JP2017143846A - 超音波診断装置 - Google Patents

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亘 ▲徳▼留
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Abstract

【課題】超音波の血管計測において計測部位の位置を客観的に決定できる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】境界検出部30は、血管の長軸断面を表す超音波画像(断面データ)内において血管の内膜を検出する。内膜評価部40は、境界検出部30により検出された内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する。内膜評価部40は、複数ライン上で検出される複数の内膜点に基づいて内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する。また、計測ROI決定部50は、内膜評価部40による評価の結果に基づいて、超音波画像(断面データ)内における血管長軸方向の計測位置を決定する。計測ROI決定部50は、血管計測用の関心領域(ROI)、例えばIMT計測用の関心領域が設定される計測位置を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、超音波による血管の計測に関する。
超音波診断装置は、超音波を送受することにより得られた受信データに基づいて超音波画像を形成して表示する装置である。一般に、超音波診断装置は、複数の動作モード(Bモード、ドプラモードなど)を有している。さらに、複数の計測機能を有する超音波診断装置も知られている。そのような計測機能の一例が血管計測の機能であり、例えば超音波のIMT計測は血管計測の代表例である。
IMT計測は、例えば頸動脈などの血管を対象とした計測であり、血管壁の内膜中膜複合体厚(Intima-Media Thickness)を計測対象とする。血管壁は、血流側から見て順に内膜と中膜と外膜からなる三層構造を有しており、IMT計測では、内膜と中膜を合わせた複合体の厚さ(内膜中膜複合体厚=IMT)が計測される。
例えば、特許文献1から3には、超音波診断装置によるIMT計測に関する技術が記載されている。また、特許文献4には、血管壁の境界の抽出において好適な画期的技術が記載されている。
特開2013−255545号公報 特許第4875397号公報 特許第4536419号公報 特開2013−85694号公報
超音波による従来の血管計測、例えばIMT計測では、IMT計測の計測部位をユーザの判断に任せることが一般的であった。例えば、医師や検査技師などのユーザが、モニタ等に映し出される超音波画像を目視で確認し、超音波画像内における血管断面の画像状態などから、IMT計測を行う計測部位を判断していた。IMT計測の計測部位をユーザの判断のみに任せると、ユーザの技量や経験値に応じて判断にばらつきが発生し、例えばIMT計測の誤差要因となる場合もある。
本発明は、以上のような背景事情に鑑みて成されたものであり、その目的は、超音波の血管計測において計測部位の位置を決定する技術を提供することにある。
上記目的にかなう好適な超音波診断装置は、超音波を送受することにより得られた血管の長軸断面を表す断面データ内において前記血管の内膜を検出する検出部と、前記検出された内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する評価部と、前記評価の結果に基づいて前記断面データ内における血管長軸方向の計測位置を決定する決定部と、を有することを特徴とする超音波診断装置。
上記構成において、血管の断面を表す断面データは、例えば、超音波を送受することにより得られる受信信号に基づいて形成される。断面データは、例えば、複数の超音波ビームに対応した複数ラインのラインデータで構成される。なお、ラインデータは、例えば検波等の処理前のデータでもよいし検波等の処理後のデータでもよい。もちろん、超音波画像の画像データ、例えばBモード画像の画像データも断面データの好適な具体例である。
また、上記構成の超音波診断装置は血管計測の機能を備えている。例えば、検出部により検出された血管の内膜を利用して、その血管に係る機能などが診断される。内膜を利用する血管計測の好適な具体例としてIMT計測が知られている。
IMT計測では、計測対象となる血管の血管壁を構成する内膜と中膜を合わせた複合体の厚さである内膜中膜複合体厚(Intima-Media Thickness:IMT)が計測される。IMT計測の対象となる血管の代表例は頸動脈である。例えば、頸動脈のIMT計測では、超音波プローブを利用して、特に望ましくはリニアプローブを利用して、頸動脈の長軸断面を映し出す断面データとして、例えば超音波画像が形成される。IMT計測では、例えば超音波画像内において頸動脈などの血管の長軸方向が左右方向(画像の横方向)となるように超音波画像を形成することが望ましい。
そして、IMT計測では、血管を横断するように設定された複数ラインの各ラインごとに、IMT計測のための複数の境界点が検出される。例えば、血管の長軸方向が左右方向となるように形成された断面データ内において、上下方向をビーム方向(深さ方向)とする複数の超音波ビームのうちの全て又は一部がIMT計測用の複数ラインとされる。そして、各ラインごとに、IMT計測のための複数の境界点として、血管の前壁の内膜に対応した境界点(内膜の内側(血流側)の境界点)と、前壁の中膜に対応した境界点(中膜と外膜との境界点)と、血管の後壁の内膜に対応した境界点(内膜の内側(血流側)の境界点)と、後壁の中膜に対応した境界点(中膜と外膜との境界点)が検出される。なお、プローブに近い方(ビーム方向の浅い側)の血管壁が前壁であり、プローブから遠い方(ビーム方向の深い側)の血管壁が後壁と呼ばれる。
断面データ内において、例えば超音波画像内において、血管壁はかなり薄く表示されるものの、内膜の内側(血流側)の内側境界と、中膜と外膜の間の中外膜境界は、比較的検出し易い。そこで、例えば、内膜に対応した境界点として内膜の内側境界が検出され、中膜に対応した境界点として中外膜境界が検出される。以降の説明において、特に断りの無い限り、「内膜に対応した境界」は内膜の内側境界を意味し、「中膜に対応した境界」は中外膜境界を意味するものとする。また、各ラインにおける複数の境界点の検出には、例えば特許文献4に記載される境界の検出技術を利用することが望ましいものの、他の検出技術が利用されてもよい。
ところで、各ラインごとに検出される複数の境界点の中で、中外膜境界に比べて内膜の内側境界は検出され難い傾向にある。したがって、内膜を利用する血管計測においては、例えばIMT計測においては、断面データ内において内膜が比較的良好に検出できている部分を計測位置とすることが望ましい。
そこで、上記構成の超音波診断装置は、検出された内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価し、その評価の結果に基づいて断面データ内における血管長軸方向の計測位置を決定する。例えば、IMT計測においては、内膜が比較的良好に検出できている部分を計測位置とすることが望ましい。上記構成の超音波診断装置によれば、例えば、検出された内膜の血管長軸方向の途切れが比較的少ない部分に、望ましくは、血管長軸方向に連続的に内膜が検出できている部分に、IMT計測の計測位置を決定することができる。もちろん、内膜が比較的連続であるとする条件に加えて他条件を考慮して計測位置が決定されてもよい。超音波診断において、医師や検査技師等のユーザは、診断において注目すべき部位を超音波画像内の中央に映し出すように、プローブ等を調整する傾向がある。そのため、例えば、断面データ内(超音波画像内)の中央を含むように、または中央にできる限り近くなるように、計測位置が決定されてもよい。
望ましい具体例において、前記検出部は、前記断面データ内において前記血管を横断するように配置された複数ラインの各ライン上で前記内膜に対応した各内膜点を検出し、前記評価部は、前記複数ライン上で検出される複数の内膜点に基づいて前記内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価し、前記決定部は、血管計測用の関心領域が設定される前記計測位置を決定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記評価部は、血管長軸方向に連続的に並ぶ複数の内膜点で構成される各内膜片を評価対象とすることにより血管長軸方向に離散的に並ぶ複数の内膜片の途切れ状態を評価し、前記決定部は、前記複数の内膜片の中から選択される代表内膜片が少なくとも部分的に前記関心領域に含まれるように前記計測位置を決定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、前記複数の内膜片の中から最長の内膜片を前記代表内膜片として選択する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、長さが基準値以上である前記複数の内膜片の中から、前記断面データ内における血管長軸方向の中心を含む内膜片または当該中心に最も近い内膜片を前記代表内膜片として選択する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記決定部は、前記代表内膜片の長さが前記関心領域の血管長軸方向の長さよりも短い場合に、前記代表内膜片が全て前記関心領域内に収まるように前記計測位置を決定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記決定部は、前記代表内膜片の長さが前記関心領域の血管長軸方向の長さ以上である場合に、前記関心領域の全域が前記代表内膜片の範囲内に収まるように前記計測位置を決定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記評価部は、前記複数ライン上で検出される複数の内膜点に関する血管長軸方向の密度分布に基づいて前記内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価し、前記決定部は、前記密度分布が最大となる位置が前記関心領域に含まれるように前記計測位置を決定する、ことを特徴とする。
本発明により超音波の血管計測において計測部位の位置を決定する技術が提供される。
本発明の実施において好適な超音波診断装置の具体例を示す図である。 IMT計測に利用される超音波画像の具体例を示す図である。 各ライン上における画素値分布の具体例を示す図である。 内膜評価部による評価の具体例1を説明するための図である。 代表内膜片の選択例を説明するための図である。 IMT計測用の関心領域の設定例を示す図である。 内膜評価部による評価の具体例2を説明するための図である。
図1は、本発明の実施において好適な超音波診断装置の具体例を示す図である。図1の超音波診断装置は、血管のIMT(Intima-Media Thickness)計測の機能を備えている。プローブ10は、IMT計測の対象となる血管(例えば頸動脈)を含む診断領域に超音波を送受する超音波探触子である。プローブ10は、複数の振動素子を備えており、複数の振動素子が例えば電子的に走査制御され、診断対象を含む空間内で超音波ビームが走査される。プローブ10は、例えば、医師や検査技師等のユーザ(検査者)に把持されて被検者の体表面上に当接して用いられる。頸動脈を対象とするIMT計測において、プローブ10としては例えばリニア型超音波探触子(リニアプローブ)が好適である。もちろん、例えば計測対象や計測内容に応じて、コンベックス型やセクタ型などのプローブ10が利用されてもよい。
送受信部12は、プローブ10が備える複数の振動素子の各々に対応した送信信号を出力することにより、超音波の送信ビームを形成してその送信ビームを走査する。また、送受信部12は、プローブ10が備える複数の振動素子の各々から得られる受波信号に対して整相加算処理などを施すことにより、走査される送信ビームに対応した受信ビームを形成し、受信ビームに沿って得られるエコーデータ(受信信号)を出力する。つまり、送受信部12は、送信ビームフォーマと受信ビームフォーマの機能を備えている。なお、送信開口合成などの送受信技術を利用してエコーデータ(受信信号)が得られてもよい。
画像形成部20は、走査面内から得られる超音波の受信信号に基づいて、超音波画像のデータ(断面データ)を形成する。つまり、走査により走査面内に形成される複数の超音波ビームに対応した複数ラインのラインデータに基づいて断面データが形成される。画像形成部20は、例えば、超音波の受信信号に対して、検波処理やフィルタ処理やAD変換処理等を施すことにより、血管の長軸断面を映し出したBモード画像用の断面データを形成する。なお、超音波の受信信号に対する検波処理やフィルタ処理やAD変換処理等は、送受信部12において実行されてもよい。
境界検出部30は、血管の長軸断面を表す超音波画像(断面データ)内において血管の内膜を検出する。境界検出部30は、超音波画像内において、血管の長軸断面を横断するように配置された複数ラインの各ライン上で血管の内膜に対応した各内膜点を検出する。例えばリニア型超音波探触子を利用して得られるBモード画像用の断面データであれば、断面データを構成する複数の超音波ビームに対応した複数ラインの各ライン上で各内膜点が検出される。
また、境界検出部30は、各ラインごとに、IMT計測に利用される複数の境界点を検出する。つまり、境界検出部30は、血管の前壁の内膜に対応した境界点と血管の後壁の内膜に対応した境界点を検出し、さらに、血管の前壁の中膜に対応した境界点と血管の後壁の中膜に対応した境界点を検出する。なお、各ライン上で検出される前壁の内膜に対応した境界点と後壁の内膜に対応した境界点のうち、評価対象となる境界点が各内膜点とされる。
内膜評価部40は、境界検出部30により検出された内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する。内膜評価部40は、複数ライン上で検出される複数の内膜点に基づいて内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する。また、計測ROI決定部50は、内膜評価部40による評価の結果に基づいて、超音波画像(断面データ)内における血管長軸方向の計測位置を決定する。計測ROI決定部50は、血管計測用の関心領域(ROI)、例えばIMT計測用の関心領域が設定される計測位置を決定する。内膜評価部40と計測ROI決定部50により実現される処理や機能の具体例については後に詳述する。
IMT計測部60は、境界検出部30において検出されたIMT計測のための複数の境界点に基づいてIMTの計測値を算出する。IMT計測では、計測対象となる血管の血管壁を構成する内膜と中膜を合わせた複合体の厚さである内膜中膜複合体厚(IMT)が計測される。IMT計測部60は、IMT計測用の関心領域(ROI)内におけるIMTを計測する。関心領域は、例えば血管の後壁に対して設定され、IMT計測部60は、関心領域内において、血管の後壁の内膜に対応した境界点(内膜点)と後壁の中膜に対応した境界点との間の距離を後壁のIMT計測値として算出する。例えば、関心領域内におけるIMTの平均値が算出される。なお、関心領域が血管の前壁に対して設定され、前壁のIMTが計測されてもよい。もちろん、前壁と後壁の両方に関心領域が設定され、前壁と後壁の両方のIMT計測値が算出されてもよい。医師や検査技師などのユーザが予め前壁または後壁を指定した場合には、ユーザにより指定された前壁または後壁のみのIMT計測値が算出されてもよい。
表示処理部70は、画像形成部20から得られる断面データ(超音波画像の画像データ)とIMT計測部60から得られるIMT計測値に基づいて、IMT計測における表示画像を形成する。表示処理部70において形成された表示画像は表示部80に表示される。
制御部100は、図1の超音波診断装置内を全体的に制御する。制御部100による全体的な制御には、操作デバイス90を介して医師や検査技師などのユーザから受け付けた指示も反映される。
図1に示す構成(符号を付した各部)のうち、送受信部12,画像形成部20,境界検出部30,内膜評価部40,計測ROI決定部50,IMT計測部60,表示処理部70の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また上記各部に対応した機能の少なくとも一部がコンピュータにより実現されてもよい。つまり、上記各部に対応した機能の少なくとも一部が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
表示部80の好適な具体例は液晶モニタ等である。操作デバイス90は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部100は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波診断装置の全体構成は以上のとおりである。次に、図1の超音波診断装置により実現されるIMT計測の機能等について詳述する。なお、図1に示した構成(部分)については以下の説明において図1の符号を利用する。
図2は、IMT計測に利用される超音波画像の具体例を示す図である。図2の超音波画像22は、リニア走査型のプローブ10を利用して得られるエコーデータ(受信信号)に基づいて画像形成部20において形成される画像データ(断面データ)に対応している。画像形成部20は、各フレームごとに超音波画像22の画像データを形成する。
図2の超音波画像22は、血管(例えば頸動脈)の断面を表している。IMT計測においては、血管の長軸方向が画像の左右方向(横方向)となるように形成された超音波画像22が望ましい。そして、画像の上下方向をビーム方向(深さ方向)とする複数の超音波ビームの全て又は一部がIMT計測用の複数の計測ライン(複数ライン)とされる。なお複数の計測ラインは等間隔であることが望ましい。
境界検出部30は、各フレームごとに得られる超音波画像22の画像データ(断面データ)に基づいて、IMT計測に必要な血管壁の境界点を検出する。境界検出部30は、断面データを構成する複数ラインの各ラインごとに、IMT計測に必要な血管壁の境界点を検出する。
図3は、各ライン上における画素値分布の具体例を示す図である。図3において、x軸は超音波ビームの深さ方向(正方向が深い)の位置を示し、y軸は画素値を示している。図3の具体例では、深さ方向において浅い側の血管壁を前壁とし、深い側の血管壁を後壁とする。前壁と後壁は全体的に比較的輝度が高く、前壁と後壁の間には比較的輝度が低い内腔の領域が存在する。
さらに、例えば図3(1)に示す具体例のように、前壁内と後壁内において、内膜に対応した部分と中膜に対応した部分は比較的輝度が高く、特に、内膜よりも中膜に対応した部分の輝度が高い。
そこで、境界検出部30は、各ライン上の後壁内において、例えば輝度値が最大となる極大値の位置(第1極大位置)を後壁の中膜に対応した境界点として検出し、その境界点よりも内腔側にある極大値の位置(第2極大位置)を後壁の内膜に対応した境界点として検出する。なお、後壁内において、第1極大位置よりも内腔側において閾値(白黒の境界)判定により後壁の中膜に対応した境界点が検出されてもよいし、第2極大位置よりも内腔側において閾値(白黒の境界)判定により後壁の内腔に対応した境界点が検出されてもよい。
また、境界検出部30は、各ライン上の前壁内において、例えば、輝度値が最大となる極大値の位置(第1極大位置)を前壁の中膜に対応した境界点として検出し、その境界点よりも内腔側にある極大値の位置(第2極大位置)を前壁の内膜に対応した境界点として検出する。なお、前壁内において、第1極大位置よりも内腔側において閾値判定により前壁の中膜に対応した境界点が検出されてもよいし、第2極大位置よりも内腔側において閾値判定により前壁の内腔に対応した境界点が検出されてもよい。
また、境界検出部30は、例えば特許文献4に記載される血管の境界を検出する技術、特に「内腔特定処理」と「内膜特定処理」を利用して、各ラインにおける複数の境界点を検出してもよい。例えば、超音波画像の画像データ(断面データ)内において、内腔特定処理により、血管の内腔に対応した内腔領域が特定され、内膜特定処理により、内腔領域から血管外側に向かう画素値の変化に基づいて血管の内膜が特定されてもよい。
ところで、中外膜に対応した極大値の位置(第1極大位置)に比べて、内膜に対応した極大値の位置(第2極大位置)は検出し難い傾向がある。例えば、図3(2)に示すような画素値分布が得られる場合がある。図3(2)に示す具体例では、各ライン上において内膜に対応した極大値の位置(第2極大位置)が明瞭ではないため、その結果、内膜に対応した境界点が検出できない。したがって、例えば図3(2)に示すような内膜が検出できないラインを多く含む領域を避けて、IMT計測を行うことが望ましい。
そこで、内膜評価部40は、複数ライン上で検出された複数の内膜点に基づいて内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価し、その評価結果に基づいて計測ROI決定部50がIMT計測用の関心領域の位置を決定する。
なお、内膜の途切れ状態の評価においては、各ラインごとの検出結果(内膜を検出できたか否か)を尊重することが望ましい。例えば、内膜を検出できなかった各ライン上に、近接ラインの検出結果を利用した補間処理などにより内膜点を補間せずに、内膜の途切れ状態を評価することが望ましい。
図4は、内膜評価部40による評価の具体例1を説明するための図である。内膜評価部40は、複数ライン上で検出された複数の内膜点に基づいて、内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する。例えば、IMT計測の対象が後壁である場合には、複数ライン上で検出された後壁に関する複数の内膜点に基づいて、内膜の血管長軸方向の途切れ状態が評価される。図4には、断面データ内の一部分を構成する複数ライン(L1〜L9)における後壁の内膜点の検出結果が図示されている。なお、IMT計測の対象が前壁である場合には、複数ライン上で検出された前壁に関する複数の内膜点に基づいて、内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価することが望ましい。
図4に示す具体例では、複数ライン(L1〜L9)のうち、ラインL3とラインL7において、評価対象である後壁の内膜点が検出できていない。内膜評価部40は、検出できた複数の内膜点について、血管長軸方向の連続性を評価する。具体的には、複数ラインの配列方向(ライン配列方向)に連続的に並ぶ複数の内膜点で構成される各内膜片を評価対象とする。
例えば、図4に示す具体例において、ラインL1とラインL2において後壁の内膜点が検出できており、ラインL1,L2において検出された2つの内膜点により1つの内膜片が形成される。同様に、ラインL4〜L6において検出された3つの内膜点により1つの内膜片が形成され、ラインL8,L9において検出された2つの内膜点により1つの内膜片が形成される。
内膜評価部40は、断面データを構成する全ラインにおける後壁の内膜点の検出結果から、断面データ内において複数の内膜片を形成する。さらに、内膜評価部40は、各内膜片の長さを算出する。例えば、各内膜片を構成する内膜点の個数Nと、隣接ライン間の距離ΔLから、各内膜片の長さIL=ΔL×(N−1)が算出される。もちろん、各内膜点の二次元座標値(x座標値とy座標値)から、隣接する2つの内膜点間の距離を二次元的に算出し、各内膜片を構成する内膜点間の距離を合算して、各内膜片の長さILを二次的に算出してもよい。
断面データ内において複数の内膜片が形成されて各内膜片の長さが算出されると、それら複数の内膜片の中から代表内膜片が選択される。例えば、内膜評価部40または計測ROI決定部50が代表内膜片を選択する。
図5は、代表内膜片の選択例を説明するための図である。図5には、超音波画像(断面データ)22内における複数の内膜片(I1〜I7)の具体例が図示されている。
例えば、複数の内膜片(I1〜I7)の中から、最長の内膜片(長さが最大の内膜片)が代表内膜片として選択される。図5の具体例では、内膜片I6が最長であるため、内膜片I6が代表内膜片として選択される。
また、長さが基準値以上である複数の内膜片の中から、超音波画像(断面データ)22内における血管長軸方向の中心、例えば左右方向の中心(画像中心)を含む内膜片が代表内膜片として選択されてもよい。長さの基準値は、例えばIMT計測用の関心領域の左右方向の長さであることが望ましい。図5の具体例では、内膜片I4と内膜片I6が基準値(例えば1cm)以上であり、画像中心を含んでいる内膜片I4が代表内膜片として選択される。なお、長さが基準値以上である複数の内膜片の中に画像中心を含む内膜片がなければ、画像中心に最も近い内膜片が代表内膜片として選択される。
そして、計測ROI決定部50は、複数の内膜片の中から選択された代表内膜片が少なくとも部分的に関心領域に含まれるように、IMT計測用の関心領域が設定される計測位置を決定する。計測ROI決定部50は、血管長軸方向の計測位置、つまり超音波画像(断面データ)22内の左右方向における関心領域の位置を決定する。
図6は、IMT計測用の関心領域の設定例を示す図である。図6の設定例において、IMT計測用の関心領域の左右方向の長さは1cmであり、長さの基準値も1cmとする。なお、IMT計測用の関心領域の左右方向の長さは、例えば医療用の規格等により定められた長さであることが望ましく、1cmに限定されない。また、長さの基準値は、IMT計測用の関心領域の左右方向の長さに応じて決定されることが望ましいものの、当該左右方向の長さに一致していなくてもよい。
まず、代表内膜片の長さが基準値未満の場合には、代表内膜片が全て関心領域内に収まるように、関心領域の設定位置(計測位置)が決定される。例えば、設定例1に示すように、代表内膜片の中心位置を関心領域の中心位置(左右方向の中心位置)とする。
一方、代表内膜片の長さが基準値以上の場合には、関心領域の全域が代表内膜片の範囲内に収まるように、関心領域の設定位置(計測位置)が決定される。
例えば、代表内膜片が画像中心範囲の全域を含んでいれば、設定例2に示すように、画像中心範囲に関心領域が設定される。なお、画像中心範囲は、画像中心(図5参照)から左右に0.5cm(基準値の1/2)の合計1cm(基準値)の範囲である。
また、代表内膜片が画像中心範囲に部分的に重なっていれば、設定例3に示すように、代表内膜片の端(画像中心範囲に重なっている側)に、関心領域の端を合わせるようにして、関心領域の全域が代表内膜片の範囲内に収まるように、関心領域が設定される。
また、代表内膜片と画像中心範囲に重なりがなければ、設定例4に示すように、代表内膜片の端(画像中心範囲側)に、関心領域の端を合わせるようにして、関心領域の全域が代表内膜片の範囲内に収まるように、関心領域が設定される。
例えば、図6に示す設定例により、IMT計測用の関心領域が設定される左右方向の計測位置つまり血管長軸方向の計測位置が決定される。
なお、IMT計測用の関心領域の上下方向(図2参照)の計測位置は、IMT計測の対象となる内膜と中外膜ができる限り関心領域内に収まるように決定される。例えば、図6の設定例により決定された関心領域の左右方向の範囲(1cm)内で検出された内膜の上下方向の最大位置Ymaxと中外膜の上下方向の最小位置Yminから、上下方向の中心位置(Ymax+Ymin)/2が算出され、その中心位置から上下に2.5mmの合計5mmの範囲が関心領域の上下方向の範囲(5mm)とされる。IMT計測用の関心領域の上下方向の長さは、例えば、医療用の規格等により定められた長さであることが望ましく、5mmに限定されない。
そして、IMT計測部60は、IMT計測用の関心領域内におけるIMTを計測する。IMT計測部60は、例えば、関心領域内におけるIMTの平均値を算出する。なお、IMT計測においては、関心領域内で内膜を検出できなかった各ライン上に、近接ラインの検出結果を利用した補間処理などにより内膜点を補間し、内膜点が補間されたラインも計測対象とすることが望ましい。もちろん、関心領域内において内膜を検出できたラインが多数あれば(例えば基準本数以上あれば)、補間処理等を行わずに、検出できた複数ラインのみを利用してIMTの平均値等が算出されてもよい。
図7は、内膜評価部40による評価の具体例2を説明するための図である。内膜評価部40は、複数ライン上で検出された複数の内膜点に基づいて、例えば、複数ライン上で検出された後壁に関する複数の内膜点に基づいて、内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する。図7の具体例2では、複数ライン上で検出される複数の内膜点に関する血管長軸方向(左右方向)の密度分布に基づいて、内膜の血管長軸方向の途切れ状態が評価される。
例えば、図7(A)に示すように、左右方向の長さが基準値(例えば1cm)である基準範囲(カーソル)を左右方向に移動させつつ、各移動位置における基準範囲内の内膜点個数(例えば検出できた後壁の内膜点の個数)が次々に算出される。そして、図7(B1),(B2)に示すように、横軸を左右方向として縦軸に内膜点の密度(例えば1cmの範囲内における検出内膜の個数)を示した密度分布が導出される。
そして、計測ROI決定部50は、密度分布が最大となる位置が関心領域に含まれるように計測位置を決定する。例えば、図7(B1)に示すように、密度分布のピーク位置(密度が最大となる左右方向の位置)が1箇所となる場合には、そのピーク位置を含むように、IMT計測用の関心領域の設定位置(計測位置)が決定される。例えば、密度分布のピーク位置が関心領域の中心位置(左右方向の中心位置)とされる。
また、例えば図7(B2)に示すように、密度分布のピーク位置(密度が最大となる左右方向の位置)が複数箇所となる場合には、ピーク位置が連続する領域の長さに応じて、IMT計測用の関心領域の設定位置(計測位置)が決定される。例えば、ピーク位置が連続する領域(密度分布のピークが連続する左右方向の領域)を各内膜片とし、図5を利用して説明した処理により、複数の内膜片の中から代表内膜片が選択される。さらに、図6を利用して説明した処理により、代表内膜片に基づいて、IMT計測用の関心領域の左右方向の設定位置(計測位置)と上下方向の設定位置(計測位置)が決定される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
10 プローブ、12 送受信部、20 画像形成部、30 境界検出部、40 内膜評価部、50 計測ROI決定部、60 IMT計測部、70 表示処理部、80 表示部、90 操作デバイス、100 制御部。

Claims (8)

  1. 超音波を送受することにより得られた血管の長軸断面を表す断面データ内において前記血管の内膜を検出する検出部と、
    前記検出された内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価する評価部と、
    前記評価の結果に基づいて前記断面データ内における血管長軸方向の計測位置を決定する決定部と、
    を有する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置において、
    前記検出部は、前記断面データ内において前記血管を横断するように配置された複数ラインの各ライン上で前記内膜に対応した各内膜点を検出し、
    前記評価部は、前記複数ライン上で検出される複数の内膜点に基づいて前記内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価し、
    前記決定部は、血管計測用の関心領域が設定される前記計測位置を決定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2に記載の超音波診断装置において、
    前記評価部は、血管長軸方向に連続的に並ぶ複数の内膜点で構成される各内膜片を評価対象とすることにより血管長軸方向に離散的に並ぶ複数の内膜片の途切れ状態を評価し、
    前記決定部は、前記複数の内膜片の中から選択される代表内膜片が少なくとも部分的に前記関心領域に含まれるように前記計測位置を決定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項3に記載の超音波診断装置において、
    前記複数の内膜片の中から最長の内膜片を前記代表内膜片として選択する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項3に記載の超音波診断装置において、
    長さが基準値以上である前記複数の内膜片の中から、前記断面データ内における血管長軸方向の中心を含む内膜片または当該中心に最も近い内膜片を前記代表内膜片として選択する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項3から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記決定部は、前記代表内膜片の長さが前記関心領域の血管長軸方向の長さよりも短い場合に、前記代表内膜片が全て前記関心領域内に収まるように前記計測位置を決定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項3から6のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記決定部は、前記代表内膜片の長さが前記関心領域の血管長軸方向の長さ以上である場合に、前記関心領域の全域が前記代表内膜片の範囲内に収まるように前記計測位置を決定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項2に記載の超音波診断装置において、
    前記評価部は、前記複数ライン上で検出される複数の内膜点に関する血管長軸方向の密度分布に基づいて前記内膜の血管長軸方向の途切れ状態を評価し、
    前記決定部は、前記密度分布が最大となる位置が前記関心領域に含まれるように前記計測位置を決定する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
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