JP5002260B2 - 医用画像診断装置 - Google Patents

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本発明は、医用画像診断装置に係り、具体的には、IMTを計測する医用画像波診断装置に関する。
医用画像診断装置の1種である超音波診断装置は、探触子を介して被検体との間で超音波を送受波し、被検体から発生する反射エコー信号に基づき超音波像(例えば、Bモード像)を再構成して画像データを取得する。
このような超音波診断装置において、動脈硬化や血管性疾患などを早期に発見するために、血管壁の内膜中膜複合体厚(以下、IMT:Intima Media Thickness)を計測することが行われる。血管壁は、血液が流れる内腔側から順に血管の内膜、中膜、外膜の三層構造に形成されている。IMTとは、内膜の厚みと中膜の厚みの和、つまり内膜の内壁から外膜の内壁までの距離である。
IMTを計測する超音波診断装置では、例えば、画像データの血管壁の厚み方向の輝度分布を取得し、その輝度分布の最大輝度を有する極大点を外膜基準点と設定する。また、血管の内腔側に近い輝度の極大点であって輝度勾配が最も大きな点を内膜基準点として設定する。そして、これらの基準点に基づいて内膜と外膜の領域を抽出し、抽出された2つの領域に基づいて血管の内膜と中膜の複合厚みを計測することが行われている。(例えば、特許文献1参照)。
国際公開WO2005/087111号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように内膜基準点を設定すると、IMT計測の精度を良好に保てない場合が考えられる。
すなわち、IMT計測を行う画像データの血管内腔部分にはノイズがのることが多く、特許文献1の技術では、このノイズにより輝度分布に生じた極大点を内膜基準点と誤って判定するおそれがある。これにより、内膜領域の検出精度、ひいてはIMT計測の精度を良好に保てない場合も考えられる。
本発明の課題は、IMT計測の精度を向上させた医用診断装置を実現することにある。
上記課題を解決するため、本発明の医用診断装置、被検体の血管を含む画像データに基づいて血管壁の厚み方向の輝度分布を取得する輝度分布取得手段と、輝度分布に基づいて、外膜基準点及び内膜基準点を設定する設定手段と、外膜及び内膜基準点に基づいて、血管の外膜及び内膜の領域を抽出する抽出手段と、抽出された2つの領域に基づいて血管の内膜と中膜の複合厚みを計測する計測手段と、計測結果を表示する表示部と、を備えて構成されている。
そして、設定手段は、輝度分布に現れる極大点のうち、最大輝度を有する極大点を外膜基準点として設定し、この外膜基準点から血管内腔側に設定距離離した位置に探索起点を設け、この探索起点から血管内腔側に探索して次に現れる極大点を内膜基準点として設定することを特徴とする。
これによれば、外膜基準点となる極大点から血管内腔側に設定距離離した位置に探索起点を設け、この探索起点から血管内腔側に探索して次に現れる極大点を内膜基準点として設定するので、画像データの血管内腔部分にノイズがのって輝度分布に本来不要な極大点が生じたとしても、内膜基準点を誤判定するおそれがなくなる。つまり、血管内腔側に近い箇所で内膜基準点を探索するのではなく、探索起点から血管内腔側に向かって探索するので、ノイズによる極大点が生じる箇所を探索する前に正しい内膜基準点を判定して設定することができる。その結果、IMT計測の精度を向上させることができる。
なお、探索起点は、外膜基準点から血管内腔側に0.3〜0.4mm程度離した位置設けことが好ましい。
これによれば、仮に、何らかの影響によるノイズなどに起因して、外膜基準点となる極大点より血管内腔側の近接した位置に極大点が生じたとしても、これを内膜基準点と誤判定することを抑制することができる。一般的に、IMT値は年齢と共に厚くなっていくが、20歳前半のIMT値の最小値は0.3〜0.4mm程度である場合が多く、また、外膜基準点となる極大点から設定距離内、例えば0.3〜0.4mm以内に生じる極大点はノイズなどによるものである場合が多い。したがって、この設定距離内を探索の対象外とすることで、これらの誤判定の要因となるものを排除することができる。設定距離は、被検体の血管壁の状態などに応じて適宜可変で設定することができる。
また、上記課題を解決する本発明の医用画像診断装置において、被検体の血管を含む画像データに基づいて生成された医用画像を表示部に表示させ、表示部に表示された医用画像上の血管壁の厚み方向に検出線を設定する手段と、検出線と交わる探索基準線を設定する手段とを備え、輝度分布取得手段では、検出線に沿った輝度分布を取得する構成とし、探索基準線は、輝度分布における検出線と交点が探索起点となるように設定することもできる。
これによれば、操作者は表示部の血管の画像を参照しながら任意の箇所に検出線を設定して輝度分布を取得することができるので、適切な輝度分布を得ることが容易になり、診断の自由度を向上することができる。また、操作者は画像を参照しながら血管の内膜に相当すると思われる箇所に検出線と例えば直交して交わる探索基準線としてマークをすることができる。そして、設定手段は、検出線と探索基準線の交点、つまり操作者の判断によるマーク位置から最も近い極大点を内膜基準点として設定するので、内膜基準点の設定の精度をより一層向上することができる。
このように特に内膜基準点の設定について手動による要素を付加して設定精度を向上させるものであるので自動で基準点の設定をする構成と組み合わせることもできる。つまり、まずは自動プログラムによる計測を行って、計測結果に懐疑が生じる場合に、手動による要素を含む半自動プログラムに切り替え可能とすることなどができる。
さらに、検出線に沿った輝度分布のグラフ画像、及び検出線を含む設定領域の医用画像を拡大した画像の少なくとも一方を、表示部に表示させることができる。
このように、検出線付近の血管画像を拡大してリアルタイムに補助的に表示することで、操作者が検出線や探索基準線などを設定し易くなる。また、輝度分布のプロファイルデータのグラフ画像を参照しながら検出線の位置を設定することができるので、容易に計測に適した輝度分布を取得することができる。その結果、IMT計測の精度を向上させることができる。
また、上記課題を解決する本発明の医用画像診断装置においては、IMT計測における領域抽出法としてリージョングローイング(Region Growing)法を用いることができる。リージョングローイング法とは、抽出すべき領域内に基準点を設定し、その基準点の輝度との輝度差が設定範囲に属する画素を抽出する方法である。したがって、IMTを計測する場合、画像データの血管壁の厚み方向の輝度分布から外膜基準点と内膜基準点を設定し、各基準点の輝度との輝度差が設定範囲に属する画素を抽出することにより、外膜に対応する画素で形成される領域や、内膜に対応する画素で形成される領域を抽出できる。
ここで、外膜の領域の抽出に関する設定範囲である設定閾値は、外膜基準点と内膜基準点との間に設定された第1関心領域内の平均輝度と外膜基準点の輝度との輝度差として、内膜の領域の抽出に関する設定範囲である設定閾値は、血管内腔に相当する位置に設定された第2関心領域内の平均輝度と内膜基準点の輝度との輝度差とすることが好ましい。
すなわち、血管壁の中膜の音響インピーダンスよりも外膜の音響インピーダンスの方が比較的大きいのが一般的であるから、中膜の画素と外膜の画素の輝度差が大きくなる。また、血管の内腔の音響インピーダンスよりも内膜の音響インピーダンスの方が比較的大きいのが一般的であるから、内腔の画素と内膜の画素との輝度差が大きくなる。
したがって、第1関心領域内の平均輝度と外膜基準点の輝度との輝度差、第2関心領域内の平均輝度と内膜基準点の輝度との輝度差を設定閾値として用いることができる。また、これにより被検体ごとに設定閾値が設定されるので、被検体に個体差があるときでも、IMTを精度よく計測できる。
本発明によれば、IMT計測の精度を向上させた医用診断装置を実現することができる。
以下、本発明を適用してなる医用画像診断装置の一例として、超音波診断装置による実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一機能部品については同一符号を付して重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1実施形態は、超音波像に対し領域抽出法としてリージョングローイング法を適用することによりIMT(内膜中膜複合体厚)を計測する一例である。図1は、本実施形態の超音波診断装置のブロック図である。
図1に示すように、超音波診断装置1は、被検体(例えば、血管)に係る超音波像を撮像する撮像手段を備えている。撮像手段は、被検体との間で超音波を送受する探触子10と、探触子10に駆動信号を供給すると共に探触子10から出力される反射エコー信号を受信処理する送受信部12と、送受信部12から出力される反射エコー信号をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換部14(以下、AD変換部14という。)と、AD変換部14から出力される反射エコー信号を整相加算する整相加算部16と、整相加算部16から出力される反射エコー信号に基づき超音波像(例えば、断層像)を再構成する画像構成部18と、画像構成部18により再構成された超音波像を画像データとして記憶する記憶手段20(以下、画像メモリ20という。)と、画像メモリ20から読み出した超音波像を表示させる表示部22などから構成される。また、送受信部12、AD変換部14、整相加算部16、画像構成部18、画像メモリ20、表示部22などに制御指令を出力する制御部24が設けられている。
制御部24は、血管の内膜中膜複合体厚(IMT)を計測する機能を有する。例えば、図1に示すように、制御部24は、輝度分布取得手段25と、設定手段26と、抽出手段28と、演算手段30を備えている。輝度分布取得手段25は、画像メモリ20から読み出された血管に係る断層像の血管壁の厚み方向の輝度分布を取得する。本発明の特徴部である設定手段26は、輝度分布に基づいて、外膜基準点及び内膜基準点を設定する。この基準点の設定の詳細については後述する。
抽出手段28は、内膜基準点又は外膜基準点を含む設定領域の各画素について輝度が設定範囲に属する画素を抽出する。演算手段30は、内膜基準点に基づき抽出された画素で形成される領域の血管壁側の境界(内膜の内壁)と、外膜基準点に基づき抽出された画素で形成される領域の内腔側の境界(外膜の内壁)との距離を演算する。
なお、輝度分布取得手段25、設定手段26、抽出手段28、及び演算手段30は、指令が記述されたプログラムとして実現され、制御部24の例えばDSP(Digital Signal Processor)に書き込まれている。また、制御部24に操作卓32が接続されている。操作卓32を介して入力パラメータが制御部24に転送される。
このように構成される超音波診断装置1の基本動作について説明する。被検体の体表に探触子10を接触させる。次いで、制御部24の指令に応じて、送受信部12から探触子10に駆動信号が供給される。これによって、探触子10から例えば頸動脈に超音波が送波される。頸動脈により反射された超音波は、探触子10に反射エコー信号として受波される。受波された反射エコー信号は、送受信部12により増幅処理などが施される。送受信部12から出力される反射エコー信号は、AD変換部14によりディジタル信号に変換された後、整相加算部16により整相加算処理が施される。整相加算部16から出力された反射エコー信号は、画像構成部18により検波などが施されることによって断層像として再構成される。再構成された断層像は、画像データとして画像メモリ20に記憶される。記憶された超音波像は、制御部24の指令に応じて読み出されることによって表示部22に表示される。
このような超音波診断装置においては、動脈硬化や血管性疾患などを早期に発見するために、血管壁のIMTが計測される。血管壁は、後述するように、血液が流れる血管内腔側から順に血管の内膜、中膜、外膜の三層構造に形成されている。IMTとは、内膜の厚みと中膜の厚みの和、つまり内膜の内壁と外膜の内壁との距離である。本実施形態では、血管の断層像に対し領域抽出法としてリージョングローイング法を適用することにより、内膜の内壁と外膜の内壁を的確に検出してIMTの計測精度を向上させる。
このリージョングローイング法について説明する。抽出手段28は、設定された関心領域内の1点を基準点(x,y)として設定し、領域内の画素値の幅を認識させるため閾値、或いはその幅の設定を行う。例えば、表示部22に表示される基準点の画素値「n」に対し幅「m」と設定する(n,mは任意の整数)。したがって、閾値幅は「n±m」で与えられ、下限閾値は「n−m」、上限閾値は「n+m」となる。制御部24は基準点の周囲の画素を検索し、閾値の範囲内の画素値をもつ領域をつないでいく。最終的に基準点を含み閾値の範囲内の画素値をもつ領域が得られる。この領域は、表示部22に表示される。
次に、本実施形態の特徴部である設定手段26の詳細について、IMTの計測処理とともに図2乃至図8を参照して説明する。図2(A)は、被検体の例えば頚動脈などの血管を撮像して表示部22に表示される超音波断層像の一部を模式的に示す図である。図2(B)は、表示部22上で操作者が設定した検出線34に沿った輝度分布を模式的に示す図である。
図3(A)は、図2で示した頚動脈などの血管の構成及び輝度分布をさらに詳細に説明する図である。図3(B)は、図3(A)の血管壁の厚み方向の輝度分布線51であり、縦軸は深度、横軸は輝度値を示している。
図3(A)に示すように、頸動脈は、血液が流れる血管の内腔40を環状に取り囲む血管壁により形成される。血管壁は、内腔40側から順に血管の内膜42、中膜44、外膜46の3層構造に形成されている。ここで、内膜42の厚みと中膜44の厚みを足したものをIMT48と称している。換言すれば、IMT48は、血管の外膜46の内壁に対し垂直となる直線上の内膜42と中膜44の厚みの和と定義されている。また、説明の便宜のため、被検体の体表に接触させた探触子10に近い側の血管壁をニアウォール(Near Wall)と称し、探触子10に遠い側の血管壁をファーウォール(Far Wall)と称する。
図4は、IMT計測の大まかな処理の流れを説明するフローチャートである。IMT計測が開始されると、まず、制御部24の指令に応じ、画像メモリ20に記憶されている超音波像が読み出され、表示部22に表示される(S101)。操作者は表示部22に表示されている超音波像を参照しながら、操作卓32のマウスなどによって、ROI36と輝度情報プロファイルデータを取得する検出線34を設定する(S102)。なお、超音波像を表示部に表示させずROI36,検出線34を自動設定させることも可能である。また、検出線34はROI36の領域内で自由に移動させることが可能である。また、マウスに限らず、キーボード,タッチパネル,トラックボールなど様々な入力デバイスを用いることができる。
次に、設定された検出線34に沿った輝度情報のプロファイルデータが取得され(S103)、輝度情報プロファイルデータの最高輝度を有するピーク位置、つまり極大点54に相当する位置が外膜基準点64(以下、外膜SP(Source Point)64という。)として設定手段26により設定される(S104)。
次に、外膜SP64から血管の内腔40側に向かって極大点が探索され、最初に現れる極大点56に相当する位置が内膜基準点66(以下、内膜SP(Source Point)66という。)として設定手段26により設定される(S105)。
続いて、取得された内膜SPと外膜SPに基づいて、詳細を後述するリージョングローイング法で内膜と外膜のトレース処理が行われ(S106)、トレース処理により得られた位置データからIMT値の演算処理(S107)が行われる。
これによれば、外膜SP64となる極大点54から血管内腔側に向かって探索して次に現れる極大点を内膜SP66として設定するので、図2(B)に示すように画像データの血管内腔部分にノイズ55がのって輝度分布に本来不要な極大点が生じたとしても、従来技術のように、このノイズ55による極大点を内膜SP66と誤判定するおそれがなくなる。
つまり、血管内腔側に近い箇所で内膜SPとなる極大点を探索するのではなく、外膜SP64となる極大点54から血管内腔側に向かって順に探索するので、ノイズによる極大点が生じる箇所を探索する前に正しい内膜SPの極大点56を判定して設定することができる。その結果、IMT計測の精度を向上させることができる。
以下、外膜SP64及び内膜SP66が設定された後の処理(S106に相当する処理)の詳細を以下に説明する。図5は、ファーウォールの内膜42の内壁を求める処理を示すフローチャート、図6の上段は図5の処理を表示画面で説明する図、下段は図5の処理結果を示す表示例である。なお、ニアウォールのIMTを計測する場合も基本的に同様である。
図5及び図6に示すように、制御部24の指令に応じ、リージョングローイング法により内膜42に対応する画素(ピクセル)を抽出するための閾値σ1が抽出手段28により設定される(S201)。例えば、内膜SP66よりも内腔40側に5ピクセル離れ、かつ内膜SP66から血流の流れ方向に3ピクセル、血流の流れ逆方向に3ピクセルの幅を有した矩形領域57が設定される。なお、矩形のほかさまざまな形態の領域を設定してもよい。要は、内腔40に相当する位置に領域を設定すればよい。次いで、矩形領域57における画素の平均輝度B0が求められる。求められた平均輝度B0と内膜SP66の輝度B1の輝度差の絶対値が閾値σ1として設定される。また、平均輝度B0に代えて、加重平均などを用いてもよい。
閾値σ1に基づき、内膜42に相当する画素で形成される領域が、抽出手段28により抽出される。本実施形態では、領域抽出法としてリージョングローイング法が適用される。例えば、内膜SP66に隣接する画素について、その画素の輝度B2と内膜SP66の輝度B1との輝度差の絶対値が求められる。求められた値と閾値σ1が比較される(S202)。輝度差の絶対値が閾値σ1よりも小さいとき、輝度B2を有する画素は内膜42に相当するものであると判断されることによって、輝度B2を有する画素が抽出される(S203)。
なお、輝度差が閾値σ1よりも大きいとき、画素は抽出されない。要するに、閾値σ1を基準にすることにより、平均輝度B0から内膜SP66の輝度B1までの設定範囲に属する画素が抽出される。このような処理が、内膜SP66を含むROI36の各画素(i,j)に対し順次行われる。なお、「i」は超音波像の横軸のピクセル値、「j」は縦軸のピクセル値である。また、抽出処理を施す領域を超音波像全体の領域としてもよいし、ROI36内に更に設定した特定領域に限定してもよい。
このようなS202とS203の処理によって、内膜42に対応する画素が抽出手段28により抽出される。したがって、図6の下段に示すように、抽出された画素により抽出領域58が形成される。抽出領域58の内腔40側の境界が内膜42の内壁60に対応する。なお、抽出領域58や内壁60に対応する画素をカラー表示してもよい。
内壁60に対応する境界は、画素単位で求められている。したがって、内壁60に対応する境界の座標データに対し、演算手段30により最小2乗法や近似曲線化などの補間処理が施される(S204)。補間処理が施された座標データは、内膜42の内壁60の位置データとして記憶される(S205)。なお、位置データの記憶領域として、制御部24に備えたバッファ領域が使用される。
図7は、外膜46の内壁を求める処理を示すフローチャート、図8の上段は図7の処理を表示画面で説明する図、下段は図7の処理結果を示す表示例である。
図7に示す処理は、リージョングローイング法により輝度が設定範囲に属する画素を抽出する点で図5に示す処理と同様であるが、閾値の設定が異なる。まず、外膜46と中膜44との境界を求めるための閾値σ2が、抽出手段28により設定される(S301)。例えば、図8に示すように、外膜SP64と内膜SP66との間に位置し、かつ外膜SP64から血流の流れ方向に3ピクセル、および血流の流れ逆方向に3ピクセルの幅を有した矩形領域59が設定される。
なお、断層像では、内膜42に対応する画素と中膜44に対応する画素の輝度はほとんど同じであるため、内膜42に相当する位置に矩形領域59(例えば、内膜SP66を含む領域)を設定してもよい。要は、外膜46から中膜44(又は内膜42)にわたる領域を設定すればよい。
次に、矩形領域59における画素の平均輝度C0が抽出手段28により求められる。求められた平均輝度C0と外膜SP64の輝度C1の輝度差が閾値σ2として設定される。そして、図5に示す処理と同様に、外膜SP64を含むROI36の画素(i,j)に対し画素の抽出処理が行われる(S302,S303)。例えば、抽出対象の画素の輝度と外膜SP64の輝度C1との輝度差が設定範囲に属するとき、抽出対象の画素が抽出される。
ここで、設定範囲は、平均輝度C0から外膜SP64の輝度C1までの範囲である。抽出された画素で形成される抽出領域68は、外膜46に相当する。したがって、抽出領域68の内腔40側の境界の座標データに対し、演算手段30により補間処理を施した後(S304)、その座標データは外膜46の内壁62の位置データとして記憶される(S305)。
このような図5乃至図8に示した処理によって得られた位置データに基づき、演算手段30によりIMTが演算される。例えば、図5のS205で記憶された内膜42の内壁60の位置データと、図7のS305で記憶された外膜46の内壁62の位置データとに基づき、内膜42の内壁60と外膜46の内壁62との距離が、演算手段30により求められる。なお、IMTは、血管の外膜内壁に対し垂直となる直線上であって、内膜42の厚みと中膜44の厚みの和、つまり内膜42の内壁60から外膜46の内壁62までの距離として定義されている。また、血管壁の所定位置のIMTを計測するほか、血管の血流の流れ方向におけるIMTの変化率などを計測してもよい。
一般に、血管の内腔40の音響インピーダンスよりも内膜42の音響インピーダンスは比較的大きいから、超音波像の内腔40の画素と内膜42の画素の輝度差が大きくなる。また、血管の中膜44の音響インピーダンスよりも外膜46の音響インピーダンスは比較的大きいから、超音波像の中膜44の画素と外膜46の画素の輝度差も大きくなる。
したがって、本実施形態によれば、抽出すべき内膜42や外膜46に対応する画素の輝度の設定範囲が適切に設定されているため、内膜42や外膜46に対応する画素を抽出できる。その結果、抽出領域58や抽出領域68の座標データから、内膜42の内壁60や外膜46の内壁62の位置データが的確に検出されるため、IMTが精度よく計測される。
また、本実施形態では、閾値σ1として、内膜SP66の輝度B1と内腔40に相当する矩形領域57の平均輝度B0との輝度差が設定される。閾値σ2として、外膜SP64の輝度C1と中膜44に相当する矩形領域59の平均輝度C0との輝度差が設定される。換言すれば、血管に係る断層像から閾値σ1や閾値σ2を設定するため、被検体ごとに閾値σ1と閾値σ2が設定されることになる。したがって、被検体に個体差があるときでも、IMTが精度よく計測される。
また、矩形領域57,59を断層像上で設定することに代えて、ROI36に対して予め決めた位置に自動設定することにより、閾値σ1や閾値σ2が自動的に設定されることになり、装置の使い勝手が向上する。
また、ニアウォール、ファーウォールの識別は設定領域内の輝度分布線51により自動的に決定することができる。例えば、設定領域を上下二等分したそれぞれの領域において、輝度値の総和が小さい方を血管内腔側と定義し、内腔が設定領域の下側にあればニアウォール、上側にある場合はファーウォールと自動認識することにより、上述のIMT計測を行うことができる。
上述では、ニアウォール、ファーウォールいずれかについてIMTの計測を行ったが、2つのウォールのIMTの計測を組み合わせて行ってもよい。具体的には、ニアウォール、ファーウォールをそれぞれ個別にIMTの計測を行い、ニアウォール及びファーウォールのIMTの計測値を比較する。そして、どちらか大きい計測値をその断面のIMTの計測値とする。また、ニアウォール及びファーウォールのIMTの計測値の平均値を、その断面のIMTの計測値としてもよい。IMTの計測値は軸方向によって様々な値になるため、ニアウォール及びファーウォール2つのIMTの計測値で求めることにより、精度を高めることができる。
IMTの計測は、領域抽出法で抽出された内膜42の内壁60、外膜46の内壁62に基づいて行われる。通常のIMTの計測は、血管軸方向に対し垂直方向の1ラインで行われる。本実施形態では、内膜42の内壁60、外膜46の内壁62を抽出した領域内において、演算手段30はIMTの平均値や、最大値、最小値の演算を行い、その値が表示部22に表示される。そして、最大値、最小値においては、抽出領域の最大値、最小値の箇所が表示部22上にマークされる。例えば、図3に示すように、最小値は白矢印61、最大値は黒矢印63として表示される。 このようにIMTの最大値を計測することにより、抽出領域内において、悪性部位を診断することができる。また、IMTの平均値を計測することにより、抽出領域の一部の画像にノイズ信号が載ったとしても、ノイズ信号の影響を最小限に抑えることができる。
また、内膜SP,外膜SPの設定は、操作卓32で任意に行ってもよい。また上述では、超音波診断装置で計測することを示したが、例えばCT装置、MR装置、レントゲン等の医用画像診断装置においても同様に、領域抽出法を用いてIMTの計測を行うことができる。
(第2の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、設定手段26による内膜SP66の設定処理の部分のみである。したがって、第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
図9は、輝度分布線51の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態では、設定手段26は、内膜SP66を設定する際に、外膜SP64となる極大点54から血管内腔側に0.3mm離した位置に探索起点65を設けている。そして、探索起点65から血管内腔側に探索して次に現れる極大点56を内膜SP66として設定している。ここで、探索起点65の設定については、距離=1pixelのサイズ×pixel数を用いて行えばよい。また、探索起点65は外膜SP64となる極大点54から血管内腔側に0.3〜0.4mm離した位置に設けるのが好ましい。
すなわち、本実施形態は、何らかの影響によって、極大点54と極大点56との間にノイズによる極大点67が生じた場合に、これを内膜SPと誤判定することを抑制するものである。
一般的に、IMT値は年齢と共に厚くなっていくが、20歳前半のIMT値の最小値は0.3〜0.4mm程度である場合が多く、また、外膜基準点となる極大点から設定距離内、例えば0.3〜0.4mm以内に生じる極大点は測定系の影響などにより発生するノイズによるものである場合が多い。したがって、この設定距離内を探索の対象外とすることで、これらの誤判定の要因となるものを排除することができる。設定距離は、被検体の血管壁の状態などに応じて適宜可変で設定することができる。
これにより、第1の実施形態よりも一層内膜SPの設定精度を向上することができるので、IMT計測の精度をより一層向上することができる。
(第3の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、設定手段26による内膜SP66の設定処理の部分のみである。したがって、第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
図10(A)は、図2(A)と同様に、被検体の例えば頚動脈などの血管を撮像して表示部22に表示される断層像の一部を模式的に示す図である。図10(B)は、図2(B)と同様に、表示部22上で操作者が設定した検出線34に沿った輝度分布を模式的に示す図である。図11は、本実施形態のIMT計測の大まかな処理のフローチャートである。
IMT計測が開始されると、まず、制御部24の指令に応じ、画像メモリ20に記憶されている超音波象が読み出され、表示部22に表示される(S401)。操作者は、表示部22に表示された超音波像を参照しながら、操作卓32のマウスなどによって、画像上にROI36と輝度情報プロファイルデータを取得する検出線34を設定する(S402)。次に、操作者は、超音波像を参照して画像上の内膜位置に検出線34と交差する探索基準線35を設定する(S403)。
次に、設定された検出線34から輝度情報のプロファイルデータが輝度分布取得手段25により取得される(S504)。続いて、設定手段26により輝度情報プロファイルデータの最高輝度を有する極大点54に相当する位置が外膜SP64として設定される(S505)。
また、設定手段26により、探索基準線35と検出線34の交点に相当する操作者設定内膜位置37に最も近いピーク位置、つまり極大点56に相当する位置が内膜SP66として設定される(S506)。以下のS506,S507の処理は、第1実施形態と同様である。
このように、本実施形態では、操作者がROI36,検出線34の設定だけではなく、検出線34に対して交差するように探索基準線35を設定することができるようになっており、設定手段26は、これに基づいて内膜SP66を設定するようになっている。
これによれば、操作者の判断によって設定された探索基準線から最も近い極大点を内膜SPとして設定するので、内膜SPの設定の精度をより一層向上することができる。
なお、本実施形態は、内膜SPの設定について手動による要素を付加して設定精度を向上させるものであるので、第1,第2実施態様のように自動で基準点の設定をする構成と組み合わせることもできる。つまり、まずは自動プログラムによる計測を行って、計測結果に懐疑が生じる場合などに、手動による要素を含む本実施形態の半自動プログラムに切り替え可能とすることなどができる。また、本実施形態では、探索基準線は検出線に対して略直交するような線として設定されているが、これに限らず、検出線との交点位置を特定できるような様々な方法でマークすることが可能である。
(第4の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第4の実施形態について説明する。本実施形態が、第1〜第3の実施形態と異なる点は、操作者が検出線34或いは探索基準線35を設定する際の補助機能を設けることである。したがって、第1〜第3の実施形態と相違する点を中心に説明する。
図12(A)は、図2(A)と同様の超音波断層像に、輝度情報プロファイル表示画面69を重ねて表示する例を示す図である。また、図12(B)は、図2(A)と同様の超音波断層像に、検出線周辺拡大画面83を重ねて熱表示する例を示す図である。
本実施形態では、操作者が表示部22に表示されている超音波像を参照しながら、操作卓32のマウスなどによって検出線34或いは探索基準線35を設定する際に、表示部22上に輝度情報プロファイル表示画面69や検出線周囲拡大画面83などの補助画面を表示し、検出線34或いは探索基準線35設定時の補助機能を提供するものである。検出線周囲拡大画面83は、検出線34を含む設定拡大領域73に対応する領域を拡大した画像である。なお、設定拡大領域73は、操作者が操作卓32のマウスなどによって任意に設定することもできるし、予め定められたサイズで自動設定することもできる。サイズを可変設定することも可能である。
これによれば、操作者は、例えば検出線周囲拡大画面83を参照することにより探索基準線35の設定が容易になるし、輝度情報プロファイル表示画面69を参照することにより検出線34の設定が容易になる。
なお、輝度情報プロファイル表示画面69、検出線周辺拡大画面83などの補助画面を表示する位置は、図12(A),(B)では、表示部22の超音波像画面の右上に表示しているが、表示する位置の指定はない。ROI36や検出線34などの設定に邪魔にならない位置が望ましく、操作者が自由に表示位置を設定,変更することができる。また、輝度情報プロファイル表示画面69と検出線周辺拡大画面83を同一の画像上に表示させることも可能である。
(第5の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第5の実施形態について説明する。本実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、閾値を可変することにある。したがって、第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
第1の実施形態で説明したように、例えば、閾値σ1として、矩形領域57の平均輝度B0と内膜SP66の輝度B1の輝度差が設定される。しかし、矩形領域57の画素に生じたノイズなどに起因して、平均輝度B0に誤差が含まれる場合がある。
この点、本実施形態では、操作卓32を介して閾値σ1を段階的に(又は徐々に)に変化させることにより、抽出領域58の信ぴょう性が高められる。なお、閾値σ2の場合も同様である。例えば、閾値σ1を変化させるGUI(Graphical User Interface)が表示部22に表示される。表示されたGUIを介して対話的に閾値σ1が段階的に増大される。閾値σ1が増大する度に、図5のS202,S203の処理が実行される。これによって、各段階の閾値に対応した抽出領域(例えば、抽出領域S1、S2、S3…)が求められる。求められた抽出領域S1、S2、S3…の各面積が、演算手段30により演算される。さらに各段階の面積の変化率が求められる。求められた変化率を参照すると、その変化率が比較的急激に変化することになる。換言すると、閾値σ1を段階的に変化させる過程で、内膜42だけでなく内腔40に対応する画素も抽出されることにより、抽出領域の面積が急に増大する段階がある。したがって、面積が急に増大する前の段階の抽出領域が、内膜42だけに相当する領域と認定される。なお、面積の変化率に代えて、面積差を求めるようにしてもよい。また、外膜46についても同様である。
本実施形態によれば、閾値σ1を段階的に(又は徐々に)変化させながら、抽出領域の面積が急激に変化するときの抽出領域(又は閾値)を検出できる。したがって、平均輝度B0に誤差が含まれるときでも、抽出領域の信ぴょう性が高まる。また、その検出した閾値を微調整することにより、IMT計測の精度がさらに向上する。
(第6の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第6の実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態が第1〜3の実施形態と異なる点は、内膜SP66が誤って設定されるおそれを低減することにある。したがって、第1〜3の実施形態との相違する点を中心に説明する。
図3(B)に示す輝度分布線51は、例えばノイズなどに起因した極大点が極大点54よりも内腔40側に複数現れると、内膜SP66が内膜42以外に誤って設定される場合がある。そこで、本実施形態では、血管径方向(深度方向)の輝度分布線を血流方向(横方向)にわたって複数取得し、取得した各輝度分布線の平均輝度分布線に基づき内膜SP66を設定する。
例えば、図13に示すように、ROI36内の血管径方向と平行な任意の3方向70、71、72が設定される。設定された各方向70、71、72における輝度分布線70a、71a、72aが、輝度分布取得手段25により取得される。取得された各輝度分布線70a、71a、72aの平均輝度分布線74が求められる。求められた平均輝度分布線74に対して、第1〜3の実施形態と同様の方法により内膜SP66を設定する。
本実施形態によれば、1つの輝度分布線70aがノイズ等の影響を受けたときでも、3つの輝度分布線に基づいた平均輝度分布線74から内膜SP66が設定される。したがって、内膜SP66の設定にノイズが影響することを低減できる。要するに、内膜SP66が内膜42以外に誤って設定されるおそれを低減できる。
なお、3方向の輝度分布線を取得する例を説明したが、取得する輝度分布線の数に制限はなく、線数が増大するほど誤設定のおそれを低減できる。また、平均輝度を求める例を説明したが、その他の統計処理を用いてもよい。要は、横方向の数点を加味した輝度情報の傾向を判断できればよい。また、外膜SP64についても同様に本実施形態を適用できる。
(第7の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第7の実施形態について図14を参照して説明する。本実施形態が第1〜3の実施形態と異なる点は、内膜SP66が誤設定されたとき、その内膜SP66を修正することにある。したがって、第1〜3の実施形態との相違する点を中心に説明する。
図14に示すように、輝度分布線の内腔40側に複数の極大点80、82などが現れると、第2の実施形態で説明した探索起点65を設定したとしても、極大点80が内膜SP66として誤って設定されることがある。設定された内膜SP66に基づきリージョングローイング法などの領域抽出法が行われることにより、内膜42に対応する領域が抽出される。抽出された領域が予め定めた範囲を超える。換言すれば、抽出領域が期待結果から外れることになる。
この点、本実施形態では、内膜SP66として現在設定されている極大点80から、血管の内腔40側の次の極大点82が、内膜SP66として例えば操作卓32を介して、あるいは自動的に再設定される。再設定された内膜SP66に基づき抽出領域が求められる。このような処理が、抽出領域が予め定めた範囲に収まるまで繰り返される。
本実施形態によれば、内膜SP66がより適切に設定される。なお、内膜SP66の再設定については、領域抽出後に行ってもよいし、領域抽出前に行うこともできる。領域抽出前に行う一例としては、内膜SP66として決定された極大点80が明らかに内膜42から外れていると認められるとき、極大点80を極大点82に操作卓32を介して、あるいは自動的に再設定することにより内膜SP66を修正すればよい。なお、外膜SP64の修正についても基本的に同様である。
(第8の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第8の実施形態について図15及び図16を参照して説明する。本実施形態が第1〜3の実施形態と異なる点は、抽出領域の輪郭を強調することにある。したがって、第1〜3の実施形態との相違を中心に説明する。
図15は、本実施形態における超音波診断装置2のブロック図である。図15に示すように、超音波診断装置2は、抽出手段28により抽出された抽出領域の輪郭を強調する信号処理手段88が制御部24に実装されている。信号処理手段88は、アンシャープマスキングなどの信号処理フィルタから構成される。信号処理フィルタはソフトウェアであり、制御部24のDSP(Digital Signal Processor)に実装される。なお、信号処理フィルタとしては、断層像の抽出領域の輪郭を強調するエッジ効果(シャープネス効果)を発揮するものであれば、いずれの形態でもよい。
図16は、信号処理手段88の動作を説明するための断層像の表示例である。図16(A)は、抽出手段28により抽出領域(例えば、内膜42に対応する領域)が抽出された超音波像の表示例である。図16(B)は、輪郭強調処理が施された超音波像の表示例である。
図16(A)においては、血管の内膜42と内腔40との境界、つまり内膜42の内壁がノイズなどに起因して不鮮明になる場合がある。そのような場合、内膜42の内壁の座標データが的確に検出できず、IMTを計測できないおそれがある。
この点、本実施形態によれば、抽出手段28により抽出された領域に対し、信号処理手段88により輪郭強調処理が施される。その結果、図16(B)に示すように、血管の内膜42と内腔40との境界89、つまり内膜42の内壁が、信号処理手段88により強調される。したがって、内膜42と内腔40との境界89が鮮明になるため、境界89の誤検出のおそれを低減でき、内膜42と内腔40との境界89の座標データが的確に取得される。
同様に、外膜46と中膜44との境界90、つまり外膜46の内壁の座標データも的確に取得される。したがって、内膜42の内壁と外膜46の内壁の各座標データからIMTが的確に計測される。また、信号処理手段88の輪郭強調機能を有効又は無効にする指令は、操作者の意思に従って操作卓32を介して制御部24に入力されるようになっている。また、輪郭強調処理が異なる複数のフィルタを信号処理手段88に実装してもよい。これにより、複数のフィルタから所望のフィルタを必要に応じて選択できる。
(第9の実施形態)
本発明を適用した超音波診断装置の第9の実施形態について図17を参照して説明する。この実施形態では、2次元アレイ探触子(図示しない)を用いた超音波診断装置(リアルタイム)や、マルチスライスCT、MRIを適用する。上記の超音波診断装置や、マルチスライスCT、MRIで取得した3次元画像の3次元領域 を抽出し、3次元上でIMTの計測を行う。
具体的には、3次元画像を取得し、その3次元画像における図3で示されるような2次元スライス面を表示させる。そして、第1の実施形態と同様の方式で、この2次元スライス面に対し内膜SP66と外膜SP64を設定する。そして、それぞれのSPを基準点として3次元画像上において3次元領域を抽出する。具体的に、抽出手段28は、3次元画像の関心領域内の1点を基準点(x,y,z)として設定し、領域内の画素値の幅を認識させるため閥値、或いはその幅の設定を行う。
例えば、表示部22に表示される基準点の画素値「n´」に対し幅「m´」と設定する(n´,m´は任意の整数)。したがって閥値幅は「n´±m´」で与えられ、下限闇値は「n´−m´」、上限闇値は「n´+m´」となる。制御部24は基 準点の周囲の画素を検索し、閥値の範囲内の画素値をもつ領域を3次元画像内で つないでいく。最終的に基準点を含み閥値の範囲内の画素値をもつ3次元領域が得られる。
そして、得られた3次元領域は、図17に示すように、領域100は内腔領域(血流領域)、領域101は外膜領域、領域102は内膜+中膜領域である。この3次元領域の領域102を用いて、IMTの計測を行う。具体的には、3次元領域上の内膜の内壁位置及び前記血管の外膜の内壁位置を抽出し、内膜42の内壁60の法線が外膜46の内壁62の交わる点と、内膜42の内壁60の点との距離に基づいてIMTを計測する。また、血管断面の中心点から線を放射させ、内膜42の内壁60と外膜46の内壁62の交点における距離104を計測してもよい。
このように全ての3次元領域に対してIMTの計測を行い、この領域内における、IMTの平均値や最大値及び最小値と、それらの計測値における3次元位置情報を画面上に出力する。
よって、ある血管断面において、内膜+中腹の厚さが変化する場合においても対応することができる。また、局所的に血管のIMT値が異常だった場合も容易に発見することができる。
以上、第1〜第9の実施形態に基づいて本発明を説明したが、これに限られるものではない。例えば、第1〜第3の実施形態では、領域抽出法としてリージョングローイング法を用いた例を説明したが、ブロックマッチング法、SAD法、エッジ抽出法など様々な技術を用いて内腔と内膜の境界、中膜と外膜の境界を検出することができる。
本発明を適用した超音波診断装置のブロック図である。 頚動脈などの血管を撮像して表示部に表示される超音波断層像と、血管壁の厚み方向の輝度分布を示す図である。 図2の頸動脈の血管壁の厚み方向の断面図を示す超音波像と、血管壁の厚み方向の輝度分布線を詳細に説明する図である。 IMT計測の大まかな処理の流れを説明するフローチャートである。 内膜の内壁を求める処理を示すフローチャートである。 図5の処理を表示画面上で説明する図と、図5の処理結果を示す表示例である。 外膜の内壁を求める処理を示すフローチャートである。 図7の処理を表示画面上で説明する図と、図7の処理結果を示す表示例である。 本発明の第2の実施形態の輝度分布線の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態の超音波断層像と、血管壁の厚み方向の輝度分布を示す図である。 第3の実施形態のIMT計測の大まかな処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の表示例を示す図である。 本発明の第6の実施形態の内膜基準点の設定方法の説明図である。 本発明の第7の実施形態の内膜基準点の設定方法の説明図である。 本発明の第8の実施形態の超音波診断装置のブロック図である。 図15の信号処理手段を説明するための断層像の表示例である。 本発明の第9の実施形態を示す図である。
符号の説明
10 探触子
12 送受信部
18 画像構成部
20 画像メモリ
22 表示部
24 制御部
25 輝度分布取得手段
26 設定手段
28 抽出手段
30 演算手段
32 操作卓
34 検出線
35 探索基準線
36 ROI
37 操作者設定内膜位置
40 内腔
42 内膜
44 中膜
46 外膜
51 輝度分布線
57,59 矩形領域
58 抽出領域
64 外膜SP
65 探索起点
66 内膜SP
68 抽出領域
69 輝度情報プロファイル表示画面
73 設定拡大領域
83 検出線周辺拡大画面
88 信号処理手段

Claims (9)

  1. 被検体の血管を含む画像データに基づいて血管壁の厚み方向の輝度分布を取得する輝度分布取得手段と、
    前記輝度分布に基づいて、外膜基準点及び内膜基準点を設定する設定手段と、
    前記外膜及び内膜基準点に基づいて、前記血管の外膜及び内膜の領域を抽出する抽出手段と、
    該抽出された2つの領域に基づいて前記血管の内膜と中膜の複合厚みを計測する計測手段と、
    該計測結果を表示する表示部と、を備えてなる医用画像診断装置であって、
    前記設定手段は、前記輝度分布に現れる極大点のうち、最大輝度を有する極大点を外膜基準点として設定し、該外膜基準点から血管内腔側に設定距離離した位置に探索起点を設け、該探索起点から血管内腔側に探索して次に現れる極大点を内膜基準点として設定することを特徴とする医用画像診断装置。
  2. 被検体の血管を含む画像データに基づいて生成された医用画像を前記表示部に表示させ、該表示部に表示された前記医用画像上の血管壁の厚み方向に検出線を設定する手段と、該検出線と交わる探索基準線を設定する手段とを備え前記輝度分布取得手段は、前記検出線に沿った前記輝度分布を取得しており
    前記探索基準線は、前記輝度分布における前記検出線と交点が前記探索起点となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
  3. 前記検出線に沿った輝度分布のグラフ画像、及び前記検出線を含む設定領域の前記医用画像を拡大した画像の少なくとも一方を、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
  4. 前記抽出手段は、前記外膜及び内膜基準点のそれぞれに対して、基準点を含む設定領域内の各画素について輝度が基準点から設定閾値内の画素領域を外膜及び内膜の領域として抽出することを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
  5. 前記設定閾値を可変させる手段を備えることを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
  6. 前記計測手段は、前記血管の内膜と中膜の複合厚みを、血流方向にわたって複数計測し、各計測値の最大値及び最小値の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、該演算結果を前記血管の内膜と中膜の複合厚みとすることを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
  7. 前記最大値及び最小値の少なくとも一方が演算された箇所が前記表示部上にマークされてなることを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
  8. 前記血管の内腔、内膜、中膜及び外膜を含む領域を設定する手段を備え、前記抽出手段は、該領域内において前記内膜及び外膜の領域を抽出することを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
  9. 前記被検体に超音波を送受信する探触子と、該探触子に駆動信号を供給し、反射エコー信号を受信する送受信部と、前記反射エコー信号に基づき超音波像を再構成する画像構成部とを備え、前記画像データは、前記被検体に超音波を送受信して得られる超音波画像データであることを特徴とする請求項に記載の医用画像診断装置。
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