JP2019054938A - 超音波診断装置及びドプラ信号処理方法 - Google Patents

超音波診断装置及びドプラ信号処理方法 Download PDF

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【課題】ドプラ信号に対して、クラッタ成分を除去し血流成分を抽出するフィルタ処理を適用する場合において、フィルタ処理後に生じる残留クラッタ成分を抑圧する。【解決手段】血流成分抽出部24は、主成分分析の結果を利用して、ドプラ信号から血流成分を抽出するフィルタ処理を実行する。フィルタ処理後のドプラ信号に基づいて血流情報(パワー)が演算される。残留クラッタ成分抑圧部34は、指標に従って、血流情報に含まれる残留クラッタ成分を抑圧する。指標演算部36は、主成分分析の結果に基づいて指標を演算する。【選択図】図1

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、ドプラ信号の処理に関する。
超音波診断装置は、生体に対する超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。超音波画像として、組織を表した断層画像、血流を表した血流画像等が知られている。断層画像は一般に白黒画像であり、それはBモード画像とも言われている。血流画像は一般にカラー画像であり、血流のパワー、速度等をカラーで表現した画像である。通常、断層画像上に血流画像が重畳表示される。そのような合成画像はカラーフローマッピング(CFM)画像とも言われている。以下に血流画像の生成方法について説明する。
超音波の送受波により得られた受信信号に対する直交検波等の処理を経てドプラ信号が生成される。ドプラ信号は、いわゆるドプラシフト成分を表す信号である。ドプラ信号には、血流により生成されたドプラ成分(血流成分)と運動組織により生じたドプラ成分(クラッタ成分)とが含まれる。後者のクラッタ成分は、血流画像において、血流を観察する上での妨げとなるクラッタ(モーションアーチファクト)を生じさせるものである。ドプラ信号の中から血流成分を抽出し、同時に、そこに含まれるクラッタ成分を低減するために、ドプラ信号に対してフィルタ処理が施される。その場合、典型的には、低域カットフィルタとして機能するMTI(Moving Target Indicator)フィルタが利用される。MTIフィルタを通過した後のドプラ信号に基づいて血流画像が形成される。
例えば、肝臓内を流れる血流の観察においては、かなり低速の血流までを画像化する必要がある。そのためにMTIフィルタのカットオフ周波数を単に引き下げると、肝臓組織まで画像化され易くなる。つまり、モーションアーチファクトが現れ易くなる。肝臓それ自体は運動組織ではないが、体位の変化、呼吸、心臓の拍動、その他を原因として肝臓組織に運動が生じると、それを原因としてクラッタ成分が生じる。血流成分に比べてクラッタ成分はかなり強大である。速度(つまりドプラシフト周波数)のみを基準として、そのようなクラッタ成分を血流成分から弁別することは難しい。
以上を背景として、主成分分析法を利用したMTIフィルタが提案されている(特許文献1,2を参照)。これについて具体的に説明する。ドプラ信号(例えば複数フレームにわたるドプラ情報)に対する主成分分析により、複数の固有値及び複数の固有ベクトルが演算される。固有値の大きさ順で並べられた複数の固有ベクトルに基づいてフィルタ行列が演算される。その際、クラッタ成分に相当する主成分が除去され、同時に、血流成分に相当する主成分が抽出されるように、当該フィルタ行列が演算される。演算されたフィルタ行列を利用してフィルタ処理(ドプラ信号に対する行列演算)が実行される。
特開2016−2379号公報 特開2016−67704号公報
ドプラ信号に対してフィルタ処理を適用しても、そのフィルタ処理後に残留クラッタ成分が生じ得る。特に、低速の血流を観測する場合にそのような残留クラッタ成分が生じ易い。血流画像の画質を向上するためには、残留クラッタ成分をできるだけ少なくすることが望まれる。
本発明の目的は、フィルタ処理後に生じ得る残留クラッタ成分を抑圧することにある。あるいは、主成分分析の結果を残留クラッタ成分の抑圧において活用することにある。
実施形態に係る超音波診断装置は、生体への超音波の送受波により得られたドプラ信号に対し、クラッタ成分を低減しつつ血流成分を抽出するためのフィルタ処理を適用するフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理後のドプラ信号に基づいて血流情報を演算する血流情報演算手段と、前記超音波の送受波により得られたドプラ信号に対する主成分分析の結果に基づいて、前記フィルタ処理後に生じ得る残留クラッタ成分を抑圧するための指標を演算する指標演算手段と、前記指標に従って、前記フィルタ処理前のドプラ信号、前記フィルタ処理の過程で生じる信号成分、前記フィルタ処理後のドプラ信号、又は、前記血流情報に対して、残留クラッタ成分抑圧処理を適用する残留クラッタ成分抑圧手段と、を含む。
上記構成によれば、フィルタ手段においてドプラ信号がフィルタ処理される。そのフィルタ処理では、主成分分析法に基づくMTIフィルタ、他の方法に基づくMTIフィルタ、MTIフィルタ以外のフィルタが利用され得る。フィルタ処理では除去し切れない残留クラッタ成分が残留クラッタ成分抑圧処理により抑圧される。これにより血流情報を表した画像(血流画像)の品質を高められる。
残留クラッタ成分抑圧処理は、指標に従って実行されるものであり、その指標は、ドプラ信号に対する主成分分析の結果に基づいて演算される。すなわち、上記構成は、少なくとも残留クラッタ成分抑圧処理に主成分分析の結果を利用するものである。残留クラッタ成分抑圧処理が適用される対象は、フィルタ処理前のドプラ信号、フィルタ処理の過程で生じる信号成分、フィルタ処理後のドプラ信号、又は、血流情報である。すなわち、フィルタ処理後に生じる残留クラッタ成分を事後的に抑圧してもよいし、フィルタ処理後に残留クラッタ成分が生じないように、残留クラッタ成分を前もって抑圧してもよい。
実施形態において、前記超音波の送受波により得られたドプラ信号に対する前記主成分分析を実行する分析手段を含み、前記フィルタ処理手段は前記主成分分析の結果に基づいて前記フィルタ処理を実行し、前記指標演算手段は前記主成分分析の結果に基づいて前記指標を演算する。この構成によれば、主成分分析の結果がフィルタ処理及び残留クラッタ抑圧処理の両処理で利用される。これにより装置構成を簡略化でき又は演算量を低減できる。
実施形態において、フィルタ処理では、フィルタ処理後のドプラ信号において、できるだけ血流成分が支配的になるように、ドプラ信号中の1又は複数の主成分が抽出される。その場合、フィルタ処理において、複数の主成分が分離抽出された上でそれらが加算されてもよいし、そのような段階的な工程を経ずに、一度のフィルタ処理により複数の主成分からなるドプラ信号が生成されてもよい。実施形態においては、指標の演算に際して、ドプラ信号中の1又は複数の主成分が参照される。
実施形態において、前記主成分分析の結果として得られるE個(但しEは2以上の整数)の固有ベクトルに基づいて、前記フィルタ処理手段に与える主フィルタ行列を演算する主フィルタ行列演算手段を含み、前記指標演算手段は、前記E個の固有ベクトルに基づいて、第1の副フィルタ行列を演算する第1の副フィルタ行列演算手段と、前記ドプラ信号に対して前記第1の副フィルタ行列に基づくフィルタ処理を適用することにより、第1の特定主成分を抽出する第1の抽出手段と、少なくとも前記第1の特定主成分に基づいて前記指標を計算する指標計算器と、を含む。この構成によれば、ドプラ信号中における少なくとも1つの主成分が残留クラッタ成分抑圧処理で利用される。
実施形態において、前記指標演算手段は、更に、前記E個の固有ベクトルに基づいて、第2の副フィルタ行列を演算する第2の副フィルタ行列演算手段と、前記ドプラ信号に対して前記第2の副フィルタ行列に基づくフィルタ処理を適用することにより、第2の特定主成分を抽出する第2の抽出手段と、を含み、前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分の内の一方は前記クラッタ成分に対応し、それらの内の他方は前記血流成分に対応し、前記指標計算器は、前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分に基づいて前記指標を計算する。この構成によれば、血流成分とクラッタ成分の大小関係を反映した指標を演算できる。
実施形態において、前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分は、前記E個の固有ベクトルを固有値の大きさ順で並べた場合における両端の2つの固有ベクトルに対応するものである。この構成によれば、血流成分とクラッタ成分の大小関係をより忠実に反映した指標を演算できる。
実施形態において、前記残留クラッタ成分抑圧手段は、前記指標に従って、前記血流情報に対して前記残留クラッタ成分抑圧処理を適用する。実施形態において、前記残留クラッタ成分抑圧後のドプラ信号又は血流情報を時間軸方向又は空間軸方向に滑らかにする補正手段を含む。実施形態において、前記フィルタ処理の過程で得られる複数の主成分を主成分方向に滑らかにし、又は、前記フィルタ処理の過程で得られる少なくとも1つの主成分を時間軸方向に滑らかにする補正手段を含む。それらの補正手段によれば、血流情報を表す画像の品質を高められる。
実施形態において、前記分析手段は、受信フレームデータセット又は前記受信フレームデータセットを構成する各ブロックを単位として、前記ドプラ信号に対する主成分分析を実行し、前記指標演算手段は、前記受信フレームデータセットを構成する各データセットを単位として、前記ドプラ信号に基づいて前記指標を演算する。この構成によれば、残留クラッタ成分をきめ細かく抑圧できる。データセットは後述するパケットに相当する。
実施形態に係るドプラ信号処理方法は、生体への超音波の送受波により得られたドプラ信号に対して主成分分析を実行する工程と、前記主成分分析の結果に基づいて、前記ドプラ信号に対して、クラッタ成分を低減しつつ血流成分を抽出するためのフィルタ処理を適用する工程と、前記フィルタ処理後のドプラ信号に基づいて血流情報を演算する工程と、前記主成分分析の結果に基づいて、前記フィルタ処理後に生じ得る残留クラッタ成分を抑圧するための指標を演算する工程と、前記指標に従って、前記フィルタ処理後のドプラ信号又は前記血流情報に対して、残留クラッタ成分抑圧処理を適用する工程と、を含む。
このドプラ信号処理方法は、ハードウエアの機能又はソフトウエアの機能として実現される。後者の場合、当該方法を実行するプログラムが可搬型記憶媒体又はネットワークを介して超音波診断装置としての情報処理装置にインストールされる。
本発明によれば、フィルタ処理後に生じ得る残留クラッタ成分を抑圧できる。あるいは、主成分分析の結果を、フィルタ処理の他、残留クラッタ成分抑圧処理でも利用できる。
第1実施形態に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。 血流成分抽出部及び指標演算部の構成例を示す図である。 指標計算器の構成例を示す図である。 受信フレームデータセットを示す図である。 複数の主成分(主成分画像)及びそれらの利用を示す概念図である。 第2実施形態に係る構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係る構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係る構成を示すブロック図である。 第6実施形態に係る構成を示すブロック図である。 第7実施形態に係る構成を示すブロック図である。 ブロック単位での処理を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態に係る超音波診断装置がブロック図として示されている。この超音波診断装置は、医療の分野において用いられ、生体に対する超音波の送受波により超音波画像を形成する装置である。CFMモードにおいては、断層画像(Bモード画像)及び血流画像が形成され、表示画面上において、断層画像上に血流画像が重畳表示される。診断対象組織は、例えば、腹部内臓器としての肝臓である。
図1において、超音波診断装置は、プローブ10を有する。プローブ10は、プローブヘッド、ケーブル及びコネクタによって構成される。コネクタが超音波診断装置本体に対して着脱可能に装着される。プローブヘッドが被検者の体表面上に当接される。プローブヘッドは、図示の例では、一次元配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイを有している。振動素子アレイによって超音波ビームが形成され、それを電子的に走査することにより、走査面が形成される。電子走査方式として、電子リニア走査方式、電子セクタ走査方式等が知られている。電子リニア走査方式の概念には電子コンベックス走査方式が含まれる。プローブ10が体腔内挿入型プローブであってもよい。二次元配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイが用いられてもよい。
CMFモードにおいては、Bモード用の超音波ビームBBの電子走査により走査面SBが形成され、ドプラ観測用の超音波ビームBDの電子走査により走査面SDが形成される。通常、1つの走査面SB当たり、複数(例えば6〜10個)の走査面SDが形成される。すなわち、S/N比の良いドプラ情報(ドプラ信号)を得るために、同じビームアドレスに対して、複数回(例えば6〜10回)の送受信が実行される。図1において、rは深さ方向を示しており、θは電子走査方向を示している。個々のビームアドレスに対して複数回の送受信を行うことにより、後に説明する受信フレームデータセットが構成される。
送受信回路12は、送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーとして機能する電子回路である。送信時において、送受信回路12から振動素子アレイへ複数の送信信号が並列的に供給される。これにより送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波が振動素子アレイで受波される。これにより振動素子アレイから送受信回路12へ複数の受信信号が並列的に出力される。送受信回路12は、複数のアンプ、複数のA/D変換器、複数の遅延回路、加算回路等を有する。送受信回路12において、複数の受信信号が整相加算(遅延加算)されて、受信ビームに相当するビームデータが形成される。電子走査方向に並ぶ複数のビームデータによって受信フレームデータが構成される。個々のビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータによって構成される。実施形態に係る送受信回路12は、ビームデータに対して直交検波処理を適用する直交検波器を有する。直交検波により、複素信号としてのビームデータが生成される。
Bモード用の受信フレームデータ列が送受信回路12からビームデータ処理部14へ順次送られる。ドプラ観測用の受信フレームデータ列が送受信回路12からドプラ信号処理モジュール18へ順次送られる。ビームデータ処理部14は、振幅演算器、対数変換器、相関処理器等の各種のデータ処理器を有する。処理後の受信フレームデータ列がビームデータ処理部14から表示処理部16へ送られている。
ドプラ信号処理モジュール18は、1又は複数のプロセッサにより構成される。第1実施形態において、ドプラ信号処理モジュール18内の個々の構成はソフトウエアの機能として実現される。もっとも、個々の構成が電子回路、専用デバイス等によって構成されてもよい。プロセッサの概念には、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が含まれる。
メモリ20には、例えば、E個の受信フレームデータが格納される。メモリ20がリングバッファ構造を有していてもよい。メモリ20が送受信回路12内に設けられてもよい。第1実施形態においては、E個の受信フレームデータが処理単位をなす。受信フレームデータセットは1枚の血流画像フレームに相当するものである。
血流成分抽出部24は、フィルタ手段として機能するものである。血流成分抽出部24は、分析手段として機能する主成分分析部26を備え、ドプラ信号に対して主成分分析に基づくMTIフィルタ処理を適用する。受信フレームデータセットを構成する個々のパケット(データセット、アンサンブル)を単位として、MTIフィルタ処理が繰り返し実行される。個々のパケットは、血流画像における1画素(又1つの座標)に対応する。
MTIフィルタ処理で利用されるフィルタ係数は、受信フレームデータセット単位で、更新される。MTIフィルタ処理によって、クラッタ成分が低減されつつ血流成分が抽出される。MTIフィルタ処理だけですべてのクラッタ成分を除去できないこともあり、その場合には、MTIフィルタ処理後のドプラ信号に、残留クラッタ成分が含まれる。特に、低速血流を観測する場合、組織の動きと低速血流とを弁別することが困難となり、残留クラッタ成分が生じ易い。
第1実施形態においては、血流成分抽出部24の後段に、血流情報演算部28が設けられている。血流情報演算部28は、例えば、血流情報としてのパワー、速度等を演算するものである。具体的には、血流情報演算部28は、血流成分抽出部24から出力されたドプラ信号に基づいてパワーを演算している。血流情報演算部28からパワーを表すパワー信号が出力される。1つのパケット当たり1つのパワーが演算される。換言すれば、受信フレームデータセットごとに1枚のパワーフレームデータが生成される。
第1実施形態においては、残留クラッタ成分抑圧システム30を構成する指標演算部36及び残留クラッタ成分抑圧部34が設けられている。指標演算部36は指標演算手段として機能する。残留クラッタ成分抑圧部34は残留クラッタ成分抑圧手段として機能する。
指標演算部36は、主成分分析の結果を利用して残留クラッタ成分を抑圧するための指標を画素単位で演算する。具体的には、入力信号としてのドプラ信号に対して、複数のフィルタ行列(複数の副フィルタ行列)を利用した複数の行列演算を適用し、これにより複数の主成分(複数の特定主成分)を抽出し、複数の主成分の相互の大小関係を表す指標を演算する。これに関しては後に詳述する。その指標は、振幅調整係数又は利得調整係数として機能するものである。
残留クラッタ成分抑圧部34は、指標に基づいて、血流情報としてのパワー信号の利得を調整することにより、残留クラッタ成分を抑圧する。血流成分抽出部24においては、血流画像フレーム単位でフィルタ行列が更新されるのに対して、指標は画素単位で更新される。残留クラッタ成分抑圧部34から出力されたパワー信号が表示処理部16へ送られている。
表示処理部16は、DSC(デジタルスキャンコンバータ)36を有する。DSC36は、座標変換機能、補間機能、フレームレート調整機能等を有し、Bモード用の受信フレームデータを基礎として断層画像フレームデータを生成するものである。また、表示処理部16は、DSC38を有する。DSC38は、上記DSC36が有する機能と同様の機能を有し、パワーフレームデータを基礎として血流画像フレームデータを生成するものである。補正部40は、血流画像を空間的に又は時間的に滑らかにする処理を実行するものである。スキャンコンバート前にその処理が行われてもよいし、スキャンコンバート後にその処理が行われてもよい。その処理として、ピークホールド処理、平滑化処理、補間処理等があげられる。合成部42は、断層画像フレームデータに血流画像フレームデータを重畳又は合成することにより表示フレームデータを生成する。その表示フレームデータが表示器44に送られる。表示器44の画面上にはCFM画像が表示される。表示器44は、LCD、有機ELディスプレイ等によって構成される。
制御部46は、CPU及び動作プログラムにより構成され、制御部46によって図1に示される各構成の動作が制御される。制御部46には操作パネル48が接続されている。操作パネル48は、トラックボール、複数のスイッチ、複数のボタン、キーボート等を有する。
図2には、図1に示した血流成分抽出部24及び指標演算部36の具体的な構成例が示されている。以下の説明では、個々のパケットはE個(具体例として6個)のデータにより構成される。
相関行列演算部50は、相関行列演算手段として機能し、ドプラ信号としての受信フレームデータセット49ごとに、相関行列51を演算するものである。後述するように、相関行列51はE行E列の正方行列である。主成分分析部26は、上記のように分析手段として機能し、相関行列51を利用した主成分分析を実行する。これにより、E個の固有値及びE個の固有ベクトルが求められる。主フィルタ行列演算部54は、主フィルタ行列演算手段として機能し、E個の固有値の大きさ順で並べられたE個の固有ベクトル(固有ベクトルセット)53に基づいて主フィルタ行列55を演算する。その際、E個の主成分の内で、クラッタ成分が現れやすい一部の主成分が除去され、残りの一部の主成分が維持されるように、主フィルタ行列55が演算される。例えば、クラッタ成分に対応する第1主成分から第3主成分までが除去され、血流成分に対応する第4主成分から第6主成分までが維持されるように、主フィルタ行列55が演算される。ここで、第1主成分は、他の複数の主成分に比べて、クラッタ成分を最も多く含む可能性のあるものであり、第6主成分は、他の複数の主成分に比べて、血流成分を最も多く含む可能性があるものである。例えば、抽出対象である第4主成分中にクラッタ成分が含まれる場合、それが残留クラッタ成分となる。フィルタ処理部56は、ドプラ信号であるパケット58ごとに、それに対して主フィルタ行列55に基づく行列演算を適用し、その結果として、フィルタ処理後のパケット74を出力する。
受信フレームデータセット49ごとに、相関行列51が演算され、また、主成分分析が実行される。これにより、受信フレームデータセット49ごとに、主フィルタ行列55が演算される。フィルタ処理部56ではパケット単位でフィルタ処理が実行されるが、フィルタ処理条件の更新は受信フレームデータセット49ごとである。血流情報演算部28において、パケット単位でパワー信号76が生成される。そのパワー信号76は、残留クラッタ成分抑圧部として機能する乗算器34Aに送られている。
指標演算部36は、図示の構成例において、第1の副フィルタ行列演算部62、第1の特定主成分抽出部64、第2の副フィルタ行列演算部66、第2の特定主成分抽出部68、及び、指標計算器70を有する。主成分分析部26から第1の副フィルタ行列演算部62及び第2の副フィルタ行列演算部66へ、固有値の大きさ順に並んだ6個の固有ベクトル(固有ベクトルセット)53が送られる。
第1の副フィルタ行列演算部62は、固有ベクトルセット53に基づいて、第1の特定主成分としての第1主成分を抽出するための第1の副フィルタ行列を演算する。第2の副フィルタ行列演算部66は、固有ベクトルセット53に基づいて、第2の特定主成分としての第6主成分を抽出するための第2の副フィルタ行列を演算する。なお、第1の副フィルタ行列演算部62及び第2の副フィルタ行列演算部66は、それぞれ、上記主フィルタ行列演算部54と同様の機能を有する。
第1の特定主成分抽出部64は、入力されるパケット58ごとに第1の副フィルタ行列に基づくフィルタ処理を適用し、これにより第1主成分を抽出する。第2の特定主成分抽出部68は、入力されるパケット58ごとに第2の副フィルタ行列に基づくフィルタ処理を適用し、これにより第6主成分を抽出する。なお、第1の特定主成分抽出部64及び第2の特定主成分抽出部68は、それぞれ、上記フィルタ処理部56と同様の機能を有する。もっとも、フィルタ処理部56がクラッタ成分を低減し且つ血流成分を抽出するために第4主成分乃至第6主成分の3つの主成分をまとめて一度に抽出するのに対して、第1の特定主成分抽出部64は第1主成分のみを個別的に抽出し、第2の特定主成分抽出部68は第6主成分のみを個別的に抽出する。
指標計算器70は、パケットごとに、例えば、比率=[第6主成分]/[第1主成分]を計算する。その比率が指標72として利用される。観測点が血流部内にある場合、第1主成分中のクラッタ成分及び第6成分中のクラッタ成分はいずれも小さく、且つ、第1主成分中の血流成分及び第6主成分中の血流成分はほぼ等しく、それらには大差がない。つまり、比率は1に近くなる。一方、観測点が運動組織部内にある場合、第1主成分においてはクラッタ成分が支配的になり、しかもそのクラッタ成分は強大であり、第1主成分が第6主成分よりも非常に大きくなる。つまり、比率が0に近くなる。
そのような比率つまり指標72が乗算器34Aにおいてパワー信号76に対して乗算される。乗算器34Aは重み付け回路又は利得調整回路として機能するものである。例えば、指標72が1の場合、パワー信号76の振幅が維持され、指標72が0に近い場合、パワー信号76がかなり抑圧される。すなわち、指標の乗算によって、パワー信号76に含まれる残留クラッタ成分が適応的に抑圧される。
図3には、指標計算器70の具体的な構成例が示されている。ドプラ信号は複素信号であり、第1の特定主成分及び第2の特定主成分はいずれも複素データである。
指標計算器70は、第1のパワー演算器82、第2のパワー演算器84、及び、比率演算器86を有する。第1のパワー演算器82は、第1の特定主成分(第1主成分)から第1のパワーを演算するものであり、第2のパワー演算器84は、第2の特定主成分(第6主成分)から第2のパワーを演算するものである。パワー演算に際しては、実数部をRとし、虚数部をIとした場合、例えば、(R+I1/2の計算を実行してもよい。他の計算式を利用してもよい。比率演算器86は、2つの主成分の比率を上記の計算式によって計算するものである。計算された比率が指標とされる。もっとも、残留クラッタ成分を抑圧できる他の指標を用いるようにしてもよい。
次に、主成分分析に基づくフィルタ処理について詳述する。図4には、受信フレームデータセット90が示されている。受信フレームデータセット90は、例えば、異なるタイミングで取得されたE個の受信フレームデータF1〜FEからなる。それらの受信フレームデータF1〜FEは生体内に形成された走査面から得られたものである。具体的には、各受信フレームデータF1〜FEは、ドプラ観測用の超音波ビームBDを繰り返し電子走査することによって取得される。同じビームアドレスでE回の送受信を連続的に実行することによって結果としてE個の受信フレームデータF1〜FEを得るようにしてもよい。受信フレームデータセット90が1枚の血流画像に相当する。
受信フレームデータセット90は、(r,θ)で特定される複数の座標(観測点)に対応した複数のパケットxにより構成される。パケットxは、フレーム整列方向に並ぶE個のデータx,・・・、xにより構成される。パケットxはアンサンブルとも言われる。パケットxが血流画像中の1画素又は1座標に対応する。受信フレームデータセット90の処理後、それに続く受信フレームデータセット92が次の処理対象となる。但し、1フレーム分シフトした受信フレームデータセット94が次の処理対象となってもよい。その場合、更に次の処理対象は受信フレームデータセット96となる。後述するように、受信フレームデータセット90の全体を処理単位とするのではなく、受信フレームデータセット90を構成する各ブロックを処理単位とするようにしてもよい。
以下の(1)式は、特定座標に対応付けられたパケットxを示すものである。それは列ベクトルとして表現されている。(r,θ)で特定される個々の座標においてパケットxが構成される。実際には、パケットxを構成する個々のデータは複素データである。
以下の(2)式は相関行列Rxxを示す。受信フレームデータセットを単位としてこの相関行列Rxxが定義される。kは、フレーム上の座標番号を示し、それは1からKまである。x は転置行列である。
相関行列RxxEはE行E列からなる正方行列である。Eは実施形態において例えば6であるが、それが可変値であってもよい。以下の(3)式を満たす条件の下で、相関行列Rxxについて、E個の固有値λ及びE個の固有ベクトルvが求められる。
E個の固有値を小さい順で左から右へ並べると、以下の(4-1)式のようになる。その順序に従って、E個の固有ベクトルを並べると、行列Vが構成され、つまり、以下の(4-2)式のようになる。
個々の固有ベクトルはE個の要素からなる列ベクトルであり、行列VはE行E列からなる正方行列である。固有値分解法に従って、パケットxに含まれるE個の主成分の内、例えば最も大きな固有値に対応する成分(本願では第1主成分)、2番目に大きな固有値に対応する成分(本願では第2主成分)が以下の(5)式のように表現される。ここで、主成分数は例示である。その個数を可変してもよい。
上記(5)式はクラッタ成分を表している。ここで、Vは、複素共役転置行列(エルミート転置行列)である。左から2番目の対角行列において、その対角成分である[0,0,・・・0,1,1]が、小さい順で並んだE個の固有値に対応しており、つまり、第6主成分から第1主成分までの6個の主成分に対応している。対角成分中、1は抽出要素として働き、0は棄却要素として働く。
パケットxから、上記(5)式つまりクラッタ成分を引くと、以下のように、血流成分が表現される。
以上に基づいて、パケットxから、血流成分を抽出し(且つクラッタ成分を低減する)フィルタ行列(フィルタ係数)として、以下が求められる。
上記フィルタ行列は、第3主成分〜第6主成分を抽出するものである。もちろん、上記の考え方に従って、1又は複数の任意の主成分を抽出するフィルタ行列を作出し得る。上記(7)式において、対角行列については事前に定めておくことができ、あるいは、事後的に定めることができるから、上記(4)式によって行列Vを定義できれば、そこから直ちに上記(7)式に従ってフィルタ行列を演算できる。
すなわち、共通の行列V(つまりE個の固有ベクトル)を基礎として、主フィルタ行列、第1の副フィルタ行列、及び、第2の副フィルタ行列、を並列的に演算することが可能である。第1の副フィルタ行列が例えば第1主成分を抽出するものであれば、(7)式に含まれる対角行列の対角成分において、最も右下の要素だけが1となる。同様に、第2の副フィルタ行列が例えば第6主成分を抽出するものであれば、(7)式に含まれる対角行列の対角成分において、最も左上の要素だけが1となる。
上記の例では、上記(4-1)に示したように、E個の固有値を小さい順で左から右へ並べたが、E個の固有値を大きい順で左から右へ並べてもよい。その場合、対角成分としての複数の固有値の並び方向が逆方向となる。
図5には、主成分分析に基づく処理が概念的に示されている。入力画像100は処理対象データであり、受信フレームデータセットに相当する。主成分分析102では、受信フレームデータセットに基づいて、E行E列からなる相関行列が生成され、相関行列についてのE個の固有値及びE個の固有ベクトルが求められる(図示の例ではE=6である)。E個の固有値に基づく並び換え処理後のE個の固有ベクトルからなる行列Vに基づいて、必要なフィルタ行列(主フィルタ行列、複数の副フィルタ行列)が生成される。観念的には、入力画像100は、複数の主成分画像を含み、図示の例では、E個の主成分画像104−1〜104−6を含んでいる。
フィルタ処理106では、入力画像100に対して、主フィルタ行列を利用した行列演算が適用される。これにより、例えば第4主成分画像104−4、第5主成分画像104−5及び第6主成分画像104−6からなる出力画像108が生成される。抽出する主成分画像の個数は任意に定められる。一方、指標演算110においては、入力画像100に対して、第1の副フィルタ行列を利用した行列演算及び第2の副フィルタ行列を利用した行列演算が適用され、それらにより第1主成分画像104−1及び第6主成分画像104−6が個別的に生成された上で、それらに基づいて画素単位で指標112が演算される。指標112に基づいて、出力画像108又はそれから生成された血流画像に対して残留クラッタ抑制処理が適用される。複数の主成分画像を加算する前に、指標に基づいて、加算対象の中の一部又は全部の主成分画像に対して重み付けを行うようにしてもよい(符号109A,109B,109C参照)。指標に基づいて、入力画像に対して重み付けを行うようにしてもよい(符号113参照)。
第1主成分画像104−1から第6主成分画像104−6までの6個の主成分画像を個別的に分離生成した上で、その中から任意数の主成分画像を加算することにより出力画像108を取得するようにしてもよい。その加算に際しては、例えば主成分方向に沿って滑らか処理を適用してもよい。例えば、画素単位で、主成分方向において最も大きな値を採用するピークホールド処理を適用してもよい。
図6には第2実施形態が示されている。なお、図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。このことは図7乃至図11についても同様である。図6乃至図11において、要部構成以外の周辺構成は図示省略されている。
図6に示す第2実施形態においては、残留クラッタ成分抑圧部として機能する乗算器114がフィルタ処理部56と血流情報演算部28との間に設けられている。この構成を採用する場合、乗算器114として複素乗算器(実数部用乗算器及び虚数部用乗算器)が利用される。
図7に示す第3実施形態においては、指標演算部36Aが第1の補正部116及び第2の補正部118を有している。それらの補正部116,118は、入力される主成分を時間軸方向又は空間軸方向(深さ方向及び電子走査方向)に沿って平滑化するものである。あるいは、補正部116,118において、欠落データが補間されてもよい。このような構成によれば、ノイズ等の影響を受けて指標が大幅に変動してしまうことを抑制できる。
図8に示す第4実施形態においては、指標演算部36Bがn個の副フィルタ行列演算部200−1〜200−n及びn個の特定主成分抽出部202−1〜202−nを有している。nはE以下である。n個の特定主成分抽出部202−1〜202−nの後段には補正部204及び指標計算器206が設けられている。補正部204は、時間軸方向、空間軸方向又は主成分方向に沿ってデータを滑らかにする処理を実行するものである。そのような補正を経た複数の主成分に基づいて指標が計算される。
図9に示す第5実施形態においては、指標演算部36Cが1つの副フィルタ行列演算部122及び1つの特定主成分抽出部124を有している。副フィルタ行列演算部122では、血流成分に相当する第6主成分を抽出するための副フィルタ行列が演算され、特定主成分抽出部124において入力データに対して副フィルタ行列による行列演算を適用することにより、第6主成分が抽出されている。一方、クラッタ成分を表すものとして入力データ125がそのまま利用されている、指標計算器126では、入力データ125及び第6主成分に基づいて指標を演算する。このように1つの主成分だけを利用して指標を演算することも可能である。
図10に示す第6実施形態においては、指標演算部36Dが補正部120を有している。補正部120は、指標計算器70から出力された指標を時間軸方向又は空間軸方向に滑らかにするものである。
図11に示す第7実施形態においては、主成分分析が指標演算においてのみ利用されている。血流成分抽出部148は、主成分分析以外の手法により、入力信号であるドプラ信号に対して、クラッタ成分を低減し同時に血流成分を抽出するフィルタ処理を適用する。その場合、例えば、FIR型フィルタ、IIR型フィルタ等の低域カットフィルタが利用されてもよい。そのようなフィルタを利用する場合においても、血流成分抽出部148の出力側に残留クラッタ成分が現れる。残留クラッタ成分抑圧部152は、指標演算部154により演算された指標に基づいて、血流情報演算部150から出力された血流情報の振幅を可変することにより、残留クラッタ成分を抑圧する。
指標演算部154は、相関行列演算部132、主成分分析部134、第1の副フィルタ行列演算部136、第1の特定主成分抽出部138、第2の副フィルタ行列演算部140、第2の特定主成分抽出部142、及び、指標計算器144を有する。すなわち、第7実施形態においては、第1実施形態と同様に、主成分分析が利用されているが、主成分分析の結果が指標の演算だけに利用されている。
図12に示すように、受信フレームデータセット130を複数のブロック162に分割し、個々のブロック162ごとに主成分分析を適用するようにしてもよい。つまり、個々のブロック162ごとに主フィルタ行列及び複数の副フィルタ行列を用いた複数のフィルタ処理が実行されてもよい。
フィルタ処理において加算する主成分数を可変できるように構成するのが望ましい。その場合、主成分加算数(又は主成分の組み合わせ)を異ならせて生成された複数のサンプル血流画像を生成し、それらを一覧表示し、その中からユーザー選択された特定のサンプル血流画像に基づいて、主成分加算数を決定するようにしてもよい。
18 ドプラ信号処理モジュール、24 血流成分抽出部(フィルタ処理部)、26 主成分分析部、28 血流情報演算部、30 残留クラッタ成分抑圧システム、34 残留クラッタ成分抑圧部、36 指標演算部。

Claims (10)

  1. 生体への超音波の送受波により得られたドプラ信号に対し、クラッタ成分を低減しつつ血流成分を抽出するためのフィルタ処理を適用するフィルタ処理手段と、
    前記フィルタ処理後のドプラ信号に基づいて血流情報を演算する血流情報演算手段と、
    前記超音波の送受波により得られたドプラ信号に対する主成分分析の結果に基づいて、前記フィルタ処理後に生じ得る残留クラッタ成分を抑圧するための指標を演算する指標演算手段と、
    前記指標に従って、前記フィルタ処理前のドプラ信号、前記フィルタ処理の過程で生じる信号成分、前記フィルタ処理後のドプラ信号、又は、前記血流情報に対して、残留クラッタ成分抑圧処理を適用する残留クラッタ成分抑圧手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記超音波の送受波により得られたドプラ信号に対する前記主成分分析を実行する分析手段を含み、
    前記フィルタ処理手段は前記主成分分析の結果に基づいて前記フィルタ処理を実行し、
    前記指標演算手段は前記主成分分析の結果に基づいて前記指標を演算する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記主成分分析の結果として得られるE個(但し、Eは2以上の整数)の固有ベクトルに基づいて、前記フィルタ処理手段に与える主フィルタ行列を演算する主フィルタ行列演算手段を含み、
    前記指標演算手段は、
    前記E個の固有ベクトルに基づいて、第1の副フィルタ行列を演算する第1の副フィルタ行列演算手段と、
    前記ドプラ信号に対して前記第1の副フィルタ行列に基づくフィルタ処理を適用することにより、第1の特定主成分を抽出する第1の抽出手段と、
    少なくとも前記第1の特定主成分に基づいて前記指標を計算する指標計算器と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記指標演算手段は、更に、
    前記E個の固有ベクトルに基づいて、第2の副フィルタ行列を演算する第2の副フィルタ行列演算手段と、
    前記ドプラ信号に対して前記第2の副フィルタ行列に基づくフィルタ処理を適用することにより、第2の特定主成分を抽出する第2の抽出手段と、
    を含み、
    前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分の内の一方は前記クラッタ成分に対応し、前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分の内の他方は前記血流成分に対応し、
    前記指標計算器は、前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分に基づいて前記指標を計算する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記第1の特定主成分及び前記第2の特定主成分は、前記E個の固有ベクトルを固有値の大きさ順で並べた場合における両端の2つの固有ベクトルに対応するものである、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記残留クラッタ成分抑圧手段は、前記指標に従って、前記血流情報に対して前記残留クラッタ成分抑圧処理を適用する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1記載の装置において、
    前記残留クラッタ成分抑圧後のドプラ信号又は血流情報を時間軸方向又は空間軸方向に滑らかにする補正手段を含む、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項2記載の装置において、
    前記フィルタ処理の過程で得られる複数の主成分を主成分方向に滑らかにし、又は、前記フィルタ処理の過程で得られる少なくとも1つの主成分を時間軸方向に滑らかにする補正手段を含む、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項2記載の装置において、
    前記分析手段は、受信フレームデータセット又は前記受信フレームデータセットを構成する各ブロックを単位として、前記ドプラ信号に対する主成分分析を実行し、
    前記指標演算手段は、前記受信フレームデータセットを構成する各データセットを単位として、前記ドプラ信号に基づいて前記指標を演算する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  10. 生体への超音波の送受波により得られたドプラ信号に対して主成分分析を実行する工程と、
    前記主成分分析の結果に基づいて、前記ドプラ信号に対して、クラッタ成分を低減しつつ血流成分を抽出するためのフィルタ処理を適用する工程と、
    前記フィルタ処理後のドプラ信号に基づいて血流情報を演算する工程と、
    前記主成分分析の結果に基づいて、前記フィルタ処理後に生じ得る残留クラッタ成分を抑圧するための指標を演算する工程と、
    前記指標に従って、前記フィルタ処理後のドプラ信号又は前記血流情報に対して、残留クラッタ成分抑圧処理を適用する工程と、
    を含むことを特徴とするドプラ信号処理方法。
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