JP4956210B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を送受して収集したドプラ信号を利用して血流を可視化するカラードプラ超音波診断装置に係り、特に組織の動きによりスペックルパターンが変動することに起因するモーションアーティファクトを低減することが可能な超音波診断装置に関する。
超音波カラードプラ法は、被検体に超音波を送信し、被検体内において発生した超音波エコー信号に含まれる血流からのドプラ信号を2次元的に表示する画像表示法である。被検体からの超音波エコー信号には血流からのドプラ信号である血流信号に組織からの信号が重畳されている。このため、組織からのドプラ信号であるクラッタ信号は、組織の動き速度が遅いことを利用したMTI (moving target indication)フィルタ(wall filterともいう)によって抑圧される。
しかしながら、組織が呼吸や心拍動によって大きく移動した場合には、超音波のランダムな干渉によって生じる粒状性のパターンであるスペックルパターンの振幅が変動する。このため、抑圧対象となる信号について固定特性を有するMTIフィルタによる信号の抑圧のみでは、クラッタ信号を完全に抑圧することができない。この結果、モーションアーティファクトと呼ばれるカラーアーティファクトが表示されてしまうという問題がある。
そこで、モーションアーティファクトを低減するために、組織(クラッタ)の移動速度を計算し、原信号のドプラ信号に対して位相補正を行う方法やMTIフィルタの特性を変化させる方法が考案されている(例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
このクラッタの速度を計算して原信号に対して位相補正を行う方法は有効な方法であり、心臓や大きな血管からのドプラ信号に対する位相補正でない限り問題となる悪影響は生じない。しかし、ドプラ信号に対する位相補正のみではモーションアーティファクトの低減効果が十分に得られないという問題がある。そこで、付加的にMTIフィルタのカットオフ周波数を変化させる処理を行う技術が考案されている。
さらに、超音波診断装置の受信回路において生成されるベースバンド(IQ)信号とその振幅を利用することで、クラッタの瞬時速度の補正処理と等価な処理を行う技術も考案されている(例えば特許文献4参照)。
特開平10−99333号公報 特開平11−267125号公報 米国特許第5,349,524号明細書 特開2005−312773号公報
しかしながら、クラッタ速度が大きい場合にMTIフィルタのカットオフ周波数を上げるという上述した従来の処理では、モーションアーティファクトの低減効果が確実に得られるように条件設定すると血流信号が除去されてしまう場合があるという問題がある。このため、MTIフィルタのカットオフ周波数を変化させる処理は、積極的には用いられていない。従って、超音波カラードプラ法において、組織の動きによるモーションアーティファクトを完全に除去するのが困難な状況となっている。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、血流信号が除去されるというような悪影響の発生を回避しつつ、組織の動きによりスペックルが変動することに起因するモーションアーティファクトを低減することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超音波診断装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、互いに異なる干渉条件で複数の超音波受信IQ信号を取得するIQ信号取得手段と、前記複数の超音波受信IQ信号を加算した加算信号および前記複数の超音波受信IQ信号の振幅を加算した振幅加算信号を生成する信号生成手段と、前記加算信号から動きのある第1のドプラ信号を抽出する第1のドプラ信号抽出手段と、前記振幅加算信号から前記第1のドプラ信号とは異なる特性を有する第2のドプラ信号を抽出する第2のドプラ信号抽出手段とを備え、前記第1のドプラ信号抽出手段および第2のドプラ信号抽出手段は、それぞれ組織の動きに起因するアーティファクトが低減されるように前記第1のドプラ信号および前記第2のドプラ信号を抽出するように構成されることを特徴とするものである。
また、本発明に係る超音波診断装置は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、互いに異なる干渉条件で複数の超音波受信IQ信号を取得するIQ信号取得手段と、前記複数の超音波受信IQ信号からそれぞれ対応する複数のドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、前記複数のドプラ信号からそれぞれ対応する複数の自己相関関数、複数の血流の速度および複数の血流の分散の少なくとも1つ並びにそれぞれ対応する複数の血流のパワー信号を計算し、計算結果の加算または重み付け加算を伴って単一の血流の速度、単一の血流の分散および単一の血流のパワー信号の少なくとも1つを推定する推定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係る超音波診断装置は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、互いに異なる干渉条件で複数の超音波受信IQ信号を取得するIQ信号取得手段と、前記複数の超音波受信IQ信号から複数のドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、前記複数のドプラ信号から出力用の血流信号を推定する推定手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る超音波診断装置においては、血流信号が除去されるというような悪影響の発生を回避しつつ、組織の動きによりスペックルが変動することに起因するモーションアーティファクトを低減することができる。
本発明に係る超音波診断装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る超音波診断装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
超音波診断装置1は、プローブ2、送信回路3、受信回路4、Bモード処理系5、カラードプラ処理系6、画像表示系7、モニタ8および制御系9を備えている。
送信回路3は、プローブ2に内蔵される複数の超音波振動子に送信信号を、超音波送信ビームを形成するための所定の遅延時間を伴って印加する機能を有する。
プローブ2は、複数の超音波振動子を備え、送信回路3から印加された送信信号を各超音波振動子から超音波信号として図示しない被検体内に送信する一方、被検体内で発生した超音波エコー信号を受信し、電気信号である受信信号として受信回路4に出力する機能を有する。
受信回路4は、超音波振動子に対応するNチャンネルの受信信号の整相加算を行うディジタルビームフォーマを備え、ディジタルビームフォーマを用いて複数の超音波振動子に対応する受信信号の整相加算を行うことによって、ベースバンド帯域のベースバンド(IQ)信号を生成する機能と、生成したIQ信号をBモード処理系5およびカラードプラ処理系6に出力する機能を有する。ここで、受信回路4は、Nチャンネルの整相加算を行う際に、1チャンネルからN/2チャンネルまでの第1のブロックと、N/2+1チャンネルからNチャンネルまでの第2のブロックの2つのブロックに分割し、各ブロックについてそれぞれ整相加算を行うように構成される。このため、1チャンネルからN/2チャンネルまでの第1のブロックに属する受信信号について整相加算を行うことにより得られるIQ信号IQ1と、N/2+1チャンネルからNチャンネルまでの第2のブロックに属する受信信号について整相加算を行うことにより得られるIQ信号IQ2とがそれぞれ受信回路4から出力される。
Bモード処理系5は、受信回路4から取得したIQ信号からBモードデータを生成する機能と、生成したBモードデータを画像表示系7に出力する機能とを有する。カラードプラ処理系6は、受信回路4から取得したIQ信号からカラードプラデータを生成する機能と、生成したカラードプラデータを画像表示系7に出力する機能とを有する。
画像表示系7は、Bモード処理系5から取得したBモードデータおよびカラードプラ処理系6から取得したカラードプラデータに対してそれぞれ座標変換を行った後に合成することにより表示画像データを生成する機能と、生成した表示画像データをモニタ8に出力させる機能とを有する。
制御系9は、送信回路3、受信回路4、Bモード処理系5、カラードプラ処理系6、画像表示系7に制御信号を与えて統括的に制御する機能を有する。
図2は、図1に示すカラードプラ処理系6の詳細を示すブロック構成図である。
カラードプラ処理系6は、バッファ回路10、第1の振幅取得回路11、第2の振幅取得回路12、第3の振幅取得回路13、第1の加算器14、第2の加算器15、第3の加算器16、第4の加算器17、2つの第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19、第3のMTIフィルタ(WF3)20、速度パワー推定回路21を備えている。
バッファ回路10は、受信回路4の出力側と接続される。バッファ回路10の出力側には、第1の振幅取得回路11、第2の振幅取得回路12、第1の加算器14および第2の加算器15が接続される。第1の振幅取得回路11および第2の振幅取得回路12の出力側には共通の第3の加算器16が接続される。第1の加算器14および第2の加算器15の出力側には、それぞれ対応する一方の第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bが接続される。また、第1の加算器14および第2の加算器15の出力側には、第3の振幅取得回路13が接続される。第3の振幅取得回路13の出力側には、第2のMTIフィルタ(WF2)19 が接続され、第3の加算器16の出力側には、第3のMTIフィルタ(WF3)20 が接続される。また、第1の加算器14の出力側に接続された第1のMTIフィルタ(WF1a)18A、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20 の出力側には、第4の加算器17が接続される。第2の加算器15の出力側に接続された第1のMTIフィルタ(WF1b)18Bおよび第4の加算器17の出力側には、共通の速度パワー推定回路21が接続される。また、速度パワー推定回路21の出力側は、後段の画像表示系7と接続される。
バッファ回路10は、受信回路4から順次取得した複数のIQ信号IQ1,IQ2を深さ(距離)方向に書き込んで保存する機能と、保存された複数のIQ信号IQ1,IQ2のうち同じ深さ(位置)のIQ信号IQ1,IQ2をパケット方向に読み出して第1の振幅取得回路11、第2の振幅取得回路12、第1の加算器14または第2の加算器15に出力する機能を有する。
図3は、図1に示すプローブ2の受信開口を1チャンネルからN/2チャンネルまでの第1のブロックと、N/2+1チャンネルからNチャンネルまでの第2のブロックに分割した場合のIQ信号の対応関係を示す図である。
図3に示すように、プローブ2の第1のブロックRx-Lにおいて受信された受信信号から1チャンネルからN/2チャンネルに対応するIQ信号IQ1が生成される。また、プローブ2の第2のブロックRx-Rにおいて受信された受信信号からN/2+1チャンネルからNチャンネルに対応するIQ信号IQ2が生成される。そして、1チャンネルからN/2チャンネルに対応するIQ信号IQ1が第1の振幅取得回路11に、N/2+1チャンネルからNチャンネルに対応するIQ信号IQ2が第2の振幅取得回路12にそれぞれ出力される。
また、1チャンネルからNチャンネルまでのI(real)信号、すなわち1チャンネルからN/2チャンネルに対応するIQ信号IQ1のうちのI信号I1およびN/2+1チャンネルからNチャンネルに対応するIQ信号IQ2のうちのI信号I2が第1の加算器14に出力される。一方、1チャンネルからNチャンネルまでのQ(imag)信号、すなわち1チャンネルからN/2チャンネルに対応するIQ信号IQ1のうちのQ信号Q1およびN/2+1チャンネルからNチャンネルに対応するIQ信号IQ2のうちのQ信号Q2が第2の加算器15に出力される。
第1の振幅取得回路11、第2の振幅取得回路12および第3の振幅取得回路13は、それぞれ入力信号の振幅を取得して振幅信号として出力する機能を有する。また、第1の加算器14、第2の加算器15、第3の加算器16、第4の加算器17は、複数の入力信号を加算して出力する機能を有する。
第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性は、入力信号のうちある周波数f1から周波数f1よりも高い周波数f2までの信号成分を出力するように設定される。第2のMTIフィルタ(WF2)19の特性は、入力信号のうち周波数f2よりも高い周波数f3までの信号成分を出力するように設定される。第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bの特性は、入力信号のうち周波数f3以上の信号成分を出力するように設定される。従って、入力信号のうちある周波数f1以下の信号成分は、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20のいずれにおいても遮断される。
速度パワー推定回路21は、入力信号に基づいて血流の速度・分散・パワーを推定する機能と、推定して得られた血流の速度・分散・パワーをそれぞれ速度信号V、分散信号T、パワー信号Pとして後段の画像表示系7に出力する機能を有する。
次に超音波診断装置1の動作および作用について説明する。
制御系9から送信信号の印加指示が送信回路3に与えられると、送信回路3は超音波送信ビームの焦点位置の深さおよび送信方向に応じた所定の遅延時間をそれぞれ伴う送信信号をプローブ2内の対応する複数の超音波振動子に繰返し印加する。各超音波振動子を送信回路3から順次印加された送信信号を超音波信号として被検体内に送信する。これにより被検体内の各位置において発生した超音波エコー信号は、再びNチャンネル分の各超音波振動子により順次受信され、電気信号である受信信号として受信回路4に出力される。
このようにして、被検体の断層像を表示させるためのBモードデータ生成用の受信信号と、被検体の血流情報を表示させるためのカラードプラデータ用の受信信号がそれぞれ所定の順序で複数回に亘って受信回路4に順次出力される。すなわち、超音波送信ビームの焦点位置を変化させることによって、被検体内の各送信方向および深さにおける受信信号が順次取得されて受信回路4に出力される。また、カラードプラデータ用の受信信号は、同一の送信方向および深さの点からアンサンブル数に相当する回数だけ取得される。
受信回路4のディジタルビームフォーマでは、1チャンネルからN/2チャンネルまでの第1のブロックに属する超音波振動子により受信されたカラードプラデータ用の受信信号について整相加算が行われ、IQ信号IQ1が生成される。また、N/2+1チャンネルからNチャンネルまでの第2のブロックに属する超音波振動子により受信されたカラードプラデータ用の受信信号について整相加算が行われ、IQ信号IQ2が生成される。そして、被検体内の各位置に対応する2種類のIQ信号IQ1,IQ2がカラードプラ処理系6に出力される。さらに、ディジタルビームフォーマでは、Bモードデータ生成用の受信信号に対しては、1チャンネルからNチャンネルまでに対応する全ての受信信号の整相加算を行い、生成されたIQ信号をBモード処理系5に出力する。
Bモード処理系5では、Bモードデータ生成用のIQ信号に対してデータ処理が行われ、Bモードデータが生成される。生成されたBモードデータは、画像表示系7に出力される。
一方、カラードプラ処理系6では、2種類のIQ信号IQ1,IQ2からカラードプラデータが生成され、画像表示系7に出力される。具体的には、各送信方向および深さにおける時系列の2種類のIQ信号IQ1,IQ2は、一旦バッファ回路10に保存される。そして、同一の送信方向で同一の深さの1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応するアンサンブル数のIQ信号IQ1がパケット方向に読み出されて順次第1の振幅取得回路11に出力される。また、同一の送信方向で同一の深さのN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応するアンサンブル数のIQ信号IQ2がパケット方向に読み出されて順次第2の振幅取得回路12に出力される。
第1の振幅取得回路11では、IQ信号IQ1の振幅が取得され、振幅信号A1として第3の加算器16に出力される。第2の振幅取得回路12では、IQ信号IQ2の振幅が取得され、振幅信号A2として第3の加算器16に出力される。第3の加算器16では、2つの振幅信号A1,A2が加算されることにより、加算信号A12が生成される。生成された加算信号A12は、第3のMTIフィルタ(WF3)20に出力される。
一方、1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応するIQ信号IQ1に含まれるI信号I1およびN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応するIQ信号IQ2に含まれるI信号I2が第1の加算器14に出力される。また、1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応するIQ信号IQ1に含まれるQ信号Q1およびN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応するIQ信号IQ2に含まれるQ信号Q2が第2の加算器15に出力される。
第1の加算器14では、2つのI信号I1,I2が加算され、I信号I3が生成される。生成されたI信号I3は、第3の振幅取得回路13および一方の第1のMTIフィルタ(WF1a)18Aに出力される。第2の加算器15では、2つのQ信号Q1,Q2が加算され、Q信号Q3が生成される。生成されたQ信号Q3は、第3の振幅取得回路13および他方の第1のMTIフィルタ(WF1b)18Bに出力される。
第1のMTIフィルタ(WF1a)18Aに入力されるI信号I3は、1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応するI信号I1とN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応するI信号I2とを加算した信号であるため、1チャンネルからNチャンネル、すなわち全開口を使用して得られる通常のI信号と等価である。同様に、第1のMTIフィルタ(WF1b)18Bに出力されるQ信号Q3も全開口を使用して得られる通常のQ信号と等価である。
第3の振幅取得回路13では、第1の加算器14および第2の加算器15から取得したI信号I3とQ信号Q3で構成されるIQ信号IQ3の振幅が取得され、振幅信号A3として第2のMTIフィルタ(WF2)19 に出力される。IQ信号IQ3は、全開口を使用して得られる通常のIQ信号IQと等価であるため、第2のMTIフィルタ(WF2)19 に入力される振幅信号A3も、全開口を使用して得られる通常のIQ信号IQの振幅信号Aと等価である。
つまり、受信開口を2分割してそれぞれ整相加算した2組のIQ信号IQ1,IQ2をそのまま加算して得られるI信号I3、Q信号Q3およびIQ信号IQ3の振幅信号A3並びに2組のIQ信号IQ1,IQ2の各振幅信号A1,A2を加算した加算信号A12の計4種類の信号に対して、それぞれ2つの第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20が掛けられる。
前述のように第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性は、それぞれ入力信号のうち周波数f3以上の信号成分、周波数f2から周波数f3までの信号成分、周波数f1から周波数f2までの信号成分を出力するように設定される。ここで、周波数とは、一般的なフーリエ理論による周波数に限らず、多項式直交変換した結果を含む広義の周波数と解釈することもできる。
そこで、例えば、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20に入力される入力信号の数、すなわちアンサンブル数が16の場合には、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bの多項式直交空間における重みE1、第2のMTIフィルタ(WF2)19の多項式直交空間における重みE2、第3のMTIフィルタ(WF3)20 の多項式直交空間における重みE3をそれぞれ式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)のように設定することができる。
[数1]
E1=[0,0,0,0,0,0,0,0,1,1,1,1,1,1,1,1] (1-1)
E2=[0,0,0,0,0,0,1,1,0,0,0,0,0,0,0,0] (1-2)
E3=[0,0,0,0,1,1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0] (1-3)
尚、式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)において、[]内の左端の値は0次(DC: Direct Current)の係数を示しており、右側に進むにつれて次数が1ずつ高くなっている。
そして、このような特性を有するI信号I3用の第1のMTIフィルタ(WF1a)18A、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の出力信号が第4の加算器17において互いに加算される。第4の加算器17の出力信号およびQ信号Q3用の第1のMTIフィルタ(WF1b)18Bの出力信号は、速度パワー推定回路21に与えられる。
速度パワー推定回路21では、第4の加算器17の出力信号およびQ信号Q3用の第1のMTIフィルタ(WF1b)18Bの出力信号のパワーを加算することによってパワー信号Pを求める。さらに、速度パワー推定回路21は、自己相関法から速度信号Vおよび分散信号Tを推定する。そして、パワー信号P、速度信号Vおよび分散信号Tがカラードプラデータとして速度パワー推定回路21から画像表示系7に出力される。
画像表示系7では、Bモードデータとカラードプラデータの合成処理や座標変換等の必要な処置が行われ、最終的に生成された画像データがモニタ8に与えられて表示される。これにより、Bモード像とカラードプラ像がモニタ8に重畳表示される。
次に、上述したように第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性を設定することにより得られる効果について説明する。そのためにまずモーションアーティファクトの発生原因について考える。
特開2005−312773号公報には、IQ信号およびIQ信号の振幅信号を利用することで、モーションアーティファクトを抑圧するためにクラッタの瞬時速度を補正することと等価な処理を行えることが示されている。すなわち、IQ信号およびIQ信号の振幅信号から周波数の低い成分を除去することにより、クラッタの瞬時速度を補正することができる。そこで、クラッタの瞬時位相補正の物理的な意味について考える。
仮にドプラ信号を取得するために超音波を複数回に亘って送受信する時間(以下、パケット時間と呼ぶ)の範囲内では組織が一定の振幅で一定の速度で移動していると仮定する。そうすると、組織からのクラッタ信号の振幅信号は直流信号となり、MTIフィルタで除去することができることになる。一方、血流からの血流信号は、速度と振幅がパケット時間内で変化する。従って、血流信号の振幅信号はMTIフィルタで除去されずに残ることになる。従って、IQ信号およびIQ信号の振幅信号から周波数の低い成分を除去する瞬時位相補正処理を行うと、心臓や大きな血管内の血流信号は、除去されてしまうことになる。このため、速度の遅い信号に対してのみ瞬時位相補正処理が行われる。
しかし、現実には瞬時位相補正処理を行ってもモーションアーティファクトが完全に除去できない。このことからパケット時間の範囲内で組織が一定の振幅で一定の速度で移動しているという仮定は成立していないことが分かる。しかし、組織からのエコーを反射体と考えた場合には辻褄があわない。
腹部の組織の動きは最大でも6mm/s程度である。ここで、中心周波数f0、パルス繰返し周波数PRF、音速C、反射体の移動速度vのドプラ規格化周波数(折り返し周波数を0.5とした周波数)fdnormは、式(2)のように表される。
[数2]
fdnorm = 2vf0/(C・PRF) = 2v/(PRF・λ) (2)
但し、式(2)においてλは波長である。式(2)において、反射体である組織の移動速度v=6mm/s, 中心周波数f0=2.5MHz, パルス繰返し周波数PRF=1kHz, 音速C=1540m/sの場合には、ドプラ規格化周波数fdnorm=0.02となる。従って、組織の動きには、波長λの2%の位相変化がある。超音波の繰返し送信回数をN=10とすると、パケット時間では0.2λの位相変化となる。カラードプラデータの収集時における送信超音波パルスの波連長は通常2〜4であるので、0.2λだけ位相が変化したとしても包絡線は殆ど変化しないとみなせる。従って、組織からのエコーを反射体として考えた場合には、パケット時間内で同一位置でのドプラ信号の位相および振幅は一定であるはずである。
図4は、点反射体に1回超音波を送信して得られる高周波(RF: radio frequency)受信信号の例を示す図、図5は、図4に示す点反射体からのRF受信信号のIQ信号を示す図、図6は、図4の時間t=0μsの位置における規格化ドプラ周波数が0.02の場合における点反射体からのRFドプラ信号を示す図、図7は、図5に示すIQ信号から得られる点反射体からのIQドプラ信号を示す図である。
図7によれば、IQドプラ信号の振幅がほとんど変化していないのが分かる。しかし実際には、組織からのエコーは反射体からのエコーではなく散乱体からのエコーである。散乱体からのエコーはスペックルパターンと呼ばれる斑紋状の画像として示される。スペックルパターンは位相干渉によって生じるもので、距離方向の信号で観察すると位相はリニアに変化せず、振幅も大小を繰り返している。スペックルパターンは微小な位置変化によっても変化するので、組織の動きによって位相と振幅が変化する。散乱体からのエコーを同じ位置でのドプラ信号として観察すると、実際の組織の移動量よりも細かな周期で位相と振幅が変化することになる。
図8は、散乱体に1回超音波を送信して得られるRF受信信号の例を示す図、図9は、図8に示す散乱体からのRF受信信号のIQ信号を示す図、図10は、図8の時間t=0μsの位置における規格化ドプラ周波数が0.02の場合における散乱体からのRFドプラ信号を示す図、図11は、図9に示すIQ信号から得られる散乱体からのIQドプラ信号を示す図である。
図11によれば、I信号(real) 、Q信号(imag)および振幅(abs)の値が変化していることが分かる。クラッタ信号の位相が変化するのみであれば瞬時位相補正あるいは振幅信号を取得することでクラッタ信号を抑圧することができるが、クラッタ信号の振幅に変化があると瞬時位相補正あるいは振幅信号の取得ではクラッタ信号を十分に抑圧することが対処できなくなる。何故ならば、クラッタ信号の位相を補正しても、クラッタ信号の振幅が変化すると、MTIフィルタを通過してしまう信号が発生するからである。これが、モーションアーティファクトが発生する真の原因であると考えられる。
これに対し、従来Bモード像に現れるスペックルパターンを除去する手法として、空間コンパウンドや周波数コンパウンドと呼ばれるものが知られている。スペックルパターンの出現は前述のように位相干渉が原因であり、超音波がコヒーレントであることに起因する。そこで、プローブ2の受信開口を2分割し、2つの受信信号の振幅信号をそれぞれ取得して加算するというインコヒーレントな処理を行うことでスペックルパターンを低減するのが空間コンパウンドである。また、プローブ2からの単一の受信信号を周波数フィルタで2つの帯域の受信信号に分割し、2つの帯域の受信信号の振幅信号をそれぞれ取得して加算するというインコヒーレントな処理を行うことでスペックルパターンを低減するのが周波数コンパウンドである。
図12は、散乱体に1回超音波を送信して得られる2種類の互いに独立したRF受信信号RF1, RF2を示す図、図13は、図12に示す一方のRF受信信号RF2のIQ信号を示す図、図14は、図12に示す2種類のRF受信信号RF1, RF2の各IQ信号IQ1,IQ2のそれぞれの振幅信号abs(IQ1), abs(IQ2)並びに各振幅信号abs(IQ1), abs(IQ2)の加算信号abs(IQ1)+abs(IQ2)を示す図、図15は、図14に示す図12に示す2種類のRF受信信号RF1, RF2からコンパウンドを伴って得られたドプラ信号を示す図である。
尚、図12に示す一方のRF受信信号RF1は、図8に示すRF受信信号RFと同一であるため、RF受信信号RF1のIQ信号も図8に示すIQ信号と同一である。
図15によれば、コンパウンドによりクラッタ信号が抑圧され、加算信号abs(IQ1)+abs(IQ2)として得られるドプラ信号の値が概ね一定となっているのが分かる。
しかしながら、従来Bモードデータに対してはこのようなインコヒーレントな加算を伴うコンパウンド処理が行われるものの、カラードプラデータに対しては行われていななかった。何故ならば、カラードプラデータは受信信号の位相差を検出して速度を推定することによって得られるものであるため、インコヒーレントな処理をカラードプラデータに対して行うことができないと従来考えられていたためである。換言すれば、血流信号を得るためにはIQ信号を使用することが必要であると従来考えられていたためである。
これに対し、前述のように特開2005−312773号公報には、血流信号を得るために振幅信号も利用できることが示唆されている。従って、血流信号を得るために振幅信号が利用できるのであれば、従来不可能であると考えられていたカラードプラデータに対するコンパウンド処理が可能であると考えることができる。
そこで、図3に示すように、プローブ2の受信開口を2分割し、空間コンパウンド処理を行うことによりカラードプラデータにおけるスペックルパターンを低減できるように、それぞれ第1の振幅取得回路11および第2の振幅取得回路12並びに共通の第3の加算器16が設けられている。従って、第3の加算器16から第3のMTIフィルタ(WF3)20に入力される加算信号A12は、空間コンパウンド処理された振幅信号に相当する。
また、特定の周波数のIQ信号に対してのみ空間コンパウンド処理が施されるように第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性が設定される。そして、そのように設定された第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性の一例が式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)で表される特性である。
尚、特定の周波数のIQ信号に対してのみ空間コンパウンド処理を行うための第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性の設定方法の詳細については、特開2005−312773号公報に記載されている。
第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の特性を式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)で表される特性に設定すると、次のような信号のフィルタリングが行われる。すなわち、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bからは、2組のIQ信号IQ1,IQ2を加算して得られる通常のIQ信号IQ3のうち周波数f3以上の高い周波数成分がそのまま出力される。第2のMTIフィルタ(WF2)19からは、IQ信号IQ1,IQ2を加算して得られる通常のIQ信号IQ3の振幅信号A3のうち周波数f2から周波数f3までの中程度の周波数成分が出力される。第3のMTIフィルタ(WF3)20 からは、空間コンパウンド処理をした振幅信号に相当する加算信号A1のうち周波数f1から周波数f2までの低い周波数成分が出力される。
換言すれば、カラードプラ処理系6では、入力されるIQ信号IQの高い周波数成分に対しては、通常のIQ信号IQ3が第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bから出力され、中程度の周波数成分に対しては、IQ信号IQ3の振幅信号A3が第2のMTIフィルタ(WF2)19 から出力される。また、IQ信号IQの低い周波数成分に対しては、空間コンパウンド処理をした加算信号A1が第3のMTIフィルタ(WF3)20 から出力される。さらに、周波数f1以下の最も低いIQ信号IQの周波数成分は、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20によって遮断される。
このようなフィルタ処理により、血流信号を除去することなくスペックルパターンの振幅変動に起因するモーションアーティファクトを低減することができる。すなわち、速度が速い血流信号は、分布を持って高速で移動する散乱体であるため、コンパウンド処理を行っても振幅に変化が生じる。このためコンパウンド処理の意義が小さい。そこで、速度が速い血流信号には、血流信号が低減されないようにIQ信号IQ3が使用される。
逆に速度が遅いIQ信号に対しては、空間コンパウンド処理によってスペックルパターンが低減される。このため、空間コンパウンド処理された加算信号A12からは、モーションアーティファクトの影響が低減される。
また、速度が中程度のIQ信号に対しては位相情報を破棄した振幅信号A3を出力することによって、空間コンパウンド処理によるスペックルパターンの低減効果程ではないが、空間コンパウンドによる速度が遅い血流信号の除去を伴うことなくモーションアーティファクトの影響を低減させることができる。
このように、組織の動きの速度が遅いにも拘らず、スペックルパターンの振幅が変動することによって高い周波数側に広がったクラッタ信号の周波数を、IQ信号の振幅変動を抑えることによって、実際の組織の動きの速度に即した遅い周波数に戻すことができる。そしてクラッタ信号をMTIフィルタにより効果的に除去することが可能になる。
また、殆どのクラッタ信号およびクラッタ信号の振幅信号はDCまたは低い周波数帯に分布している。従って、モーションアーティファクトが出現する恐れの少ない低い周波数の血流信号を検出することが可能である。つまり、速度の遅い血流をクラッタ信号の影響を少なくしつつ検出することが可能となる。
尚、カラードプラ処理系6の構成を、IQ信号IQ3の振幅信号A3の生成および第2のMTIフィルタ(WF2)19によるフィルタ処理を行わない構成としても、少なくとも空間コンパウンド処理によるモーションアーティファクトの低減効果を得ることができる。
また、図3には、受信開口の分割による空間コンパウンド処理をカラードプラデータに対して行うカラードプラ処理系6の構成を示したが、前述のように周波数コンパウンド処理や微小角コンパウンド処理等のコンパウンド処理をカラードプラデータに対して行うこともできる。また、送信開口の分割による空間コンパウンド処理をカラードプラデータに対して行うこともできる。加えて、これら複数の種類のコンパウンド処理を組合わせてコンパウンド処理をカラードプラデータに対して行うこともできる。
微小角コンパウンド処理は、超音波ビームの偏向角を分解能以下で微小に変化させることにより2種類のIQ信号IQ1,IQ2を収集し、収集した2種類のIQ信号IQ1,IQ2の振幅信号A1,A2を加算するコンパウンド処理である。微小角コンパウンド処理は、空間的に異なる干渉条件から2種類のIQ信号IQ1,IQ2を収集することから空間コンパウンド処理の一種ということもできる。また、分解能を犠牲にして隣接するラスタデータを2種類のIQ信号IQ1,IQ2として流用することによっても空間コンパウンド処理を行うことができる。
また、周波数コンパウンド処理は、受信周波数の違いを異なる干渉条件とするコンパウンド処理である。
図16は、図1に示すカラードプラ処理系6において周波数コンパウンド処理を行う場合における超音波診断装置1の構成を示す図である。
カラードプラ処理系6において周波数コンパウンド処理を行う場合には、図16に示すように、受信回路4に2つのバンドパスフィルタ18A、18Bが設けられる。各バンドパスフィルタ18A、18Bが通過させる信号の中心周波数は互いに異なる周波数に設定される。そして、プローブ2から受信回路4に与えられたRF受信信号が2つのバンドパスフィルタ18A、18Bに入力される。さらに、2つのバンドパスフィルタ18A、18Bからそれぞれ出力される2つのIQ信号IQ1,IQ2がカラードプラ処理系6に与えられる。カラードプラ処理系6では、2つのIQ信号IQ1,IQ2の振幅信号A1,A2を加算することによって周波数コンパウンド処理を行うことができる。
つまり以上のような超音波診断装置1は、空間的あるいは周波数的に干渉条件の異なる2組のIQ信号を取得し、2組のIQ信号の和の信号および2組のIQ信号の振幅を加算した信号に対して互いに特性の異なるMTIフィルタを掛けてMTIフィルタからドプラ信号として出力された信号を加算することにより、組織のスペックルパターンの振幅変化に起因するモーションアーティファクトを低減したドプラ信号を生成するものである。さらに、超音波診断装置1は、必要に応じて、2組のIQ信号の和の信号の振幅信号に対して、さらに特性の異なるMTIフィルタを掛けて特定の動きの速度に対応するドプラ信号をモーションアーティファクトを低減させて抽出できるようにしたものである。
換言すれば、特定の速度のカラードプラデータに対してコンパウンド処理を行い、必要に応じて振幅信号をもドプラ信号として利用するものである。
このような超音波診断装置1においては、比較的簡易な回路構成で、コンパウンド処理によりスペックルパターンの振幅の変動を低減させることができる。このため、振幅信号の利用では除去が困難なモーションアーティファクトを低減させることができる。そして、低いドプラ周波数のドプラ信号としてコンパウンド処理された信号成分を用いることにより、全体としてモーションアーティファクトを低減しつつ、低い周波数帯域の血流信号を得ることができる。
図17は本発明に係る超音波診断装置の第2の実施形態を示すブロック構成図である。
図17に示された、超音波診断装置1Aでは、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18B、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の出力側の回路構成が図1に示す超音波診断装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示す超音波診断装置1と実質的に異ならないため、カラードプラ処理系6Aの回路構成のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
すなわち超音波診断装置1Aのカラードプラ処理系6Aでは、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bの出力側に共通の第1の速度パワー推定回路40が接続される。また、第2のMTIフィルタ(WF2)19および第3のMTIフィルタ(WF3)20の出力側には、それぞれ第1のパワー推定回路41および第2のパワー推定回路42が接続される。さらに、第1の速度パワー推定回路40、第1のパワー推定回路41および第2のパワー推定回路42の各出力側は、共通の第2の速度パワー推定回路43と接続される。そして、第2の速度パワー推定回路43の出力側が後段の画像表示系7と接続される。
第1の速度パワー推定回路40は、第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)18A、18Bの出力信号から速度信号V1、分散信号T1、パワー信号P1を推定する。第1のパワー推定回路41は、第2のMTIフィルタ(WF2)19の出力信号からパワー信号P2を推定する。第2のパワー推定回路42は、第3のMTIフィルタ(WF3)20の出力信号からパワー信号P3を推定する。
そして、第2の速度パワー推定回路43は、第1の速度パワー推定回路40において推定された速度信号V1、分散信号T1、パワー信号P1、第1のパワー推定回路41において推定されたパワー信号P2、第2のパワー推定回路42において推定されたパワー信号P3からカラードプラ処理系6Aの出力信号とされる最終的な速度信号V、分散信号T、パワー信号Pを推定する。
第2の速度パワー推定回路43における速度信号V、分散信号T、パワー信号Pの推定は以下の方法で行われる。すなわち第1の速度パワー推定回路40において推定された速度信号V1、分散信号T1を最終的な速度信号V、分散信号Tとする。また、3つのパワー信号P1, P2, P3の値に大きさ差がなければ、つまりパワー信号P1, P2, P3の差が一定の値以下であれば、第1の速度パワー推定回路40において推定されたパワー信号P1を最終的なパワー信号Pとする。一方、3つのパワー信号P1, P2, P3の値が高い周波数成分に対応するパワー信号P1, P2, P3ほど大きい場合、つまりP1>P2>P3である場合には、式(3)に示すように3つのパワー信号P1, P2, P3の重み付け加算によって得られたパワー信号Pを出力する。
[数3]
P=aP1+bP2+cP3 (3)
ただし、a,b,cは、それぞれ重み係数でありa<b<cである。
このように、3つのパワー信号P1, P2, P3間の値の関係に基づく任意のパワー信号P1, P2, P3の重み付け加算を伴って速度信号V、分散信号T、パワー信号Pが第2の速度パワー推定回路43の出力とされる。重み係数a,b,cは、それぞれカラードプラ像からモーションアーティファクトを効果的に低減できるような値に設定される。
画像表示系7ではカラードプラ像を異なる表示形態でモニタ8に表示させることができる。一般的なカラードプラ像の表示形態としては、パワー信号Pのみを表示させる表示形態、速度信号Vのみを表示させる表示形態、速度信号Vおよび分散信号Tの双方を表示させる表示形態がある。カラードプラ像の表示形態がパワー信号Pのみを表示させる表示形態である場合には、パワー信号Pがそのまま表示されるか或いはパワー信号Pの下限にスレッショルドを設定し、スレッショルド処理によってノイズレベルをカットしたパワー信号Pが表示される。また、カラードプラ像の表示形態が速度信号Vのみを表示させる表示形態である場合または速度信号Vおよび分散信号Tの双方を表示させる表示形態である場合には、パワー信号Pの下限および速度信号Vの下限にそれぞれスレッショルドを設定し、パワー信号Pおよび速度信号Vのいずれかが対応する下限値以下である場合には、カラー表示が行われない。
そこで、3つのパワー信号P1, P2, P3の値に応じてカラードプラ像からモーションアーティファクトを効果的に低減できるような重み係数a,b,cを用いてパワー信号P1, P2, P3を重み付け加算することができる。
このように超音波診断装置1Aによれば、図1に示す超音波診断装置1の効果と同様な効果に加え、可変パラメータである重み係数a,b,cの値を調整することによって、複雑な信号処理を行うことが可能となる。
図18は本発明に係る超音波診断装置の第3の実施形態を示すブロック構成図である。
図18に示された、超音波診断装置1Bでは、カラードプラ処理系6Bの回路構成が図1に示す超音波診断装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示す超音波診断装置1と実質的に異ならないため、カラードプラ処理系6Bの回路構成のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
超音波診断装置1Bのカラードプラ処理系6Bには、バッファ回路10、第1の加算器14、第2の加算器15に加え、6つの第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b, WF4c, WF4d, WF4e, WF4f)50A、50B、50C、50D、50E、50F、第3の速度パワー推定回路51、第4の速度パワー推定回路52、第5の速度パワー推定回路53および重み付け加算回路54が備えられる。バッファ回路10の出力側には、第1の加算器14、第2の加算器15および4つの第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b, WF4c, WF4d)50A、50B、50C、50Dが接続される。
ただし、バッファ回路10から1つの第4のMTIフィルタ(WF4a)50Aに1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応する開口1からのI信号I1が、別の第4のMTIフィルタ(WF4b)50Bに1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応する開口2からのQ信号Q1が、さらに別の第4のMTIフィルタ(WF4c)50CにN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応する開口1からのI信号I2が、さらに別の第4のMTIフィルタ(WF4d)50DにN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応する開口2からのQ信号Q2が入力される。また、バッファ回路10から第1の加算器14に1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応する開口1からのI信号I1およびN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応する開口2からのI信号I2が入力される。さらに、バッファ回路10から第2の加算器15に1チャンネルからN/2チャンネルまでに対応するQ信号Q1およびN/2+1チャンネルからNチャンネルまでに対応するQ信号Q2が入力される。
第1の加算器14では、それぞれ開口1および開口2からのI信号I1,I2が加算されるため、出力信号は、全開口からのI信号I3となる。同様に、第2の加算器15では、それぞれ開口1および開口2からのQ信号Q1,Q2が加算されるため、出力信号は、全開口からのQ信号Q3となる。また、第1の加算器14および第2の加算器15の出力側には、それぞれ対応する第4のMTIフィルタ(WF4e, WF4f)50E、50Fが接続される。従って、2つの第4のMTIフィルタ(WF4e, WF4f)50E、50Fには、それぞれ全開口からのI信号I3およびQ信号Q3が入力される。
つまり、第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b)50A、50Bは開口1に、第4のMTIフィルタ(WF4c, WF4d)50C、50Dは開口2に、第4のMTIフィルタ(WF4e, WF4f)50E、50Fは全開口にそれぞれ対応している。各第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b, WF4c, WF4d, WF4e, WF4f)50A、50B、50C、50D、50E、50Fは、それぞれ従来用いられるMTIフィルタと同様な特性を有する。すなわち各第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b, WF4c, WF4d, WF4e, WF4f)50A、50B、50C、50D、50E、50Fは、入力信号の所定の値以下の周波数成分をクラッタ信号として除去し、血流信号を抽出する特性を有する。
また開口1に対応する2つの第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b)50A、50Bの出力側には、共通の第5の速度パワー推定回路53が、開口2に対応する対応する2つの第4のMTIフィルタ(WF4c, WF4d)50C、50Dの出力側には、共通の第4の速度パワー推定回路52が、全開口に対応する2つの第4のMTIフィルタ(WF4e, WF4f)50E、50Fの出力側には、共通の第3の速度パワー推定回路51がそれぞれ接続される。
第3の速度パワー推定回路51、第4の速度パワー推定回路52、第5の速度パワー推定回路53は、それぞれ入力される血流信号から速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3を推定し、重み付け加算回路54に出力する。
すなわち、超音波診断装置1Bのカラードプラ処理系6Bでは、開口1、開口2、全開口からのIQ信号IQ1,IQ2,IQ3に対してそれぞれ第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b, WF4c, WF4d, WF4e, WF4f)50A、50B、50C、50D、50E、50Fを掛けて得られる血流信号から速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3が推定される。
重み付け加算回路54では、式(4-1)、式(4-2)、式(4-3)に示すように開口1、開口2、全開口にそれぞれ対応する速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3の重み付け加算が行われ、最終的にカラードプラ像として表示させる速度信号V、分散信号T、パワー信号Pが求められる。
[数4]
P=a1P1+b1P2+c1P3 (4-1)
V=a2V1+b2V2+c2V3 (4-2)
T=a3T1+b3T2+c3T3 (4-3)
重み付け加算に用いる重み係数a1, b1, c1, a2, b2, c2, a3, b3, c3は、図17に示す第2の実施形態の超音波診断装置1Aで用いられる重み係数a,b,cと同様に求めることができる。すなわち、重み係数a1, b1, c1, a2, b2, c2, a3, b3, c3は、速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3の値に応じてカラードプラ像からモーションアーティファクトを効果的に低減できるような値に設定される。
図1に示す第1の実施形態の超音波診断装置1および図17に示す第2の実施形態の超音波診断装置1Aでは、MTIフィルタの入力前の一部のIQ信号の振幅を加算することによってコンパウンド処理を行ったが、図18に示す超音波診断装置1Bのように、開口1、開口2、全開口からのIQ信号IQ1,IQ2,IQ3に対してそれぞれ従来のMTIフィルタを単に掛けて速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3の推定を行い、推定した各速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3の平均値や重み付け加算値をモニタ8に表示させる速度信号V、分散信号T、パワー信号Pとして用いることができる。つまり、速度信号V1, V2, V3、分散信号T1, T2, T3、パワー信号P1, P2, P3の加算は、インコヒーレントな計算であるからスペックルパターンの低減効果を得ることができる。
このような超音波診断装置1Bでは、可変パラメータである重み付け係数を、パワー信号P1, P2, P3のみならず、速度信号V1, V2, V3や分散信号T1, T2, T3に対しても設定することが可能であるため、より細かな制御を行うことが可能である。例えば、P1>P2>P3の場合に、全開口に対応するパワー信号P3、速度信号V3、分散信号T3の重みを大きくするといった制御を行うことができる。
図18に示す超音波診断装置1Bの変形例としては、開口1、開口2、全開口の全てについて速度信号V1, V2, V3および分散信号T1, T2, T3を計算せずに、パワー信号P1, P2, P3および自己相関関数を計算し、パワー信号P1, P2, P3の値に応じて決定した重み係数を用いて重み付け加算した自己相関関数から最終的な速度信号V、分散信号Tを計算する構成が挙げられる。この場合、パワー信号Pもパワー信号P1, P2, P3の重み付け加算により求められる。
本発明に係る超音波診断装置の第1の実施形態を示すブロック構成図。 図1に示すカラードプラ処理系の詳細を示すブロック構成図。 図1に示すプローブの受信開口を1チャンネルからN/2チャンネルまでの第1のブロックと、N/2+1チャンネルからNチャンネルまでの第2のブロックに分割した場合のIQ信号の対応関係を示す図。 点反射体に1回超音波を送信して得られる高周波(RF: radio frequency)受信信号の例を示す図。 図4に示す点反射体からのRF受信信号のIQ信号を示す図。 図4の時間t=0μsの位置における規格化ドプラ周波数が0.02の場合における点反射体からのRFドプラ信号を示す図。 図5に示すIQ信号から得られる点反射体からのIQドプラ信号を示す図。 散乱体に1回超音波を送信して得られるRF受信信号の例を示す図。 図8に示す散乱体からのRF受信信号のIQ信号を示す図。 図8の時間t=0μsの位置における規格化ドプラ周波数が0.02の場合における散乱体からのRFドプラ信号を示す図。 図9に示すIQ信号から得られる散乱体からのIQドプラ信号を示す図。 散乱体に1回超音波を送信して得られる2種類の互いに独立したRF受信信号RF1, RF2を示す図。 図12に示す一方のRF受信信号RF2のIQ信号を示す図。 図12に示す2種類のRF受信信号RF1, RF2の各IQ信号IQ1,IQ2のそれぞれの振幅信号abs(IQ1), abs(IQ2)並びに各振幅信号abs(IQ1), abs(IQ2)の加算信号abs(IQ1)+abs(IQ2)を示す図。 図14に示す図12に示す2種類のRF受信信号RF1, RF2からコンパウンドを伴って得られたドプラ信号を示す図。 図1に示すカラードプラ処理系において周波数コンパウンド処理を行う場合における超音波診断装置の構成を示す図。 本発明に係る超音波診断装置の第2の実施形態を示すブロック構成図。 本発明に係る超音波診断装置の第3の実施形態を示すブロック構成図。
符号の説明
1 超音波診断装置
2 プローブ
3 送信回路
4 受信回路
5 Bモード処理系
6 カラードプラ処理系
7 画像表示系
8 モニタ
9 制御系
10 バッファ回路
11 第1の振幅取得回路
12 第2の振幅取得回路
13 第3の振幅取得回路
14 第1の加算器
15 第2の加算器
16 第3の加算器
17 第4の加算器
18A、18B 第1のMTIフィルタ(WF1a, WF1b)
19 第2のMTIフィルタ(WF2)
20 第3のMTIフィルタ(WF3)
21 速度パワー推定回路
30A、30B バンドパスフィルタ
40 第1の速度パワー推定回路
41 第1のパワー推定回路
42 第2のパワー推定回路
43 第2の速度パワー推定回路
50A、50B、50C、50D、50E、50F 第4のMTIフィルタ(WF4a, WF4b, WF4c, WF4d, WF4e, WF4f)
51 第3の速度パワー推定回路
52 第4の速度パワー推定回路
53 第5の速度パワー推定回路
54 重み付け加算回路

Claims (6)

  1. 互いに異なる干渉条件で複数の超音波受信IQ信号を取得するIQ信号取得手段と、
    前記複数の超音波受信IQ信号を加算した加算信号および前記複数の超音波受信IQ信号の振幅を加算した振幅加算信号を生成する信号生成手段と、
    前記加算信号から動きのある第1のドプラ信号を抽出する第1のドプラ信号抽出手段と、
    前記振幅加算信号から前記第1のドプラ信号とは異なる特性を有する第2のドプラ信号を抽出する第2のドプラ信号抽出手段とを備え、
    前記第1のドプラ信号抽出手段および第2のドプラ信号抽出手段は、それぞれ組織の動きに起因するアーティファクトが低減されるように前記第1のドプラ信号および前記第2のドプラ信号を抽出するように構成されることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記第2のドプラ信号抽出手段は、前記振幅加算信号を入力信号として静止していないが動き速度が所定の速度よりも小さい信号を通過させる特性を有するフィルタを用いて前記第2のドプラ信号を抽出するように構成される一方、前記第1のドプラ信号抽出手段は、前記加算信号を入力信号として動き速度が前記所定の速度よりも大きい信号を通過させる特性を有するフィルタを用いて前記第1のドプラ信号を抽出するように構成されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記第1のドプラ信号抽出手段および第2のドプラ信号抽出手段は、それぞれ前記第1のドプラ信号のパワー信号および前記第2のドプラ信号のパワー信号の値を比較した結果に応じて決定した重みを用いて前記第1のドプラ信号のパワー信号および前記第2のドプラ信号のパワー信号を重み付け加算するように構成されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 互いに異なる干渉条件で複数の超音波受信IQ信号を取得するIQ信号取得手段と、
    前記複数の超音波受信IQ信号からそれぞれ対応する複数のドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、
    前記複数のドプラ信号からそれぞれ対応する複数の自己相関関数、複数の血流の速度および複数の血流の分散の少なくとも1つ並びにそれぞれ対応する複数の血流のパワー信号を計算し、計算結果の加算または重み付け加算を伴って単一の血流の速度、単一の血流の分散および単一の血流のパワー信号の少なくとも1つを推定する推定手段と、
    を備えることを特徴とする超音波診断装置。
  5. 互いに異なる干渉条件で複数の超音波受信IQ信号を取得するIQ信号取得手段と、
    前記複数の超音波受信IQ信号から複数のドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、
    前記複数のドプラ信号から出力用の血流信号を推定する推定手段と、
    を備えることを特徴とする超音波診断装置。
  6. 前記IQ信号取得手段は、互いに異なる複数の送信開口、互いに異なる複数の受信開口、走査位置の変更手段、互いに異なる複数の周波数特性を有する受信フィルタの少なくとも1つを用いて前記複数の超音波受信IQ信号を取得するように構成されることを特徴とする請求項1、4および5のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
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