎖線61がNOの予測値、実線62は各時刻における予測値の分布、点線は実線62の予測値の分布が算出された時刻である。
図7に示されるように、予測モデルに対して、各時刻における各説明変数x、・・・xを入力値として、各時刻における予測値の分布が算出される。予測値の分布は、偏回帰係数の分布に基づくものである。各時刻における予測値の分布の最頻値をプロットしたものが一点鎖線61であり、すなわちNOの予測値である。
次に、図3のステップS305において、信用区間の算出が行われる。ステップS305について、図8を用いて説明する。
図8には、NOの予測値の分布に対する信用区間がグラフに示されている。図8において、縦軸はNOの値、横軸は時間、また実線63はNOの実測値、一点鎖線61はNOの予測値、網掛け部分AはNOの予測値の90%信用区間である。
ステップS304にて算出された予測値の分布が信用区間として図8の網掛け部分Aにて示されている。ここで本開示の信用区間は、90%信用区間としている。90%信用区間とは、値の分布の範囲において、上5%、下5%を除いた範囲を示す。よって信用区間の幅は、予測値のばらつきの範囲を示す値であるといえる。
次に、図3のステップS306において、信用区間の幅が閾値以下か否かの判定が行われる。信用区間の幅が閾値以下であると判定された場合はステップS307へ遷移する。一方、信用区間の幅が閾値を上回ると判定された場合はステップS301へ戻る。
信用区間の幅が閾値以下であるとは、予測値のばらつきが所定の範囲内であることを示す。この時、予測モデルは信頼度が高く、適切な予測モデルであることから、この予測モデルを用いて操作量の調整量を算出するものとする。
一方、信用区間の幅が閾値を上回るとは、予測値のばらつきが大きいことを示す。この時、予測モデルは適切なモデルであるとはいえないため、この予測モデルを破棄し、ステップS301へ戻り次の区間のデータセットを用いて新たな予測モデルを構築するものとする。
図9には、NOの実測値及び予測値と予測値の分布に対する信用区間がグラフに示されている。図9において、縦軸はNOの値、横軸は時間、また実線63はNOの実測値、一点鎖線61はNOの予測値、網掛け部分AはNOの予測値の90%信用区間である。
図9に示されるように、時間0から時間tの間は、予測値の信用区間の幅は両向き矢印が示す閾値vを超えておらず、予測モデルの信頼度が高いことから、この予測モデルを用いて操作量の調整量が算出される。
一方、片向き矢印で示す時間t以降は、予測値の信用区間の幅は閾値vを上回っている。時間t以降では、時間0から時間tの間に用いていた予測モデルを使用して操作量の調整量を算出したとしても、NOの量を減少することができない可能性がある。そこで、時間t以降では、時間0から時間tの間に用いていた予測モデルを破棄し、時間0から時間tの間に用いていた予測モデルの次の区間のデータセットで予測モデルを新たに構築する。
信用区間の幅が大きく切り替わった時間tでは、例えばプラント1の制御が切り替わるなど、プラント1の特性が変化した場合等が考えられる。
ステップS306において信用区間の幅が閾値以下であると判定された場合は、各操作量の調整量の算出が行われる(S307)。
各操作量の調整量の算出方法としては、例えば図2に示される制御装置70による算出方法、(1)式乃至(6)式を用いた算出方法など様々な方法が挙げられるが、いずれの方法を用いるとしてもよい。
次に、図3のステップS308において、操作量の調整量の調整後の予測値が算出される。ステップS308について、図10を用いて説明する。
図10には、操作量の調整量にて制御を行った場合のNOの予測値の分布がグラフに示されている。図10において、縦軸はNOの値、横軸は時間、また実線63はNOの実測値、一点鎖線61はNOの調整前の予測値、二点鎖線64はNOの調整後の予測値、網掛け部分AはNOの調整前の予測値の90%信用区間、格子状の網掛け部分BはNOの調整後の予測値の90%信用区間である。
図10に示されるNOの調整後の予測値は、(1)式乃至(6)式を用いた算出方法で算出された各操作量の調整量による制御が行われた予測値であるとする。図10に示されるように、NOの実測値(実線63)に対し、NOの調整前の予測値(一点鎖線61)が部分的に上回る場合があったのに対し、NOの調整後の予測値(二点鎖線64)は90%信用区間(格子状の網掛け部分B)を含め、全ての時間において実測値を下回っている。ステップS307の制御を行うことにより、NOの値は減少していることがわかる。
本実施形態によれば、予測モデルの信用区間を算出し、信用区間の幅が所定の閾値以下の場合に、調整量算出部72は、その予測モデルを用いて第1の調整量を算出する。また信用区間の幅が所定の閾値を上回る場合には、その予測モデルを破棄し、予測モデル導出部71は再度その時点から次の所定区間における新たな予測モデルの構築を行う。予測モデルの信用区間は予測値のバラつきの範囲を表しており、信用区間の幅が小さいときは予測モデルの信頼度が高いといえる。
よって本実施形態では、信用区間の幅が閾値以下の予測モデルのみを用いるため、信用区間の幅に対し所定の閾値を用いて判定を行うことから、信頼度の高い予測モデルを用いることができる。また予測モデルの特性が変化する場合であっても、信用区間の幅が所定の閾値を上回ることで予測値の変化したことを把握できるため、予測モデルを更新して制御を行うことができる。
また、上述した予測モデルの導出において、テスト信号を入力することを検討する。
本開示のプラント1の予測モデルの導出は、定常運転時の運転中に導出するとしている。そのため、定常運転における実測値、すなわち比較的変動の少ない値が用いられており、導出される予測モデルにおける偏回帰係数が正しく算出できない場合がある。
そこで、テスト信号として、定常運転時における運転操作量よりも変動の大きな値を入力するものとする。
図11には、幾つかの実施形態に係るプラントの制御装置のテスト信号を入力する場合の一態様がブロック図に示されている。
プラント1の制御装置70は、例えばプラント1の計測値を計測すると、プラント1の設定値(目標値)から計測値を減算し、これを既存制御により制御して操作量xを算出し、この操作量xをプラント1に入力して再度計測値を計測するPI制御を行っている。この一連の制御において、上記に開示した制御装置70は、既存制御により算出された操作量xに対し、予測モデル導出部71により導出された予測モデルを用いて算出された第1の調整量Δxに拘束条件を用いて算出された第2の調整量Δx’を加算または減算した、調整後の操作量x±Δx’をプラント1に入力するとした(図11の破線部)。
本実施形態では、上記制御に対し、テスト信号を入力するものとする。図11に示されるように、テスト信号は既存制御の設定値(目標値)を変更するように、例えば空気量の目標値を変更するように入力してもよい。また、既存制御により算出された操作量に対しテスト信号を印加、例えばダンパ開度を変動させてもよい。
このように予測モデルの偏回帰係数の導出において、テスト信号を入力し、それに対するプラント1の応答データを取得することで、定常運転時よりも変動の大きな運転操作量を入力して偏回帰係数をより正確に求めることができる。
また、入力されるテスト信号は、既存制御に対する外乱とならないようにその値に制約を設けるとしてもよい。例えば、既存制御の設定値(目標値)である空気量の目標値を変更する場合に、その総量を変更せず個々の配分を変更するとしてもよい。
このように、テスト信号を所定の範囲の値に限定することで、プラント1の運転中にテスト信号がプラント1に対する無用な外乱となることを回避することができる。
本実施形態によれば、既存制御の操作量に対してテスト信号が入力されることから、テスト信号を含む調整後の操作量がプラント1に入力され、その結果が計測値となり予測モデルに適用されることとなる。テスト信号を定常運転時よりも大きな値とすることにより、プラント1に大きな変動を与えることができ、線形予測式の偏回帰係数がより正確に求められる。よって、予測モデルの信頼性を高めることができる。
また、テスト信号を、既存制御の外乱とならないように所定の範囲の値とする。
よって本実施形態によれば、プラント1の運転中にテスト信号が無用な外乱となることを回避させ、プラント1の運転を行いながら予測モデルの更新を行うことができる。
以上、本開示の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではない。
例えば上述した各実施形態においては監視対象値(NO等の環境規制される物質)を最小化するように予測モデルを構築し操作量を制御するとしたが、監視対象値を最大化するように予測モデルを構築し操作量を制御するとしてもよい。例えば、発電効率の予測モデルを構築し、発電効率を最大化するように操作量の調整量を算出してもよい。このように、本開示によれば、監視対象値を最小化または最大化するように各操作量の調整量を算出し、制御することができる。
1 プラント
10 ボイラ
11 火炉
12 燃焼装置
21、22、23、24、25 燃焼バーナ
36 風箱
41 空気噴射装置
70 制御装置
71 予測モデル導出部
72 調整量算出部
73 拘束条件設定部
74 操作量算出部
81、82、83、84、85、86、87 調整弁

Claims (9)

  1. プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御装置であって、
    前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出する予測モデル導出部と、
    出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出する調整量算出部と、
    前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量に共通し、複数の前記機器の前記操作量の配分を決定するための拘束条件を設定する拘束条件設定部と、
    前記拘束条件を満たすように、前記第1の調整量を補正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出する操作量算出部と、
    を備えるプラントの制御装置。
  2. プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御装置であって、
    前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出する予測モデル導出部と、
    出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出する調整量算出部と、
    前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量の拘束条件を設定する拘束条件設定部と、
    設定された前記拘束条件を適用して前記第1の調整量を修正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出する操作量算出部と、
    を備え、
    前記予測モデル導出部は、偏回帰係数および説明変数を含む線形予測式を用いた重回帰分析により前記予測モデルを導出し、
    前記調整量算出部は、前記予測モデルの前記線形予測式の前記偏回帰係数に基づき複数の前記操作量の前記第1の調整量を算出し、
    前記拘束条件設定部は、前記操作量の前記第1の調整量の和が一定であるとする前記拘束条件を設定するプラントの制御装置。
  3. 前記予測モデル導出部は、他の前記説明変数と比べて相関の高い前記説明変数のうち、一の前記説明変数を選択し他の前記説明変数を削除して前記予測モデルを導出する請求項2に記載のプラントの制御装置。
  4. 前記予測モデル導出部は、所定区間の前記偏回帰係数の分布を算出し、前記偏回帰係数の分布に基づく前記予測モデルの分布から前記予測モデルの信用区間を算出し、
    前記信用区間の幅が所定の閾値以下の場合は、前記調整量算出部は、前記予測モデルを用いて前記第1の調整量を算出し、
    前記信用区間の幅が所定の閾値を上回る場合は、前記予測モデル導出部は、次の所定区間において新たな前記予測モデルを導出する請求項2に記載のプラントの制御装置。
  5. 前記操作量算出部は、前記既存制御の前記操作量に対し、テスト信号を入力する請求項1または請求項2に記載のプラントの制御装置。
  6. 前記操作量算出部は、前記テスト信号が前記既存制御の外乱とならない所定の範囲の値であるとする請求項5に記載のプラントの制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の制御装置を備えたプラント。
  8. プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御方法であって、
    前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出する工程と、
    出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出する工程と、
    前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量に共通し、複数の前記機器の前記操作量の配分を決定するための拘束条件を設定する工程と、
    前記拘束条件を満たすように、前記第1の調整量を補正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出する工程と、
    を備えるプラントの制御方法。
  9. プラントを構成する複数の機器の操作量の制御を行うプラントの制御プログラムであって、
    前記プラントにおいて計測された計測値を入力とし、監視の対象となる値である監視対象値を出力とする予測モデルを導出するステップと、
    出力される前記監視対象値が所望の値となる場合の複数の前記機器の前記操作量を算出し、既存制御の前記操作量と算出された前記操作量との差を、第1の調整量として算出するステップと、
    前記計測値及び前記計測値が計測されたときの前記プラントの運転条件に基づき、複数の前記機器の前記操作量に共通し、複数の前記機器の前記操作量の配分を決定するための拘束条件を設定するステップと、
    前記拘束条件を満たすように、前記第1の調整量を補正した第2の調整量を複数の前記機器毎に算出し、算出された前記第2の調整量を既存制御の前記操作量にそれぞれ加算または減算を行い調整後の複数の前記操作量を算出するステップと、
    を備えるプラントの制御プログラム。
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