JP2010204784A - 外乱制御装置、外乱制御方法、外乱制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】多入出力プラントにモデル予測制御を適用した場合においても、外乱抑制性能を向上させ、少ない計算量で低コストに実現でき、ステップ応答試験の結果のみから構成可能であって、且つモデル予測制御の操作量制約を逸脱しないことを可能にする外乱制御装置等を提供する。
【解決手段】制御装置40は、モデル予測制御機能10により計算された制御量予測値yと多入出力プラント30から出力された制御量信号yとの差である制御量予測誤差eを計算する制御量予測誤差計算部42と、予めモデル予測制御機能10により取得されたステップ応答終端値dPVと制御量予測誤差計算部42により計算された制御量予測誤差eとに基づき外乱推定値dを計算する外乱推定部44と、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに基づきモデル予測制御機能10により計算された操作量uを修正した修正操作量umodを出力する外乱抑制部46とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の操作量信号を入力し、複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能の機能を用いて予測し、外乱を制御する外乱制御装置に関する。
一般に、プラントの将来の挙動をモデルを用いて予測し、最適に制御を行うモデル予測制御機能は公知である。図9は、従来公知である一般的なモデル予測制御機能(モデル予測制御機能部、モデル予測制御部またはモデル予測制御装置。以下、「モデル予測制御機能」と言う。)10を用いた制御装置20の構成を示す。図9に示されるように、モデル予測制御機能10には外乱dが加えられた際のプラント30の挙動を予測する予測計算部14と最適な操作量を計算する最適化計算部12とがある。予測計算部14では、プラント30から出力されたプラント制御量の観測値yと、最適化計算部12から出力された操作量の現在値uおよび予測値uとに基づき、制御量予測値yが計算される。最適化計算部12では制御量予測値yが予め設定された目的関数により評価され、予め設定された制御量PVまたは操作量MVに関する制約条件を満たす範囲で上記目的関数が最適となるように操作量MVが決定され出力される。上記制約条件としては値自体の上下限制約と変化率の上下限制約とがある。
モーター制御等に適用可能な、単一PID制御ループに対して外乱オブザーバーを用いた制御方法が公知である(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。1入力1出力のPID制御ループに、プラントの伝達関数の逆モデルを用いて外乱を推定し、推定した外乱を相殺するための制御信号をプラントに加える制御方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。
伝達関数で表わされるプラントモデルを用いて、第1の調節器および実プラントからなる第1の制御ループと、第2の調節器およびプラントモデルからなる第2の制御ループとが構成され、実プラントの出力を第1の制御ループおよび第2の制御ループに同様にフィードバックした際に、第1の調整器の操作量出力と第2の調整器の操作量出力との差が外乱として推定され、推定した外乱を第1の調節器の操作量に加えて外乱を補償する制御方法が公知である(例えば、特許文献2参照)。
モデル予測制御機能において、制御量の予測誤差を検出し、最適化計算部において上記予測誤差を最小にする操作量演算を行う制御方法が公知である(例えば、特許文献3参照)。本文献の制御方法は、予測誤差信号を最小にすることで外乱抑制を狙っているものと言える。
上述した非特許文献1、2または特許文献1等の従来技術に示されるように、PID制御に適した単一ループでの外乱オブザーバーは提案されている。しかし、化学プラントまたは機械プラントのように、通常複数の入出力信号を有する多入出力プラントをモデル予測制御のように干渉を考慮した制御で扱う際には適用できないという問題があった。
上述した特許文献2に見られるように、2台の調整器を用いて、各調整器の操作量出力の差として外乱を推定する方法では、計算機上の計算量が倍増するため、高速性が制限され、計算機の設備コストが増大するという問題があった。
上述した特許文献3のように、従来のモデル予測制御機能に制御量予測誤差を信号として入力し最適化計算部において予測誤差を最小化することにより外乱抑制を狙う方法においては、従来のモデル予測制御機能を改造する必要があり、また、最適化計算部の計算量やメモリ使用量が増加し、また、外乱抑制性能が最適化計算の計算時間に左右されるという問題があった。
上述した特許文献1等における従来の伝達関数表現を用いる方法では、プラントの伝達関数を広い周波数帯域で正確に同定できる必要があり、ステップ応答試験の結果のみからでは構成が困難であるという課題があった。
さらに、上述した一般的な公知技術においては、例え正しく外乱を推定できたとしても、そのまま推定外乱量を操作量から差し引くと、モデル予測制御で予め設定されている操作量への上限・下限制約または変化率上限・下限制約を逸脱する場合があるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、複数の操作量信号および複数の制御量信号を有する多入出力プラントにモデル予測制御を適用した場合においても、外乱抑制性能を向上させ、少ない計算量で低コストに実現でき、ステップ応答試験の結果のみから構成可能であって、且つモデル予測制御の操作量制約を逸脱しないことを可能にする外乱制御装置等を提供することにある。
この発明の外乱制御装置は、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能部の機能を用いて予測し外乱を制御する外乱制御装置であって、該モデル予測制御機能部は該プラントから出力された制御量信号に基づき制御量予測値を計算し、該制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量を計算するものであり、前記モデル予測制御機能部により計算された制御量予測値と前記プラントから出力された制御量信号との差である制御量予測誤差を計算する制御量予測誤差計算部と、予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値と前記制御量予測誤差計算部により計算された制御量予測誤差とに基づき外乱推定値を計算する外乱推定部と、前記外乱推定部により計算された外乱推定値に基づき、前記モデル予測制御機能部により計算された操作量を修正した修正操作量を出力する外乱抑制部とを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の外乱制御装置において、前記外乱推定部は、予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値に基づき、前記プラントの特性を示す定常ゲインを計算し定常ゲイン情報保持部に記録しておく定常ゲイン取得手段と、前記定常ゲイン情報保持部に記録された定常ゲインに基づき、所定の設計条件を満たす定数オブザーバーゲイン行列を計算する定数オブザーバーゲイン行列計算手段と、前記定数オブザーバーゲイン行列計算手段により計算された定数オブザーバーゲイン行列と前記制御量予測誤差計算部により計算された制御量予測誤差とに基づき、外乱推定値を計算する外乱推定値計算手段とを備えることができる。
ここで、この発明の外乱制御装置において、前記所定の設計条件は外乱による制御量の変動を低下させる条件とすることができる。
ここで、この発明の外乱制御装置において、前記外乱抑制部は、前記外乱推定部により計算された外乱推定値に補正係数を乗じた値を前記モデル予測制御機能部により計算された操作量から減算した値を修正操作量として出力することができる。
ここで、この発明の外乱制御装置において、前記補正係数は前記修正操作量が所定の操作量制約条件を満たすように求めることができる。
ここで、この発明の外乱制御装置において、前記モデル予測制御機能部は前記制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量変化率をさらに計算するものであり、前記補正係数は修正操作量変化率が所定の修正操作量変化率制約条件を満たすと共に前記修正操作量が所定の操作量制約条件を満たすように求めることができる。
この発明の外乱制御方法は、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能部の機能を用いて予測し外乱を制御する外乱制御装置が実行する外乱制御方法であって、該モデル予測制御機能部は該プラントから出力された制御量信号に基づき制御量予測値を計算し、該制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量を計算するものであり、前記モデル予測制御機能部により計算された制御量予測値と前記プラントから出力された制御量信号との差である制御量予測誤差を計算する制御量予測誤差計算ステップと、予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値と前記制御量予測誤差計算ステップで計算された制御量予測誤差とに基づき外乱推定値を計算する外乱推定ステップと、前記外乱推定ステップで計算された外乱推定値に基づき、前記モデル予測制御機能部により計算された操作量を修正した修正操作量を出力する外乱抑制ステップとを備えたことを特徴とする。
この発明の外乱制御プログラムは、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能部の機能を用いて予測し外乱を制御するための外乱制御プログラムであって、該モデル予測制御機能部は該プラントから出力された制御量信号に基づき制御量予測値を計算し、該制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量を計算するものであり、外乱制御プログラムを実行する外乱制御装置のコンピュータに、前記モデル予測制御機能部により計算された制御量予測値と前記プラントから出力された制御量信号との差である制御量予測誤差を計算する制御量予測誤差計算ステップ、予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値と前記制御量予測誤差計算ステップで計算された制御量予測誤差とに基づき外乱推定値を計算する外乱推定ステップ、前記外乱推定ステップで計算された外乱推定値に基づき、前記モデル予測制御機能部により計算された操作量を修正した修正操作量を出力する外乱抑制ステップを実行させるための外乱制御プログラムである。
この発明の記録媒体は、本発明の外乱制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
本発明の外乱制御装置等によれば、制御系は、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントと、プラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能の機能を用いて予測し外乱を制御する制御装置とから構成される。即ち、多入出力プラントに対しても外乱推定がなされ、推定された外乱を基にモデル予測制御機能からの操作量が修正されることにより、多入出力プラントに対して外乱抑制を実現することができる。このため、複数の操作量信号および複数の制御量信号を有する多入出力プラントにモデル予測制御を適用した場合においても、外乱抑制性能を向上させることができるという効果がある。
一度定数オブザーバーゲイン行列を計算すれば、オンライン中での外乱抑制手段は極めて簡易に実現することができるため、高速かつ低コストに実現可能であるという効果がある。
本発明の外乱制御装置等によれば、既設のステップ応答モデルに基づくモデル予測制御機能自体を改修することなく比較的容易に組み込むことが可能である。さらに、外乱推定部・外乱抑制部とモデル予測制御機能とが分離されていることにより、長い計算時間を要するモデル予測制御機能の制御周期に比べて、短い計算時間で計算できる外乱推定部・外乱抑制部は高速な制御周期で実行させることが可能である。従って、外乱に対して迅速に抑制機能が働き、従来よりも少ない計算量且つ低コストで効果的な外乱抑制性能を実現することが可能であるという効果がある。
本発明の外乱制御装置等によれば、プラントの定常ゲイン行列から外乱推定値が計算可能であるため、従来のステップ応答モデルに基づくモデル予測制御に対して適用可能である。オブザーバーゲイン行列により、閉ループでの外乱抑制が達成されるため、ステップ応答試験の結果のみから外乱抑制を実現することができるという効果がある。
本発明の外乱制御装置等によれば、外乱推定値に補正係数を乗じてモデル予測制御の操作量制約を逸脱しないように調整した上で、推定された外乱推定値を操作量から差し引くことにより、操作量制約を逸脱しないように外乱抑制信号を修正する。従って、モデル予測制御機能で予め設定されている操作量への値自体および変化率に関する上限・下限制約を逸脱しないように外乱抑制を実現することができるという効果がある。
本発明の実施例1における、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラント30と、プラント30に外乱dが加えられた際の挙動をモデル予測制御機能10の機能を用いて予測し外乱を制御する制御装置(外乱制御装置)40とから構成される制御系を示す図である。 外乱推定部44の処理フロー(または機能ブロック図)を示す図である。 定数オブザーバーゲイン計算手段44−2の処理内容を示す図である。 外乱抑制部46の処理フロー(または機能ブロック図)を示す図である。 外乱抑制部46の処理フロー(または機能ブロック図)を示す図である。 実際の計算例に用いられる蒸留塔をプラントとした制御系を示す図である。 ステップ応答終端値の取得を説明するためのグラフである。 本発明の実施例2におけるプラント30、制御装置40および下位と制御装置から構成される制御系を示す図である。 本発明の外乱制御方法または外乱制御プログラムを実行する制御装置40内のコンピュータの内部回路70を示すブロック図である。 従来公知である一般的なモデル予測制御機能10を用いた制御装置20の構成を示す図である。
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラント30と、プラント30に外乱dが加えられた際の挙動をモデル予測制御機能10の機能を用いて予測し外乱dを制御する制御装置(外乱制御装置)40とから構成される制御系を示す。図1に示されるように、モデル予測制御機能10はプラント30から出力された制御量信号yに基づき制御量予測値yを計算する予測計算部14と、制御量予測値yに基づきプラント30に対する操作量uを計算する最適化計算部12と有している。モデル予測制御機能10の機能は上述した従来技術と同様であるため、細部の説明は省略する。図1に示されるように、本発明の実施例1における制御装置40は、従来技術のモデル予測制御機能10(詳しくは予測計算部14)により計算された制御量予測値yとプラント30から出力された制御量信号yとの差である制御量予測誤差eを計算する制御量予測誤差計算部42を備えている。制御量予測誤差eは以下の式1のようになる。
Figure 2010204784
制御装置40は、さらに予めモデル予測制御機能10(詳しくは予測計算部14)により取得されたステップ応答終端値dPVと制御量予測誤差計算部42により計算された制御量予測誤差eとに基づき外乱推定値dを計算する外乱推定部44と、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに基づき、モデル予測制御機能10(詳しくは最適化計算部12)により計算された操作量uを修正した修正操作量umodを出力する外乱抑制部46とを備えている。修正操作量umodはプラント30へ入力される。
図2は、外乱推定部44の処理フロー(または機能ブロック図)を示す。図2で図1と同じ符号を付した箇所は同じ機能を有する要素であるため、説明は省略する。図2に示されるように、外乱推定部44は、予めモデル予測制御機能10(詳しくは予測計算部14)により取得された各操作量から各制御量へのステップ応答終端値dPVに基づき、プラント30の特性を示す定常ゲイン行列Pを計算し定常ゲイン情報保持部44MEM(後述する図8参照)に記録しておく定常ゲイン情報取得手段44−1と、定常ゲイン情報保持部44MEMに記録された定常ゲイン行列Pに基づき、所定の設計条件を満たす定数オブザーバーゲイン行列Lを計算する定数オブザーバーゲイン行列計算手段44−2と、定数オブザーバーゲイン行列計算手段44−2により計算された定数オブザーバーゲイン行列Lと制御量予測誤差計算部42により計算された制御量予測誤差e(式1参照)とに基づき、外乱推定値dを計算する外乱推定値計算手段44−3とを備えている。外乱推定値dは以下の式2で示されるようになる。計算された外乱推定値dは外乱抑制部46へ出力される。
Figure 2010204784
図3は、定数オブザーバーゲイン計算手段44−2の処理内容を示す。図3に示されるように、定数オブザーバーゲイン計算手段44−2では、定常ゲイン情報保持部44MEMに保持されたプラント30の定常ゲイン行列Pに基づき、定数オブザーバーゲイン行列Lが計算される。計算された定数オブザーバーゲインLは外乱推定値計算手段44−3へ出力される。定数オブザーバーゲイン計算過程においては、外乱による制御量への影響を低減するように計算される(所定の設計条件)。以下の式3に示されるように、定数オブザーバーゲイン計算においては、外乱による制御量への影響を低減するための手法として、定常ゲイン行列Pと定数オブザーバーゲインLとの積が十分ハイゲインとなるように計算される。
Figure 2010204784
式3において、不等号は半正定(値)を表す。Eは単位行列、εは適当な正の実数である。L、P は各々L、Pの転置行列である。
図4(A)、4(B)は、外乱抑制部46の処理フロー(または機能ブロック図)を示す。図4(A)、4(B)で図1と同じ符号を付した箇所は同じ機能を有する要素であるため、説明は省略する。図4(A)に示されるように、外乱抑制部46は、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに補正係数kを乗じた値をモデル予測制御機能10(詳しくは最適化計算部12)により計算された操作量uから減算した値を修正操作量umodとしてプラント30へ出力する。修正操作量umodは以下の式4で示される。
Figure 2010204784
修正操作量umodが所定の操作量制約条件(式4、5)を満たすように、補正係数kを求める。詳しくは、補正係数kは、修正操作量umodが予め指定された値自体に関する上限および下限の制約を満足するように、その値が0以上かつ1以下となる範囲で最大となるように選ばれる。1以下としたのは値が発散しないようにするためであり、最大としたのは一意に決定するためである。
Figure 2010204784
式5で修正操作量umod(i)のiは、修正操作量umodの第i番目の要素、即ちプラント30へのi番目の出力(プラント30にとってはi番目の入力)を示す。ulow(i)は、修正操作量umod(i)の下限制約を示し、uhigh(i)は、修正操作量umod(i)の上限制約を示す。
図4(A)に示される例では、補正係数kを、修正操作量umodが所定の操作量制約条件(式4、5)を満たすように求めた。図4(B)では補正係数kを修正操作量umod変化率Δumodが所定の修正操作量変化率制約条件(式6、7)を満たすように求める例について示す。
Figure 2010204784
Figure 2010204784
式6に示されるように、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに補正係数kを乗じた値をモデル予測制御機能10(詳しくは最適化計算部12)により計算された操作量変化率Δuから減算した値が修正操作量変化率Δumodである。補正係数kは、修正操作量変化率Δumodが所定の修正操作量変化率制約条件(式6、7)を満たすように求める。詳しくは、補正係数kは、修正操作量変化率Δumodが予め指定された値自体に関する上限および下限の制約を満足するように、その値が0以上かつ1以下となる範囲で最大となるように選ばれる。図4(A)の場合と同様に、1以下としたのは値が発散しないようにするためであり、最大としたのは一意に決定するためである。式7で修正操作量変化率Δumod(i)のiは、修正操作量変化率Δumodの第i番目の要素を示す。Δulow(i)は、修正操作量変化率Δumod(i)の下限制約を示し、Δuhigh(i)は、修正操作量変化率Δumod(i)の上限制約を示す。
外乱抑制部46は、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに上述のようにして求めた補正係数kを乗じた値をモデル予測制御機能10(詳しくは最適化計算部12)により計算された操作量uから減算した値を修正操作量umodとしてプラント30へ出力する(式8)。
Figure 2010204784
補正係数kは、修正操作量変化率Δumodが所定の修正操作量変化率制約条件(式6、7)を満たすと共に修正操作量uが所定の操作量制約条件(式4、5)を満たすように求めることが好適である。即ち、修正操作量uの値自体への上下限制約と修正操作量変化率Δuへの上下限制約が共にある場合、それらを同時に満たすように補正係数kは正かつ1以下となる範囲で最大となるように選ばれる。なお、モデル予測制御機能10から出力される操作量uは予め操作量制約条件(式4〜7)を満足する値が出力されるため、この補正はいつでも実行できる。
以下、本発明の実施例1における実際の計算例を示す。図5は、実際の計算例に用いられる蒸留塔をプラントとした制御系を示し、図6は、ステップ応答終端値の取得を説明するためのグラフを示す。図5に示されるように、2つの濃度制御量(PV1およびPV2)と2つの流量操作量(MV1およびMV2)とを持つ蒸留塔(プラント)30aを対象として、制御装置40が外乱d1およびd2を抑制する制御を行う。
1.まず、外乱推定部44の定常オブザーバーゲイン計算手段44−2において用いるプラント30aの定常ゲイン行列Pを取得するため、2つの操作量(MV1,MV2)に対して、それぞれステップ入力を行った結果の、2つの制御量(PV1,PV2)の応答波形をモデル予測制御機能10の予測計算部14を使用して計算する。図6に示されるように、ステップ入力の幅(図6(A)におけるdMV1(=1)および図6(B)におけるdMV2(=1))と、ステップ応答が落ち着いた時点の制御量の初期値からの偏差(図6(A)、6(B)におけるdPV1,dPV2)、即ちステップ応答終端値を求める。具体的には、ステップ応答終端値dPV1は図6(A)のdMV1に対しては1、図6(B)のdMV2に対しては2であり、ステップ応答終端値dPV2は図6(A)のdMV1に対しては−3であり、図6(B)のdMV2に対しては4である。
2.求めたステップ応答終端値dPV1、dPV2から、外乱推定部44の定常ゲイン情報取得手段44−1はプラント30aの定常ゲイン行列Pを式9のように直ちに計算できる。定常ゲイン行列Pは予め定常ゲイン情報保持部44MEMに保持しておく(図8)。
Figure 2010204784
2.次に、求まったプラント30aの定常ゲイン行列Pに対し、式3より定数オブザーバーゲイン行列Lの設計条件を設定する(式10)。式10で、式3のεは1とした。
Figure 2010204784
3.次に、設計条件(式10)を満たす定数オブザーバーゲイン行列Lを求めた(式11)。
Figure 2010204784
本実施例では、定常ゲイン行列Pの逆行列を計算することにより、定数オブザーバーゲイン行列Lを求めた。具体的には、定数オブザーバーゲイン行列Lを、式12のように、
Figure 2010204784
とおくと、式10の行列不等式は、式13のようになる。
Figure 2010204784
これは、式14のように、
Figure 2010204784
となるようにa,b、c、dを定めれば満たすことができるため、逆行列計算を用いて式15のように求めた。
Figure 2010204784
求めた定数オブザーバーゲイン行列Lは外乱推定部44の外乱推定値計算手段44−3で用いる。
5.今、ある時刻において蒸留塔の流量操作端に外乱が発生したものとする。このとき、外乱d(d1、d2)、モデル予測制御機能10の操作量(MV1、MV2)、操作量変化率(ΔMV1,ΔMV2)、制御量(PV1、PV2)は式16の通りであった。
Figure 2010204784
操作量(MV1,MV2)および操作量変化率(ΔMV1,ΔMV2)には式17に示されるような制約があったものとする。
Figure 2010204784
6.外乱dによってモデル予測制御機能10の制御量予測値と制御量との間に予測誤差が生じた。即ち、制御量予測値(PV1*,PV2*)と予測誤差(e)とは式18の通りであった。
Figure 2010204784
7.予測誤差eと計算した定数オブザーバーゲイン行列Lの積により外乱推定値dを計算する。即ち、外乱推定値dは式19の通りとなった。
Figure 2010204784
8.操作量uから外乱推定値dを減算し修正操作量umodを計算する場合、修正操作量umodが操作量制約条件(式4、5)および修正操作量変化率制約条件(式6、7)を満たすように補正係数kにより調整する。即ち、修正操作量umodおよび修正操作量変化率Δumodは式20で決定される。
Figure 2010204784
操作量制約条件(式4、5)および修正操作量変化率制約条件(式6、7)から、修正操作量umodおよび修正操作量変化率Δumodは式21を満たさなければならない。
Figure 2010204784
従って、補正係数kは、以下の式22で示される条件、
Figure 2010204784
を満たすもののうち、最大である、
Figure 2010204784
とした(式23)。この結果、修正操作量umodおよび修正操作量変化率Δumodは、式24のように、
Figure 2010204784
となり、操作量制約条件(式4、5)および修正操作量変化率制約条件(式6、7)を満足した。
9.修正操作量umodをプラント30aへの実際の操作量とするが、外乱推定値分が補正されていることによりプラントへ30aへの外乱の影響が抑制された。即ち、修正操作量umodは、修正前の操作量uに修正を加えた式25の値となる。
Figure 2010204784
これにより、蒸留塔30aに加わる正味の外乱量が、式26で示される、
Figure 2010204784
から、式27で示される、
Figure 2010204784
にまで、ユークリッドノルム評価で1.58から0.90まで約43%減少した。
上述したモデル予測制御機能10は、モデル予測制御の中でもステップ応答モデルに基づくDMC(Dynamic Matrix Control)制御に適しているが、その他、一般に公知であるどのモデル予測制御技術を用いても構わない。式3を満たす定数オブザーバーゲイン行列Lの計算においては、線形行列不等式を用いて求めても構わないし、逆行列計算や特異値分解計算を用いても構わない。式3においてεは大きいほど好適であるが、プラント30の性質、望ましい外乱抑制量および実運用時の応答特性等によって調整すべき値である。
以上より、本発明の実施例1によれば、制御系は、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラント30と、プラント30に外乱dが加えられた際の挙動をモデル予測制御機能10の機能を用いて予測し外乱を制御する制御装置(外乱制御装置)40とから構成される。即ち、多入出力プラント30に対しても外乱推定がなされ、推定された外乱dを基にモデル予測制御機能10からの操作量uが修正されることにより、多入出力プラント30に対して外乱抑制を実現することができる。このため、複数の操作量信号および複数の制御量信号を有する多入出力プラントにモデル予測制御を適用した場合においても、外乱抑制性能を向上させることができる。
上述のように、一度定数オブザーバーゲイン行列Lを計算すれば、オンライン中での外乱抑制手段は極めて簡易に実現することができるため、高速かつ低コストに実現可能である。
制御装置40は、従来技術のモデル予測制御機能10により計算された制御量予測値yとプラント30から出力された制御量信号yとの差である制御量予測誤差eを計算する制御量予測誤差計算部42と、予めモデル予測制御機能10により取得されたステップ応答終端値dPVと制御量予測誤差計算部42により計算された制御量予測誤差eとに基づき外乱推定値dを計算する外乱推定部44と、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに基づき、モデル予測制御機能10により計算された操作量uを修正した修正操作量umodを出力する外乱抑制部46とを備えている。即ち、既設のステップ応答モデルに基づくモデル予測制御機能10自体を改修することなく比較的容易に組み込むことが可能である。さらに、外乱推定部44・外乱抑制部46とモデル予測制御機能10とが分離されていることにより、長い計算時間を要するモデル予測制御機能10の制御周期に比べて、短い計算時間で計算できる外乱推定部44・外乱抑制部46は高速な制御周期で実行させることが可能である。従って、外乱dに対して迅速に抑制機能が働き、従来よりも少ない計算量且つ低コストで効果的な外乱抑制性能を実現することが可能である。
外乱推定部44は、予めモデル予測制御機能10により取得された各操作量から各制御量へのステップ応答終端値dPVに基づき、プラント30の特性を示す定常ゲイン行列Pを計算し定常ゲイン情報保持部44MEMに記録しておく定常ゲイン取得手段44−1と、定常ゲイン情報保持部44MEMに記録された定常ゲイン行列Pに基づき、所定の設計条件を満たす定数オブザーバーゲイン行列Lを計算する定数オブザーバーゲイン行列計算手段44−2と、定数オブザーバーゲイン行列計算手段44−2により計算された定数オブザーバーゲイン行列Lと制御量予測誤差計算部42により計算された制御量予測誤差e(式1参照)とに基づき、外乱推定値dを計算する外乱推定値計算手段44−3とを備えている。即ち、プラント30の定常ゲイン行列Pから外乱推定値dが計算可能であるため、従来のステップ応答モデルに基づくモデル予測制御に対して適用可能である。オブザーバーゲイン行列Lにより、閉ループでの外乱抑制が達成されるため、ステップ応答試験の結果のみから外乱抑制を実現することができる。
外乱抑制部46は、外乱推定部44により計算された外乱推定値dに補正係数kを乗じた値をモデル予測制御機能10により計算された操作量uから減算した値を修正操作量umodとしてプラント30へ出力する。即ち、外乱推定値dに補正係数kを乗じてモデル予測制御の操作量制約を逸脱しないように調整した上で、推定された外乱推定値dを操作量uから差し引くことにより、操作量制約を逸脱しないように外乱抑制信号を修正する。従って、モデル予測制御機能10で予め設定されている操作量uへの値自体および変化率に関する上限・下限制約を逸脱しないように外乱抑制を実現することができる。
図7は、本発明の実施例2におけるプラント30、制御装置40および下位の制御装置50から構成される制御系を示す図である。制御装置40から見れば、下位制御装置50およびプラント30からなる構成が、制御対象であるプラントと見なせる。図7で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素をしめすため、説明は省略する。図7に示されるように、制御装置40とプラント30との間に下位制御装置50を設け、制御装置40からの修正操作量出力信号umodを下位制御装置50に入力し、下位制御装置50が修正操作量出力信号umodに基づきプラント30への直接操作を行い、下位制御装置50によって操作されたプラント30の制御量出力yを制御装置40へ入力する構成とすることもできる。下位制御装置50の例として比較的応答が速く簡易に構成可能なPID制御装置が挙げられるがこれに限定されるものではない。
上述した本発明の制御装置40は全体をハードウェアとして実現することもでき、あるいは一部または全体をソフトウェアとして実現することも可能である。図8は、本発明の外乱制御方法または外乱制御プログラムを実行する制御装置40内のコンピュータの内部回路70を示すブロック図である。図8に示されるように、CPU71、ROM72、RAM73、画像制御部76、コントローラ77、入力制御部80および外部I/F部82はバス83に接続されている。図8において、上述の本発明の外乱制御プログラムは、ROM72、ディスク78またはDVD若しくはCD−ROM79等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。ディスク78には、定常ゲイン情報保持部44MEM等を記録しておくことができる。外乱制御プログラムは、ROM72からバス83を介し、あるいはディスク78またはDVD若しくはCD−ROM79等の記録媒体からコントローラ77を経由してバス83を介しRAM73へロードされる。画像制御部76は、所望の画像データをVRAM75へ送出する。表示装置74はVRAM75から送出された上記データ等を表示する。VRAM75は表示装置74の一画面分のデータ容量に相当する容量を有している画像メモリである。入力操作部80はコンピュータに入力を行うためのマウス、テンキー等の入力装置であり、入力制御部80は入力操作部81と接続され入力制御等を行う。外部I/F部82はコンピュータの外部と接続する際のインタフェース機能を有している。
上述のようにCPU71が本発明の外乱制御プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。外乱制御作成プログラムは上述のようにDVD若しくはCD−ROM79等の記録媒体の形態でコンピュータCPU71に供給することができ、外乱制御プログラムを記録したDVD若しくはCD−ROM79等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。外乱制御プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、光ディスク、FD等を用いることができる。
本発明の外乱制御方法または外乱制御プログラムの処理の流れは、上述した図1乃至図4に示される処理フローを用いて同様に説明することができる。即ち、本発明の外乱制御方法または外乱制御プログラムは、複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラント30に外乱dが加えられた際の挙動をモデル予測制御機能10の機能を用いて予測し外乱dを制御する外乱制御装置40が実行する外乱制御方法または外乱制御プログラムであって、モデル予測制御機能10はプラント30から出力された制御量信号yに基づき制御量予測値yを計算し、制御量予測値yに基づきプラント30に対する操作量uを計算するものであり、モデル予測制御機能10により計算された制御量予測値yとプラント30から出力された制御量信号yとの差である制御量予測誤差eを計算する制御量予測誤差計算ステップと、予めモデル予測制御機能10により取得されたステップ応答終端値dPVと制御量予測誤差計算ステップで計算された制御量予測誤差eとに基づき外乱推定値dを計算する外乱推定ステップと、外乱推定ステップで計算された外乱推定値dに基づき、モデル予測制御機能10により計算された操作量yを修正した修正操作量yを出力する外乱抑制ステップとを備えている。
上記外乱推定ステップは、予めモデル予測制御機能10により取得されたステップ応答終端値dPVに基づき、プラント30の特性を示す定常ゲイン行列Pを計算し定常ゲイン情報保持部44MEMに記録しておく定常ゲイン取得ステップと、定常ゲイン情報保持部44MEMに記録された定常ゲイン行列Pに基づき、所定の設計条件を満たす定数オブザーバーゲイン行列Lを計算する定数オブザーバーゲイン行列計算ステップと、定数オブザーバーゲイン行列計算ステップで計算された定数オブザーバーゲイン行列Lと制御量予測誤差計算ステップで計算された制御量予測誤差eとに基づき、外乱推定値dを計算する外乱推定値計算ステップとを備えている。上記所定の設計条件は外乱dによる制御量yの変動を低下させる条件である。
上記外乱抑制ステップは、外乱推定ステップで計算された外乱推定値dに補正係数kを乗じた値をモデル予測制御機能10により計算された操作量uから減算した値を修正操作量umodとして出力する。補正係数kは修正操作量umodが所定の操作量制約条件(式4、5)を満たすように求める。モデル予測制御機能10は制御量予測値yに基づきプラント30に対する操作量変化率Δuを計算することができる。この場合、補正係数kは修正操作量変化率Δumodが所定の修正操作量変化率制約条件(式6、7)を満たすと共に修正操作量umodが所定の操作量制約条件(式4、5)を満たすように求めることができる。
本発明の活用例として、化学プラントまたは機械プラントのように通常複数の入出力信号を有する多入出力プラントに適用することができる。
10 モデル予測制御機能、 12 最適化計算部、 14 予測計算部、 20、40 制御装置、 30、30a プラント、 42 制御量予測誤差計算部、 44 外乱推定部、 44−1 定常ゲイン情報取得手段、 44−2 定数オブザーバーゲイン計算手段、 44−3 外乱推定値計算手段、 46 外乱抑制部、 50 下位制御装置、 70 内部回路、 71 CPU、 72 ROM、 73 RAM、 74 表示装置、 75 VRAM、 76 画像制御部、 77 コントローラ、 79 DVD、CD−ROM、 80 入力制御部、 81 入力操作部、 82 外部I/F部、 83 バス。
特開2001−202103号公報 特開2004−348481号公報 特開2006−268566号公報
西田 英幸、外4名、「外乱オブザーバーによる非線形油圧サーボ系位置制御」、平成13年電気学会全国大会講演論文集、2001年3月、p.1545−1546. 宮下 勉、外2名、「産業プラントにおける新しい可変速制御技術」、富士時報、富士電機株式会社発行、Vol.73、No.11、2000、p.26−31.

Claims (9)

  1. 複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能部の機能を用いて予測し外乱を制御する外乱制御装置であって、該モデル予測制御機能部は該プラントから出力された制御量信号に基づき制御量予測値を計算し、該制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量を計算するものであり、
    前記モデル予測制御機能部により計算された制御量予測値と前記プラントから出力された制御量信号との差である制御量予測誤差を計算する制御量予測誤差計算部と、
    予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値と前記制御量予測誤差計算部により計算された制御量予測誤差とに基づき外乱推定値を計算する外乱推定部と、
    前記外乱推定部により計算された外乱推定値に基づき、前記モデル予測制御機能部により計算された操作量を修正した修正操作量を出力する外乱抑制部とを備えたことを特徴とする外乱制御装置。
  2. 請求項1記載の外乱制御装置において、前記外乱推定部は、
    予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値に基づき、前記プラントの特性を示す定常ゲインを計算し定常ゲイン情報保持部に記録しておく定常ゲイン取得手段と、
    前記定常ゲイン情報保持部に記録された定常ゲインに基づき、所定の設計条件を満たす定数オブザーバーゲイン行列を計算する定数オブザーバーゲイン行列計算手段と、
    前記定数オブザーバーゲイン行列計算手段により計算された定数オブザーバーゲイン行列と前記制御量予測誤差計算部により計算された制御量予測誤差とに基づき、外乱推定値を計算する外乱推定値計算手段とを備えたことを特徴とする外乱制御装置。
  3. 請求項2記載の外乱制御装置において、前記所定の設計条件は外乱による制御量の変動を低下させる条件であることを特徴とする外乱制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の外乱制御装置において、前記外乱抑制部は、前記外乱推定部により計算された外乱推定値に補正係数を乗じた値を前記モデル予測制御機能部により計算された操作量から減算した値を修正操作量として出力することを特徴とする外乱制御装置。
  5. 請求項4記載の外乱制御装置において、前記補正係数は前記修正操作量が所定の操作量制約条件を満たすように求めることを特徴とする外乱制御装置。
  6. 請求項4記載の外乱制御装置において、前記モデル予測制御機能部は前記制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量変化率をさらに計算するものであり、前記補正係数は修正操作量変化率が所定の修正操作量変化率制約条件を満たすと共に前記修正操作量が所定の操作量制約条件を満たすように求めることを特徴とする外乱制御装置。
  7. 複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能部の機能を用いて予測し外乱を制御する外乱制御装置が実行する外乱制御方法であって、該モデル予測制御機能部は該プラントから出力された制御量信号に基づき制御量予測値を計算し、該制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量を計算するものであり、
    前記モデル予測制御機能部により計算された制御量予測値と前記プラントから出力された制御量信号との差である制御量予測誤差を計算する制御量予測誤差計算ステップと、
    予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値と前記制御量予測誤差計算ステップで計算された制御量予測誤差とに基づき外乱推定値を計算する外乱推定ステップと、
    前記外乱推定ステップで計算された外乱推定値に基づき、前記モデル予測制御機能部により計算された操作量を修正した修正操作量を出力する外乱抑制ステップとを備えたことを特徴とする外乱制御方法。
  8. 複数の操作量信号を入力し複数の制御量信号を出力するプラントに外乱が加えられた際の挙動をモデル予測制御機能部の機能を用いて予測し外乱を制御するための外乱制御プログラムであって、該モデル予測制御機能部は該プラントから出力された制御量信号に基づき制御量予測値を計算し、該制御量予測値に基づき該プラントに対する操作量を計算するものであり、外乱制御プログラムを実行する外乱制御装置のコンピュータに、
    前記モデル予測制御機能部により計算された制御量予測値と前記プラントから出力された制御量信号との差である制御量予測誤差を計算する制御量予測誤差計算ステップ、
    予め前記モデル予測制御機能部により取得されたステップ応答終端値と前記制御量予測誤差計算ステップで計算された制御量予測誤差とに基づき外乱推定値を計算する外乱推定ステップ、
    前記外乱推定ステップで計算された外乱推定値に基づき、前記モデル予測制御機能部により計算された操作量を修正した修正操作量を出力する外乱抑制ステップを実行させるための外乱制御プログラム。
  9. 請求項8に記載の外乱制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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