JP7086369B2 - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
従来から、反射信号に基づいて計測対象のイメージングを行う分野において、反射信号の信号強度低下に起因するイメージング精度の悪化が問題となっている。例えば、超音波エコーにおいて高吸収体などが存在すると、その背部は反射信号の信号強度が低下した低信号領域となり、病態の検出が困難となる。また、光干渉断層像(optical coherence tomography :以下、OCTと表記)では血管が存在すると、それより深いところの反射信号の信号強度が低下し、疾患の診断が困難になる。
図12は、超音波エコー画像を表した図である。図12では、矢印Aで示す部位に、超音波を吸収する高吸収体(胆石)が存在している。このため、その背部(深部側)の領域(矢印Bで示す陰影領域)に超音波信号がほとんど届かず、反射信号の強度が低下する。また、音響インピーダンスが大きく変化する部位が存在する場合にも、当該部位で強い反射が起こるため、深部側に超音波信号がほとんど届かず、高吸収体が存在する場合と同様に反射信号の信号強度が低下する。このように、反射信号の信号強度が低下する領域は音響陰影 (Acoustic Shadow)とも呼ばれる。
図13は、OCT画像を表した図である。図13では、矢印C1、C2で示す部位に光信号を吸収する血管が存在している。このため、この血管の背部(深部側)の領域(矢印D1、D2で示す縦縞状の陰影領域)には、光信号がほとんど届かず、反射信号の信号強度が低下する。特に、血管の背部の領域には、糖尿病などの診断に重要な視神経乳頭孔が存在するため、この領域の視認性は疾患の診断性能に大きく影響する。
これに対し、例えば特許文献1では、超音波の反射信号から得られた断層画像中の高輝度部分とその背部の輝度から、音響陰影の有無を判別し、音響陰影が存在する場合には、音響陰影効果係数により背部の領域の輝度値を上げるように補正をする方法が開示されている(段落[0066]-[0073]等参照)。
また、特許文献2には、素子と被検体の間に超音波信号を反射する障害物が存在し、一部の素子で超音波信号を正しく受信できない場合に、超音波信号を正しく受信できた正常素子の受信信号のみに基づいて超音波解析を行う方法が開示されている。これにより、音響陰影等によって超音波信号を正しく受信できない素子(エラー素子)があっても、その影響を抑えることができる。
特開2005-103129号公報 特開2015-53961号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、断層画像の全ての画素列に対して高輝度部分を探索する必要があるため、処理量が多く、計算負荷が高い。また、輝度値の補正量を決める音響陰影効果係数は、実験的に決定される係数を複数含んでおり、陰影領域の改善効果を得るためには、これら係数を適切に調整しなければならない。また、特許文献2では、正常素子の受信信号のみを用いるため、イメージングの解像度が低下したり、エイリアシング等のノイズが発生する虞がある。またビームフォーミングに特化した方法であり、反射信号に基づくイメージング技術全般に適用できるものではない。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、汎用性が高く、かつ、簡単な処理によって、反射信号の信号強度が低下した部分を補正することができる、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための第1の発明は、計測対象内から反射された反射信号を複数の検出器により受信して得られる、計測対象内を可視化した画像データを補正する画像処理装置であって、前記画像データに対して、当該画像データの座標系を規定する2つの軸方向のうち、深さ方向に対応する軸方向である第1の軸方向に周波数変換処理を施して、周波数データに変換する周波数変換部と、前記周波数データのうち、少なくとも0次を含む低周波数の周波数データを前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向で平滑化し、平滑化周波数データを生成する平滑化部と、前記平滑化周波数データを含む周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを出力する周波数逆変換部と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
第1の発明によれば、反射信号に基づいて計測対象内を可視化した画像データに対して、第1の軸方向(深さ方向)に周波数変換処理を施して周波数データに変換したのち、当該周波数データのうち、少なくとも0次成分を含む低周波成分を第2の軸方向(検出器の並び方向)で平滑化する。そして、低周波成分が平滑化された周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを得る。特に、平滑化処理において、各検出器で得られた信号の平均値に相当する0次成分(直流成分)が、検出器の並び方向で平滑化されるため、各検出器で得られる信号の平均値が均一化される。これにより、反射信号の強度が低下した部分を数学的に補正することができる。例えば、超音波エコーでは高吸収体の背部の視認性が改善され、病態の把握が容易となる。また、OCT画像では血管像によって困難となっていた視神経乳頭孔の確認が容易となり、糖尿病などの疾患の診断能を改善することができる。本発明の処理は、反射信号の強度低下部(陰影部分)を検出する処理等を一切必要とせず、また、反射信号に基づくイメージング技術全般に適用できるため、汎用性が高く、かつ、簡単な処理によって、反射信号の信号強度が低下した部分を補正することが可能となる。
また第1の発明において、前記平滑化部は、更に、1次の周波数データを平滑化するようにしてもよい。また、前記平滑化部は、更に、2次の周波数データを平滑化するようにしてもよい。1次・2次成分は、信号伝搬方向に対する信号強度の緩やかなトレンド成分となっており、この成分に対しても同様に平滑化をかけることで、反射信号の強度低下部の補正精度が更に改善される。
また第1の発明において、平滑化により低周波数成分が回復された第2の軸方向の領域を、低周波回復領域として特定する回復領域特定部と、前記平滑化周波数データを含む周波数データの前記低周波回復領域において、あらかじめ設定された所定の中間周波帯域の成分を強調させるフィルタ処理部と、を更に備えるようにしてもよい。これにより、低周波成分だけでなく、信号成分が低下した中間周波数帯域の信号成分も回復させることができる。
このとき、前記フィルタ処理部は、所定の中間周波帯域の成分を増幅させるとともに、あらかじめ設定された所定の高周波数帯域の成分を低減させるようにしてもよい。これにより、高周波数帯域に含まれるノイズの影響を抑えることができる。
第2の発明は、コンピュータが、計測対象内から反射された反射信号を複数の検出器により受信して得られる、計測対象内を可視化した画像データを補正する画像処理方法であって、前記画像データに対して、当該画像データの座標系を規定する2つの軸方向のうち、深さ方向に対応する軸方向である第1の軸方向に周波数変換処理を施して、周波数データに変換する周波数変換ステップと、前記周波数データのうち、少なくとも0次を含む低周波数の周波数データを前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向で平滑化し、平滑化周波数データを生成する平滑化ステップと、前記平滑化周波数データを含む周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを出力する周波数逆変換ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法である。
第2の発明によれば、反射信号に基づいて計測対象内を可視化した画像データに対して、第1の軸方向(深さ方向)に周波数変換処理を施して周波数データに変換したのち、当該周波数データのうち、少なくとも0次成分を含む低周波成分を第2の軸方向(検出器の並び方向)で平滑化する。そして、低周波成分が平滑化された周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを得る。特に、平滑化処理において、各検出器で得られた信号の平均値に相当する0次成分(直流成分)が、検出器の並び方向で平滑化されるため、各検出器で得られる信号の平均値が均一化される。これにより、反射信号の強度が低下した部分を数学的に補正することができる。例えば、超音波エコーでは高吸収体の背部の視認性が改善され、病態の把握が容易となる。また、OCT画像では血管像によって困難となっていた視神経乳頭孔の確認が容易となり、糖尿病などの疾患の診断能を改善することができる。本発明の処理は、反射信号の強度低下部(陰影部分)を検出する処理等を一切必要とせず、また、反射信号に基づくイメージング技術全般に適用できるため、汎用性が高く、かつ、簡単な処理によって、反射信号の信号強度が低下した部分を補正することが可能となる。
第3の発明は、コンピュータを、計測対象内から反射された反射信号を複数の検出器により受信して得られる、計測対象内を可視化した画像データを補正する画像処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記画像データに対して、当該画像データの座標系を規定する2つの軸方向のうち、深さ方向に対応する軸方向である第1の軸方向に周波数変換処理を施して、周波数データに変換する周波数変換部、前記周波数データのうち、少なくとも0次を含む低周波数の周波数データを前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向で平滑化し、平滑化周波数データを生成する平滑化部、前記平滑化周波数データを含む周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを出力する周波数逆変換部、として機能させることを特徴とするプログラムである。
第3の発明に係るプログラムを汎用のコンピュータにインストールすることによって、第1の発明に係る画像処理装置を得ることができる。
本発明によれば、汎用性が高く、かつ、簡単な処理によって、反射信号の信号強度が低下した部分を補正することができる。
画像処理装置1のハードウェア構成を示す図 画像処理装置1の動作を示すフローチャート 画像データfを表す図 周波数データFを表す図 周波数データFの低周波成分を平滑化する様子を示す図 平滑化前・後の0次成分(直流成分)の比較プロット図 低周波成分が平滑化された周波数データF’を表す図 低周波回復領域を特定する例を説明する図 中間周波数帯域を強調する帯域通過フィルタ 周波数データF’における低周波回復領域を示す図 補正処理前・補正処理後のOCT画像を表す図 高吸収体が存在する場合の超音波エコー画像を表す図 血管が存在する場合のOCT画像を表す図
以下図面に基づいて、本開示の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における画像処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像処理装置1は、制御部11、記憶部12、メディア入出力部13、通信制御部14、入力部15、表示部16、周辺機器I/F部17等が、バス18を介して接続される汎用のコンピュータで実現される。但し、これに限ることなく、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access Memory)、フレームメモリ(Frame Memory)等によって構成される。CPU、GPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM、フレームメモリ上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各装置を駆動制御し、画像処理装置1が行う後述する処理(図2参照)を実現する。
GPU及びフレームメモリは、例えば、画像処理装置1のビデオカードに搭載される。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAM、フレームメモリは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)等であり、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(Operating System)等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAM、フレームメモリに移され、CPU、GPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部13(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(-ROM、-R、-RW等)、DVDドライブ(-ROM、-R、-RW等)等のメディア入出力装置を有する。通信制御部14は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。ネットワークは、有線、無線を問わない。
入力部15は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。表示部16は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。なお、入力部15及び表示部16は、タッチパネルディスプレイのように、一体となっていてもよい。
周辺機器I/F(Interface)部17は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部17を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部17は、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394やRS-232C等によって構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。バス18は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
次に、図2~図9を参照しながら、画像処理装置1の動作について説明する。
図2は、画像処理装置1の全体動作を示すフローチャートである。
まず、画像処理装置1の制御部11は、処理対象の画像データfを入力する(図2のステップS1)。画像データfは、生体内に信号(超音波エコーの場合は超音波信号、OCTの場合は光信号)を送信し、生体内で反射された反射信号(エコー)を複数配列(例えばライン状に配列)した検出器により受信することで得られる、生体内部の様子を可視化した画像であり、代表的には、超音波エコー画像やOCT画像である。
図3は、画像データfを表す図である。画像データfは、座標x、座標yを変数とした関数f(x、y)として表される。f(x、y)の各画素(x、y)には、各位置の反射信号の信号強度が輝度値として保持される。ここで、画像データfの座標系を規定する2つの軸方向(x方向、y方向)のうち、深さ方向(信号の送信方向)に対応した軸方向をy方向(第1の軸方向)と定義し、検出器の並び方向と対応した軸方向をx方向(第2の軸方向)と定義する。
続いて、制御部11は、画像データfに対して、深さ方向(y方向)に1次元の周波数変換を施し、画像データfを周波数データFに変換する(図2のステップS2)。周波数変換としては、例えば、フーリエ変換やウェーブレット変換を用いることができるが、これらに限定されない。
図4は、周波数データFを表し、特に、図3の画像データfを深さ方向(y方向)に1次元の周波数変換を施して得られる周波数データFを表す。深さ方向(y方向)を周波数領域に変換したため、同方向が周波数軸方向(v方向)となる。
また制御部11は、図4に示すように、周波数データFのv方向中央が0次成分F(x、0)、その両隣が1次成分F(x、1)、F(x、-1)、更にその両隣が2次成分F(x、2)、F(x、-2)・・・となるように、周波数成分の並び替えを行う。すなわち、v方向中央から離れるに従って周波数が高くなるように周波数成分を並び替える。
なお、制御部11は、画像データfを深さ方向(y方向)に周波数変換を施したあと、更に、検出器の並び方向(x方向)に周波数変換を施してもよい。すなわち、画像データfに対して、深さ方向(y方向)および検出器の並び方向(x方向)の2次元の周波数変換を施してもよい。
続いて、制御部11は、周波数データFのうち、低周波数の周波数データを検出器の並び方向(x方向)で平滑化し、低周波成分が平滑化された周波数データを生成する(図2のステップS3)。図5~図7を参照してこの処理を説明する。
まず、図5(a)に示すように、制御部11は、周波数データFから、0次(直流)~2次の低周波成分F(x、v)(v=-2~2)を取り出し、各低周波成分に対して検出器の並び方向(x方向)で平滑化を行い、図5(b)に示すように、平滑化された低周波成分F’(x、v)(v=-2~2)(平滑化周波数データ)を得る。
平滑化の方法は特に限定されないが、例えば、制御部11は、各低周波成分F(x、v)(v=-2~2)に対して、x方向に対して周波数変換を行い、0次~2次成分のみを通過する理想低域通過フィルタ(遮断周波数=3次)を施すことで、各低周波成分を平滑化する。或いは、バターワースフィルタ(遮断周波数=3次)をかけることで平滑化を行ってもよい。
図6は、平滑化前と平滑化後の0次成分(直流成分)を比較プロットした図である。平滑化によって、各検出器の信号の平均値に相当する0次成分(直流成分)が、検出器の並び方向(x方向)で平滑化されるため、各検出器で得られる信号の平均値が均一化される。これにより、図の矢印で示すように、血管等の存在で低下した深さ方向の低周波成分が回復する。
そして、制御部11は、図7に示すように、平滑化された低周波成分F’(x、v)(v=-2~2)(平滑化周波数データ)を、元の周波数データFの同じ位置に埋め込んだ周波数データF’を生成する。
図2のフローチャートの説明に戻る。
続いて、制御部11は、平滑化により低周波数成分が回復した検出器の並び方向(x方向)の領域(以下「低周波回復領域」と呼ぶ。)を特定する(図2のステップS4)。
例えば、制御部11は、平滑化前の0次成分F(x、0)と平滑化後の0次成分F’(x、0)との値の差が所定の閾値を連続して超える検出器の並び方向(x方向)の領域を、低周波回復領域として特定する。これにより、図8に示すように、低周波回復領域R1(x~xの領域)、R2(x~xの領域)が特定される。
なお、上記例では、平滑化前・後の0次成分を比較することで低周波回復領域を特定しているが、平滑化前・後の0次成分、1次成分を合成した成分同士、或いは平滑化前・後の0次成分~2次成分を合成した成分同士を比較することで、低周波数回復領域を特定してもよい。
ここで、低周波回復領域R1、R2では、低周波成分が回復しているので、縦縞状に現れる血管の陰影は低減され、血管の位置より下部の部分での濃度の低下は抑制される。しかし、血管等の存在で、それより深い部分での中間周波数帯域の信号成分も低下している。
そこで、制御部11は、特定した低周波回復領域R1、R2に関して、中間周波数帯域の成分を強調させることで、低下した中間周波数帯域の信号成分も回復させる(図2のステップS5)。
例えば、制御部11は、図9に示すように、あらかじめ設定された所定の中間周波数帯域vm1~vm2(例えば、画像データfの深さ方向yの画素数を512とした場合(ナイキスト周波数=256(次))、vm1=3(次)、vm2=170(次)などに設定)の利得(ゲイン)を1.0以上とした帯域通過フィルタを生成し、周波数データF’の低周波回復領域R1、R2(図10参照)に対して、この帯域通過フィルタをかける。この際、利得を大きくしすぎると検出器の並び方向(x方向)で違和感のある縦縞が現れるので、中間周波数帯域における利得は1.1~1.2倍程度とすることが望ましい。
また、深さ方向(y方向)の雑音成分の低減するために、図9に示すように、高周波数帯域の利得を下げる(1.0未満とする)ことが望ましい。高周波数帯域とは、少なくとも、中間周波数帯域の上限周波数vm2より高い周波数帯域のことを指す(「vm2<v≦ナイキスト周波数」を満たす周波数帯域)。ゲインを下げる高周波数帯域は、抑制したい雑音成分の周波数に応じて適宜設定される。
そして、制御部11は、低周波回復領域R1、R2にこの帯域通過フィルタをかけた後の周波数データF’に対して、周波数逆変換を施し、補正後の画像データf’を出力する(図2のステップS6)。周波数逆変換とは、例えば、ステップS2における周波数変換がフーリエ変換の場合は、逆フーリエ変換であり、周波数変換がウェーブレット変換の場合は、逆ウェーブレット変換である。
以上の処理により出力された画像データf’は、入力された画像データfの反射信号の強度低下部が補正された画像である。
図11は、補正の効果を示す図である。図11左は、補正処理前の画像データf(網膜内部のOCT画像)を表した図であり(図13と同じ画像)、図11右は補正処理後の画像データf’を表した図である。図11左(補正処理前)では、血管の影響によってその背部の反射信号の強度が低下しており、可視化精度が悪化しているのに対し、図11右(補正処理後)では、低周波成分の平滑化によって、反射信号の信号強度が回復し、血管背後の視認性が改善されていることが確認できる。
以上、図面を参照しながら本実施の形態について説明した。本開示の実施の形態によれば、超音波エコー画像やOCT画像などの画像データfに対して、深さ方向yに周波数変換処理を施し、周波数データFに変換する(図2のステップS2)。このとき得られた0次成分(直流成分)は各検出器で得られた信号の平均値となる。よって、この0次成分(直流成分)を検出器の並び方向xで平滑化し(図2のステップS3)、その後、周波数逆変換処理を施す(図2のステップS6)ことで、各検出器で得られる信号強度の平均値が均一化され、反射信号の強度低下部が補正された画像データf’を得ることができる。これにより、例えば、超音波エコー画像では高吸収体の背部の視認性が改善され、病態の把握が容易となる。また、OCT画像では血管像によって困難となっていた視神経乳頭孔の確認が容易となり、糖尿病などの疾患の診断能を改善することができる。本実施の形態の処理は、反射信号の強度低下部(陰影部分)を検出する処理等を一切必要とせず、また、反射信号に基づくイメージング技術全般に適用できるため、汎用性が高く、かつ、簡単な処理によって、反射信号の信号強度が低下した部分を補正することが可能となる。
また、1次・2次成分は、信号伝搬方向に対する信号強度の緩やかなトレンド成分となっており、この成分に対しても同様に平滑化をかける(図2のステップS3)ことで、反射信号の強度低下部の補正精度を更に改善させることができる。
また、低周波成分が回復した領域に関して、中間周波数帯域の成分を増幅させることで、信号成分が低下した中間周波数帯域の信号成分も回復させることができる(図2のステップS4、S5)。同時に、高周波数帯域の成分を低減させることで、高周波数帯域に含まれるノイズの影響を抑えることができる。
なお、前述したように、図2のステップS2において、制御部11は、画像データf’に対して、2次元の周波数変換を施してもよい。この場合、制御部11は、検出器の並び方向での平滑化処理(図2のステップS3)を、実領域ではなく、周波数領域で実行する。また、図2のステップS6において、制御部11は、周波数データF’に対して、2次元の周波数逆変換を施し、補正後の画像データf’を出力する。2次元の周波数逆変換とは、例えば、ステップS2における周波数変換が2次元フーリエ変換の場合は、2次元逆フーリエ変換であり、周波数変換が2次元ウェーブレット変換の場合は、2次元逆ウェーブレット変換である。
また、超音波エコー画像、OCT画像などの医療分野における画質改善に本開示の方法を適用する例を主に説明したが、本発明の適用対象はこれらに限定されない。本発明は、冒頭に述べた課題と同様の課題を有する分野に適用可能である。例えば、本発明を、エコー技術を用いた非破壊検査(超音波探傷試験、SAT試験など)における画質改善に適用することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置等の好適な実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
1 :画像処理装置
f :補正前の画像データ
f’ :補正後の画像データ
F :周波数データ
F’ :低周波成分が平滑化された周波数データ
R1 :低周波回復領域
R2 :低周波回復領域

Claims (7)

  1. 計測対象内から反射された反射信号を複数の検出器により受信して得られる、計測対象内を可視化した画像データを補正する画像処理装置であって、
    前記画像データに対して、当該画像データの座標系を規定する2つの軸方向のうち、深さ方向に対応する軸方向である第1の軸方向に周波数変換処理を施して、周波数データに変換する周波数変換部と、
    前記周波数データのうち、少なくとも0次を含む低周波数の周波数データを前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向で平滑化し、平滑化周波数データを生成する平滑化部と、
    前記平滑化周波数データを含む周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを出力する周波数逆変換部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記平滑化部は、更に、1次の周波数データを平滑化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記平滑化部は、更に、2次の周波数データを平滑化することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 平滑化により低周波数成分が回復された第2の軸方向の領域を、低周波回復領域として特定する回復領域特定部と、
    前記平滑化周波数データを含む周波数データの前記低周波回復領域において、あらかじめ設定された所定の中間周波帯域の成分を強調させるフィルタ処理部と、を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記フィルタ処理部は、所定の中間周波帯域の成分を増幅させるとともに、あらかじめ設定された所定の高周波数帯域の成分を低減させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. コンピュータが、計測対象内から反射された反射信号を複数の検出器により受信して得られる、計測対象内を可視化した画像データを補正する画像処理方法であって、
    前記画像データに対して、当該画像データの座標系を規定する2つの軸方向のうち、深さ方向に対応する軸方向である第1の軸方向に周波数変換処理を施して、周波数データに変換する周波数変換ステップと、
    前記周波数データのうち、少なくとも0次を含む低周波数の周波数データを前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向で平滑化し、平滑化周波数データを生成する平滑化ステップと、
    前記平滑化周波数データを含む周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを出力する周波数逆変換ステップと、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  7. コンピュータを、計測対象内から反射された反射信号を複数の検出器により受信して得られる、計測対象内を可視化した画像データを補正する画像処理装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記画像データに対して、当該画像データの座標系を規定する2つの軸方向のうち、深さ方向に対応する軸方向である第1の軸方向に周波数変換処理を施して、周波数データに変換する周波数変換部、
    前記周波数データのうち、少なくとも0次を含む低周波数の周波数データを前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向で平滑化し、平滑化周波数データを生成する平滑化部、
    前記平滑化周波数データを含む周波数データに対して、周波数逆変換処理を施して、補正後の画像データを出力する周波数逆変換部、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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