JP7080298B1 - ストーカ炉、及びストーカ炉システム - Google Patents
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Description
ストーカ炉の主な被燃焼物である都市ごみは、性状変動が大きく、水分の含有量が多いため、発熱量が低い。ストーカ炉内で都市ごみを安定的に完全燃焼させるには、被燃焼物の燃え切り(輝炎の燃え切り長さ)を保証することが重要である。
したがって、ストーカ炉内で被燃焼物の層高さを制御し、輝炎の燃え切り長さを厳密に管理する必要がある。
しかしながら、被燃焼物の供給量制御と火格子の移動速度制御は乾燥段のみに留まるため、乾燥段後流における被燃焼物の層高さを円滑に変化させることは難しい。
また、本開示に係るストーカ炉システムは、上記のストーカ炉と、前記上面上の前記被燃焼物の画像に基づいて、前記駆動部を制御することで前記突出量を調整する制御装置と、を備える。
(燃焼設備)
以下、第一実施形態に係る燃焼設備100の構成について説明する。第一実施形態に係る燃焼設備100は、廃棄物としての被燃焼物400を焼却処理する設備である。燃焼設備100の例としては、ごみ焼却ストーカ炉やバイオマス流動床ボイラ等、が挙げられる。第1の実施形態に係る燃焼設備100は、ごみ焼却ストーカ炉である。
ストーカ炉1は、被燃焼物400を搬送しながら燃焼させる炉である。上記被燃焼物400の例としては、廃棄物と、バイオマスと、が挙げられる。図1における被燃焼物400は廃棄物である。ストーカ炉1による被燃焼物400の燃焼に伴って、当該ストーカ炉1からは排ガスが発生する。この排ガスは、ストーカ炉1の上部に設けられた排熱回収ボイラ8に送られる。
図1及び図2に示すように、ストーカ炉1は、炉本体10と、ホッパ3と、フィーダ31と、ストーカ6と、排出シュート13と、を有する。
また、ストーカ炉1は、送風機B1と、火炉7と、一次空気ラインL1と、二次空気ラインL2と、風箱2と、層高さ調整部40と、を有する。
本明細書文中における搬送方向Da一方側は、ホッパ3から排出シュート13へ向かう方向である。また、搬送方向Da他方側は、搬送方向Da一方側とは逆向きの方向である。
フィーダ31は、ホッパ3に投入された被燃焼物400を処理空間Vに供給する装置である。フィーダ31は、被燃焼物400を搬送方向Da一方側へ定期的に押し出し、被燃焼物400をストーカ6上に供給する。
一次空気ラインL1は、送風機B1と風箱2とを接続している。送風機B1を駆動することで、一次空気ラインL1を通じて空気が風箱2に供給される。
風箱2は、ストーカ6の下方から空気を供給する。風箱2は、搬送方向Daに複数配列されており、乾燥段21と燃焼段22との間で段差を形成して配列されている。
図2に示すように、層高さ調整部40は、乾燥段21と燃焼段22とに分かれる風箱2同士の間、及び燃焼段22と後燃焼段23とに分かれる風箱2同士の間に設けられている。さらに、層高さ調整部40は、後燃焼段23の搬送方向Da一方側端部に配置されている風箱2の搬送方向Da一方側に隣接して設けられている。層高さ調整部40は、幅方向(紙面奥行方向)に延びて設けられており、搬送方向Da一方側に向かって流れる被燃焼物400を適宜のタイミングで堰き止める機能を有する。本実施形態では、3つの層高さ調整部40が処理空間V内に設けられている。
層高さ調整部40は、堰き止め部41と、該堰き止め部41を変位させる駆動部42と、を有する。堰き止め部41は、幅方向に延びるとともに上下方向に変位可能なバッフルプレート41aを有する。駆動部42は、バッフルプレート41aを上下方向に駆動することで、堰き止め部41の突出量を変化させている。駆動部42は、風箱2内には設けられず、風箱2同士の間にある空間に配置されている。
本実施形態では、層高さ調整部40のバッフルプレート41aの突出量を段階的に調整することが可能となり、突出量が調整されたバッフルプレート41aが壁となって被燃焼物400の搬送を堰き止める。これにより、状況に応じた好適な被燃焼物400の層高さが迅速に確保でき、搬送方向Daでの局所的な燃焼や未燃焼を抑制することができる。したがって、層高さが円滑に調整されることで、被燃焼物400の滞留時間や輝炎Fの燃え切り長さZが円滑に好適化され、ストーカ炉1全体の燃焼性能を向上させることができる。
また、本実施形態の層高さ調整部40は、堰き止め部41のバッフルプレート41a周辺にデッドスペースが生じることがない。これにより、より多くの被燃焼物400を効率的に燃焼できる。
また、本実施形態の層高さ調整部40は、堰き止め部41のバッフルプレート41aの長さが制限されることがない。これにより、層高さの設計の自由度が増す。
以下、本開示の第二実施形態の層高さ調整部40の構成について図5及び図6を参照して説明する。第二実施形態では、層高さ調整部40の構成以外は第一実施形態と同様の構成をなしている。第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
層高さ調整部40は、乾燥段21と燃焼段22とに分かれ、段差が存在する風箱2同士の間、及び後燃焼段23の搬送方向Da一方側端部に配置されている風箱2の搬送方向Da一方側に隣接して設けられている。
以下、図5を参照して、層高さ調整部40が有する機能を説明する。図5は、乾燥段21と燃焼段22との間に設けられた層高さ調整部40とその周辺部分を拡大した図である。
本実施形態では、堰き止め部41が旋回し、径方向の長さがそれぞれ異なるブレード41bが壁となって被燃焼物400の搬送を堰き止めることで、段階的に堰き止め部41の突出量を調整することが可能である。これにより、状況に応じた好適な被燃焼物400の層高さが迅速に確保でき、搬送方向Daでの局所的な燃焼や不燃焼を抑制することができる。したがって、層高さが円滑に調整されることで、被燃焼物400の滞留時間や輝炎Fの燃え切り長さZが円滑に好適化され、ストーカ炉1全体の燃焼性能を向上させることができる。
以下、本開示の第三実施形態のストーカ炉システム50の構成について図1、図2、図7、図8、及び図11を参照して説明する。第三実施形態では、ストーカ炉システム50が、上記実施形態のストーカ炉1と、カメラ220と、制御装置300と、該制御装置300を実装するコンピュータ1100を備えている。上記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図1及び図2に示す炉本体10内部のカメラ220は、処理画像を撮影するカメラである。カメラ220が撮影する処理画像は、フィーダ31と、乾燥段21と、燃焼段22と、後燃焼段23と、被燃焼物400と、が写る熱画像である。また、カメラ220が撮影する処理画像には、被燃焼物400から発生する輝炎Fが写る。
制御装置300は、処理画像をカメラ220から取得して輝度を特定する。制御装置300は、特定した輝度に基づいて、輝炎Fの燃え切り長さZを特定し、特定した輝炎Fの燃え切り長さZに基づいて層高さ調整部40の突出量を特定する。
制御装置300は、画像取得部310aと、輝度特定部320aと、燃え切り長さ特定部330aと、突出量特定部340aと、突出量制御部350aと、を備える。制御装置300は、有線または無線で燃焼設備100と接続される。
輝度特定部320aは、画像取得部310aが取得した処理画像に基づいて、フィーダ31と、乾燥段21と、燃焼段22と、後燃焼段23のそれぞれの輝度を特定する。具体的には、輝度特定部320aは、以下のような動作で輝度を特定する。
以下、制御装置300の動作について説明する。図8は制御装置300の動作を示すフローチャートである。
輝度特定部320aが、ステップS1で画像取得部310aが取得した処理画像に基づいて、処理画像の輝度を特定する(ステップS2)。
本実施形態のストーカ炉システム50では、燃え切り長さZの状況に応じた上記一連の制御装置300の動作を通じて、堰き止め部41の突出量の増減が自動でなされる。これにより、被燃焼物400の層高さが増減し、燃え切り長さZが自動で円滑に適正化され、ストーカ炉1全体の燃焼性能を向上させることができる。
以下、本開示の第四実施形態のストーカ炉システム50の構成について図1、図2、図9、図10、及び図11を参照して説明する。第四実施形態では、制御装置300の構成以外は第三実施形態と同様の構成をなしている。上記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
制御装置300は、処理画像をカメラ220から取得して被燃焼物400の層の厚さを特定し、特定した層の厚さに基づいて層高さ調整部40の突出量を特定する。
次いで、制御装置300は、特定した突出量を層高さ調整部40の駆動部42に指令し、駆動を制御する。
制御装置300は、画像取得部310bと、層厚さ特定部320bと、突出量特定部330bと、突出量制御部340bと、を備える。
層厚さ特定部320bは、画像取得部310bが取得した処理画像を受け入れる。
層厚さ特定部320bは、画像取得部310bが取得した処理画像に基づいて、フィーダ31と、乾燥段21と、燃焼段22と、後燃焼段23のそれぞれの層の厚さを特定する。具体的には、層厚さ特定部320bは、以下のような動作で層高さを特定する。
以下、制御装置300の動作について説明する。図10は制御装置300の動作を示すフローチャートである。
層厚さ特定部320bが、ステップS1で画像取得部310bが取得した処理画像に基づいて、層の厚さを特定する(ステップS2)。
突出量制御部340bは、ステップS4で突出量特定部330bが特定した堰き止め部41の突出量に基づいて、層高さ調整部40の堰き止め部41の突出を指令する(ステップS4)。
本実施形態のストーカ炉システム50では、被燃焼物400の層の厚さに応じた上記一連の制御装置300の動作を通じて、堰き止め部41の突出量調整が自動でなされる。これにより、乾燥段21、燃焼段22、及び後燃焼段23のそれぞれにおける被燃焼物400の滞留時間や燃え切り長さZが自動で円滑に適正化され、ストーカ炉1全体の燃焼性能を向上させることができる。
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
コンピュータ1100は、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、インタフェース1140を備える。
さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、攪拌部43は、ストーカ6の上面6a上に設けられて、上下方向に延びるスクリュー軸線О2回りに回転し、上面6a上でスクリュー43aのみが回り、スクリュー43aがスクリュー軸44に設けられない構成であってもよい。
これにより、各段でスクリュー43aが不均一なサイズの被燃焼物400を崩す。サイズを均一にすることで、各段でより良好な層高さを実現することができる。
実施形態に記載のストーカ炉1、及びストーカ炉システム50は、例えば以下のように把握される。
Claims (5)
- 上面に層状に供給された被燃焼物を燃焼させながら水平方向に搬送するストーカと、
前記上面から突出せずに前記被燃焼物の搬送を許容する非突出状態と前記上面から上方に突出して前記被燃焼物を堰き止める突出状態とに遷移可能とされた堰き止め部、及び、前記非突出状態と前記上面からの突出量の異なる複数の前記突出状態とに前記堰き止め部を遷移させる駆動部を有する層高さ調整部と、
を備え、
前記堰き止め部は、幅方向に延びる軸線の径方向に延びるとともに該軸線の周方向に間隔をあけて設けられて、互いに径方向の寸法が異なる複数のブレードを有し、
前記駆動部は、前記堰き止め部を前記軸線回りに旋回させていずれかの前記ブレードを選択的に前記上面から突出させることで、前記堰き止め部の突出量を変化させるストーカ炉。 - 前記上面上に設けられて、上下方向に延びるスクリュー軸線回りに回転するスクリューを有する攪拌部をさらに備える請求項1に記載のストーカ炉。
- 請求項1又は2に記載のストーカ炉と、
前記上面上の前記被燃焼物の画像に基づいて、前記駆動部を制御することで前記突出量を調整する制御装置と、
を備えるストーカ炉システム。 - 前記制御装置は、
前記画像から特定される前記被燃焼物の輝炎の燃え切り長さに基づいて前記駆動部を制御する請求項3に記載のストーカ炉システム。 - 前記制御装置は、
前記画像から特定される前記被燃焼物の層の厚さに基づいて前記駆動部を制御する請求項3に記載のストーカ炉システム。
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