JP7086631B2 - 撮像装置および撮像装置の制御方法 - Google Patents

撮像装置および撮像装置の制御方法 Download PDF

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本発明は、撮像装置および撮像装置の制御方法に関する。
撮像機器中の撮像素子に入射する光を低減するNDフィルタ等の光透過率低減素子の透過率を電気的に制御可能とした光透過率可変素子は、露出調整の自由度を広げ、透過率が固定された素子では不可能であった像表現を可能とする。この光透過率可変素子の効果を大きく発揮させるためには、その素子の透過率の変化幅を拡大することが重要である。この透過率の変化幅の広い光透過率可変素子は、強い入射光に対してその透過率を低くして減光を行うことで、撮像素子の信号が飽和することを防止し、階調を保持した像の取得を可能とする。一方、この光透過率可変素子は、入射光の吸収により減光を行うため、吸収された光は熱となり光透過率可変素子の温度を上昇させることになる。特に、撮像素子近傍に光透過率可変素子が配設された場合には、素子に集光された光が照射される可能性がある。そのような光学系で集光された光が低い透過率(=光を吸収する率が高い)の素子に照射された場合には、照射部位において素子の吸収熱量が大きくなるために、光透過率可変素子の部分的な温度上昇を招くことがある。
この光透過率可変素子としては、液晶素子、有機エレクトロクロミック素子といった、有機分子を用いた素子の開発が進められている。これらの素子は、機械的な動作部を必要とせず、光透過率を連続的、電気的に制御可能であるという特徴を持つ。一方で、有機分子の運動が関与する素子であるために、温度変化、特に高温における動作に課題がある。先に述べたように光透過率可変素子は、局所的な集光で部分的に高温になる可能性があるため、光透過率可変素子の温度の分布情報を取得し、その情報に基づき、光透過率可変素子が吸収する熱を低減することが求められる。光透過率可変素子の温度分布情報を取得する方法としては、例えば複数の温度検知素子を光透過率可変素子に配置する方法が挙げられる。しかし情報として重要な光透過率可変素子の光線透過領域に温度検知素子を配置すると、光透過率の低下や、影の映りこみといった光学特性の低下を招くために好ましくない。このために光学特性の低下を招くことなく光透過率可変素子の光線透過領域の温度分布情報を取得する手法が求められている。
特許文献1では、電気化学表示装置において、温度検知用の電圧を電気化学表示素子の表示を行う電極に印加して流れる電流値から温度を演算し、それに基づいて表示装置を駆動するパルス電圧を決定、印加する方法が開示されている。これにより、温度検知素子を配置することなく、電気化学表示素子の面内温度分布情報を取得することを可能としている。
特開2006-30616号公報
特許文献1の方法は、温度検知素子を配置することなく、電気化学表示素子の温度分布情報を取得することを可能としている。一方で、特許文献1の方法は、温度検知用の電圧を印加して流れる電流値から温度を検知する手法のため、光透過率可変素子に適用して温度分布情報を取得する際には、光透過率可変素子駆動用の電圧を停止して、温度検知用の電圧を印加する必要がある。そのため光透過率可変素子の透過率制御と、面内温度分布情報の取得を独立して行うことができない。また、光透過率可変素子の温度分布情報を取得ためには、それぞれの位置において、電極が独立に動作できる仕組みが必要になる(具体的には、電極をマトリクス状に交差配置する方法が挙げられている)。この仕組みは、電極による回折、導電率の低下などによる光学特性への影響がある。
本発明は、上記課題を鑑みて、光学特性の低下を招くことなく光透過率可変素子の温度分布情報を取得し、光透過率可変素子が吸収する熱を制御する撮像装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の撮像装置は、光透過率が制御可能な液晶素子又は有機エレクトロクロミック素子で構成された可変素子と、入射光の光強度を取得する撮像素子と、前記可変素子の周囲温度を検知する検知手段と、前記可変素子の透過率と、前記撮像素子の撮像面において取得された前記光強度の面内位置分布と、前記検知手段で検知した周囲温度とを用いて、前記可変素子の面内の面内温度分布情報を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した前記可変素子の温度が所定の温度を超えた場合、前記可変素子に到達する光量または前記可変素子が吸収する光量を低減するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、光学特性の低下を招くことなく光透過率可変素子の温度分布情報を取得し、光透過率可変素子が吸収する熱を制御する撮像装置を提供することができる。これにより、光透過率可変素子の入射光吸収による温度上昇による特性変化を防止することができる。
撮像機器の概念図である。 基準太陽光のスペクトルを示す図である。 光透過率可変素子上の集光径と温度の関係を示す図である。 入射光のスペクトル形状を用いた入射光量の算出例を示す図である。 撮影工程、温度上昇時の対応についてのフローチャートである。 撮影工程、温度上昇時の対応についてのフローチャートである。 光透過率可変素子が吸収する光のスペクトルを示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面などを参照して説明する。なお、以下の説明に用いる図面において、同一の要素部品は同じ符号としている。
図1は、本実施形態に係る撮像機器(撮像装置)100の概略構成を示す図である。図1において、撮像機器100は、光透過率可変素子101と、撮像素子103と、光透過率可変素子101の周囲の温度を検知する周囲温度検知部109とを有する。また、撮像機器100は、光透過率可変素子101の透過率を制御する透過率制御部102、撮像素子103の取得する像に対する露出パラメータ制御部104、複数のレンズ106、絞り107を含む撮影光学系108、IRフィルタ116を有していてよい。
撮像機器100に入射された被写体光105は、複数のレンズ106、絞り107を含む撮影光学系108を通り、光透過率可変素子101及びIRフィルタ116を通って撮像素子103に結像する。ここで、絞り107は、光透過率可変素子101への入射光強度を制御する入射光強度制御手段として機能する。撮像素子103では、入射した被写体光105がその情報(色、強度の分布など)に変換される。撮像機器100は必要に応じてさらに制御に必要な絞り駆動部110、絞り制御部111、信号処理装置112、記録装置113、制御部114、露出計115などを有していてよい。また、光透過率可変素子101に対して光路上被写体側に位置し、撮像機器100に入射された被写体光105を光透過率可変素子101に入射する前に低減する要素(例えば、撮影光学系108)を前置光透過低減要素117と呼ぶ。また、光透過率可変素子101に対して光路上結像面側に位置し、光透過率可変素子101を透過した被写体光105を撮像素子103に入射する前に低減する要素(例えば、IRフィルタ(赤外光透過フィルタ)116)を後置光透過低減要素118と呼ぶ。また、撮像機器100は、メインスイッチ(以降、スイッチをSWと記載する)120、レリーズSW1(121)、レリーズSW2(122)を有していてよい。以下、図1に示した各構成要素について、具体的に説明していく。
光透過率可変素子101は、その透過率が電気信号によって制御可能な素子であり、撮像素子103への入射光量を制御する役割を担う。この素子としては、液晶素子、有機エレクトロクロミック素子といった、有機分子を用いた素子が好ましく用いられる。中でもゲスト-ホスト式の液晶素子、有機エレクトロクロミック素子がコントラスト、偏光特性の点からより好ましく用いられる。また、コントラスト、最大透過率の観点から有機エレクトロクロミック素子が最も好ましく用いられる。
光透過率可変素子101の透過率は、たとえば透過率制御部102によって制御される。透過率制御部102による光透過率可変素子101の透過率の制御方法は、用いられる素子に適した方法が採用される。具体的には、所望の透過率の設定値に対して、予め規定されている条件を光透過率可変素子101に入力する方法や、透過率の設定値に対して光透過率可変素子101の透過率を比較して、設定値に合うように条件を選択、入力する方法が挙げられる。入力する条件としては、電圧、電流、デューティー比を挙げることができる。光透過率可変素子101の透過率を変化させることによって、絞り、シャッタースピード、ゲインといった他の露出パラメータから独立して、撮像素子103への入射光量を制御することができる。光透過率可変素子101の透過率を増大/低減することで、撮像素子103に入射する被写体光105の光量を増大/低減することができ、撮影条件に対して所望の値を選択して用いることができる。例えば、撮影者の所望の入射光量が、光透過率可変素子101の透過率変化前の入射光量のR倍であるときには、光透過率可変素子101の透過率をR倍とすることで所望の光量を実現することができる。この光透過率可変素子101は基本的に減光素子であるために、その透過率(T)の範囲は、0<T<1である。
撮像素子103は、その素子面で結像された像を光電変換するもので、例えば、増幅型固体撮像素子103の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのセンサ(以降、CMOSセンサと略す)を用いることができる。CMOSセンサの特長を以下に記述する。CMOSセンサは、エリアセンサ部のMOSトランジスタと駆動回路、AD変換回路、画像処理回路といった周辺回路を同一工程で形成できるため、マスク枚数、プロセス工程がCCDと比較して大幅に削減できる。また、任意の画素へのランダムアクセスが可能であり、ディスプレイ用に間引いた読み出しが容易であり、高い表示レートでリアルタイム表示を行うことができる。
撮像素子103の取得する像に対する露出パラメータ制御部104は、撮像素子103において取得される像の露出パラメータを制御する機能を果たす。この露出パラメータとしては、シャッタースピード、絞り値、ISO感度(ゲイン)が挙げられる。また、この露出パラメータ制御部104では、露出計115の計測結果に応じて露出パラメータが所望の露出となるよう、手動/自動の制御を行なう機能を有していてもよい。
周囲温度検知部109は、光透過率可変素子101の周囲の温度を検知し、この温度を使用して光透過率可変素子101の温度を算出する。この例を、以下に詳細に記述する。まず、撮像機器に入射された光は、レンズ106、絞り107等の前置光透過低減要素117と、光透過率可変素子101と、IRフィルタ116等の後置光透過低減要素118を透過して撮像素子103に入射する。周囲温度検知部109は、光透過率可変素子101の周囲温度を検知する働きを担う。この周囲温度検知部109は、光透過率可変素子101の周囲温度を正確に測定するために、光透過率可変素子101の近傍に配置されることが好ましい。光透過率可変素子101の温度(T)変化は、以下のように記述することができる。
Figure 0007086631000001
ここで、Cは、光透過率可変素子101の熱容量を示し、Qは、光透過率可変素子101の熱量の収支を示す。
次に、熱量の収支を熱量の入力、出力に分けて考える。
Figure 0007086631000002
ここで、QF_INは、熱量入力を示し、QF_OUTは、熱量出力を示す。
そして、光透過率可変素子101の熱伝導性は低く、その素子からの熱量の出力は、ニュートンの冷却の法則が適用されると想定する。素子からの熱量の出力は光透過率可変素子101の温度、周囲温度との温度差に比例するので、以下のように記述できる。
Figure 0007086631000003
ここで、αは、熱交換係数を示し、Sは、光透過率可変素子101の対象とする部位の表面積を示し、Tは、周囲温度を示す。
一方、光透過率可変素子101として用いられる素子への時間当たりの入射光による熱量の入力(q)は、以下のように記述される。
Figure 0007086631000004
ここで、q(λ)は、時間当たりの入射熱量を示し、Tr(λ)は、前置光透過低減要素117の透過率を示し、Tr(λ)は、光透過率可変素子101の透過率を示す。
数1の微分方程式を、qを一定として解くと、光透過率可変素子101の温度は以下のように記述できる。
Figure 0007086631000005
ここで、Tは、光透過率可変素子101の初期温度を示す。
以上から、光透過率可変素子101の入射光線方向に直交する方向の面内(光路内)各ポイントにおける時間当たりの入射熱量(q(λ))を得ることで、光透過率可変素子101の面内各ポイントにおける温度を、温度センサを配置することなく算出できる。つまり、温度検知素子を光透過率可変素子101に配置せず、光透過率可変素子101の近傍に周囲温度検知部109を配置する事によって光透過率可変素子101の面内温度分布情報を取得することができる。
さて、撮像機器に入射された被写体光は、レンズ106、絞り107等の前置光透過低減要素117、光透過率可変素子101、フィルタ等の後置光透過低減要素118を透過して撮像素子103に入射することになる。このことから、前置光透過低減要素117、光透過率可変素子101、後置光透過低減要素118の透過スペクトルの情報があれば、この撮像機器100の対応可能な波長領域における入射光量を求めることができる。具体的には、撮像素子103信号から算出される撮像素子103への到達光量をI(λ)とすると、撮像機器への入射光量I(λ)は以下のように記述できる。
Figure 0007086631000006
ここで、Tr(λ)は、後置光透過低減要素118の透過率を示す。
また、入射光のスペクトル形状(入射光エネルギーの波長分布)を規定することで、後置光透過低減要素118が透過しない波長領域や、撮像素子103の感度がない波長領域の光に該当する熱量も含めて温度を算出することができる。この入射光のスペクトル形状については、想定される入射光を用いるのが好ましく、本実施形態においては、太陽光スペクトルが最も好ましく用いられる。これは、一般に像を撮影する際に、撮像素子103に入射する高強度光は太陽光、あるいは太陽光と類似のスペクトル(擬似太陽光や白色光)を持つ可能性が高いためである。
撮像機器としては、機器に含まれる前置光透過低減要素117、光透過率可変素子101、後置光透過低減要素118の透過率の波長依存性データを予め取得しておく。その上で、撮像素子103で取得した光強度プロファイルと、入射光のスペクトル形状を用いることで、入射光量を算出することができる。具体的な例を図4に示す。縦軸は、各波長のエネルギー密度、横軸は、波長を表す。図4中、領域400は、入射光のスペクトル、領域401は、レンズ106、絞り107(開放状態とする)等の前置光透過低減要素117を透過して光透過率可変素子101に入射する光強度である。ここで、光透過率可変素子101の周囲温度が25℃で減光度を3段とした時には、光透過率可変素子101の吸収によって、可視光領域の光は、約12.5%に低減される。ここで、減光度(n段)とは、透過率Tが(T=1/2)となる減光状態(光吸収状態)のことである。具体的には、1段であれば50%、2段であれば透過率25%となる。その結果、IRフィルタ116等の後置光透過低減要素118に入射する光強度は、領域402に低減されて、最終的に撮像素子103に入射する光強度は、領域403(0.18W)となる。このとき、光透過率可変素子101上に入射する光のほとんどが、5mm径の部位に集中していた場合には、光透過率可変素子101のその部位における温度は図3のように118℃に達する。つまり、光透過率可変素子101は撮像素子103の直前に配置されているため、光透過率可変素子101上に照射される光強度の面内位置分布は、撮像素子103の面内位置分布とほぼ同様であり、特定することができる。このようにして、光透過率可変素子101の面内の温度情報を取得することができる。
レンズ106を含む撮影光学系108は、撮像素子103に被写体像を結像し、絞り107は入射された光量を制限する。信号処理装置112は、撮像素子103により変換された撮像信号を例えば標準ビデオ信号などに変換処理する装置である。記録装置113は、変換処理された信号等を記録する装置である。制御部114は、CPU、ROM、及びRAMなどで構成され、撮像機器全体を制御する。この制御部114は、前出の光透過率可変素子101の透過率制御部102、露出パラメータ制御部104、周囲温度検知部109等と一体化されていてもよい。また、前述の可変光透過率素子の温度を算出する制御手段は、この制御部114が有することが好ましい。メインSW120は、撮像機器100の主電源を入/切とするスイッチであり、レリーズSW1(121)は、撮像機器100に測光を指示するスイッチであり、レリーズSW2は、撮像機器100に撮影の開始/終了を指示するスイッチである。
ここで、光透過率可変素子101が高温となる場合について説明する。撮像機器100に基準太陽光(AM1.5、1000W/m2)を入射させたときのことを考える。図2には、基準太陽光のスペクトルを示す。縦軸は、波長当たりの熱量密度、横軸は波長である。このように太陽光は、紫外から可視、赤外の広い領域にわたって熱量を持つ。レンズ径を70mmとし、光透過率可変素子101上の集光径が5mmであるとすると、単純には、光透過率可変素子101上には、太陽光の約200倍の光が照射されることになり、入射光による素子の温度上昇を引き起こすことになる。
入射光と光透過率可変素子101の温度上昇の関係について、本実施形態で使用する前置光透過低減要素117、光透過率可変素子101、後置光透過低減要素118の値を用いて以下に具体的に記述する。レンズ径を70mmとすると撮像機器に入射される光量は、3.85W(=1000Wm-2×(0.007m÷2)2×π)である。ここで、基準太陽光が撮像機器に入射したとき、レンズ106、絞り107(開放状態とする)等の前置光透過低減要素117を透過して光透過率可変素子101に入射する光量は、太陽光スペクトルと透過スペクトルより3.34Wとなる。また、光透過率可変素子101の減光度を3段とした場合、この素子によって吸収される光量は、2.45Wであり、IRフィルタ116等の後置光透過低減要素118を透過して撮像素子103に入射する光量は、0.18Wである。数5において、十分な時間が経過したとすると、右辺の第一項はゼロに近づくため、光透過率可変素子101の温度は、周囲温度と入射光量(熱量)によって記述することができる。図3には、周囲温度を25℃とした時の光透過率可変素子101上の集光径(横軸)と温度(縦軸)の関係を示す。ここから光透過率可変素子101上の集光径が小さい場合には、光透過率可変素子101は高温になることがわかる。
光透過率可変素子101として好ましく用いられる液晶素子、有機エレクトロクロミック素子といった素子は、有機分子の運動が関与する素子であるために、温度変化、特に高温における特性の維持に課題がある。この光透過率可変素子101が高温となる原因は、以下の二つが挙げられる。光透過率可変素子101の周囲の温度が高い場合(A)と、光透過率可変素子101の光吸収による熱量が大きい場合(B)である。これら二つの原因は単独ではなく和として光透過率可変素子101の温度を上昇させる。このうち(A)の低減は、放熱部材を利用するなど、公知の技術を利用して対応することが可能である。これに対して本実施形態に記載する技術は、(B)の低減に対して有効に機能する。具体的には、以下の二種類の方法を上げることができる。つまり、光透過率可変素子101の光吸収による熱量が大きい場合に、光透過率可変素子101に到達する光量を低減する(B1)、光透過率可変素子101が吸収する光量を低減する(B2)、の二種類の方法である。(B1)の具体的な方法としては、光透過率可変素子101の光路上の被写体側で光量を制限することが行われる。例としては、絞り107の絞り値を大きくすることや、減光フィルタを導入することが挙げられる。(B2)の具体的な方法としては、光透過率可変素子101の透過率を向上させて光吸収による熱量を抑制することが挙げられる。
上述したように、光透過率可変素子101の温度上昇は、上記(A)及び(B)の二原因の和として現れてくる。そのため、温度上昇による特性への影響を抑制するためには、(B)に関連する光透過率可変素子101の光吸収量だけを観測するだけでは十分でない場合がある。その場合には、(B)に関連する光透過率可変素子101の光吸収量に加えて、(A)に関連する光透過率可変素子101の周囲の温度情報を取得することが望ましい。これは、入射光量のみを用いた場合には、入射光量の光透過率可変素子101の温度への影響を過大あるいは過少に見積もる可能性があるためである。以下に具体例を記載する。
光透過率可変素子101の温度による特性変化に関して特性が変化しない上限となる温度を一定とすると、周囲温度が高い場合には、入射光による温度上昇の許容幅は小さくなる。また、逆に周囲温度が低い場合には、その許容幅は大きくなる。入射光量情報のみを用いて光透過率可変素子101の透過率を変化させることにより温度上昇を抑制しようとした場合、この周囲温度による許容幅の増減を反映させることができない。その結果、入射光量による光透過率可変素子101の温度への影響を過大あるいは過少に見積もる可能性がある。本実施形態の撮像機器100が有する光透過率可変素子101の温度情報を取得する周囲温度検知部109は、この入射光量による影響の過大、過少な見積もりを防止するために効果的である。
本実施形態の撮像機器100は、透過率可変素子101の算出された温度が所定の温度を越えた場合に、光透過率可変素子が吸収する熱量を低減することを特徴とする。具体的な例としては、光透過率可変素子101の少なくとも一部の温度が、所定の温度を越えた場合に、以下の二手法を用いることが挙げられる。透過率制御手段を介して光透過率可変素子の透過率を制御する(1)ことと、入射光強度制御手段を介して光透過率可変素子への入射光強度を制御する(2)ことである。具体的には、(1)は、透過率制御部102を介して光透過率可変素子101の透過率を向上させて光吸収による熱量を抑制することで光透過率可変素子101に到達する光量を低減する。また、(2)は、絞り107の絞り値を大きくすることや減光フィルタを導入することで光透過率可変素子101に到達する光量を低減する。ここで、所定の温度とは、光透過率可変素子101の特性が変化する温度よりも低く設定することが好ましい。具体的な温度範囲は、用いる光透過率可変素子101によって異なるが、例えば、40℃から120℃、特には60℃から100℃の範囲を挙げることができる。
以下、光透過率可変素子101の温度上昇時の対応について、図5のフローチャートを用いながら説明する。図5は、撮影工程全体を表している。まず、ステップS101では、制御部114によって、メインSW120がONになっているか否かの判定が行われる。メインSW120がONになっている場合(Yes)、ステップS102に進む。次に、ステップS102では、制御部114によって、レリーズSW1(121)がONになったか否かの判定が行われる。レリーズSW1(121)がONになった場合(Yes)、ステップS103に進む。次に、ステップS103では、露出計115等によって、測光が行われる。次に、ステップS104では、制御部114によって、ステップS103の測光が行われ、露出計115等の駆動が完了したか否かの判定が行われる。駆動が完了した場合(Yes)、ステップS105に進む。次に、ステップS105では、制御部114によって、レリーズSW2(121)がONになったか否かの判定が行われる。レリーズSW2(121)がONになった場合(Yes)、ステップS106に進む。そして、ステップS106では、撮影が行われる。次に、ステップS107では、制御部114によって、レリーズSW2(121)がOFFになったか否かの判定が行われる。レリーズSW2(121)がOFFになった場合(Yes)、ステップS108に進む。次に、ステップS108では、制御部114によって、メインSWがOFFになったか否かの判定が行われる。メインSWがOFFになった場合(Yes)、ステップS109に進み、一連の撮影工程は終了する。
これに対し、図6では、温度上昇時の対応を表している。このフローは、図5に示した撮影工程全体の中で行われる。その中でステップS102からステップS109までのいずれかのフローの間に割り込み処理されるものである。本実施形態では、100℃を越える温度領域では、光透過率可変素子101として用いられている有機エレクトロクロミック素子が室温と同様の特性を保持することが難しく、温度を低減する必要が生じた場合の例を記載する。ステップS111では、光透過率可変素子101の温度を算出する。
本実施形態では、先に記述した光透過率可変素子101の特定の部位における温度が118℃に達するという情報に基づいて、その温度を低減する場合について、以下説明する。ステップS112では、制御部114が光透過率可変素子101の特定の部位における温度が所定値以上か否かの判定を行う。判定の結果、所定値以上の場合(Yes)、ステップS113に進み、所定値未満の場合(No)、ステップS120に進み、このフローを終了する。次に、ステップS113では、光透過率可変素子101が吸収する熱量を低減させる。光透過率可変素子101の透過率を上昇させる例について記載すると、透過率制御部102を通して光透過率可変素子101の透過率を上昇させる。その後、ステップS120に進んで、本フロー(温度上昇時の対応)は終了する。
図7は、入射光のうち、光透過率可変素子101が吸収する光のスペクトルを示す。縦軸は各波長のエネルギー密度、横軸は波長を表す。光透過率可変素子101の減光度が3段(透過率12.5%)の場合は、領域600に相当するエネルギーを吸収する。これに対して、光透過率可変素子101の減光度を1段(透過率50%)に変更した場合は、領域601に相当するエネルギーを吸収することとなる。その結果、全体として吸収するエネルギーを減光度が3段の場合の73%に低減することができる。その結果、光透過率可変素子101の温度は、減光度が3段の場合の118℃から93℃へと低減される。このことによって、光透過率可変素子101として用いられている有機エレクトロクロミック素子は、室温と同等の特性を保持することができるようになる。
以上、本実施形態によれば、光透過率可変素子101の光学特性の低下を招くことなく光透過率可変素子の面内温度分布情報を取得し、その情報に基づき、光透過率可変素子が吸収する熱を制御する撮像機器を提供することができる。
また、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
100 撮像機器
101 光透過率可変素子
103 撮像素子
109 周囲温度検知部
114 制御部

Claims (6)

  1. 光透過率が制御可能な液晶素子又は有機エレクトロクロミック素子で構成された可変素子と、
    入射光の光強度を取得する撮像素子と、
    前記可変素子の周囲温度を検知する検知手段と、
    前記可変素子の透過率と、前記撮像素子の撮像面において取得された前記光強度の面内位置分布と、前記検知手段で検知した周囲温度とを用いて、前記可変素子の面内の面内温度分布情報を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した前記可変素子の温度が所定の温度を超えた場合、前記可変素子に到達する光量または前記可変素子が吸収する光量を低減するように制御する制御手段とを備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記制御手段は、前記可変素子の光路上の被写体側に設けられた撮影光学系で光量を制限することで前記可変素子に到達する光量を低減する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御手段は、前記可変素子の透過率を上昇させることで前記可変素子が吸収する光量を低減する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記算出手段は、前記可変素子の光路上の被写体側に設けられた撮影光学系の透過率と、前記可変素子の光路上の像面側に設けられた赤外光透過フィルタの透過率と、前記可変素子の熱容量と、入射光のスペクトルとの少なくともいずれか1つの情報をさらに用いて、前記可変素子の温度を算出する
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記可変素子は、エレクトロクロミック素子である
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 光透過率が制御可能な液晶素子又は有機エレクトロクロミック素子で構成された可変素子と、入射光の光強度を取得する撮像素子とを備える撮像装置の制御方法であって、
    前記可変素子の周囲温度を検知する検知工程と
    前記可変素子の透過率と、前記撮像素子の撮像面において取得された前記光強度の面内位置分布と、前記検知工程で検知した周囲温度とを用いて、前記可変素子の面内の面内温度分布情報を算出する算出工程と、
    前記算出工程で算出した前記可変素子の温度が所定の温度を超えた場合、前記可変素子に到達する光量または前記可変素子が吸収する光量を低減するように制御する制御工程と
    を有する
    ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
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