JP7083131B2 - 発毛および育毛促進剤 - Google Patents
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Description
(1)表面キトサン化キチンナノファイバーを含む発毛および/または育毛促進剤。
(2)表面キトサン化キチンナノファイバーの幅が2nm~20nmである(1)記載の剤。
(3)表面キトサン化キチンナノファイバーのアスペクト比が100以上である(1)または(2)のいずれか記載の剤。
(4)表面キトサン化キチンナノファイバーの結晶状態が伸びきり鎖微結晶である(1)~(3)のいずれか記載の剤。
(5)表面キトサン化キチンナノファイバーの脱アセチル化度が10%以上である(1)~(4)のいずれか記載の剤。
(6)医薬組成物である(1)~(5)のいずれか記載の剤。
(7)医薬部外品である(1)~(5)のいずれか記載の剤。
(8)化粧品である(1)~(5)のいずれか記載の剤。
(9)ミノキシジルをさらに含む(1)~(8)のいずれか記載の剤。
(10)ミノキシジルと併用される(1)~(8)のいずれか記載の剤。
ンナノファイバーに含まれるアミノ基数+アセトアミド基数)]x100
試験方法
1.動物試験
C57BL/6マウス(メス、7週齢)を用いた。各群3-4匹を使用した。背部皮膚を剃毛後、濃度1%の各試験物質(キチン、キトサン、キチンナノファイバー、表面キトサン化キチンナノファイバー、ミノキシジル)200μLを剃毛直後、剃毛から3、4、6、7および11日目に塗布した。剃毛から12日目に安楽死処分を行い、被毛を抜き被毛の長さを測定した。また、皮膚は10%ホルマリン溶液に浸漬し、固定した後、常法に従いヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)を実施した。被毛の長さは各個体につき20本の長さを測定し平均値を算出した。HE染色標本は光学顕微鏡にて観察し、1視野あたりの成長期および休止期の毛根数を計数した。
なお、試験群は以下の6群とした(キチン、キチンナノファイバー、キトサン、表面キトサン化キチンナノファイバーの濃度は1%)。
・コントロール(0.5%酢酸塗布)群
・キチン懸濁液塗布群
・キチンナノファイバー(CNF)塗布群
・表面キトサン化キチンナノファイバー(SDACNF)塗布群
・キトサン塗布群
・1%ミノキシジル(Mi)塗布群
ヒト正常毛乳頭細胞を1.2×104 cells/0.3ml/ウェルでType Iコラーゲンコート48ウェルプレートに播種した。CO2インキュベーター内(5%CO2、37℃)で、1日間培養後、被験物質(表面キトサン化キチンナノファイバー、キトサン、各1% w/v:オートクレーブして使用)、無添加培地、参考物質として終濃度終濃度30μMミノキシジル(Mi)を含む培地に置換した。その後、1日間および3日間培養し、それぞれの細胞の増殖性を生細胞数測定試薬SF(ナカライテクス株式会社、Cat. No. 07553-15)で比較検討した。n=5にて行った。また、培養3日目の培養上清を回収し、培養上清中のケラチノサイト増殖因子(FGF-7)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)産生量をELISA kit(FGF-7: Abcam、Cat. No. ab100519、VEGF:R & D Systems, Cat.No. DVE00)にて測定した。n=5にて実施した。上清は測定時まで-80℃で保管した。タンパク質産生量に対し、相対生細胞数で割ることで、単位細胞数あたりのタンパク質産生量を算出した。
1.動物試験
CNF、SDACNF、キトサンおよびMi塗布群において、コントロール群と比較して有意に被毛の長さが長かった(図1)。また、成長期毛根数はSDACNF、キトサンおよびMi群にて有意に増加した(図2)。休止期毛根数はCNF、SDACNF、キトサンおよびMi群にて有意に減少した(図3)。以上の結果よりSDACNFは成長期毛根数を増加させ、被毛の長さを長くさせることが明らかとなった。また、その効果はキトサン、Miと比較し優れることが明らかとなった。しかも、SDACNFの効果は短期間で現れることも明らかとなった。
SDACNF群では培養1および3日目に生細胞数はコントロール群と比較して有意に増加していた(p<0.05およびp<0.01)(表1)。また、キトサン群では培養3日目において生細胞数はコントロール群と比較して有意に増加していた(p<0.01)(表1)。さらに、SDACNFおよびキトサンはMiと比較して毛乳頭細胞の成長因子(VEGF、FGF-7)産生を促進させることが明らかとなった(表2)。なお、VEGFの産生は、毛母細胞活性化作用、発毛促進作用等に寄与すると考えられる。また、FGF-7が毛乳頭細胞から産生され、毛母細胞に作用し、毛母細胞の増殖、分裂を促すことで毛髪成長をさせると解釈されている。SDACNFの発毛および/または育毛効果の作用機序の一つはこの成長因子の産生促進であると推察される。
単位は%で、コントロール群を100(%)としたときの相対値で示している。なお数値は平均値±標準偏差で示している。*はコントロール群と比較してp<0.05であることを、**はコントロール群と比較してp<0.01であることを示している。
単位はpg/mlである。数値は平均値±標準偏差で示している。*はコントロール群と比較してp<0.05であることを、**はコントロール群と比較してp<0.01であることを、***はコントロール群と比較してp<0.001であることを示している。
試験方法
1.表面キトサン化キチンナノファイバーの調製
市販のカニ殻由来乾燥キチン粉末45gを30wt%水酸化ナトリウム水溶液1500gの入った2L三つ口平底ステンレス反応容器に加えた。450rpmで撹拌しながら、6時間還流し、冷めるまで静置した。上澄みを捨て沈殿した固形物を回収した。回収した固形物をpHが中性になるまで減圧ろ過にて純水で洗浄した。洗浄した固形物に、0.5wt%酢酸1000gを加え、500rpmで1時間撹拌し、高速冷却遠心機で10分間脱水を行った。この操作を3回行い、酸可溶分(キトサン、ナトリウム塩)を除去した。次いで、表面キトサン化キチンの濃度が1.2wt%、酢酸の濃度が0.5wt%の懸濁液を調製した。この懸濁液を石臼式摩砕機(MKCA6-2、増幸産業株式会社)に2度通すことにより解繊し、表面キトサン化キチンナノファイバー水分散液を得た。
1wt%の表面キトサン化キチンナノファイバーを含む水分散液にミノキシジルを0、0.5、1.0wt%となるよう混合した59.5gの分散液について、ホモジナイザー(T25 basic、IKAジャパン株式会社)で撹拌しながら、脂肪酸トリグリセライド(花王製、MT-N 25.5g)を滴下した。表面キトサン化キチンナノファイバー水分散液と脂肪酸トリグリセライドの混合比は7:3(w/w)とした。脂肪酸トリグリセライドを添加後、13500rpmで5分間、激しく撹拌した後、超音波ホモジナイザー(SONIFIER 250、 BRANSON)を用いて5分間処理した。更にホモジナイザーを用いて13500rpmで3分間、激しく撹拌してエマルションを得た。ミノキシジルを0、0.5、1.0wt%含むエマルジョンを、それぞれエマルジョン1、エマルジョン2、エマルジョン3と称する。
実験動物は6週齢の雌のマウス(日本エスエルシー(株)、Hos:HR-1)を用いた(各群5匹)。飼育条件は、室温:22-25℃、湿度:50-70%、明暗サイクル:12/12時間(AM7:00/PM7:00))とした。飼料として、実験動物用粉末飼料CE-2(日本クレア(株))、飲用水として水道水を与えた。購入後、1週間気候順応期間を与えたマウスに対して背部を動物用バリカンを使用して、縦3cm x 横2cm剃毛した。剃毛したマウスの背部について、0、3、4、6、7、11日目に上記2で作成したエマルション1~3ならびに対照群として1wt%濃度のミノキシジルを150μL塗布した。6日目および採材日(12日目)にマウス背部の皮膚から毛髪を約20本程度ピンセットを用いて抜き、長さを測定した。
Claims (6)
- 表面キトサン化キチンナノファイバーを含む発毛および/または育毛促進剤であって、表面キトサン化キチンナノファイバーの幅が2nm~20nmであり、表面キトサン化キチンナノファイバーのアスペクト比が100以上であり、表面キトサン化キチンナノファイバーの結晶状態が伸びきり鎖微結晶であり、表面キトサン化キチンナノファイバーの脱アセチル化度が30%以上である、発毛および/または育毛促進剤。
- 医薬組成物である請求項1記載の剤。
- 医薬部外品である請求項1記載の剤。
- 化粧品である請求項1記載の剤。
- ミノキシジルをさらに含む請求項1~4のいずれか1項記載の剤。
- ミノキシジルと併用される請求項1~4のいずれか1項記載の剤。
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