JP2019092672A - 超音波信号処理装置、超音波診断装置、および、超音波信号処理方法 - Google Patents

超音波信号処理装置、超音波診断装置、および、超音波信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドプラ信号における組織の速度を検出してクラッタ成分を適応的に除去する。【解決手段】検出波のそれぞれに対応する受信信号列を直交検波して第1の複素信号列を生成し、第1の複素信号列から、観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データと、観測点の座標ごとのパワー値を算出して組織パワー値データとを生成し、第1の複素信号列に低域除去フィルタ処理を施して第2の複素信号列を生成し、第2の複素信号列から、観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データと、観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成し、観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する。【選択図】図2

Description

本開示は、超音波信号処理装置、超音波診断装置、および、超音波信号処理方法に関し、特に、カラーフローマッピング法を用いる超音波信号処理装置における受信ビームフォーミング処理方法、および、カラーフローマッピング演算処理に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブ(以後、「プローブ」とする)により被検体内部に超音波を送信し、被検体組織の音響インピーダンスの差異により生じる超音波反射波(エコー)を受信する。さらに、この受信から得た電気信号に基づいて、被検体の内部組織の構造を示す画像を生成し、モニタ(以後、「表示部」とする)上に表示するものである。超音波診断装置は、被検体への侵襲が少なく、リアルタイムに体内組織の状態を断層画像などで観察できるため、生体の形態診断に広く用いられている。
近年、多くの超音波診断装置には、カラーフローマッピング(CFM;Color Flow Mapping)法が具備されている。CFM法では、血流等の体内組織の動きによるエコーに発生するドプラシフト(周波数偏移)を検出し、速度情報やパワー情報を二次元ドプラ画像として、二次元断層画像(Bモード断層画像)に重畳表示を行う。
一般に、CFM法では血流から得られる情報(以下、「血流情報」と呼ぶ)の画像化を行う。そのため、エコーに含まれる血流情報の成分(以下、「血流成分」と呼ぶ)の抽出処理として、例えば、血流成分とクラッタ成分との平均速度の差を用いたMTI(Moving Target Indicator)フィルタを使用して、エコーから組織の動きや静止している組織から得られる情報の成分(以下、「クラッタ成分」と呼ぶ)を取り除いている。また、ドプラ画像に対応するBモード断層画像データに基づいて被検体の動きを表す情報を取得し、被検体の動きを表す情報を用いて超音波ドプラ画像データを補正してクラッタ成分除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2015−198710号公報
しかしながら、例えば、プローブの操作速度が大きい場合や、臓器等組織の動き速度が大きい場合等、プローブに対する組織の動き速度が大きい場合には、組織と血流の周波数偏移が重複するために、ドプラ画像からクラッタ成分を十分に除去できないという課題があった。また、Bモード断層画像から検出した動き補正を対応するドプラ画像に施す方法では、異なる送受信に係るエコー信号に依拠して補正が行われることから、クラッタ成分の除去に過不足が生じるという課題があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ドプラ信号における組織の速度を検出して組織の動きに起因するクラッタ成分を組織の速度に応じて適応的に除去して、血流成分を高精度に抽出する超音波信号処理装置を実現することを目的とする。
本開示の一態様に係る超音波信号処理装置は、超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理装置であって、前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信する送信部と、前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成する受信ビームフォーマ部と、前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波部と、前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成する組織速度検出部と、前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成するフィルタ処理部と、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データを生成する血流演算部と、前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する適応閾値処理部と、前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成する画像生成部とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係る超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、及び、それを用いた超音波診断装置によれば、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号から組織の動きに起因するクラッタ成分を組織の速度に応じて適応的に除去することができる。そのため、血流成分を高精度に抽出してドプラ画像の品質を向上することができる。
実施の形態1に係る超音波診断システム1000の機能ブロック図である。 CFM処理部105の機能ブロック図である。 (a)は、直交検波部1051の機能ブロック図、(b)は、フィルタ処理部1052の機能説明図、(c)は、血流演算部1053、及び組織速度検出部1054における処理を説明する模式図である。 適応閾値処理部1055の機能ブロック図である。 適応閾値処理部1055における減算部10552の動作説明図である。 適応閾値処理部1055における減算部10552の動作説明図である。 適応閾値処理部1055における閾値処理部10553の動作説明図である。 超音波診断装置100の動作を示すフローチャートである。 図8のステップS100における適応閾値処理を示すフローチャートである。 (a)は、比較例に係るCFM処理部105Xの機能ブロック図、(b)は、適応閾値処理部1055Xの機能ブロック図である。 比較例に係る適応閾値処理部1055Xの動作説明図である。 関心領域内の観測点の座標ごとの速度データ、パワーデータの分布を示す速度・パワー分布図であり、(a)は適応閾値処理部1055による処理による場合、(b)は比較例に係る閾値処理部1055Xによる処理による場合である。 関心領域内に手指関節側断面を含むカラードプラ画像であり、(a)は適応閾値処理部1055による処理による場合、(b)は比較例に係る閾値処理部1055Xによる処理による場合である。 手指関節の側断面のパワードプラ画像であり、(a)は適応閾値処理部1055による処理による場合、(b)は比較例に係る閾値処理部1055Xによる処理による場合である。 変形例に係る適応閾値処理部1055における処理を示すフローチャートである。 血流成分とクラッタ成分それぞれの帯域の例を示す模式図である。
≪発明を実施するための形態に至った経緯≫
発明者は、MTIフィルタを用いる場合において、除去する信号をどのように選択するかについて、各種の検討を行った。MTIフィルタとして、血流成分とクラッタ成分との平均速度の差を利用したFIRフィルタを用いることができる。FIRフィルタなどの高域通過フィルタは、血流成分とクラッタ成分との平均速度の差を利用して、所定のカットオフ周波数より低い周波数の信号を除去するフィルタである。このフィルタは、血流成分とクラッタ成分とで、周波数帯域の重複がない場合には有効に機能する。例えば、図16に示すように、血流成分241とクラッタ成分242との周波数帯域が分離している場合には、血流成分241の最低周波数より低く、かつ、クラッタ成分242の最高周波数より高い周波数Δf1をカットオフ周波数とする。このようにすることで、血流成分241はFIRフィルタを通過する一方でクラッタ成分242はFIRフィルタで除去されるため、血流成分241のみを抽出することができる。しかしながら、血流成分とクラッタ成分との間で周波数帯域の重複がある場合、FIRフィルタは有効と言えない。これに対し、特許文献1に記載の方法は、ドプラ画像に対応するBモード断層画像データ又は当該画像データを生成するための超音波受信信号に基づいて被検体の動きを表す情報を取得し、超音波ドプラ画像データを補正してクラッタ成分除去するものである。したがって、血流成分とクラッタ成分との間で周波数帯域の重複があっても、クラッタ成分のみを選択して除去することが可能である。
しかしながら、Bモード断層画像から検出した動き補正を対応するドプラ画像に施す方法では、異なる送受信に係るエコー信号に基づくBモード断層画像からドプラ画像に対する補正量が算出される。そのため、プローブの操作速度が大きい場合や、臓器等組織の動き速度が大きい場合等、プローブに対する組織の動き速度が大きい場合には、除去されるクラッタ成分の大きさに過不足が生じ、クラッタが十分に除去されないという課題があった。この場合、補正値決定の根拠信号と補正対象信号の取得に係る送受信シーケンスが異なることがドプラ画像の品質向上を阻害すると考えられる。
そこで、発明者は、補正対象であるドプラ信号と同一の送受信シーケンス信号に依拠する信号からクラッタ成分を検出して、ドプラ信号に対しクラッタ成分が存在する範囲に対し、クラッタ成分の大きさに応じて適応的に補正を施す処理方法について検討し、実施の形態に係る超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、および、それを用いた超音波診断装置に相当するに至ったものである。
以下、実施の形態に係る超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、および、それを用いた超音波診断装置について、図面を用いて詳細に説明する。
≪実施の形態1≫
<全体構成>
以下、実施の形態1に係る超音波診断装置100について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る超音波診断システム1000の機能ブロック図である。図1に示すように、超音波診断システム1000は、被検体に向けて超音波を送信しその反射波を受信する複数の振動子101aを有するプローブ101、プローブ101に超音波の送受信を行わせプローブ101からの出力信号に基づき超音波画像を生成する超音波診断装置100、超音波画像を画面上に表示する表示部108を有する。プローブ101、表示部108は、それぞれ、超音波診断装置100に各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に、プローブ101、表示部108が接続された状態を示している。なお、プローブ101と、表示部108とは、超音波診断装置100の内部にあってもよい。
<超音波診断装置100の構成>
超音波診断装置100は、プローブ101の複数ある振動子101aのうち、送信または受信の際に用いる振動子を各々に選択し、選択された振動子に対する入出力を確保するマルチプレクサ部102、超音波の送信を行うためにプローブ101の各振動子101aに対する高電圧印加のタイミングを制御する送信ビームフォーマ部103と、プローブ101で受信した超音波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号を増幅およびA/D変換して受信信号列を生成し、受信信号列に対し受信ビームフォーミングを行って音響線信号を生成する受信ビームフォーマ部104を有する。また、超音波診断装置100は、受信ビームフォーマ部104からの出力信号を周波数解析してカラーフロー情報を生成するCFM処理部105と、受信ビームフォーマ部104からの出力信号に基づいて断層画像(Bモード画像)を生成する断層画像処理部106と、カラーフロー情報をBモード画像に重畳してドプラ画像を生成し表示部108に表示させる画像生成部107と、受信ビームフォーマ部104が生成する受信信号列および/または音響線信号、CFM処理部105が生成するカラーフロー情報、および、断層画像処理部106が生成するBモード画像を保存するデータ処理部と、各要素を制御する制御部110をさらに備える。このうち、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、CFM処理部105、断層画像処理部106、画像生成部107は、超音波信号処理回路である、超音波信号処理装置150を構成する。
超音波診断装置100を構成する各要素、例えば、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、CFM処理部105、断層画像処理部106、画像生成部107、制御部110は、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア回路により実現される。
データ格納部109は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM、BD、半導体メモリ等を用いることができる。また、データ格納部109は、超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。
なお、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、図1で示した構成の超音波診断装置に限定されない。例えば、マルチプレクサ部102がなく、送信ビームフォーマ部103と受信ビームフォーマ部104とが直接、プローブ101の各振動子101aに接続されていてもよい。また、プローブ101に送信ビームフォーマ部103や受信ビームフォーマ部104、またその一部などが内蔵される構成であってもよい。これは、本実施の形態に係る超音波診断装置100に限られず、後に説明する変形例に係る超音波診断装置でも同様である。
<各構成要素の説明>
1.送信ビームフォーマ部103
送信ビームフォーマ部103は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、プローブ101から超音波の送信を行うためにプローブ101に存する複数の振動子101aの全てもしくは一部に当たる送信振動子列からなる送信開口に含まれる複数の振動子の各々に対する高電圧印加のタイミングを制御する。送信ビームフォーマ部103は送信部1031から構成される。
送信部1031は、制御部110からの送信制御信号に基づき、プローブ101に存する複数の振動子101a中、送信開口に含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるためのパルス状の送信信号を供給する送信処理を行う。送信部1031は、例えば、クロック発生回路、パルス発生回路、遅延回路を備えている。クロック発生回路は、超音波ビームの送信タイミングを決定するクロック信号を発生させる回路である。パルス発生回路は、各振動子を駆動するパルス信号を発生させるための回路である。遅延回路は、超音波ビームの送信タイミングを振動子毎に遅延時間を設定し、遅延時間だけ超音波ビームの送信を遅延させて超音波ビームのフォーカシングを行うための回路である。送信部1031は、送信開口の中心に位置する振動子ほど送信タイミングを遅らせるように各振動子の送信タイミングを制御する。これにより、送信開口内の振動子列から送信された超音波送信波は、被検体のある深度において、波面がある一点、すなわち送信フォーカス点で、フォーカスがあう(集束する)状態となる。送信フォーカス点Fで合焦した波面は、再び拡散し、被検体内を超音波送信波が伝播する。なお、送信ビームフォーマ部103は、送信フォーカス深さにおいて、波面がある領域、すなわち送信フォーカス領域に超音波が集束するように制御してもよい。
送信部1031は、超音波ビームの送信を所定の回数行った後、送信開口を列方向に所定の距離だけ移動させて再び超音波ビームの送信を所定の回数繰り返すことで、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う。以下、超音波ビームの送信のそれぞれを送信イベントと呼び、所定の回数の送信イベントで構成される、同一の送信開口を用いた一連の超音波送信の全体を送信イベントセットと呼ぶ。なお、所定の回数は、少なくとも2回であり、例えば、6回から12回であることが好ましい。本実施の形態では、一例として、10回とした。すなわち、本実施の形態では、10回の超音波送信ごとに、送信開口が移動する。送信開口が異なる複数の送信イベントセットにより、1フレーム分の信号が受信される。
なお、送信部1031は、超音波探触子1を構成する各振動素子から送出される送信検出波が特定の向きに進行する平面波を超音波ビームとして送信してもよい。この場合、すべての振動子を同時に駆動させる、または、隣接する2つの振動子の間の遅延時間差が所定の値となるように遅延処理が行われる。また、この場合は、送信イベントセット間で送信開口は移動させず、1回の送信イベントセットにより、1フレーム分の信号が受信される。
2.受信ビームフォーマ部104
受信ビームフォーマ部104は、プローブ101で受波した超音波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号を増幅およびA/D変換してRF信号とし、複数のRF信号を時系列に並べた受信信号列を生成する。また、受信ビームフォーマ部104は、受信信号列に対し受信ビームフォーミングを行って音響線信号DSを作成する。音響線信号DSを生成する場合、送信イベントに同期し、着目領域内の各観測点について、観測点からの反射超音波に基づく受信信号を同定し、受信信号ごとに遅延処理を行って加算する。
3.CFM処理部105
CFM処理部105は、送信イベントセットのそれぞれで得た音響線信号受信信号列に基づき、周波数解析を行って、CFM信号を生成する。なお、CFM処理部105は、送信イベントセットのそれぞれで得た受信信号列に基づき、周波数解析を行って、CFM信号を生成してもよい。ここで、ある1つの観測点については、送信イベントごとにRF信号が得られることとなる。以下、これらの1つの観測点に係る複数のRF信号を時系列の信号列として扱い、これを、当該観測点に対するアンサンブルと呼ぶ。CFM信号とは、ある観測点に対する、血流情報を示す信号である。血流情報については後述する。図2は、CFM処理部105の機能ブロック図である。図2に示すように、CFM処理部105は、直交検波部1051、フィルタ処理部1052、血流演算部1053、組織速度検出部1054、適応閾値処理部1055を備える。
(1)直交検波部1051
直交検波部1051は、送信イベントに同期されて生成される受信信号列のそれぞれに対して直交検波を行い、各観測点における受信信号の位相を示す複素ドプラ信号を生成する回路である。図3(a)は、直交検波部1051の機能ブロック図である。具体的には、各観測点のアンサンブルに含まれるそれぞれの音響線信号DSに対して、以下の処理が行われる。まず、送信超音波と周波数f0が同一である第1参照信号sin2πf0tと、第1参照信号sin2πf0tと周波数及び振幅が同一で位相のみ90°異なっている第2参照信号cos2πf0tとを生成する。次に、音響線信号DS、Asin(2πf0t+θ)と第1参照信号sin2πf0tを積算し、LPFにより第1参照信号sin2πf0tの約2倍の周波数4πf0tを有する高周波成分を取り除き、第1成分とする。同様に、音響線信号DS、Asin(2πf0t+θ)と第2参照信号cos2πf0tを積算し、LPFにより第2参照信号cos2πf0tの約2倍の周波数4πf0tを有する高周波成分を取り除いて第2成分とする。最後に、第1成分を実部(I成分;In Phase)、第2成分を虚部(Q成分;Quadrature Phase)として、複素ドプラ信号Z1(Z1=I+iQ=Aejθ)を生成する(第1の複素ドプラ信号列)。
(2)フィルタ処理部1052
フィルタ処理部1052は、複素ドプラ信号Z1からクラッタ成分242を取り除くフィルタ回路である。クラッタ成分242とは、組織の動きのうち、画像化の対象としない成分のことであり、具体的には、血管壁、筋肉、臓器などの組織の動きを示す情報である。図3(b)は、フィルタ処理部1052の機能説明図である。フィルタ処理部1052は、FIRフィルタなどのクラッタ除去フィルタからなるMTIフィルタであり、例えば、図3(b)に示すように、所定のカットオフ周波数Δfcより低い周波数の信号を除去することにより、複素ドプラ信号Z1からクラッタ成分242を低減し血流成分241を通過させて複素ドプラ信号Z2を出力する(第2の複素ドプラ信号列)。このようにすることで、血流成分はフィルタ処理部1052を通過する一方でクラッタ成分242はフィルタ処理部1052で除去される。なお、フィルタ処理部1052は、FIRフィルタなどの高域通過フィルタ以外に限定されるものではなくクラッタを除去可能なフィルタであればよい。例えば、最小二乗フィルタ、多項式近似フィルタ、固有ベクトルフィルタ等を用いる構成としてもよい。
(3)血流演算部1053
血流演算部1053は、フィルタ処理された後の複素ドプラ信号Z2を入力として、各観測点に対応する血流情報を算出する回路である。本実施の形態では、血流演算部1053は、血流情報として速度値データV1(第1の速度値データ)及びパワー値データP1(第1のパワー値データ)を算出する。図3(c)は、血流演算部1053、及び組織速度検出部1054における処理を説明する模式図である。
血流演算部1053は、関心領域ROI内の各観測点について、当該観測点に対するアンサンブルのそれぞれの信号から位相を推定し、位相の変化速度を算出する。
図3(c)も示すように、アンサンブル回数がn回数とn+1回目の送受信における反射波の到達距離差Δxとしたとき、速度変化v´は、光速度c、送信周波数f0、位相変化Δθとしたとき、(1)式で表される。
n回目とn+1回目の送受信により得られた複素ドプラ信号Zn、Zn+1の実部をIn、In+1、虚部をQn、Qn+1としたとき、位相変化Δθは、(2)式で表される。
なお、血流演算部1053は、アンサンブルを構成する複数の複素ドプラ信号の間で相関処理を行うことにより、位相の変化速度を推定するとしてもよい。
複素ドプラ信号Znの共役複素数Znと、複素ドプラ信号Zn+1との自己相関は(3)式となり、
位相の変化速度(角速度)ωは、ZnとZn+1との自己相関の実部Re、虚部Imを用いて(4)式により算出される。
血流演算部1053は、位相の変化速度ωから各観測点で生じたドプラシフト量を算出し、ドプラシフト量から、血流の速度値データV1を算出する。
血流演算部1053は、血流の速度値データV1を超音波の送信方向(被検体の深さ方向)に連なった信号の列とし、適応閾値処理部1055に出力する。なお、血流演算部1053は、血流の速度の分散値Tと、ドプラシフト量のパワースペクトルを基に血流のパワー値データP1をさらに算出するとしてもよい。血流のパワー値データP1は、(5)式により算出される。
血流演算部1053は、これらの血流のパワー値データP1を、適応閾値処理部1055に出力する。血流演算部1053は、血流の速度の分散値Tをさらに算出して適応閾値処理部1055に出力してもよい。
(4)組織速度検出部1054
組織速度検出部1054は、直交検波部1051から出力されMTIフィルタ処理される前の複素ドプラ信号Z1を入力として、各観測点に対応する被検体の速度値データVt(組織速度値データ)を算出する回路である。これにより、プローブに対する被検体組織の動きを検出する。組織速度検出部1054における、速度値データVtの方法は、上述した血流演算部1053における速度値データV1の算出方法と同じである。複素ドプラ信号Z1には、組織と血流の情報が含まれる。しかしながら、組織は血流よりも約60dB程度信号の強度が大きいために、複素ドプラ信号Z1に基づいて各超音波信号の位相差を算出すると組織の情報(クラッタ)が支配的となる。そのため、組織速度検出部1054において、MTIフィルタ処理される前の複素ドプラ信号Z1から速度値を算出することで、組織の速度値データVtと等価な情報が得られる。なお、より正確を帰するために、組織速度検出部1054において、複素ドプラ信号Z1にローパスフィルタ等を用いて組織情報のみを取り出してから組織の速度値データVtを算出してもよい。
また、組織速度検出部1054は、直交検波部1051から出力されフィルタ処理される前の複素ドプラ信号Z1を入力として、(5)式により各観測点に対応する被検体の組織のパワー値データPtを算出してもよい。この場合、算出した組織パワー値データPtを考慮して組織速度値データVtを算出することができる。
(5)適応閾値処理部1055
適応閾値処理部1055は、血流の速度値データV1、血流のパワー値データP1、及び組織の速度値データVtを入力として、観測点の座標ごとに、血流の速度値データV1と組織の速度値データVtとに基づき血流の速度値データV2(第2の速度値データ)を算出し、血流の速度値データV2における速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータに補正を施して血流の速度値データV3(第3の速度値データ)を算出する回路である。さらに、適応閾値処理部1055は、血流のパワー値データP1におけるパワー値がパワー値閾値Pth以下であるデータを除去して血流のパワー値データP2(第2のパワー値データ)を算出する構成としてもよい。
図4は、適応閾値処理部1055の機能ブロック図である。図4に示すように、適応閾値処理部1055は、補正部10551、減算部10552、閾値処理部10553及び和算部10554を有する。血流の速度値、組織の速度値、血流のパワー値のデータは、関心領域ROI内の観測点の座標(X,Y)ごとデータ集合であるので、ここでは、データを表す文字に(X,Y)を付して説明する。
補正部10551は、フィルタ処理部1052から出力される組織の速度値データVt(X,Y)を入力として、組織の速度値データVt(X,Y)に基づく値を算出する。例えば、組織の速度値データVt(X,Y)に補正を施す構成としてもよい。この場合、補正部10551での補正は、例えば、組織の速度値データVt(X,Y)に補正係数α(0<α<1)を乗算する構成としてもよい。補正方法は、乗算に限定されず、他の補正処理を施してもよい。
減算部10552は、血流の速度値データV1(X,Y)から組織の速度値データVt(X,Y)に補正係数αを乗算した値V´t(X,Y)をそれぞれ減算して血流の速度値データV2(X,Y)を算出する。図5は、減算部10552の動作説明図である。上述のとおり、血流の速度値データV1(X,Y)は、関心領域ROI内の観測点の座標(X,Y)ことの速度値データV1のデータ集合であり、血流のパワー値データP1(X,Y)は、関心領域ROI内の観測点の座標(X,Y)ごとのパワー値データP1のデータ集合であり、組織の速度値データVt(X,Y)は、関心領域ROI内の観測点の座標(X,Y)ごとの血流の速度値データVtのデータ集合である。図5〜7、11、12においては、説明のために便宜上、速度値データV1(X,Y)とパワー値データP1(X,Y)とを観測点の座標(X,Y)ごとに対応付、横軸を速度値、縦軸をパワー値としたマップ(V1,P1)として図示している。血流の速度値データV2についても同様である。
減算部10552は、血流の速度値データV1(X,Y)から組織の速度値データVt(X,Y)に補正係数αが乗算された値V´t(X,Y)をそれぞれ減算して血流の速度値データV2(X,Y)を算出する。図5に示すように、横軸を速度値、縦軸をパワー値としてデータの分布状態を比較すると、減算処理後のマップ(V2,P1)の方が減算処理前のマップ(V1,P1)よりも、データが横軸方向の原点(速度0を示す)付近に多く分布している状態が見て取れる。これは、速度値データVt(X,Y)の補正値V´t(X,Y)の減算に伴い、速度値データV2(X,Y)のマップ(V2,P1)では、血流の速度値データV1(X,Y)のマップ(V1,P1)よりも、補正値V´t(X,Y)相当分だけ速度値データV2(X,Y)のマップ(V2,P1)が横軸方向の原点に寄ったことに基づく。
図6は、適応閾値処理部1055における減算部10552の動作説明図である。図6において、左上図において左方の○は本来の血流速度を表し,右方の○は本来のクラッタ速度を表す。また、●は、組織の動き/プローブの動きの影響を受けた血流の速度を表し,斜線を施した丸は組織の動き/プローブの動きの影響を受けたクラッタ速度を表す。
図6に示すように、血流の速度値データV1(X,Y)には、本来の血流の速度に対し、フィルタ処理部1052にて除去されなかったクラッタ成分が重畳されている。減算部10552では、組織速度検出部1054にて検出した組織の速度値データVt(X,Y)からクラッタの存在する座標、及びクラッタの座標ごとの相対的な大きさを特定する。さらに、補正係数αを乗算することにより、値V´t(X,Y)をクラッタの大きさの絶対的に近づけて、速度値データV1(X,Y)から減算する。これより、速度値データV2(X,Y)を、組織の動きやプローブ101の動きの影響を除去した正確な生体内の移動体の速度として計算できる。すなわち、図6右上図に示すように、組織の動き/プローブの動きの影響を受けた血流速度(左方の○),及び組織の動き/プローブの動きの影響を受けたクラッタ速度(右方の○)は、それぞれ、本来の血流の速度(●)、及び本来のクラッタ速度(斜線を施した丸)として計算される。
閾値処理部10553は、速度閾値処理部10553Vとパワー閾値処理部10553Pとからなる。速度閾値処理部10553Vは、速度値データV2(X,Y)から速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータを除去して速度値データV3(X,Y)を算出する。これにより、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号から組織の動きに起因するクラッタ成分を適応的に除去することができる。
パワー閾値処理部10553Pは、血流のパワー値データP1(X,Y)におけるパワー値がパワー値閾値Pth以下であるデータを除去して血流のパワー値データP2(X,Y)を算出してもよい(第2のパワー値データ)。これにより、例えば、信号強度が小さい第1のパワー値データを検出してノイズによるクラッタ成分を適応的に除去することができ、
あるいは、血流のパワー値データP1(X,Y)をそのまま血流のパワー値データP2(X,Y)として出力してもよい。
図7は、適応閾値処理部1055における閾値処理部10553の動作説明図である。図7においても、説明のために便宜上、速度値データV2(X,Y)とパワー値データP1(X,Y)とを横軸を速度値、縦軸をパワー値としたマップ(V2,P1)として図示している。血流の速度値データV3、パワー値データP2についても同様である。
速度閾値処理部10553Vでの閾値処理は、例えば、速度値データV2(X,Y)を入力として、当該データに、速度値において絶対値が速度閾値Vth以下である範囲での補正係数kを0、それ以外の範囲での補正係数kを1としたLUT(Look up Table)から選択した補正係数kを乗算することにより、速度値データV3(X,Y)を算出する処理である。パワー閾値処理部10553Pでの閾値処理は、例えば、パワーデータP1(X,Y)を入力として、当該データに、パワー値においてパワー値閾値Pth以下の範囲での補正係数kを0、それ以外の範囲での補正係数kを1としたLUTから選択した補正係数kを乗算することにより、パワー値データP2(X,Y)を算出する処理である。
図7に示すように、閾値処理により、速度値データV3(X,Y)のマップ(V3,P2)では、速度値データV3(X,Y)のマップ(V2,P1)の分布において、横軸方向の原点を中心とした一定範囲においてデータが除去されていることがわかる。上述のとおり、減算部10552において、組織の速度値データVt(X,Y)に補正係数αを乗算した値V´t(X,Y)して速度値データV1(X,Y)から減算したことより、フィルタ処理部1052にて除去されず重畳されていたクラッタ成分を取り除き、速度値データV2(X,Y)を本来の血流の速度に近付ける処理を行っている。そのため、閾値処理部10553において、組織速度値とパワー値に応じて本来の血流の速度の大きさと分布に適応したクラッタ成分の除去を行うことができる。
なお、適応閾値処理部1055は、血流のパワー値データP1から組織の速度値データVtを直接減算して血流の速度値データV2を算出する構成としてもよい。
また、適応閾値処理部1055は、血流のパワー値データP1におけるパワー値がパワー値閾値Pth以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する血流の速度値データV2の速度値データにおける速度値を0に変更して血流の速度値データV3を算出する構成としてもよい。
和算部10554は、観測点の座標ごとに速度値データV3(X,Y)に組織の速度値データVt(X,Y)を和算して速度値データV4(X,Y)を算出する(第4の速度値データ)。これにより、減算部10552により、血流の速度値データV1(X,Y)から減算した組織の速度値データVt(X,Y)を、適応閾値処理にてクラッタ成分を除去した後に、組織の速度値データVt(X,Y)を和算して、組織の速度に基づく信号について元の状態に戻すことができる。
4.断層画像処理部106
断層画像処理部106は、受信ビームフォーマ部104が生成した1回の送信イベントに係る音響線信号に対し、包絡線検波、対数圧縮を行い、1フレーム分のBモード画像データを生成する。生成されたBモード画像データは、画像生成部107とデータ格納部109に出力される。
5.画像生成部107
画像生成部107は、断層画像処理部106が生成したBモード断層画像に、CFM処理部105が生成したCFM信号(速度値データV4(X,Y))を色調変換して重畳することでカラードプラ画像を生成するための回路である。または、画像生成部107は、断層画像処理部106が生成したBモード断層画像に、CFM処理部105が生成したCFM信号(パワー値データP2(X,Y))を色調変換して重畳することでパワードプラ画像を生成してもよい。
カラードプラ画像を生成する場合は、以下の処理を行う。画像生成部107は、まず、CFM信号(速度値データV4(X,Y))の座標系を直交座標系に変換する。次に、各観測点の平均速度Vを色情報に変換してカラーフロー情報を生成する。このとき、例えば、(1)プローブに向かう向きは赤色、プローブから遠ざかる向きは青色、(2)速度の絶対値が大きいほど彩度が高く、絶対値が小さいほど彩度が低い、のように変換を行う。より具体的には、プローブに向かう速度成分については速度の絶対値を赤色の輝度値に変換し、プローブから遠ざかる速度成分については速度の絶対値を青色の輝度値に変換する。なお、画像生成部107は、CFM処理部105から速度分散を示す信号Tをさらに受信し、分散の値を緑の輝度値に変換してもよい。このようにすることで、乱流の発生位置を示すことができる。最後に、画像生成部107は、断層画像処理部106が生成したBモード断層画像に、上述したカラーフロー情報を重畳することで、カラードプラ画像を生成する。カラードプラ画像は、表示部108に表示される。
一方、パワードプラ画像を生成する場合は、以下の処理を行う。画像生成部107は、まず、CFM信号(パワー値データP2(X,Y))の座標系を直交座標系に変換する。次に、各観測点のパワーPを色情報に変換してパワードプラ情報を生成する。このとき、例えば、位相差信号の強度が大きいほど輝度が高く、小さいほど輝度が低い、のように変換を行う。より具体的には、血流のパワーが所定の値以上である点は鮮やかな黄色、パワーが所定の値未満である点は暗いオレンジ色、パワーがゼロとみなせる点は無色(透明)で示す。最後に、画像生成部107は、断層画像処理部106が生成したBモード断層画像に、上述したカラーフロー情報を重畳することで、パワードプラ画像を生成する。パワードプラ画像は、表示部108に表示される。
<動作>
以上の構成からなる超音波診断装置100における動作について説明する。
図8は、超音波診断装置100の動作を示すフローチャートである。動作の説明においては、観測点の座標X、Yを、それぞれインデックスi,jに置き換えて説明する。
まず、ステップS10において、関心領域(ROI)の設定を行う。関心領域を設定する方法は、例えば、表示部108に事前に取得したBモード断層画像を表示し、タッチパネル、マウス、トラックボールなどの入力部(図示しない)を通して検査者に関心領域を指定させる。なお、関心領域の設定方法はこの場合に限られず、例えば、Bモード断層画像の全域を関心領域としてもよいし、あるいは、Bモード断層画像の中央部分を含む一定範囲を関心領域としてもよい。
次に、受信ビームフォーマ部104が関心領域を含む被検体内の領域に対して超音波の送受信を行い、反射超音波に基づく受信信号列を生成する(ステップS20)。具体的には、1フレーム分の受信信号列を生成するために必要な、1回以上の送信イベントと、反射超音波に基づきRF信号を生成し、受信処理により複数のRF信号を時系列に並べ受信信号列を生成する。
次に、Bモード断層画像を生成する(ステップS30)。具体的には、ステップS20で取得した受信信号列に対して受信ビームフォーマ部104が整相加算処理を行って音響線信号を生成し、断層画像処理部106は音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮を行い、Bモード断層画像を生成する。生成されたBモード断層画像は、画像生成部107とデータ格納部109に出力される。
次に、関心領域に対して超音波の送受信を複数回行い、超音波送信を行うごとに反射超音波に基づく受信信号列を生成する処理を行う(ステップS40)。具体的には、少なくとも1回の送信イベントセットを行い、送信イベントセットに含まれる送信イベントごとに、反射超音波に基づきRF信号を生成し、受信処理により受信信号列を生成する。
次に、受信ビームフォーマ部104が取得した受信信号列に対して整相加算処理を行って音響線信号を生成する(ステップS50)。
次に、直交検波部1051は、RF信号を直交検波し、複素ドプラ信号Z1を生成する(ステップS60)。これにより、関心領域内の各観測点に対応するアンサンブルが取得される。
次に、フィルタ処理部1052が複素ドプラ信号Z1に対し、MTIフィルタ処理を行い、所定のカットオフ周波数Δfcより低い周波数の信号を除去することにより、クラッタ成分を低減し血流成分を通過させた複素ドプラ信号Z2を生成する(ステップS70)。
次に、組織速度検出部1054は、複素ドプラ信号Z1を入力し、各観測点に対応する複素ドプラ信号Z1に対し血流計算を行い、血流の速度値データV1を算出する(ステップS80)。血流計算としては、アンサンブル中の各抽出複素ドプラ信号をI成分I’とQ成分Q’との組み合わせにした後、各観測点について、I成分I’とQ成分Q’との組み合わせが示す位相がアンサンブル内でどのように変化したかを検出する。
具体的には、n回目とn+1回目の送信イベントにより得られた複素ドプラ信号Zn、Zn+1の位相変化Δθ、位相の変化速度ωから各観測点で生じたドプラシフト量を、複素ドプラ信号Znの共役複素数ZnとZn+1との自己相関演算により算出し、ドプラシフト量から、血流の速度値データV1(i,j)を算出する。また、各送信イベントから得られた複素ドプラ信号Zに基づきパワー値データP1(i,j)を算出する。
次に、血流演算部1053は、複素ドプラ信号Z2を入力し、各観測点に対応する複素ドプラ信号Z2に対し組織速度の計算を行い、組織速度値データVtを算出する(ステップS90)。組織速度の計算としては、ステップS90における処理と同じである。すなわち、n回数とn+1回目の送信イベントにより得られた複素ドプラ信号Zn、Zn+1の位相変化Δθ、位相の変化速度ωから各観測点で生じたドプラシフト量を、複素ドプラ信号Znの共役複素数ZnとZn+1との自己相関演算により算出し、ドプラシフト量から、組織速度値データVt(i,j)を算出する。また、各送信イベントから得られた複素ドプラ信号Zに基づき組織パワー値データPt(i,j)を算出してもよい。算出した組織パワー値データPt(i,j)を考慮して組織速度値データVt(i,j)を算出することができる。例えば、組織パワー値データPt(i,j)が所定の閾値以下の部分は、頚動脈等大きな血管の可能性が高く、組織速度値データVt(i,j)の値を0にする処理を行てもよい。その理由は、頚動脈のような大きな血流から組織速度を減算すると血流内に抜けが発生する可能性があるからである。
次に、適応閾値処理部1055で、血流の速度値データV1(i,j)、血流のパワー値データP1(i,j)、及び組織の速度値データVt(i,j)を入力として、適応閾値処理を行い、血流の速度値データV4(i,j)、血流のパワー値データP2(i,j)を算出する(ステップS100)。具体的には、観測点の座標ごとに、血流の速度値データV1(i,j)と組織の速度値データVt(i,j)とに基づき血流の速度値データV2(i,j)を算出し、血流の速度値データV2(i,j)における速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータに補正を施して血流の速度値データV3を算出する。さらに、血流のパワー値データP1(i,j)におけるパワー値がパワー値閾値Pth以下であるノイズと推定されるデータを除去して血流のパワー値データP2(i,j)を算出する構成としてもよい。
図9は、ステップS100における適応閾値処理を示すフローチャートである。観測点の座標X、Yを示すインデックスi,jを初期化し(ステップS110、111)した後、補正部10551で、フィルタ処理部1052から出力される組織の速度値データVt(i,j)に補正係数α(0<α<1)を乗算する(ステップS120)。
次に、減算部10552で、血流の速度値データV1(i,j)から組織の速度値データVt(i,j)に補正係数αを乗算した値V´t(i,j)を減算して血流の速度値データV2(i,j)を算出する(ステップS121)。そして、速度値データV2(i,j)が0を超えているか否かを判定し(ステップS121)、超えていない場合には、V2(i,j)=0としてステップS130に進み、超えている場合には、そのままステップS130に進む。
次に、ステップS130では、閾値処理部10553で、血流の速度値データV2(i,j)、パワー値データP1(i,j)に対応したLUTの補正係数kを乗算する。具体的には、速度閾値処理部10553Vでは、速度値の絶対値が速度閾値Vth以下である範囲での補正係数kを0、それ以外の範囲での補正係数kを1としたLUTから補正係数kを選択して、速度値データV2(i,j)に乗算することにより速度値データV3(i,j)を算出する。パワー閾値処理部10553Pでは、パワー値閾値Pth以下の範囲での補正係数kを0、それ以外での補正係数kを1としたLUTから補正係数kを選択して、パワー値データP1(i,j)に乗算することによりパワー値データP3(i,j)を算出する。
次に、ステップS140では、速度値データV2(i,j)に組織の速度値データVt(i,j)の絶対値を加算して速度値データV4(i,j)を算出する。これにより、ステップS121において、血流の速度値データV1(i,j)から減算した組織の速度値データVt(i,j)を適応閾値処理にてクラッタ成分を除去した後に、ステップS140において組織の速度値データVt(i,j)を和算することになり、組織の速度に基づく信号について元の状態に戻すことができる。次に、jが深さ最大値を超えているか否かを判定し(ステップS150)、超えていない場合には、jをインクメントして(ステップS151)ステップS121に戻り、超えている場合には、ステップS152にてiが方位方向の最大値を超えているか否かを判定し(ステップS152)する。そして、超えていない場合には、iをインクメントして(ステップS153)ステップS111に戻り、超えている場合には処理を終了する。
次に、図8に戻り、ステップS200において、画像生成部107で、CFM処理部105が生成した血流の速度値データV4(i,j)を色調変換することでカラードプラ画像データを生成する。CFM処理部105が生成した血流のパワー値データP2(i,j)を色調変換することでパワードプラ画像データを生成してもよい(ステップS200)。色調変換は、入力信号に含まれる平均速度について、向きを色彩に変換し、大きさを輝度に変換する。
最後に、ドプラ画像を表示する(ステップS300)。具体的には、画像生成部107は、ステップS200で生成したカラードプラ画像又はパワードプラ画像を、ステップS30で生成されたBモード断層画像に重畳し、表示部108に表示させる。
<効 果>
以下、超音波信号処理装置150における、クラッタ除去の効果について説明する。
1.実施例、比較例について
発明者は、超音波信号処理装置150における、クラッタ除去効果について評価を行った。実施例は、図1に示した超音波信号処理装置150において、図2に示したCFM処理部105の構成を用いた仕様である。
図10(a)は、比較例に係るCFM処理部105Xの機能ブロック図である。比較例は、図1に示した超音波信号処理装置150において、図10に示したCFM処理部105Xの構成を用いた仕様とした。CFM処理部105Xは、CFM処理部105から組織速度検出部1054を除き、適応閾値処理部1055を閾値処理部1055Xに替えた構成である。図10(b)は、閾値処理部1055Xの機能ブロック図である。閾値処理部1055Xは、適応閾値処理部1055から閾値処理部10553以外の構成を除いたものである。閾値処理部1055Xでは、速度閾値処理部10553Vは、フィルタ処理部1052から出力される速度値データV1(X,Y)を入力として、速度値データV1(X,Y)から速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータを除去して速度値データV3(X,Y)を算出する。パワー閾値処理部10553Pは、適応閾値処理部1055と同様に、血流のパワー値データP1(X,Y)におけるパワー値がパワー値閾値Pth以下であるデータを除去して血流のパワー値データP2(X,Y)を算出する。図11は、閾値処理部1055Xの動作説明図である。速度閾値処理部10553Vでの閾値処理は、入力信号をフィルタ処理部1052から出力される速度値データV1(X,Y)とした点を除いて図7に示したそれぞれの処理と同じである。また、パワー閾値処理部10553Pでの閾値処理は、図7に示した処理と同じである。
2.評価結果
先ず、実施例及び比較例により得られる速度値データ、パワー値データの分布を比較する。
図12は、関心領域内の観測点の座標ごとの速度データ、パワーデータの分布を示す速度・パワー分布図であり、(a)は実施例に係る適応閾値処理部1055による処理による場合、(b)は比較例に係る閾値処理部1055Xによる処理による場合である。図12によると、閾値処理により、横軸方向の原点を中心とした一定範囲においてデータが除去されており、このデータ除去範囲の左右両側のデータの分布密度が、実施例に係る(a)(A1)では、比較例に係る(b)(B1)よりも減少していることがわかる。この結果について考察すると、実施例では、速度値データVt(X,Y)の補正値V´t(X,Y)の減算に伴い、閾値処理の入力段階において、実施例に係る速度・パワー分布図では、比較例に係る速度・パワー分布図よりも、補正値V´t(X,Y)相当分だけデータの分布が横軸方向の原点に寄ったことにより、データ除去範囲により多くのデータが分布する状態になっている。そして、この状態から、さらに、閾値処理を行うことにより、実施例では、データ除去範囲内のより多くのデータが除去されることに基づくものと考えられる。
次に、実施例及び比較例による表示画像を比較する。図13は、手指関節側断面のカラードプラ画像であり、図14は、手指関節の側断面のパワードプラ画像であり、それぞれ(a)は実施例に係る適応閾値処理部1055による処理による場合、(b)は比較例に係る閾値処理部1055Xによる処理による場合である。比較例に係る(b)において見られるクラッタによる輝点B2からB4が、実施例に係る(a)(A2からA4)では減少していることがわかる。
<まとめ>
以上のとおり、本実施の形態に係る超音波信号処理装置は、検出波のそれぞれに対応する受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波部と、第1の複素ドプラ信号列から、関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成する組織速度検出部と、第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成するフィルタ処理部と、第2の複素ドプラ信号列から、観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データを生成する血流演算部と、観測点の座標ごとに、第1の速度値データと組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する適応閾値処理部とを備えたことを特徴とする。
係る構成により、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号から組織の動きに起因するクラッタ成分を適応的に除去することができる。これにより、クラッタ成分を確実に取り除きつつ、血流成分を高精度に抽出することが可能となる。その結果、血流成分を高精度に抽出してドプラ画像の品質を向上することができる。
また、従来の、Bモード断層画像から検出した動き補正を対応するドプラ画像に施す方法では、異なる送受信に係るエコー信号に基づくBモード断層画像からドプラ画像に対する補正量が算出されため、プローブに対する組織の動き速度が大きい場合には、除去されるクラッタ成分の大きさに過不足が生じ、クラッタが十分に除去されないという課題があった。
しかしながら、本実施の形態に係る超音波信号処理方法では、補正対象であるドプラ信号と同一の送受信シーケンス信号に依拠する信号からクラッタ成分を検出して、ドプラ信号に対しクラッタ成分が存在する範囲に対し、クラッタ成分の大きさに応じて適応的に補正を施すことができるので、補正値決定の根拠信号と補正対象信号の取得に係る送受信シーケンスが異なる従来のクラッタ除去方法に比べてドプラ画像の品質向上を図ることができる。
≪変形例≫
実施の形態1では、適応閾値処理部1055におけるステップS100の処理において、ステップS130では、閾値処理部10553で、血流の速度値データV2(i,j)、パワー値データP度知2(i,j)に対応したLUTの補正係数kを乗算して速度値データV3(i,j)を算出し、その後、ステップS140において、速度値データV3(i,j)に組織の速度値データVt(i,j)の絶対値を加算する構成としている。また、速度値の絶対値が速度閾値Vth以下である範囲での補正係数kを0、それ以外の範囲での補正係数kを1としたLUTから補正係数kを選択して、速度値データV2(i,j)に乗算することにより速度値データV3(i,j)を算出する構成としている。しかしながら、LUTの補正係数kを、組織の速度値データVt(i,j)応じて適応的に変化させる、以下のような手法であってもよい。
<動作>
以下、変形例に係る適応閾値処理部1055における処理を、図15を用いて説明する。図15は、変形例に係る適応閾値処理部1055における処理を示すフローチャートである。なお、図9と同じ動作については同じステップ番号を付し、説明を省略する。
ステップS131Aでは、閾値処理部10553で、血流の速度値データV2(i,j)と血流のパワー値データP1(i,j)に対応したLUTの補正係数kmを抽出する。補正係数kmは、例えば、0<km<1の範囲で、血流の速度値データV2(i,j)とパワー値データP1(i,j)に応じて適応的に観測的の座標i,jごとに変化させた構成とする。これにより、組織の速度値データVt(i,j)と組織パワー値データPt(i,j)の分布が反映された補正係数kmを観測的の座標i,jごとに設定することができる。
次に、ステップS132Aでは、閾値処理部10553で、観測的の座標i,jごとに補正係数kmを、血流の速度値データV2(i,j)及びパワー値データP1(i,j)にそれぞれ乗算して、血流の速度値データV3(i,j)及びパワー値データP2(i,j)を生成する。
次に、図8において、ステップS200において、画像生成部107で、CFM処理部105が生成した血流の速度値データV3(i,j)を色調変換することでカラードプラ画像データを生成する。CFM処理部105が生成した血流のパワー値データP2(i,j)を色調変換することでパワードプラ画像データを生成してもよい(ステップS200)。
<まとめ>
以上のとおり、変形例に係る適応閾値処理部1055Aを用いた超音波信号処理装置では、適応閾値処理部1055Aは、血流の速度値データV2(X,Y)の速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータに適用する係数kmを算出し、当該係数を速度値データV2(X,Y)に乗算して速度値データV3(X,Y)を生成する構成を採る。さらに、血流のパワー値データP1(X,Y)のパワー値の絶対値がパワー値の閾値Pth以下であるデータに適用する係数kmを算出し、当該係数をパワー値データP1(X,Y)に乗算してパワー値データP2(X,Y)を生成する構成としてもよい。
また、血流演算部は、さらに、第2の複素ドプラ信号列から、観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データP1(X,Y)とを生成し、適応閾値処理部1055Aは、第2の速度値データV2(X,Y)の速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータに適用する係数kmを算出し、当該係数kmを第1のパワー値データP1(X,Y)に乗算して第2のパワー値データP2(X,Y)を生成し、画像生成部107は、さらに、第2のパワー値データP2(X,Y)に基づきパワードプラ画像データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、速度値データV3(i,j)に組織の速度値データVt(i,j)の絶対値を加算する処理を省くことができる。そのため、実施の形態による効果に加え、演算量を削減し処理負担を軽減することができ、処理の高速化を図ることができる。
≪実施の形態に係るその他の変形例≫
(1)実施の形態および変形例では、直交検波によって得られた複素ドプラ信号または複素音響線信号について、I成分を実部、Q成分を虚部とした複素数として、MTIフィルタを実施した。しかしながら、例えば、I成分とQ成分をそれぞれ独立にMTIフィルタを実施する、としてもよい。この場合、例えば、CMF処理部は、フィルタ処理部1052に替えて、複素化部と虚部実部分離部とを備えないフィルタ処理部1052を2つ備え、I成分について一方のフィルタ処理部で実数成分に基づいてフィルタを作成して実数成分に対してフィルタを適用、Q成分について他方のフィルタ処理部で実数成分に基づいてフィルタを作成して実数成分に対してフィルタを適用することで、MTIフィルタを実施することができる。なお、この場合において、2つのフィルタ処理部は、同一の領域をフィルタ元領域としてよい。
(2)実施の形態および変形例では、CFM処理部105は、受信信号に基づいてCFM信号を生成するとした。しかしながら、例えば、CFM処理部は、整相加算後の音響線信号に基づいてCFM信号を生成するとしてもよい。この場合、受信ビームフォーマ部は、アンサンブルの生成時に送信イベントごとに整相加算を行って音響線信号を生成し、CFM処理部は、音響線信号を直交検波して複素音響線信号を生成し、複素音響線信号にMTIフィルタ処理を行ってから速度解析を行う。
また、実施の形態1では、Bモード画像の生成のために用いるRF信号をCFM信号生成のために用いるRF信号とは別途取得していたが、Bモード画像の生成のために用いるRF信号をそのまま1番目のアンサンブルとして用いてもよい。また、整相加算後の音響線信号に基づいてCFM信号を生成する場合、Bモード画像の生成のための音響線信号を、そのまま1番目のアンサンブルとして用いてもよい。
(3)適応閾値処理部は、さらに、第1のパワー値データP1(X,Y)におけるパワー値がパワー値閾値Pth以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する第2の速度値データV2における速度値を0に変更して第3の速度値データV3を生成する構成としてもよい。
係る構成により、例えば、信号強度が小さい第1のパワー値データP1を検出して第2の速度値データV2からノイズによるクラッタ成分を適応的に除去することができ、血流成分を高精度に抽出してドプラ画像の品質を向上することができる。
また、適応閾値処理部は、さらに、第1のパワー値データP1からパワー値がパワー値閾値Pth以下であるデータを除去して第2のパワー値データP2を生成し、画像生成部は、さらに、第2のパワー値データP2に基づきパワードプラ画像データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、例えば、信号強度が小さい第1のパワー値データP1を検出してパワードプラ信号からノイズによるクラッタ成分を適応的に除去することができ、パワードプラ画像の品質を向上することができる。
また、適応閾値処理部は、第2の速度値データV2の速度値の絶対値が速度閾値Vth以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を第2の速度値データV2に乗算して第3の速度値データV3を生成する構成としてもよい。
係る構成により、第3の速度値データV3に組織の速度値データVtの絶対値を加算する処理を省くことができる。そのため、ドプラ信号に基づき組織の速度Vtを検出してドプラ信号からクラッタ成分を適応的に除去することに加えて、演算量を削減し処理負担を軽減することができる。
また、組織速度検出部は、さらに、観測点の座標ごとのパワー値を算出して組織パワー値データPtを算出し、適応閾値処理部は、さらに、組織パワー値データPtにおける組織パワー値が組織パワー値閾値以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する第2の速度値データV2における速度値を0に変更して第3の速度値データV3を生成する構成としてもよい。
係る構成により、第3の速度値データV3に組織の速度値データPtの絶対値を加算する処理を省くことができる。そのため、ドプラ信号に基づき組織の速度Vt及びパワーPtを検出してパワードプラ信号からクラッタ成分を適応的に除去することができ、血流成分を高精度に抽出してパワードプラ画像の品質を向上することに加えて、演算量を削減し処理負担を軽減することができる。
(4)なお、本開示を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上記の実施の形態に限定されず、以下のような場合も本発明に含まれる。
例えば、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。例えば、本発明の超音波診断装置の診断方法のコンピュータプログラムを有しており、このプログラムに従って動作する(又は接続された各部位に動作を指示する)コンピュータシステムであってもよい。
また、上記超音波診断装置の全部、もしくは一部、またビームフォーミング部の全部又は一部を、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等の記録媒体、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムで構成した場合も本発明に含まれる。上記RAM又はハードディスクユニットには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置はその機能を達成する。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1つのシステムLSI(Large Scale Integration(大規模集積回路))から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。上記RAMには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。例えば、本発明のビームフォーミング方法がLSIのプログラムとして格納されており、このLSIがコンピュータ内に挿入され、所定のプログラム(ビームフォーミング方法)を実施する場合も本発明に含まれる。
なお、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。上記超音波診断装置のMTIフィルタや、速度解析を実施させるプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。プログラムや信号を記録媒体に記録して移送することにより、プログラムを独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい、また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、上記実施形態に係る超音波診断装置の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスとソフトウェアにより実現される構成であってもよい。後者の構成は、いわゆるGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Unit)である。これらの構成要素は一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。
上記実施形態に係る超音波診断装置では、記憶装置であるデータ格納部を超音波診断装置内に含む構成としたが、記憶装置はこれに限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、磁気記憶装置、等が、超音波診断装置に外部から接続される構成であってもよい。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、超音波診断装置には、プローブ及び表示部が外部から接続される構成としたが、これらは、超音波診断装置内に一体的に具備されている構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、プローブは、複数の圧電素子が一次元方向に配列されたプローブ構成を示した。しかしながら、プローブの構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子を二次元方向に配列した二次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型プローブを用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。例えば、2次元に配列されたプローブを用いた場合、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や方向を制御することができる。
また、プローブは、送受信部の一部の機能をプローブに含んでいてもよい。例えば、送受信部から出力された送信電気信号を生成するための制御信号に基づき、プローブ内で送信電気信号を生成し、この送信電気信号を超音波に変換する。併せて、受信した反射超音波を受信電気信号に変換し、プローブ内で受信電気信号に基づき受信信号を生成する構成を採ることができる。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。更に上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
≪まとめ≫
実施の形態に係る超音波信号処理装置は、超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理装置であって、前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信する送信部と、前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成する受信ビームフォーマ部と、前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波部と、前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成する組織速度検出部と、前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成するフィルタ処理部と、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データとを生成する血流演算部と、前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する適応閾値処理部と、前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成する画像生成部とを備えたことを特徴とする。
係る構成により、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号から組織の動きに起因するクラッタ成分を適応的に除去することができる。これにより、クラッタ成分を確実に取り除きつつ、血流成分を高精度に抽出することが可能となる。その結果、血流成分を高精度に抽出してドプラ画像の品質を向上することができる。
さらに、上記構成では、補正対象であるドプラ信号と同一の送受信シーケンス信号に依拠する信号からクラッタ成分を検出して、ドプラ信号に対しクラッタ成分が存在する範囲に対し、クラッタ成分の大きさに応じて適応的に補正を施すことができるので、補正値決定の根拠信号と補正対象信号の取得に係る送受信シーケンスが異なる従来のクラッタ除去方法に比べてドプラ画像の品質向上を図ることができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記組織速度検出部は、さらに、前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに前記組織速度値データを和算して第4の速度値データし、前記画像生成部は、前記第4の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、減算部10552により、血流の第1の速度値データから減算した組織の速度値データを、適応閾値処理にてクラッタ成分を除去した後に、組織の速度値データを和算して、組織の速度に基づく信号について元の状態に戻すことができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記適応閾値処理部は、前記第1の速度値データから前記組織速度値データに基づく値をそれぞれ減算して前記第2の速度値データを生成する構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記適応閾値処理部は、前記第1の速度値データから前記組織速度値データに補正係数を乗算した値をそれぞれ減算して前記第2の速度値データを生成する構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記適応閾値処理部は、前記第2の速度値データから速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータを除去して第3の速度値データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号からクラッタ成分を適応的に除去する超音波信号処理装置を具体的に実現できる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記適応閾値処理部は、さらに、前記第1のパワー値データにおけるパワー値がパワー値閾値以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する前記第2の速度値データにおける速度値を0に変更して第3の速度値データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、例えば、信号強度が小さい第1のパワー値データを検出して第2の速度値データからノイズによるクラッタ成分を適応的に除去することができ、血流成分を高精度に抽出してドプラ画像の品質を向上することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記血流演算部は、さらに、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成し、前記適応閾値処理部は、さらに、前記第1のパワー値データからパワー値がパワー値閾値以下であるデータを除去して第2のパワー値データを生成し、前記画像生成部は、さらに、前記第2のパワー値データに基づきパワードプラ画像データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、例えば、信号強度が小さい第1のパワー値データを検出してパワードプラ信号からノイズによるクラッタ成分を適応的に除去することができ、血流成分を高精度に抽出してパワードプラ画像の品質を向上することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記適応閾値処理部は、前記第2の速度値データの速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を前記第2の速度値データに乗算して第3の速度値データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、第3の速度値データに組織の速度値データの絶対値を加算する処理を省くことができる。そのため、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号からクラッタ成分を適応的に除去することに加えて、演算量を削減し処理負担を軽減することができ、処理の高速化を図ることができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記血流演算部は、さらに、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成し、前記適応閾値処理部は、前記第2の速度値データの速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を前記第1のパワー値データに乗算して第2のパワー値データを生成し、前記画像生成部は、さらに、前記第2のパワー値データに基づきパワードプラ画像データを生成する構成としてもよい。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記組織速度検出部は、さらに、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して組織パワー値データを算出し、前記適応閾値処理部は、さらに、前記組織パワー値データにおける組織パワー値が組織パワー値閾値以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する前記第2の速度値データにおける速度値を0に変更して第3の速度値データを生成する構成としてもよい。
係る構成により、第3の速度値データに組織の速度値データの絶対値を加算する処理を省くことができる。そのため、ドプラ信号に基づき組織の速度及びパワーを検出してパワードプラ信号からクラッタ成分を適応的に除去することができ、血流成分を高精度に抽出してパワードプラ画像の品質を向上することができることに加えて、演算量を削減し処理負担を軽減することができ、処理の高速化を図ることができる。
また、本実施の形態に係る超音波診断装置は、上記の何れかの1の態様の超音波信号処理装置と、前記超音波プローブとを備えたことを特徴とする。
係る構成により、血流成分を高精度に抽出してドプラ画像の品質を向上する超音波診断装置を実現できる。
また、別の態様では、超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理装置であって、前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信する送信部と、前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成する受信ビームフォーマ部と、前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波部と、前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成する組織速度検出部と、前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成するフィルタ処理部と、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データと、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成する血流演算部と、前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データの速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を前記第1のパワー値データに乗算して第2のパワー値データを生成する適応閾値処理部と、前記第2のパワー値データに基づきパワードプラ画像データを生成する画像生成部とを備えた構成としてもよい。
また、本実施の形態に係る超音波信号処理方法は、超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理方法であって、前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信し、前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成し、
前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波を行い、前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成し、前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成し、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データを生成し、前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する適応閾値処理を行い、前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成することを特徴とする。
係る構成により、ドプラ信号に基づき組織の速度を検出してドプラ信号から組織の動きに起因するクラッタ成分を適応的に除去することができ、クラッタ成分を確実に取り除きつつ、血流成分を高精度に抽出することが可能となる。
本開示に係る超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、超音波診断装置は、従来の超音波診断装置の性能向上、特に、血流領域の検出精度を向上させたカラードプラ画像生成装置、パワードプラ画像生成装置として有用である。
100 超音波診断装置
101 プローブ
101a 振動子
102 マルチプレクサ部
103 送信ビームフォーマ部
1031 送信部
104 受信ビームフォーマ部
105、105X CFM処理部
1051 直交検波部
1052 フィルタ処理部
1053 血流演算部
1054 組織速度検出部
1055 適応閾値処理部
10551 補正部
10552 減算部
10553 閾値処理部
10553V 速度閾値処理部
10553P パワー閾値処理部
10554 和算部
106 断層画像処理部
107 画像生成部
108 表示部
109 データ格納部
110 制御部
150 超音波信号処理装置
1000 超音波診断システム

Claims (13)

  1. 超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理装置であって、
    前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信する送信部と、
    前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成する受信ビームフォーマ部と、
    前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波部と、
    前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成する組織速度検出部と、
    前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成するフィルタ処理部と、
    前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データを生成する血流演算部と、
    前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する適応閾値処理部と、
    前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成する画像生成部とを備えた
    超音波信号処理装置。
  2. 前記組織速度検出部は、さらに、前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに前記組織速度値データを和算して第4の速度値データし、
    前記画像生成部は、前記第4の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成する
    請求項1に記載の超音波信号処理装置。
  3. 前記適応閾値処理部は、前記第1の速度値データから前記組織速度値データに基づく値をそれぞれ減算して前記第2の速度値データを生成する
    請求項1又は2に記載の超音波信号処理装置。
  4. 前記適応閾値処理部は、前記第1の速度値データから前記組織速度値データに補正係数を乗算した値をそれぞれ減算して前記第2の速度値データを生成する
    請求項3に記載の超音波信号処理装置。
  5. 前記適応閾値処理部は、前記第2の速度値データから速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータを除去して第3の速度値データを生成する
    請求項1から4の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。
  6. 前記適応閾値処理部は、さらに、前記第1のパワー値データにおけるパワー値がパワー値閾値以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する前記第2の速度値データにおける速度値を0に変更して第3の速度値データを生成する
    請求項1から5の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。
  7. 前記血流演算部は、さらに、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成し、
    前記適応閾値処理部は、さらに、前記第1のパワー値データからパワー値がパワー値閾値以下であるデータを除去して第2のパワー値データを生成し、
    前記画像生成部は、さらに、前記第2のパワー値データに基づきパワードプラ画像データを生成する
    請求項1から6の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。
  8. 前記適応閾値処理部は、前記第2の速度値データの速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を前記第2の速度値データに乗算して第3の速度値データを生成する
    請求項1に記載の超音波信号処理装置。
  9. 前記血流演算部は、さらに、前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成し、
    前記適応閾値処理部は、前記第2の速度値データの速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を前記第1のパワー値データに乗算して第2のパワー値データを生成し、
    前記画像生成部は、さらに、前記第2のパワー値データに基づきパワードプラ画像データを生成する
    請求項1に記載の超音波信号処理装置。
  10. 前記組織速度検出部は、さらに、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して組織パワー値データを算出し、
    前記適応閾値処理部は、さらに、前記組織パワー値データにおける組織パワー値が組織パワー値閾値以下であるデータと、同一観測点の座標に対応する前記第2の速度値データにおける速度値を0に変更して第3の速度値データを生成する
    請求項1から5の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の超音波信号処理装置と、
    前記超音波プローブとを備えた
    超音波診断装置。
  12. 超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理方法であって、
    前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信し、
    前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成し、
    前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波を行い、
    前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成し、
    前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成し、
    前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データを生成し、
    前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データにおける速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに補正を施して第3の速度値データを生成する適応閾値処理を行い、
    前記観測点の座標ごとに、前記第3の速度値データに基づきカラードプラ画像データを生成する
    超音波信号処理方法。
  13. 超音波プローブに列設された複数の振動子を駆動して被検体に対する超音波送受信を実行して血流情報を算出する超音波信号処理装置であって、
    前記複数の振動子を介し、被検体内の解析対象範囲を示す関心領域に対して検出波を複数回送信する送信部と、
    前記検出波のそれぞれに対し、前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体からの反射超音波に基づいて受信信号列を生成する受信ビームフォーマ部と、
    前記検出波のそれぞれに対応する前記受信信号列を直交検波して第1の複素ドプラ信号列を生成する直交検波部と、
    前記第1の複素ドプラ信号列から、前記関心領域内の観測点の座標ごとの速度値を算出して組織速度値データを生成する組織速度検出部と、
    前記第1の複素ドプラ信号列にクラッタ除去フィルタ処理を施して第2の複素ドプラ信号列を生成するフィルタ処理部と、
    前記第2の複素ドプラ信号列から、前記観測点の座標ごとの速度値を算出して第1の速度値データと、前記観測点の座標ごとのパワー値を算出して第1のパワー値データとを生成する血流演算部と、
    前記観測点の座標ごとに、前記第1の速度値データと前記組織速度値データとに基づき第2の速度値データを生成し、前記第2の速度値データの速度値の絶対値が速度閾値以下であるデータに適用する係数を算出し、当該係数を前記第1のパワー値データに乗算して第2のパワー値データを生成する適応閾値処理部と、
    前記第2のパワー値データに基づきパワードプラ画像データを生成する画像生成部とを備えた
    超音波信号処理装置。
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