JP2014233570A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体組織の構造方向に応じて動作条件を簡便に設定する。
【解決手段】超音波診断装置は、送受信部と、超音波プローブと、画像生成部と、方向特定部と、条件変更部とを有する。送受信部は、被検体に対して超音波を送受信する。超音波プローブは、送受信部からの信号に基づいて超音波を送受信する。画像生成部は、送受信部による受信信号を受け、受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。方向特定部は、画像生成部による画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。条件変更部は、方向特定部が特定した構造方向に基づいて、送受信部若しくは画像生成部又はこれら双方の動作条件を変更させる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブを用いて被検体内に超音波を送信してその反射波を受信することにより、被検体の断層像などを表す超音波画像データを生成するものである。
超音波画像データに基づく超音波画像に被検体の組織を明確に描出するための技術の一例として、異方性フィルタ処理が知られている。異方性フィルタ処理とは、組織の構造の方向に平行な方向には画素の輝度値の平滑化(例えば、組織の構造の方向に平行な方向に並んだ画素の輝度値の平均値を求める)し、組織の構造の方向に直交する方向には画素の輝度値のコントラストを強調する鮮鋭化(例えばエッジの外側は輝度を低減し、エッジの内側は輝度を向上させる)する処理である。この処理によって、被検体の組織を明確に描出することができる。なお、エッジとは、組織の外側などの輝度が大きく変わる部分を指す。
特開2012−95806号公報
超音波画像に描出される組織の構造の方向は、被検体と超音波プローブとの相対位置によって定まる。超音波診断中、ユーザが超音波プローブを被検体に対してどのように位置させるかによってこの相対位置が定まる。受信信号に対する信号処理の処理条件や超音波の送信条件等の動作条件は、相対位置によって、被検体の組織構造を明瞭に描出しやすい条件が異なる。この構造の方向に応じた動作条件の設定内容は多岐に亘るので自動的に設定することが困難であり、ユーザが手動で設定する場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、被検体組織の構造方向に応じて動作条件を簡便に設定することができる超音波診断装置を提供することである。
この実施形態に係る超音波診断装置は、送受信部と、超音波プローブと、画像生成部と、方向特定部と、条件変更部とを有する。送受信部は、被検体に対して超音波を送受信する。超音波プローブは、送受信部からの信号に基づいて超音波を送受信する。画像生成部は、送受信部による受信信号を受け、受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。方向特定部は、画像生成部による画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。条件変更部は、方向特定部が特定した構造方向に基づいて、送受信部若しくは画像生成部又はこれら双方の動作条件を変更させる。
実施形態の超音波診断装置の構成を表すブロック図。 実施形態の超音波診断装置の概略を表す模式図。 実施形態の超音波診断装置の概略を表す模式図。 実施形態の超音波診断装置の概略を表す模式図。 実施形態の超音波診断装置の概略を表す模式図。 実施形態の超音波診断装置の構成を表すブロック図。 実施形態の超音波診断装置の概略を表す模式図。 実施形態の超音波診断装置の動作を表すフローチャート。 実施形態の超音波診断装置の動作を表すフローチャート。 実施形態の超音波診断装置の概略を表す模式図。 実施形態の超音波診断装置の構成を表すブロック図。
〈第1の実施形態〉
[構成]
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を表すブロック図である。超音波診断装置1は、超音波プローブ2と、送受信部3と、画像生成部4と、表示制御部5と、システム制御部6と、表示部7と、操作部8と、方向特定部9と、条件変更部10とを有する。
(超音波プローブ2)
超音波プローブ2は、送受信部3からの信号に基づいて超音波を送受信する。超音波プローブ2は、複数の超音波振動子を有する。超音波プローブ2は、送受信部3から入力されたパルス信号を超音波振動子で超音波に変換し、被検体へ送信する。超音波プローブ2は、被検体で反射した超音波を超音波振動子で受信し電気信号(エコー信号)に変換して送受信部3へ出力する。ここで、被検体に対する1回の送受信(走査)により得られたエコー信号の集合を1フレームとする。この1フレームにより1つの超音波画像が生成される。また、単位時間あたり何フレーム分の走査が行われるかをフレームレートと称する。
(送受信部3)
送受信部3は、被検体に対して超音波を送受信する。送受信部3は、パルス信号を超音波プローブ2へ出力して超音波を発生させる。このとき、送受信部3は、各超音波振動子に対応した個別経路(チャンネル)毎にパルス信号を出力して所定の焦点にビームフォームされた(つまり送信ビームフォームされた)超音波を送信させる。
また、送受信部3は、超音波プローブ2からエコー信号を受ける。送受信部3は、チャンネル毎に受信したエコー信号を増幅し、A/D変換する。送受信部3は、A/D変換されたエコー信号に対して遅延処理と加算処理とを施して整相された(つまり受信ビームフォームされた)デジタルのデータに変換する。送受信部3は、該データを受信信号として画像生成部4へ出力する。
(画像生成部4)
画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、受けた受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。被検体における特定の領域とは、被検体において超音波でスキャンされた領域である。画像生成部4は、受けた受信信号の振幅情報を画素の輝度に変換し、被検体の特定の領域の構造を輝度で表す画像データを生成する。例えば、画像生成部4は、受信信号にバンドパスフィルタ処理、包絡線検波処理、対数圧縮処理などを施して超音波ラスタデータを生成する。また、画像生成部4は、生成した超音波ラスタデータについて、超音波スキャンの走査線に対応した座標系から表示部7に表示するための座標系に変換し(スキャンコンバージョン処理)、画像データを生成する。画像生成部4は、生成した画像データを方向特定部9及び表示制御部5へ出力する。なお、画像生成部4は、メモリ等の記憶領域を有し、生成した画像データを順次記憶する。記憶された画像データは、ユーザによる操作部8を用いた操作によって呼び出され、表示部7に超音波画像として表示される場合がある。
(表示制御部5)
表示制御部5は、画像生成部4から画像データを受ける。表示制御部5は、受けた画像データに基づく超音波画像を表示部7に表示させる。
(システム制御部6)
システム制御部6は、超音波診断装置1の各部の動作のタイミングや各部間のデータの受け渡しの制御を行う。
(表示部7)
表示部7は、超音波画像を表示する。表示部7は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等の表示デバイスで構成される。なお、表示部7は、必ずしも超音波診断装置1の一体として備えられる必要はなく、一般的なインターフェイスを介して表示制御部5によって制御され、超音波画像を表示する構成でもよい。
(操作部8)
操作部8は、ユーザによる操作を受けて、この操作の内容に応じた信号や情報を装置各部に入力する。操作部8は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどによって構成される。また、操作部8は、必ずしも超音波診断装置1の一体として備えられる必要はなく、一般的なインターフェイスを介して信号や情報を装置各部に入力する構成でもよい。
(方向特定部9)
方向特定部9は、画像生成部4が生成した画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。ここで、構造方向について、頸動脈をスキャンする場合を例として説明する。図2A及び図2Bは、頸動脈CAと超音波プローブ2との相対位置を概念的に表す模式図である。図2Aのような、超音波プローブ2によるスライス面SSと頸動脈CAとが平行となる相対位置であるとき、超音波画像P1のように頸動脈CAの長軸方向MAの断面構造が描出される。この長軸方向MAが構造方向である。この長軸方向MAは、超音波画像において、主たるエッジ方向とみなせる。また、図2Bのような、超音波プローブ2によるスライス面SSと頸動脈CAとが垂直となる相対位置であるとき、超音波画像P2のように頸動脈CAの短軸方向の断面構造が描出される。この場合、画像に長軸方向MA(主たるエッジ方向)が画像に描出されず、構造方向はスライス面SSに対し直交する方向であるとみなすことができる。ここで、スライス面SSと長軸方向MAとが平行となる状態での超音波診断を長軸撮影(図2A)とし、スライス面SSと長軸方向MAとが垂直となる状態での超音波診断を短軸撮影(図2B)とする。方向特定部9は、超音波診断中の相対位置が長軸方向MAと短軸方向とのどちらかを判断する。
方向特定部9は、画像生成部4が生成した画像データを受け、この画像データを解析することによって構造方向を特定する。方向特定部9は、画像生成部4から受けた画像データを解析するとき、この画像データの画素それぞれについて、当該画素からの輝度の変化が最大となる方向である最大方向を求める。方向特定部9は、この最大方向への変化の大きさを持つベクトルである勾配ベクトルを画素毎に求める。それにより、方向特定部9は、画素数分の勾配ベクトルを求める。方向特定部9は、求めた勾配ベクトルに基づいて構造方向を特定する。この実施形態では、画素の輝度の変化を表す勾配ベクトルを勾配ベクトルと呼ぶ。
画像データは、画素のx座標とy座標とを変数としてその座標の画素値(輝度値)が決定される2変数函数と考えることができる。例えば、方向特定部9は、この2変数函数のx座標方向とy座標方向とのそれぞれについて偏微分を行う。方向特定部9は、x座標方向に偏微分を行うとき、y座標方向の画素数分の偏微分を行う。同様に、方向特定部9は、y座標方向に偏微分を行うとき、x座標方向の画素数分の偏微分を行う。それぞれの方向の偏微分により、各画素についてx座標方向の勾配ベクトルとy座標方向の勾配ベクトルが求められる。方向特定部9は。各画素についてx座標方向の勾配ベクトルとy座標方向の勾配ベクトルとを合成する。それにより、方向特定部9は、各画素の勾配ベクトルを求める。
方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち、予め定められた閾値以上の大きさを持つ勾配ベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて構造方向を特定する。通常、超音波画像において、頸動脈の血管壁(つまり被検体の組織)を表す画素は高い輝度であり、その他の画素は低い輝度である。また、頸動脈の血管壁の外縁部(エッジ)に近い位置の画素の勾配ベクトルほどその大きさは大きくなる。さらに、エッジに近い位置の画素の勾配ベクトルほどその方向はエッジ方向に直交する向きに近くなる。方向特定部9は、予め定められた閾値を記憶し、求めた勾配ベクトルのうち、この閾値以上の大きさを持つ勾配ベクトルを抽出する。このように一定の大きさ以上の勾配ベクトルが抽出されたことにより、自ずとエッジに近い位置の画素の勾配ベクトルが抽出される。方向特定部9は、抽出した勾配ベクトルを合成する。方向特定部9は、合成したベクトルについての閾値を予め記憶する。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。また、方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きくないとき、短軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、その判断結果と特定した構造方向とを共に条件変更部10へ出力する。また、方向特定部9は短軸方向であると判断したとき、その判断結果を条件変更部10へ出力する。
また、方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち少なくとも一部のそれぞれについて単位ベクトルを求め、求めた単位ベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて構造方向を特定してもよい。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。
また、方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち少なくとも一部のそれぞれについて大きさが正規化されたベクトルを求め、求めた正規化されたベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて構造方向を特定してもよい。方向特定部9は、正規化された勾配ベクトルのうち、一定の大きさ以上の勾配ベクトルを抽出し、抽出した勾配ベクトルを合成する。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。
また、方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち、画像データについて予め定められた範囲における画素それぞれについて求められた勾配ベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて構造方向を特定してもよい。ここで、予め定められた範囲が、画像データが表す画像のうちこの画像の端部を除く範囲である場合について説明する。図3Aは、図2Aのような相対位置でのスキャンによって、頸動脈の長軸方向の断面構造と被検体の皮膚組織SKとが描出された超音波画像P3を概念的に表す模式図である。方向特定部9は、画像の外縁からの幅を予め記憶する。画像の端部とは、画像の外縁とその外縁から記憶された幅の部分によって示される範囲である。方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち、この端部を除く範囲に位置する画素の勾配ベクトルを抽出する。方向特定部9は、抽出した勾配ベクトルを合成する。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。超音波診断において、超音波画像の端部には皮膚組織SKが描出される場合がある。方向特定部9は、この端部を除いた範囲に位置する画素の勾配ベクトルに基づいて構造方向を特定する。それにより、方向特定部9は、診断した被検体(この実施形態では頸動脈)の構造方向を特定することができる。
なお、図3Bは、図2Aのような相対位置でのスキャンによって、頸動脈CAの長軸方向の断面構造とその周囲組織TIとが描出された超音波画像P4を概念的に表す模式図である。方向特定部9は、複数の端部を除く範囲を予め記憶する。方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち、複数の端部を除く範囲に位置する画素の勾配ベクトルを抽出する。方向特定部9は、抽出した勾配ベクトルを合成する。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。超音波診断において、超音波画像には診断したい被検体部位の周囲組織TIが描出される場合がある。方向特定部9は、この周囲組織TIが描出される範囲を除いた範囲に位置する画素の勾配ベクトルに基づいて構造方向を特定する。それにより、方向特定部9は、診断したい被検体部位(この実施形態では頸動脈)の構造方向を特定することができる。
また、方向特定部9は、画像データの解像度が分解された分解画像データを求める解像度分解部91(91a,91b,91c)を有し、求められた分解画像データについて勾配ベクトルを求めてもよい。例えば、方向特定部9は、画像データに対して多重解像度分解を行う。方向特定部9は、多重解像度分解の方法として、ウェーブレット変換やプラシアン・ピラミッド法等の方法を用いてよい。この実施形態では、方向特定部9がウェーブレット変換を用いる場合について説明する。図4は、解像度分解部91(91a,91b,91c)の構成を表すブロック図である。解像度分解部91(91a,91b,91c)は、一点鎖線で表されるように複数階層(図4では、1次〜3次)からなる多重構造を有する。この実施形態では、説明のために階層の最高次数を3次とするが、この最高次数はn次(nは2以上の自然数)でもよい。また、以下の説明では、次数が大きいほど(図4において下の位置であるほど)高い階層と呼ぶ。画像データは、階層が高くなるたびに解像度が粗くなる。階層が一つ高くなるとき、画像データの各座標あたりの標本数が一つ低い階層に対して2分の1となる。演算部92(92a,92b,92c)は、予め定められた階層まで画像データの解像度を分解して求めた分解画像データの各画素について勾配ベクトルを求める。合成部93は、求めた勾配ベクトルを合成する。ここで、方向特定部9は、予め定められた1つ以上の階層の分解画像データについて勾配ベクトルを求め、求めた勾配ベクトルを合成してもよい。方向特定部9が、複数階層について勾配ベクトルを求めた場合、求めた回数分だけ合成されたベクトルが生じる。このとき、方向特定部9は、各階層において合成されたベクトルの大きさを正規化し、正規化したベクトルをさらに合成したベクトルを求め、該ベクトルに基づいて構造方向を特定する。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。
なお、方向特定部9は、画像生成部4が順次生成した複数の画像データのそれぞれについて構造方向を求め、求めた構造方向に基づいて最新の画像データの構造方向を特定してもよい。例えば、方向特定部9は、画像生成部4が順次生成した画像データを順次受け、所定枚数のフレーム分の画像データを記憶する。方向特定部9は、画像生成部4から受けた最新フレームの画像データと所定枚数分過去のフレームの画像データとを読み出し、読み出した画像データのそれぞれについて、画素毎の勾配ベクトルを求め、合成してフレーム毎の合成ベクトルを求める。方向特定部9は、フレーム毎の合成ベクトルをさらに合成し、最新フレームについての合成ベクトルとする。方向特定部9は、該閾値と合成したベクトルの大きさとを比較し、合成したベクトルの大きさが該閾値より大きいとき、長軸方向であると判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断したとき、合成したベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。
なお、方向特定部9は、操作部8からの指示を受けて画像生成部4が生成した画像データに表される構造の方向である構造方向を特定してもよい。このとき、例えば方向特定部9は、操作部8を介してユーザによる指示を受ける。
(条件変更部10)
条件変更部10は、方向特定部9からの入力を受け、送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。条件変更部10は、画像生成部4による信号処理の条件を変更させる。例えば、条件変更部10は、信号処理の条件のうち、画像処理フィルタの条件を変更させる。画像処理フィルタとしては、方位方向フィルタ、方位方向エッジ強調、距離方向フィルタ、距離方向ゲイン制御などが含まれる。これらは、画像の空間方向について、画素値(輝度値)を平滑化又は鮮鋭化させるフィルタ処理である。方位方向フィルタは、走査線と直交する方向に並び合う画素について、画素値(輝度値)を平滑化させるフィルタである。方位方向エッジ強調とは、走査線と直交する方向に並び合う画素について、画素値(輝度値)を鮮鋭化させるものである。距離方向フィルタは、走査線と平行な方向に並び合う画素について、画素値(輝度値)平滑化させるフィルタである。距離方向ゲイン制御とは、走査線と平行に並び合う画素について、画素値(輝度値)のゲインを制御して、鮮鋭化させるものである。これら平滑化や鮮鋭化の強さは、フィルタ係数やゲイン係数等の画像処理フィルタの条件値によって定まる。条件変更部10は、これら条件値を変更することによって、平滑化や鮮鋭化の強さを変更する。例えば、方向特定部9が、相対位置を長軸方向と判断し、さらにその方向が画像において水平方向であると特定したとき、条件変更部10は、方位方向フィルタを短軸方向での条件値よりも強くし、方位方向エッジ強調を短軸方向での条件値よりも弱くし、距離方向フィルタを短軸方向での条件値よりも弱くし、距離ゲイン制御を短軸方向での条件値よりも強くする。言い換えると、条件変更部10は、相対位置が長軸方向と判断され、構造方向が特定されたとき、構造方向と平行な方向への平滑化を強く、構造方向と直交する方向への鮮鋭化を強くするように画像処理フィルタの条件値を変更する。それにより、血管壁などの組織が画像に描出される方向に画素値(輝度値)が平滑化され、該方向に直交する方向に画素値(輝度値)が鮮鋭化された画像を生成することができる。
条件変更部10は、例えば、これら信号処理の条件と構造方向とを関連付けたルックアップテーブルを予め記憶する。条件変更部10は、方向特定部9から構造方向を受け、受けた構造方向に関連付けられた信号処理の条件を読み出し、画像生成部4へ出力する。
また、例えば条件変更部10は、送受信部3による超音波の送信条件を変更させる。このとき、条件変更部10は、送信条件のうち送信コンパウンドの条件を変更させる。送信コンパウンドの条件とは、コンパウンドスキャンにおける偏向角の数と振り角度とを含む。図5を参照して、コンパウンドスキャンについて説明する。図5は、コンパウンドスキャンの概念を示す模式図である。
一例として、3つの異なる偏向角に超音波を偏向させて超音波を送受信し、偏向角がそれぞれ異なる3つの断層像データを生成する場合について説明する。送受信部3はシステム制御部6の制御の下、第1の偏向角、第2の偏向角、及び第3の偏向角にそれぞれ超音波を偏向させて超音波を送受信する。第1の偏向角は、第2の偏向角と第3の偏向角との間の角度である。第1の偏向角の一例として、偏向の角度が0°である場合について説明する。すなわち、第1の偏向角は、超音波を偏向させない場合の角度に相当する。第2の偏向角と第3の偏向角とは、第1の偏向角を間にして互いに反対側に偏向した角度である。
このとき、画像生成部4は、超音波が第1の偏向角に偏向された断層像データCを生成する。また、画像生成部4は、超音波が第2の偏向角に偏向された断層像データL1を生成する。また、超音波が第3の偏向角に偏向された断層像データR1を生成する。図5に示す断層像データCは、超音波が第1の偏向角(偏向の角度が0°)に偏向された画像データである。すなわち、断層像データは、超音波を偏向させないで得られた画像データである。断層像データL1は、超音波が第2の偏向角(図5において左側)に偏向された画像データである。断層像データR1は、超音波が第3の偏向角(図2において右側)に偏向された画像データである。断層像データC、断層像データR1、及び断層像データL1は、画像生成部4によって合成される。この合成によって、図5に示す合成画像データTCが生成される。この第2の偏向角と第3の偏向角との差の角度が振り角、偏向角のパターンの数が偏向数である。
例えば、血管の短軸断面をリニア型の超音波プローブ2を用いて第1の偏向角のみで走査した場合、血管の上下の内膜は比較的明瞭に描出されるが、左右の内膜は描出しづらい。そこで、前述したコンパウンドスキャンによって、送信ビームの偏向角を変えた複数の超音波画像を合成することにより、角度依存によるエコー信号の欠落が相互に補間される。その結果、構造物をより明瞭に抽出することができる。また、送信ビームの偏向角を変えた複数の超音波画像を加算平均すると、ノイズ成分を相殺的に低減させることができる。
このように、短軸方向において、画像データを生成するとき、振り角及び偏向数を多くした方が、被検体の組織を明瞭に描出しやすい。そこで、条件変更部10は、方向特定部9によって相対位置が長軸方向と判断されたときよりも、短軸方向と判断されたときの方が、振り角と偏向数とが多くなるように変更する。
また、条件変更部10は、送信条件のうち送信ラスタ本数を変更させる。送信ラスタ本数とは、単位領域当たりの走査線数である。被検体組織を明瞭に描出するためには、長軸方向のときよりも短軸方向のときの方が走査線数を多くした方が有利である。条件変更部10は、方向特定部9によって相対位置が長軸方向と判断されたときよりも、短軸方向と判断されたときの方が、送信ラスタ本数が多くなるように変更する。
また、超音波プローブ2が1.5Dプローブであるとき、条件変更部10は、送受信部3を制御して超音波プローブ2のレンズ方向における駆動列数を変更させてもよい。1.5プローブは、複数の超音波振動子が1列に配置された1Dアレイプローブにおける複数の超音波振動子が、レンズ方向に複数の列に配置された超音波プローブ2である。送受信部3は、送信条件としての駆動列数分の超音波振動子を駆動させ、列ごとに取得した受信信号をそれぞれ画像生成部4へ出力する。画像生成部4は、受けた受信信号それぞれに基づいて列ごとの画像データを取得する。さらに画像生成部4は、列ごとの画像データを合成(加算平均)し、一つの画像データとする。このように駆動列が互いに異なる画像データを加算平均することにより、ノイズ成分を相殺的に低減させることができる。このノイズ低減効果は、レンズ方向における被検体組織の構造変化が少ない短軸方向のときの方が、長軸方向のときよりも顕著である。従って、条件変更部10は、方向特定部9によって相対位置が長軸方向と判断されたときよりも、短軸方向と判断されたときの方が、駆動列数が多くなるように変更する。
条件変更部10は、例えば、これら超音波の送信条件と構造方向とを関連付けたルックアップテーブルを予め記憶する。条件変更部10は、方向特定部9から構造方向を受け、受けた構造方向に関連付けられた送信条件を読み出し、送受信部3へ出力する。
[動作]
図6は、超音波診断装置1の動作を表す模式図である。超音波診断装置1の動作について説明する。
(S1)
送受信部3は、超音波プローブ2を介して被検体に対して超音波を送受信する。送受信部3は受信信号を画像生成部4へ出力する。画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、受けた受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを生成する。画像生成部4は、生成した画像データを方向特定部9へ出力する。
(S2)
方向特定部9は、画像生成部4が生成した画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。ここで、方向特定部9の動作について図7を参照して説明する。
(S201)
方向特定部9は、受けた画像データに多重解像度分解を行い、解像度が分解された分解画像データを求める。このとき、方向特定部9は、予め定められた階層まで多重解像度分解を行う。
(S202)
方向特定部9は、多重解像度分解を行った分解画像データの各画素について勾配ベクトルを求める。
(S203)
方向特定部9は、求めた勾配ベクトルのうち、予め定められた閾値以上の大きさを持つ勾配ベクトルを抽出する。
(S204)
方向特定部9は、さらに、ステップS203で抽出した勾配ベクトルのうち、画像データについて予め定められた範囲内の画素それぞれについて求められた勾配ベクトルを抽出する。
(S205)
方向特定部9は、さらに、ステップS204で抽出した勾配ベクトルの大きさを正規化する。
(S206)
方向特定部9は、正規化したベクトルを合成し、合成ベクトルを求める。
(S207)
方向特定部9は、予め記憶した閾値と合成ベクトルの大きさとを比較する。方向特定部9は、合成ベクトルの大きさが閾値より大きいとき、長軸方向と判断する。このとき、ステップS208へ進む。方向特定部9は、合成ベクトルの大きさが閾値より大きくないとき、短軸方向と判断する。このとき、ステップS209へ進む。
(S208)
方向特定部9は、合成ベクトルの方向に直交する方向を構造方向として特定する。方向特定部9は、長軸方向であるとの判断結果と構造方向とを条件変更部10へ出力する。
(S209)
方向特定部9は、短軸方向であるとの判断結果を条件変更部10へ出力する。
(S3)
条件変更部10は、方向特定部9からの入力として、長軸方向であるとの判断結果及び構造方向、又は短軸であるとの判断結果を受け、受けた入力に基づいて、送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。
(S4)
送受信部3は、変更された動作条件に基づいて、超音波プローブ2を介して被検体に対して超音波を送受信する。送受信部3は受信信号を画像生成部4へ出力する。画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、変更された動作条件に基づいて、受けた受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを生成する。画像生成部4は、生成した画像データを方向特定部9及び表示制御部5へ出力する。
(S5)
表示制御部5は、画像生成部4から画像データを受ける。表示制御部5は、受けた画像データに基づく超音波画像を表示部7に表示させる。
(S6)
超音波診断を続行するとき、次のフレームの超音波画像を生成するため、ステップS2に戻る。超音波診断を終了するとき、動作を終了する。
[効果]
第1の実施形態の超音波診断装置1の効果について説明する。超音波診断装置1は、送受信部3と、超音波プローブ2と、画像生成部4と、方向特定部9と、条件変更部10とを有する。送受信部3は、被検体に対して超音波を送受信する。超音波プローブ2は、送受信部3からの信号に基づいて超音波を送受信する。画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。方向特定部9は、画像生成部4による画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。条件変更部10は、方向特定部9が特定した構造方向に基づいて、送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。このように、超音波診断装置1は、構造方向を特定し、特定した構造方向に応じた動作条件へ自動的に変更する。それにより、被検体組織の構造方向に応じて動作条件を簡便に設定することができる超音波診断装置1を提供することができる。
〈第1の実施形態の変形例1〉
[構成]
第1の実施形態の変形例1に係る超音波診断装置1について説明する。この変形例の超音波診断装置1は、方向特定部9と条件変更部10との構成が第1の実施形態と異なる。他の構成要素は第1の実施形態と同様である。
方向特定部9は、画像生成部4から受けた画像データを複数範囲に分割し、分割された範囲毎に構造方向を特定する。例えば方向特定部9は、予め記憶した分割パターンを読み出し、読み出した分割パターンに基づいて画像データを複数範囲に分割する。分割パターンには、例えば2分割、3分割、4分割などが含まれる。この変形例では2分割の例について説明する。また、方向特定部9は、記憶した分割パターンのうち、ユーザから分割パターンの指定を受けて画像データを複数範囲に分割してもよい。なお、方向特定部9は、ユーザから所望の分割パターンの指定を受けて画像データを複数範囲に分割してもよい。
図8は複数範囲に分割された画像データに基づく超音波画像を概念的に表す模式図である。方向特定部9は、画像データを2分割する。それにより、画像データは第1の範囲A1と第2の範囲A2とに分割される。方向特定部9は、第1の範囲A1と第2の範囲A2とのそれぞれについて、長軸方向か短軸方向かを判断する。方向特定部9は、長軸方向であると判断した範囲毎に構造方向を特定する。図8の例において、方向特定部9は、第1の範囲A1について長軸方向と判断し、方向s1を第1の範囲A1における構造方向として特定する。また、方向特定部9は、第2の範囲A2について長軸方向と判断し、方向s2を第2の範囲A2における構造方向として特定する。方向特定部9は、長軸方向であると判断した範囲について、その判断結果と特定した構造方向と当該範囲を示す位置情報(座標情報)とを共に条件変更部10へ出力する。また、方向特定部9は、短軸方向であると判断した範囲について、その判断結果と当該範囲を示す位置情報(座標情報)を条件変更部10へ出力する。
条件変更部10は、方向特定部9からの入力を受け、方向特定部9が分割した複数範囲毎に送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。図8の例において、条件変更部10は、第1の範囲A1について、長軸方向である旨の判断結果と方向s1と第1の範囲A1を示す位置情報とを方向特定部9から受ける。また、条件変更部10は第2の範囲A2について、長軸方向である旨の判断結果と方向s2と第2の範囲A2を示す位置情報とを方向特定部9から受ける。例えば条件変更部10は、画像データのうち第1の範囲A1に相当する部分データに係る信号処理条件を、方向s1に平行な方向に画素値を平滑化し、方向s1に直交する方向に画素値を鮮鋭化するように変更する。さらに、条件変更部10は、画像データのうち第2の範囲A2に相当する部分データに係る信号処理条件を、方向s2に平行な方向に画素値を平滑化するように変更し、また、方向s2に直交する方向に画素値を鮮鋭化するように変更する。
また、条件変更部10は、第1の範囲A1に相当する被検体における領域に対して送信される超音波の送信条件を変更する。例えば条件変更部10は、長軸方向の判断がなされた第1の範囲A1及び第2の範囲A2に送信される超音波の送信コンパウンドの偏向角の数と振り角度とを減少させる。また、条件変更部10は、長軸方向の判断がなされた第1の範囲A1及び第2の範囲A2に送信される超音波の送信ラスタ本数を減少させる。また、条件変更部10は、長軸方向の判断がなされた第1の範囲A1及び第2の範囲A2に送信される超音波を発生する超音波振動子のレンズ方向における駆動列数を減少させる。
なお、条件変更部10は、短軸方向の判断結果と当該範囲を示す位置情報とを方向特定部9から受けたとき、当該範囲に送信される超音波の送信コンパウンドの偏向角の数と振り角とを増加させる。また、条件変更部10は、短軸方向の判断結果と当該範囲を示す位置情報とを方向特定部9から受けたとき、当該範囲に送信される超音波の送信ラスタ本数を増加させる。また、条件変更部10は、短軸方向の判断結果と当該範囲を示す位置情報とを方向特定部9から受けたとき、当該範囲に送信される超音波を発生する超音波振動子のレンズ方向における駆動列数を増加させる。
[効果]
この変形例の超音波診断装置1の効果について説明する。超音波診断装置1は、送受信部3と、超音波プローブ2と、画像生成部4と、方向特定部9と、条件変更部10とを有する。送受信部3は、被検体に対して超音波を送受信する。超音波プローブ2は、送受信部3からの信号に基づいて超音波を送受信する。画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。方向特定部9は、画像生成部4から受けた画像データを複数範囲に分割し、分割された範囲毎において表される被検体組織の構造方向を特定する。条件変更部10は、方向特定部9からの入力に基づいて、方向特定部9が分割した範囲毎に送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。画像生成部4による画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。条件変更部10は、方向特定部9が特定した構造方向に基づいて、送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。このように、超音波診断装置1は、画像データを複数の範囲に分割し、分割された範囲毎に構造方向を特定し、特定した構造方向に応じた動作条件へ範囲毎に自動的に変更する。それにより、画像データに描出される構造方向が、画像データのうちの部分データ毎に異なるような場合であっても、被検体組織の構造方向に応じて動作条件を簡便に設定することができる超音波診断装置1を提供することができる。
〈第1の実施形態の変形例2〉
[構成]
第1の実施形態の変形例2の超音波診断装置1について説明する。図9は、この変形例の構成を表すブロック図である。この変形例の超音波診断装置1は、構造計測部11を有する。また、この変形例の超音波診断装置1は、条件変更部10の構成が第1の実施形態と異なる。他の構成要素は第2の実施形態と同様である。
構造計測部11は、画像生成部4が生成した画像データに基づいて、画像データに表された被検体の組織構造を計測する。構造計測部11は、例えば、血管の組織構造の計測として血管の内膜中膜複合体厚を計測するためのコンピュータプログラムを記憶するメモリ領域と、このコンピュータプログラムを実行する処理領域とを有する。
条件変更部10は、方向特定部9が特定した構造方向に基づいて構造計測部11の計測条件を変更する。例えば、構造計測部11の動作条件には、血管の内膜中膜複合体厚の計測方向が含まれる。例えば条件変更部10は、方向特定部9から受けた構造方向に基づいて、受けた構造方向に直交する方向に内膜中膜複合体厚を計測するように計測方向を変更する。また、構造計測部11の動作条件には、内膜中膜複合体厚を計測するためのコンピュータプログラムの起動条件が含まれてもよい。このとき、例えば条件変更部10は、方向特定部9から長軸方向の判定を受けたとき、超音波診断中のフリーズ操作がなされた場合に内膜中膜複合体厚を計測するためのコンピュータプログラムが自動的に起動されるように起動条件を変更する。それにより、長軸方向となる相対位置で超音波診断においてフリーズ操作がなされたとき、構造計測部11は、自動的に起動し、長軸方向に直交する方向(つまり画像に描出される血管壁のエッジ方向に直交する方向)に内膜中膜複合体厚の計測方向を設定する。このように、自動的に起動条件及び計測条件が設定されることにより、簡便に被検体組織の構造を計測することができる。
この変形例では、構造計測部11が内膜中膜複合体厚を計測する場合について説明したが、構造計測部11が他の構造を計測するコンピュータプログラムを記憶しているとき、条件変更部10は、当該コンピュータプログラムの動作条件を方向特定部9が特定する構造方向に関連付けて記憶する。条件変更部10は、方向特定部9から特定した構造方向を受けたとき、受けた構造方向に関連付けられた動作条件を読み出し、構造計測部11へ出力する。
[効果]
この変形例の超音波診断装置1の効果について説明する。超音波診断装置1は、送受信部3と、超音波プローブ2と、画像生成部4と、方向特定部9と、構造計測部11と、条件変更部10とを有する。送受信部3は、被検体に対して超音波を送受信する。超音波プローブ2は、送受信部3からの信号に基づいて超音波を送受信する。画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。方向特定部9は、画像生成部4による画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。構造測定部は、画像生成部4が生成した画像データに基づいて、画像データに表された被検体の組織構造を計測する。条件変更部10は、方向特定部9が特定した構造方向に基づいて、送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。このように、超音波診断装置1は、特定した構造方向に応じて自動的に構造測定部の動作条件を設定する。それにより、簡便に被検体組織の構造を計測することができる超音波診断装置1を提供することができる。
〈第2の実施形態〉
[構成]
第2の実施形態の超音波診断装置1について説明する。第2の実施形態の超音波診断装置1は、方向特定部9の構成が第1の実施形態と異なる。他の構成要素は第1の実施形態と同様である。
方向特定部9は、メモリ領域を有し、被検体における特定の領域を含む部位を模式的な図形で表すボディマークと超音波プローブ2の位置及び方向を表すプローブマークとの組み合わせを構造方向に関連付けて予め記憶する。ボディマークとは、頸部や腹部など被検体の部位又は血管や臓器などの組織を模式的な図形で表すものである。プローブマークは被検体の部位に対する超音波プローブ2の位置及びスライス方向を模式的な図形で表すものである。ボディマークとプローブマークは超音波診断中に表示部7に表示される。一般的に、ボディマーク及びプローブマークとは、ユーザが被検体と超音波プローブ2との位置関係を把握するための補助情報として利用されている。方向特定部9は、例えば光学センサや磁気センサを用いて、被検体と超音波プローブ2との位置関係を検出し、検出した位置関係をボディマーク及びプローブマークに変換する。それにより、超音波診断中のボディマークとプローブマークとの組み合わせが特定される。方向特定部9は、この組み合わせに関連付けられた構造方向を読み出すことによって、画像生成部4が生成した画像データに表される構造の方向である構造方向を特定する。方向特定部9は、特定した構造方向を条件変更部10へ出力する。
なお、方向特定部9は、被検体と超音波プローブ2との相対位置が長軸方向であるボディマークとプローブマークとの組み合わせを予め記憶してもよい。このとき、方向特定部9は、検出した位置関係に基づくボディマークとプローブマークとの組み合わせと、記憶した組合せとを照合する。方向特定部9は、検出した位置関係に基づく組み合わせを予め記憶していたとき、長軸方向と判断する。また、方向特定部9は、検出した位置関係に基づく組み合わせを予め記憶していなかったとき、短軸方向と判断する。
[効果]
第2の実施形態の超音波診断装置1の効果について説明する。超音波診断装置1は、送受信部3と、超音波プローブ2と、画像生成部4と、方向特定部9と、条件変更部10とを有する。送受信部3は、被検体に対して超音波を送受信する。超音波プローブ2は、送受信部3からの信号に基づいて超音波を送受信する。画像生成部4は、送受信部3による受信信号を受け、受信信号に信号処理を施して被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する。方向特定部9は、被検体における特定の領域を含む部位を模式的な図形で表すボディマークと超音波プローブ2の位置及び方向を表すプローブマークとの組み合わせを構造方向に関連付けて予め記憶し、送受信部3が被検体に対して超音波を送受信するときの組み合わせに関連付けられた構造方向を読み出すことによって構造方向を特定する。条件変更部10は、方向特定部9が特定した構造方向に基づいて、送受信部3若しくは画像生成部4又はこれら双方の動作条件を変更させる。言い換えると、超音波診断装置1は、被検体と超音波プローブ2との位置関係を検出し、検出した位置関係に基づくボディマークとプローブマークとの組み合わせと、予め記憶したボディマークとプローブマークとの組み合わせとを照合することによって、構造方向を特定する。超音波診断装置1は、特定した構造方向に応じた動作条件へ自動的に変更する。それにより、被検体組織の構造方向に応じて動作条件を簡便に設定することができる超音波診断装置1を提供することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態又は変形例の超音波診断装置1によれば、被検体組織の構造方向を特定し、特定した構造方向に応じて動作条件を簡便に設定することができる。
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 送受信部
4 画像生成部
5 表示制御部
6 システム制御部
7 表示部
8 操作部
9 方向特定部
10 条件変更部
11 構造計測部
91 解像度分解部
92 演算部
93 合成部

Claims (19)

  1. 被検体に対して超音波を送受信する送受信部と、
    前記送受信部からの信号に基づいて超音波を送受信する超音波プローブと、
    前記送受信部による受信信号を受け、前記受信信号に信号処理を施して前記被検体における特定の領域の構造を表す画像データを順次生成する画像生成部と、
    前記画像生成部による前記画像データに表される前記構造の方向である構造方向を特定する方向特定部と、
    前記方向特定部が特定した前記構造方向に基づいて、前記送受信部若しくは前記画像生成部又はこれら双方の動作条件を変更させる条件変更部と
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記方向特定部は、前記画像生成部が生成した前記画像データを受け、該画像データを解析することによって前記構造方向を特定することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記画像生成部は、画素の輝度で前記構造を表す前記画像データを生成し、
    前記方向特定部は、前記画像生成部から受けた前記画像データを解析するとき、該画像データの画素それぞれについて、当該画素の輝度の変化が最大となる方向である最大方向を求め、該最大方向への変化の大きさを持つベクトルである勾配ベクトルを求め、求めた前記勾配ベクトルに基づいて前記構造方向を特定することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記方向特定部は、予め定められた閾値以上の大きさを持つ前記勾配ベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて前記構造方向として特定することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記方向特定部は、前記画像データについて予め定められた範囲における画素それぞれについて求められた前記勾配ベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて前記構造方向として特定することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  6. 前記予め定められた範囲とは、前記画像データが表す画像のうち該画像の端部を除く範囲であることを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記方向特定部は、求めた前記勾配ベクトルについて大きさが正規化されたベクトルを求め、求めた正規化されたベクトルを合成したベクトルの方向に基づいて前記構造方向として特定することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  8. 前記方向特定部は、前記画像データを基に、該画像データとことなる解像度の分解画像データを求め、求めた前記分解画像データについて前記勾配ベクトルを求めることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
  9. 前記方向特定部は、前記画像生成部が順次生成した複数の前記画像データのそれぞれについて前記構造方向を求め、求めた前記構造方向に基づいて最新の前記画像データの前記構造方向を特定することを特徴とする請求項3〜8のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
  10. 前記方向特定部は、前記被検体における特定の領域を含む部位を模式的な図形で表すボディマークと前記超音波プローブの位置及び方向を表すプローブマークとの組み合わせを前記構造方向に関連付けて予め記憶し、前記送受信部が前記被検体に対して超音波を送受信するときの前記組み合わせに関連付けられた前記構造方向を読み出すことによって前記構造方向を特定することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  11. 操作部をさらに有し、
    前記方向特定部は、操作部からの指示を受けて前記構造方向を特定することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  12. 前記条件変更部は、前記方向特定部が特定した前記構造方向に基づいて、前記画像生成部による前記信号処理の条件を前記動作条件として変更させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  13. 前記条件変更部は、前記信号処理の条件のうち画像処理フィルタの条件を前記動作条件として変更させることを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
  14. 前記条件変更部は、前記方向特定部が特定した前記構造方向に基づいて、前記送受信部による超音波の送信条件を前記動作条件として変更させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  15. 前記条件変更部は、前記送信条件として、送信コンパウンドの条件を変更させることを特徴とする請求項14に記載の超音波診断装置。
  16. 前記条件変更部は、前記送信条件として、送信ラスタ本数を変更させることを特徴とする請求項14に記載の超音波診断装置。
  17. 前記条件変更部は、前記超音波プローブのレンズ方向における駆動列数を前記送信条件として変更させることを特徴とする請求項14に記載の超音波診断装置。
  18. 前記画像データに基づいて、前記画像データに表された前記構造を計測する構造計測部をさらに有し、
    前記条件変更部は、前記方向特定部が特定した前記構造方向に基づいて前記構造計測部の動作条件を変更させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  19. 前記方向特定部は、前記画像データを複数範囲に分割し、分割された範囲毎に前記構造方向を特定し、
    前記条件変更部は、前記方向特定部が分割した前記複数範囲毎に前記動作条件を変更する
    ことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
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