JP6460707B2 - 超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム Download PDF

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Description

本実施形態は、血流または移動する物体を映像化する超音波診断において、高い折り返し速度と優れた低流速検出能、高感度を実現する超音波診断装置、超音波画像処理装置及超音波画像処理プログラムに関する。
超音波診断装置は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。この他、システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便な診断手法であると言える。この超音波診断において用いられる超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、産科や在宅医療等においても使用することができる。
この様な超音波診断装置を用いて、カラードプラまたはパワードプラと呼ばれる映像法により、血流や造影剤等の移動する物体を映像化することができる。これらのドプラ映像法では、通常、同一方向に複数回の送受信を行い、そのデータ列に対してMTIフィルタを掛け、血流の速度・分散・パワーを1組だけ出力して表示するという方法が行われている。この方法だとフレームレートが低下するため、フレーム間でデータを使用することでフレームレートを向上する方法が開発されている。また、フレーム間で血流データを使用する場合に折り返し速度が低下するという問題が発生するが、不等間隔データ列に対してMTIフィルタを掛けてこれらの問題を回避する方法も開発されている。
特許第3724846号公報 特許第4928801号公報
Bjaerum, Torp, Kristoffersen, "Clutter filters adapted to tissue motion in ultrasound color flow imaging", IEEE Trans. Ultrason., Ferroelect., Freq. Contr., vol.49, pp.693-704, June 2002
しかしながら、上述した不等間隔データ列に対するMTIフィルタは、固定係数のフィルタである。このため、心拍や呼吸によって絶えず変化する生体の動きに対応できずにモーションアーティファクトが発生しやすいという問題がある。また、従来の手法によって微小な血流を観測しようとすると、低流速検出能以外に信号のS/Nが問題となってくる。
上記事情に鑑み、目的は、高い折り返し速度と高い低流速検出能を有し、高フレームレートで、かつ高いS/Nで血流または移動物体を映像化可能な超音波診断装置、超音波画像処理装置及超音波画像処理プログラムを提供することである。
一実施形態に係る超音波診断装置は、被検体の所定領域に関して一フレーム又は一ボリュームを基本単位とする超音波スキャンを複数回実行し、前記所定領域に対して割当てられた複数の受信ラスタそれぞれで複数の受信信号を取得する受信信号取得手段と、一フレーム又は一ボリュームの前記超音波スキャンを単位とする加算処理又は低域通過型フィルタ処理を、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対して実行することで、前記複数の受信ラスタそれぞれに対応する複数の第1の信号を生成し、前記複数の第1の信号に対しフレーム間又は一ボリューム間でMTIフィルタ処理を実行することで得られる第2の信号に基づいて、前記所定領域における移動体のパワー情報を取得するパワー情報取得手段と、複数フレーム又は複数ボリュームに亘り、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対しMTIフィルタ処理を実行することで得られた第3の信号に基づいて、前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得手段と、前記パワー情報および前記速度情報に基づいて、前記所定領域に対応するドプラ画像を生成する画像生成手段と、を具備する。
図1は、実施形態に係る超音波診断装置の構成を示したブロック図である。 図2は、実施形態に係る超音波診断装置のカラードプラ処理部24の機能ブロック図である。 図3は、実施形態に係る超音波診断装置のドプラ撮像において実現される処理の流れを示したフローチャートである。 図4は、実施形態に係る超音波診断装置のドプラ撮像において実行される超音波送受信の一例を示した図である。 図5(a)、(b)は、カラードプラ処理部24の第1の処理系及び第2の処理系において実行される信号処理を説明するための図である。 図6(a)、(b)は、カラードプラ処理部24の第1の処理系及び第2の処理系において実行される信号処理を説明するための図である。 図7は、実施形態に係る超音波診断装置において実行される超音波送受信の他の例を示した図である。 図8は、実施形態に係る超音波診断装置によって生成・表示されるドプラ画像を説明するための図である。 図9は、第2の実施形態に係る超音波診断装置のドプラ撮像において実現されるスキャンシーケンスを示したフローチャートである。 図10は、第2の実施形態に係る超音波診断装置のドプラ撮像において実現されるスキャンシーケンスを示したフローチャートである。
以下、本発明の第1実施形態乃至第3実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示したブロック図である。同図に示すように、本超音波診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット20、超音波受信ユニット21、入力バッファ22、Bモード処理ユニット23、カラードプラ処理ユニット24、FFTドプラ処理ユニット25、RAWデータメモリ26、ボリュームデータ生成ユニット27、画像処理ユニット28、表示処理ユニット30、制御プロセッサ(CPU)31、記憶ユニット32、インターフェースユニット33を具備している。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
超音波プローブ12は、生体を典型例とする被検体に対して超音波を送信し、当該送信した超音波に基づく被検体からの反射波を受信するデバイス(探触子)であり、その先端に複数に配列された圧電振動子(超音波トランスデューサ)、整合層、バッキング材等を有している。圧電振動子は、超音波送信ユニット20からの駆動信号に基づきスキャン領域内の所望の方向に超音波を送信し、当該被検体からの反射波を電気信号に変換する。整合層は、当該圧電振動子に設けられ、超音波エネルギーを効率良く伝播させるための中間層である。バッキング材は、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止する。当該超音波プローブ12から被検体に超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送受信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。本実施形態においては、超音波プローブ12は、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイプローブであるとする。しかしながら、当該例に拘泥されず、超音波プローブ12は、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)であってもよい。
入力装置13は、装置本体11に接続され、撮像モードの選択等のオペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。
モニター14は、表示処理ユニット30からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、カラードプラモードによって取得された血流情報を画像として表示する。また、モニター14は、後述するカラードプラ撮像法によって再生された超音波画像を、所定の形態で所定の情報と共に表示する。
超音波送信ユニット20は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。トリガ発生回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのトリガパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各トリガパルスに与えられる。パルサ回路は、このトリガパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。また、超音波送信ユニット20は、カラードプラ撮像処理において、制御ユニット31からの制御信号に基づいて後述する超音波送信を実行する。
超音波受信ユニット21は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、遅延回路、加算器、直交検波回路等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたアナログのエコー信号をデジタルエコー信号に変換する。遅延回路では、デジタル変換されたたエコー信号に対し受信指向性を決定し、受信ダイナミックフォーカスを行うのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。直交検波回路は、加算器の出力信号をベースバンド帯域の同相信号(I信号:In-phase signal)と直交信号(Q信号:Quadrature-phase signal)とに変換する。直交検波回路はI信号及びQ信号(IQ信号)をエコー信号として後段の処理系に出力する。なお、直交検波回路において、RF(Radio Frequency)信号に変換する処理を実行するようにしてもよい。なお、超音波受信ユニット21は、カラードプラ撮像処理において、制御ユニット31からの制御信号に基づいて、後述する超音波受信を実行する。
入力バッファ22は、超音波受信ユニット21から出力されたエコー信号(IQ信号又はRF信号)を一時的に記憶するバッファである。入力バッファ22は、例えば、FIFO(First-In/First-Out)メモリであり、数フレーム分のIQ信号(又は数ボリューム分に相当するIQ信号)を一時的に記憶する。また、入力バッファ22は、新たに一フレーム分のIQ信号が超音波受信ユニット21から出力された場合、時間的に最も古いフレームに対応するIQ信号を、超音波受信ユニット21から新たに受け取ったIQ信号に書き換える。
Bモード処理ユニット23は、受信ユニット21からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。
カラードプラ処理ユニット24は、入力バッファ22から受け取ったエコー信号(IQ信号又はRF信号)を用いてカラードプラ処理を実行し、パワー信号及び速度信号を出力する。なお、カラードプラ処理ユニット24は、パワー信号に関する処理を実行する第1の処理系と、速度信号に関する処理を実行する第2の処理系と、の二系統の信号処理系を少なくとも有する(図2参照)。本カラードプラ処理ユニット24の具体的な機能については、後で詳しく説明する。
FFTドプラ処理ユニット25、連続波ドプラモードにおいて取得されたエコー信号を用いて高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)を実行し、スペクトラム信号を出力する。
RAWデータメモリ26は、Bモード処理ユニット23から受け取った複数のBモードデータを用いて、三次元的な超音波走査線上のBモードデータであるBモードRAWデータを生成する。また、RAWデータメモリ26は、カラードプラユニット24から受け取った複数の血流データを用いて、三次元的な超音波走査線上の血流データである血流RAWデータを生成する。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、RAWデータメモリ26の後に三次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
ボリュームデータ生成ユニット27は、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW−ボクセル変換を実行することにより、Bモードボリュームデータ、血流ボリュームデータを生成する。
画像処理ユニット28は、ボリュームデータ生成ユニット27から受け取るボリュームデータ、ボリュームレンダリング、多断面変換表示(MPR:Multi Planar Reconstruction)、最大値投影表示(MIP:Maximum Intensity Projection)等の所定の画像処理を行う。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、画像処理ユニット28の後に二次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
表示処理ユニット30は、画像処理ユニット28において生成・処理された各種画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正、RGB変換等の各種を実行する。
制御プロセッサ31は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、各構成要素の動作を制御する。また、制御プロセッサ31は、後述するカラードプラ撮像機能に従う処理(カラードプラ撮像処理)において、超音波送信ユニット20、超音波送信ユニット21、カラードプラ処理ユニット24等を制御する。
記憶ユニット32は、後述するカラードプラ撮像処理において実現される、超音波送受信及びドプラ信号に関する処理を実現するためのプログラム、診断プロトコル、送受信条件、その他のデータ群が保管されている。また、必要に応じて、図示しない画像メモリ中の画像の保管などにも使用される。記憶ユニット32のデータは、インターフェースユニット33を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
インターフェースユニット33は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインターフェースである。インターフェースユニット33を介して、他の装置を本超音波診断装置本体11に接続することも可能である。また、当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インターフェースユニット33よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
(カラードプラ処理ユニット24の構成)
図2は、カラードプラ処理ユニット24のブロック構成を示した図である。同図に示すように、カラードプラ処理ユニット24は、第1の処理系(パワー処理系P)及び第2の処理系(速度処理系V)の二系統を有している。第1の処理系は、フレーム内データ加算部241、第1の計算部243、第1のMTIフィルタ245、パワー推定部247、LOG圧縮処理部249から構成される。また、第2の処理系は、第2の計算部242、第2のMTIフィルタ244、速度推定部246から構成される。
第1の処理系において、フレーム内データ加算部241は、入力バッファ22から出力されたフレーム毎のエコー信号(IQ信号又はRF信号)を用いて、同一フレーム内の同じ受信位置のエコー信号を加算する。第1の計算部243は、フレーム内の同じ受信位置複数の信号を加算することで得られたエコー信号(加算エコー信号)を一つの信号として、フレーム間での相関行列を逐次計算する。また、第1の計算部243は、得られた相関行列に基づいて、MTIフィルタの係数を逐次計算する。第1のMTIフィルタ235は、第1の計算部243によって逐次計算された係数を用いて、アダプティブに係数を変えながらフレーム間でMTIフィルタを掛ける。パワー推定部247は、第1のMTIフィルタ235において抽出された成分を用いて、パワー信号を推定する。LOG圧縮処理部249は、推定されたパワー信号をLOG圧縮し、後段の処理系に出力する。
また、第2の処理系において、第2の計算部242は、複数のフレームに亘って同じ受信位置のエコー信号(時間が不等間隔なデータ列)を用いて、フレーム内外での相関行列を逐次計算する。また、第2の計算部242は、得られた相関行列に基づいて、MTIフィルタの係数を逐次計算する。第2のMTIフィルタ246は、第2の計算部242によって逐次計算された係数を用いて、アダプティブに係数を変えながらフレーム間でMTIフィルタを掛ける。速度推定部246は、第2のMTIフィルタ246において抽出された成分を用いて、血流速度を推定する。
(カラードプラ撮像処理)
図3は、本実施形態に係る超音波診断装置1によって実現されるカラードプラ撮像処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおいて実行される処理について詳しく説明する。
[超音波送受信:ステップS1]
図4は、超音波診断装置1のドプラ撮像において実行される超音波送受信の一例を示した図である。同図において、下向き矢印は一回の超音波送信を、下向き矢印の横軸上の位置はラスタ方向に関する超音波送信位置(すなわち送信方向)を、下向き矢印の縦軸上の位置は送信の回数を、それぞれ示す。また、上向き矢印は一回の超音波受信を、上向き矢印の横軸上の位置はラスタ方向に関する超音波受信位置(すなわち受信方向)を、下向き矢印の縦軸上の位置は受信の回数を、それぞれ示す。
図4に示す様に、本カラードプラ撮像処理における超音波送受信は、一回の送信で複数の方向(複数の受信ラスタ)の受信信号が得られる並列同時受信を基本単位としてこれを繰り返し実行するものである。なお、同図においては、説明を具体的にするため、一回の送信につき、4方向並列同時受信時の例を示している。しかしながら、一回の送信に対応する並列同時受信の数(すなわち、基本単位)は、いくつであってもよい。
また、制御プロセッサ31は、各フレームにつき、送信毎に送信位置を1受信ラスタ分ずらしながら、一フレーム分のスキャンを行う。これにより、図4に示す様に、一フレーム内において、8回の送信を実行し送信位置は異なるが同じ受信位置の4つの信号(同図枠の中の受信ラスタに対応する4つのエコー信号)が、複数のフレームについて連続的に取得される。
[第1の処理(パワー信号処理):ステップS2A]
図5(a)は、カラードプラ処理部24の第1の処理系(WF1)において実行されるパワー信号に関する処理を説明するための図である。図6(a)は、所定の受信ラスタ上のある深さからのエコー信号について、図5(a)の縦方向の「送受信の回数」を横方向に描いたものである。なお、図6(a)のWF2に「a1,a2,a3,a4」、「b1,b2,b3,b4」、「c1,c2,c3,c4」、・・・として記載されているデータ列は、第2の処理系が受け取る同一の受信位置についてエコー信号のデータ列である。
フレーム内データ加算部241は、図6(a)に示す様に、1フレーム内で送信位置は異なるが同じ受信位置の4つのエコー信号(図5(a)の赤枠の中の4つのIQ信号又はRF信号、すなわち図6(a)の「a1,a2,a3,a4」等)を加算し、各フレームにおいてラスタ毎の加算エコー信号A、B、C、D・・・を生成する。当該加算によって得られる加算エコー信号は、例えば次の式(1)の様に表すことができる。
一般に、ランダムなノイズを含む信号をN回加算するとS/NはNの平方根だけ改善する。従って、本実施形態の様に4回加算すると、S/Nは2倍つまり6dBだけ改善することになる。なお、振幅信号やパワー信号では加算してもS/Nは改善されない。このため、S/Nを改善するためには、コヒーレント状態であるIQ信号またはRF信号の時点で加算を行う必要がある。
次に、第1の計算部243は、得られた加算エコー信号のデータ列A,B,C,D・・・を用いて、フレーム間の相関行列を計算する。なお、当該フレーム間の相関行列計算に用いるデータ列の数Lは任意に設定できるが、ここでは説明を具体的にするため、L=4として4つのデータを使用する場合を例示する。データ列は、出力フレーム1ではA,B,C,Dを、出力フレーム2はB,C,D,Eのデータを、出力フレーム3はC,D,E,Fを、といった具体に、フレーム番号の増加に伴って一つずつずらしたデータ列を使用する。
出力フレーム1において使用するデータ列は、次の式(2)の様に定式化できる。
上述した様に、データ列A,B,C,Dは、ある受信ラスタ上のある深さからのエコー信号の列である。また、添字mが付いた場合には、2次元あるいは3次元のm番目の特定の位置を指定したとし、全体でM個の空間的な位置からの情報を取得できるものとする。
空間的なアンサンブル平均による相関行列Rxxは、以下の式(3)のように定義できる。
但し、添字Hは複素共役転置(エルミート転置)を示す。M個の範囲としては、カラードプラのスキャン範囲全体のデータを使用して1つの相関行列を計算しても良いし、スキャン範囲をブロックに分割してそれぞれに相関行列を計算しても良い。上記相関行列RxxはL×L行列となる。なお、相関行列の代わりに共分散行列を使用しても良い。ここで、共分散行列とは、予め平均値を減算した信号xmに対して上記式(3)の演算を行ったものである。
次に、第1の計算部243は、得られたL×Lの相関行列Rxxにつき、固有値と固有ベクトルを計算する。固有値の大きい順に固有ベクトルを列ベクトルとして左から並べた行列をVとし、エコー信号を上位K個の主成分で近似すると、相関行列Rxxは、以下の式(4)ように表すことができる。
但し、中央の行列は対角行列で、対角要素は左上から1がK個あり、残りの成分は0である。
次に、第1の計算部243は、原信号xから上記(4)で示された成分を減算する。Vがユニタリー行列であることから、減算結果は、次の式(5)の様に表すことができる。
第1の計算部243は、以下の式(6)で表される行列Wを入力データ列xに掛けることで係数を計算し、MTIフィルタの構成を決定する。
なお、上記式(6)において、Kは中央の対角行列の0の個数となる。これは行列のランクを低減する処理となり、Kをランクカット数と呼ぶことにする。
第1のMTIフィルタ245は、行列Wで定義されたMTIフィルタ処理を入力データ列xに実行し、以下の式(7)で示したデータ列yを出力する。
パワー推定部247は、第1のMTIフィルタ245からのデータ列yに対し、以下の式(8)で示される計算を実行し、パワー値P0を取得する。
LOG圧縮処理部249は、以下の式(9)に従うlog圧縮を実行し、最終的に使用するパワー値Pを取得する。
図5(a)に示した超音波送受信において、超音波送信間隔をTとすると、8Tが一フレーム時間となる。従って、第1の処理系のデータ列A,B,C,Dの間隔は1フレーム時間=8Tとなり、折り返し速度は以下の式(10)の様になる。
[第2の処理(速度信号処理):ステップS2B]
図5(b)は、カラードプラ処理部24の第2の処理系(WF2)において実行される速度信号に関する処理を説明するための図である。
次に、第2の計算部242は、複数のフレームに亘って、送信位置は異なるが同じ受信位置の複数のエコー信号を入力データ列とし、フレーム内外の相関行列を計算する。なお、当該フレーム内外の相関行列計算に用いるデータ列の長さLは任意に設定できるが、説明を具体的にするため、ここでは第1の処理と同じ観測時間内にあるデータを使用することにする。従って、図6(a)に示す様に、Output Frame1でWF1と同じ観測時間内にあるデータ列は、WF2として記載された16個の要素「a1,a2,a3,a4」〜「d1,d2,d3,d4」、を持つベクトル(図5(b)の赤枠の中の16つのIQ信号又はRF信号に対応)として、次の式(11)で表すことができる。
換言すれば、L=16として、第1の処理(WF1)と同じ処理を行う。従って、相関行列Rxxは、16×16行列となる。ここで注意すべきは、第1の処理では等間隔データ列に対する処理であったが、第2の処理では不等間隔データ列に対する処理となる点である。等間隔データ列の超音波信号からクラッタを主成分分析で取り除く方法は、例えば既述の非特許文献1に開示されている。しかしながら、不等間隔データ列の超音波信号からクラッタを除去する方法として主成分分析を利用する方法は、本実施形態に係るカラードプラ撮像機能の特徴の一つである。
第2の計算部242は、不等間隔データ列に対して主成分分析を行い、第1の処理とは異なるランクカット数Kを与え、MTIフィルタ行列Wを決定する。第2のMTIフィルタ244は、決定されたMTIフィルタ行列Wを用いてMTIフィルタ処理を実行し、図6(b)に示す出力データ列を生成する。
速度推定部246は、生成されたデータ列の端部の影響を避けるために、自己相関演算を行うパルスペアのデータがすべて短い周期のデータで囲まれているものを使用して、血流速度を計算する。例えば、図6(b)に示した出力データ列を用いる場合、速度推定部246は、次の式(12)に従って自己相関関数c1を計算する。
ここで、*は複素共役を表す。なお、短い周期の全パルスペアを使用した場合の方がS/Nが良い場合もある。このため、速度推定部246は、次の式(13)によって自己相関関数c1を計算するようにしてもよい。
速度推定部246は、上記求めた自己相関関数c1を用いて、次の式(14)により血流速度を計算する。
ここで、atan2は、−πからπまでの範囲で角度を計算する逆正接関数である。この時、折り返し速度は、次の式(15)によって得られる。
式(10)と式(15)とを比較すると、第2の処理の折り返し速度は第1の処理の折り返し速度の8倍あることが分かる。すなわち、本実施形態に係る第2の処理によれば、高い折り返し速度を実現することができる。
[ドプラ画像生成・表示処理:ステップS3、S4]
画像処理ユニット28は、第1の処理系で求めたパワー値Pと第2の処理系で求めた速度値Vとを用いて、ドプラ画像を生成する。生成されたドプラ画像は、表示処理ユニット30おいて所定の処理を受けた後、例えば、パワー値Pがある閾値以上の場合のみ速度値Vを表示する速度表示モード、速度値Vの符号によって赤系、青系の色分けをして、パワー値Pによって輝度を変化させる方向付きパワー表示モード等、所定の形態でモニター14に表示される。このような表示により、速度表示モードにおいてはノイズの少ない状態で微小な血流まで表示できて折り返し速度の高い速度値を表示できる。方向付きパワー表示モードにおいては、高い流速まで方向の色分けに誤りなく表示することができ、低流速の微小な血流も同時に表示することができる。
(変形例1)
上記実施形態のステップS1においては、図4、図5(a)、(b)に示した様に、送信毎に送信位置を一受信ラスタ分ずらした並列同時送受信を実行し、得られたエコー信号列を用いて、第1の処理系においてパワー信号を、第2の処理系において速度信号を、それぞれ計算した。しかしながら、当該例に限定されず、図7に示す様に、送信毎に送信位置をずらさないで並列同時送受信を実行し、得られたエコー信号を用いて、第1の処理系においてパワー信号を、第2の処理系において速度信号を、それぞれ計算するようにしてもよい。なお、図7の例では、各フレームにつき、複数の送信回数(4つ)を基本単位として送信位置を複数の受信ラスタ分(4〜5ラスタ分)ずらしながら並列同時送受信を実行する例を示している。
なお、本変形例1に係る超音波送受信では、送信位置をブロック単位で一括してずらす処理が必要となる(図7に点線に対応)。従って、図4、図5(a)、(b)に示した超音波送受信であれば、この様な一括ずらしは必要がなく、従って、送信位置が変化する点における不連続性によるブロック間段差は発生しないという効果がある。
(変形例2)
上記実施形態のステップS2においては、不等間隔なデータ列に対して、相関行列或いは共分散行列を用いた主成分分析(或いはこれと数学的に等価な処理)を用いて、MTIフィルタの係数をアダプティブに決定した。しかしながら、当該例に拘泥されず、不等間隔なデータ列に対し、例えば多項式フィッティングを用いてクラッタを近似し、原信号から減算する(或いはこれと数学的に等価な処理を行う)ことで、MTIフィルタの係数をアダプティブに決定するようにしてもよい。
(比較例)
図8(a)〜(e)は、それぞれ本実施形態に係る超音波診断装置の効果を説明するための図であり、腎臓血流の方向付きパワー表示を行った画像を示す。各図において、折り返しのない場合は、赤系(ドット)領域は超音波プローブ12に向かって来る血流を、青系(斜線)領域は遠ざかる血流を、明るさはパワーの大きさを、それぞれ現す。グレースケール(模様なし)領域は、パワー値が閾値以下の領域でBモード像が見えている。なお、フレーム内の同一ラスタの受信回数は5である。
図8(a)は、一フレーム内の5データのみに対してMTIフィルタを掛けてパワー、速度を求めて表示したものである。同図から解るように、観測時間が短いので低流速がほとんど検出できていない。
図8(b)は、一フレーム内では加算処理を行わず一データを使用し、16フレーム分のデータに対してMTIフィルタを掛けてパワー、速度を求めて表示したものである。腎臓血流は表現できているが赤(ドット)と青(斜線)が入り混じっていて折り返し現象が多数発生しているのが解る。
図8(c)は、一フレーム内の5データを加算して得られた加算エコー信号を一つの信号とし、16フレーム分のデータを用いて第1の処理のみを行って、第1の処理のパワーと速度を利用して表示したものである。図8(b)と比較した場合、図8(c)では血流の無い部分の輝度が暗くなってS/Nが向上し、より微小な血流まで観察できているのが解る。
図8(d)は、第2の処理のみを行って第2の処理のパワーと速度を利用して表示したものである。図8(b)、図8(c)と比較した場合、図8(d)では折り返しが大幅に低減して、腎臓の動脈は赤系でと静脈は青系で表示されていて2本の血管が色によって分離して見えるのが解る。
図8(e)は、第1の処理のパワー(図8(c)のパワー)と第2の処理の速度(図8(d)の速度)を使用してドプラ画像を生成し表示したものである。図8(d)の例では微小な血流の周りにノイズが見られるが、図8(e)の例では微小な血流の輝度が高くなりより鮮明に微小な血流が観察できる。
(効果)
本実施形態に係る超音波診断装置によれば、第1の処理系において、同一フレーム内の同じ受信位置のエコー信号(IQ信号又はRF信号)を加算し、得られた加算エコー信号を一つの信号として、フレーム間でMTIフィルタを掛ける。MTIフィルタは主成分分析でクラッタを近似して原信号から減算する方法で行う。このMTIフィルタのフィルタ係数は得られたエコー信号に基づいて逐次更新されるので、動きに適応的に反応でき、モーションアーティファクトの発生を防止できる。また、加算エコー信号を用いてMTIフィルタのフィルタ係数を決定するため、従来に比してS/Nを改善することができる。ここで、第1の処理系では、送信位置は異なるが同じ受信位置の信号を加算するために送信位置の違いは完全にキャンセルされるために、送信位置が異なる際に画像が不連続に見えるという問題は発生しない。さらに、MTIフィルタのフィルタ係数の計算に用いるデータの間隔は1フレームであため、優れた低流速感度を実現することができる。なお、第1の処理系での折り返し速度は低い状態になっているが、当該処理系において計算するのはパワー情報である。従って、第1の処理系において速度が折り返ったとしても問題にならない。
また、本実施形態に係る超音波診断装置によれば、第2の処理系において、同じ受信位置のエコー信号(IQ信号又はRF信号)を数フレーム分加算せずに、不等間隔データ列として使用して主成分分析を行う。ここで得られた主成分から原信号を減算することで、不等間隔データ列に対しても適応的に変化するMTIフィルタが実現できる。MTIフィルタ出力信号の中のデータ間隔が短いパルスペアを用いて速度を推定する。また、折り返し速度は、送信間隔Tによって決定されるので高くなり、折り返しが発生しにくい。なお、第2の処理系では、送信位置は異なるが同じ受信位置の信号をそのまま使用するので送信による差が受信ラスタ間で発生する。しかし、この位相変化は周期的であるので主成分分析において主成分として検出可能なので抑圧可能であり、第2の処理で得られる速度情報に大きな誤差は発生しない。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、図3のステップS1において、カラードプラのスキャンのみを実行する場合を例とした。これに対し、第2の実施形態では、カラードプラのスキャンと共にBモードのスキャンも併せてに行われる場合について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る超音波診断装置が図2のステップS1において実行する超音波送受信を説明するための図である。同図に示す様に、「Bモードスキャン」で1フレーム分のBモードのスキャンが実行され、「カラードプラのスキャン」で1フレーム分のカラードプラのスキャンが実行される。ここで、「カラードプラのスキャン」とは、図4に示したスキャン(すなわち、送信毎に送信位置を一受信ラスタ分ずらした並列同時送受信を行うスキャン)或いは変形例1に係るスキャンを意味する。
本第2の実施形態に係る超音波診断装置では、第1の実施形態に係る超音波診断装置に比して、相違点はBモードのスキャン時間分、フレーム時間が長くなるために、第1の処理での折り返し速度が低下する。しかし、第2の処理での折り返し速度に変化はない。但し、不等間隔データ列での長い方の時間が更に長くなるために、主成分分析によるMTIフィルタの特性が悪くなり、第2の処理で十分にクラッタが除去できない可能性がある。
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る超音波診断装置が図3のステップS1において実行する超音波送受信を説明するための図である。同図に示す様に、本実施形態に係る超音波診断装置は、カラードプラのスキャン及びBモードのスキャンを実行する場合において、Bモードのスキャンを超音波走査すべき全領域の一部ずつ(図10の例では、全体の1/4ずつ)行うものである。
すなわち、「Bモードスキャン1」では最初の1/4をスキャンし、「Bモードスキャン2」では次の1/4をスキャンする。従って、4回で全体のスキャンが完了する。一方、カラードプラは、第1の実施形態或いはその変形例1と同様に、それぞれのスキャンで全体の領域をスキャンする。従って、ドプラ画像は、「カラードプラのスキャン」の周期毎に生成し表示することができる。ここでは、カラードプラのスキャンの周期が60fpsを超えるような場合を想定して、カラードプラのスキャン2周期で1フレームのカラードプラ画像を表示する。例えば、カラードプラのスキャンの周期が120fpsの場合、表示のカラードプラは60fpsであり、表示のBモードは30fpsとなる。
本実施形態に係る超音波診断装置によれば、カラードプラのスキャンの周期がBモードのスキャンによって長くなることを防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
(1)本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
(2)上記実施形態に係る第1の処理系及び第2の処理系による処理を用いたドプラ画像の生成・表示は、超音波画像処理装置において、カラードプラモードによって予め取得されたIQ信号或いはRF信号を用いて、事後的に実現することも可能である。
(3)上記実施形態に係る第1の処理系においては、1フレーム内で送信位置は異なるが同じ受信位置の4つのエコー信号を加算し、各フレームにおいてラスタ毎の加算エコー信号を生成した。これと同等の処理として、低域通過型フィルタ処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…超音波診断装置、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニター、20…超音波送信ユニット、21…超音波受信ユニット、22…入力バッファ、23…Bモード処理ユニット、24…カラードプラ処理ユニット、25…FFTドプラ処理ユニット、26…RAWデータメモリ、27…ボリュームデータ生成ユニット、29…画像処理ユニット、30…表示処理ユニット、31…制御プロセッサ(CPU)、32…記憶ユニット、33…インターフェースユニット、241…フレーム内データ加算部、242…第2の計算部、243…第1の計算部、244…第2のMTIフィルタ、245…第1のMTIフィルタ、246…速度推定部、247…パワー推定部、249…LOG圧縮処理部。

Claims (11)

  1. 被検体の所定領域に関して一フレーム又は一ボリュームを基本単位とする超音波スキャンを複数回実行し、前記所定領域に対して割当てられた複数の受信ラスタそれぞれで複数の受信信号を取得する受信信号取得手段と、
    一フレーム又は一ボリュームの前記超音波スキャンを単位とする加算処理又は低域通過型フィルタ処理を、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対して実行することで、前記複数の受信ラスタそれぞれに対応する複数の第1の信号を生成し、前記複数の第1の信号に対しフレーム間又は一ボリューム間でMTIフィルタ処理を実行することで得られる第2の信号に基づいて、前記所定領域における移動体のパワー情報を取得するパワー情報取得手段と、
    複数フレーム又は複数ボリュームに亘り、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対しMTIフィルタ処理を実行することで得られた第3の信号に基づいて、前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得手段と、
    前記パワー情報および前記速度情報に基づいて、前記所定領域に対応するドプラ画像を生成する画像生成手段と、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記受信信号取得手段は、各フレーム又は各ボリュームにつき、送信毎に送信位置を1受信ラスタ分ずらしながら並列同時送受信を実行することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記受信信号取得手段は、各フレーム又は各ボリュームにつき、複数の送信回数を基本単位として送信位置を複数の受信ラスタ分ずらしながら並列同時送受信を実行することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記速度情報取得手段は、前記MTIフィルタとして、不等間隔データ列に対し相関行列又は共分散行列の固有値及び固有ベクトルでクラッタを近似して原信号から減算することで、前記MTIフィルタ処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  5. 前記速度情報取得手段は、前記MTIフィルタとして、不等間隔データ列に対する多項式フィッティングでクラッタを近似して原信号から減算することで、前記MTIフィルタ処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  6. 前記速度情報取得手段は、前記MTIフィルタを掛けた出力データ列のうち、データ間隔の短いパルスペア間を用いて前記所定領域における移動体の速度を推定することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  7. 前記パワー情報取得手段は、前記MTIフィルタとして、相関行列又は共分散行列の固有値及び固有ベクトルでクラッタを近似して原信号から減算することで、前記MTIフィルタ処理を実行することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  8. 前記受信信号取得手段は、各フレーム又は各ボリュームにおいて、前記所定領域に関するBモードスキャンと前記所定領域に関するカラードプラスキャンとを交互に実行することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  9. 前記受信信号取得手段は、各フレーム又は各ボリュームにおいて、前記所定領域の一部に関するBモードスキャンと前記所定領域に関するカラードプラスキャンを交互に実行し、複数フレームに亘るBモードスキャンによって得られたデータによって、前記所定領域に関するBモードスキャンが実現することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  10. 被検体の所定領域に関して一フレーム又は一ボリュームを基本単位とする超音波スキャンを複数回実行し、被検体の所定領域に対して割当てられた複数の受信ラスタそれぞれで受信することで得られた複数の受信信号を記憶する記憶手段と、
    一フレーム又は一ボリュームの前記超音波スキャンを単位とする加算処理又は低域通過型フィルタ処理を、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対して実行することで、前記複数の受信ラスタそれぞれに対応する複数の第1の信号を生成し、前記複数の第1の信号に対しフレーム間又は一ボリューム間でMTIフィルタ処理を実行することで得られる第2の信号に基づいて、前記所定領域における移動体のパワー情報を取得するパワー情報取得手段と、
    複数フレーム又は複数ボリュームに亘り、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対しMTIフィルタ処理を実行することで得られた第3の信号に基づいて、前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得手段と、
    前記パワー情報および前記速度情報に基づいて、前記所定領域に対応するドプラ画像を生成する画像生成手段と、
    を具備することを特徴とする超音波画像処理装置。
  11. 被検体の所定領域に関して一フレーム又は一ボリュームを基本単位とする超音波スキャンを複数回実行し、被検体の所定領域に対して割当てられた複数の受信ラスタそれぞれで受信することで得られた複数の受信信号を用いて、コンピュータに、
    一フレーム又は一ボリュームの前記超音波スキャンを単位とする加算処理又は低域通過型フィルタ処理を、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対して実行することで、前記複数の受信ラスタそれぞれに対応する複数の第1の信号を生成し、前記複数の第1の信号に対しフレーム間又は一ボリューム間でMTIフィルタ処理を実行することで得られる第2の信号に基づいて、前記所定領域における移動体のパワー情報を取得するパワー情報取得機能と、
    複数フレーム又は複数ボリュームに亘り、前記複数の受信ラスタそれぞれで取得された前記複数の受信信号に対しMTIフィルタ処理を実行することで得られた第3の信号に基づいて、前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得機能と、
    前記パワー情報および前記速度情報に基づいて、前記所定領域に対応するドプラ画像を生成する画像生成機能と、
    を実現させることを特徴とする超音波画像処理プログラム。
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