JP7082196B2 - マイコプラズマ・シノビエ感染を予防または治療するための組成物 - Google Patents

マイコプラズマ・シノビエ感染を予防または治療するための組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7082196B2
JP7082196B2 JP2020524518A JP2020524518A JP7082196B2 JP 7082196 B2 JP7082196 B2 JP 7082196B2 JP 2020524518 A JP2020524518 A JP 2020524518A JP 2020524518 A JP2020524518 A JP 2020524518A JP 7082196 B2 JP7082196 B2 JP 7082196B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mycoplasma
synovie
nox
tuf
active ingredient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020524518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021501194A (ja
Inventor
ジウン-ホーン リン
ホ-ユアン チョウ
ジー-ペルン ワン
ゼン-ウェン チェン
ウェン-ゼン ファン
シウ-フイ ウー
フイ-ジエ リン
シェン-シャン ファン
Original Assignee
アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート filed Critical アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート
Publication of JP2021501194A publication Critical patent/JP2021501194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7082196B2 publication Critical patent/JP7082196B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/02Bacterial antigens
    • A61K39/0241Mollicutes, e.g. Mycoplasma, Erysipelothrix
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/164Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/55Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the host/recipient, e.g. newborn with maternal antibodies
    • A61K2039/552Veterinary vaccine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55505Inorganic adjuvants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55516Proteins; Peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55566Emulsions, e.g. Freund's adjuvant, MF59

Description

本願は、マイコプラズマ属菌(Mycoplasma spp.)感染を予防または治療するための組成物、特に、マイコプラズマ・シノビエ(Mycoplasma synoviae)を予防または治療するための組成物に関する。
マイコプラズマ属菌は、細胞外で自己複製し得る最も小さい原核生物として現在知られている。これらは、0.3~0.9μmの直径を有する球状、または1μmの長さを有するフィラメント様である。選好性の細菌であるため、これらは培養が困難であり、これらの成長速度は非常に遅い。いくつかのタイプのマイコプラズマ属菌が多くのヒトまたは動物の疾患に関連していることが知られている。
研究によって、家禽が、マイコプラズマ疾患に関するOIE(世界動物保健機関)の文献において列挙されている病原微生物であるマイコプラズマ・シノビエを含む数十のタイプのマイコプラズマ属菌に感染し得ることが示されている。したがって、マイコプラズマ・シノビエは、家禽における予防または治療について考慮に入れるべき重要な病原体である。
マイコプラズマ・シノビエは、滑膜炎または関節炎を生じさせ得る。ブロイラー鶏におけるマイコプラズマ・シノビエ感染では、飼料効率が低下し、死亡率および家禽の屠体廃棄率が上昇する。育種鶏および産卵鶏におけるマイコプラズマ・シノビエ感染では、産卵率が低下し、胚の死亡率が上昇する。鶏におけるマイコプラズマ・シノビエ感染によって、家禽農家にとって著しい財政上の損失を生じさせる、ウイルス性病原体または細菌性病原体によって生じる第2の感染が生じる可能性がより高くなる。世界中の獣医学用ワクチンの製造者が、家禽産業向けの生ワクチンおよび不活化ワクチンを開発してきている。しかし、マイコプラズマ・シノビエの培養は困難であり、コストがかかる。したがって、この分野において、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するために使用され得るワクチンが依然として必要とされている。
したがって、本開示の1つの目的は、マイコプラズマ・シノビエサブユニットワクチンにおける使用に適した抗原を提供し、それによって、サブユニットワクチンを生産して、疾患を防止するコストを低減させることである。
本開示の別の目的は、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するために使用され得る、複数の抗原を有するサブユニットワクチンを提供することである。このようなワクチンは、単抗原ワクチンよりも優れた防御を提供する。
この目的のために、本開示は、Tuf、NOX、MS53-0285、およびその組み合わせを含む活性成分であって、前記Tufが配列番号01の配列を有し、前記NOXが配列番号02の配列を有し、かつ前記MS53-0285が配列番号03の配列を有する、活性成分と、薬学的に許容可能なアジュバントとを含む、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防するための組成物を提供する。
好ましくは、前記活性成分は、Tuf、NOX、およびMS53-0285からなる群から選択される少なくとも2つのタンパク質である。さらに好ましくは、前記活性成分は、Tuf、NOX、およびMS53-0285を含む。
さらに好ましくは、前記活性成分は、前記組成物の全容積に基づいて40~900μg/mLの濃度を有する。
場合により、前記薬学的に許容可能なアジュバントは、完全フロイントアジュバントもしくは不完全フロイントアジュバント、アルミナゲル、界面活性剤、ポリアニオンアジュバント、ペプチド、油エマルジョン、またはその組み合わせである。
好ましくは、前記組成物は、薬学的に許容可能な添加物をさらに含む。場合により、前記薬学的に許容可能な添加物は、溶媒、安定剤、希釈剤、防腐剤、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、またはその組み合わせである。
好ましくは、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、気管の病変、気嚢の病変、関節炎、またはその組み合わせである。
好ましくは、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、前記活性成分がTufを含むならば、少なくとも関節炎である。好ましくは、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、前記活性成分がNOXおよびMS53-0285またはその組み合わせを含むならば、少なくとも気嚢の病変である。さらに好ましくは、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、前記活性成分がMS53-0285を含むならば、少なくとも気管の病変である。
好ましくは、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、前記活性成分がTuf、NOX、およびMS53-0285を含むならば、気管の病変、気嚢の病変、および関節炎である。
本開示はまた、配列番号4、配列番号5、配列番号6、またはその組み合わせのヌクレオチド配列と、プロモーターおよびリボソーム結合部位を含む発現エレメントと、融合パートナー配列とを含む、発現ベクターを提供する。
本開示はさらに、タンパク質Tuf、NOX、MS53-0285、またはその組み合わせとして翻訳されるヌクレオチド配列であって、前記Tufが配列番号01の配列を有し、前記NOXが配列番号02の配列を有し、かつ前記MS53-0285が配列番号03の配列を有する、ヌクレオチド配列と、プロモーターおよびリボソーム結合部位を含む発現エレメントと、融合パートナー配列とを含む、発現ベクターを提供する。
好ましくは、前記融合パートナーは、大腸菌(E.coli)由来のDsbC、大腸菌由来のMsyB、大腸菌由来のFklB、またはその組み合わせである。
好ましくは、前記発現ベクターは、配列番号07、配列番号08、または配列番号09の配列を有する。
本開示はさらに、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するための組成物を生産するためのタンパク質の使用であって、前記タンパク質がTuf、NOX、MS53-0285、またはその組み合わせを含み、前記Tufが配列番号01の配列を有し、前記NOXが配列番号02の配列を有し、かつ前記MS53-0285が配列番号03の配列を有する、使用を提供する。
上記の観点から、本開示は、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するために使用される、またサブユニットワクチンのための活性成分としての、抗原を開示する。本開示の結果は、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防するための新規な選択肢を提供するだけではなく、2つ以上の抗原を組み合わせる(すなわち、2つ以上の抗原を活性成分として含有する)「カクテル」サブユニットワクチンがより優れた免疫誘導効果を有することを開示している。
本発明の実施例4の結果を示す図である。(A)タンパク質電気泳動を使用して、本開示において製造された組換え抗原の溶解度を評価した(Tは細胞溶解物全体を表し、Sは可溶性画分を表す)。(B)タンパク質電気泳動を使用して、本発明において精製された組換え抗原の純度を評価した。 本発明の実施例5の、鶏血清における正のマイコプラズマ・シノビエ特異的抗体応答を示す図である。 本発明の実施例5における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏の足蹠の厚みの増大のレベルを示す図である。 本発明の実施例5における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏の足蹠の温度の上昇のレベルを示す図である。 本発明の実施例5における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏の足蹠感染のスコアを示す図である。 (A)本発明の実施例5における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏の気嚢の病変のスコア、および(B)実施例5における鶏の気管粘膜の厚みを示す図である。統計は、本開示のワクチンが陽性対照群と比較して統計的に有意であることを示す(T検定、†:p<0.1)。 本発明の実施例6の、鶏の血清における正のマイコプラズマ・シノビエ特異的抗体応答を示す図である。 本発明の実施例7の、鶏の血清における正のマイコプラズマ・シノビエ特異的抗体応答を示す図である。 本発明の実施例7における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏の1日増体量の平均を示す図である。 本発明の実施例7における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏によって示される足蹠の厚みの変化を示す図である。統計は、本開示のワクチンが陽性対照群と比較して統計的に有意であることを示す(T検定、†:p<0.1)。 本発明の実施例7における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏によって示される足蹠の温度の変化を示す図である。統計は、本開示のワクチンが陽性対照群と比較して統計的に有意であることを示す(T検定、*:p<0.05)。 本発明の実施例8の、鶏の血清における正のマイコプラズマ・シノビエ特異的抗体応答を示す図である。 本発明の実施例8における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏の1日増体量の平均を示す図である。統計は、本開示のワクチンが陽性対照群と比較して統計的に有意であることを示す(T検定、*:p<0.05)。 本発明の実施例8における、マイコプラズマ・シノビエに感染した鶏によって示される足蹠の温度の変化を示す図である。統計は、本開示のワクチンが陽性対照群と比較して統計的に有意であることを示す(T検定、†:p<0.1、*:p<0.05)。
本開示の開発成果は、Tuf、NOX、およびMS53-0285がマイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するためのサブユニットワクチンにおける活性成分として使用され得ることを証明している。本明細書における表現「マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療すること」は、家禽におけるマイコプラズマ・シノビエの感染レベルを低減させること、例えば、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる疾患を軽減させることを指す。前記疾患としては、限定はしないが、気管の病変、気嚢の病変、または関節炎(足蹠の腫れもしくは足蹠の炎症など)が含まれる。科学的観点から、対象が前記病原微生物に全く感染していないかどうかを実証することは不可能である。したがって、疾患予防の分野における当業者には、「予防および治療する」行為が、対象が前記病原微生物のいずれかに感染することを防ぐことを意図しているわけではないことが理解され得る。
一態様では、本開示は、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するための組成物に関する。好ましい一実施形態では、組成物は、サブユニットワクチンである。好ましい一実施形態では、組成物は、Tufを活性成分として含み、前記Tufは配列番号01の配列を有する。別の好ましい実施形態では、組成物はNOXを活性成分として含み、前記NOXは配列番号02の配列を有する。さらに別の好ましい実施形態では、組成物は、MS53-0285を活性成分として含み、前記MS53-0285は配列番号03の配列を有する。
当業者には、前記タンパク質上の抗原決定基が影響を受けない限りにおいて、前記アミノ酸配列がある程度改変され得、そして依然として本発明の範囲に含まれることが容易に理解されよう。例えば、前記配列内のわずかなアミノ酸が当業者によって改変され得るが、本明細書において記載される免疫誘導効果は依然として生じ得る。あるいは、当業者の要求に基づいて、他の配列を前記配列に付加して、本明細書において記載される免疫誘導効果に影響することなく生産を容易にすることができる。これに関して、修飾された配列は、依然として本発明の範囲に含まれる。
一実施形態では、前記活性成分がTufを含む場合、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、少なくとも関節炎である。それでも、前記活性成分がTufを含むという事実は、前記活性成分が他の疾患の予防において効果を有さないことを示唆するわけではなく、むしろ、前記活性成分が関節炎の予防においてより効果的であることを示唆する。
一実施形態では、前記活性成分がNOX、MS53-0285、またはその組み合わせを含む場合、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、少なくとも気嚢の病変である。それでも、前記活性成分がNOX、MS53-0285、またはその組み合わせを含むという事実は、前記活性成分が他の疾患の予防において効果を有さないことを示唆するわけではなく、むしろ、前記活性成分が気嚢の病変の予防においてより効果的であることを示唆する。
一実施形態では、前記活性成分がMS53-0285を含む場合、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、少なくとも気管の病変である。それでも、前記活性成分がMS53-0285を含むという事実は、前記活性成分が他の疾患の予防において効果を有さないことを示唆するわけではなく、むしろ、前記活性成分が気管の病変の予防においてより効果的であることを示唆する。
一実施形態では、前記活性成分がTuf、NOX、およびMS53-0285を含む場合、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候は、少なくとも気管の病変、気嚢の病変、および関節炎である。
別の態様では、本開示は、マイコプラズマ・シノビエ感染の予防または治療に使用されるカクテルワクチンに関する。本明細書において記載されるカクテルワクチンは、2つ以上の抗原を含有する。好ましい実施形態では、本明細書において記載されるカクテルワクチンは、同一タイプの病原微生物に由来する2つ以上の抗原を含有する。通常、2つ以上の抗原を単一のワクチンにおいて組み合わせることは、ワクチンの免疫誘導効果に対して必ずしも相乗的に寄与するわけではない。逆に、このことによって、2つ以上の抗原の免疫誘導効果が互いに打ち消し合うという好ましくない結果が生じ得る。コストの点では、2つ以上の抗原の免疫誘導効果が互いに打ち消し合わないとしても、相乗効果がなければ、これらの2つ以上の抗原を単一のワクチンにおいて組み合わせることは有意義ではない。
好ましい実施形態では、前記カクテルの活性成分は、タンパク質Tuf、NOX、およびMS53-0285からなる群から選択される少なくとも2つのタンパク質である。さらに好ましくは、前記活性成分は、Tuf、NOX、およびMS53-0285を含む。考えられる実施形態では、フォールディング形態の前記アミノ酸配列上の抗原決定基が破壊されていない限りにおいて、前記活性成分は、前記アミノ酸配列のいずれか2つ以上を有する融合タンパク質であり得る。別の考えられる実施形態では、前記カクテルワクチンは、互いに独立している前記タンパク質を使用する。
好ましい実施形態では、本開示の組成物はさらに、薬学的に許容可能なアジュバントおよび/または薬学的に許容可能な添加物を含む。前記薬学的に許容可能なアジュバントは、ワクチンとして使用される場合の、活性成分の免疫誘導効果を増強させるため、活性成分の安定性を維持するため、および前記組成物の安全性を増強させるために使用される。前記薬学的に許容可能なアジュバントとしては、限定はしないが、完全フロイントアジュバントもしくは不完全フロイントアジュバント、アルミナゲル、界面活性剤、ポリアニオンアジュバント、ペプチド、油エマルジョン、またはその組み合わせが含まれる。前記薬学的に許容可能な添加物としては、限定はしないが、溶媒、安定剤、希釈剤、防腐剤、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、またはその組み合わせが含まれ得る。
考えられる実施形態では、本開示の組成物は、経口投与、経鼻投与、静脈内投与、筋肉内投与、または腹腔内投与される製剤に作製することができる。考えられる実施形態では、本開示の組成物中の活性成分は、前記組成物の全容積に基づいて40~900μg/mLの濃度を有する。別の考えられる実施形態では、本開示の組成物中の活性成分は、前記組成物の全容積に基づいて40~600μg/mLの濃度を有する。本発明のカクテルワクチンでは、前記活性成分の濃度は、前記カクテルワクチンに含有される全ての抗原の総濃度である。一実施形態では、例えば、本開示のカクテルワクチンが前記Tuf抗原および前記NOX抗原を活性成分として含有する場合、前記「活性成分の濃度」は、前記Tuf抗原の濃度および前記NOX抗原の濃度の合計である。別の実施形態では、本開示のカクテルワクチンが前記Tuf抗原、前記NOX抗原、および前記MS53-0285を活性成分として含有する場合、前記「活性成分の濃度」は、前記Tuf抗原の濃度、前記NOX抗原の濃度、およびMS53-0285抗原の濃度の合計である。
他方、前記活性成分を原核生物発現系において発現させる上で支障となるものは、発現した活性成分を前記原核生物発現系から精製することである。原核生物発現系において発現した組換えタンパク質は、典型的には不溶性であり、そのため、精製プロセスがより困難となり、コストがかかる。これに関して、本開示の抗原発現ベクターの1つの利点は、可溶性の組換え抗原を発現させ、それによって、精製プロセスを簡素化し、そのコストを低下させる能力である。
したがって、別の態様では、本開示は、前記Tuf、NOX、またはMS53-0285を生産するために使用される発現ベクターに関する。本開示の発現ベクターは、ヌクレオチド配列、発現エレメント、および融合パートナー配列を含む。前記ヌクレオチド配列は、Tuf、NOX、MS53-0285、またはその組み合わせとして翻訳され得る。
前記発現エレメントは、発現系における転写プロセスおよび翻訳プロセスを開始するために必要なエレメントを指す。前記発現エレメントは、プロモーターおよびリボソーム結合部位を少なくとも含んでいる。好ましくは、前記発現エレメントは、オペレーター、翻訳/転写を増強させるためのエンハンサー配列、またはその組み合わせをさらに含み得る。好ましい実施形態では、前記発現ベクターは大腸菌発現系において使用され、前記発現エレメントは大腸菌によって認識され得る。
好ましい実施形態では、本開示の調査は、大腸菌由来のDsbC、大腸菌由来のMsyB、大腸菌由来のFklB、またはその組み合わせが、本発明の前記抗原の発現のための融合パートナーとして好ましくは使用され、それによって、組換えタンパク質が原核生物発現系において可溶性形態として生産されることを証明した。好ましい実施形態では、精製プロセスを容易にするために、前記発現ベクターは、Hisタグ、GSTタグ、またはその組み合わせをコードする配列をさらに含み得、その結果、得られた組換えタンパク質は、ニッケルイオンアフィニティーカラムまたはグルタチオンアフィニティーカラムを使用して精製することができる。
さらに別の態様では、本開示は、マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するための、前記Tuf、NOX、またはMS53-0285が使用される組成物の使用に関する。マイコプラズマ・シノビエ感染を予防および治療するための前記組成物については、さらなる詳細は、これまでに記載されているため、不要である。
以下の実施例は、本開示の特徴および利点をさらに説明するために、本開示の開発のために実施された実験を記載する。以下に列挙する実施例は本発明の典型であるにすぎず、特許請求の範囲を限定するために使用されるべきではないことが理解されるべきである。
(実施例1)マイコプラズマ・シノビエ遺伝子のクローニング
遺伝子特異的なプライマーを、様々な抗原について設計する(表1)。マイコプラズマ・シノビエのゲノムDNAを鋳型として使用し、遺伝子特異的なプライマーを組み合わせて、標的遺伝子を増幅した。
Figure 0007082196000001
1. マイコプラズマ・シノビエのゲノムDNAの抽出
Mycoplasma synoviae WVU 1853(American Type Culture Collection(登録商標)25204(商標))のゲノムDNAを、DNA精製キット(Tissue & Cell Genomic DNA Purificationキット、GMbiolab、台湾)を使用して抽出した。まず、4.5mLのマイコプラズマ・シノビエの液体培養物を遠心チューブに添加した。遠心分離(5870×g、5分間)した後、上清を除去し、ペレットを回収した。次いで、20μLのプロテイナーゼK(10mg/mL)および200μLの抽出試薬を添加し、56℃で3時間反応させた。200μLの結合溶液を添加し、70℃で10分間反応させた。反応が完了したら、200μLの無水アルコールを添加し、混合物をマイクロ遠心チューブに移して、完全に混合した。得られた溶液(沈殿物を含む)をスピンカラムにピペットで移し、スピンカラムを次いでコレクションチューブに入れた。2分間遠心分離(17970×g)した後、上清を除去し、300μLの結合溶液をスピンカラムに再び添加した。2分間遠心分離(17970×g)した後、上清を除去した。700μLの洗浄溶液をスピンカラムに添加し、混合物を2分間遠心分離し(17970×g)、次いで、上清を除去し、上記のステップを1回繰り返した。最後に、混合物を17970×gで5分間遠心分離して、残留アルコールを除去した。スピンカラムを、滅菌したマイクロ遠心チューブに入れ、適量の無菌脱イオン水を添加して、ゲノムDNAをドレインした。
2.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用する標的遺伝子の増幅
マイコプラズマ・シノビエのゲノムDNAを鋳型として使用し、tuf遺伝子、nox遺伝子、およびms53-0285遺伝子について設計されたプライマーを、PCR反応にそれぞれ使用した。PCRにおいて使用されたプライマーおよびPCR反応条件を、以下の表2に示し(プライマー配列は表1に示す)、この条件において、50μLのPCR反応混合物は、1×GDP-HiFi PCRバッファーB、dATP、dTTP、dGTP、およびdCTPの200μMの混合物、1μMの増幅プライマー、200ngのマイコプラズマ・シノビエゲノムDNA、ならびに1UのGDP-HiFi DNAポリメラーゼを含有していた。PCR反応が完了した後、ゲル電気泳動を行って、予想されたサイズを有するDNA断片の存在について確認した。
Figure 0007082196000002
3. PCR産物の回収およびクローニング
PCR産物の回収を、PCR Clean Upシステムキット(GMbiolab、台湾)を使用して、かつ操作マニュアルに従って行った。標的遺伝子のクローニングを次いで、製造者の操作マニュアルに従ってCloneJET PCR Cloning Kitを使用して行った。ライゲーション混合物を、大腸菌株ECOS(商標)9-5に形質転換した。形質転換の条件はマニュアルにおいて提供されているか、または当技術分野における標準的な実験手順に基づいて変更され得る。
形質転換された細菌を、アンピシリン(100μg/mL)を含有するLB固体培地上で培養した。コロニーが形成された後、コロニーPCRを行って、株をスクリーニングした。まず、1×Taq反応バッファー、200μMのdNTP(dATP、dTTP、dGTP、およびdCTP)、1μMの増幅プライマー、ならびに2.5UのDreamTaq DNAポリメラーゼ(Thermo、USA)を混合して、100μLのPCR試薬を製剤した。混合した後、PCR混合物を、いくつかのPCRチューブに分配した(10μL/チューブ)。プレート上のコロニーをかき取ってPCRチューブに入れ、PCR反応を行った。PCR反応の条件は、95℃で5分間;95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃でX分間(25サイクル);72℃で7分間であり、ここで、「X」は、DNAポリメラーゼに必要な伸長時間によって決定された。tuf遺伝子およびnox遺伝子についての時間は1分30秒間で設定し、ms53-0285遺伝子についての時間は2分30秒間で設定した。PCR反応の後、ゲル電気泳動を行って、PCRの結果を確認した。コロニーPCRを使用して、形質転換された株における組換えプラスミドがインサートDNAを有していることを確認し、その中のプラスミドを次いで抽出し、DNAシーケンシングを行った(Tri-I Biotech,Inc.)。tuf遺伝子、nox遺伝子、およびms53-0285遺伝子を有するプラスミドを、pJET-TUF、pJET-NOX、およびpJET-MS53とそれぞれ名付けた。
4. nox遺伝子の部位特異的突然変異生成
nox遺伝子は、3つのTGAコドンを有する。TGAコドンは、マイコプラズマ属菌においてはトリプトファンとして、また大腸菌においては停止コドンとして翻訳され得る。大腸菌発現系を使用しての無傷のタンパク質の生産の失敗を避けるために、nox遺伝子内のTGAコドンを、大腸菌によって認識され得、トリプトファンとして翻訳され得るコドン(TGG)で置き換えるための、前記コドンでの点突然変異を誘発しなくてはならない。
突然変異誘発性のプライマーを設計するための基準は、少なくとも78℃のTmで、突然変異をプライマーの中央に置くことを含んでいた。プライマーのTm値は、Invitrogeneによって提供される以下の式を使用して計算し:
Tm=81.5+0.41(GC%)-675/N-ミスマッチ%、
式中、「GC%」は、プライマー内のGヌクレオチドまたはCヌクレオチドのパーセンテージであり、「N」はプライマーの長さであり、「ミスマッチ%」は、プライマー内の突然変異した塩基のパーセンテージである。NOXBAMHIF/NOXM2、NOXM1/NOXM4、NOXM3/NOXM6、およびNOXM5/NOXSALIRを含む、nox遺伝子の点突然変異に使用したプライマーを、以下の表3に列挙する。
Figure 0007082196000003
50μLのPCR混合物は、1×GDP-HiFi PCRバッファーB、dATP、dTTP、dGTP、およびdCTPの200μMの混合物、1μMの増幅プライマー、100ngのpJET-NOX、ならびに1UのGDP-HiFi DNAポリメラーゼを含有していた。PCR反応条件は、98℃で2分間;94℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で30秒間(35サイクル);68℃で5分間であった。
PCR反応の後、ゲル電気泳動を行って、予想されたサイズを有するDNA断片の存在について確認した。PCR産物を、Gel-M(商標)ゲル抽出システムキットを使用して回収した。回収した4つのPCR産物を、NOXBAMHIF/NOXSALIRプライマー対を使用する遺伝子増幅のための鋳型として使用した。PCR反応条件は、96℃で2分間;94℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で45秒間(35サイクル);68℃で5分間であった。このステップの後、完全長の点突然変異したnox遺伝子を得た。PCR産物を、PCR Clean Upキットを使用して回収した。
5. ms53-0285遺伝子の部位特異的突然変異生成
ms53-0285遺伝子は、6つのTGAコドンを有する。MS53BAMHIF/MS53M2、MS53M1/MS53M4、MS53M3/MS53M6、MS53M5/MS53M8、MS53M7/MS53M10、MS53M9/MS53M12、およびMS53M11/MS53SALIRを含む、ms53-0285遺伝子の点突然変異に使用したプライマーを、以下の表4に列挙する。
Figure 0007082196000004
50μLのPCR混合物は、1×GDP-HiFi PCRバッファーB、dATP、dTTP、dGTP、およびdCTPの200μMの混合物、1μMの増幅プライマー、100ngのpJET-MS53、ならびに1UのGDP-HiFi DNAポリメラーゼを含有していた。PCR反応条件は、96℃で2分間;94℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で30秒間(35サイクル);68℃で5分間であった。
PCR反応の後、ゲル電気泳動を行って、予想されたサイズを有するDNA断片の存在について確認した。PCR産物を、Gel-M(商標)ゲル抽出システムキットを使用して回収した。回収した7つのPCR産物を、MS53BAMHIF/MS53SALIRプライマー対を使用する遺伝子増幅のための鋳型として使用した。PCR反応条件は、96℃で2分間;94℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で1分15秒間(35サイクル);68℃で5分間であった。このステップの後、完全長の点突然変異したms53-0285遺伝子を得た。PCR産物を、PCR Clean Upキットを使用して回収した。
上記の操作の後、tuf遺伝子(配列番号04)、nox遺伝子(配列番号05)、およびms53-0285遺伝子(配列番号06)を得た。これらは、Tuf(配列番号01)、NOX(配列番号02)、およびMS53-0285(配列番号03)としてそれぞれ翻訳され得る。
(実施例3)マイコプラズマ・シノビエ抗原発現プラスミドの構築
大腸菌のdsbC遺伝子を有するプラスミドを、マイコプラズマ・シノビエ抗原発現プラスミドを構築するための骨格として使用した。発現プラスミドの構築プロセスは、以下の通りである。
1. Tuf発現ベクターの構築
増幅されたtuf遺伝子を、BamHIおよびSalIで切断し、得られたDNA断片を、T4 DNAリガーゼによって、同一の制限酵素によって事前に切断されたDsbC融合体発現プラスミドpET-HISDsbCと繋ぎ合わせた。ライゲーション産物を次いで、大腸菌ECOS 9-5に形質転換した。形質転換体を、コロニーPCRによってスクリーニングした。ゲル電気泳動を行って、予想されたサイズを有する増幅されたDNA断片の存在について確認した。形質転換体がその組換えプラスミド内にインサートDNAを含有していることが確認されたら、そのプラスミドを抽出し、DNAシーケンシングを行った。正確なDNA配列を有するプラスミドを、pET-HISDsbC-MSTUF(配列番号07)と名付けた。
2. NOX発現プラスミドの構築
突然変異したnox遺伝子を、BamHIおよびSalIで切断し、得られたDNA断片を、T4 DNAリガーゼによって、同一の制限酵素によって事前に切断されたDsbC融合体発現プラスミドpET-DsbCと繋ぎ合わせた。ライゲーション産物を次いで、大腸菌ECOS 9-5に形質転換した。形質転換体を、コロニーPCRによってスクリーニングした。ゲル電気泳動を行って、予想されたサイズを有する増幅されたDNA断片の存在について確認した。形質転換体がその組換えプラスミド内にインサートDNAを含有していることが確認されたら、そのプラスミドを抽出し、DNAシーケンシングを行った。正確なDNA配列を有するプラスミドを、pET-DsbC-MSNOX(配列番号08)と名付けた。
3. MS53-0285発現プラスミドの構築
突然変異したms53-0285遺伝子を、BamHIおよびSalIで切断し、得られたDNA断片を、T4 DNAリガーゼによって、同一の制限酵素によって事前に切断されたDsbC融合体発現プラスミドpET-DsbCと繋ぎ合わせた。ライゲーション産物を次いで、大腸菌ECOS 9-5に形質転換した。形質転換体を、コロニーPCRによってスクリーニングした。ゲル電気泳動を行って、予想されたサイズを有する増幅されたDNA断片の存在について確認した。形質転換体がその組換えプラスミド内にインサートDNAを含有していることが確認されたら、そのプラスミドを抽出し、DNAシーケンシングを行った。正確なDNA配列を有するプラスミドを、pET-DsbC-MS53(配列番号09)と名付けた。
(実施例4)組換えマイコプラズマ・シノビエ抗原の発現および精製
マイコプラズマ・シノビエ抗原を発現させるためのプラスミドを、大腸菌BL21(DE3)にそれぞれ形質転換した。抗原を発現する株の単一のコロニーを選択し、カナマイシンを含有する(最終濃度:30μg/mL)12mLのLB培地に接種した。得られた混合物を、一晩、37℃および180rpmで培養した。次いで、10mLの液体培養物を、カナマイシンを含有する(最終濃度:30μg/mL)1LのLB培地に添加し、OD600が約0.4~0.6に達するまで、振とう培養した(37℃、180rpm)。0.1mMのIPTGを次いで、28℃で添加して、タンパク質の発現を誘導した。4時間誘導した後、培養物を遠心分離し(10000×g、10分間、4℃)、細菌細胞ペレットを回収した。細菌細胞ペレットを、10mLのリン酸バッファー(20mMのリン酸ナトリウム、500mMのNaCl、pH7.4)中に再懸濁し、超音波処理によって崩した。懸濁液を遠心分離し(30966×g、30分間)、上清を回収した。最後に、上清を、0.22μMの孔サイズを有するフィルター膜を通して濾過した。タンパク質の電気泳動を行って、組換え抗原の発現の状態および溶解度を観察した。
タンパク質の精製を次いで、組換え抗原上のHisタグとニッケルイオンまたはコバルトイオンとの間の共有結合を用いる固定金属イオンアフィニティークロマトグラフィーを使用して行った。組換え抗原を、5mLのHiTrap(商標)Ni excelカラム(GE Healthcare、スウェーデン)を備えたAKTA prime plus(GE Healthcare、スウェーデン)によって精製した。まず、カラムを25mLのリン酸バッファー溶液で平衡化した後に、前記上清をHiTrap(商標)Ni excelカラムに導入した。試料を完全に導入した後、30mMのイミダゾールを含有する100mLの洗浄バッファー溶液(20mMのリン酸ナトリウム、500mMのNaCl、30mMのイミダゾール、pH7.4)を使用して、カラムを洗浄し、カラムに接着していた非特異的タンパク質を除去した。最後に、250mMのイミダゾールを含有する150mLの溶出バッファー溶液(20mMのリン酸ナトリウム、500mMのNaCl、250mMのイミダゾール、pH7.4)を使用して、組換え抗原を樹脂から洗い流したが、ここで、高濃度のイミダゾールは樹脂上の結合部位について組換え抗原と競合し得、それによって、組換え抗原が洗い流される。精製抗原溶液をAmicon(商標)ultra-15 ultracel-30K遠心チューブ(Merck Millipore、USA)に入れて、それが適切な容積に達するまで4℃で遠心分離し(2600×g)、次いで、後に使用するために4℃で保管した。
結果を図1に示す。図1Aから、この実施例の発現抗原が、その後に精製され商業化されるために非常に優れた溶解度を有することが分かる。図1Bは、精製を介して得られた抗原が信頼できる純度を有することを示す。
(実施例5)単抗原ワクチンの生産および鶏での実験
4週齢の特定の病原体を有さない鶏(Animal Drugs Inspection Branch of the Animal Health Research Institute、Council of Agriculture、Executive Yuan、台湾から購入した)を使用し、検査支部の動物飼育施設で維持した。組換えマイコプラズマ・シノビエ抗原Tuf、NOX、およびMS53-0285を、操作マニュアルに従って、市販されているアジュバントMONTANIDE(商標)Gel 01(Seppic)と個別に混合して、各単抗原ワクチンの最終用量を50μg/0.5mLとした。0.5mLのこれらの単抗原ワクチンを、4週齢の鶏の頚部の後ろ側に皮下投与した。2回目のワクチン接種を、6週齢に達する鶏に対して行った。ワクチン接種した後、鶏を2週間にわたり観察した。血液試料を次いで回収し、遠心分離して(2000×g、4℃、15分間)、血清試料を得た。マイコプラズマ・シノビエ抗体を、市販のキット(IDEXX Mycoplasma synoviae抗体試験キット)を使用してアッセイした。
結果を以下の表5および図2に示す。本発明に従ったTuf、NOX、およびMS53_0285の単抗原ワクチンを投与した鶏の血清中の特異的抗体は、全て陽性であり、陽性率はそれぞれ57%、71%、および75%であった。
Figure 0007082196000005
次に、8週齢の鶏を、気管および足蹠を介して、マイコプラズマ・シノビエでチャレンジした。使用したチャレンジ株はATRI 2014(以下、「MS-f1」)であり、これは、台湾の商業的な地鶏の養鶏場から単離されたものであった。チャレンジ株を、Mycoplasma培地において32℃および75rpmで32時間培養した。
気管でのチャレンジでは、鶏を保定し、給餌チューブを鶏の気管に挿入した。106CCUのチャレンジ株の培養液1mLを次いで、シリンジを使用して注入した。最後に、培養液が均等に広がるように、鶏の頚部を優しくこすった。足蹠でのチャレンジでは、足蹠をアルコールワイプで消毒し、103CCUのチャレンジ株の培養液0.5mLを、針を使用して足蹠に注射した。チャレンジの後、血液試料を回収し、血清を単離して、マイコプラズマ・シノビエ特異的抗体を評価した。様々な時点での鶏の体重、足蹠の温度、および足蹠の厚みもまた記録した。実験の最後に解剖を行って、鶏の間の気管、気嚢、および足蹠の腫れの症候を観察した。観察された結果を、以下の表6に記載する器官の機能障害についての診断基準に従って記録した。
Figure 0007082196000006
鶏の足蹠の厚みから、単抗原ワクチンを投与された鶏の群が陽性群よりも軽度の腫れを有していたことが分かる(図3を参照されたい)。他方、足蹠の温度の測定結果は、本開示の単抗原ワクチンが鶏の足蹠の炎症を軽減することを示した(図4)。足蹠感染のさらなる評価および記録は、本開示の単抗原ワクチンを投与された鶏の足蹠の感染レベルがそれほど高くはなく、Tufワクチンが最も効果的であることを示した(図5)。
気嚢の病変は、マイコプラズマ・シノビエ感染の結果としての別の一般的なタイプの感染である。健康な鶏の気嚢は透明であり、排出物で覆われていない。図6Aは、前記単抗原ワクチンを投与されていない鶏の間で、その気嚢が厚みを増し、肉眼で見られる様式でイエローチーズ様の線維タンパク質で覆われていたことを示す。他方、気嚢の病変は、本発明の単抗原ワクチンを投与することによって効果的に予防することができる。結果はまた、NOXワクチンおよびMS53-0285ワクチンが気嚢の病変の予防において特に効果的であることを示した。
鶏の気管をさらに切片化した。H&E染色を行って、気管輪の粘液の厚みの変化を観察した。結果は、粘膜の感染が、本発明の単抗原ワクチンを投与することによって、ワクチン接種された群の間で、ワクチン接種されていないチャレンジ鶏と比較して、効果的に予防され得、MS53-0285サブユニットワクチンが最も効果的であることを示した(図6B)。
上記の結果から、有効性はわずかに異なるものの、本開示のTufワクチン、NOXワクチン、およびMS53-0285ワクチンが、マイコプラズマ・シノビエによって誘発される症候の軽減において全体的に効果的であることが理解され得る。
(実施例6)多抗原ワクチン(カクテルワクチン)の生産および鶏での実験
4週齢の特定の病原体を有さない鶏(Animal Drugs Inspection Branch of the Animal Health Research Institute、Council of Agriculture、Executive Yuan、台湾から購入した)を使用し、検査支部の動物飼育施設で維持した。様々な組み合わせの抗原(Tuf+NOX、Tuf+MS53-0285、NOX+MS53-0285、およびTuf+NOX+MS53-0285)を、市販されているアジュバントと個別に混合して、カクテルワクチンを得た。各用量のワクチン(0.5mL)中の各抗原は50μgであった。
0.5mLの前記組換え抗原ワクチンを、4週齢の鶏の頚部の後ろ側に皮下投与した。2回目のワクチン接種を、6週齢に達する鶏に対して行った。ワクチン接種した後、鶏を2週間にわたり観察した。血液試料を次いで回収し、遠心分離して(2000×g、4℃、15分間)、血清試料を得た。マイコプラズマ・シノビエ特異的抗体を、市販のキット(IDEXX Mycoplasma synoviae抗体試験キット)を使用して検出した。
結果を以下の表7および図7に示し、これらは、二重抗原ワクチンおよび三重抗原ワクチンの両方が鶏において抗体産生レベルを向上させたことを示唆している。言い換えると、組み合わせて使用すると、組換え抗原は相互の干渉を生じさせず、逆にこれらは、免疫誘導能力を強め得る相乗効果をもたらした。
Figure 0007082196000007
(実施例7)多抗原ワクチン(カクテルワクチン)の生産および鶏での実験
4週齢の特定の病原体を有さない鶏(Animal Drugs Inspection Branch of the Animal Health Research Institute、Council of Agriculture、Executive Yuan、台湾から購入した)を使用し、検査支部の動物飼育施設で維持した。組換え抗原Tuf、NOX、およびMS53-0285を、市販されているアジュバントMONTANIDE(商標) ISA 71 VG(Seppic)と混合して、本発明のカクテルワクチンを得た。各用量のワクチン(0.5mL)中の各抗原は、50μgであった。前記アジュバントを、前記抗原と7:3の質量混合比で混合した。前記アジュバントの比重が約0.816であることを考慮すると、この実験において生産されたワクチンは、およそ0.37mLのアジュバントを含有していた。
0.5mLの前記組換え抗原ワクチンを、4週齢の鶏の頚部の後ろ側に皮下投与した。2回目のワクチン接種を、6週齢に達する鶏に対して行った。ワクチン接種した後、鶏を2週間にわたり観察した。血液試料を次いで回収し、遠心分離して(2000×g、4℃、15分間)、血清試料を得た。マイコプラズマ・シノビエ特異的抗体を、市販のキット(IDEXX Mycoplasma synoviae抗体試験キット)を使用して検出した。
結果を以下の表8および図8に示し、これらは、三重抗原ワクチンが鶏において抗体産生を誘導したことを示唆している。言い換えると、組み合わせて使用すると、組換え抗原は相互の干渉を生じさせず、逆にこれらは、免疫誘導能力を強め得る相乗効果をもたらした。これらの結果は、図7で示す結果と一致している。
Figure 0007082196000008
次に、8週齢の鶏を次いで、気管および足蹠を介して、マイコプラズマ・シノビエ MS-f1でチャレンジした。チャレンジの後、血液試料を回収し、血清を単離してマイコプラズマ・シノビエ特異的抗体を評価した。様々な時点での各鶏の体重、足蹠の温度、および足蹠の厚みもまた記録した。実験の最後に解剖を行って、鶏の間の気管、気嚢、および足蹠の腫れの症候を観察した。観察された結果を、表6に記載する器官の機能障害についての診断基準に従って記録した。
結果は、本開示の三重抗原ワクチンが、感染した鶏で生じる体重減少を軽減させ得ることを示した(図9)。さらに、三重抗原ワクチンはまた、足蹠の腫れおよび温度に関する症候の低減において効果的であった(図10および11)。鶏をさらに屠殺し、解剖した。足蹠および気嚢の病変のスコアから、三重抗原ワクチンが足蹠および気嚢の病変の重症度の低下において効果的であることが分かった。以下の表9を参照されたい。
Figure 0007082196000009
(実施例8)三重抗原ワクチンについての投薬量試験
組換え抗原を、市販されているアジュバントMONTANIDE(商標)ISA 71 VG(Seppic)と混合して、組換え抗原を用量当たり4つの濃度:150μg、100μg、50μg、および20μg(0.5mL)でそれぞれ有するサブユニットワクチンを製剤した。前記アジュバントを、前記抗原と7:3の質量混合比で混合した。前記アジュバントの比重が約0.816であることを考慮すると、この実験において生産されたワクチンは、およそ0.37mLのアジュバントを含有していた。群は、表10で示す通りに設計した。
Figure 0007082196000010
4週齢の特定の病原体を有さない鶏(Animal Drugs Inspection Branch of the Animal Health Research Institute、Council of Agriculture、Executive Yuan、台湾から購入した)を使用し、検査支部の動物飼育施設で維持した。前記組換え抗原ワクチンを、ワクチン接種のために、2週間ごとに2回、鶏に投与した。ワクチン接種の2週間後、鶏を、気管および足蹠を介して、マイコプラズマ・シノビエ MS-f1でチャレンジした。チャレンジの後、血液試料を回収し、血清を単離してマイコプラズマ・シノビエ特異的抗体を評価した。様々な時点での鶏の体重、足蹠の温度、および足蹠の厚みもまた記録した。実験の最後に、解剖を行って、鶏の間の気嚢の病変の症候を観察した。観察された結果を、表5に記載する器官の機能障害についての診断基準に従って記録した。
結果は、この実験で使用した4つの用量の抗原ワクチン全てが、鶏における抗体産生を誘導し得ることを示した。さらに、この実験で試験した4つの用量全てが、体重および足蹠の温度に関する症候の軽減において効果的であった(図13および14)。鶏をさらに屠殺し、解剖した。気嚢の病変のスコアから、試験した4つの用量のワクチン全てが、気嚢の病変の改善において効果的であることが分かった(表12を参照されたい)。
Figure 0007082196000011
Figure 0007082196000012

Claims (13)

  1. Tuf、NOX、MS53-0285、またはその組み合わせを含む活性成分であって、前記Tufが配列番号01の配列を含み、前記NOXが配列番号02の配列を含み、かつ前記MS53-0285が配列番号03の配列を含む、活性成分と、
    薬学的に許容可能なアジュバントと
    を含む、マイコプラズマ・シノビエ(Mycoplasma synoviae)感染によって生じる症候を軽減するための組成物。
  2. 前記活性成分が、Tuf、NOX、およびMS53-0285からなる群から選択される少なくとも2つのタンパク質である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記活性成分が、Tuf、NOX、およびMS53-0285を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記活性成分が、前記組成物の全容積に基づいて40~900μg/mLの濃度を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記薬学的に許容可能なアジュバントが、完全フロイントアジュバントもしくは不完全フロイントアジュバント、アルミナゲル、界面活性剤、ポリアニオンアジュバント、ペプチド、油エマルジョン、またはその組み合わせである、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 薬学的に許容可能な添加物をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記薬学的に許容可能な添加物が、溶媒、安定剤、希釈剤、防腐剤、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、またはその組み合わせである、請求項6に記載の組成物。
  8. マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候が、気管の病変、気嚢の病変、関節炎、またはその組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記活性成分がTufであり、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候が少なくとも関節炎である、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記活性成分がNOXとMS53-0285との組み合わせであり、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候が少なくとも気嚢の病変である、請求項8に記載の組成物。
  11. 前記活性成分がMS53-0285であり、マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候が少なくとも気管の病変である、請求項8に記載の組成物。
  12. マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる前記症候が、気管の病変、気嚢の病変、および関節炎である、請求項3に記載の組成物。
  13. マイコプラズマ・シノビエ感染によって生じる症候を軽減するための組成物を調製するためのタンパク質の使用であって、前記タンパク質が、Tuf、NOX、MS53-0285、またはその組み合わせを含み、前記Tufが、配列番号01の配列を有し、前記NOXが配列番号02の配列を有し、かつ前記MS53-0285が配列番号03の配列を有する、使用。
JP2020524518A 2017-11-01 2017-11-01 マイコプラズマ・シノビエ感染を予防または治療するための組成物 Active JP7082196B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2017/108887 WO2019084833A1 (zh) 2017-11-01 2017-11-01 防治家禽滑膜霉浆菌感染的组合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021501194A JP2021501194A (ja) 2021-01-14
JP7082196B2 true JP7082196B2 (ja) 2022-06-07

Family

ID=66332387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020524518A Active JP7082196B2 (ja) 2017-11-01 2017-11-01 マイコプラズマ・シノビエ感染を予防または治療するための組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11253581B2 (ja)
JP (1) JP7082196B2 (ja)
CN (1) CN110891597B (ja)
WO (1) WO2019084833A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114324859A (zh) * 2021-11-12 2022-04-12 温氏食品集团股份有限公司 一种检测滑液囊支原体抗体的包被抗原、试剂盒及其检测方法
CN115141810B (zh) * 2022-09-05 2022-11-08 中国农业科学院哈尔滨兽医研究所(中国动物卫生与流行病学中心哈尔滨分中心) 分泌抗鸡滑液囊支原体单克隆抗体的杂交瘤细胞株及应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016514086A (ja) 2013-02-05 2016-05-19 アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート 抗マイコプラズマ属菌種サブユニットワクチン
JP2016538846A (ja) 2013-11-21 2016-12-15 アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート マイコプラズマ属菌種の感染を予防する組成物
WO2017011918A1 (en) 2015-07-22 2017-01-26 University Of Saskatchewan Mycoplasma bovis vaccines and uses thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA9710606B (en) * 1996-12-05 1998-06-12 Akzo Nobel Nv Non-virulent Mycoplasma synoviae vaccine thereof.
US20090252756A1 (en) * 2002-04-02 2009-10-08 Yaffa Mizrachi-Nebenzahl Protein-based streptococcus pneumoniae vaccines
US20070009545A1 (en) 2005-07-07 2007-01-11 Joachim Frey Mycoplasma subunit vaccine
CN104726413B (zh) 2015-02-01 2018-03-09 华中农业大学 一株牛支原体nadh氧化酶的单克隆抗体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016514086A (ja) 2013-02-05 2016-05-19 アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート 抗マイコプラズマ属菌種サブユニットワクチン
JP2016538846A (ja) 2013-11-21 2016-12-15 アグリカルチュラル テクノロジー リサーチ インスティテュート マイコプラズマ属菌種の感染を予防する組成物
WO2017011918A1 (en) 2015-07-22 2017-01-26 University Of Saskatchewan Mycoplasma bovis vaccines and uses thereof

Non-Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
GenBank [online],Accession No. CP011096, Ver. CP011096.1,2015年06月10日,[retrieved on 2021.04.22], Retrieved from the Internet: <URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/CP011096>
Genome Announcements,2015年,Vol. 3, No. 3,e00563-15, pp. 1-2
UniProt [online],Accession No. Q4A597, entry version 83,2017年07月05日,[retrieved on 2021.04.22], Retrieved from the Internet: <URL: https://www.uniprot.org/uniprot/Q4A597.txt?version=83>
UniProt [online],Accession No. Q4A5P1, entry version 82,2017年10月25日,[retrieved on 2021.04.22], Retrieved from the Internet: <URL: https://www.uniprot.org/uniprot/Q4A5P1.txt?version=82>
UniProt [online],Accession No. Q4A6C1, entry version 51,2017年06月07日,[retrieved on 2021.04.22], Retrieved from the Internet: <URL: https://www.uniprot.org/uniprot/Q4A6C1.txt?version=51>
Vaccine,2017年10月24日,Vol. 35,pp. 6604-6610
生物工学,2013年,第91巻第2号,第96-100頁

Also Published As

Publication number Publication date
US20210322530A1 (en) 2021-10-21
WO2019084833A1 (zh) 2019-05-09
JP2021501194A (ja) 2021-01-14
CN110891597B (zh) 2023-09-22
CN110891597A (zh) 2020-03-17
US11253581B2 (en) 2022-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240000917A1 (en) Influenza vaccine
KR101842081B1 (ko) 마이코플라즈마 에스피피 감염을 예방하기 위한 조성물
TWI621627B (zh) 用於豬生殖與呼吸綜合症及豬環狀病毒關聯疾病之疫苗組成物
CN113454102A (zh) 非洲猪瘟疫苗
EA029698B1 (ru) Субъединичная вакцина против цирковируса свиней типа 2 (pcv2)
JP7082196B2 (ja) マイコプラズマ・シノビエ感染を予防または治療するための組成物
US8343505B2 (en) Subunit vaccine for aquaculture
KR101030792B1 (ko) 돼지 써코바이러스2(pcv2) 유전자의 표면발현용 벡터 및 이로 형질전환된 살모넬라 백신 균주
JP6808650B2 (ja) 短縮型ロタウイルスvp4タンパク質およびその適用
RU2701816C1 (ru) Способ получения капсидного белка цирковируса свиней 2 типа и содержащая его фармацевтическая композиция
KR101765394B1 (ko) 돼지 유행성설사 바이러스의 에피토프 단백질, 이를 암호화하는 유전자를 포함하는 재조합 벡터, 이를 발현하는 형질전환체 및 이를 포함하는 돼지 유행성설사 바이러스 예방 또는 치료용 조성물
WO2013144579A1 (en) Use of flagellin as a vaccine
WO2015039271A1 (zh) 蛋白a1g_01780在抗立氏立克次体的免疫保护中的应用
TWI750500B (zh) 防治家禽滑膜黴漿菌感染的組合物
JP2019516745A (ja) Hevワクチン
TWI386223B (zh) Duck hepatitis vaccine and its preparation method
WO2015039270A1 (zh) 蛋白a1g_07050在抗立氏立克次体的免疫保护中的应用
CN112778423B (zh) 猪蓝耳病亚单位疫苗组合物及其制备方法和应用
KR20230119818A (ko) 재조합 Stx2e 단백질, 이를 포함하는 돼지 부종병 백신 조성물 및 경구 투여 제형
CN112062819A (zh) 鸭疫里默氏杆菌BamD重组蛋白及其制备方法和应用
BR112018013007B1 (pt) Método para expressar uma proteína, e composição para prevenir infecção por circovírus suíno tipo 2 (pcv2)
CN113215177A (zh) 一种猪胸膜放线杆菌基因、蛋白的原核表达和应用
EP3778626A1 (en) Composition for preventing and treating mycoplasma hyorhinis infection, and method for producing said composition
TW201726707A (zh) 豬第二型環狀病毒之外鞘蛋白質的製備方法及含該外鞘蛋白質的醫藥組合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210510

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210730

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220415

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220415

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220426

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7082196

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150