JP2009234940A - 植物抽出物を含有する化粧品組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】保湿作用、コラーゲン生成促進作用、ヒアルロン酸生成促進作用、細胞賦活化作用、抗酸化作用、抗老化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などを有する化粧品組成物を提供する。
【解決手段】細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物と抗菌剤を含有することを特徴とする化粧品組成物。化粧品組成物は化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品または医薬品として利用されることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物と抗菌剤を含有することを特徴とする化粧品組成物。化粧品組成物は化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品または医薬品として利用されることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物を有効成分とする化粧品組成物に関するものであり、特に、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品に利用されるものである。
個体老化やこれに伴って発生する各種の疾患などは、分裂するすべての細胞の老化(分裂速度の低下、細胞機能の低下)と深く関わっている。例えば皮膚は、表皮細胞、繊維芽細胞、およびこれら細胞外の皮膚構造を支持するエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリックスによって構成されている。若い皮膚においては、これらの皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことによって水分保持、柔軟性、弾力性が確保され、肌は外観的にも張りと艶があり、みずみずしい状態に維持される。ところが、加齢や紫外線、乾燥、ストレスなどによって特に細胞外マトリックスや繊維芽細胞の機能低下が引き起こされ、その結果、皮膚の柔軟性、保湿機能は低下し、肌は張りや艶を失い、荒れ、しわ、くすみなどの老化症状が発生する。
細胞レベルでの老化防止や抑制を目的に細胞賦活化剤、抗老化剤の探索が行われている。例えば動物由来の細胞賦活化剤としては、結合組織加水分解物(特許文献1)、胸腺・脾臓由来水溶性蛋白(特許文献2)、牛胎盤エキス(特許文献3)などが知られている。植物由来の細胞賦活化剤としては、ゴマ、サンヤク、トウガラシ、トウキ、ドクダミ、バクモンドウ(特許文献4)、アーモンド、セイヨウタンポポ、セイヨウニワトコ、センキュウ、センブリ、ソウハクヒ、トウニン、ニンジン、ホップ、ムクゲ、ヨクイニン(特許文献5、特許文献6)、ショウガ科ウコン属(特許文献7)、ハナヤスリ科ハナヤスリ属(特許文献8)の抽出物などが知られている。コラーゲン産生を促進する作用を有する物質としては、甘草葉抽出物(特許文献8)、ハス胚芽抽出物(特許文献9)、加水分解バレイショタンパク(特許文献10)、柿の葉抽出物又はサンザシの果実抽出物(特許文献11)、米糠溶媒抽出物(特許文献12)、アヤメ科クロッカス属サフラン抽出物(特許文献13)、ウリ科植物の種子抽出物(特許文献14)などが知られている。これらの一部は細胞賦活化剤、抗老化剤、コラーゲン産生促進剤又はヒアルロン酸産生促進剤として医薬部外品や化粧品に利用されているが、非常に個人差が大きく、作用効果が十分とは言えず、満足すべき作用効果を発揮する細胞賦活化剤、抗老化剤、さらにはコラーゲン産生促進剤やヒアルロン酸産生促進剤を含む細胞外マトリックス産生促進剤は得られていなかった。
また、肌荒れを予防または治癒する検討もなされている。肌荒れとは、一般に角質細胞の剥離現象が認められる乾燥状態の皮膚をいう。このような肌荒れはコレステロール、セラミド、脂肪酸等の角質細胞間脂質の溶出、および紫外線、洗剤等に起因する角質細胞の変性や表皮細胞の増殖・角化バランスの崩壊による角層透過バリアの形成不全等によって発生する。この肌荒れを予防または治癒する目的で、角質細胞間脂質成分又はそれに類似する合成の角質細胞間脂質を供給するなどの検討が行われている。
しかし、細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物を抗菌剤と併用することにより、その抗菌効果が向上することは報告されていなかった。
特開昭62−84024号公報
特開昭63−188697号公報
特開平03−141299号公報
特開平10−45615号公報
特開平10−036279号公報
特開2004−75632号公報
特開2005−89375号公報
特開2000−191498号公報
特開2002−29980号公報
特開2005−263689号公報
特開2006−160629号公報
特開2005−272433号公報
特開2005−206510号公報
特開2006−273815号公報
哺乳類、特にヒトに対して細胞賦活化作用や抗老化作用を付与することは極めて重要な課題であり、動物由来、植物由来の細胞賦活化物質や抗老化剤は各種見つかっているが、実際には産業上利用可能な程度に十分かつ安定した効果は得られておらず、新規な細胞賦活化剤や抗老化剤が探索されているのが現状である。
本発明の目的は、上記問題点を改善した、細胞賦活化作用、コラーゲン産生(生成)促進作用、ヒアルロン酸産生(生成)促進作用、抗酸化作用、保湿作用、抗老化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などを有する植物抽出物を含有する化粧品組成物を提供することにある。さらに、本発明の目的は、当該化粧品組成物を含む化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意努力した結果、細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物、特に大豆由来抽出物あるいは小麦由来抽出物を含む化粧品組成物が有効であることを見出した。
さらに、本発明は、抗菌剤を含有する皮膚外用剤において、刺激の少ない皮膚外用剤を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、抗菌剤と共に細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物を用いることにより、抗菌剤の皮膚浸透性が向上しその効果が高まると共に刺激を少なくできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)の発明を包含する。
(1)細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物と抗菌剤を含有することを特徴とする化粧品組成物。
(2)植物抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料由来の抽出物であることを特徴とする(1)に記載の化粧品組成物。
(3)抗菌剤が有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であることを特徴とする(1)または(2)に記載の化粧品組成物。
(4)化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品または医薬品として利用されるものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧品組成物。
(1)細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物と抗菌剤を含有することを特徴とする化粧品組成物。
(2)植物抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料由来の抽出物であることを特徴とする(1)に記載の化粧品組成物。
(3)抗菌剤が有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であることを特徴とする(1)または(2)に記載の化粧品組成物。
(4)化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品または医薬品として利用されるものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧品組成物。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物により、細胞賦活化作用、コラーゲン生成促進作用、ヒアルロン酸生成促進作用、抗酸化作用、保湿作用、抗老化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などの効果を有する、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品を提供することできる。特に、本発明によれば、抗菌剤を含有する皮膚外用剤において、刺激性の少ない皮膚外用剤を提供することができる。また、植物抽出物は生物由来の天然界面活性剤であるため安全性に優れており、本発明の化粧品組成物は長期にわたる使用に十分に耐えることができる。さらに、植物抽出物は、植物から製造できるため原料コストが安価であり、大量生産が可能である。
本発明の化粧品組成物は、細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物と抗菌剤を必須成分として含有する。
本発明において「細胞賦活化」とは、細胞機能や細胞活性を維持または亢進させることをいう。細胞賦活化により、細胞機能や細胞活性の低下を抑制、すなわち細胞の老化を抑制することができる。
例えば、皮膚細胞における「細胞賦活化、抗老化」とは、加齢や光老化による基底膜の構造変化の蓄積に伴う皮膚細胞の機能低下を小さくすることで、皮膚のしわ、たるみ、硬化等を防止、改善して弾力のある若々しい健康な肌の状態を維持することなどを指している。また、例えば、毛乳頭細胞または毛母細胞においては、加齢、ストレス、ホルモンバランスによる毛乳頭細胞または毛母細胞の機能低下を小さくすることで、ヘアサイクルを維持して脱毛を抑えることなどを指している。
本発明において「コラーゲン産生促進」とは、コラーゲンの産生を促進することをいう。また、本発明において「ヒアルロン酸産生促進」とは、ヒアルロン酸の産生を促進することをいう。
本発明において「コラーゲン産生促進」とは、コラーゲンの産生を促進することをいう。また、本発明において「ヒアルロン酸産生促進」とは、ヒアルロン酸の産生を促進することをいう。
本発明において「細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物」とは、植物及び/又は植物加工物から得られる細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物である。
本発明の植物抽出物を得る植物としては、特に限定されるものではないが、例えば双子葉植物、単子葉植物、草本性植物、木本性植物、ウリ科植物、ナス科植物、イネ科植物、アブラナ科植物、マメ科植物、アオイ科植物、キク科植物、アカザ科植物、該植物抽出物、該植物エキスなどが挙げられる。具体的には、サツマイモ、トマト、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ、タバコ、シロイヌナズナ、ピーマン、ナス、マメ、サトイモ、ホウレンソウ、ニンジン、イチゴ、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、オオムギ、ダイズ、ナタネ、ソルガム、ユーカリ、ポプラ、ケナフ、杜仲、サトウキビ、シュガービート、キャッサバ、サゴヤシ、アカザ、ユリ、ラン、カーネーション、バラ、キク、ペチュニア、トレニア、キンギョソウ、シクラメン、カスミソウ、ゼラニウム、ヒマワリ、シバ、ワタ、エノキダケ、ホンシメジ、マツタケ、シイタケ、キノコ類、チョウセンニンジン、アガリクス、ウコン、オタネニンジン、柑橘類、緑茶、紅茶、ウーロン茶、バナナ、キウイ、納豆、豆乳、ダイズエキス、コムギエキス、胚芽エキス、胚エキス、果汁、オカラ、コメ胚芽、コムギ胚芽、オオムギ胚芽、ダイズ胚芽、トウモロコシ胚芽、マイロ胚芽、ヒマワリ胚芽などが挙げられる。
好ましい植物としては、単子葉植物や双子葉植物がよく、さらに好ましくはイネ科植物やマメ科植物がよい。特に好ましい植物又はその加工品として、トウモロコシ、キノコ類、ダイズ、コムギ、納豆、豆乳、オカラ、コムギ胚芽、ダイズ胚芽、トウモロコシ胚芽、ダイズエキス、コムギエキス、胚芽エキス、胚エキスが挙げられる。さらに好ましくは大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳、オカラが挙げられる。
本発明の植物抽出物を得る植物組織としては、特に限定されない。好ましくは、種子形態、生育過程にあるものである。生育過程にある植物の場合、本発明の植物抽出物は植物全体、あるいは部分的な組織から得ることができる。得ることができる部位としては、特に限定されないが、全樹、花、蕾、子房、果実、葉、子葉、茎、芽、根、種子、乾燥種子、胚、胚芽などである。好ましくは、果実、葉、茎、芽、種子、乾燥種子、胚芽、胚であり、特に好ましくは、種子、乾燥種子、胚芽、胚などである。
本発明の植物抽出物を得る植物としては植物加工物であってもよい。その加工方法は、植物を水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物などを用いて、低温、室温、加温条件下での含浸法、蒸留法、圧搾法、超音波法、超臨界流体法、亜臨界流体法などで抽出物を回収する。さらに植物や植物から回収した抽出物を発酵させるなどの加工処理した加工物なども含まれる。例えば植物エキス、豆乳、オカラ、小麦粉、発酵エキス、納豆などが挙げられる。
本発明の植物抽出物を得る方法としては、植物及び/又は植物加工物に、酸性条件になるように酸溶液を添加して抽出する方法を挙げることができる。酸性条件は、pHが6以下の条件をいう。抽出時に、pHを酸性条件にすることにより、植物組織から効率的かつ安定的に本発明の植物抽出物を回収することができる。この効果は、pHが6以下であれば一様に得られるが、好ましくはpHが4以下であり、特に好ましくはpHが2以下などである。pHの下限については、使用する酸溶液の原液のpHに相当し、特に制限されないが、好ましくは、pH0〜2である。
酸性条件下(酸水溶液)で抽出した植物抽出物には、エタノールやメタノールのような有機溶媒で回収した植物抽出物と比べて酸性条件下のみで可溶化する有効成分や天然成分が含まれており、有機溶媒で回収した植物抽出物と比べて植物抽出物に含有する成分が限定される。また、酸性条件下で抽出することで、有効成分や天然成分の安定性も高まる。加えて、回収した植物抽出物は水溶液であるため有機溶媒に比べて安全性の面でも高いメリットが期待される。
酸性条件下(酸水溶液)で抽出した植物抽出物には、エタノールやメタノールのような有機溶媒で回収した植物抽出物と比べて酸性条件下のみで可溶化する有効成分や天然成分が含まれており、有機溶媒で回収した植物抽出物と比べて植物抽出物に含有する成分が限定される。また、酸性条件下で抽出することで、有効成分や天然成分の安定性も高まる。加えて、回収した植物抽出物は水溶液であるため有機溶媒に比べて安全性の面でも高いメリットが期待される。
酸性条件下になるように添加する酸溶液としては、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸などの有機酸および酸性水が挙げられるが、好ましくは0.01N〜6Nの塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、トリクロロ酢酸、スルホサリチル酸、ギ酸、クエン酸、乳酸や0.1〜10%の過塩素酸などの無機酸や有機酸などであり、特に好ましくは、0.0625〜1Nの塩酸、0.25〜5%の過塩素酸、0.1〜1Nの硫酸などである。
植物抽出物の抽出工程において、ポリフェノール吸着剤を添加してもよい。ポリフェノール吸着剤を添加することにより、有効成分以外の物質や有効成分を分解する物質、植物抽出物の安定化に影響を及ぼす物質を効果的に除去することができ、本発明の植物抽出物の回収を容易ならしめることができる。ポリフェノール吸着剤は、ポリフェノール類を吸着できる物質であれば、特に限定されないが、PVPP(ポリビニルポリピロリドン)、PVP(ポリビニルピロリドン)、PEG(ポリエチレングリコール)等が好ましく使用される。特に好ましくは、PVPP(ポリビニルポリピロリドン)である。これらのポリフェノール吸着剤は市販の物質を使用してもよい。たとえば、ポリクラール(登録商標)、POLYCLAR(登録商標)(アイエスピー社製)、Divergan(登録商標)(BASF社製)、Dowex(登録商標)−1、PVP−40等を使用しても良い。植物及び/又は植物加工物に酸溶液を添加した後にポリフェノール吸着剤を添加することで、本発明の植物抽出物の回収量、収率、純度が高まることが期待できる。また、ポリフェノール吸着剤を添加することで、細胞、皮膚細胞に対する賦活化、抗酸化、抗老化、コラーゲン産生、ヒアルロン酸産生効果に対してネガティブに作用するポリフェノール類等の植物抽出物中への混入を抑えることができる。ポリフェノール吸着剤の添加量は、好ましくは0.1〜30%(w/v)、より好ましくは0.5〜20%(w/v)、さらに好ましくは、1〜10%(w/v)である。
植物及び/又は植物加工物に、酸性条件になるように酸溶液を添加し、所望によりポリフェノール吸着剤を添加した後に破砕、粉砕、混合を行なうことで本発明の植物抽出物の回収量を高めることができる。特に植物組織の場合は細胞壁を有することから細胞壁に損傷を与えることが望ましい。植物加工物や植物エキスの場合には、細胞壁を含まないことから特に細胞壁に損傷を与えるような破砕や粉砕を行う必要はない。破砕や粉砕を行う方法としては、例えば、ミキサー、ブレンダー、ホモジナイザー、乳鉢、超音波破砕機などを利用することができる。
植物及び/又は植物加工物に含まれていた細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する有効成分を酸溶液中(液体画分)に十分に抽出した後に遠心分離や濾過分離によって液体画分を残査や沈殿と分離する。回収された液体画分には細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれる少なくとも1種の作用を有する有効成分が多く含まれており、本発明の植物抽出物が得られる。
必要に応じて本発明の植物抽出物は、イオン交換法、膜分画法、ゲル濾過法、電気透析法で脱塩処理や精製処理を行っても良く、これらの方法を少なくとも1つ実施することで、本発明の植物抽出物に関してより高純度な植物抽出物を得ることができる。イオン交換法の場合、植物抽出液をイオン交換樹脂にて充填したカラムに通し、有効成分とアミノ酸、ペプチド、蛋白質、糖類等の夾雑物とを分離する。使用するイオン交換樹脂としては、イオン交換基がスルホン酸基、スルホプロピル基、リン酸基、カルボキシルメチル基、アミノエチル基、ジエチルアミノ基、4級アミノエチル基、4級アンモニウム基等であればよく、陽イオン交換樹脂でも陰イオン交換樹脂でもいずれも使用することができる。陽イオン交換樹脂を使用した場合には、有効成分は陽イオン交換樹脂に吸着されるので、非吸着物質を十分に分離した後、硫酸、塩酸等の酸性溶液や塩化ナトリウム等の塩溶液で有効成分を溶出する。陰イオン交換樹脂を使用した場合には、有効成分は陰イオン交換樹脂に吸着されないので、有効成分を含む非吸着画分を回収する。膜分画法の場合、セルロース系、酢酸セルロース系、ポリスルホン系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリ四フッ化エチレン系、ポリエステル系、ポリプロピレン系等で分画分子量が1000〜100000の範囲の限外濾過(UF)膜を使用して植物抽出物のUFを行い、有効成分を含む透過液を回収する。また、食塩阻止率30〜80%のナノフィルトレーション(NF)膜を使用して有効成分溶液のNFを行い、脱塩する。ゲル濾過法の場合、植物抽出物を中和し、ゲル濾過担体を充填したカラムに通して分子量分画により有効成分を回収する。使用するゲル濾過担体は、デキストラン系、アクリルアミド系、アガロース系、セルロース系、ポリビニル系、ガラス系、ポリスチレン系などで分画分子量が100〜100000の範囲のものである。電気透析法の場合、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とによって仕切られた各膜間に植物抽出物と食塩水とを交互に供給して電気透析を行う。電気透析の条件は、初期電流密度が0.5〜15A/dm2、電圧が0.1〜1.5V/槽などが挙げられる。
必要に応じて本発明の植物抽出物は、イオン交換法、膜分画法、ゲル濾過法、電気透析法で脱塩処理や精製処理を行っても良く、これらの方法を少なくとも1つ実施することで、本発明の植物抽出物に関してより高純度な植物抽出物を得ることができる。イオン交換法の場合、植物抽出液をイオン交換樹脂にて充填したカラムに通し、有効成分とアミノ酸、ペプチド、蛋白質、糖類等の夾雑物とを分離する。使用するイオン交換樹脂としては、イオン交換基がスルホン酸基、スルホプロピル基、リン酸基、カルボキシルメチル基、アミノエチル基、ジエチルアミノ基、4級アミノエチル基、4級アンモニウム基等であればよく、陽イオン交換樹脂でも陰イオン交換樹脂でもいずれも使用することができる。陽イオン交換樹脂を使用した場合には、有効成分は陽イオン交換樹脂に吸着されるので、非吸着物質を十分に分離した後、硫酸、塩酸等の酸性溶液や塩化ナトリウム等の塩溶液で有効成分を溶出する。陰イオン交換樹脂を使用した場合には、有効成分は陰イオン交換樹脂に吸着されないので、有効成分を含む非吸着画分を回収する。膜分画法の場合、セルロース系、酢酸セルロース系、ポリスルホン系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリ四フッ化エチレン系、ポリエステル系、ポリプロピレン系等で分画分子量が1000〜100000の範囲の限外濾過(UF)膜を使用して植物抽出物のUFを行い、有効成分を含む透過液を回収する。また、食塩阻止率30〜80%のナノフィルトレーション(NF)膜を使用して有効成分溶液のNFを行い、脱塩する。ゲル濾過法の場合、植物抽出物を中和し、ゲル濾過担体を充填したカラムに通して分子量分画により有効成分を回収する。使用するゲル濾過担体は、デキストラン系、アクリルアミド系、アガロース系、セルロース系、ポリビニル系、ガラス系、ポリスチレン系などで分画分子量が100〜100000の範囲のものである。電気透析法の場合、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とによって仕切られた各膜間に植物抽出物と食塩水とを交互に供給して電気透析を行う。電気透析の条件は、初期電流密度が0.5〜15A/dm2、電圧が0.1〜1.5V/槽などが挙げられる。
本発明の植物抽出物はそのまま細胞賦活化剤、抗老化剤、コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、抗酸化剤として利用しても良いが、化粧品・医薬部外品(皮膚外用剤、浴用剤、育毛剤等)、医療用品、衛生用品または医薬品に配合して利用することが好ましい。本発明の植物抽出物を配合する濃度は、吸収程度、作用程度、製品形態、使用頻度などによって決められ、特に限定されるものではないが、通常は0.0001〜100%、好ましくは0.0005〜75%、より好ましくは0.001〜50%である。
本発明の「細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物」は、天然植物由来であるために化学合成品に比べて安全性が極めて高い(化学合成に使用する基質、触媒、不要な反応物などの混入が一切ない)。植物の中でも国民1人・1年当たり供給純食料が多い食用植物由来の植物抽出物は安全性が高く、例えば平成15年度の国民1人・1年当たり供給純食料は、米が61.9kg、小麦が32.6kg、甘藷が4.6kg、馬鈴薯が15.2kg、大豆が6.7kg、みかんが5.5kg、りんごが8.2kgである。特に機能性食品において化学合成品は使用不可であり、化粧品においても天然物特に植物由来が望まれている。また、植物由来の抽出物中には種々の天然成分が含まれており、その成分が相乗的に作用することによってより高い効果が期待される。コスト面では植物由来の場合には、栽培または市販されている植物原料を用いれば良く、特に小麦や大豆の種子は植物原料の中でも安価に販売されており、大量に原料確保することもでき植物抽出物の生産コストは化学合成品に比べて安価である。したがって、本発明の植物抽出物を有効成分とする細胞賦活化剤又は抗老化剤の有用性は非常に高い。
化粧品組成物中の植物抽出物の添加量は、本発明の植物抽出物の有する作用を損なわない範囲で添加すれば良く、通常0.0005〜75質量%が好ましく、0.001〜50質量%がより好ましく、0.01〜30質量%がさらに好ましく0.1〜10質量%が特に好ましい。
本発明の化粧品組成物は、上記の植物抽出物以外に抗菌剤を含有する。抗菌剤は、有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であってもよい。
抗菌剤としては、オウバク抽出液、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸およびそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体などが例示される。
これらの抗菌剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
植物抽出物を含有する化粧品組成物の形態は特に制限されない。したがって、固体、液体、ペースト、ゼリー、粉末などのいずれの状態をとるものであってもよい。このような状態を形成するために、例えばゲル化剤を用いて固化したり、液体を用いて分散状態にしたりすることができる。また、溶媒を添加して溶液にしたり、噴霧乾燥して粉末状にしたりすることもできる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、優れた細胞賦活化効果、コラーゲン産生促進効果、ヒアルロン酸産生促進効果、抗酸化効果、保湿効果及び老化防止効果を有しており、皮膚表面に適度な潤いを与えてハリとツヤを保つことが確認されている。
例えば、本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は化粧品として使用することができる。化粧品としては、化粧石鹸、シャンプー、洗顔料、リンス、アイクリーム、アイシャドウ、クリーム・乳液、化粧水、香水、おしろい、化粧油、頭髪用化粧品、染毛料、練香水、パウダー、パック、クレンジングクリーム、ひげそり用クリーム、ひげそり用ローション、日焼けオイル、日焼け止めオイル、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ファンデーション、粉末香水、ほお紅、マスカラ、眉墨、爪クリーム、美爪エナメル、美爪エナメル除去液、洗毛料、浴用化粧品、口紅、リップクリーム、アイライナー、歯磨き、デオドラント剤、オーデコロン、養毛剤および育毛剤などが例示される。また、本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、軟膏剤や湿布剤などとして使用することもできる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物には、使用目的に応じて様々な成分をさらに添加させておくことができる。
例えば、植物抽出物を含有する化粧品組成物は、非イオン性界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、油類、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル、シリコーンなどに溶解して用いてもよい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
POE系の親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油およびその硬化油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などが挙げられる。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等が挙げられる。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等が挙げられる。
上述のように、本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、化粧品以外に、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品に配合して利用されることができる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物を、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品の形態で実施する場合、剤形は限定されず、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、丸剤、錠剤、固形剤、液剤、ゲル、気泡、乳液、クリーム、軟膏、シート、ムース、浴用剤など多様なものとすることができる。
医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品としては、例えば内用・外用薬用製剤、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パックなどの基礎化粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、整髪料、パーマ剤、ヘアートニック、染毛料、育毛・養毛料などの頭髪化粧料、ファンデーション、白粉、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、眉墨、まつ毛などのメークアップ化粧料、美爪料などの仕上げ用化粧料、香水類、浴用剤、その他、歯磨き類、口中清涼剤・含嗽剤、液臭・防臭防止剤、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュなどが挙げられる。また、本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、軟膏剤や湿布剤などとして使用することもできる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が期待できる限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品に使用される成分や添加剤を併用して配合することができる。これらの成分や添加剤としては、ロウ類、鉱物油、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、金属セッケン、ガム質および水溶性高分子化合物、界面活性剤、ビタミン類、アミノ酸、動物あるいは植物、生薬の抽出物やエキス、微生物培養代謝物、α−ヒドロキシ酸、無機顔料、収斂剤、殺菌・消毒薬、頭髪用剤、香料、色素・着色剤、甘味料、栄養強化剤などが挙げられる。
例えば、ロウ類としては、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウなどが挙げられる。
例えば、鉱物油としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス、ポリエチレン末、スクワレン、スクワラン、プリスタンなどが挙げられる。
例えば、脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸などの合成脂肪酸が挙げられる。
例えば、アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの天然アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール、酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、バチルアルコール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、ブドウ糖、ショ糖などの多価アルコール類などが挙げられる。
例えば、エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどが挙げられる。
例えば、金属セッケンとしては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛などが挙げられる。
例えば、ガム質および水溶性高分子化合物としては、アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシアルキルキチン、キトサン、ヒドロキシアルキルキチン、低分子キトサン、キトサン塩、硫酸化キチン、リン酸化キチン、アルギン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイドまたはその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
例えば、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アミン塩、四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤(カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤)、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤などが挙げられる。
例えば、ビタミン類としては、ビタミンA群ではレチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群では、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群では、アスコルビン酸およびその誘導体、ビタミンD群では、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群では、トコフェロールおよびその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群では、フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)などが挙げられる。
例えば、アミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンなどや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、あるいはピロリドンカルボン酸の如きアミノ酸誘導体などが挙げられる。
例えば、動物あるいは植物、生薬の抽出物やエキスとしては、アセンヤク(阿仙薬)、アシタバ、アセロラ、アルテア、アルニカ、アボカド、アマチャ(甘茶)、アロエ、アロエベラ、イラクサ、イチョウ(銀杏葉、銀杏)、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金)、ウスバサイシン(細辛)、ウメ(烏梅)、ウラジロガシ、ウワウルシ、ノイバラ(営実)、ヒキオコシ(延命草)、オウギ(黄耆)、コガネバナ(オウゴン)、ヤマザクラ(桜皮)、キハダ(黄柏)、オウレン(黄連)、オタネニンジン(人参)、オトギリソウ(弟切草)、オドリコソウ、オランダガラシ、オレンジ、イトヒメハギ(遠志)、ウツボグサ(夏枯草)、ツルドクダミ(何首烏)、エンジュ(槐花)、ヨモギ(ガイ葉)、ガジュツ(莪朮)、クズ(葛根)、カノコソウ(吉草根)、カミツレ、キカラスウリ(瓜呂根)、カワラヨモギ(茵チン蒿)、カンゾウ(甘草)、フキタンポポ(款冬花、款冬葉)、キイチゴ、キウイ果実、キキョウ(桔梗)、キク(菊花)、キササゲ(梓実)、ミカン属植物果実(枳実)、タチバナ(橘皮)、キュウリ、ウドまたはシシウド(羌活、独活)、アンズ(杏仁)、クコ(地骨皮、枸杞子、枸杞葉)、クララ(苦参)、クスノキ、クマザサ、グレープフルーツ果実、ニッケイ(桂皮)、ケイガイ(ケイガイ)、エビスグサ(決明子)、マルバアサガオまたはアサガオ(ケン牛子)、ベニバナ(紅花)、ゴバイシ(五倍子)、コンフリー、コパイバ、クチナシ(山梔子)、ゲンチアナ、ホオノキ(厚朴)、ヒナタイノコズチ(牛膝)、ゴシュユ(呉茱萸)、ゴボウ、チョウセンゴミシ(五味子)、米、米ぬか、コムギ、ミシマサイコ(柴胡)、サフラン、サボンソウ、サンザシ(山ザ子)、サンショウ(山椒)、サルビア、サンシチニンジン(三七人参)、シイタケ(椎茸)、ジオウ(地黄)、シクンシ(使君子)、ムラサキ(紫根)、シソ(紫蘇葉、紫蘇子)、カキ(柿蒂)、シャクヤク(芍薬)、オオバコ(車前子、車前草)、ショウガ(生姜)、ショウブ(菖蒲)、トウネズミモチ(女貞子)、シモツケソウ、シラカバ、スイカズラ(金銀花、忍冬)、セイヨウキヅタ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウニワトコ、アズキ(赤小豆)、ニワトコ(接骨木)、ゼニアオイ、センキュウ(川キュウ)、センブリ(当薬)、クワ(桑白皮、桑葉)、ナツメ(大棗)、ダイズ、タラノキ、チクセツニンジン(竹節人参)、ハナスゲ(知母)、ワレモコウ(地楡)、ドクダミ(十薬)、フユムシナツクサタケ(冬虫夏草)、トウガラシ、ホオズキ(登呂根)、タチジャコウソウ、リョクチャ(緑茶)、コウチャ(紅茶)、チョウジ(丁子)、ウンシュウミカン(陳皮)、ツバキ、ツボクサ、トウガラシ(番椒)、トウキ(当帰)、トウキンセンカ、ダイダイ(橙皮)、ワレモコウ(地楡)、トウモロコシ(南蛮毛)、トチュウ(杜仲、杜仲葉)、トマト、ナンテン(南天実)、ニンニク(大サン)、オオムギ(麦芽)、ハクセン(白蘚皮)、ジャノヒゲ(麦門冬)、パセリ、バタタ、ハッカ(薄荷)、ハマメリス、バラ、ビワ葉(枇杷葉)、マツホド(茯リョウ)、ブドウまたはその葉、ヘチマ、ボダイジュ、ボタン(牡丹皮)、ホップ、マイカイ(マイ瑰花)、松葉、マロニエ、マンネンロウ、ムクロジ、メリッサ、メリロート、ボケ(木瓜)、モヤシ、モモ(桃仁、桃葉)、ヒオウギ(射干)、ビンロウジュ(檳ロウ子)、メハジキ(益母草)、ヤグルマギク、ユキノシタ(虎耳草)、ヤマモモ(楊梅皮)、ヤシャブシ(矢車)、ハトムギ(ヨクイニン)、モウコヨモギ、ヤマヨモギ、ラベンダー、リンゴ果実、マンネンタケ(霊芝)、レモン果実、レンギョウ(連翹)、レンゲソウ、ゲンノショウコ(老鸛草)、ハシリドコロ(ロート根)、鶏トサカ、牛・人の胎盤抽出物、豚・牛の胃、十二指腸、或いは腸の抽出物若しくはその分解物、水溶性コラーゲン、水溶性コラーゲン誘導体、コラーゲン加水分解物、エラスチン、エラスチン加水分解物、水溶性エラスチン誘導体、シルク蛋白、シルク蛋白分解物、牛血球蛋白分解物などが挙げられる。
例えば、微生物培養代謝物としては、酵母エキス、亜鉛含有酵母エキス、ゲルマニウム含有酵母エキス、セレン含有酵母エキス、マグネシウム含有酵母エキス、米醗酵エキス、ユーグレナ抽出物、脱脂粉乳の乳酸発酵物などが挙げられる。
例えば、α−ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などが挙げられる。
例えば、無機顔料としては、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミンなどが挙げられる。
例えば、収斂剤としては、乳酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、アラントイン、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン、p−フェノールスルホン酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、レソルシン、塩化第二鉄、タンニン酸などが挙げられる。
例えば、殺菌・消毒薬としては、アクリノール、イオウ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、クレゾール、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリンまたはその加水分解物などが挙げられる。
例えば、頭髪用剤としては、二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム液、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カスタリチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、塩酸キニーネ、強アンモニア水、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、チオグリコール酸などが挙げられる。
例えば、香料としては、ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、檜精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油などの植物性香料、その他合成香料などが挙げられる。
例えば、色素・着色剤としては、赤キャベツ色素、赤米色素、アカネ色素、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、エンジュ色素、オキアミ色素、柿色素、カラメル、金、銀、クチナシ色素、コーン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、スピルリナ色素、ソバ全草色素、チェリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、ブドウ果汁色素、マリーゴールド色素、紫イモ色素、紫ヤマイモ色素、ラック色素、ルチンなどが挙げられる。
例えば、甘味料としては、砂糖、甘茶、果糖、アラビノース、ガラクトース、キシロース、マンノース、麦芽糖、蜂蜜、ブドウ糖、ミラクリン、モネリンなどが挙げられる。
例えば、栄養強化剤としては、貝殻焼成カルシウム、シアノコラバミン、酵母、小麦胚芽、大豆胚芽、卵黄粉末、ヘミセルロース、ヘム鉄などが挙げられる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物に配合することができる成分や添加剤としては、その他、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質およびその分解物、動・植物性多糖類およびその分解物、動・植物性糖蛋白質およびその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、調味料、酵素などが挙げられる。
本発明の植物抽出物を含有する化粧品組成物は、保湿効果、コラーゲン生成促進効果、ヒアルロン酸生成促進効果、細胞賦活化効果、抗酸化効果、抗老化効果、育毛効果及び肌荒れ改善効果などが必要とされる場合に広く使用することができる。使用量は、所期の保湿効果、コラーゲン生成促進効果、ヒアルロン酸生成促進効果、細胞賦活効果、抗酸化効果、抗老化効果、育毛効果及び肌荒れ改善効果などを十分に奏する範囲内で決定する。
本発明の化粧品組成物は、前記のような効果から、化粧品組成物や化粧品として利用されることは勿論であるが、その他にも、医薬部外品組成物、医療用品組成物、衛生用品組成物、医薬品組成物、機能性食品組成物や、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品などの形態やプレミックス品などの形態で利用することができる。
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
実施例1:ダイズ胚芽(ダイズ胚)からの本発明の植物抽出物の調製
100gのダイズ胚芽(フォーユー社製)に500mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)とした。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W−X4,200−400mesh,H+型,バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、細胞賦活化及び抗老化成分を樹脂に吸着させた。0.7N NaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸で細胞賦活化及び抗老化成分を溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)とした。植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー,アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
100gのダイズ胚芽(フォーユー社製)に500mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)とした。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W−X4,200−400mesh,H+型,バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、細胞賦活化及び抗老化成分を樹脂に吸着させた。0.7N NaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸で細胞賦活化及び抗老化成分を溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)とした。植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー,アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
1kgのダイズ胚芽(フォーユー社製)に5Lの1N塩酸溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を80g添加し、ホモジナイザーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で1時間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで30分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)とした。植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー,アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
実施例2:コムギ胚芽(コムギ胚)からの本発明の植物抽出物の調製
100gのコムギ胚芽(培焼・ローストタイプ,日清ファルマ社製)に500mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)とした。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W−X4,200−400mesh,H+型,バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、細胞賦活化及び抗老化成分を樹脂に吸着させた。0.7N NaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸で細胞賦活化及び抗老化成分を溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)とした。植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー,アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
100gのコムギ胚芽(培焼・ローストタイプ,日清ファルマ社製)に500mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)とした。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W−X4,200−400mesh,H+型,バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、細胞賦活化及び抗老化成分を樹脂に吸着させた。0.7N NaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸で細胞賦活化及び抗老化成分を溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)とした。植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー,アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
1kgのコムギ胚芽(培焼・ローストタイプ,日清ファルマ社製)に5Lの1N塩酸溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を80g添加し、ホモジナイザーでコムギ胚芽を十分に破砕後、室温下で1時間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで30分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)とした。植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー,アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
実施例3:ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物の細胞賦活化作用の評価
ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)を用いた。評価は以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活化作用を評価した。評価結果を、コントロール(水添加)における細胞賦活化作用を100とした相対値にて図1に示す。
ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)を用いた。評価は以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活化作用を評価した。評価結果を、コントロール(水添加)における細胞賦活化作用を100とした相対値にて図1に示す。
図1より明らかなように、ダイズ胚芽抽出物、精製ダイズ胚芽抽出物を添加した培地では、いずれにおいても正常ヒト皮膚線維芽細胞に対して高い細胞賦活化・抗老化効果を有していることが認められた。特に、ダイズ胚芽抽出物では40μg/mL、400μg/mL、800μg/mL、2000μg/mL濃度、精製ダイズ胚芽抽出物では13μg/mL、26μg/mL、65μg/mL濃度においてコントロール(水)と比較して、いずれも20%以上の有意な細胞賦活化・抗老化作用が認められた。以上のことから、これらの本発明の植物抽出物は、優れた細胞賦活化作用を有することが明らかとなり、これらを肌に適用することにより、加齢に伴う繊維芽細胞の衰えが軽減されることでコラーゲンやヒアルロン酸の代謝回転速度の低下が小さくなり、極めて優れた老化防止効果を発揮し、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ等を効果的に改善することができる。
実施例4:コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物の細胞賦活化作用の評価
コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活化作用を評価した。評価結果を、コントロール(水添加)における細胞賦活化作用を100とした相対値にて図2に示す。
コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活化作用を評価した。評価結果を、コントロール(水添加)における細胞賦活化作用を100とした相対値にて図2に示す。
図2より明らかなように、コムギ胚芽抽出物、精製コムギ胚芽抽出物を添加した培地では、いずれにおいても正常ヒト皮膚線維芽細胞に対して高い細胞賦活化・抗老化効果を有していることが認められた。特に、コムギ胚芽抽出物では40μg/mL、400μg/mL、800μg/mL、2000μg/mL濃度、精製コムギ胚芽抽出物では10μg/mL、20μg/mL、50μg/mL濃度においてコントロール(水)と比較して、いずれも20%以上の有意な細胞賦活化・抗老化作用が認められた。以上のことから、これらの本発明の植物抽出物は、優れた細胞賦活化作用を有することが明らかとなり、これらを肌に適用することにより、加齢に伴う繊維芽細胞の衰えが軽減されることでコラーゲンやヒアルロン酸の代謝回転速度の低下が小さくなり、極めて優れた老化防止効果を発揮し、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ等を効果的に改善することができる。
実施例5:ダイズ胚芽由来の本発明の抽出物とコムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物のコラーゲン産生能の評価
ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間または6日間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeI carboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C−peptide(PIP)EIA Kit(TaKaRa)で測定した。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線から試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求め、試料無添加時(コントロールとして水を添加した時)のコラーゲン産生量を100%として算出し、評価を行った。3日間培養した場合の結果を図3に、6日間培養した場合の結果を図4にそれぞれ示す。
ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間または6日間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeI carboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C−peptide(PIP)EIA Kit(TaKaRa)で測定した。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線から試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求め、試料無添加時(コントロールとして水を添加した時)のコラーゲン産生量を100%として算出し、評価を行った。3日間培養した場合の結果を図3に、6日間培養した場合の結果を図4にそれぞれ示す。
図3、図4より明らかなように、ダイズ胚芽抽出物または小麦胚芽抽出物を添加した培地では、ヒト皮膚のコラーゲン産生活性(コラーゲン産生促進作用)が有意に高まることが認められた。全ての抽出物においてコントロール(水)と比較して、いずれも2倍以上の有意なコラーゲン産生促進作用が認められた。大豆胚芽または小麦胚芽由来の本発明の植物抽出物を肌に適用することにより、加齢に伴う繊維芽細胞の衰えが軽減し、コラーゲンの産生を促進してコラーゲン量を維持することができる。その結果、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ等を効果的に改善することができる。
実施例6:ダイズ胚芽由来の本発明の抽出物とコムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物のヒアルロン酸産生能の評価
ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間または6日間同条件にて培養した。培養上清中のヒアルロン酸を測定した。尚プレート上の細胞を0.5%Triton−X100を含む細胞溶解液で溶解し回収後にタンパク質量を測定し(Bio Rad,プロテインアッセイキット)、細胞数の指標とした。ヒアルロン酸の測定は、正常ヒト皮膚線維芽細胞が産生するヒアルロン酸を、ヒアルロン酸プレート「中外」(富士レビオ社)を用いてHyaluronic acid binding protein(HABP)を用いたサンドイッチ法により測定した。植物抽出物を添加していない試料(コントロール(水添加))のヒアルロン酸量を100とした、植物抽出物添加試料のヒアルロン酸量の相対値を算出した。3日間培養した場合の結果を図5に、6日間培養した場合の結果を図6にそれぞれ示す。
ダイズ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間または6日間同条件にて培養した。培養上清中のヒアルロン酸を測定した。尚プレート上の細胞を0.5%Triton−X100を含む細胞溶解液で溶解し回収後にタンパク質量を測定し(Bio Rad,プロテインアッセイキット)、細胞数の指標とした。ヒアルロン酸の測定は、正常ヒト皮膚線維芽細胞が産生するヒアルロン酸を、ヒアルロン酸プレート「中外」(富士レビオ社)を用いてHyaluronic acid binding protein(HABP)を用いたサンドイッチ法により測定した。植物抽出物を添加していない試料(コントロール(水添加))のヒアルロン酸量を100とした、植物抽出物添加試料のヒアルロン酸量の相対値を算出した。3日間培養した場合の結果を図5に、6日間培養した場合の結果を図6にそれぞれ示す。
図5、図6より明らかなように、ダイズ胚芽抽出物又は小麦胚芽抽出物を添加した培地では、ヒト皮膚のヒアルロン酸産生率が有意に高まることが認められた。全ての抽出物においてコントロールと比較して、いずれも有意なヒアルロン酸産生促進作用が認められた。大豆胚芽または小麦胚芽由来の本発明の植物抽出物を肌に適用することにより、加齢に伴う繊維芽細胞の衰えが軽減し、ヒアルロン酸の産生を促進してヒアルロン酸量を維持することができる。その結果、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ等を効果的に改善することができる。
実施例7:抗菌剤を含む大豆由来の本発明の植物抽出物美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。大豆由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている1Nの塩酸溶液で調製した植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コントロール(比較例7)として、ダイズ胚芽抽出物を含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
ダイズ胚芽抽出物 2.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。大豆由来の本発明の植物抽出物は実施例1に記載されている1Nの塩酸溶液で調製した植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コントロール(比較例7)として、ダイズ胚芽抽出物を含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
ダイズ胚芽抽出物 2.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
実施例8:抗菌剤を含む小麦由来の本発明の植物抽出物美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。小麦由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている1Nの塩酸溶液で調製した植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
コムギ胚芽抽出物 2.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。小麦由来の本発明の植物抽出物は実施例2に記載されている1Nの塩酸溶液で調製した植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
コムギ胚芽抽出物 2.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
美容液の評価(対照区)
比較例7の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、ヒリヒリ感のなさ、しっとり感、かさつき難さについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表1に示す。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
比較例7の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、ヒリヒリ感のなさ、しっとり感、かさつき難さについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表1に示す。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
美容液の評価(ダイズ胚芽抽出物)
実施例7に示した組成の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、ヒリヒリ感のなさ、しっとり感、かさつき難さについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表2に示す。なお、いずれの場合も、ダイズ胚芽抽出物を含む美容液において、のび、しっとり感は良好で、刺激性の指標としたヒリヒリ感はなくなり、また、抗菌効果の指標としてのかさつき難さも改善され全ての項目において良好と評価された。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
実施例7に示した組成の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、ヒリヒリ感のなさ、しっとり感、かさつき難さについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表2に示す。なお、いずれの場合も、ダイズ胚芽抽出物を含む美容液において、のび、しっとり感は良好で、刺激性の指標としたヒリヒリ感はなくなり、また、抗菌効果の指標としてのかさつき難さも改善され全ての項目において良好と評価された。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
美容液の評価(コムギ胚芽抽出物)
実施例8に示した組成の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、ヒリヒリ感のなさ、しっとり感、かさつきにくさについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表3に示す。なお、いずれの場合も、コムギ胚芽抽出物を含む美容液において、のび、しっとり感は良好で、刺激性の指標としたヒリヒリ感はなくなり、また、抗菌効果の指標としてのかさつき難さも改善され全ての項目において良好と評価された。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
実施例8に示した組成の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、ヒリヒリ感のなさ、しっとり感、かさつきにくさについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表3に示す。なお、いずれの場合も、コムギ胚芽抽出物を含む美容液において、のび、しっとり感は良好で、刺激性の指標としたヒリヒリ感はなくなり、また、抗菌効果の指標としてのかさつき難さも改善され全ての項目において良好と評価された。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
本発明の細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物を含有する化粧品組成物により、保湿作用、コラーゲン生成促進作用、ヒアルロン酸生成促進作用、細胞賦活化作用、抗酸化作用、抗老化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などの効果を有する、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品、医薬品を提供することができる。また、本発明により、抗菌剤を含有する皮膚外用剤において、刺激性の少ない皮膚外用剤を提供することができ、さらに、従来より、原料コストが安価であり、大量生産可能となり、長期にわたる使用に十分に耐え得ることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。
Claims (4)
- 細胞賦活化、コラーゲン産生促進、及びヒアルロン酸産生促進からなる群から選ばれた少なくとも1種の作用を有する植物抽出物と抗菌剤を含有することを特徴とする化粧品組成物。
- 植物抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料由来の抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の化粧品組成物。
- 抗菌剤が有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧品組成物。
- 化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品または医薬品として利用されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧品組成物。
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-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008079760A patent/JP2009234940A/ja active Pending
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EP3677248A4 (en) * | 2018-07-24 | 2020-11-18 | Genetic Bio-Lab Co., Ltd. | ANTI-AGING AGENT FOR THE SKIN AND ANTI-AGING ASSOCIATED GENE EXPRESSION REGULATOR |
US11554092B2 (en) | 2018-07-24 | 2023-01-17 | Genetic Bio-Lab Co., Ltd. | Anti-aging agent for skin and anti-aging-related gene expression regulator |
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CN114748385B (zh) * | 2022-04-08 | 2022-12-09 | 广州优理氏生物科技有限公司 | 一种具有抗皱去黑眼圈改善眼袋作用的组合物及眼霜 |
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