JP7082565B2 - 泡造形物形成方法 - Google Patents

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本発明は、容器に収容した内容物を泡状にして吐出させる泡吐出器を用いて、例えば手のひらの上に泡造形物を形成するための泡造形物形成方法に関する。
容器に収容した内容物を泡状にして吐出する泡吐出器においては、近年、吐出した内容物によって所定形状の造形物が形成されるものが出始めている。例えば特許文献1に示された吐出ヘッドは、頂部に位置する造形壁に、内容物が通過する複数の成形孔が設けられていて、これらの成形孔から吐出される内容物の造形要素が造形壁の面上で組み合わさることで、所定の造形物(例えば薔薇のような八重咲きの花を模したもの)が形成されるように構成されている。
特開2016-26962号公報
ところで特許文献1の吐出ヘッドは、頂部の造形壁で形成された造形物を手などで拭って塗布するものであるが、例えば手のひら等の受容物の上で泡状の内容物を所定の形状に造形することができれば、塗布先に塗布する直前まで造形物の形状を楽しむことができるうえ、形作られた泡造形物をそのまま塗布先に塗布することができる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、所定の泡吐出器によって手のひらの上等で泡造形物を形成するための泡造形物形成方法を提案することを目的とする。
本発明は、容器に収容した内容物を泡状にして吐出させる泡吐出器を用いて、受容物の上面に泡造形物を形成するための泡造形物形成方法であって、
前記泡吐出器は、
前記容器の内容物を吸引するポンプと、
上方付勢され、下方に押し下げることによって前記ポンプを駆動させることが可能であって、内部には該ポンプから送給される内容物を通す上流側通路を有する押圧ヘッドと、
一端側には前記押圧ヘッドに連結する連結部を有する一方、他端側には下方に向けて指向させた環状外周壁と環状内周壁とを有し、内部には前記上流側通路に通じるとともに該環状外周壁と該環状内周壁との相互間を通過する下流側通路を有していて、該下流側通路の出口には該ポンプによって送給された内容物を吐出させる吐出口を有する吐出部材と、を備えるものであり、
前記押圧ヘッドが上方付勢された状態で前記吐出部材の下方に前記受容物を位置させ、
次いで、前記押圧ヘッドを下方に押し下げることによって前記ポンプを駆動させ、前記吐出口から吐出させた泡状の内容物が前記受容物の上面で該環状内周壁を取り囲む状態とし、
しかる後、前記押圧ヘッドが復帰し始めると、前記環状内周壁の上昇に伴って、前記受容物の上面に吐出させた泡状の内容物と該環状内周壁との間に筒状をなす内容物の膜が形成され、
更に、前記押圧ヘッドの復帰が継続するに伴って、筒状をなす内容物の膜が前記環状内周壁から分離する一方、前記受容物の上面には、リング状をなす泡状の内容物とその中心部の孔を覆う内容物の膜とを有する泡造形物が形成される、泡造形物形成方法である。
前記環状内周壁の内側は、上下方向に連通することが好ましい。
前記環状内周壁は、該環状内周壁の下方において、上下方向に沿って筒状に延在する下部筒状壁を有することが好ましい。
本発明に従う泡造形物形成方法によれば、上述した構成になる泡吐出器を容器に装着した状態で、例えば手のひらを吐出部材の下に差し入れて反対の手で押圧ヘッドを押し下げると、ポンプの駆動によって吐出口から吐出させた泡状の内容物は、受容物の上面で環状内周壁を取り囲む状態となる。その後、押圧ヘッドが復帰し始めると、環状内周壁の上昇に伴って、受容物の上面に吐出させた泡状の内容物と環状内周壁との間には筒状をなす内容物の膜が形成され、更に押圧ヘッドの復帰が継続するに伴って、筒状をなす内容物の膜が環状内周壁から分離する一方、受容物の上面には、リング状をなす泡状の内容物とその中心部の孔を覆う内容物の膜とを有する泡造形物が形成される。このように本発明に従う泡造形物形成方法によれば、泡状の部分と膜の部分を組み合わせた泡造形物を形成することができるため、珍しさから目を惹くことができる。また、塗布先に塗布する直前まで手のひらの上の泡造形物を目で見て楽しむことができるうえ、手のひらの泡造形物をそのまま塗布先に塗布することができる。
本発明の泡造形物形成方法で使用する泡吐出器の第一実施形態を示した側面視での断面図である。 図1の泡吐出器を構成する上側ノズル部材につき、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA-Aに沿う断面図であり、(c)は背面図である。 図1の泡吐出器を構成する下側ノズル部材につき、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(a)のB-Bに沿う断面図である。 図1の泡吐出器を用いた泡造形物形成方法について説明するための図であって、(a)は上方付勢された押圧ヘッドの下方に手のひらを差し入れた状態を側方から示した図であり、(b)は押圧ヘッドを押し下げて手のひらの上に内容物を吐出させた状態を示した図であり、(c)は押圧ヘッドが上方へ復帰し始めて手のひらの上に吐出させた泡状の内容物と環状内周壁との間に筒状をなす内容物の膜が形成される状況を説明する図であり、(d)は更に押圧ヘッドが上昇して筒状をなす膜が環状内周壁から分離する直前の状況を説明する図である。 図4(d)で示した状態の後、手のひらの上にリング状をなす泡状の内容物とその中心部の孔を覆う内容物の膜とを有する泡造形物が形成された状態について示した図であって、(a)は側方から示した図であり、(b)はその泡造形物の平面図である。 第一実施形態の泡吐出器を使用して手のひらの上で形成させた泡造形物の写真である。 図6で示した状態から時間が経過して中心部の孔を覆う内容物の膜が割れた後の泡造形物の写真である。 本発明の泡造形物形成方法で使用する泡吐出器の第二実施形態を示した側面視での断面図である。 図8の泡吐出器を構成する下側ノズル部材につき、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(a)のC-Cに沿う断面図である。 図8の泡吐出器から内容物を吐出させる状況について説明するための図であって、(a)は不図示の押圧ヘッドを押し下げて手のひらの上に内容物を吐出させた状態を側方から示した図であり、(b)は押圧ヘッドが上昇して筒状をなす内容物の膜が環状内周壁から分離する直前の状況を説明する図であり、(c)は手のひらの上にリング状をなす泡状の内容物とその中心部の孔を覆う内容物の膜とを有する泡造形物が形成された状態を側方から示した図であり、(d)はその泡造形物の平面図である。
まず、本発明の泡造形物形成方法で使用する泡吐出器の第一実施形態について、図1~図3を参照しながら説明する。なお、本明細書等において、「上」側、「下」側とは、図1に示すようにシリンダー(符号20)が下方に位置し、押圧ヘッド(符号3)が上方に位置する状態での向きをいう。
本実施形態の泡吐出器は、ベースキャップ1、ポンプ2、押圧ヘッド3、吐出部材4を備えていて、不図示の容器に装着して使用される。また本実施形態の吐出部材4は、上側ノズル部材5と下側ノズル部材6を組み合わせて構成されている。
ベースキャップ1は、円筒状をなす容器の口部に装着され、この口部に対してポンプ2を保持するものである。本実施形態のベースキャップ1は、有蓋筒状をなすとともに中央部に貫通孔を有するベースキャップ本体1aと、この貫通孔を取り囲んでベースキャップ本体1aから上方に向けて延在する筒状壁1bとを備えている。なお、ベースキャップ本体1aの内周面には、雌ねじ状に形成された不図示の雌ねじ部が設けられていて、これに適合する雄ねじ部を口部の外周面に備える容器に対して装着することができる。なお、ベースキャップ1を容器に装着するには、他の手段(例えばアンダーカット)を利用してもよい。
本実施形態のポンプ2は、下方に位置する小径筒体20aと、小径筒体20aの上端部に連結する大径筒体20bとを備え、小径筒体20aと大径筒体20bとを直列状に配置した構成をなすとともにベースキャップ1に保持されるシリンダー20を備えている。図示は省略するが、シリンダー20の内側には、小径筒体20aの内周面に対して摺動可能であって、上方付勢された内容物用ピストンと、大径筒体20bの内周面に対して摺動可能な空気用ピストンが配置されている。また小径筒体20aの下部には、ベースキャップ1を容器の口部に装着した際、容器の底部に向けて延在するパイプ21が設けられている。
またポンプ2は、上述したベースキャップ本体1aの貫通孔に挿通される円筒状のステム22を備えている。またステム22の上部には、ホルダー23が取り付けられていて、ホルダー23の内側には、網目状のメッシュを備える発泡部材24が取り付けられている。詳細な説明は省略するが、ステム22は内容物用ピストンと空気用ピストンに連結するものであって、内容物用ピストンを介して上方付勢されている。またステム22を押し下げると、内容物用ピストンと空気用ピストンとがシリンダー20内で摺動し、これによって小径筒体20a内の内容物と大径筒体20b内の空気がステム22の内部に送給される。その後は、混合した内容物と空気が発泡部材24を通過することにより、これらを発泡させることができる。
押圧ヘッド3は、角筒状をなし水平方向に指向されたノズル3aと、ノズル3aに連結する天壁3bと、天壁3bの下面から下方に向けて延在し、ホルダー23とステム22を取り囲んでこれらに連結する内側筒部3cと、ベースキャップ1における筒状壁1bよりも大径になる外側筒部3dとを備えている。なお、押圧ヘッド3における内側筒部3cとノズル3aの内部には、発泡部材24を通過した発泡した内容物を送給する通路(上流側通路)T1が設けられている。また押圧ヘッド3をステム22に取り付けた際、上方付勢されるステム22によって、押圧ヘッド3も上方付勢された状態にある。
吐出部材4を構成する上側ノズル部材5は、図2に示すように角筒状をなし、水平方向に長く延在する連結部5aを備えている。連結部5aの一方の端部には、連結部5aの外周面を周回する突起(ストッパー)5bが設けられている。また連結部5aの他方の端部には、連結部5aの内側に形成される通路(連結通路Ta)に連通するとともに下方に向けて指向する環状の周壁(環状外周壁)5cが設けられている。本実施形態の環状外周壁5cは、上部の外径は略同一である一方、下部の外径は下方に向けて拡径するものである。また環状外周壁5cの内面には、断面形状が半円状であって、周方向に延在して環状をなす係合突起5dが設けられている。また環状外周壁5cの径方向内側には、上下方向に貫通する筒状の内筒壁5eが設けられている。そして内筒壁5eの下部には、内筒壁5eの内周面を径方向外側に広げた収容部5fが設けられている。
下側ノズル部材6は、図3に示すように環状の周壁(環状内周壁)6aを備えている。本実施形態の環状内周壁6aは、上部は略同一の外径である一方、下部は、下方に向けて拡径するように形成されている。環状内周壁6aは、その上部において、筒状をなすとともに環状内周壁6aの上部における外径よりも小径になる上部筒状壁6bを備えていて、また下部には、下方に向けて略同一の外径で延在する筒状の下部筒状壁6cを備えている。そして環状内周壁6aの外面には、上下方向に延在する縦リブ6dと、縦リブ6dの上部を径方向外側に膨出させた形態をなす爪部6eが設けられている。本実施形態の縦リブ6dと爪部6eは、周方向に等間隔で合計4つ設けられている。
このような形態になる上側ノズル部材5と下側ノズル部材6は、上側ノズル部材5の下方から下側ノズル部材6を挿入することにより、図1に示すように上部筒状壁6bを収容部5fに挿入し、また爪部6eを係合突起5dに係合させて両者を組み合わせている。また、連結部5aの端部をノズル3aの内側に挿入することで、上側ノズル部材5は押圧ヘッド3に嵌合保持される。なお、連結部5aをノズル3aに挿入していくと、ストッパー5bがノズル3aの先端に当接するため、連結部5aがノズル3aに過剰に押し込まれることはない。
また、図1に示すように上側ノズル部材5と下側ノズル部材6を組み合わせた際、環状外周壁5cと環状内周壁6aの間には、環状に区画されるとともに連結通路Taに連通する環状通路Tbが形成される。ここで、連結通路Taと環状通路Tbを総称して下流側通路T2と称する。そして、組み合わせた上側ノズル部材5と下側ノズル部材6を押圧ヘッド3に取り付けることによって、上流側通路T1と下流側通路T2とを連通させることができる。なお図1に示すように、本実施形態における下流側通路T2の出口である、環状外周壁5cの外縁部付近に位置する側方へ向けて指向する環状開口を吐出口D1と称する。本実施形態の吐出口D1の開口幅(環状外周壁5cの外縁部付近における環状外周壁5cと環状内周壁6aとの径方向の隙間)は、周方向にほぼ一定となっている。また、上側ノズル部材5と下側ノズル部材6を組み合わせた際、環状内周壁6aの内側は、収容部5fに上部筒状壁6bが挿入されることにより、上下方向に連通している。
このような形態になる泡吐出器は、内容物を収容した不図示の容器にパイプ21、シリンダー20を挿入し、この容器の口部にベースキャップ1をねじ込むことによって、容器に装着される。そして、上方付勢された押圧ヘッド3を下方に押し下げることによってステム22も押し下げられ、内容物用ピストンと空気用ピストンもシリンダー20内で下方に向けて摺動するため、小径筒体20a内の内容物と大径筒体20b内の空気はステム22の内部に送給され、混合した状態で発泡部材24を通過して発泡する。その後は、上流側通路T1と下流側通路T2を通過させて、環状の吐出口D1から泡状の内容物を吐出することができる。
ここで、本実施形態における泡吐出器で吐出した内容物によって形作られる泡造形物について、図4を参照しながら詳細に説明する。例えば手のひらの上に泡造形物を形成する場合は、押圧ヘッド3が上方付勢された状態で、図4(a)に示すように、下側ノズル部材6の下面に手のひらHを当てておく。そして反対の手で押圧ヘッド3を押し下げると、ポンプ2が駆動して泡状の内容物が吐出口D1から手のひらHの上に吐出される。ここで、手のひらHの上に吐出される泡状の内容物N1の内縁部は、環状内周壁6aの外面(特に下部筒状壁6cの外面)を取り囲むような状態となっている。また内容物N1の外縁部は、円形に近い状態で形作られる(図5(b)参照)。
そして、押圧ヘッド3を押し下げていた手の力を緩めると、押圧ヘッド3が上方へ向けて復帰し始め、図4(c)に示すように、下側ノズル部材6が手のひらHから離反していく。そして下側ノズル部材6が上昇するにつれ、手のひらHに吐出された内容物N1と下部筒状壁6cとの間には、筒状になる内容物の膜N2が形成される。なお、環状内周壁6aの下方に設けた下部筒状壁6cは上下方向に沿って延在しているため、内容物N1の内縁部分は垂直に近い形状となっている。このため、下側ノズル部材6が手のひらHから離反していっても、内容物N1の内縁部分は径方向内側に流れ難い状態にある。
ところで図4(c)、(d)に示すように、下側ノズル部材6が手のひらHから離反していくと、環状内周壁6a、筒状になる膜N2、及び手のひらHで区画される空間の容積は増えていくことから、この空間が閉じられていると空間内は負圧状態となる。一方、本実施形態における環状内周壁6aの内側は上下方向に連通しているため、空間内が負圧状態になることが避けられる。すなわち、押圧ヘッド3の復帰が進んで下側ノズル部材6が手のひらHから大きく離隔するまで、筒状の膜N2は割れずに維持される。また空間内が負圧状態になることが避けられるため、手のひらHに吐出された内容物N1の内縁部分が径方向内側に引き寄せられる作用も働かず、内縁部分は垂直に近い状態で維持される。
そして更に押圧ヘッド3が上昇すると、筒状をなす内容物の膜N2が環状内周壁6aから分離して、手のひらHの上には、図5に示すようにリング状をなす泡状の内容物N1とその中心部の孔を覆う内容物の膜N3とを有する泡造形物が形成される。なお、上述したように内容物N1の内縁部分は垂直に近い状態で維持されるため、本実施形態の泡吐出器によれば、中心部の孔が比較的はっきりとした円形になるリング状の泡造形物を形成することができる。また中心部の孔を覆う内容物の膜N3は、吐出後比較的短時間で割れてしまうものもあるが、内容物の種類や周囲の環境によっては、しばらくの間、その形状が維持される。図6に示した写真は、本実施形態の泡吐出器を使用して手のひらの上で形成させた泡造形物を写したものである。また図7は、図6で示した状態から時間が経過して中心部の孔を覆う内容物の膜が割れた後の泡造形物の写真である。
本発明の泡造形物形成方法で使用する泡吐出器は、上述した実施形態に限られず、以下に説明する第二実施形態のようにして具現化したものでもよい。図8、図9に示す第二実施形態の泡吐出器は、上述した下側ノズル部材6に替えて、下側ノズル部材7を備えるものである。
図9に示すように下側ノズル部材7は、環状内周壁6a、上部筒状壁6b、及び下部筒状壁6cと同様の構成になる環状内周壁7a、上部筒状壁7b、及び下部筒状壁7cを備えている。また環状内周壁7aの外面には、環状内周壁7aと同様にして下方に向けて拡径するリブ7dが設けられ、リブ7dの上部には、径方向外側に膨出する爪部7eが設けられている。本実施形態のリブ7dと爪部7eは、周方向に等間隔で合計5つ設けられている。
このような下側ノズル部材7も、上側ノズル部材5の下方から挿入することによって、図8に示すように上部筒状壁7bが収容部5fに挿入され、爪部7eが係合突起5dに係合して上側ノズル部材5に保持される。なお、図8に示すように上側ノズル部材5と下側ノズル部材7を組み合わせた際、環状外周壁5cの内面とリブ7dの外面との間には隙間が殆どない状態になっている。すなわち本実施形態において、環状外周壁5cと環状内周壁7aの間には、隣り合うリブ7dの間が通路になる放射状通路Tcが形成される。なお、上述した連結通路Taと放射状通路Tcを総称して下流側通路T3と称する。また、下流側通路T3の出口である、環状外周壁5cの外縁部付近には、周方向に間欠状に並ぶ吐出口D2が形成される。
第二実施形態の泡吐出器を使用して手のひらの上に泡造形物を形成する際も、押圧ヘッド3が上方付勢された状態で、下側ノズル部材7の下面に手のひらを当てておき、反対の手で押圧ヘッド3を押し下げる。その結果、ポンプ2の駆動によって上流側通路T1を通過する内容物は、図10(a)に示すように、下流側通路T3における放射状通路Tcで複数に分岐して、間欠状に並ぶ吐出口D2から吐出される。このとき、手のひらHの上面における泡状の内容物N11の内縁部は、環状内周壁7aの外面(特に下部筒状壁7cの外面)を取り囲むような状態となっている。また内容物N11の外縁部は、径方向外側に部分的に突出したように形作られる(図10(d)参照)。
そして、押圧ヘッド3を押し下げていた手の力を緩めると、図10(b)に示すように筒状になる内容物の膜N12を伴いつつ、下側ノズル部材7が上昇していく。そして更に押圧ヘッド3が上昇すると、筒状をなす内容物の膜N12が環状内周壁7aから分離して、図10(c)、(d)に示すように手のひらHの上には、外縁部が径方向外側に部分的に突出してリング状の花の如き形態をなす泡状の内容物N11とその中心部の孔を覆う内容物の膜N13とを有する泡造形物が形成される。
以上、本発明の泡造形物形成方法に関し、この方法で使用される泡吐出器を具体的に示しながら説明したが、本発明の方法で使用可能な泡吐出器は上述した実施形態に限られるものではない。例えば、ポンプ2は上述したものに限られず、他の構造を採用してもよい。また吐出部材4は、上側ノズル部材5と下側ノズル部材6(下側ノズル部材7)を組み合わせるものに限られず、1つの部材で一体的に構成してもよいし、3つ以上の部材を組み合わせるようにしてもよい。また、押圧ヘッド3と上側ノズル部材5とを一体的に連結し、これに下側ノズル部材6(下側ノズル部材7)を装着するようにしてもよい。また、第二実施形態における吐出口D2の開口幅(環状外周壁5cの外縁部付近における環状外周壁5cと環状内周壁7aとの径方向の隙間)は、図8から把握されるように、リブ7dを設けた部位は閉じられる一方、隣り合うリブ7dの間は開いていて、この閉じた部分と開いた部分で開口幅が周方向に変化するものであったが、リブ7dの高さを低くして環状外周壁5cとの間に隙間が生じる状態にすることによって開口幅を周方向に変化させてもよい。なお、下側ノズル部材7に設けたリブ7dは、上側ノズル部材5における環状外周壁5cの内周面に設けてもよい。また本実施形態においては、手のひらHを押圧ヘッド3の下に差し入れ、更に反対の手で押圧ヘッド3を押し下げるようにして内容物を吐出したが、吐出方法はこれに限られるものではなく、使用状況に応じて適宜選択すればよい。
1:ベースキャップ
1a:ベースキャップ本体
1b:筒状壁
2:ポンプ
3:押圧ヘッド
3a:ノズル
3b:天壁
3c:内側筒部
3d:外側筒部
4:吐出部材
5:上側ノズル部材
5a:連結部
5b:ストッパー
5c:環状外周壁
5d:係合突起
5e:内筒壁
5f:収容部
6:下側ノズル部材
6a:環状内周壁
6b:上部筒状壁
6c:下部筒状壁
6d:縦リブ
6e:爪部
7:下側ノズル部材
7a:環状内周壁
7b:上部筒状壁
7c:下部筒状壁
7d:リブ
7e:爪部
20:シリンダー
20a:小径筒体
20b:大径筒体
21:パイプ
22:ステム
23:ホルダー
24:発泡部材
D1:吐出口
D2:吐出口
H:手のひら(受容物)
N1、N11:泡状の内容物
N2、N12:筒状の内容物の膜
N3、N13:中心部の孔を覆う内容物の膜
T1:上流側通路
T2:下流側通路
T3:下流側通路
Ta:連結通路
Tb:環状通路
Tc:放射状通路

Claims (3)

  1. 容器に収容した内容物を泡状にして吐出させる泡吐出器を用いて、受容物の上面に泡造形物を形成するための泡造形物形成方法であって、
    前記泡吐出器は、
    前記容器の内容物を吸引するポンプと、
    上方付勢され、下方に押し下げることによって前記ポンプを駆動させることが可能であって、内部には該ポンプから送給される内容物を通す上流側通路を有する押圧ヘッドと、
    一端側には前記押圧ヘッドに連結する連結部を有する一方、他端側には下方に向けて指向させた環状外周壁と環状内周壁とを有し、内部には前記上流側通路に通じるとともに該環状外周壁と該環状内周壁との相互間を通過する下流側通路を有していて、該下流側通路の出口には該ポンプによって送給された内容物を吐出させる吐出口を有する吐出部材と、を備えるものであり、
    前記押圧ヘッドが上方付勢された状態で前記吐出部材の下方に前記受容物を位置させ、
    次いで、前記押圧ヘッドを下方に押し下げることによって前記ポンプを駆動させ、前記吐出口から吐出させた泡状の内容物が前記受容物の上面で該環状内周壁を取り囲む状態とし、
    しかる後、前記押圧ヘッドが復帰し始めると、前記環状内周壁の上昇に伴って、前記受容物の上面に吐出させた泡状の内容物と該環状内周壁との間に筒状をなす内容物の膜が形成され、
    更に、前記押圧ヘッドの復帰が継続するに伴って、筒状をなす内容物の膜が前記環状内周壁から分離する一方、前記受容物の上面には、リング状をなす泡状の内容物とその中心部の孔を覆う内容物の膜とを有する泡造形物が形成される、泡造形物形成方法。
  2. 前記環状内周壁の内側は、上下方向に連通するものである請求項1に記載の泡造形物形成方法。
  3. 前記環状内周壁は、該環状内周壁の下方において、上下方向に沿って筒状に延在する下部筒状壁を有する請求項1又は2に記載の泡造形物形成方法。
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