JP4928801B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を送受して得られたドプラ信号を利用して血流を2次元的に可視化する超音波診断装置に係る。
超音波診断装置を用いた診断において、超音波のドプラ効果を利用して血流速度を検出し、血流をカラーで表示する方法は、カラードプラ法と呼ばれる。カラードプラ法による血流表示機能を備えた従来のカラードプラ超音波診断装置では、同一方向に複数回に亘って超音波の送受信が行われる。同一方向に送受信される超音波のデータ列はパケットと呼ばれる。
超音波のデータ列のパケットサイズを大きくすると血流の検出感度を向上させることができるが、フレームレートが低下するためパケットのサイズは通常4〜16程度である。データ列のパケットサイズを大きくすると、血流の検出感度が向上するのは以下の理由によるものである。
すなわち第1に血流のあり/なしの判定は受信した超音波ドプラ信号から抽出した血流のパワー信号に対してある閾値を設定することによって行われるからである。受信した超音波ドプラ信号は、組織からのクラッタ成分を除去して血流信号を抽出するためのMTI(moving target indication)フィルタ(ウォールフィルタ)に与えられ、MTIフィルタの出力信号のパワー値が加算されることによって、血流のパワー信号値が求められる。従って、パケットサイズが大きく加算対象となる血流のパワー信号の数が大きいほどS/N(signal to noise)比が向上することとなる。
第2に、巡回型(FIR:finite impulse response filter)型のMTIフィルタの特性は入力するデータ数に依存するという点が挙げられる。入力するデータ数が大きい程、低いカットオフ周波数を持ち、急峻なロールオフ特性を持つハイパスフィルタを構成することができる。非巡回型(IIR:infinite impulse response filter)型のMTIフィルタであっても、有限長のデータ列を扱う場合には、必ずFIR型のフィルタに変換できるため、MTIフィルタがFIR型である場合と同様なことが言える。つまり、入力するデータ数が大きい程、より低流速の血流を静止した組織から良好な分離能で検出することができる。
一方、カラードプラ法において、同一の走査線に対して続けて超音波を送信せずに、別の走査線への超音波送信を間にはさむことで、少ないパケットサイズで長い観測時間を確保する交互スキャンと呼ばれる技術が考案されている(例えば特許文献1参照)。そして、この交互スキャンによって、フレームレートを低下させることなく、上述したような低流速の血流の検出能を向上させる方法が考案されている。
しかし、交互スキャンによる方法では、パケットサイズが大きくないため、血流のあり/なしの判定のために加算される血流のパワー信号の数を増加させることができない。従って上述したようなS/N比の向上という効果を得ることができないという欠点がある。加えて、同一方向への超音波の送信周期が長くなるために、折り返し速度が低下するという問題がある。
そこで、フレームレートを低下させることなくパケットサイズを増加し、S/N比を向上させるとともに低流速の血流の検出能を得る方法が考案されている(例えば特許文献2参照)。この方法は、1フレームの交互スキャンを行って異なるフレームのデータを利用するものであり、無限長のデータを利用できるためIIRフィルタを効果的に使用することができる。
図7は、従来の超音波診断装置を用いた交互スキャンによる走査方法の例を示す図である。
図7において横軸は時間tを示す。図7に示すようにカラーアンギオ画像(血流のカラードプラ画像)を撮影するためのスキャンが60/PRFの周期で交互に行われる。ただし、PRFは、パルス繰返し周波数(pulse repetition frequency)、60はラスタ数である。この場合のフレームレートは(60/PRF)-1となる。
図8は、従来の超音波診断装置を用いた交互スキャンによる走査方法の別の例を示す図である。
図8において横軸は時間tを示す。図8に示すように、カラーアンギオ画像用のスキャンと、Bモード画像(組織断層像)用のスキャンとを異なる撮影条件で交互に行う方法も考案されている。すなわち、カラーアンギオ画像用のスキャンとBモード画像用のスキャンとが交互に行われつつ、それぞれのスキャンは(60+120)/PRFの周期で繰返し実行される。
Bモード画像用のスキャンにおける超音波の最適な送信条件とカラーアンギオ画像用のスキャンにおける超音波の最適な送信条件とは異なるため、図8のようにBモード画像用の超音波送信とカラーアンギオ画像用の超音波送信とを異なるものとすることが現実的である。
図8に示すようにBモード画像用のラスタ数を120、カラーアンギオ画像用のラスタ数を60とする交互スキャンにおいて、PRF=6kHzにすると、カラーアンギオ画像およびBモード画像の表示周期Tは、式(1)に示すように30msとなる。
[数1]
T = (60+120)/PRF = 30 (ms) (1)
また、折り返し速度Vmaxは表示周期Tを用いて式(2)によりに計算できる。
[数2]
Vmax = c/(4f0T) (2)
式(2)において、cは音速であり、f0は受信される超音波信号の中心周波数である。式(2)は、画像の表示周期が長いと折り返し速度が小さくなり、血流の速度分解能が低下することを示している。式(2)において、音速c=1540m/s、音波信号の中心周波数f0=2.5MHzとすると、表示周期はT=30msであるから折り返し速度はVmax=5mm/sとなる。このように折り返し速度が低いと、通常のカラードプラ法における血流の速度表示において、血流の移動方向を色で識別して表示することが困難となる恐れがある。
そこで、カラーアンギオ画像用のスキャンの周期をT=60/PRF=10msと短くし、カラーアンギオ画像の表示フレームレートを3倍に増加するとともに折り返し速度も3倍に増加させる方法が提案されている。
図9は、従来の超音波診断装置を用いた交互スキャンにおいてカラーアンギオ画像用のスキャンの周期を短くした例を示す図である。
図9に示すようにBモード画像用のスキャンの周期を長くする一方、カラーアンギオ画像用のスキャンの周期を短くすれば、カラーアンギオ画像の表示フレームレートおよび折り返し速度を増加させることができる。しかし、Bモード画像用のスキャン中には、カラーアンギオ画像用のドプラ信号が収集されないため、図9の点線部分に示すようにカラーアンギオ画像用のドプラ信号が欠落することとなる。
そこで、ドプラ信号のデータ列全体が、等間隔サンプリングされた場合のデータ列と同等となるように、欠落したドプラ信号の前後におけるドプラ信号から欠落した部分のドプラ信号を推定によって求め、推定したドプラ信号を含めてデータ列全体に対してMTIフィルタを掛ける方法が考案されている。
一方、他のカラードプラ法に関する技術として等間隔でないドプラ信号のサンプリング列に対してMTIフィルタを掛ける方法が考案されている(例えば特許文献3参照)。
特許第1891917号公報 特開平8−336534号公報 特開2005−176997号公報
しかしながら、交互スキャンおよび推定により得られた等間隔のドプラ信号のデータ列にMTIフィルタを掛ける従来の方法を用いたとしても、より低流速の血流を検出する場合には、折り返し速度が十分であるとは言えない場合がある。具体的には、上述したドプラ信号の推定を伴う交互スキャンにおける折り返し速度は、ドプラ信号の送信走査線数とPRFによって決定されるが30mm/sとなる。従って、血流の方向を折り返しなしに表示するためには、折り返し速度がまだ十分に大きいとは言えない。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、フレームレートを維持しつつS/N比を向上させ、かつより大きな折り返し速度で低流速の血流まで検出してドプラ画像として表示させることが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超音波診断装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、被検体のBモード像用に所定の周期で繰返し行われる複数の第1のスキャンと、血流情報の2次元分布を得るために前記各第1のスキャンの間で第1の周期で続けて所定数回繰返し行われ、かつ前記各第1のスキャンを挟んで第2の周期で繰返し行われる複数の第2のスキャンとをそれぞれ実行するスキャン実行手段と、前記複数の第2のスキャンにより得られる反射信号からドプラ信号を順次得るドプラ信号取得手段と、前記ドプラ信号取得手段によって、前記第1のスキャンを挟んで前記第1の周期および前記第2の周期で収集された複数のドプラ信号を1グループのドプラ信号列としてラスタ方向ごとに記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記1グループのドプラ信号列を読出して、動きの少ない信号成分を除去することによって前記1グループのドプラ信号列に基づいて血流信号を得る除去手段と、前記血流信号から血流情報を得る血流情報取得手段と、前記第1のスキャンによって得られる反射信号からBモード像を得るBモード像生成手段と、を備え、前記スキャン実行手段は、前記血流情報の2次元分布を得るためのスキャン領域を構成する複数のラスタを複数のラスタブロックに分類して、前記複数の第2のスキャンを前記ラスタブロックごとに順番に走査することで、前記各第1のスキャンの間で、前記血流情報の2次元分布を得るためのスキャン領域を構成する複数のラスタ全体について前記複数の第2のスキャンを実行することを特徴とするものである。
本発明に係る超音波診断装置においては、フレームレートを維持しつつS/N比を向上させ、かつより大きな折り返し速度で低流速の血流を検出してドプラ画像として表示させることができる。
本発明に係る超音波診断装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る超音波診断装置の実施の形態を示すブロック構成図である。
超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送信回路3、受信回路4、Bモード処理系5、カラードプラ処理系6、Bモード像座標変換部7、カラードプラ像座標変換部8、画像合成回路9、制御回路10、表示モニタ11および入力装置12を具備している。
超音波プローブ2は、圧電セラミック等の複数の圧電振動子を先端に並列装備している。超音波プローブ2の各圧電振動子は、送信回路3から印加された電圧パルスに基づいて超音波を発生する機能を有する一方、超音波エコーを受信して電気信号に変換する機能を有する。
送信回路3は、図示しないパルス発生器、送信遅延回路、パルサを有し、超音波プローブ2に接続される。送信回路3のパルス発生器は、レートパルスを繰り返し発生する機能を有する。このレートパルスはチャンネル数に分配され、送信遅延回路に送られる。送信遅延回路は、超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を各レートパルスに与える機能を有する。なお、送信遅延回路には、図示しないトリガ信号発生器からのトリガがタイミング信号として供給される。パルサは、送信遅延回路からレートパルスを受けたタイミングで超音波プローブ2にチャンネル毎に電圧パルスを印加する。これにより超音波ビームを被検体に送信することができる。
受信回路4は、超音波プローブ2の各圧電振動子から超音波エコーを受けてIQ信号を生成し、Bモード処理系5およびカラードプラ処理系6に与える機能を有する。そのために受信回路4には、図示しないプリアンプ、AD(analog to digital)変換器および整相加算回路が設けられる。そして、各圧電振動子から受けた超音波エコー信号は、プリアンプにおいて増幅された後、AD変換器においてAD変換される。さらに、AD変換後の超音波エコー信号が、整相加算回路において整相加算されることにより、超音波エコー信号はIQ信号に変換される。そして、整相加算回路において得られたIQ信号が受信回路4の出力とされる。
Bモード処理系5は、エコーフィルタ13、検波回路14およびLOG圧縮回路15を有している。
エコーフィルタ13は、受信回路4から受けたIQ信号に対して、フィルタ処理を実行することによって、適切な帯域のIQ信号のみを抽出する機能と、フィルタ処理後のIQ信号を検波回路14に与える機能とを有する。
検波回路14は、エコーフィルタ13から受けたIQ信号を検波し、Bモード像を構成する走査線毎のBモード信号を求める機能と、求めたBモード信号をLOG圧縮回路15に与える機能とを有する。
LOG圧縮回路15は、検波回路14から受けたBモード信号に対して対数変換による圧縮処理を施す機能と、圧縮処理後におけるBモード信号をBモード像座標変換部7に与える機能とを有する。
カラードプラ処理系6は、CTB(Corner Turning Buffer)16、MTIフィルタ17、演算回路18、速度・分散・パワー推定回路19を有している。
CTB16は、受信回路4から入力したドプラ信号の時系列のデータ列を一時的に記憶する装置である。CTB16には、各ラスタ位置の複数のデータがMTIフィルタ17の入力データ数分をカバーする数だけ記憶される。CTB16に記憶されたIQ信号のデータ列は、所定の順番にてMTIフィルタ17に出力される。
MTIフィルタ17は、基本波成分および高調波成分のドプラ信号から血流情報の2次元分布、すなわちカラードプラ像の生成に不要なクラッタ成分やノイズ成分を除去し、血流からのドプラ信号を抽出する機能と、抽出したドプラ信号を血流信号として演算回路18に与える機能とを有する。そのために、MTIフィルタ17は、ドプラ信号にフィルタ処理を施すように構成されるが、特にフィルタ処理の入力データ列となる複数のドプラ信号が時間的に不等間隔である場合に、入力データ列のフィッティングを行って得られたデータと元の入力データとの差分を血流信号の出力データ列とするフィルタ処理を実行する。
演算回路18は、MTIフィルタ17から受けた出力データ列の構成要素となる時間的に等間隔のデータから血流の速度、パワー、分散の計算に必要な中間データを求める機能と、求めた中間データを速度・分散・パワー推定回路19に与える機能とを有する。
速度・分散・パワー推定回路19は、演算回路18から受けた中間データに基いて血流の速度、パワー、分散を計算する機能と、計算により得られた血流の速度およびパワーをそれぞれ走査線ごとの速度信号およびパワー信号のデータ列としてカラードプラ像座標変換部8に与える機能とを有する。
Bモード像座標変換部7は、LOG圧縮回路15から受けた走査線ごとのBモード信号のデータ列を直交座標系のデータ列に座標変換する機能と、座標変換後のBモード信号を画像合成回路9に与える機能とを有する。
カラードプラ像座標変換部8は、速度・分散・パワー推定回路19から受けた走査線ごとの血流の速度信号およびパワー信号のデータ列を直交座標系のデータ列に座標変換する機能と、座標変換後の血流の速度信号およびパワー信号を画像合成回路9に与える機能とを有する。
画像合成回路9は、Bモード像座標変換部7およびカラードプラ像座標変換部8から入力したBモード信号、血流の速度信号およびパワー信号のうち、表示モニタ11に表示させる画像に用いる信号を決定し、決定した信号の値の大きさに応じて所定の色及び輝度を割り当てることにより、Bモード信号値からBモード像を、速度信号値から速度像を、パワー信号値からパワー像をそれぞれ生成する機能と、生成したBモード像に速度像および/またはパワー像を合成して表示モニタ11に出力する機能とを有する。
制御回路10は、超音波診断装置1の動作に関する制御を行う機能を有し、入力装置12からの情報に従ってスキャン条件を設定し、設定したスキャン条件に従って送信回路3および受信回路4に制御信号を与えて制御することができるように構成される。制御回路10によって設定されるスキャン条件は、Bモード像用のスキャンとカラードプラ像用のスキャンとをそれぞれ異なるスキャン間隔、すなわち異なるパルス繰返し周期で行うものである。
通常、カラードプラ像用の走査線数はBモード像用の走査線数よりも少なく設定される。従って、Bモード像用の1回のスキャンに要する時間よりもカラードプラ像用の1回のスキャンに要する時間の方が短い。また、カラードプラ像の表示フレームレートおよび折り返し速度を増加させるために、実用的にはカラードプラ像用のパルス繰返し周期は、Bモード像用のパルス繰返し周期よりも短く設定される。従って、Bモード像用のスキャンの間に複数回に亘って繰返しカラードプラ像用のスキャンが実行されるようにスキャン条件が設定される。
ただし、理論的には、Bモード像用のスキャンとカラードプラ像用のスキャンとが任意数回(1回を含む)ずつ交互に行われるようにスキャン条件を設定することも可能である。ここでは、Bモード像用のスキャンの間に複数回に亘って繰返しカラードプラ像用のスキャンが実行される場合について説明する。
また、カラードプラ像用のスキャンは、Bモード用のスキャンに続いて行われる場合と、カラードプラ像用のスキャンに続いて行われる場合とがある。このため、カラードプラ像用のスキャンは不等間隔で実行される。具体的には異なる2つのパルス繰返し周期でカラードプラ像用のスキャンが繰返し実行される。
次に超音波診断装置1の動作および作用について説明する。
まず、入力装置12からの情報により制御回路10においてスキャン条件が設定される。
図2は、図1に示す制御回路10において設定されるスキャン条件の一例を示す図である。
図2において横軸はラスタ方向を示し、縦軸は送信タイミングを示す。また、図2中の左に傾斜した斜線部は、Bモード像用に送信される超音波のタイミングを、塗りつぶした部分はカラードプラ像用に送信される超音波のタイミングを、右に傾斜した斜線部はカラードプラ像用に送信されるダミー超音波のタイミングをそれぞれ示す。制御回路10において設定されるスキャン条件は以下のようなものである。
最初にBモード像の全領域に渡って1回スキャンする。従って、図2に示すように、Bモード像用の超音波は、続けて全てのラスタ方向(走査線)に送信される。図2は、20回に亘って異なるラスタ方向に超音波が送信される例を示している。
次に、カラードプラ像用のダミー超音波の送信を行う。図2では、ダミー超音波が1回送信される例を示している。
次に、カラードプラ像用のスキャンを全領域に渡って複数回スキャンする。従って、図2に示すように、カラードプラ像用の超音波が、続けて全てのラスタ方向(走査線)に送信される。そして、再び全てのラスタ方向にカラードプラ像用の超音波が送信される。このような全てのラスタ方向へのカラードプラ像用の超音波の送信が周期T1で任意数回繰返し実行される。図2は、16回のカラードプラ像用の超音波の送信が周期T1で回繰り返して実行される例を示している。
尚、前述のダミー超音波は、Bモード用のスキャンからカラードプラ像用のスキャンに移行する際に、Bモード用のスキャンによって生じた超音波エコーの影響がMTIフィルタにおいて強調されないように送信されるものである。
そして、このようなBモード像用のスキャンと、複数回のカラードプラ像用のスキャンとが繰返し実行される。従ってBモード用のスキャンの繰返し周期、すなわちBモード像の表示フレームレートTBは、カラードプラモード用のスキャンの回数とBモード像用のスキャンの走査線数に応じた値となる。また、Bモード用のスキャンを間に挟んで実行されるカラードプラモード像用のスキャンの繰返し周期T2は、カラードプラモード像用のスキャンに続いて実行されるカラードプラモード像用のスキャンの繰返し周期T1よりもBモード像用のスキャンおよびダミー超音波の送信に要する時間だけ長く設定されることとなる。
特に、カラードプラモード像用のスキャンの繰返し周期T1、T2をBモード像用のスキャンの繰返し周期よりも短く設定すれば、Bモード像の表示フレームレートTB(画像更新フレームレート)よりもカラードプラモード像の更新フレームレートの方を速くすることができる。つまり、一瞬の逆流の観察等の目的のために、Bモード像の更新フレームレートに比べて、より速いことが要求されるカラードプラモード像の更新フレームレートを速く設定することができる。
このように設定されたスキャン条件に従ってスキャンが実行されるように制御回路10は、送信回路3および受信回路4その他必要な機器に制御信号を与えて超音波診断装置1の動作を制御する。このため、送信回路3は、レートパルスを繰返し発生し、各走査線方向に超音波ビームを集束するために必要な遅延時間をレートパルスに与える。このレートパルスは、送信回路3のパルサに与えられる。そして、レートパルスを受けたタイミングでパルサから超音波プローブ2の各圧電振動子に電圧パルスが印加される。これにより、超音波プローブ2からスキャン条件に従ってBモード像用の超音波とカラードプラ像用の超音波がそれぞれ間欠的に走査線ごとに送信される。
そうすると、被検体内では、超音波エコーが発生し、超音波プローブ2の各圧電振動子において受信される。各圧電振動子では、超音波エコーが電気信号に変換され、超音波エコー信号として受信回路4に与えられる。受信回路4では、超音波エコー信号の増幅、AD変換および整相加算が行われ、超音波エコー信号はIQ信号に変換される。そして、受信回路4からBモード処理系5およびカラードプラ処理系6にIQ信号が出力される。
Bモード処理系5では、エコーフィルタ13において、IQ信号のフィルタ処理により適切な帯域のIQ信号が抽出される。フィルタ処理後のIQ信号は、検波回路14に与えられて検波され、Bモード信号が求められる。Bモード信号は、LOG圧縮回路15に与えられ、対数変換による圧縮処理がBモード信号に施される。圧縮処理後におけるBモード信号は、Bモード像座標変換部7に与えられる。
Bモード像座標変換部7では、走査線ごとのBモード信号のデータ列が直交座標系のデータ列に座標変換され、座標変換後のBモード信号が画像合成回路9に与えられる。
一方、カラードプラ処理系6では、受信回路4からIQ信号として取得したドプラ信号がCTB16に順次記憶される。CTB16では、各ラスタ位置におけるデータがMTIフィルタ17に必要な入力データ数分をカバーする数だけ記憶される。ここで、カラードプラ像用のスキャンの繰返し周期はT1とT2の2通りであるため、連続して実行されるカラードプラ像用のスキャンの回数を超える数のデータがCTB16に記憶されると、CTB16に記憶されるデータは時間的に不等間隔となる。例えば図2に示すスキャン条件では、カラードプラ像用のスキャンが4回続けて実行されるため、各ラスタ位置におけるデータがCTB16に少なくとも5個以上記憶されるとデータは時間的に不等間隔となる。
MTIフィルタ17への入力データ数は、連続して実行されるカラードプラ像用のスキャンの回数を超える数が実用的であるため、CTB16には、MTIフィルタ17の入力データ数分をカバーするために必要な各ラスタ位置における時間的に不等間隔のドプラ信号のデータ列が記憶される。従って、CTB16には、最大無限長のデータを記憶させることが可能であり、かつ最大無限長のデータをMTIフィルタ17への入力データとして使用することが可能である。
そして、予め指定された数のデータがCTB16に記憶されると、指定された数のデータで構成されるデータ列がMTIフィルタ17に入力される。
図3は、図1に示すMTIフィルタ17に入力される、あるラスタ位置におけるデータ列の一例を示す図である。
図3において横軸は超音波の送受タイミングを示し、塗りつぶし部分は送信される超音波を示す。図2に示すような複数回のカラードプラ像用のスキャンの間にBモード像用のスキャンが挿入されたスキャンでは、カラードプラ像用の超音波の送受タイミングが等間隔ではないため、MTIフィルタ17に入力されるカラードプラ像用のデータ列も等間隔サンプリングにより得られたデータ列とはならない。
そして、図2に示すスキャンの場合には、図3に示すように、繰返し周期T1で4つのデータがサンプリングされた後、繰返し周期T2で次のデータがサンプリングされる。そして、このような異なる繰返し周期T1,T2でデータがサンプリングされる。
このような不等間隔のデータ列がCTB16に記憶されるが、任意数のデータ列をMTIフィルタ17に入力することができる。例えば、12個のデータ列をMTIフィルタ17への入力データとする場合には、図3に示す実線の矢印の範囲に示すデータ列がMTIフィルタ17への1回の入力データとなる。この場合に、MTIフィルタ17に入力されるデータ列の隣接するデータ間の時間差は、[T1,T1,T1,T2,T1,T1,T1,T2,T1,T1,T1]となる。
そして、MTIフィルタ17では、このような不等間隔の入力データに対して式(3)に示すMTIフィルタ処理が実行される。
[数3]
y=Wx (3)
ただし、式(3)において、yはMTIフィルタ17の出力列ベクトル、xは、MTIフィルタ17の入力データ列ベクトル、Wは、MTIフィルタ17のフィルタ行列である。また、入力データ列ベクトルとなる不等間隔のデータ列(ドプラ信号)を多項式近似し、多項式近後の信号を多項式近前の原信号から減算した結果が血流信号を表す出力列ベクトルであるものとするとMTIフィルタ17のフィルタ行列Wは、式(4−1)および式(4−2)により行列Aを用いて求めることができる。
Figure 0004928801
ただし、Iは単位行列、Tは転置号列、-1は逆行列をそれぞれ表す。また、式(4−1)および式(4−2)は、2次多項式を用いた最小2乗法により入力データ列ベクトルを近似(フィッティング)する場合の式である。すなわち、行列Aを式(4−1)のように定義すると、MTIフィルタ17のフィルタ行列Wは、式(4−2)で計算することができる。
このようなフィルタ行列Wによってフィルタ処理され、得られた血流信号の出力列ベクトルは演算回路18に与えられる。
ここで、MTIフィルタ17の出力列ベクトルyを、式(5−1)のように表すと、演算回路18では、式(5−2)の計算が実施される。
Figure 0004928801
すなわち、演算回路18は、MTIフィルタ17の出力列ベクトルyの要素のうち隣接時間差がT1のM個のデータのみを使用して式(5−2)により血流の速度、パワー、分散の計算に必要な中間データacを求める。尚、式(5−2)では、隣接時間差がT1のデータの全てを中間データacの計算に用いたが、一部のデータのみを利用して中間データacを計算してもよい。例えば、端のデータは誤差が大きい場合があるため、式(5−2)においてi=5,6,7として中央のデータのみを中間データacの計算に利用するようにすれば、中間データacの計算精度を向上させることができる。
次に演算回路18は、求めた中間データacを速度・分散・パワー推定回路19に与える。そうすると、速度・分散・パワー推定回路19では、中間データacに基いて式(6−1)により血流の速度Vが、式(6−2)により血流のパワーPが、式(6−3)により血流の分散Varがそれぞれ計算される。
Figure 0004928801
式(6−1)により得られる血流の速度は、−π〜+π値を取る規格化速度である。実際の折り返し速度は、式(2)の表示周期Tにカラードプラ像用の超音波の送受周期T1を代入した値となる。つまり、カラードプラ像用の超音波の送受周期はT1,T2の2通りであるが、血流の速度、パワー、分散の計算に必要な中間データacを求める式(5−2)において、間隔T1のパルスペアのデータしか使用しないため、血流の折り返し速度を送受周期T1によって決定できるようにすることができる。
このように速度・分散・パワー推定回路19において順次計算される血流の速度V、パワーP、分散Varと、計算に用いられるデータを得るための超音波の送受タイミングとの関係を図3に示すと、点線の矢印のように表すことができる。すなわち、MTIフィルタ17への1組の入力データ列とされる実線の矢印で示す範囲のデータから血流の速度V、パワーP、分散Varがそれぞれ求められる。従って、図2に示すスキャンにおいて、Bモード像の表示フレーム周期と同じ周期で血流の速度V、パワーP、分散Varといった血流情報を出力させることが可能となる。
そして、速度・分散・パワー推定回路19は、計算により得られた血流の速度およびパワーをそれぞれ走査線ごとの速度信号およびパワー信号のデータ列としてカラードプラ像座標変換部8に与える。カラードプラ像座標変換部8は、速度・分散・パワー推定回路19から受けた走査線ごとの血流の速度信号およびパワー信号のデータ列を直交座標系のデータ列に座標変換し、座標変換後の血流の速度信号およびパワー信号を画像合成回路9に与える。
画像合成回路9は、Bモード像座標変換部7およびカラードプラ像座標変換部8から入力したBモード信号、血流の速度信号およびパワー信号のうち、表示モニタ11に表示させる画像に用いる信号を決定し、決定した信号の値の大きさに応じて所定の色及び輝度を割り当てることにより、Bモード信号値からBモード像を、速度信号値から速度像を、パワー信号値からパワー像をそれぞれ生成する。次に、画像合成回路9は、生成したBモード像に速度像および/またはパワー像を合成して1枚の合成画像を作成する。そして、画像合成回路9は、作成した合成画像を表示モニタ11に与える。この結果、表示モニタ11には、Bモード像に速度像および/またはパワー像が重畳された合成画像が表示される。
つまり、以上のような超音波診断装置1は、Bモード像用の超音波の送信条件とカラードプラ像用の超音波の送信条件が異なる場合に、Bモード像用のスキャンを挟んでカラードプラ像用のスキャンを行い、フレーム間にまたがってカラードプラ像用のデータを利用することでMTIフィルタ17の性能の向上およびS/Nの改善を図るものである。また、カラードプラ像用のデータ列がBモード像用のスキャンを挟んで収集されるために等間隔ではなくなるが、フレーム間にまたがるデータに対して多項式フィッティング等の近似を利用したMTIフィルタ17を使用するようにしたものである。
このため、超音波診断装置1によれば、表示フレームレートを低下させることなく最大無限長のドプラデータをMTIフィルタ17の入力データ列として利用することができる。従って、組織からの動きの少ない信号成分を抑圧し、より低流速の血流を静止した組織から良好な分離能で検出することができる。加えて、血流の速度、パワーおよび分散等の血流情報の推定に使用するデータ数も最大無限長まで拡大することが可能となるため、S/N比を向上することができる。また、血流情報の推定には、短い周期T1で収集されたデータのみを使用するため、折り返し速度の低下を抑えることができる。
従来の超音波診断装置においても、Bモード像用のスキャンを挟んでカラードプラ像用のスキャンを複数回に亘って行うスキャン条件が考案されている。しかし、従来の超音波診断装置では、カラードプラ像用のスキャンにおいて得られるデータが時間的に等間隔であることを前提としており、Bモード像用のスキャンによって欠落したデータの推定を行っている。従って、従来の超音波診断装置では、Bモード像用のデータのスキャン時間が、カラードプラ像用のスキャン時間の整数倍である必要があるという制約がある。
これに対し、図1に示す超音波診断装置1では、データの推定を行わないため、推定処理が不要となり、処理量を軽減することができる。加えて、不等間隔のデータ列をMTIフィルタ17の入力データ列として利用するものであるため、Bモード像用のデータのスキャン時間には制約がない。
また、従来の超音波診断装置では、パケット内のデータ数を4〜16程度として等間隔サンプリングし、パケット内でMTIフィルタを掛けることによって、最終的に1パケットあたり1組の速度、分散、パワー等の血流情報を得ている。
これに対して、図1に示す超音波診断装置1では、パケットという概念がなく、最大無限長のデータをMTIフィルタ17の入力データ列として使用可能である。
次に、MTIフィルタ17への入力データ列の変形例について説明する。
図4は、図1に示すMTIフィルタ17に入力される、あるラスタ位置におけるデータ列の別の例を示す図である。
図4において横軸は超音波の送受タイミングを示し、塗りつぶし部分は送信される超音波を示す。図4に示すように、MTIフィルタ17に入力されるデータ列は、任意に設定することができる。図4に示す入力データ列は、図3に示す入力データ列とデータ数が同一であるがMTIフィルタ17へのデータ列の入力周期が異なる。すなわち、図3に示すデータ列は、4つのデータが収集される度にMTIフィルタ17にデータ列が入力されるが、図4に示すデータ列は、1つのデータが収集される度にMTIフィルタ17にデータ列が入力される。
図4に示す周期でデータ列をMTIフィルタ17に入力するようにすれば、1フレームのBモード像を表示する間に、A、B、C,Dで示す4つのデータ列がMTIフィルタ17に入力されるため、4フレームの血流情報を出力することが可能である。
また、図3および図4では、12データ列に対してMTIフィルタ17を掛け、MTIフィルタ17の出力データ列から血流の速度、分散、パワーといった血流情報を計算する例を示したが、MTIフィルタ17を掛けるデータの数および血流情報の計算に使用するデータの数は無限に拡張可能である。
ただし、MTIフィルタ17に入力されるデータの数には、フィルタ行列Wのサイズという制限があるので、ハードウエアあるいはソフトウエアの実現範囲内である必要がある。しかし、MTIフィルタ17に入力されるデータの数と血流情報の計算に使用するデータの数は同じである必要はない。従って、MTIフィルタ17に入力されるデータの数よりも多くのデータを使用して血流情報を計算するようにしてもよい。
図5は、図1に示すMTIフィルタ17に入力されるデータの数よりも血流情報の計算に使用するデータの数を多くした例を示す図である。
図5において横軸は超音波の送受タイミングを示し、塗りつぶし部分は送信される超音波を示す。図5に示す例では、MTIフィルタ17に入力されるデータの数を12として12個のデータを有するデータ列をMTIフィルタ17の出力データ列とする一方、血流情報の計算にはMTIフィルタ17から出力された24個のデータを使用している。すなわち、12個のデータで構成されるMTIフィルタ17の出力データ列D1と一部共通の12個のデータで構成されるMTIフィルタ17の出力データ列D2の双方を利用することによって、24個のデータで構成されるデータ列から血流の速度、分散、パワーといった血流情報を推定することができる。
このように、血流情報の推定に使用するデータの数には制限がない。また、血流情報の推定は、式(7−1)、式(7−2)、式(7−3)に示すような重み付き加算を伴うIIRフィルタによる無限長のデータに対する演算により行うこともできる。
Figure 0004928801
ただし、ac(n)は式(5−2)によりn番目に得られる中間データacの値を、P(n)は、式(6−2)により得られるn番目の血流のパワーを示す。そして、式(7−1)、式(7−3)に示すような重み係数βを用いた中間データacおよび血流のパワーP(n)の重み付け加算によって、血流情報の指標となる中間データac2(n)および血流のパワーP2(n)を過去の中間データac2(n-1)および血流のパワーP2(n-1)からそれぞれ求めることができる。また、式(7−2)に示すように中間データac2(n)から血流の速度V2(n)を求めることもできる。
血流の速度情報に対してこのような重み付け加算処理を行うと血流の拍動情報を損なう場合があるが、血流のパワー情報はある閾値を設けて血流のあり/なしの判定に使用されるのみで、実際のカラードプラ像の描画には使用されない場合が多い。このため、血流のパワー情報については式(7−3)により無限長のデータを使用することによりS/N比の改善を図ることができる。
次に、制御回路10において設定されるスキャン条件の変形例について説明する。
図6は、図1に示す制御回路10において設定されるスキャン条件の変形例を示す図である。
図6において横軸はラスタ方向を示し、縦軸は送信タイミングを示す。また、図6中の左に傾斜した斜線部は、Bモード像用に送信される超音波のタイミングを、塗りつぶした部分はカラードプラ像用に送信される超音波のタイミングを、右に傾斜した斜線部はカラードプラ像用に送信されるダミー超音波のタイミングをそれぞれ示す。
図6に示すように、Bモード像用のスキャンの間に連続して実行されるカラードプラ像用のスキャン範囲を一部のラスタとし、ラスタ位置をシフトしつつ複数回のスキャンに分けて全領域をスキャンするようにスキャン条件を設定することができる。図6の例では、カラードプラ像用の連続するスキャン範囲が互いに異なる2つのラスタ群で構成されるラスタブロックに分割されている。そして、Bモード像用のスキャンの間において、1番目のラスタブロックに属する8つのラスタ方向へのカラードプラ像用のスキャンが送信タイミングT1だけ時間的にシフトして4回行われた後、2番目のラスタブロックに属する残りの8つのラスタ方向へのカラードプラ像用のスキャンが送信タイミングT1だけ時間的にシフトして4回行われる。また、ラスタブロックを変えてカラードプラ像用のスキャンを行う場合には、初めにダミー超音波が送信される。
図6のように、カラードプラ像用のスキャンにおいて全てのラスタ方向に続けて超音波を送信せずに、一部のラスタ方向に続けて複数回に亘って超音波を送信した後、他の一部のラスタ方向に続けて複数回に亘って超音波を送信するようなスキャン条件を設定すれば、Bモード像用のスキャンの間において行われるカラードプラ像用のスキャンの周期T1を短くすることができる。図6の例では、Bモード像用のスキャンの間において行われるカラードプラ像用のスキャンの周期T1が図2に示す周期T1の半分になっている。その代わりにカラードプラ像用のスキャンを挟んで行われるカラードプラ像用のスキャンの周期T2は、図2に示す周期T2よりも長くなっている。
図6に示すような複数のラスタブロックに分割したスキャンによってカラードプラ像用のデータが得られた場合であっても、上述のように式(3)、式(4−1)、式(4−2)、式(5−1)、式(5−2)、式(6−1)、式(6−2)、式(6−3)によりMTIフィルタ17を掛けた後、血流の速度VやパワーP等の血流情報を推定することができる。一方、折り返し速度は周期T2に依らず周期T1で決定されるので、周期T1を短くすることによって、折り返し速度を大きくすることができる。つまり、例えば図6に示すスキャン条件における折り返し速度は図2に示すスキャン条件における折り返し速度の2倍に向上している。
本発明に係る超音波診断装置の実施の形態を示すブロック構成図。 図1に示す制御回路において設定されるスキャン条件の一例を示す図。 図1に示すMTIフィルタに入力される、あるラスタ位置におけるデータ列の一例を示す図。 図1に示すMTIフィルタに入力される、あるラスタ位置におけるデータ列の別の例を示す図。 図1に示すMTIフィルタに入力されるデータの数よりも血流情報の計算に使用するデータの数を多くした例を示す図。 図1に示す制御回路において設定されるスキャン条件の変形例を示す図。 従来の超音波診断装置を用いた交互スキャンによる走査方法の例を示す図。 従来の超音波診断装置を用いた交互スキャンによる走査方法の別の例を示す図。 従来の超音波診断装置を用いた交互スキャンにおいてカラーアンギオ画像用のスキャンの周期を短くした例を示す図。
符号の説明
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 送信回路
4 受信回路
5 Bモード処理系
6 カラードプラ処理系
7 Bモード像座標変換部
8 カラードプラ像座標変換部
9 画像合成回路
10 制御回路
11 表示モニタ
12 入力装置
13 エコーフィルタ
14 検波回路
15 LOG圧縮回路
16 CTB(Corner Turning Buffer)
17 MTIフィルタ
18 演算回路
19 速度・分散・パワー推定回路

Claims (7)

  1. 被検体のBモード像用に所定の周期で繰返し行われる複数の第1のスキャンと、血流情報の2次元分布を得るために前記各第1のスキャンの間で第1の周期で続けて所定数回繰返し行われ、かつ前記各第1のスキャンを挟んで第2の周期で繰返し行われる複数の第2のスキャンとをそれぞれ実行するスキャン実行手段と、
    前記複数の第2のスキャンにより得られる反射信号からドプラ信号を順次得るドプラ信号取得手段と、
    前記ドプラ信号取得手段によって、前記第1のスキャンを挟んで前記第1の周期および前記第2の周期で収集された複数のドプラ信号を1グループのドプラ信号列としてラスタ方向ごとに記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から前記1グループのドプラ信号列を読出して、動きの少ない信号成分を除去することによって前記1グループのドプラ信号列に基づいて血流信号を得る除去手段と、
    前記血流信号から血流情報を得る血流情報取得手段と、
    前記第1のスキャンによって得られる反射信号からBモード像を得るBモード像生成手段と、を備え
    前記スキャン実行手段は、前記血流情報の2次元分布を得るためのスキャン領域を構成する複数のラスタを複数のラスタブロックに分類して、前記複数の第2のスキャンを前記ラスタブロックごとに順番に走査することで、前記各第1のスキャンの間で、前記血流情報の2次元分布を得るためのスキャン領域を構成する複数のラスタ全体について前記複数の第2のスキャンを実行することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記除去手段は、前記1グループのドプラ信号列に対して、多項式フィッティングすることによって前記動きの少ない信号成分を除去するように構成されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記血流信号から血流のパワーおよび前記血流情報の2次元分布を得るための中間データを求める演算手段と、
    前記演算手段により求められた前記血流のパワーおよび前記中間データに対して、最大無限長までのデータを使用してフィルタ演算を行うフィルタ手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記スキャン実行手段は、前記Bモード像の画像更新フレームレートよりも前記血流情報の2次元分布を示す画像の更新フレームレートの方が速くなるように前記第1のスキャンを行う前記所定の周期よりも前記第1の周期および前記第2の周期を短くして前記複数の第2のスキャンを実行するように構成されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 前記記憶手段は、前記第2のスキャンによって、前記第1の周期あるいは前記第2の周期で反射信号を得るたびに、複数のドプラ信号列を新たなグループのドプラ信号列として記憶し、
    前記除去手段は前記グループ毎に前記除去を行い、前記血流信号を得ることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記除去手段は、前記1グループのドプラ信号列を構成する前記ドプラ信号の数に対応した複数の血流信号を出力するものであって、
    前記血流情報取得手段は、前記複数の血流信号のうち、少なくとも最初と最後の前記血流信号を除いた血流信号を用いて前記血流情報を得ることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記血流情報取得手段は、前記血流信号に重み付け加算を施した信号列に基づいて血流情報を得るものであって、
    前記血流情報に基づいて、血流のあり/なしを判別する判別手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
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